今、そのミスリルという組織の基地内を歩いています。

行き先は砂浜らしいです。こんなことなら水着を持って来るべきでした。

・・・冗談です。

フルメタルパニック!、機動戦艦ナデシコ、クロスオーバー
〜テクノロジー、その先に・・・〜
第2話   共鳴、そして協力?後編



カリーニンとアキトたちはしばらく歩くと砂浜に出た。道中無言で重々しい空気が流れた。

「ここだ。」

「ああ。」

また会話が途切れ沈黙が流れる。ルリもその雰囲気は気にならなかったがこの後、ここで働くことを考えなんとか会話を作ることにした。

「あの、アキトさんが働き始めたらどんなことをするのですか?」

「・・・それはこの男が勝ってから答える。」

「・・・。」

「・・・。」

沈黙。その後ルリが何度か話題を出しているうちにテッサがマッカラン、マオ、ヤンをつれて来た。

「お待たせしました。彼らが相手です。」

「そうか。だったら速く始めよう。」

「たいした自信だな。いや自惚れというべきか。」

マッカランはアキトを睨む。

「それはやってみたらわかるだろう。」

それにアキトはさらっと答えた。

「でははじめましょうか。ルールは時間無制限、武器はなしでそれ以外はなにをしてもいいです。それでは・・・。」

そういうとテッサはすっと手を上げた。マッカランたちはアキトを取り囲むように構える。一方アキトは手をたらして立っているだけだ。

「はじめ!」

言うと同時にテッサは手を振り下ろす。だが当の4人はまったく動かない。しばらくこの状態が続く。

だが勝負は一瞬だった。マッカランたち3人が一斉に攻勢に入る。だがアキトは全ての攻撃を受け流しながら1撃を加える。

3人は同時に砂浜に倒れた。

「・・・まだやるか?」

アキトはテッサの方を見る。

「え、いえ、もういいです。」

「なかなかの連中だ。連携も完璧で個人の実力も悪くない。」

よく見るとアキトの首筋が赤くなって入るのがわかった。

「よく、言うわよ。これだけ一方的にやって。しかも全員急所を突くなんて。」

「手加減できなかった。それだけだ。」

のろのろと立ち上がりながらマオが言うとまたそっけなくアキトが返す。それを聞いたマオは大きくため息をついた。

「自惚れは私のほうだったな。」

「いや、お前は十分強いだろう。」

「・・・。」

マッカランはアキトの尊大とも思える発言を聞いたがそこに驕りを感じられなかった。

「カリーニンさん、どうですか?」

「格闘戦では間違いなくミスリルに勝てるものはいないでしょう。並みの相手なら相手が銃機器を保持していても倒せるとおもいます。」

カリーニンの表情はまったく変わりなかったが頬には一筋の汗が流れていた。

「ではいいですね?」

「はい、他の技能も優れているのなら即SRT要員として起用したいレベルです。」

カリーニンの答えにテッサはにこやかに笑うとルリの方へ近づく。

「貴方の彼氏の方は強いですね。貴方と一緒に彼も雇うことになりました。」

「彼氏だなんて、違いますよ(赤)。」

「え、そうなんですか?私はてっきり・・・。」

「婚約者です(真っ赤)。」

「へ?」

「だから婚約者なんです(真っ赤)。」

「そ、そうなんですか・・・。良かったですね。」

「ええ♪」

ルリは嬉しそうに頷く。テッサは驚きで呆然としている。

「では次の場所に行きますからついてきてください。」

しばらくして回復したテッサはその場にいる全員に言った。

「え、まだ何かテストするんですか?」

「ええ、けど今度は純粋に彼の・・・。」

「テンカワアキトさんです。」

先ほどからアキトのことを名前で呼ばないのでルリは何度目かのアキトの名前をテッサに教えた。

「じゃぁ、テンカワさんの能力を測る物です。」

「わかりました。ではついていきます。」

話しがつくと全員は来た道を戻り始めた。途中テッサが何度もこけたのは言うまでもないだろう。
















アキトの能力テストは順調に進んだ。もともとネルガルのSSでの訓練である程度のことはできる。もっともそれはアキトにとってのある程度で客観的に見ると 一流としてやっていけるレベルだ。

