無人島と思ったら地下にこんな所があたなん
て・・・。
今、アキトさんと一緒に取調室らしき場所にいます。本当は別の部屋になる筈だったんですが、無理言って一緒にしてもらったんです。なかなか友好的でまず安
心しました。
でも相手が得たいが知れないのも事実なので油断も出来ません。
まぁなるようにしかなりませんね。
フルメタルパニック!、機動戦艦ナデシコ、クロスオーバー
〜テクノロジー、その先に・・・〜
第2話 共鳴、そして協力?前編
ここは取調室の隣にある控え室だ。壁がマジックミラーになっていてその部屋からは取調室が見えるが取調室からはこちらが見えない。そこにはテッサとカリー
ニン、他には2名ほどの下士官がいた。
「今、尋問はどの程度進んでいますか、カリーニンさん?」
「まだ始まってません。今からであります。」
それを聞くとテッサは取調室の中を見回した。
「2人同じ部屋なのは彼らの要望かしら?」
「はい、大佐殿のご命令通り彼らの要望は可能な限り聞いております。」
「ありがとうございます。それと尋問も過激なことはいけませんよ?まだ彼らが敵と決まったわけではありませんから。」
「了解しました。」
テッサとカリーニンが話している内にアキトとルリの尋問が始まった。
「簡単な質問からはじめよう。」
今回の尋問を担当した取調官は静かにアキト達に語りかけた。
「まずお前達の名前を教えてくれ。」
「・・・テンカワアキトだ。」
「ホシノルリです。」
取調官は手元のメモ用紙にメモを取っていく。そしてルリのほうを怪訝そうに見ると、
「女のほうは白人ではないのか?」
「確かに白人ですけど日本人です。」
正確に日本人と言えるかは差し置いてルリはこのホシノルリという日本語の名前を気に入っていた。
「まぁいい。では次の質問だ。君達の所属している組織は何だ?」
「所属している組織などない。・・・信じられないだろうがな。」
本来ならここで部下にいって少々苦痛を与え真偽を確かめるところだが今日の尋問では手荒な真似は禁じられているのでとりあえず次に進むことになった。
「次の質問だ。お前達が乗っていたあの物体はなんだ?」
「戦艦ユーチャリス。装備は総転移エンジンにグラビティーブラスト。もちろんディストーションフィールドもある。ワンマンオペレーションシステムの宇宙戦
艦だ。」
「・・・ふざけているのか?」
取調官がアキトを睨む。一方控え室では、
「大佐殿、男のほうが意味不明なことを口走っております。薬物検査が必要かと・・・、大佐殿?」
カリーニンがテッサに話しかけたときにはすでにテッサはその部屋を出て取調室に入っていった。
「総転移エンジン?グラビティーブラスト?ディストーションフィールド?本当ですか!?詳しく教えてください!!」
実は超兵器オタクのテッサはアキトの話が甘い囁きに聞こえたようだ。普段ならこのようなことは絶対にないのだがつい我を忘れてアキトにいいよった。
「・・・君は?」
一方アキトもこのようなところでルリと変わらない年齢の少女に会うとは夢にも思っていなかったので不審に思って尋ねる。それにテッサが答える前に取調官
が、
「困ります、大佐。まだ尋問中ですので・・・。」
「大佐?・・・なるほどな、ここは軍隊か。だが普通の国などに属する軍ではないようだ。特殊部隊か何かか?」
アキトは旧世紀の軍の常識を思い出し、すぐさま考察した。
「そんなことより詳しく話してください!」
どうやらもうテッサは止まりようにない。アキトはテッサを観察すると、
「・・・君なら大丈夫そうだ。ルリちゃんと話をするといい。俺よりもずっと詳しいはずだ。」
「そうなんですか。じゃぁルリさん、私の部屋で話しましょう!」
テッサがルリを取調室から連れ出そうとする。
「困ります、大佐。それに危険です。」
「危険にならないようにいろいろ検査をしたのでしょう?それに私達にとって有益な情報を聞き出せるかも知れません。」
「ですからそれは私が・・・。」
「お前の尋問は俺が受ける。ルリちゃんは彼女が担当する。何か問題があるか?」
テッサと取調官の間にアキトが割ってはいた。
「貴様は黙っていろ!」
「いいえ、彼の言う通りです。もちろん護衛の1人くらいつけますから心配も要りません。それじゃぁ。」
