ライ Side
更衣室で待たされている時に、事情聴取を取るため一人ずつ生徒指導室に呼ばれた。
最初に呼ばれたのは一夏だった。おそらくアリーナの壁を壊したのが原因だろう。
ラウラをは身体が鉛のように重い以外なんともないと言ったが、織斑先生に保健室で念のため診てもらうよう言われた。
僕はその間に、レインとマリーカに以前の世界の事ははなさないほうがいいと、
二人に話をしたら、簡単に了承をえた。
おそらく、証拠もないから頭がおかしくなったと言われるのが関の山だとわかっているからだろう。
けど、問題は彼女たちがアリーナに侵入した理由だが、
レインは
「私は『ISで戦いたかったけど、以前の対抗戦と同じ様に中止になるだろうと思いあの中に入っただけです』と言います安心してください」
僕の為に平気で汚名を着る所は以前と変わってない。
それは、少し寂しいけど彼女はこうなると意志を変えたことがない。
僕達の会話をマリーカと一緒に遠目でみてるシャルは何故か睨んでいる。
というか、もの凄く不機嫌だ。
僕は呼ばれて、事情聴取をされたけど、侵入者に関しての情報だけだったから直ぐに終わった。
千冬さんに一夏の事をきいたら、100枚の反省文を書かせているらしい。
ご愁傷様一夏としか思えない。
レイン達の事は聞かれたけど、以前の知り合いとだけ話した。
その後、部屋を出て山田先生にシャルの父親を呼んでもらえるよう頼んだら、
向こうも会いたいらしくというか、観客席のお偉いさんの殆どがそうらしいが・・・、
そのことはどうでもいい。
向こうも話がしたいから直ぐに許可をくれたが、山田先生が学生ですから何かったら直ぐに相談してくださいといった。
イスと机だけがおいてある空き教室で彼は秘書と待っていた。
軽い自己紹介してたら。
「君はアレと組んでいたようだね?」
シャルをアレ呼ばりした為、僕の父親を思い出す。
(けど、好都合だ)
こういった下郎には容赦しなくていい。
「貴方に頼みたいことがあるんです」
「ほう、私に?」
「はい、と言うより命令だ」
「「何!?」」
僕の言葉に反応したが遅い。
「ライ・S・ブリタニアが命じる―――」
ラウラ Side
保健室、念のために身体を見てもらった。
必要は無いといったが教官が言ってきたため、見てもらう事にした。
結果は過労で身体が重いだけと診断された。
すこし、ライとの会話を思いだしていた。
その時、教官が保健室に入ってきて。
「問題はなかったみたいだな?」
「はい、心配をおかけしました」
「生徒を心配するのは教師の役目だ」
「そうですか」
「聞かないのか?」
「あの、システムの事なら興味はありません」
「そうか」
教官が少し笑ったような気がした。
「以前教官が言っていた強さのことを少しわかった気がします」
「そうか・・・」
「ライに聞いたんです。どうしてお前はそんなに強いのかと」
「ランペルージは何て答えたんだ?」
あの時、ライが悲しそうな表情で答えてくれた事を教官に話した。
「だから・・・あいつは強いんだな」
「自分もそう思いました」
「あいつは他の人が背負うことができない思いを背負っただろうな」
「・・・・・」
私には想像できなかった。
「アレだけの力を身に付けなければ背負えないものを背負った。
それでも、あいつは笑顔でいる」
ライの傍にいたい、そう強く思っていると。
「はぁ〜、こうなったか」
「へ?」
「私も譲る気はないからな」
教官は顔を赤くして保健室を出て行った。
「もしかして・・・教官もライの事を?」
だとしたらまずい。かなりの強敵だ。
ライが女子に人気があるのは最初の授業から見ていたからわかっていた・・・。
それに、あの時と同じこの不愉快な気持ちは・・・って!?
