メリダ島を出発して只今、海の上です。

むこうについていきなり次の日から学校というところに行くことになるそうですが大丈夫でしょうか。

それ以前に今任務についているサガラ軍曹という人と3人部屋って・・・。

うう、アキトさんと2人きりになれると思ったんですが・・・。



フルメタルパニック!、機動戦艦ナデシコ、クロスオーバー
〜テクノロジー、その先に・・・〜
第4話  楽園のはじまり?




パタパタパタパタ

そろそろ増援の者が来るとあってソースケは空港に迎えに来ていた。

「やっときたわね。まったく正午までって言われて早朝から待つヤツがどこにいるのよ。」

ソースケの隣にいる少女がやってきたヘリコプターを眺めながら悪態をついた。もちろん千鳥かなめだ。

「その認識は甘い。少佐は正午までといったのだ。つまり正午以前ならいつここについてもおかしくない。本来なら連絡があってすぐにここに待機すべきだっ た。」

「はぁ。なんで私はこんなヤツに付き合ってやってやってるんだろ・・・。」

2人がそうこうしている間にそのヘリコプターは着陸した。ちなみに今は正午5分前である。

「さてその2人はどんな・・・え!?」

かなめはヘリコプターから降りてくる2人を見て固まってしまった。ルリとアキトは『いつもの服』を着ていたのだ。

「わざわざ出迎えありがとうございます。えっと男の方がサガラさんでそちらの女性の方は?」

「君達の護衛対象だ。名前は聞いているはずだが。」

「ああ、チドリカナメさんですね。始めましてホシノルリです。それでこちらが・・・。」

「テンカワアキトだ。」

ルリがアキトに目配りするとアキトが名乗る。

「はぁ、こちらこそ・・・。」

かなめは先ほどのショック半分、あきれ半分で返事をした。

「だがその前に、お前達のその服装はなんだ?」

ソースケの言葉にかなめはソースケの良識に安心した。・・・が、

「そのような服装では戦闘に適しない。改善すべきだ。」

もろくも崩れ去った。

「心配無用だ。この服以上に戦闘に適している服はない。ルリちゃんのほうはもともと戦闘はしない。」

「そうか。なら問題ない。」

ソースケ、アキト、ルリの間ではこの話題は終結した。しかしその瞬間ソースケの頭をハリセンがたたきつけた。

「なんでそうなるのよ!!この2人どう見てもコスプレじゃない!もっと違うところに注意すべきことがあるでしょ!?あん たもあんたよ。その格好、その雰囲気で『ルリちゃん(はぁと)』なんて呼んでんじゃないわよ!!!」

