Devil May Cry -Cross Original Story-
〜時を閉ざされる世界〜
第二話
「━━━━よしこの調子なら十時前につくな」
再びバイクを走らせてから五分後。『エデン』らしき建物を視認すると安堵感に浸る。
ホッとした次の瞬間!!
ガァァァアッ!!!
横の草むらから二メートルは越すであろう巨体のライオン型の魔物が現れたのだ!!
「どあぁぁーっ!!」
横からの体当たりにバランスを崩し転倒(コケ)てしまったのだ。
バイクに乗っていたので数十メートル滑りようやく止まった。
俺はとっさに肉体強化の術をかけ、受け身をとったものの余りにもいきなりだったのでかなりダメージを受けてしまった。
バイクはさらに十数メートル滑り木にぶつかって止まった。
「ってーー!!
何でキマイラが此処にいるんだよ!!」
体勢を立て直し、体についた砂を手で払う。
「確かキマイラって水か氷に弱かったよな」
キマイラの弱点を確認し、精神を集中し術を紡ぐ。が
「ガァアアァァァッ!!」
やはりすんなりと詠唱はさせてはもらえず、俺を襲いに来る。
キマイラは俺のに向かって飛び込んできた。
しかし俺はキマイラをバイシクルシュートの要領でキマイラを後方に蹴り飛ばす。
「キシャァ!!!」
そして俺は立ち上がろうとするキマイラの足下に氷をだし動きを封じる。
このくらいの魔術は詠唱無しでも即座に発動させることが可能だ。
今のうちに術を紡ごうと詠唱を始めた。
「氷結が齎すは終焉、刹那の時も苦は感じず、─── パキパキ───ん?」
キマイラが暴れていて凍らせて動きを封じてるのにその氷は今にも砕けそうな感じにヒビが入っている。
っちィ、急がないと詠唱を唱え終わる前にキマイラが自由になっちまう。
「幾千もの時を得る、永久に放たれることのない監獄!!!」
氷の呪縛から放たれたキマイラは雄叫びと共に襲いかかる、しかし、もう遅い!!
「凍りつけッ!!そして砕けろッ!!インブレイスエンド!!!」
キマイラを中心に直径五メートルはある魔法陣が出現し、陣に沿って氷の粒が次々にでてキマイラを氷の監獄に閉じこめ ていく。
やがて集まった氷の粒は一つの巨大な氷の塊となりキマイラを封じ込める。
そして次の瞬間氷が割れる独特の音を出しながらキマイラと共に四散し消滅する。
「ふぅ、とりあえず終わったな。
で、誰だかわからないが隠れてるのはわかってるぞ、出てきたらどうだ?」
キマイラの出現と共に人の気配を感じた。
一般人ならすぐさま逃げ出す筈だが、その様子もなく、むしろ「観察」に近いような視線で俺をみていた。
その様子に怒りを覚えた俺は、腕に紫電を纏わせ威嚇でそれを近くの木に撃った。
撃たれた木は轟音と共に倒れていった。
「───いつから気づいてました?」
「キマイラが出てくるのとほぼ同じ瞬間。
最初は一般人かと思い、場所をズラしたんだけどなんか途中から観察されているような視線を受けたからな」
「さすがですね、もうコレ以上のテストはしなくても良いみたいですね」
その声の主は何かを悟ったのか、姿を現した。
「あ、君はあの時の!!」
「初めまして、になりますね。私は貴方と同じチームのメンバーでメイドの朝霧 魅緒(アサギリ ミオ)です。」
「………………お?」
「はい、朝霧 魅緒です」
なんと魅緒と名乗る女性は俺にあの茶封筒を渡しに来た女性だったのだ。
「いやそうじゃなくて、チームがどうのこうのってやつ」
「えぇ、ですから貴方は私達『DEVIL'S BREAKERS』の隊長でここ『エデン』
の所長です。
そして私は貴方の私生活のメイドです、何かありましたらなんなりとお申し付け下さいね。
あ、凡に私の戦闘スタイルは先程の様に魔物を召喚して戦うスタイルです」
なんかノリのいい子だな。
「まぁなんにしろテストは終了です、『エデン』『DEVIL'S BREAKERS』へようこそ、神崎 暁隊長。
私達は貴方を歓迎します」
そう言って横たわっていた俺のバイクを起こし、あの拒否を許さん様な笑みを浮かべて手を差し出してきた。
こんな感じの笑みに全く免疫のない俺はその笑みに屈してしまった。
今後は俺に人生の選択権はあるのだろうか…………………
あとがき
DEVIL第二話完了です!!
携帯の方だと、いま第九話の途中なんですが、やはり携帯用サイトで作ってますので字数制限の関係で途中わからなくな る部分もあります。
とはいえこれで(PCで)修正を加えていってるので少しは、マシかなぁ と・・・・・・・・・すいません全然マシじゃないですね。
キャラももう少し増やさないとやっぱいけないですね、メインキャラを少なくても後4・5人ぐらいは増やしたいと思い ます。
では、この作品を読んでくれる皆様に感謝を込めて。