「わ、私はそのときからライを見ていたのか?」
ライが気に入らなかった理由は強いからじゃなく、
他の女子に好かれていたからだと今更気付いた。
だが今は、そんなことはどうでもいい。問題はライバルが多い事だ。
特に厄介なのが教官とデュノアだ。
デュノアはあの時、私を抱えたとき感じた感触は間違いなく男の感触でなかった。
それに、ライがあの二人と内緒話をしている時の態度を見たら・・・答えは出てくる。
くわえて、ライと同じ部屋で暮らしている・・・・。
「ど、どうすればいいんだ・・・・?
そっそうだ、クラリッサに相談しよう」
私は直ぐにクラリッサに相談する為に連絡を入れた。
鈴 Side
最初はもっと強くなりたくてアタシとセシリアが二人がかりでも勝てなかった山田先生を倒したライに教えてもらおうとした。
ライの教えは優しく、為になる事ばかり教えてくれた。
戦闘をやった事がないのが嘘だと思うくらい、色々と為になるアドバイスをもらった。
そして、気がついたら、教えてもらうのが楽しみにしている自分に気付いた。
一夏を相手するような態度をとっても優しく対応してくれる。
だから、一夏相手と違って素直に言いたいことも言えた。
ライが来る時はライを見るのが自然になっていく。
ライが他の子に優しい笑顔を向けるところを見ていると、
一夏を想っていた時以上に胸が苦しくなる。
最悪な事にライは一夏と同等、或いはそれ以上に鈍感であること。
くわえて一夏以上にもてる。
初めてアタシがライを意識したのは教えてもらった御礼にジュースをあげた時のあの笑顔。
「ありがとう鈴」
あの笑顔は反則だと思う。
加えて、戦闘は学年では最強といってもいい。
ライは親友の動きを参考に教えてもらったというが、
どんな親友よ!?
それに誰に対しても優しいし、
男のシャルルもなんだか、そっちの気があるみたいだし・・・。
「なんで、アタシが惚れる男は難易度が高いのよー!!」
しかも、今回は同姓にまで・・・、
最悪、一夏は・・・、大丈夫よね、
千冬さんがいるし、もし一夏が変な気を起こしたら千冬さんがとめてくれるはず。
それよりも、同じクラスメイトの月ヶ瀬 純菜にマリーカ・ソレイシィ、
最初は見た時は見た目は可愛いのに大人しく
他の子達とは全く喋らず壁を作っていた。
その印象は今日の事件で180度変わった。
ライと知り合いらしい。
ライは純菜に対して懐かしそうな表情をしていたから間違いない。
月ヶ瀬のほうはなんと言うか憧れっぽいからまだいい、
マリーカがやばいと勘が告げてる。
オマケにラウラまで・・・・そして千冬さん・・・、
「がぁぁぁーーーー!!
恋の神様はアタシに何か恨みがあるのかーーーーー!?」
「あ・・・あの鳳さん?」
叫んだ後、突然ルームメイトに声をかけられた。
「ア、アンタ、何時戻ってきてたの?」
「え、えーと、難易度あたりくらいから?」
今日は厄日ね・・・。
シャル Side
事情聴取が終わった後、あの人から電話がかかってきた。
最初はてっきりデータを取り終えたか、ライの事を聞かれると思ってたけど、
全く思いもつかないことを口にされた。
今日から自由だ。フランス政府には自分が脅したと言う。
それだけでなく、当分生活に困らないお金を銀行に振り込んだらしい。
ただ、淡々と言ってきたから何かの嫌味かとかと思ってたけど、
携帯で調べたらとんでもない金額が私の口座に振り込まれていた。
自由になった実感が沸かなかった。
でも、ライと初めてあったときのことを思い出した。
『デュノア社の件は僕が何とかするよ』
『うまく説明できないけど、直接話せばシャルをデュノア社から引き離すだけじゃなく、
シャルが生活に困らないくらいの支援は約束させられるから。安心して』
「ライが話をつけてくれたのかな?」
