機動戦艦ナデシコ
幸せの条件


今はアキトとユリカの結婚式の1週間前。アキトはジュンに呼ばれて外出中であり、帰りが遅くなる予定である。いつもは3人の4畳半は今日はルリとユリカだ けだった。

「結婚おめでとうございます、ユリカさん。」

「ありがとう、ルリちゃん。結婚式は1週間後だけどね。」

『私はユリカさんとアキトさんが結婚して嬉しいです。・・・嬉しい筈です。・・・・やっぱり自分の心に嘘は付けませんね。私はアキトさんが好きです。正直 ユリカさんとアキトさんが結婚するのを止めたい気持ちもあります。・・・でもそれは許されません。いえ、私が私を許しません。私にはユリカさんも大切な人 ですから・・・。』

ルリがユリカとアキトの結婚が決まってからずっと抱え込んでいた気持ちはユリカと2人きりになることでさらに深みにはまっていく。そしてルリは何故か思い 浮かんだ質問をユリカにした。

「・・・ユリカさんはアキトさんと結婚するときに何か約束しましたか?」

「約束?うーん、浮気はしないで・・・とかかな?」

ユリカにとっては何気ない返事だったが、ルリに自分がこの質問をしたことを後悔させるには十分すぎる回答だった。そしてルリの自分がアキトを想っているこ とがユリカへの裏切りであり、その想いがユリカとアキトを不幸にするという考えを再確認させた。

「そうですね。相手がどんな・・・例え身近な人でも・・・、いえ身近な人ならさらに許せませんよね・・・。」

「どうしたの?考え込んじゃって?・・・浮気・・・?あぁそっか、ひょっとしてルリちゃんアキトと浮気したいの?」

唐突に切り出されたユリカの言葉にルリはひどく混乱してしまった。

「な、何を言うのですか!何で私がアキトさんと浮気をしないといけないんですか!」

「うふふ、ルリちゃん、やっぱりアキトが好きだったんだね。そうじゃないかと思ったんだ。」

「人の話を聞いてますか!?私はそんなことありません!」

「そうやって慌ててたら余計にわかるよ?これでも私は艦長さんだったんだから!・・・うーん・・・、良いよルリちゃんなら、アキトと浮気しても。でもする ときはちゃんと私に教えてよね!」

ルリはアキトと浮気をすることをユリカが許したことに驚いたが、アキトと浮気することをユリカに許されたことに喜んだ自分にどうしようもなく腹が立ち、感 情の制御が出来なくなった。。

「・・・なんで、なんでそんなこと言うんですか!!そうです。確かに私はアキトさんが好きです。でも、でもユリカさんも同じくらい大切です!だから諦めよ うと、2人を祝福しようと、自分を納得させようとしてたんです。なのに、なのにそんなこと言うなんて、私に一番大切な人2人を裏切れって言うんです か!!」

2人の間に嫌な沈黙が流れた。いつしかルリは泣き出し、ユリカは自分の言葉がルリをひどく傷つけたことに気がついた。

「泣かないでルリちゃん。そんなつもりで言ったんじゃないの、多分アキトがルリちゃんの1番最初に好きになった人だから。私もアキトと同じくらいルリちゃ んが大切でそのルリちゃんに幸せになって欲しいから。・・・あ、でも浮気じゃ幸せになれないか!そうだね・・・うん!そうだ!!複数の人と結婚できる国に 国籍を移して、そこで2人でアキトと結婚しよう!凄い、私天才!ねぇそうしようよルリちゃん?」

流石はユリカ・・・というところだが、ユリカは純粋にそれが最善の策と思ったし、自分にとってもそれが一番幸せだと思ってた。しかし、ルリはまた一瞬自分 の想いが叶うかと思った自分にさらに嫌気が差し、自分は2人にとって障害にしかならない存在だと認識してしまった。そして自分の感情を押し殺し、意識して ナデシコに乗る前の自分のように冷たく言った。

「結構です。それと結婚式が終わったら私、ここ出ますんで。新婚さんの邪魔できませんし。それと今話したことはアキトさんには言わないでください。話すと 引止められますから。結婚式が終わったら自分でいいますので心配も要りません。住むところもミスマルのおじさんのところに戻るだけです。もちろん私がアキ トさんを好き゛だった゛ことも言わないでくださいね。それでは眠いので明日の朝まで起こさないでください。アキトさんが帰って来てもです。」

