なんだかんだでランダムジャンプしました。
でも大丈夫です。アキトさんが一緒ならどこでも、たとえあの世でも!!
・・・少し言いすぎですね。本当にどこに行くんでしょう。
フルメタルパニック!、機動戦艦ナデシコ、クロスオーバー
〜テクノロジー、その先に・・・〜
第1話 ジャンプアウト、そこは・・・
「マデューカスさん?デ・ダナンへの補給はどれくらい終わりましたか?」
「すでにほぼ完了しております、艦長。後は点検が済み次第出航できます。」
トゥアハー・デ・ダナンの艦長、テレサ・テスタロッサ大佐と副官のリチャード・マデューカス中佐が事務的な会話をしている。今はTDD(トゥアハー・デ・
ダナン)の定期点検と補給でメリダ島の基地に滞在しているところだ。
ズドーン!
「な、なんだ!!」
突然基地が大きく揺れた。マデューカスは近くのパイプに捕まりかろうじて立っているがテッサは大きくこけたようだ。
「状況を報告しろ!何があった!」
「デ・ダナン並みの質量の物体が突然島の上に現れました。詳細は不明です。」
「現れただと?どういう意味だ?」
「そのままの意味です。何もないところから突然現れました。」
「そんな馬鹿な!・・・まぁいい、指示はおって通達する。それまで待機だ。」
「了解!」
マデューカスは下士官との通信を終えるとまだこけたままだったテッサを起こした。
「大丈夫ですか、艦長?」
「はい、平気です、これくらい。」
「ではどう対応しましょうか。」
「そうですね。SRT(特別対応班)の人を行かせてください。あれだけの振動で爆発しないので爆発物の可能性は極めて低いはずです。念のためAS(アーム
スレイブ)の使用許可も出してあげてください。」
「了解しました。」
テッサとの会話が終わるとマデューカスは急いで指令を出した。
〔本艦、ジャンプアウトします。〕
ダッシュの報告と同時にユーチャリスを強い振動が襲った。幸いアキトにもルリにも怪我はなかった。
「ダッシュ、状況を報告しろ!」
〔相転移エンジン機能停止。核パルスエンジンも大破。防御フィルターが作動したため辺りの核汚染の心配はありません。〕
「ここがどこで、今がいつかわかるか?」
〔西暦199×年、詳細は不明。場所は地球。無人島のようですがこのような島は記録にありません。〕
「199×年だと!?なんてことだ。」
アキトがダッシュの報告を聞いて悪態をついた。
「生きてるだけどもいいですよ。それに・・・誰も知らない無人島、愛し合う2人、ロマンチックじゃないですか!」
「ロマンチックかどうかは置いておいて、食料がなければ飢え死にするぞ?」
「う・・・。」
妄想に入ろうとしたルリをアキトの的確な指摘で現実に呼び戻した。
「ダッシュ、サレナは動けるか?」
〔多少の損傷はありますが、動かすだけなら問題ありません。〕
「つまり戦闘は出来ないか・・・。治るか?」
〔無人機による修理で十分間に合う範囲です。〕
「わかった。・・・とりあえず外に出てみよう、判断はそれからだ。」
「そうですね。」
アキトとルリは外へ出る準備を始めた。
「全員そろったようだな。」
アンドレイ・カリーニン少佐が状況説明室に集まったSRTの者・・・現在東京にいるサガラソースケ軍曹以外のSRTの者に作戦内容の説明を始める。
「まず今の状況だ。本日、1425時に推定質量4万4000トン前後の物体がこのメリダ島に現れた。状況から判断して核兵器や爆発物の可能性は低い。」
「そりゃそんなでかい物が核や爆弾だったら今頃この辺どころか太平洋がひっくり返ってるよ。」
ウルズ6、クルツ・ウェーバー軍曹がぼやく。カリーニンはそれを無視して続きを話す。
「外見は潜水艦の仕様に酷似しているが詳細は不明だ。以上を踏まえた上で今回の作戦を説明する。」
SRTメンバーは沈黙で続きを促す。
「ウルズ2とウルズ6、ウルズ9で例の物体に近づき調査だ。内部があるのならば内部まで調べろ。人がいる可能性もある。いた場合は連行しろ。抵抗した場合
は拘束してつれて来い。最悪の場合は射殺も許可する。残りの者はASに乗り込み待機。以上だ。」