どんな方法を使って説得したのか気になるけど、
それ以上にライが自分の為にやってくれた事が嬉しいからそう思いたいと強く思う。
「なにか、お礼したいけど何がいいかな?」
ライに何かお礼したと思っていたら。
「デュノア君ーーー」
「へ? 山田先生?」
「よかった、朗報です!ついに今日から男子の大浴場使用が解禁です!」
大浴場・・・。
「そうなんですか」
「はい、織斑君は反省文でいけないと思いますけど、お二人なら時間がありますよね?」
「あ、はい、ありがとうございます」
「デュノア君はランペルージ君を見ませんでしたか? このことを伝えたいんですけど?」
「だったら僕が伝えます」
「そうですか、それじゃあお願いしますね」
山田先生は笑顔で去っていった。
「お風呂か・・・一夏はこれないみたいだし・・・・・、よし!!」
僕は顔を真っ赤にしながら決意して、ライにこのことを伝えに部屋に戻った。
部屋に戻ると、ライは居た。
「ライ、山田先生が男子も今日大浴場が使えるって」
「あ、そうなんだ。だったらシャルが使いなよ」
やっぱり。ライは遠慮する。
「そ、そのことなんだけど?」
「どうしたの?」
「い、一緒に、はっ入らない?」
「は?」
「あ、あのね・・・お礼したいから?」
「い、いやちょっと待って、お礼って、デュノア社のことだよね?」
「う、うん。ライが話をつけてくれたよね?」
「それはそうだけど、なんで一緒に入るのがお礼になるんだ?」
「そ、そのライの背中を流してあげようかなってだけじゃ・・・だ、駄目かな?」
「いや、そういうのは好きな人にやるものじゃないか?」
「ライの鈍感・・・」
まさか、ここでその言葉を言うのは予想外だった、
ここまで鈍感だとどうすればいいのだろ?
「へ? 何か言った?」
いや、それはこれから考えればいいか、それよりも。
「ライは僕に背中を流されるのは嫌?」
「その、何ていうか・・・、(ナナリーが見せるような悲しい表情をされると・・)」
「い、嫌なら―――「わかった。背中を流してもらおうかな」――ほ本当?」
「ああ、(だから、その表情はやめてくれ。罪悪感が)」
「じゃ、じゃあ行こう」
僕は早速着替えなどを持って、ライの腕を引っ張った。
一夏 Side
何でこんな事になったんだろう?
アリーナの壁をぶち破ったことで反省文を書くのはいい。
「でも、100枚は無理だよ千冬姉ー」
山田先生の朗報の大浴場が使えるといわれても、入る時間がない。
「はぁ〜、・・・・そうだ、この疲れを大浴場で取ってからの方が反省文に入る力は今よりはよくなるだろう」
そうおもって、早速大浴場に向った。
その途中で、ライ達の戦いを思い出していた。
その動きは俺と桁違いで、とても真似できない動きだと思い知らされた、
最初にラウラとの戦いは、高速で飛び回り、
ラウラと組んだ女子を一瞬にして戦闘不能にしたあの動き、
4基のハーケンを同時にぶつけた後、すぐにハーケンを戻し、
その相手に向かって行きながらの回し蹴りは見事だった。
その後、ラウラを相手にしたときの動きも凄かった。
全く攻撃をうけず、一方的に攻撃していたし、
なにより、ラウラが暴走したときに最後に使ったあの三連続の突きはとても真似できない動きだった。
その後の侵入者との戦闘は純菜との連携も息がぴったりとかの話じゃなかった。
俺も参加したかったが、あのリーダーらしき女がこちらを睨んでいて、
動くことも出来なかった。
顔は見えなかったけど、
「動いたら殺すぞ」と威圧感をだしていた。
「俺ももっと強くならないと・・・」
そう思って大浴場の扉を開けた。
この時、考えごとをしていなかったら、
男以外の女の子が入っていたと気付いていただろうと後なって後悔した。
理由は、翌日あんな事になる何て思いもしなかったからだ。