「ちょっとルリちゃん!?」

「寝ますんで話しかけないでください。おやすみなさい。」

ルリはそういうと布団にもぐり、目を閉じた。その後ユリカがいろいろな所に電話をしていたが、何を話しているのか聞き取れないので、相手がアキトではなさ そうなのを確認するとそのまま眠りに落ちた。








結婚式当日








「「「「「「おめでとう(ございます)、艦長(ニヤリ)」」」」」」

「ありがとう、みんな(ニヤリ)」

ユリカはルリ、アキト、ジュン以外の出席者と怪しげな笑みを浮かべながら挨拶している。

「おめでとう、ユリカ。テンカワになら君を任せられすよ。幸せになってね!」

「あ!」

「何、艦長?ジュン君には言ってないの?」

「みんなに電話した日、ジュン君家にアキトが行ってたから電話しなかったらそのまま忘れてた・・・。」


「どうしたの?いきなりこそこそ話して?僕何か変なこと行ったかい?」

どうやらジュンは自分の挨拶を聞いていきなりユリカとミナトがこそこそ話し出したので自分の挨拶に問題があったと思ったようだ。

「どうしよう。教えたほうが良いよね?」

「いいえ、ここは黙っておいた方がいいわ。万一ここで話して納得しなかったらアキト君やルリルリに話されたらおしまいよ?」

「そうだね、それに少しは知らない人がいる方がワクワクするしね!」

なんだかよくわからないが2人の間では決着がついたようだ。ユリカの動機が怪しいが・・・。

「ううん、なんでもないよ。気にしないで!・・・あは、あははは。」

これ以上その場にいるとまずそうなのでユリカとミナトはその場を立ち去った。


ユリカがミナトとともにまた怪しげな笑みを浮かべて出席者と話しているとルリが2人を見つけて歩いてきた。

「ユリカさん。おめでとうございます。」

「あ、ルリちゃん来てくれたんだ。よかった。」

「当然です。今までお世話になったのに結婚式に来ないような礼儀知らずではありません。」

ユリカの言葉にルリがいつものように淡々と答える。が、

「だって好きだった人の結婚式ってあんまり行きたくないよ?」

「な、な、それは言わな・・・いえ、好きだったなんてことはありません!」

ユリカにアキトのことを出されるとすぐに慌ててしまった。

「ふ〜ん、好きだったんじゃないんだ。」

「そうです!そんな事あるわけないじゃありませんか!」

「そうなんだ。わかったよ。聞きましたよね、ミナトさん(ニヤリ)」

「ええ、ルリルリはアキト君が好きだったんじゃないのね(ニヤリ)」

ルリはユリカとミナトの怪しげな笑みが気になったがこれ以上この話題を掘り返さないようにあえて突っ込まなかった。

「ユリカ!そろそろ時間だからこっちに来いって。」

アキトが会場に入ると出席者全員(ジュン、ルリを除く)があの怪しげな笑みを浮かべた。


「来たぜ、世界一の幸せ物が!」

「良いな〜。俺もあいつみたいになりたいぜ。」

「でも、きっと苦労も人の倍だな。」  (注、整備班の呟き)


アキトは出席者の顔を見て驚いたが、多少からかわれるとは思っていたので気にしなかった。

「うん、アキト!今行く!!」

そういうと、ユリカはアキトの所に走っていった。その時ミナトは、

「ルリルリ、同じ席に座ろうよ。」

「あ、はい。お願いします。」

『ここまで作戦順調♪』

どうやら順調らしい。
















「新郎新婦?の入場です!」

司会のプロスが新郎新婦に?を付けたのにアキト、ルリ、ジュンが疑問を持ったが、気にせず式が続いた。

『ミナトさん、順調?』

『完璧!』

ユリカとミナトがアイコンタクトを交わすとユリカはさっきからの怪しげな笑みを浮かべ、アキトはガチガチに緊張してバージンロードを神父のゴートの方に向 かった。神父がゴートなのはプロス曰く経費削減らしい。ちなみにこの結婚式は某落ち目会長が全てポケットマネーで出したそうだ。そしてユリカとアキトが壇 上に上がり・・・