「ちょっと待って。デ・ダナン並みの大きさの物をたったこれだけの人数で調べるの?しかももし人がいるとしたら軽く100人を超えるんじゃない?」
ウルズ2.メリッサ・マオ曹長がカリーニンに尋ねた。
「PRTや他のものは先ほどの衝撃での損害を補うので手一杯だ。それに人がいると決まったわけではない。仮に本当に100人以上の者が出てきた場合はすぐ
に退避、待機していたASが出動して鎮圧だ。・・・他に質問は?」
メンバーは沈黙で答えた。
「ではすぐに作戦開始だ。」
カリーニンの言葉に全員が素早く反応した。
「こちらウルズ2、目標を肉眼で視認。」
「ウルズ9、同じく。」
「ウルズ6、同じ。それにしてもほんとに潜水艦みたいだな。妙にごつごつしてるけど。」
調査を担当した3人は肉眼で確認できるほど近づいていた。その時その物体・・・ユーチャリスに動きがあった。
「アキトさん!外はジャングルですよ!」
「そうだな、食料はありそうだ。」
「多分海に出たら泳げますよ!」
「そうだな、魚が取れる。」
「それが言いたいんじゃないんですけど・・・。」
ユーチャリスからルリとアキトが出てきた。ルリは艦長服、アキトはいつもの黒いマントにサーバーだ。
「人が出てきた!?こちらウルズ2、目標から人を確認。人数は2人。」
「ウルズ9、了解。」
「ウルズ6、了解。それにしても何だあの格好?コスプレ?男の方は変質者かよ。女の子はかわいいから許すけど。」
「バカのこと言ってんじゃないわよ!」
「へいへい。で、どうする?」
「・・・少しづつ距離を詰めながら様子を見るわ。」
「ウルズ6、了解。」
「ウルズ9、了解。」
3人は少しづつ距離を詰める。しかし・・・。
「・・・ルリちゃん。ユーチャリスに戻れ。」
「へ?どうしたんですか?」
「誰かいる。人数は・・・3人だな。」
アキトはマオたちの存在に気付いたようだ。ルリはアキトに言われた通りにユーチャリスに戻る。アキトはブラスターを抜き順に隠れている場所に向けると、
「いるのはわかっている。出て来い!危害を加えるつもりはない。」
アキトがマオたちに叫ぶ。一方3人は・・・
「・・・だってよ、姉さん。どうする?」
「・・・ウルズ9は本部に連絡、ウルズ6はいつでも狙撃できるようにして待機。私が出て行くわ。」
「おいおい大丈夫かよ。敵かも知れないぜ。」
「敵ならさっき撃たれてるわ。信用したわけじゃないけど。」
クルツはさっき怪しげな銃を向けられたのを思い出した。
「違いねぇ。ウルズ6了解。」
「ウルズ9、了解。」
ウルズ9、ヤン伍長とクルツがすぐに動く。そして、マオは鬱蒼とした草木の中から立ち上がりアキトに話しかける。
「わかったわ。話をしましょう。」
「・・・その前にそこで俺に銃を向けているヤツに銃を下げるように言ってくれないか?」
アキトはマオを見ながらクルツのいる方向へブラスターを向ける。
「・・・クルツ、ライフル下ろして。」
アキトの言葉にマオは少し考えてクルツに言った。
「おいおい、なんで見えるんだよ。」
マオの言葉に渋々ライフルを下げるとクルツは立ち上がった。
「見える必要はない。何をしようとしてるかくらい気配でわかる。」
「え、サブロウタさんですか?」
クルツがアキトに突っ込む前にルリがユーチャリスからひょいと顔を出してクルツをみる。
「誰だよ、サブロウタって。でも俺に目をつけるとはお目が高い。ぜひとも君の名前を聞かせておくれ。」
「・・・ただ声が似ていただけでした。でも軽いところまでそっくりですね。」
ルリはそう言いながらアキトの隣に行く。
「で、お前達は誰だ?ここは無人島ではないのか?」
このままでは話しが進まないのでアキトがマオに話しかけた。
「悪いけどあなたにそれを知る権利はないわ。」
「・・・まあいい。それでお前達は俺にどうして欲しい?」
マオはすこし驚いたが話を続ける。
「ものわかりが良いわね。・・・これからあるところへついてきて。あなた達の正体やその潜水艦みたいなものの正体を話して欲しいわね。」
「・・・ルリちゃんの安全を保障するのならばついていこう。」
「その子ことね。もちろんよ、あなたが抵抗しなければ保障するわ。それと・・・。」
「ついていく前に武装解除だろう?これでいいか?」
