西暦2198年成立、西暦2300年初頭まで存在した地球を中心とした星間国家。
ユーサー・ペンドラゴンにより建国された巨大帝政星間国家。
BETA討滅の際に得られるG元素が第一級危険物質としてBHに投棄する事が法により定められた原因となった事件。
銀河帝国正規軍・第三艦隊旗艦。
元は、スコットランド北部のハイランド地方の住民を指す。
人間に匹敵あるいは凌駕し得る能力を持つ電子知性体の総称。
テロメアの修復、細胞活性、老化因子の抑制または排除を含めた技術体系。
物質を反転させ鏡像物質を生成するシステム。
宇宙船の様な限定空間内に空間操作技術により相の異なる空間を構築する技術。
文字通りの過去の遺物。
装甲そのものに最新の機体制御システムであるOBLを組み込んだタイプのMCA技術。
先進技術開発集団『竜の巣』より齎されたMCA技術に
爆散した際、超耐熱ガラスの微粒子による霧状の硝子塵を発生させ、領域内のレーザーを拡散・分散させて、威力を減衰させる対レーザー用防御兵器。
先進技術開発集団『竜の巣』謹製の対レーザー合金を用いて開発されたレーザー反射装甲。
■世界設定
▼地球連合
基本的に民主政をとっており、各殖民星にも自治と中央政界への参画が認められていたが、あくまでも地球中心の政治・経済体制の歪は、人類の生存領域拡大に伴い、修復不能な程に拡大。
西暦2291年、反地球連合の結成により人類統一政体の座から転げ落ちる。
そして西暦2304年12月24日太陽系近傍のバーナード星系において行われたバーナード星域会戦に大敗、無条件降伏へと追い込まれて後、徹底的に解体され、人類史から姿を消す事となる。
▼帝国
初代を太祖大帝と神格化している為、歴代皇帝もユーサーを名乗る事が慣例となっている。
初代、二代と名君が続き、三代皇帝の御世においてほぼ最盛期へと到るが、第四代の世に実用化された老化抑制技術により、世代交代速度が一気に遅くなり以後、停滞と陰謀の時代へと突入する。
帝国暦600年代、ユーサー\世の御世においても四千億を越える人口と銀河の三分の一を占める領域を統べているが、これはこの一世紀ほどほぼ横ばいのままであり、寿命の延長を勘定に入れれば逆に衰退している事になる。
目新しい技術革新もなく、閉塞感のみが社会を覆う斜陽・衰亡期に入っていた。
そして帝国暦683年、ユーサー\世の死と共に大分裂戦争に突入。
その後、群雄割拠の戦国時代へと移行し、以後、久しく銀河に砲声が途絶える事は無かった。
▼アイオーン事件
西暦2212年、惑星アイオーンに置かれたBETA研究機関において、G元素の解析中に起きた事故により、保管されていたG元素も連鎖反応を起こした結果、アイオーンを中心とした半径二十光年の範囲が通常宇宙から切り離されてしまった。
以後、外部からの干渉を完全に阻む未知の障壁に囲まれた中の様子は完全に不明のまま二十年以上の歳月が過ぎた後、突如として障壁が消失。
最初にこれを発見した軍の監視部隊は、すぐさまアイオーンへ進出しそこで驚くべき光景を目撃する。
二十年間、閉鎖されていた筈の世界は、二十年前と何ら変わる事なき姿のまま彼らの前へと姿を現したのである。
後の調査により、内部の人間にとっては、事件発生から三週間しか経過していない事が判明。
現代の浦島太郎事件として、巷間には知れ渡るが、実際は更に厄介な事件だった。
本当は、三週間しか経過していないのではなく、『同じ七ヶ月間を繰り返して』いた事が詳細な調査の結果として判明した。
あの未知の障壁(後に時空の歪みそのものと解析された)により区切られた閉鎖空間内の時空間そのものに深刻な亀裂が生じ、時の流れを歪ませた結果、際限なく『同じ七ヶ月』繰り返していた事が確認される。