「汝、テンカワアキト、ミスマルユリカを妻と認め心苦しき時も、心楽しき時も、常に共にある事を誓うか?」
 
「はい、誓います(真っ赤)」

「汝、ミスマルユリカ、テンカワアキトを夫とし久遠なる愛をささげる事を誓うか?」

「すぅーーーっ、誓いません!!」

「「「え?」」」

「「「「「「「「作戦開始だ!!」」」」」」」」

ジュン、アキト、ルリは突然のことに驚いて固まってしまったがほかの者たちはいっせいに動き出した。まずプロスとゴートがアキトを動かないように抑え付 け、ミナトをはじめとする女性陣でルリを無理やりウエディングドレスに着替えさす。もちろんジュンは無視だ。



「何するんですか!プロスさん、ゴートさん!」

「騒ぐな。関節を外すぞ!」

「いや〜それは困りますな、医療費をネルガルが持つことになりますから、はい。」

「む・・・。」

「そういう問題なんですか・・・(涙)」



「きゃ、何するんですか、ミナトさん!わぁぁ、服を脱がさないでください!!」

「おとなしくしなさい、ルリルリ。優しくしてあげるから(はあと)。それとリョーコさん影から覗こうとしてる男どもをのしちゃって!」

「了解!」

「服脱がしながら、優しくしてあげるから(はあと)なんていったら誤解されちゃいますよ?」

「あらどんな風に?メグミちゃん。」

「え、いや・・・(赤)」

「さぁルリルリ、これに着替えましょうね♪」

「なんでそんなもの着ないといけないんですか!」

「いいからいいから黙って着なさい!」



なにやら一通り準備が終わったようでユリカはさっきゴート神父が立っていた場所に立って話し始めた。

「は〜い、皆さん!ご存知ミスマルユリカです。ブイ!協力ありがとうございま〜す!!」

「ユリカさんが首謀者だったんですか?なんでこんなことをするんですか!アキトさんを愛していないんですか!!」

ルリはやっと今回のことの首謀者がユリカだと気付き怒っている。

「もちろんアキトは愛してる。でも前も言ったけどルリちゃんも同じくらい大切ってことだよ!」

「訳がわかりません。なんで私とアキトさんのことが同じくらい大切なら何でこんなことをするんですか!」

「だからこの前話したでしょ?2人とも大切だから、私も入れて3人で幸せになるために3人で結婚するにはここで私とアキトが結婚するんじゃなくてルリちゃ んが16歳になってから一緒に結婚式をあげようと思ったんだよね!」

「だれもそんなこと頼んでませんし、この前の時に断りました。」

「そうじゃなくてルリちゃんが幸せに見えないと私が幸せになれないんだって。」

「そんなことをしなくても私は幸せです!それに私がアキトさんと結婚しても幸せになるとは限らないはずです!」

「あらルリルリ、女の幸せっていたら好きな人との結婚って相場が決まってるのよ?」

思わぬ方向から飛んできたもっともな意見?にルリは怯まず答えた。

「何で私がアキトさんを好きなことになってるんですか!」

「それについてはいい訳出来ないよ、ルリちゃん!さっきアキトのことを好きだったんじゃないっていったよね。けど私はこの前アキトのこと好きだったって聞 いちゃったもんね!ってことは今アキトこと好きってことになるよね?」

「何でそうなるんですか!」

「だってそうだもん。」

「・・・わかりました。仮に私がアキトさんのことを好きだとします。しかし仮に私がアキトさんを好きでもアキトさんが私を好きでないとユリカさんのいう幸 せは成り立ちません!アキトさんが私を女性として好きなはずがありません!!そんなはずはないから私は・・・。」

ルリは大き肩で息をしながら悲しそうにいった。

「じゃあアキトに聞いてみましょうか?」

「まさか・・・アキトさんも仲間なんですか!?」

ルリの問いにアキトはブンブンと大きく首を振っている。

「ううん、アキトは何も知らなかったよ?もちろんこの前の事も教えてない。けどね、私にはわかるよ!だってアキトは私が好き!!私だけ、じゃないはずだけ どね。ゴートさん、プロスさんもう放して良いですよ。」