テッサはそういうとそそくさとルリをつれて取調室を出て行った。ルリの『私の意見はなしですか?』という呟きは見事に無視された。
「覚悟しろよ・・・。」
取調官はすさまじい形相でアキトを睨んだ。しかしアキトはそれをさらりと受け流すと、
「ふ、拷問しても無駄だぞ?俺は全て本当のことを話している。」
取調官は今すぐにでも拷問にかけてやりたい衝動に駆られたがテッサの命令がまだ有効であるのでこれまで通りに尋問を続けた。
「ここは私の部屋ですから安心してくつろいでください。あ、大丈夫とは想いますけど逃げようとは思わないでくださいね。そこにいるメリッサは少々乱暴です
から。」
「ちょっとカチンと来る言い方ね。」
テッサはルリを自室につれてくると出入り口にマオを立たせてルリにお茶を出していた。
「ええ、わかってます。・・・でもいいんですか?ひょっとしたら私はあなた達の敵かも知れませんよ?」
「敵ならそんなことは言いませんよ。それにたとえ敵だとしてもなんの武装もしていない貴方なら危機ではありません。持ち物はその箱だけ・・・たしかAIで
したよね。」
〔初めまして、私はオモイカネダッシュと申します。〕
ルリとテッサのやり取りに反応してダッシュがウィンドウを出す。そう、ウィンドウを・・・。
「な、な、なんです、これは!?」
「ダッシュのウィンドウです。」
「ダッシュ?ああ、そのAIのことですね。でも何も無いところに浮かんでいますが?」
テッサは興味津々という風にダッシュの本体とウィンドウを交互に見る。
「・・・そういう技術です。」
ルリは少し考え、今が20世紀末であることを思い出した。一方テッサは・・・
「つまり何も無いところに画像や文面が出せると・・・。画期的だわ!これについてもぜひぜひ話してください!!」
かなり興奮している。ルリはというと手元のお茶を一口飲み、落ち着いている。
「わかりました。でもその前に私の質問に答えてもらえませんか?もちろん答えられる範囲でかまいません。」
ルリの真面目な要求にテッサも一瞬考える。
「・・・わかりました。それで質問は?」
「貴方達は何者ですか?」
いきなり確信をつく質問だ。テッサも少し考えると、
「どこの国にも属さない軍事組織です。各国の利益を超えて地域紛争を防ぎ、対テロ戦争を行う、名前はミスリル・・・これ以上は話せません。」
多分多少の人は知っているであろう簡単な情報を話す。ルリはこれを聞いて少し考えてた。
「それは本当ですか?」
「ええ、確かに信じにくいかもしれませんが。」
テッサの答えを聞いてルリはまた何か考え始めた。
何を考えているこというとこれからの自分とアキトの行動についてだ。この時代には自分達の存在は無かった。なのでどこかに属することで暮らしが保障される
のが一番効率がいい。
ここは軍隊だと言う。悲しいことだがルリとアキトの技能を生かすには一番の場所であることは間違いない。そして先ほど聞いた方針が本当なら軍が嫌いなアキ
トでも納得すると考えた。
そしてルリの答えは・・・。
「ではそのミスリルで私とアキトさんを雇ってもらえませんか?」
ルリは考えた上でこの答えを出した。しかしテッサにはそれは意表をつく質問だった。
「なぜです?」
「私達は戸籍も住むところも無いのでせめて定職が必要なんです。」
テッサはそういうルリを観察した。雰囲気からは嘘をついていたり、からかっているようには思えない。
「・・・残念ですけどそれは多分無理ですね。今、貴方達に自分が私達の敵ではないと証明することは出来ないでしょう。それに貴方達が私達に有益な技能を
持っていると言うこともありません。・・・情報は欲しいですけど。」
「・・・完全に敵で無いと言うことを証明するのは無理ですがそのミスリルと敵対している、または中立の組織に属しているのではないとは証明できます。つい
でに有益な技能を持ってることも。」
ルリは少し考えて言葉を切り出す。
「どのようにですか?」
テッサはルリに疑いの目を向ける。
「簡単です。貴方が提示する組織の情報を全てハッキングで手に入れましょう。あ、全てに属している可能性をなくすためにここのメインコンピューターにも
ハッキングします。そうしたら信じてもらえますよね?」
「そんなことが可能だと思っているのですか?」
