ルリルリ内緒の夜勤日記②
「あ、ミナトさん。おはようございます。え、昨夜、ですか？…やっぱりバレちゃいましたか。
アキトさんったら、変な声ばっかり出す
もんだから――そうなんです、あれで結構。
ええ。今回は私からだったのですんなり入り
ました。前は強引 でしたから…。
今回は スムーズにイけましたよ、
当然じゃないですか。私、きっちり準備しておきました しね。
私のはアキトさん専用ですから、 ハマっちゃえば相性ばつぐん です。
アキトさんが 動けないようにがんじがらめにしてからじっくり責め立て ました。
俺にも出させてくれってせがむんですけど、またあんなの出されたらさすがに危ない
のでとにかく慎重に。
私が動く度に悲鳴をあげる
もんだからついつい夢中になってしまいました。
ところがですね、入れてる途中でアキトさんが拘束を破っちゃったんですよ。
あんな大きな…信じられませんでしたね
。
安心しきっていた私はそこから散々でした。アキトさんのが私の弱いところを容赦なく突いてきて …。
私もなんとか出させまいと頑張ったんですけ
ど、やっぱり最後にはアレをしっかり出されてしまいました
。
そこで抵抗の意志を失って、あとは私もうひたすらにボロボロです。真っ白になっちゃ ――
あ、メグミさん。変な顔してどうしたんですか？」
「…ル、ルリちゃん、一体アキトさんと何してたのっ？！」
「何って…カードゲーム
ですけど？」
「…げ、げぇむ？」
「はい。昔流行っていたカードゲームらしいのですが、アキトさんの荷物に
紛れてたんで複製して二人で遊んでるんです。
アキトさん、やられると大声出すので夜中に出来ないんで
すよね。子供みたいで可愛いですけど。
この前はアキトさんの先行で、私は調整の甘いデッキだったのに強引にいったも
のだから返り討ちに遭いまして。
昨夜は私からだったので開幕コンボもすんな
り入りました。
その後の流れも計算どおりスムーズにいけましたよ。
運も味方しましたね。
私のデッキは3日掛けて準備したアキトさん専用ですからハマっちゃえば相性ばつぐんです。
予定通りバインドもしっかり決まってアキトさんの身動きは完全に封じることが出来ました。
そこからは焦らずじっくり責めました。速攻デッキというのは総じて火力が低いものなんです
よ。
私が動きを見せる度にアキトさ
んが俺にもカード出させてくれってせがむんですけど、ルールですから。
それにアキトさんのデッキ、凄い火力のレアカード入ってるんですよ。
私にはどうにも条件が良く分からなくて使いこなせないんですけど、前に一撃で瀕死に追い込まれまして…。
またあんなの出されたら今度こそ即死しそうだったの
で慎重を期していきました。
ところがですね、肝心要のとどめコンボを入れてる途中でアキトさんがバインドを破っちゃった
んですよ。
ダイス3回振って17以上なんてあんな大きな数字、
滅多に出ませんよ？まったく卑怯です。
そこからは油断しきっていた私のデッキの弱点をビシバシと突かれましたね。
頑張って防戦したんですけど結局最後にはレアカード出
されて直撃ですよ。
何かもう抵抗する気力も無くなってあとは野となれ山となれって感じで、真っ白に燃え尽きましたね。
――すみませんメグミさん。マニアックな用語が多すぎましたか？」
「ミナトさぁん、私が悪いのかなぁ…？」
「悪気は無いのよ？悪気は……多分」
END.