この事件の結果、元々、人類には扱い難い物質と認識されていたG元素に対する興味は完全に失われ、回収次第ブラックホールに投棄し、事象の地平の彼方へと放り出す事が法により定められ、後継国家である帝国にも受け継がれていった。
■技術設定
▼プリトウェン(Prytwen):序ノ弐より
上位皇族の御召艦でもある為、帝国の技術の粋を凝らした最新鋭艦。
全長は凡そ二千メートル。
基本は宇宙艦ではあるが、儀礼的な式典等にも用いられる為、大気圏内でも活動は可能である。
内部には、空間操作により構築された異相空間を多数有し、巨大な船体以上のスペース内には膨大な補給物資と各種の設備が備わっている。
▼ハイランダー(Highlander):序ノ弐より
勇猛な精兵を多く輩出し、ハイランド人で組織された連隊は”ハイランダーズ”と呼ばれ、総じて精鋭部隊とされていた。
後に転じて、西暦2000年代後半から2100年半ばまでの間、遺伝子工学により産み出された遺伝子調整体の総称となる。
ただし、人の遺伝因子が百%発現する事は、まず有り得ない為、殆どが設計値に及ばぬ能力しか持たなかった所為で、徐々に廃れていき、西暦2100年代後半には人に劣らぬ判断力を持つ高度AIの基礎が確立された結果、遺伝子強化兵は時代の流れの中で埋もれていってしまった。
そんな彼らが時代の脚光を再び浴びるのは、西暦2300年代初頭の事。
当時、『帝国』を打ち立てた初代皇帝ユーサーが先天的なハイランダーであった為、一度は廃れた技術によって我が子をハイランダー化する事が流行ったのだ。
ただし皇帝自身は、その事を快く思っていなかったらしく、後に法律により、胎児のハイランダー化は正式に禁じられる事となる。
とはいえ、既にハイランダー化された子供たちとユーサーの様な者もおり、ハイランダーそのものが存在を否定される事は無く、その多くは帝室の近衛として召し上げられるのが慣例化される。
また、帝室に時折り産まれる先天的ハイランダーは太祖の恩寵篤き者として特別な扱いを受けるようになっていった。
▼高度AI:序ノ弐より
社会のあらゆる分野に存在し、人間に奉仕する。
帝国軍の98%は高度AIを備えた擬体により構成されている。
人間の軍人は、基本、指揮官として彼らの上位にある。
尚、艦隊クラスの統制を行う為、通常の高度AIを遥かに超える能力を付与された超高度AIも稀に存在する。
▼老化抑制技術:序ノ弐より
帝国暦200年代には、ほぼ技術的に完成されており、定期的な処置を受ける事で200歳前後まで寿命を延ばす事が出来る。
人生の殆どを、青年期から壮年期で過ごす事が出来る為、帝国では極一般的な医療技術として民間にも広まっている。
▼クライン・システム(鏡像物質生成システム):序ノ弐より
これによって生成された鏡像物質が艦船などのエネルギー源として利用されている。
但し、当然ながら鏡像物質生成にはエネルギーを必要とする為、一般的には恒星近辺に設置され、その太陽光を利用して稼動させるのが普通である。
▼異相空間:第一話より
戦艦クラスの艦船の標準装備であり、大量の補給物資の備蓄を可能としている。
この技術の発展により補給艦という艦種が喪われたと帝国戦史に記述が残る程の技術である。
▼遺物(relic):第一話より
珪素系生命体による先史文明の遺産であるBETAもこれに相当する。
最初の接触は西暦2205年、太陽系より二百光年ほど銀河中心核よりの未開惑星にて。
当初、ハイヴ等を構築している事から、何らかの社会性を有する人類外知的生命と思われた為、意思疎通を試みるも問答無用の攻撃を受け多大な被害を被った人類は、以後、これらを敵性生物と断定、徹底的な殲滅戦を開始した。