「じゃぁ次はASの操縦をやってもらいたいのですが、出来ますか?」

格納庫に着いたところでテッサがアキトに尋ねる。

「AS?何だそれは?」

アキトは当然のように聞き返す。一方ミスリルの面々は信じられないという表情でアキトをみる。

「ASを知らないのですか?」

テッサの表情に疑いの色が浮かぶ。

「この時代の機動兵器ですよ。」

ルリがアキトに耳打ちする。ルリは先ほどのハッキングでこの時代の大体のこととミスリルの機密情報を暗記していた。

「いや、すまない冗談だ。俺は操縦は出来ない。」

「・・・そうですか。わかりました。」

テッサはとりあえず信じると隣のカリーニンと話し始めた。

「どうですか、カリーニンさん?」

「ASの操縦以外は全てSRTの標準以上の能力です。ヤン伍長の例もありますし能力的にはすぐにSRTとして起用可能です。しかし・・・。」

「しかし、何ですか?」

テッサが詰まったカリーニンに続きを促す。

「私にはまだあのテンカワという者が信用できません。」

「・・・つまり自分の部下としては使えないと?」

「いえ、私に考えがあります。」

「どんな考えです?」

「それは可能かどうか判断してから報告したいと思うのですが・・・。」

テッサの質問にカリーニンは歯切れの悪い返事をする。

「・・・わかりました。出来れば今日中に報告お願いします。」

「了解しました。」

2人は話しが終わるとアキトとルリのほうへよる。

「では私はルリさんに話しがありますから。テンカワさんはカリーニンさんについていってください。」

「わかりました。」

ルリは返事でアキトは沈黙でそれをテッサの言葉を肯定した。
















ルリとテッサはまたテッサの部屋に戻ってきた。今度はマオはいない。

「とりあえず、2人とも雇うことになりそうです。」

テッサは先ほどのカップを下げ新しくお茶を入れて持ってきた。

「ありがとうございます。それでアキトさんの仕事は大体わかりますが、私の仕事は何ですか?」

「とりあえず最初はハッキングシステムとハッキングブロックシステムを作ってもらおうかと思ってます。特にハッキングブロックのほうは重要ですね。貴方に 数秒で破られてしまいましたから。」

テッサは少しむっとしたように言う。先ほどのことがまだ悔しいのだろう。

「わかりました。まぁ今のままでも私以外はハッキング出来ないでしょうがやりましょう。でもそれならどこででも出来ますよね?」

「ええ、でもそれが何か?」

テッサの問いにルリは怪しげな笑みを浮かべる。

「仕事場はアキトさんと同じにしてください。」

「戦場に突っ込む気ですか?」

「いえ、アキトさんが長期いる場所と同じ場所で働きたいということです。この基地ならこの基地。遠くに派遣されるならそこ、TDDならTDDです。」

ルリの言葉にテッサがぎょっとする。

「なぜTDDのことを知っているのですか!?」

「先ほどのハッキングでミスリルの情報はほとんど覚えました。・・・ウィスパードのこととか。」

テッサはルリの言葉に言葉を失ってしまった。またルリが続ける。

「・・・黙ってますからお願いします。」

「脅す気ですか?」

「いえいえ、お願いです。」

「・・・はぁ、脅さなくても一緒の場所にしてあげますよ。婚約者なんでしょう?」

テッサが心底あきれたという言う。

「ありがとうございます♪」

とりあえずこの件はまとまったようだ。

「それでは・・・。」

ぐっとテッサが前に乗り出す。

「さっきの話を聞かせてください!!相転移エンジンとかグラビティーブラストとかディストーションフィールドとか!!」

すごい勢いでルリに詰め寄る。

「・・・わかりました。まず相転移エンジンは・・・。」

ルリはゆっくりと説明を始めた。

しばらくルリが説明を続けているとノックをする音が聞こえた。

「どうぞ。」

「カリーニン少佐がお話しがあるそうです。」

「・・・わかりました。今行きます。ルリさんまた後で説明の続きをしてくださいね?」

「わかりました。」

ルリの返事に満足すると部屋を出て行った。
















「で、カリーニンさんの考えを聞かせてもらいましょうか?」

テッサは司令室にはいるとそこに立っていたカリーニンに話しかける。

「はい、私の考えとはテンカワアキトをサガラ軍曹の通っている学校に通わせることです。」

「・・・なぜですか?」

「彼の能力は護衛に適していることとサガラ軍曹に彼が不穏な動きをとらないかを監視させるためです。」

テッサは少し考えて、

「サガラ軍曹の負担を増やすのですか?」

「いえ、初めは負担になるかも知れませんが信用に値すると判断できれば彼の負担も減るでしょう。また彼に監視の命令は出しません。サガラ軍曹ならば不穏な 動きがあれば気付くはずです。」

