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・・・・・やばいですよね?



フルメタルパニック!、機動戦艦ナデシコ、クロスオーバー
〜テクノロジー、その先に・・・〜
第3話   出発に向けて 後編




まるでその場を停止させたような沈黙が続く。

「・・・。」

ふと、ルリとアキトは抱き合ったままだということに気が付いた。2人は慌てて両側に跳ぶ。

「え、あ、す、すみません!!お取り込み中でしたね!どうぞ朝までお楽しみください!!」

時間が動き出した瞬間、テッサは真っ赤になって部屋を走って出て行った。

バタ!

ドタ!

「2回こけましたね。」

「・・・ああ。」

ちなみにテッサの部屋は隣で、間隔は10mもない。

「・・・どうしますか?」

「・・・そうだな・・・。」

(今のでは完璧にばれたとは思えないが、これからとるべき行動は・・・)

  
   @、ひたすら誤魔化す。

   A、本当のことを話す。

   B、ルリちゃんと愛の逃避行へ。


「Bはないな。・・・って、は!?」

アキトは自分の思考の中に浮かんだありえない選択肢に驚愕した。ふと振り返ると・・・、

「失敗ですか・・・。」

ルリがダッシュを使って“何か”をしていた。

(凄い速さの立ち直りだ。だが・・・ナノマシンを介して人の思考に介入するのはやめて欲しいな・・・。)

ルリは何事もなかったかのようにアキトの方を向く。

「いい案は浮かびました?」

「いや、俺はこのまま隠すか、本当のことを話すかしか浮かばなったな。」

アキトも同様に普通に言葉を返す。

「・・・まぁいいです。それでアキトさんはどちらがいいと思いますか?」

ルリは少し拗ねたような顔で言う。

「そうだな・・・俺は本当のことを話す方がいいと思う。」

ルリはこのアキトの答えに驚いた。本当のことを話すということはテッサのことを完璧に信用するということだ。

「なんでそう思うんですか?」

「・・・正直に言うとよくわからない。だが彼女は信用できる気がする。」

「そうですね。私もそんな気がします。じゃぁその方針で。けど1つ聞いていいですか?」

そういうとルリは恥ずかしそうにアキトを見る。

「ああ。」

「・・・私とテッサさんはどっちの方が信用できますか?」

アキトはルリの言葉に吹き出しそうになるのぐっと抑えた。

「ダッシュで人の思考に介入するようなヤツは信用できない。」

「き、気付いてたんですか!?」

「普通は気付くと思う。まぁそれでも俺はルリちゃんの方を信用するよ。・・・では行くと決まったらさっそく行こうか。」

(・・・今日のアキトさんはどこかキザです。たまにはいいですけど。)

ルリはこんなことを考えながらアキトに頷いた。
















2人はテッサの部屋の前まで行ってノックをした。もちろんその間にこける様な障害物はない。

「テッサさん、お話があるんですがいいですか?」

「え、はい、どうぞ入ってください。」

テッサの声は先ほどよりは落ち着いているがまだ慌てているのがわかる。2人は声にしたがって中へ入った。

「それで何のお話ですか?」

部屋のソファーにルリとアキトがテッサと対面になるように座って話を始めた。テッサはやはり緊張している。

「さっきの話なんですが・・・。」

「え、いや、す、すみませんでした!!覗こうとか思ったんじゃなくってお話をしようと思ったら偶然出くわしただけなんです!」

「いえ、テッサさんが聞いた『前の世界』とかそういう方についての話です。」

これを聞いたテッサはさっきまでの緊張は一瞬で消え、真剣な顔になった。それを見てルリは話を続ける。

「話を始める前に1つ。この話は信じられないかもしれません。もし信じられなかったらさっさと忘れてください。でもどちらにしても絶対に他の人には言わな いでください。」

「・・・わかりました。信じれるか信じれないかはわかりませんが人には言いません。それでいいですね?」

「はい、助かります。では話を始めると・・・。」

ルリはテッサに自分達はボソンジャンプで未来、または平行世界の未来から偶然ここへ来てしまったと伝えた。今はまだ特に目的はないがそれがばれると面倒な ことになるとも付け加えた。