それを聞くとゴートとプロスはアキトを放し、アキトは立ち上がった。

「それじゃあ、アキト?アキトはルリちゃんが好き?もちろん女性として。」

「え、いや、俺は、そんな・・・。」

「アキト!!アキトが恥ずかしがり屋なのは知ってる。けどね今は恥ずかしさで誤魔化していい時じゃないの!もしアキトがルリちゃんを女性として好きになれ ないというならそれはアキトの気持ちだから誰も何も言えないよ。でも好きでもそうでなくても今アキトはここでみんなに、いやルリちゃんに伝える義務がある よ。だって私にとってもルリちゃんにとってもアキト自身にとってもこれからの一生に大きく関わることなんだから・・・。」

会場の全員が固唾を飲んで見守っている。ルリさえも・・・いやルリだからこそアキトの答えに小さな期待と大きな不安で見守ることしか出来なかった。そして 沈黙が続く・・・。

「・・・どうしても言わなきゃダメかな・・・。」

そういったアキトは少し悲しげだった。

「そうだよ。大丈夫、アキトがなんて答えても責めたり笑ったり怒ったりしないから。」

「わかった。・・・俺はユリカにプロポーズする前に悩んでたんだ。何をかっていうと、その、自分がルリちゃんのことを女性として意識してしまうことに、 だ。」

「え!!アキトさん!」

アキトの告白にルリは今までに無いほど驚いていた。

「ルリちゃん、一応最後まで聞いてね。・・・最初は俺はロリコンにでもなってしまったのかと思って悩んでた。でも違った。なんでかって言うと、まぁ屋台を やってるとルリちゃんくらいの女の子もやってくる。けどその子達を見ても子供だなって思うだけで女性を意識することはまったくなかった。けどルリちゃんは 意識してしまう。その時やっと気付いたんだ。俺はルリちゃんが好きなんだって。」

「アキトさん、もういいです。黙ってください。」

「ルリちゃん、アキトの話はまだ途中だよ?最後までは聞かないとダメ!さ、アキト続けて。」

ルリはこれ以上アキトの話を聞くと自分の決意を貫けなくなると思ってアキトの話を止めようとしたがユリカによってあっさり失敗させられた。

「・・・けど、もちろんその時もユリカのことが好きだった。その気持ちに初めて気付いた時、今でも思っているが俺は自分が最低だと思った。だってそうだ ろ?付き合ってるヤツがいるのに他にも好きな人ができた。だから俺は2人から離れようと思ったんだ。けどそう考えてるうちにユリカが俺といることで幸せを 感じてくれると感じたから、・・・いや違う!ちょうどそのころから急にルリちゃんの態度がよそよそしくなって・・・。」

『私がアキトさんのことを好きだって気付いたころだ。』

ルリのには自分がアキトによそよそしくなった頃に覚えがあった。そして言われて見ればその時にアキトが何かに落ち込んでいたような気がしなくもなかった。

「・・・俺はルリちゃんに嫌われたと思った。多分、だから俺はユリカだけを見ようとユリカに結婚を申し込んだんだ。けどその時にルリちゃんが俺を好きなこ とを知っていたらユリカに結婚を申し込んでいたと断言できないんだ・・・。やっぱり俺は・・・。」

「ストップ、ストップ!アキトが今から言おうとしてることは分かるからまだ言わないで。で、ルリちゃん。アキトはルリちゃんのこと女性として好きだって。 そんでもって私は3人で結婚したいって言ってるよ。ルリちゃんはアキトと結婚したい?したくない?」

「まって、ユリカ!!」

「アキトは黙ってて、ルリちゃんとの話しがついてから聞くから。」

アキトはいつにないユリカの真剣な表情に何も言えなかった。

「私は・・・。」

「ルリルリ?他の人が、とか言わないで自分がどうしたいか答えるのよ!」

「私は・・・。」

「ルリちゃん。私とかアキトとか気にしないで、ルリちゃんがしたいかどうか聞いてるの。」

「私はアキトさんと結婚したいです!!アキトさんが夫でユリカさんと2人で妻をしたいです。3人で幸せになりたいです!!」

ルリの言葉を聞くと今まで静かだった出席差たちがいっせいに歓声をあげた。


「いやっほい!!作戦終了!!」

「アキトのヤローおいしいところばっかり持っていきやがって!!」

「「「「「うらやましいぞ!!テンカワアキト!!!」」」」」

「ルリルリよかったね!」

「私も早く結婚したいなぁ。」


「待ってくれ、みんな!!」

アキトは大騒ぎをしている出席者たちを止めた。

「さっきの俺の話しを聞いてなかったのか?こんな最低な俺が2人と一緒にいていいはずがないんだ!!」

「アキト君。」

これまでまったく出てこなかったがユリカの父コウイチロウがアキトに向かって歩いている。

「叔父さん。やっぱり俺にはユリカと結婚する資格はありませんよね。すみま・・・。」バキ!!