またテッサは考えると、

「・・・わかりました。派遣は教員としてですか?」

「いえ、教員だとサガラ軍曹との接触が極端に減るのに加え、テンカワアキトに教員をする能力があるとも思えません。ですので年齢的に少し無理があっても学 生として派遣しようと思います。」

「確かに彼は年齢よりは若く見えますね。・・・わかりました。ではテンカワさんの編入届けの・・・・!」

テッサは自分の言葉の途中で口に手をあて驚いている。

「大佐殿?」

「いえ、2人分の編入届けの準備をお願いします。テンカワさんとルリさんの。」

「なぜ、ホシノルリまで転入させるのですか?」

「・・・こちらにもいろいろ事情があるんです。」

テッサははぁ、とため息をつく。

「了解しました。では手配します。」

「あと2人の階級は両方軍曹にしておいてください。多分サガラ軍曹と一緒に住むことになりますから対等の方がいいでしょう。」

「了解しました。」

「では私は部屋に戻りましね。」

テッサは話しが終わるといそいそと部屋に帰っていった。















後書き

こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただいてうれしい限りです。

ではいきなり今回のお話について。やっとルリとアキトが陣台高校に行くことが決定しました。アキトの年齢の問題は・・・ごめんなさい。でも制服きて普通に してたら誰も絶対に疑わないでしょう。ちょっとふけ顔だなって感じで。(アキトならなおさら疑われなそう)

ちなみに次の話でやっとソウスケが出てきます。主役・・・かな?(アキトの方が主役かも、むしろルリ?)が出てくるのが遅いですがやっとです。多分本格的 に学校生活が始まるのは次の次になりそうですがやっと書きたかったアキトとルリの学園物が・・・(うっとり)

それと前回の投稿での拍手の量にビックリ!!〜光明は〜の15倍くらい拍手をもらいました。この話しが面白いのか〜光明が〜面白くないのか・・・。自分の 結論は「珍しいことはいいことです!」ですね。それと微妙に後者もありそうですが・・・。

あとアキト×ルリ、ソウスケ×テッサを希望されましたが、まぁアキト×ルリは間違いありません。ソウスケのお相手はまだ秘密ということで、でも間違いなく 本編よりはテッサに有利な局面を増やす予定です。フルメタのカップリングは以後お楽しみに〜。

最後に、拍手でとっても元気が出ました。コメントでもっと出ました!ありがとうございます。これからもがんばって書いていきたいと思います。

それでは次で会えることを願ってます。


感想

アキト戦いは強いですね〜

個人戦では敵がいないということでしょうか。

当然です!アキトさんの強さは世界一!! っていうか、全次元で一番です!!

ぶっ!!? こりゃまた大きく出たね…でも、こないだ出たFF7のDVDに出てくるクラウド無茶苦茶強いよ?

空中で何十連撃とか繰り出してたし…

何を言っているんですか! 自分の作品でも後々凄い事にするつもりの癖に!

アキトさんが中途半端なんて言わせません!!


ちっ先読みか!? 確かに…いつかはすごい事にするつもりだけどね…それがいつのことかはびみょ〜だよ(汗)

それよりま、あの高校に行くなら政府筋に顔が利く生徒会長とか、猟奇的な婦警さんとか、個性的なキャラが多いからどうなる事か…

う〜ん、まあ婚約者の私としては、悪い虫さえつかなければそれでいいです。

そうだねぇ…アキトの事を好きになるとしたら…思いつかない…(汗)

え? それは聞き捨てなりませんね、確かに悪い虫がつくのは嫌ですけど。

でも、アキトさんを好きになる人が思いつかないとはどういうことです!?
 

実際、アキトを好きになる人…常盤さん意外ではまともな人がいないんだよね(汗)

まあ、彼女ならありうるけどね…でも…野次馬人間だからな〜微妙かも?

微妙な表現ですね…まあ、アキトさんとらぶらぶでやっていける なら良しとしましょう!

ああ、そう言えば忘れていた…

え? なんですか?

テッサ嬢、実はあぶれ組みだった…(汗)

まさ か…まさか…まさか…

イや大丈夫! 彼女はふられたからって急に好きな人を変えるほど器用じゃないから(汗)

ふう…驚かせるんじゃありません。RYUさんも分りましたね。変に複雑な関係を作らないでくだ さい!

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