千冬 Side
私は今、ライの戦闘データを見ている。
明らかに、世界でも世界でもTOPクラスというレベルでは叶わない、
今世界でも有名な国家の代表も叶わない思ってしまうレベルだった。
先日までなら、代表ならそれなりに戦えるレベルだと思っていたが、
今日、あのISが一次移行を終えていなかったと知ったときは驚愕した。
私以上に、ライと戦った山田先生は驚愕を通り越しショックを受けていたが。
おそらく、ライの動きにISが付いて行けず最適化が時間がかかったのだろうと判断できる。
武装を完全に使いこなしているうえ、戦場を掌握できる視野もある。
今回の戦闘で、自分達に有利に動くように動いていたのはこの映像を見ても分かる。
「高度な戦闘訓練ではく、命を懸けた戦場を経験しているのか?」
そう思わざるしかないぐらい、今回の戦闘は凄まじかった。
おそらく、これに気づいているものは少ないだろ、
今回の戦闘はライと月ヶ瀬の連携が奴らを圧倒したと思っているだろ。
月ヶ瀬と話したとき、口にはしていなかったが、
自分に合わせてくれた為、自分の未熟さに後悔している表情だった。
月ヶ瀬の実力は代表候補を超えてもおかしくない実力だが、
まだISに慣れていない感じだ、
戦闘中にその月ヶ瀬の動きをくわえて、あの動き戦果をあげたライが異常だ。
ライは月ヶ瀬や他の代表候補、代表達のようにただ戦闘技術が高いだけでなく、
指揮能力もある、戦闘技術に関しては代表達と比べ物にならな技術だ。
「本人は無自覚なのか、自覚しているのか判断が難しいぞ、
あいつの場合は」
レイン Side
事情調子を終えて、今日の戦闘に関して考えていた。
ライ様は明らかに私に合わせて戦っていた。
あの人なら一人でも戦果を挙げていたはずだ。
私がまだISに慣れていない所為も有る。
まさか、ISに興味がなかったため、あまり乗る気になれなかったツケがこんな風に返ってきたのが悔しかった。
それだけでなく、戦場の勘が鈍っているどころの話ではない。
おそらく、戦場の勘に関してはマリーカに敵わない。
戦場を離れて赤ん坊から再スタートしたことを恨みたい。
かといって、この時代の戦場はあの時代と全く違うため、
この時代に合わせるしかない。
戦闘技術は周りから物心が付き始めたと思われたときから、
あらゆる、技術を習得し始めた。
その為、戦闘技術だけは前世より高いだろ。
けど、戦場と訓練は別世界だ、この年で戦場を経験するチャンスが全くない。
ライ様に頼めば、前世とまではいかなくても、戦闘の勘を身につけることが出来るだろう。
あの方は天才だ、あらゆる武器を自在に操り、戦場を支配できる指揮能力がある。
あの方には命を助けられた恩が有る。
この命を使い切っても足りない恩が。
今の両親には感謝している、私のわがままを叶えてくれたし、
恩返しがしたいと思っているが。
「親に対する情もある恩もある、しかし今は忠義が勝る」
これからは、私の命はあの方の為に存在する。
今回侵入してきた連中の言葉からすると、奴らはまだライ様と戦うきだ。
それに、「今度会った時は殺し合いだ」ハッキリと言った。
おそらく、生身での戦闘も考えられるからライ様用にいくつかの武器を調達する必要があるな。
まずは家の財産でそれらを探すか。
そんなことを考えていると突然背筋に悪寒が走った。
私はその勘にしたがい、家から持ってきた刀を持って、
ライ様がいる場所に向かった。
今の時間なら大浴場にいるだろう。たしか、今日は男子が一時間使えるひだと教師が言っていた。
マリーカが何かいってるが、今は無視だ。
マリーカ Side
突然、純菜さんが可笑しなことを言って、刀を持ち出し、
部屋を出て行った。
「あれで何をするんですか?」
何か嫌な勘がするけど今かかわると殺されかねない、