そういうとアキトはブラスターを地面に投げ、マントを取るとくるりと1周した。
「ホント、ものわかりがいいわ。じゃぁ、ついて来て。」
マオはあまりにも簡単に事が進むので拍子抜けしてしまった。
「待ってください。私も行きます。」
ルリはマオについていこうとするアキトを止めた。
「ダメだ、ユーチャリスの中の方が安全だ。」
「いいえ、私にとって一番安全な場所はアキトさんの傍ですから。」
「こちらとしても出来れば彼女にもついて来て欲しいわ。」
「・・・わかった。」
ルリのお願いにマオの交渉相手としての客観的な視点が入る。アキトは渋々それを受けた。
「アキトさん、ダッシュも連れて行きましょう。」
「え?まだ誰かいるの?」
マオが警戒を強める。
「いや、AIだ。」
「AI?なんでまた?」
マオはアキトとルリに疑問をぶつける。
「いたほうが便利だからですよ。他に理由はありません。そちらの要求をほとんど呑んでるんですから少しはこちらの要求を聞いてくれてもいいんじゃないです
か?」
「・・・わかったわ。でも危険物じゃないかどうかの確認は譲れないわよ?」
「わかりました。」
そういうとルリはユーチャリスから50cm四方ぐらいの黒い箱を持ってきた。ダッシュの本体だ。
「じゃぁ確認するわ。」
マオがダッシュの本体に触ろうとすると・・・。
〔壊さないでください!!〕
ダッシュが大きなウインドウをマオの前に出した。
「な、なに!!」
「大丈夫ですよ、ダッシュ。この人が確認したらすぐに直してあげますから。」
〔・・・わかりました。〕
ダッシュは納得したようだがマオ(と見ていたクルツ)は何が起きたかわからないようだ。
「何、今の!説明して!」
マオは血相をかいて2人に説明を求める。だがアキトとルリは『説明』という言葉を聞くと辺りをキョロキョロ見回し始めた。
「・・・そういえばいないんですね、あの人は。」
「・・・助かった。」
ルリとアキトの方は安心したようだ。その間にマオも落ち着きを取り戻した。
「取り乱したわ。それで、さっきのは何?」
「ダッシュの言葉です。詳しい説明は必要ありませんよね?」
ルリがマオに答える。
「・・・そうね。私はそれが危険なものでなければいいわ。」
10分後、マオの点検が終わり、マオとクルツが納得するとルリは手早くダッシュを元に戻した。
「それじゃぁ、今度こそついて来て。」
マオを先頭に5人(いつのまにかヤンも加わった)はメリダ島のジャングルを進んだ。
後書き
こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただいてうれしい限りです。・・・クロス物が難しいのか、フルメタが難しいのか、非常に書きにくいで
す。なんで、こじ付け+ご都合主義+わけわからない、みたいなことになってます。
それで今回のお話。アキトとルリ、メリダ島に現るです。時期的には『戦うボーイ・ミート・ガール』の後で『疾るワン・ナイト・スタンド』の前です。なぜそ
こかというと『戦う〜』だと入る隙がまったくないのと、『疾る〜』でのソースケとテッサの所にいろいろやりたいことがあるからです。
話を読むと、アキトが簡単に武装解除しすぎだし、マオたちは信用しすぎと思うでしょうが、アキトはディストーションフィールド発生装置とか実は持ってるの
で攻撃できなくてもやられることはないということです。下手に抵抗して近くにいるルリが怪我をしたらいけないとも考えてます。こっちのルリは普通に運動神
経悪いですから。マオたちが信用したのは・・・(汗)ここで一応でも信用しないといつまで経っても話しが進まないので・・・。まぁ相手がきちんと対応して
いるのでこっちが無理やりな姿勢を見せるわけにもいけなかったということにします。
多分ダッシュの所もかなり強引ですがテッサとの絡みで使うので・・・許してください!!以上言い訳でした。
それでは次で会えることを願ってます。
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RYU
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