第90話『ナデシコ編3 第一次火星会戦』


==ナデシコの世界==

西暦2195年9月

移住の都、ユートピアコロニー…

火星の首都にして、
人口約50万人を有している大都市でもあった。

火星にはユートピア以外にも10の都市コロニーがあり、
火星開発の拠点になりつつ、人々の生活の基盤を形成していた。

都市の中は幾つかのデパートがあり、オフィス街があり、
リアルでいうと新宿まではいかないが、千葉駅の街並みを想像してくれればよいだろう。

そのような外見をしていた。


入植当初は地下住居施設及び、
地上軍用施設と大気なし陣容で、入植開始されたが、

大気組成が地球同様になるにつれ、地下の住居施設は地上に移動し、
地下住居施設は商業施設に、
更に地下深くにシェルター施設増設へと変貌してきた。

また新たなる入植コロニーが建設開始され、
メトロチューブも建造開始されたのもこの頃になる。


そして今では入植してから40年、一大都市として成長し、
100万人台受け入れを目指して、拡大建設ラッシュが続いている状態である…


ユートピアコロニーには火星政治の中枢施設や宇宙港等もあり、
駐留軍司令本部が設置されていた。


9月29日午後6時

火星駐留軍基地

「計算でたか?」

「出ました!!接近中の天体は火星上空100km地点を通過、火星に衝突しません!!」
司令部に緩和した空気が流れた。

「ですが、火星重力に引かれ地球への衝突コースをたどります!!」

「地球へか?」
「それの確率は?」

「確率約69.251%です!!」
「2km級だぞ…」
「落ちたら壊滅的被害がでるじゃないか…」

「地球には…絶対落とすわけにはいかんのぅ」
司令室の一段高い席に座っているものが発言した。フクベ少将…地球連合軍火星駐留軍最高司令官兼、連合宇宙軍第一艦隊司令官。
この時点では、73歳。

後に昇進退役しナデシコに乗船、そして火星にて自殺行為を試みるもカオルに拉致される。

「あったり前じゃないの!わたしのパパがいるのよ!パパをまもって手柄をたてなきゃね」

ムネタケ・サダアキ…この時点では、
連合宇宙軍第一艦隊参謀兼火星駐留軍ユートピア基地副司令。

後に敗戦の口止めとしてを条件に二階級特進し提督となり、
ナデシコにのりこむも…
ネルガルと軍の喧嘩別れによりナデシコ乗っ取りを試み、失敗。
脱出し89話の時点では地球にいる状態であった。

「ムネタケ…」

「いい?私の名前で艦を派遣してよ!そうねぇ1km級なら重巡5隻でいいわね。
あ、タカオを旗艦として頂戴。
あの艦長にも手柄たてさせなきゃ。
いいわね?私の名前でよ!。これで地球を救った英雄になるわねぇ…記者会見の準備をしなきゃ、
あっ提督、悪いけど手柄はわたしのものよ」

「…好きにしろ…ただしなんかあったら報告をわすれずにな…」

疲れきった様子で退室していった…

……

余計な残業手当ては点数に響くから駄目と、普通考えるなら破壊できるにしろ地球圏の緊急事態であるにも関わらず、
夜間通常シフトにムネタケが命令させ、僅かな人数しかいない夜の司令部…

「重巡タカオ以下、消息を絶ちました!」

「なに?何が起こったの!?」

「不明です…」

「何?あんた達、もうちょっとまともな事は言えないの?
失敗したと報告する私の身にもなってちょうだい!!」

「しかし……」

「しかしもかかしもへったくれも無いの!私の事を笑いものにするつもり!?
もっと原因を調べて頂戴!!
私の名前でだした作戦なのよ!!
…あっそうね…名前変更すればいいのよ…
急いで書類変更しなきゃ…
いい?まだ報告しないでよ!上官命令だからね!」

上官命令をだされると…軍人としてはこれ以上できない…

……


10月1日PM0時

フクベの執務室…フクベは先程入ったばかりの報告書を読んでいた。

先日の隕石撃墜失敗、重巡タカオ以下4隻の消滅の報告であった。

「どうして、今まで報告に来なかったのかね?」

フクベが感情を押し殺した声で言う。
その目からもかなりの威圧感をかもし出している…ムネタケは苦虫を噛み潰したような表情で…

「事の真偽を調べていたのよ…」

「真偽を確かめるのは私の役目だった筈だが?」

「いや、だって…何もわかりませんじゃ笑い話になるでしょ?」

「君が報告にくるまでの間に、どれだけの状況の変化があったと思うのかね?」
フクベ中将が通常出勤してきた10時に基地最高位はムネタケ中佐からフクベ中将にかわった。

すぐさま状況報告がされる。
最高位命令で報告ができなかった点が…
重巡消失、
隕石が進路変更し、火星直撃コースをたどり始めた事…

すぐさま人工物と判断、全軍に緊急出動準備をかけた。
だが通常シフトからでは4時間かかる船もある…
せめてムネタケが待機シフトを解除しなければ30分で軌道上に上がれたのに…

「まあいい、全軍に緊急招集はすでに出してある。
君も出港準備をしたまえ」

チューリップの到達予想時刻は午後6時半。

作戦を立て、展開出来るギリギリの時間しか残ってない。
まさに時間との戦いである。
ムネタケと無駄なやりとりする時間もない。すべては後でやることだと結論つけた。


10月1日14時

『駐留軍司令本部からお知らせします。
本惑星に18時30分頃、2km級の隕石が直撃コースを辿っています。
連合軍第一艦隊は火星衛星軌道上にて隕石の迎撃破壊を行いますが、
多数の破片の地上落下が懸念されます。
その為住民の皆様へは安全面から考えシェルターへの避難勧告を告知いたします。
標準時間本日17時にはシェルターへの避難完了していだだくよう、
お知らせ致します。
繰り返します…』

