少々遅れ目の更新。
細かいところが上手く思いつかない…(困)
時の守護者
龍焔の世界から去った一行。
更なる世界への第一歩を踏んでいた。
「来たな」
「えぇ」
「次は一体…」
「どんな世界かしら?」
四人は家から出て一見何も無さ気な世界を見渡す。
「で、流姫の格好見れば大体見当ついてたような…ついてなかったような…」
「でも、今回平和的だな」
廻が流姫の服装変化に意味を口にする直後に信彦は流姫の格好を見た。
現在、流姫は私服にエプロンと言う街角にちょこんと建っているの喫茶店の店員みたいな格好だ。
「で、流姫さん。何か手掛かりになるようなものありますか?」
「そうね〜…あ、なんかスケジュール表みたいなのが」
「都合いいな、それ」
和雄の問いに難無くスケジュール表があったという展開に廻は少しばかりか呆れる。
「……あと三十分後にアタシ、バイト先の喫茶店に行くことになってるみたいね」
「服装のまんまだね」
「ていうか、行った方がいいんじゃないの?」
「俺達も一緒に行ってな」
という感じで四人はその喫茶店に行くこととなった。
***
「え〜と、君が今日からバイトに入る彩条 流姫さんだね?」
「はい」
スケジュール帳には喫茶店の住所まで書いてあったので一行は苦もなくやってきた。
ついでに流姫以外の三人は客として席に着いている。
「ま、緊張するかもしれないけど、最初は。でも慣れればスムーズにいくようになるから気楽にね♪」
「わかりました」
言い忘れたが、この喫茶店の名は”MEMORY”といってほんの僅かでも人々の記憶に刻まれるという願いあってこの名がついたらしい。
ちなみに、流姫に色々と説明している店長は女だ。
「上手くいきそうだな」
「結構流姫って器用だしね」
「でも、ちょっと心配ですね」
と、男三人はまったりとコーヒーなんか口にしながら有意義な時間を満喫していた。
片や流姫はというと…。
「流姫さ〜ん、こっちのコーヒー豆補充と食材の方お願〜い」
「はいはーい!」
この店はゆったりできる雰囲気があるとして結構人気があったが、美人な流姫が居たためか客足が倍増していた。ようするに忙しいと言うやつである。
「すいませ〜ん、チョコケーキくださ〜い」
「こっちはパフェで」
「私はシュークリームを」
そんな忙しい中で廻達三人はしっかりと注文していた。
(あんたらちょっとは気遣ってよ…!)
心の中で少し涙目になりながら流姫はそう思っていた。
そして、夕方となって一段落ついた。
というか、流姫のお勤めタイム終了である。
「はい。お疲れ様でした!」
「あ、ありがとうございます…」
その日分の給料を貰うと、流姫は未だに居座っている男たちに近づく。
ついでに言わせせて貰うと、廻達はジュースを飲んで最後の一時を過ごしている。
「あんたらぁぁぁ〜〜〜!!」
地の底から響くような声に三人はジュースを一気に飲んで流姫にこういったのは廻だった。
「おいおい、そんなに激怒すると折角の綺麗な顔が台無しだぜ」
「なっ!?」
「お前は笑っている方がいいと思うんだがな…」
それを聞いたが流姫は手をモジモジさせて顔を赤らめてしまう。
「…あの、廻さんってあんな感じなんですか?」
「流姫に対しては無意識に言ってるみたい」
と二人はコソコソと話していた。
***
んでもって帰り道。
「ハハハハハハハハ!!」
うざい位に聞こえてくる笑い声。
無論、四人は現場に向かった。
『良し…これでお前の願いはかなえたぞ』
異形の者…イマジンの目の前に居る人間はなにやら価値の高そうな宝石を抱えている。
『契約完了』
イマジンは契約者の記憶を頼りに過去へ時間移動しようとするが、
≪KAMEN RIDE…DEROAD≫
「そうはいかないぜ!」
『何者!?』
ディロードが現れてセイバーモードで斬りかかって行った。
『き、貴様!刻王の仲間か!?』
「刻王…この世界の仮面ライダーか」
『答えろ!』
「仮面ライダーだ」
イマジンにそう答えると、ディロードは一枚のカードを取り出す。
「変身」
≪KAMEN RIDE…RYUEN≫
幾つもの像が重なり、ディロードはD龍焔となる。