そういう勘がしたので見なかったことしよう。
それに、純菜さんがいっていた、
陛下がランペルージ卿だったことが驚きです。
私みたいに異世界にくるようなオカルトがあるから、
もはや、疑うだけ無駄だし。
それよりも、これからランペルージ卿のことだ。
あの方はブリタニアでは英雄であり、
気軽に呼んでいい存在ではない。
その証拠に、ライ様の肖像画はあの世界ではたった一枚しかない。
複製するという話は出たこともあったが、
名前すら名乗ってはいけない人物なため、複製などはもっての外だという人々が沢山いたぐらいだ。
以前はそうと知らず、上司として接した自分を殴りたい。
私も生粋のブリタニア人だ、相手が皇族だと、自然に敬語になるし、
殿下をつける、しかし、ライ様はそのブリタニアでは英雄だ。
もし、死んだ兄、キューエルに知られたらどんな目にあうか考えたくない。
あの人は普段私に対して優しいが、ライ様のことになると人が代わる。
それだけ、あの人やブリタニア人にとって崇拝するべき人物だ。
純菜さんとのやり取りを見ると、畏まる態度は嫌がれるだろう、
かといって、他の子達みたいにフレンドリーに接する事が出来ない。
先程言ったように私は生粋のブリタニア人である為、
自然に敬語になる、無理変えようとすると私の精神が持たない。
「せめて、純菜さんのように様付けでゆるしてくれるかな?」
私の知っているライ様ならナナリー殿下に関する以外はかなり寛大だ。
この世界のライ様は黒の騎士団にいたというし、
進んだ道が違っても根っこは同じ筈だろう・・・・自信はないけど。
「それに、この世界のライ様はナナリー殿下と付き合っていなかったし、
私にもチャンスがある」
他の子も狙っているらしいけど、私は散々ナナリー殿下からライ様の好みや性格などを聞かされた。
それだけでもかなり有利だ・・・・多分。
「でも、その前に純菜さんを何とかしないといけないよね・・・・」
純菜さんのことだ、陛下に不釣合いなら斬ると言ってもおかしくない。
少なくとも両思いにならないといけない、一方的だと絶対に許さないだろ。
私も多少同感だ。ライ様とナナリー殿下の仲を見たら、
両思いのカップルは憧れだ、自分の気持ちだけを一方的に押し付けるのはあまりいい気分ではないし。
ライ様とナナリー殿下のラブラブ振り思い出し、
もし自分とライ様がああなったと思うと顔が赤くなり意識が飛びかけた。
「だ、だめだ幸せすぎる、これ以上想像すると鼻血が・・・」
私は一旦今日のライ様と純菜さんの戦闘をむりやり思い出し、
思考を切り替えた。
ライ Side
シャルに引っ張られて、大浴場に向かう。
背中を流すのを了承した時の笑顔は、妹のサクヤにねだられてそれを了承した時と同じぐらいの笑顔だった。
ナナリーもそうだったなと思っていると、大浴場につき、それぞれ見えないように服を脱いだ。
僕は先に座ってまっている。
このときの緊張感は初めて戦場に出た初陣の比ではなかった。
「お、おまたせ・・・」
かなり緊張していたらしく、ついシャルが入ってきた時、シャルに視線を向けてしまった。
「ラ、ライ・・・!」
「ご、ごめん」
直ぐに視線を戻す。
(見たかったら見ていいのに)
「何かいった?」
「う、ううん。何も。それより背中を洗うね」
「ああ・・・」
シャルは優しく背中を洗ってくれていた。
それが気持ちよく癖になってしまいそうなくらい優しく洗てくれる。
そんな時、外から侵入者が現れた。
「ライ様、ご無事ですか!! 嫌な予感がしたもので・・・」
レインが日本刀を持ってやってきた。
なぜ日本刀というツッコミをする余裕がなかった。
レインが僕達をみて、固まる。そして、柄を握っていた手が震えだした。
もしかし、僕を騙して後ろから殺すつもりだったなんて考えてないよね?