「・・・話はわかりました。けど流石にそのボソンジャンプというものは信じられそうにありません。いくらなんでも法則をまとめて無視しすぎてます。」

「ではボソンジャンプを見たら信じれるか?」

アキトは立ち上がりながらこの部屋に入って初めて口を開いた。

「え?ええ。見てしまったら否定しようがありませんから。」

「では見ていろ。もっとも時間はイメージできないからただの空間移動になるがな。」

アキトはそういうとCCを取り出し握り締めた。するとアキトは青い光に包まれて消えていった。

「え?」

テッサは突然消えたアキトに呆然とした。

「あそこですよ。」

ルリが窓の外を指差した。テッサはその先を見るとさっきまで部屋にいたアキトがそこに立っている。普通はどんなに急いでも5分はかかる距離だ。

「どうだ、信じられるか?」

突然後ろからかけられた声にテッサはまた驚いて振り返る。窓の外のアキトはすでに消えていた。

「・・・。」

テッサはまじまじとアキトを見る。

「テッサさん?」

「・・・(にへら〜)。」

テッサの顔はボソンジャンプをいろいろと超兵器に応用できないかと思うと思わず顔が緩む。

「テッサさん!」

「は、すみません。いろいろ考えてました。そうですね、アレを見てしまっては信用するしかありませんね。それでそちらの要求は何ですか?」

「「要求?」」

ルリとアキトは2人そろって首を傾げる。

「え、わざわざ話したんですから、何か要求があるんでしょう?でなければ話す必要がありませんから。」

「「あ!」」

またハモる。

「?」

テッサは2人の行動に疑問をもち始めた。

「・・・要求は特にないです。というかそこまで考えてませんでした。」

ルリの言葉にアキトがこくんと頷く。

「・・・しっかりしているようでどこか抜けてるんですね・・・。」

「まぁ何かあったらお願いします。」

ルリは乾いた笑いをするしかなかった。

「そういえば今のでわかったと思いますけど昼に話したことは嘘なので忘れてくださいね?」

なんともいえない沈黙が流れたのでルリは話題を変えた。だが今度はそれを聞いたテッサが固まってしまった。

「昼に話したこと?」

1人ルリの発した言葉が理解できないアキトは疑問を投げかける。

「い、いえ、もう関係ないことですから聞く必要はないです。」

「・・・あの、そのことなんですが・・・。」

ルリがその会話を終わらせようとバツが悪そうに間に入る。

「どうかしましたか?テッサさん。」

「その、もうメリッサとウェーバーさんに言っちゃいました。」

「え!!」

「これで聞く必要ができたな。」

アキトは言いようのない不安に駆られていた。一方アキトの言葉を聞いて2人は申し訳なさそうな顔をする。

「・・・怒らないでくださいね?」

ルリはアキトを見つめる。

「断言はできない。」

「怒らないでくれないと話せません・・・。」

「・・・出来うる限りそうしよう。」

ルリは観念して話し始めた。
















「・・・。」

「アキトさん?」

ルリの話が終わったがアキトに特に変化はない。

「・・・。」

「アキトさん?」

いや、訂正する。アキトに特に反応はない。

「・・・。」

「アキトさん!?」

それも違う。反応できない状態にされた。アキトは呆然と虚空を見つめている。

「・・・ルリさん、このままこの話はなかったことにするのはどうですか?」

「・・・名案ですね、それ。では部屋まで持って帰ります。」

そういうとルリはアキトを持ち上げようとする。

「それでは俺が変質者じゃないか・・・。」

だがそれでアキトの意識が帰ってきた。

「あ、アキトさん気が付いたんですか。」

ルリは作り笑いを浮かべながら後退する。

「俺は、俺は、俺は・・・。」

だがやはり目は虚ろ、身体は小刻みに震えている。

「だ、大丈夫ですよ、アキトさん。アキトさんが変質者でも私はアキトさんの味方ですから!」

「ああ・・・。」

アキトのただならぬ様子にルリは的外れなことを言うがアキトも上の空で答える。

「そ、そろそろ部屋に帰りましょうか?」

「ああ・・・。」

「それではテッサさんまた明日・・・。」

「え、ええ、おやすみなさい。」

挨拶が終わるとルリはアキトの手を引いてテッサの部屋を出た。手を引かれたアキトはのろのろと後に続いた。

















翌朝、メリダ島は雲ひとつない晴天だった。