≪ATTACK RIDE…SEPARATE VENT≫
カード効果でD龍騎とDリュウガに分裂する。
『なぬ!?』
流石にイマジンもこの事態に驚く以外に選択肢がないようだ。
≪≪ATTACK RIDE…STRIKE VENT≫≫
二人はドラグクローを召喚、右手に装備する。
「「ハアァァァ…ダアァァァァァ!!」」
双方同時に赤と黒の火炎こと昇竜突破をお見舞いした。
『ちょちょちょ、ギャアァァァァ!!』
無様なまでに慌てた末、イマジンは爆散した。
≪≪ATTACK RIDE…FUSION VENT≫≫
二人は同時にカードを装填して元のD龍焔に戻った。
「こんなところか……しかし、電王と似たライダーが主軸の世界となると手間を取りそうだ」
というと、変身を解除した。
「廻、どう?」
流姫達が聞いたみると、
「ちょいと、手こずるかもな」
***
翌日、流姫は喫茶店で店長と世間話をしている。
店長の名前は霜村愁子。なんだかよくわからないが、彼女と流姫は異様に馬が合っていた。
「恋人?」
「うん。…半年前から連絡すらつかないのよ。今頃何をやって生きているのやら」
寂しげな表情をする愁子。
「恋人…か」
流姫にも、まあ好意を抱いている者はいる。
ただし、流姫の想いに気づいているかどうかは随分と疑問なことだが。
「ホント、なにやってんのかしら?」
というと、愁子は指にしている指輪を見つめる。
「それって…」
「昔、彼と一緒に買ったの。…私が右手で、彼が左手にこれしてるのよ」
一見そんなに高価そうには見えないが、よく見れば何か絆の痕跡のようなものを感じさせてくれる。
「あ、別に気にしなくていいからね!私個人の私活的問題だから」
といって愁子は店の仕込みに再度取りかかった。
「………」
そんな愁子の背中に流姫は悲しいものを感じざるを得なかった。
***
――ピピピピピ!ピピピピピ!――
「…もしもし」
「あ、廻。アタシよ」
携帯電話を掛けてきた相手が流姫であることを理解すると、廻は真剣な表情になっていく。
「恋人か…ならば店長の恋人が刻王って線が強いな」
「なんとかならない?」
「時の運行を守護するライダーは時の列車に乗っていることが多い。半年も列車で走り回っていると言うのはどうも引っかかるがな」
「…何か帰れない理由でもあるのかしら?」
「それがわかれば苦労はないな」
と、電話を切り、廻は街の扉と言えるもの探していた。
そして、携帯電話の時刻表示を見ながら。
現在時刻、十一時二分。
「まだもう少し時間がある」
廃ビルの扉前で廻は待ち続けていた。
そして、
「今だ!」
現在時刻、十一時十一分十一秒。
廻は素早く飛び込んだ。
「……成功」
廻の周囲には砂漠が広がっている。
これこそが時の列車が時間移動の際に駆け巡っている時空間。
♪〜〜♪〜〜♪〜〜
暫くすると、奇怪なメロディが流れていく。
それを聞いた廻はそれが聞こえた方向に顔を向ける。
「来たな」
廻の目の前に視界を横切るように列車が走る為に使われるレールが自動で、何もないところから現れたのだ。
「貴方は…」
やってきて止まった時の列車から降りてきたのは一人の青年。
その手には…。
「…列車に乗っているってことはお前が仮面ライダー刻王」
「何故、俺が刻王だと?」
「お前が手にしている指輪だ」
青年の左手には指輪がされていた。
「そいつはお前の恋人と共に買ったものではないのか?」
「恋人?…俺はそんなもの知らない」
その言葉に廻の表情は一変した。
「兎に角迷い込んだあなたをこのままにしておくわけにはいかない。現実空間に連れていく」
「俺は迷い込んだんじゃない。お前に会うために来たんだ。…石田錬紀」
この恋人の存在を否定した仮面ライダー刻王…石田 錬紀。
彼に何があったのか?
この先一体何が起こるのか…?
次回、仮面ライダーディロード
『あら、面白い客人ね』
「刻王のカード…」
『あの人は戦うたび、自分を失う』
「代償……失うにしては大きすぎる」
”家族…失ったもの”
全てを救い、全てを砕け!
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