以前のレインというかラウンズは僕に近づく人物にはかなり神経質になる。
他国の客人に対しても全く警戒を解かなかったし。
おかげで、相手は化けの皮というか尻尾をださなかったから、
交渉などに手間取った。
「貴様!! ライ様を騙して後ろから殺すつもりだったな!!」
レイン・・・、僕を心配する気持ちは嬉しいけどそれはちょっと・・・。
彼等も同じ気持ちだったから、当時はあまり強くいえなかったが、
そのお陰で、相手の隠してる悪意を読み取れるようになったから感謝もしている。
「ち、ちがうよ、僕はデュノア社に無理やり男装で学園に入学しろっていわれてて、
ライはその色々とフォローしてくれたり、話をつけてもらったりしてくれたからそのお礼で背中を流してあげようっていっただけだよ」
シャルは立ち上がって弁明をする。
「本当だよレイン」
僕もシャルのフォローに回る。
「つまり、ライ様の同意があるわけですか?」
僕も男だ、そういったことに興味は・・・あった・・はずだ、
前世というべきか、死ぬ前はかなり忙しい?生活だった為、趣味に割く時間とかがなかった。
狂王としては生きていたころは自分に近づくものは警戒していたし、
あまり心を許せる人物は少なかった。
記憶を失ったときは、自分の記憶を探すのに一杯、
眠りにつき黒の騎士団と合流したときはまあ、C.C.やカレンの格好には戸惑った、
ということは少なくとも意識している・・・って何自分のことを分析しているんだ僕は!?
レインの視線で我に返り答える。
「その・・・僕も男だ」
この際、汚名ぐらいどうということはない、
軽蔑されてこの場が切り抜けられるなら安いものだ。そう思った。
「ラ…ライ」
なぜかシャルは嫌がる声をしていない。
「そうですか」
ちょっと、レイン!? なぜ納得する?
その時、新たな乱入者が現れた。
「おーい、ライ、シャルル湯加減はどう・・・・・・」
入ってきたのは一夏だった。一夏は湯加減の事を聞こうとする前に固まった。
無理も無いと思う。
僕は兎も角、シャルは男じゃなく女の子で、レインは刀をシャルに突きつけている。
全く意味不明な場面だろう。
「お・・・おんなの・・・こ?」
シャルは混乱して何を話せばいいのかわからなくなっているようだから、
僕は代わりに簡単に説明するつもりで一夏の方に向けた。
「一夏、これには―――」
と説明しようとしたら、シャルのタオルがはがれて、一夏はシャルの全裸を目撃する事になった。
一夏の顔は真っ赤なっていく。
そして、シャルは涙目になって、僕に抱きついてきた。
「〜〜〜〜〜〜〜!!」
「シャ、シャル!!」
「一夏見ないでよーーー!!」
涙目になって、叫ぶシャル。
「わ、悪い!!」
一夏は反射的に後ろを向いた。レインはなぜか無反応というか一夏を睨んでいる。
ああ、母上、僕はどうすればいいのでしょう?
(この場合のルルーシュはどう出るんだ。いやこの場合のルルーシュは駄目だ、
咲世子さんがルルーシュに化けてVIPクラスの予定のデートやら他国との会談やらの
予定でシャーリーが怒った時の対応を考えるとルルーシュでは駄目だ、
スザクは・・・・駄目だ、空気を読まない行動を推奨される、
リヴァルは却下、黒の騎士団のメンバーだと・・・・、駄目だ彼等だと状況を悪化させる行動しか示さない、他には・・・
女性人だが、カレンはむりだ、なぜか以前C.C.にピザを奢れと無理やり連れ出されたときは怒っていた、
買い物で怒るなら今の状況は輻射波動を叩きつけるだろう、シャーリーは駄目だ、自分とルルーシュが同じ状態のときを思い出し思考を止める。
会長は・・・論外だ、さらに混乱させる行動をとる、C.C.も同じだ)
混乱する頭を何とか落ち着かせようと色々と思考するが
正直言って理性が限界だった。シャルの柔らかい身体の感触がダイレクトに伝わってきた。
しかも、一夏に見られない為なのか抱きついている力はかなり強いからなおさらだ。
その時、脳内で母上が出てきた。絶対にしかられるだろうと思っていたら、笑顔で親指を立てた。
誰ですかあなたは?