既に、自力で恒星間航行にまで到った人類にとって、BETAは脅威という程も無く数年でこれらを殲滅。
後に、残されたハイヴより収集・解析された情報により生命ではなく有機機械である事が判明した後は、接触次第、殲滅のオプションを取り、自領域から容赦なく駆逐していった。
その後、人類の版図が広がるにつれ、加速度的に接触の回数が増えたBETAに対する研究――より正確に言うなら、その創造主である珪素系生命体への研究も進んでいくが、鹵獲した重頭脳級を解体し、命令系統その他を解析した結果、最低でも数十万年前から新規の命令が下されていない事が判明。
結果、人類サイドの研究では、創造主自体は既に何らかの理由により滅亡、或いは衰退しており、BETAは主を失ったまま暴走している物という意見が有力になる。
この研究成果よりBETAを先史文明の遺物と見做しそのまま遺物(relic)と呼称する事が一般的になっていった。
▼試製99式多機能装甲【マルチプル・コンストラクション・アーマー】:第二話より
通常の装甲の換装とさほど変わらぬ程度の作業で換装可能な様に設計されている。
▼撃震改【F-4JC】:第二話より
より産まれたファントム改修機。
ファントム自体は第一世代機だが、OBLを組み込んだMCAと新開発の高機能並列処理CPU、それに合わせて調整された新型OSにより、段違いの機体制御と即応性を実現している。
同時に装甲の構成変更する事で、第二世代機並みのトップヘビーな機体重量バランスを再現する事で、第二世代機に匹敵する運動性をも獲得していた。
その他装備(跳躍ユニット、データリンクシステムを含む電子兵装更新)の近代化と追加バッテリーの肩部モジュールへの搭載による稼働時間延長等も図られ最終的に準第三世代機相当の性能を獲得する。
装甲の交換のみで、これらの改修の大半を行える為、極めて簡便な機体のアップデートモジュールとして帝国のみならず海外向けにも輸出され外貨獲得の目玉商品となる。
西暦2000年代初頭、退役の時期を間近に控えつつも未だ帝国軍主力であった撃震を、大幅に強化する事に成功した本装備は、後の帝国軍による反攻作戦にも大きく寄与する事となった。
▼GM弾【Glass Mist弾】:第二話より
防御フィールド等の技術が未成熟な年代に使用されていた対要塞戦用レーザー防御兵器。
時代の進展と共に、不要となった為、記録上にのみ残っていた物を、『マーリン』がDBから引っ張り出してきて再現した代物。
AL弾による重金属雲と同様に一定以上の濃度が無いと効果が薄い等の欠点はあるものの重金属雲に勝る対レーザー減衰効果を有し、展開時の電波障害も比較的軽微な為、AL弾に換わる対レーザー兵器として急速に普及していく事となる。
▼試製99式対レーザー追加装甲:第二話より
本来は『プリトウェン』搭載の対艦ミサイルの外装として用いられていたものを剥がして提供されたもの。
ほぼ完全にレーザーを反射する画期的な性能を有しており、初の実戦試験において、光線級二十二及び重光線級十を、たった一個小隊で狩り獲るという大きな戦果を上げ、以後の作戦においても光線級吶喊において絶大な成果を齎す事となる。
惜しむらくは、精製に要する稀少金属が地球上には殆ど存在しない為、量産自体が不可能である点が挙げられる。
この為、全軍に均等に配備する事を断念した帝国軍は、選りすぐりの精鋭を集めて編成した光線級吶喊専門部隊を創設し、来る佐渡島ハイヴ攻略戦に挑む事となる。
また対レーザー合金そのものの強度は鉄程度な為、物理的な衝撃に対する防御力そのものは高くない。
この為、スーパーカーボン製の本体に取り付けて運用されているが、再生産の利かない対レーザー合金自体の損耗を避ける為、格闘戦時の使用は厳として戒められている。
以下、随時改訂?