かなめは頭に血がのぼって初対面のルリとアキトにソースケに接するように言葉を言い放ってしまった。一方アキトとルリは面を食らっている。

「す、少なくとも『ルリちゃん(はぁと)』とは発音してないが・・・。」

「あの、これはコスプレじゃなくて一応正装なんですが・・・。」

2人の返答にかなめはルリの返答にだけ反応した。

「まさかあんたのとこの女性社員ってみんなこんな格好させられてるの?」

かなめは軽蔑の眼差しとも取れる視線をソースケに送る。

「そんなことはない。この服装よりは遙に機能的だ、安心しろ。」

「何に安心するのよ・・・。」

かなめはまたのあきれる。

「ああ、前のところでの制服なんですよ、これ。」

「はぁ、大方コスプレ喫茶か何かでしょ、どうでもいいから着替えてきなさい。」

「そうはいかない。護衛をするのならば最善の状態で臨まなけれ・・・。」

「黙って着替えてくる!!」

「「は、はい!」」

アキトとルリはかなめに気押されてヘリコプターに戻っていった。


2人が着替えて戻ってくると、かなめは上下黒のアキトの服装ぶつぶついっていたがそのまま空港を離れた。

















4人はソースケの部屋・・・これからはソースケ、アキト、ルリの部屋になる部屋に帰ってきた。

「あんた達本当にこの部屋に3人で住む気?」

かなめは3人分の荷物で狭くなった部屋を怪訝そうに見回す。

「当然だ。ここが我々のセーフハウスなのだからな。」

かなめの問いにソースケは平然と答えた。

「はぁ、それにえっと・・・めんどくさいからルリでいい?」

「ええ、好きに呼んでくさい。」

「じゃぁルリで。ルリみたいな女の子が1人この中で寝るのも問題じゃない?」

かなめはルリに同意を求めて聞く。

「まぁそんな気がしないでもありませんが・・・。」

ルリはそんなかなめに歯切れの悪い返事をする。

「問題ない。彼女もミスリルの一兵士だ。部屋が狭いぐらいの悪状況は我慢できるだろう。」

この言葉の後にすかさずハリセンがソースケの頭を襲う。

「私が言ってるのはそういうことじゃないでしょう!!ああもう!いいわ、ルリは私の部屋で寝る。これでいいわね?」

「お断りします。」

「へ?」

かなめの言葉に思わぬ方向から否定の言葉が飛んでくる。気が付くとルリはアキトの手に抱きついている。

「少々狭いよりアキトさんの近くがいいんです(赤)。」

「いや、狭いとかそういう問題じゃ・・・じゃなくてあんた達どういう関係!?」

かなめは赤くなっているルリを問い詰める。

「いや、その・・・。」

「婚約者です(真っ赤)。」

誤魔化そうとするアキトを遮ってルリが断言する。かなめは口をあけてあんぐりしている。一方ソースケは理解できないというように難しい顔をしている。

「婚約者ってあんた達まだ16か17でしょ?」

「俺は24才だが?」

これを聞いたかなめはまた唖然とした。

「・・・まじ?」

かなめはソースケに救いを求めるように視線を送る。

「肯定だ。テンカワは24歳だと報告を受けている。」

「アキトさんは若く見えますからね。ちなみに私はちゃんと16歳です。7月7日で17才ですけど。」

ここで16歳と名乗るのは17歳になったばかりでこちらに来たので、もうすぐこちらの暦で誕生日が来ることもあり16歳としたのだ。

「いくらなんでも無理が・・・」

そういいながらかなめはアキトの顔を見る。

「・・・でもないか。はぁ、ミスリルってのは本当にむちゃくちゃなんだから。」

どうやらかなめはあきとの顔を見てなんとかなると判断したようだ。

「まぁいいわ。それじゃ後でね。」

「この後で予定でもあるのか?」

かなめの意味ありげな発言にアキトが反応する。

「あるわよ。どうせ料理も出来なそうな面々だから私が作ってきてあげるのよ。・・・一応これから世話になるかもしれないからその前払いで。」

「アキ・・・。」

「そうか、ではよろしく頼む。」

ルリが否定しようとするのをアキトはそれを止めて、そうとだけ言った。それを聞くとかなめは満足そうに部屋をでた。

「なんで料理できるっていわなかったんですか?」

かなめが部屋を出た後ルリは不服そうに言った。

「別に言う必要はなかった。出来ないと思っているからといって毎日持ってくるわけでもないだろう。」

「それはそうですけど・・・。」

ルリはアキトが料理が出来ないと思われるのが不満なようだ。

「む、お前達は料理が出来るのか?」

2人の会話を聞いていたソースケが心底意外そうに尋ねた。

「少しな。」

「何言ってるんですか。アキトさんが少しだったらそのアキトさんに習った私は素人同然じゃないですか。というより今まで1人暮らしをしてたのにサガラさん は料理できないんじゃないんですか?」

「別に料理が出来なくても必要な栄養は摂取できる。」

ソースケはそういいながらおもむろに干し肉を取り出す。

「ま、まさかそんな物ばかり食べてたんですか!?」

ルリは干し肉を見て目を丸くして言った。アキトも驚いているようだ。

「なぜ驚く。干し肉は保存、携帯に優れ、素早く摂取できる優れた食料だ。」

「はぁ・・・。ではここにはろくな食材はありませんね・・・。アキトさん買い物に行ってきます。」

ソースケの言い分にルリはあきれてしまった。

「いやまて。それなら俺も行こう。」

「何を買いに行くつもりだ?」

またソースケが的外れなことを言う。

「はぁ・・・。明日の朝食とお弁当の食材を買いに行くんです。サガラさんのもアキトさんのついでに作ってあげますから安心してください。」

「そうか、よくわからんが俺のものでもあるのなら俺も付き合おう。この辺りは少なくともお前達よりはこの辺りには詳しいはずだ。」

「そうだな、それに・・・。」

アキトは言いながらルリに目配りする。

「なんです?」

「俺達は金を持ていない。」

「あ・・・。」

今日はソースケの奢りに決まった。

















ソースケ、アキト、ルリの3人は近くのスーパーマーケットに来ていた。

『いらっしゃいませ、本日のタイムサービス!なんと豚バラ100gが68円!!68円です!売り切れゴメンですのでお急ぎください!!』

「な、なんです?」

店に入るやいなやルリは店内放送でタイムサービスの知らせに驚いた。

「うむ、俺もチドリにつれられてきた時は驚いたがこの店では定期的に商品の値段を下げるそうだ。」

このソースケの台詞にアキトとルリはさらに驚いた。アキトたちの時代では全てが完全に定価制であり、値段の変動はなかった(通貨の統一。生産、収穫の安定 より)。まさにカルチャーショックだ。