ルリの意見を聞きテッサがいらだちを隠せずに言った。
「やったらわかります。それでそうしたら信じてもらえますか?」
「・・・いいでしょう。本当にそんなことが出来る人材がいるのなら少々の危険を犯してでも確保する価値があります。でもここは絶対に無理ですね。私とダー
ナで妨害しますから。」
テッサが言い終わるとテッサの部屋のスクリーンにダーナが現れる。
「ダーナ、情報部からのテロ組織の名簿で危険度が高く大きな組織を10個表示して。」
〔ラジャー〕
テッサに命令にダーナはすぐに反応しスクリーンに組織名が10個並んだ。
「これに加えて、ソ連とアメリカのデータをお願いしますね。無理でしょうけど。」
「そうですか。じゃぁはじめます。」
ルリはテッサの言葉を気にしもせず、ダッシュからコントロールパネルを取り出す。そしてルリの全身から光が出て・・・。
「な、何?」
同時に一瞬部屋の電気が消える。そして・・・。
〔初めまして、ルリ艦長。ご命令を。〕
「じゃぁ、今、私が集めたデータを全部表示して。」
〔ラジャー、データ表示〕
スクリーンいっぱいに情報がでる。テッサはそれを呆然と見るだけだ。
「どうですか。これで信じてもらえますよね?」
「・・・確かに情報部が提示したデータに加えてまったくわかっていなかったもののデータまであるわ。でも、さっきの約束は口約束ですよ?」
「つまり無効だと言いたいのですか?」
テッサとルリの間に重々しい空気が流れる。だが最初に沈黙を破ったのはテッサだった。
「・・・冗談です。わかりました、貴方達を信用します。しかし本当に可能だったんですね。」
「どこも穴だらけで簡単でしたよ?まぁ一番ここがてこずりましたけど。」
ルリは未来と比べて言う。もちろんテッサにはそんなことはわからないのでそのまま受け取った。
「貴方は自分を過大評価するような人には見えないので多分本当なんでしょう。」
テッサがそういう言うと2人は一息ついた。手元の冷えておいしくなくなったお茶を飲んで力をぬく。
「そろそろ名前を教えてもらえませんか?出来ればそこの護衛の人も。」
ルリは先ほどから2人のやり取りにただ立ち尽くしていたマオにも話を振る。
「あ、すみません。私はテレサ・テスタロッサ。階級は大佐です。テッサでいいですよ。それと彼女はメリッサマオ。階級は曹長です。」
「そうですか。ではテッサさん、それと・・・マオさんでいいでしょうか?これからよろしくお願いします。」
「ん、ああ、いいわよ。でもテッサ。勝手に雇っちゃっていいの?」
マオはルリの問いに返事をするとテッサに尋ねる。
「私はこの基地では最高指揮官ですよ?有能な人材を発見したので雇ったと上には報告すれば済むことです。責任は私が取ります。」
「あ〜もう、わかったわよ。」
マオは目に手を当てて大げさなリアクションをする。テッサは言い出すと引き下がらないことを知っているのだ。
「でも貴方・・・確かホシノルリさんでしたよね?貴方の有能性はわかったわ。でも男性のほうの方はどうなんでしょうか?」
「テンカワアキトさんです。・・・きっと期待に添えると思いますよ。あって話してみたらどうですか?」
「そうですね。では取調室に迎えにいきましょう。でもその前に・・・。」
テッサが言いずらそうにルリを見る。
「なんです?」
「ダーナを返してもらえませんか?」
ルリは今、気付いたと言う風に急いで艦長をテッサに書き換えた。
「・・・それは本当ですか?」
ルリは取調室、テッサはその控え室に戻り、まだそこにいたカリーニンにルリを雇うことにした旨を伝えた。もちろん先ほどのことと一緒に。
「もちろんです。それでどう思いますか?」
「中佐殿は反対すると思われます。」
「そうね。でももう決定したといえばどうにかなります。カリーニンさんはどうですか?」
「私も彼らを完全に信用することは出来ませんが、女の方は確保すべき人材だとは思います。」
テッサはカリーニンが自分の意見を肯定したことに安堵した。いくらテッサがこのミスリル、西太平洋戦隊の戦隊長であったとしても高官全員から反対されては
意見を引き下げるしかない。
「では男性の方の品定めをしなければなりませんね。」