「おはよう、ルリちゃん。」

いつものようにアキトが先に起きてルリを起こす。

「ふにゅ〜、ほえ?あ、おはようございます、アキトさん。」

「ああ。」

アキトはルリが起きるといつものように背を向けて離れていく。

「良かった、昨日の夜のことは立ち直ったんですね?」

ルリはアキトのいつもと変わらぬ様子に安堵した。だがルリの言葉を聞いたアキトの動きがぴたりととまった。

「昨日の夜は、テッサに俺達のことを話しただけだ。ルリちゃん。」

「え?」

アキトはそういうとすたすたと歩いていった。ルリはアキトが昨日のことを無かったことにしたのがわかった。

「出発まであと1時間30分しかないから準備を急ぎましょうか。」

「そうだな。」

ルリも昨日のことをアキトがなかったことにしようとしていたのでそれに合わせた。理由は自分にも都合がいいからというのは伏せておこう。

「CCはどれくらい持っていきますか?」

2人は一通り私物の準備が終わった(とはいってもほとんどないが)のでソファーに座って話し始めた。

「あるだけ持っていこう。」

「無理です。」

ルリはアキトの提案を即座に却下した。

「全部もっていっても話に聞いた部屋では部屋全部を倉庫にしても入りきりませんよ。」

「じゃぁとりあえずアタッシュケース1個分ぐらいか。」

「そうですね。」

その後特に会話もなく2人はお茶を飲んでいた。

「すみません、そろそろヘリに荷物を積んでもらっていいですか?」

「わかりました。今行きます。」

ちょうどカップの中のお茶がなくなる頃作業員が呼びにきたので2人はそれに従い部屋を後にした。















その後、特に問題もなくヘリコプターはメリダ島を飛び立った。当然見送りはいない。見送りどころは今朝から2人、正確にはアキトの前には誰もあらわれな かった。


「今回ばかりは大佐の判断も失敗だったようだな。」

「ああ、なんといっても変質者を入隊させてしまったんだからな。」

「ああいうのには関わらないのが1番だ。」


・・・メリダ島でのアキトへの風当たりはかつてないほどにきついようだ。















後書き

こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただいてうれしい限りです。

さっそくですが今回のお話。前回の雰囲気がまったく反映されていない今回。意味としてはずばり『メリダ島ではアキトは変質者扱い』です(爆)。まぁこれは この先のフルメタで言えば短編に当たるところを書きやすくするやめにやったことです。そのせいで前回から壊れ気味だったアキトがさらに崩壊しました (死)。うう、シリアスなところではシリアスなアキトになるので許してください(懇願)。

もう1つはCCはいっぱいありますよ、ということです。これではアキトたちがかなり有利になりますがそこは考えてあるいので大丈夫です。あとテッサに秘密 を教えましたがこれももちろん意味があります。お楽しみに!!(相当後になりそうですが・・・)

さぁいよいよ次でアキトとルリがソースケに会って楽しい楽しい学園生活が始まります。自分の速く書きたいです。

最後に前回の後書きで〜光明〜がどうたらと話していましたがどうやら杞憂だったようで大丈夫です。こちらと平行して書こうと思うのでどちらが先になるかわ かりませんがこちらもよろしくお願いします。

それでは次で会えることを願ってます。


感想

うわ〜アキト変質者になっちった…

まあ、元々服装は変質者だけど。

ルリ嬢はまたもアキトを獲得に動いています♪

ここまできたら、そうまでしなくてもいい気もしますがw

何を言ってるんですか!

アキトさんはいつも私の事を考えてくれていますが、それでも
天然が直ったわけじゃないんです!!

いつも私の事だけを見ていてくれるように色々考えるのは当然じゃないですか!!

乙女心は複雑なんです!

ははは…

それに、アキトさんには悪いですがアキトさんが変質者と思われるのは、

私にとって
好都合なんです。

虫除けに丁度いい位です!


虫…(汗)

もちろん、アキトさんにたかる悪い 虫は私が実力を持って排除しますが!

…コワ……

ふっふっふ、アキトさんは私だけのアキトさんなんです。


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