(帰ったらダッシュで値段の平均値を調べて、いくらから安いか調べないと・・・。あと安くなる時間帯も・・・。)

ルリは知らぬうちに脳内は主婦全開になっていた。

「アキトさん!!」

「な、なんだ?」

「さっきの豚バラ取ってきてください!」

ルリの雰囲気には鬼気迫るものがあった。

「わ、わかった!」

「まて。」

アキトはルリの雰囲気に押されてソースケの静止にも気付かずに走り去った。

「なぜ止めようとしたんですか?」

ルリがソースケをぎろりと睨む。

「うむ。1度見たのだがあそこはまさに戦場だ。少なくとも俺の実力では勝つことは難しいだろう。」

ソースケは何かを思い出したように冷や汗をかいている。

「アキトさんなら大丈夫ですよ。」

ルリは期待を込めてアキトが走りさった方を眺めた。


「あそこだな。」

アキトは人が群がっているところを発見するとそこへ走った。

「な!!」

アキトはその人ごみに入り込もうとするが入れない。

(ば、ばかな!俺が見るからにすでに体力が衰えている中年女性に力負けするだと!?)

アキトは一瞬愕然とするが気を取り直して前に進む。

アキトは少し進んでは戻されてまた進んでは戻されてしているうちにやっと商品を掴んだ。だが・・・

「な!!」

掴んだはずの豚バラが忽然と手から消えていた。

(掴み損ねた?いや、俺は確かに掴んだはずだ・・・。は!)

ただならぬ気配を感じて横を見ると小太りのおばさんが見覚えのある豚バラを掴んで不敵に笑っている。そしてアキトが何を言う間もなく去っていった。

「く・・・、未熟・・・。」

アキトは自分の未熟さを感じそこへへたれこんだ。

















「さぁ食べなさい!腕によりをかけて作ったんだからね!」

かなめは胸を張ってそういうとお重を広げた。だが食卓の雰囲気はどことなく暗い。

「ん、どうかしたの?」

「少しな。」

かなめから見て特に意識しなくてもアキトは疲れきっていたし、ルリはどこか不機嫌だ。実はタイムサービスが全て終わるまでアキトは奮闘し、ことごとく敗れ 去ったのだ。

・・・こうして始まりの日は過ぎていった。















後書き

こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただいてうれしい限りです。

さてまずはお詫びを。またまた非常に遅くなりました。今回の理由は・・・真面目にテストです。いや、中間が悪かったので柄にもなくがんばってみました。結 果は・・・乾杯です(涙)うう、欠点じゃないからいいものの英語のバカヤロー!!国語の阿呆が!!・・・私の味方は数学だけです。

では今回のお話。やっとナデシコのお2人がこちらにやってきました。きてさっそく打ち解けちゃってます。まぁソースケは同胞なら完全に気を許しはしなくて もあんな感じでしょう。かなめもあんな感じじゃないですかね?少々違ってもこれはtheご都合主義!なものなので気にしない気にしない(開き直り・・・)

これからはやっと冬休みなのでスピードアップ!!・・・は一応はしますが夏休みのようなハイスピードにはなりそうもないです。本当に一応ですが受験勉強始 めたので。国立は辛いです・・・。

さぁ、次はとうとうナデシコのお2人が登校します。長かった〜。どこから始めるかは考えたのですがきり良く『南から来た男』からですね。がんばって絡めて 行きたいと思います。

それでは次で会えることを願ってます。

感想

今回はいい出来だったね〜

目玉はアキト、オバタリアン(古!)に勝てず。だね!(爆)

うぅ…

アキトさんは戦闘では勘も働きますし、何より殺気を読むのが上手いですから、

もしかしたら、カナメさんを監視している人すら見つけるかもしれませんが…

逆に、一般的な生活においては
気迫テクニックでまだ及ばないというだけです。

まあ、殺す気でかかれば別でしょうが…

警察の厄介になるのは嫌ですね…

ははは…

でもお話の内容は楽しめる物でした、カナメちゃんもソースケ君も性格がイイですね〜♪

今後、もっと活躍を期待します!

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