コウイチロウはゆっくりとアキトに近づくとアキトを殴り飛ばした。

「君は何を馬鹿なことを言っているんだ!ユリカもルリ君も君と一緒にいることを、君と結婚することを望んでるんだ!!君が最低だろうが資格がなかろうがそ んなことはいっさい関係ない。それとも君は2人が嫌いなのかね?」

「そんなはずがない。!!2人とも大切な人です!」

「なら問題ないだろう。2人の気持ちを受け入れてやってくれ。それが君達3人にとっては一番の幸せへの近道だろうからな。」

本来なら感動のシーンだが、もう作戦が終わった気でいる出席者達は後ろでコウイチロウのに冷やかしの言葉をかけている。

「そう、ですね。ありがとうございます。叔父さん。」

そういうとアキトはユリカとルリのほうへ向き直った。

「ユリカ、ルリちゃん。こんな俺だけどいいの?」

「もっちろん!!」

「アキトさんだから、です。」

アキトはユリカとルリの答えを聞き完全に決心ついた。

「分かった。愛してるよ、ユリカ、ルリちゃん。それとみんな!結婚式にはならなかったけど祝ってくれてありがとう!」

アキトはこの後当分の間出席者達にどつきまわせれた。
















その夜、式も終わり3人はいつもの四畳半に戻ってきた。

「ルリちゃん、教えたと通りに言うのよ。」

「はい、ユリカさん。」


ユリカとルリはアキトに聞こえないように話すとルリはアキトに近づいていった。

「アキトさん。」

「ん、なにルリちゃん?」

「今夜、私の初めてもらってください。」

「え゛!!」

ルリの言葉を聞くとアキトは石になった。しかし私にはなんで石になったかわかない(棒読み)。そしてルリはそれにかまわずアキトに質問した。

「・・・ところで、初めてってなにが初めてなんですか?分からないので教えてください。」

「え、ルリちゃんもう14歳だよね?」

アキトは石になって反応できないのでユリカがルリに尋ねた。もちろん私にも何が初めてなのか分からない(さらに棒読み)。

「そうですけど、何か関係が?」

「いや、知らないなら知らないほうがいいよ。うん、この話はおしまい。あははは(汗)」

ルリは今のユリカには聞いても笑って済ませてしまいそうだったので諦めた。

「分かりました。でもいつか教えてくださいね。それはそうと明日はユリカさんとアキトさんで新婚旅行に行くんですから早く寝ないと明日に響きますよ?」

「ん?ああ新婚旅行ならさっきキャンセルしたよ。だって新婚じゃないし。やっぱり新婚旅行はルリちゃんと3人で行かないとね。」

「そんな、私に遠慮しないでくださいよ・・・。」

ルリはまた自分のせいで2人の旅行をなくしてしまったと思い、落ち込んだ。

「気にしないで良いよ、ルリちゃん。2人分の旅費はあるんだから後1人分貯めれば旅行にいけるよ。」

いつの間にか謎の石化から回復したアキトが話に入ってきた。ここでルリの分ではなく1人分と言ったのは彼の優しさだろう。

「でも1人分っていっても貯めるのは大変ですよ。」

「ルリちゃんはお金の心配しなくていいよ。」

「ダメだよアキト。婚約者を子ども扱いしちゃぁ。」

「してないさ。俺はルリちゃんを女性として愛してる(真っ赤)。」

「そうだよね。アキトは14歳の子を女性として愛すロリコンさんだもんね。だから私に手を出してくれないんだよね、うう(嘘泣)」

「な、な、何を言ってるんだ、ルリちゃんの前で!というか俺はロリコンじゃない!」

「私も幼女じゃありません!」

こんな感じで新しいテンカワ家の生活が始まった。















後書き

RYU  黒い鳩さん50万HITおめでとうございます!!