本気でそう思ったとき、隣に妹のサクヤが現れて、変態だの、あの時心を鬼にして断ればよかっただの言われた。
最後に兄様の馬鹿馬鹿馬鹿と駄々をこねるように暴れていたが、母上がサクヤの首を掴み離れていく。
そして、頑張れとガッツポーズをとった。
アンタ誰だよ大声で叫びたかったが自重した・・・じゃなくて、
いい加減、脳内に逃げるのをやめて現実に直視した。
「一夏、レイン。シャルのことは明日学園で話すから、今は部屋に戻ってくれないか?」
これが、僕の精一杯の言葉だった。
「お、おおう」
一夏はかなり動揺していたらしい。無理も無いと思う。
「シャルル本当にごめん、じゃあ」
早口で言って、大浴場を出て行った。
「レインも頼む」
「・・・分かりました、最後に今回のことはライ様が同意したのですか?」
「ああ」
「そうですか、それなら私から言うことは何もありません」
レインは何とか出て行ってくれた。
「ライ・・・・」
泣きそうな顔で僕の顔を見るシャル。
「シャル、とりあえず離れよう?」
「へ・・・・!!」
自分の態勢に気がついたのか直ぐに距離をとった。
その後、僕達は無言のままお互い自分の体を洗う。
空気が重いため、咄嗟に性別の件を聞いた。
「シャルは何時から女子の制服を着るんだ?」
「!!・・・あ、あしただよ。僕も早く、その(周りにライが僕を女の子として接してくれていた事を教えたいし)」
「そ、そっかそういうのは早いほうがいいからね」
「う、うん・・・、だからね・・・そのライに一番に僕の制服姿を見てもらいたいけどいいかな?」
「それぐらいならいいよ」
「ありがとう」
この後、僕は直ぐに大浴場を出てベットに向かい直ぐに眠りについた。
だって、今日本当に色々ありすぎた。
侵入者の件やレイン達、そしてマリーカが僕と違う並行世界からきて、
その世界ではナナリーの騎士をやっていたと言われたりとか、今日は精神的にハードな一日だった。
翌朝、シャルの制服姿が可愛いいと褒めてあげたら嬉しいそうに職員室に向かった。
レインと合流して、レインの今の立場を聞いたら、
前世の記憶を持って生まれ変わったようだと説明された。
もはや、ここで宇宙人が居ても驚かない。
そんな事を思いながら教室に向かった。
そして、ホームルーム。山田先生がシャルの自己紹介をした。
「今日はですね、転校生を紹介します。いや、転校生というか、もう自己紹介はすんでるというか、
入ってください」
「失礼します」
その姿に一夏たちは驚いた。
「シャルロット・デュノアです。改めてよろしくお願いします」
丁寧に頭を下げるシャルロット。突然のカミングアウトにみんな固まった。
「ええと、デュノア君はデュノアさんということでした。ということです。
はぁ〜、また寮の部屋割りを組み立て直す作業が始まります・・・」
「え? デュノア君って女?」
「おかしいと思った!美少年じゃなくて、美少女だったのね!」
何人かの生徒が納得していく。
「でも。ランペルージ君は同室だから知らないってことは・・・」
「ちょっとまって!!それより確か昨日は男子が大浴場・・・・・」
『まさか!!!』
「ライーーーーー!!」
女子たちの声が重なったとき、扉を開け鈴が乱入してきた
そして、箒とセシリアは一夏のほうに武器を向ける。
「俺もこのことは昨日知ったばっかで・・・」
「どうやって知ったんだ?」
「鈴、どうしたの突然?」
「あ、あんたねーーーー!!」
そして、なぜか鈴がISアーマーを展開し、両肩の衝撃砲がフルパワーで開放されようとしたが、
ラウラに止められた。
「ラウラ?