「そのようですな。まず男にどの様な分野に優れているか聞き、その分野での能力を測るべきです。もしも必要な値に達していなければ切り捨てます。」
「そうするべきなのでしょうが、もし彼女が条件に彼と一緒に雇うように言ってきたならばそれを聞くしかありませんね。そういうことは十分ありそうですか
ら。」
「・・・。」
カリーニンは最後のテッサの言葉には返事をせず、取調室の取調官を下がらせるとテッサとともにその部屋に入った。
「ルリちゃんから話は聞いた。本当にお前らが言うような組織ならば雇われてもいいだろう。」
アキトがいつもの調子で言う。ひどく傲慢そうな言い回しだがなぜかそういう感じには受け取れない。
「まず貴様の得意分野を聞こう。何が出来る?」
カリーニンはアキトを見据えて静かに言う。それに少し考えてアキトは答える。
「・・・格闘戦には自信がある。銃機器の使用も出来る。護衛や諜報作業も大丈夫だ。」
アキトの答えにテッサとカリーニンは少し話し合うと、
「では格闘戦の技能を見せてください。こちらの腕利きを1人連れてきます。」
「1人?それでは足りない。2、3人つれてくるんだな。」
アキトは当然のように言い放つ。
「・・・本当に貴方達は自分の技能に自信を持ているのですね。いいでしょう。3人連れてきます。カリーニンさん、誰かに彼らを・・・そうですね、砂浜に案
内させてください。」
「私が案内します。彼の得意分野から言って配属されるのはSRTかPRTになります。いずれも私の指揮下になりますので。」
「そうですか。ではお願いします。」
そういうとテッサは部屋を出て行った。その後すぐにカリーニンもルリとアキトをつれてこの部屋を後にした。
後書き
こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただいてうれしい限りです。まとめて出すといいながらまとめて出せるのはここまでのようです。
では今回のお話。序盤一番の山場になりそうな所だったルリとアキトがミスリルに入るところの前編です。うーん、やっぱり無理がある。テッサが超兵器オタク
でもあの辺にまで飛びつくかどうかといわれると微妙ですし。というより作戦行動中にあれは無いでしょうが・・・そうしないと話しが・・・。ご都合主義万歳
ということで。(もう少し勘弁してください)
もう少しで(また無理やりになりそうですが)アキトとルリが学校に行くのでそうしたら書きたいところに・・・。
それからは短編の話をアキトとルリを入れて改造するか完全オリジナルのストーリーを書きながら長編をたまにという感じになります。
〜光明は遠い世界から〜以上に駄文になりそうですががんばって続けるは続けます。もちろん〜光明は遠い世界から〜も。
それでは次で会えることを願ってます。
感想
さて、アキト達やってまいりましたね〜♪
これで彼等も高校に通う事が決定した訳です!
あの高校は並じゃないですから…ドラマガ掲載の短編集のネタは更に面白いでしょうね♪
アニメで言う所の”ふもっふ”です!
どうしても、私とアキトさんのお話
をギャグにしたいんですか!?
つっても、RYUさん既にギャグキャラとして書いているように見えるけど?
ぐぐ…でもヒロインである事は疑いないわけですし…まぁいいです。
そういえば不思議なんだけど…RYUさんのルリ嬢って…君に似てない?
えっと…そうでしょうか? まあヒロインの風格がありますからね♪
いや、ギャグ化しているときだけ君にソックリな気が…
ふふふ…そうですか…そんなに似て
いますか?
まあ、君はギャグキャラだからねぇ…
ふふふ…やはり、バカは死ななければ直りませんか…(怒)
いえあの…そうだ! 実はいいものがあるんだけど…これいらない?
えっなんです? ああ、もしやこれは!? アキトさんの…これを一体どこで…
許してくれたらあげるんだけどな〜
うう
うう…分りました…貴方の紙よりも薄っぺらい命と比べれば大切さもひとしおです。
今日のところは譲りましょう。
うっ、なんだか逆に傷ついた(汗)
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m
RYU
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