ルリ   おめでとうございます!それにしても相変わらずの駄文ぶ りですね。しかも誰でも思いつきそうなネタに落ちなしですか・・・。救いようがありませんよ。

RYU  そこまで言いますか・・・。確かにそうだけど。

ルリ   ・・・素直に認められると話題がなくなるじゃないです か!

RYU  いやあるだろう?例えばへたくそな俺の小説をUPしてくださる黒い鳩さんへのお礼とか。ちょうど50万HIT記念だし。ということで黒い鳩さ ん、これからもよろしくお願いします。

ルリ   私には関係ないことですね。

RYU  おい、それはないだろう?

ルリ   いいえ!なんで私があなたのことでお礼を言わなくてはな らないのですか!?

RYU  一応ここにいるんだからさぁ・・・。

ルリ   煩いですねぇ、死にますか?

RYU  いや、仮にもヒロインがそういうこと言ったらまずいんじゃないの?

ルリ  く、まぁ今回は黒い鳩さんの50万HITですから見逃して あげます。(次に倍にしてストレスを発散しましょう。)

RYU (言葉とは裏腹に凄い殺気が・・・)そ、そうだね。それでは読んでくださった方ありがとうございました。





後書き2

上でも書きましたが50万HITおめでとうございます!今回は初めて短編を書いたということですが実は頭に続きのイメージが、しかも長編になりそう な・・・。新婚旅行に行かなくても絶対北辰達は来るだろうし、多少遅れても。でも遅れたらネルガルが気付くかなって思ったら続きのイメージが出てきたんで す。

なので、〜光明は遠い世界から〜が一段落ついたら書いてみようと思います。でもそうしたらこの小説のタイトル変わるかも・・・。多分変わりませんが。しか しまだ確定ではないので今は短編です。

あと、はじめて・・・の所は入れようか迷ったんですがただでさえよくあるストーリーでおちがないので入れてみました(これもよくあることですが)。しかし 本当に何のことだかさっぱりですな(まだ言い張ってみる)。

最後に〜光明は遠い世界から〜ももうすぐ出します。そうとう遅れましたがテストがテスト週間を入れて16日、テストが月曜日に終わってその週の土日に模試 という生徒虐めでしかない日程があったので・・・。あんな作品でも待っていてくれる人がいたらうれしいです。

では、また会いましょう。(いや会ってほしいなぁ。)




感想

RYUさん50万HITお祝い頂きありがとうございます♪

楽しい作品をありがとうございました!

ユリカ嬢とルリ嬢の両立、実際ユリカ嬢も幸せにしてあげたい派の私には結構命題です。

どっちが本命かといわれても私には分りかねますが…

劇場版はキャラが全体的に綺麗になっていたのにもかかわらず、ユリカ嬢の出番殆ど無かったですから、微妙にルリ嬢よりな気もします。(汗)

その辺は兎も角、三人によるハッピーエンドという楽しい結末を見せていただけて嬉しいです♪

もちろん、私は今後も作品をお待ちしておりますので、よろしくです!

び…微妙な…14歳の私が結婚…い え、それは嬉しいですけど…ユリカさんと一緒! 微妙…ですね…

いいじゃないか、結婚できたし、まあ第二夫人だろうけど…

三人一緒だと幸せになれると思うよ?

なん疑問系なんですか!? っていうか、問題なのは。ユリカさんが一緒だとアキトさん を独り占めできないことと…

そして、
例の地獄の毒々料理のことです!!

まあ、アキトには枯れるまで頑張ってもらうとして、確かにあの料理は食べたくないね(汗)

そうです! あれを食べるくらいな ら…

クサヤに納豆をかけてタバスコ漬けにして

一年間腐乱させたものを食べた方がましです!!


うぅ、それはもう既に食べ物の領域からはなれすぎじゃあ…

あの料理はバイオハザード指定ですから!!

え〜っと、そう言えばイネスさんが細菌兵器を疑っていたような…(汗)

そう いうことです。新婚さんの妻にとって手料理は当然一番したい事のハズ…

そう、もう腕によりをかけた
生物災害を作り出してくれるでしょう!

うう…そりは…ご愁傷様です。

もちろんその時は貴方に御裾分けしてあげますか ら、味わって食べてくださいね♪

ぐわ…急にはらが…さよなら!

ちょっ と待ちなさい! 逃がしませんよ!! 私だけ不幸なんて絶対嫌です!!


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