体は大丈夫なのか?」
「ああ、問題ない。それより、昨日私を止めてくれてありがとう」
顔を真っ赤にしてお礼を言われた。
「いいよ、ラウラが無事でよかった」
「それと、私は――」
突然、ラウラが僕の顔に近づいてキスをしてきた。
「ラウラ?」
「そ、その、私はお前を嫁にするから・・・」
(いや、そこは婿だろ)
一夏は何か言いたそうな顔をしていたが。
「ごめん、僕男だから嫁になれないよ?」
「「「「普通に返したよ!?」」」」
他の生徒達がなぜか一斉に同じ言葉を言った。
僕は普通に間違いを言っただけだろ?
嫁にするということラウラは僕のことを女としてみているんだろうか?
そっちのほうが気になる。
「ああ、そうか、同性同士のほうが話しかけやすいから、
僕のことを女として見たいのか?」
「そ、そうなのか!?」
「一夏、今は向こうの事より昨日の大浴場の事を白状してもらおうか?」
「そうですわね箒さん」
あまりのプレッシャーに耐え切れず一夏は。
「見たのはほんの一瞬・・・あっ!?」
「「ほほう」」
「ここまで鈍感? あ、あんた女の子がキ、キスする理由分かってるの?」
どうして、鈴が怒っているのかわからないので。
「ちょっと待って」
確か、初めてされたのはC.C.だ、僕が再び眠りにつき起こされた後、
説明がめんどくさいといって記憶を直接渡されたときと、
皇帝に再び名乗ったとき、アッシュフォード学園でカレンにされた時は別れを言われた時だ。
あれ? なんでキスをするんだろう?
普通はお互い想いあってる時にするもだと母上に教えてもらったから、
今までの場合はキスという行為になるのだろうか?
「う〜ん、今までされた理由がバラバラだからよく分からないんだけど?」
「ほう、それは是非聞かせてもらいたいな?」
いつの間にか織斑先生まで鈴達に便乗して僕に問い詰めてきた。
「そうだね、今までってどういう意味?」
シャルも一緒になって問い詰めてきた。
「貴様等、ライ様に危害を加えるというならまず私が相手だ」
レインはいつの間にか現れて僕とみんなの間に入った。
四人がにらみ合う・・・、いや何故かラウラも参加してるから五人だ。
「いい機会だ、小娘共表に出ろ、
いい加減にハッキリさせたほうがいいな」
「あら、奇遇ですね千冬さん」
「そうだな、たとえ教官でも譲るつもりはないですよ」
「僕もそうだよ」
「お前らの様な輩は見飽きている、
すぐに片付けてやる」
五人とも変な雰囲気になっているなかマリーカが現れ。
「大丈夫ですかライ様?」
「マリーカ?それより様って?」
「いえ、なんというか、こっちの方がしっくり来るので。
や、やっぱり駄目でしょうか?」
僕が数百年前のブリタニアの皇帝だったのをし知ったからかだろう。
断りたいけど、マリーカの性格とブリタニアでの生活を計算して予想すると酷な話だろ。
「マリーカがそれでいいならいいよ」
そう言ってやったら、マリーカは可愛いい笑顔で。
「ありがとうございます」
お、お礼を言ってきた。御礼を言われることは全くしてないけど・・・。
「それより、その今週の土曜の午後は時間ありますか?」
「うん、特に予定はないかな」
「じゃあ、その私と純菜さんと一緒に買い物行きませんか?」
三人で買い物か、話したいことがあるから丁度いいかな。
「構わないよ」
「本当ですか! よかったか」
「マ、マリーカ、アンタ何ちゃっかりと抜け駆けしてるのよ」
「そうだね、それはないんじゃないかな?」
「案外と抜け目がないようだなこの小娘も」
「教官、ここは一時的に共闘を」
マリーカを睨む織斑先生、鈴、シャルそしてラウラ。
「え・・・えーと、皆さん・・・、私はこれで!!」
マリーカはレインの腕を引っ張って逃げていった。
「待てマリーカ。私はライ様を!!」
(なんか、急に賑やかなになっていくな・・・)
僕はそう感じながらアッシュフォード学園の生徒会のことを思い出し席についた。
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