「あらあら大変」

「正美きいたぁ〜今の放送」

火星全土にだされた避難指示を人々はあまり疑いもしない。
地球では百mクラスでないと地上到達しないが、
若干大気の薄い火星では数十mクラスで到達する。
大気のない月では10cmでも地表に到達するから、地下都市が基本だ。

過去に何度か隕石迎撃ミッションが行なわれ、
隕石やデブリ対策の連合宇宙軍は常識でもある。

2kmクラスなら破砕破片が到達してもおかしくなく、
シェルター避難をするのが宇宙開拓時代の一般市民の常識だった。

10月1日15時

「みんなぁ〜、今日は早く幼稚園は終わりますが、
帰ったらお母さんの言うことによ〜くしたがってね〜」

「はーい」×多数

「はい。よく出来ました〜。じゃあ、お帰りの準備をしてくださいね〜」

わいのわいのと帰り支度をする園児達で騒がしくなる。

園児達の母親には連絡確認がとれたので全員帰宅の流れになってた。

園児達は電気送迎バスにのり、それぞれの乗り降り場所、
母親が待っている箇所へと帰る事になる。

……

「まま〜」

「エルちゃんお帰りなさい。ほら挨拶は?」

「はい。先生さようなら、皆さんさようなら」

「はい、エルちゃんさようなら。また明日ね……ではお母様。明日お迎えにきますので」

「はい」
幼稚園の先生が送迎バスに乗り…

「バイバイ〜」

「エルちゃ〜んまたね〜」
「明日あそぼ〜」
「あいちてるよ」
「ベイベ〜、俺のブラザーがそそりたつぜ」

他の園児達を乗せたバスが走りさっていく…

「さ、エルちゃん。お着替えしてね…シェルターに行かなきゃいけないから」

「は〜い。ママ」


3日目…

世界扉からでたカオルは分裂体をユートピアから離させ、火星軌道上に集結する、
艦隊目指して登っていく…
地上では人々の避難が進み、人気がしなくなっていた。

10月1日18時30分
火星軌道上、連合宇宙軍第一艦隊

「敵は真っ直ぐ火星へと向かっています。大気圏突入後の予想到達地点は同南極!」

通信士がコンピューターの弾き出す予想進路を読み上げる。

「敵の目的が侵略である事は明白である。奴を火星に降ろしてはならん!各艦射程に入ったら撃ちまくれ!!」

「敵なおも前進、有効射程まで20秒」

チューリップから100隻近い艦艇が射出される…
「むぅ…」

「新たに出現数100近く!!」

「非常識よ!おりたたまってるの?」

「各艦照準合わせ!チューリップに向けて一斉射撃!てェーッ!!」
300隻の艦艇が一斉にに主砲を発射する…
「ムネタケ参謀、非常識だとのたまう暇あるならー」

「敵艦隊発砲!!」

「艦隊自由回避運動許可する!ダメコー」

「て、提督!わ、我が方のビームが…」

敵のレーザーはこちらのレーザーに干渉し、
自軍のレーザーは全て捻じ曲げられ相手側まで届かなかった。

前衛に出ていた数十隻が一方的に損傷を受ける。味方の装甲を紙のごとく突き破り次々と撃破していった。

「わが方のビーム、全て捻じ曲げられました!」

「ムゥ…重力波か」

重力を操るとなれば光学兵器は一切効くまい。効くのは質量兵器のみだろう…
「チューリップから多数の機動兵器射出!」

「レーザー一斉発射!」

レーザーが当たったと思った瞬間、
今度は機動兵器の展開する何らかの力場がによって阻害された。

「…効かないっ?!」

「各艦ミサイル攻撃に切り替えろ!光学兵器は一切効かん!」

フクベが、ムネタケの指示を取り消す指示を出す。

「チューリップ衛星軌道に侵入!あと60秒で火星南極点に到達します!」

「総員退避!本艦をぶつける!!」

質量のもった艦でチューリップに突撃させ、あわよくば破壊しようと、
失敗しても突入角度を変更させ突入による熱でもって破壊、着陸失敗させようとしていた。

艦橋を分離、船体に特攻をかけさせる。

しかし、その事によってチューリップがコロニー近傍に落ちる事態になるとは、フクベには予想つかなかった。

船体から離れた艦橋でも引き続き指揮はとられていた。
また船体の特攻の遠隔操作も行われている。
「間もなくチューリップにぶちあたります!…今」
スクリーンにチューリップにぶちあたり、爆ぜる船体が見えたが…
「チューリップ、顕在!!」

「くそっ…奴はなんで沈められるんだ!?」

「あ、待ってください…チューリップ降下角度が下がります…
チューリップ表面温度急上昇!」

「燃え付きるの?」

「いや耐えきって、落下衝撃で機能停止に陥るだろう…落下コースは…?」
シャトル突入のような軟着陸コースを辿っていたチューリップが、
重力に引かれて自由落下になってく…

「チューリップ落下コース算出!!ユートピア近傍に落ちます!」

「なぬ?」

「ユートピアにですって?」

「…直撃です!」

コロニーユートピア近傍に2km級のチューリップが、火星の重力に引かれ直撃した。

その質量を殆ど失う事なく、火星の大地に直撃した衝撃が地上及び地下へ伝わる。
地球に衝突した程の加速威力はないものの、
TNT火薬200万メガトンの衝突エネルギーが放出される。

地殻がめくり上がりあがり、
巻き上げられた地殻が周囲にたたき付けられ、
それと同時的に岩石蒸気がユートピアコロニーの外郭部の残りきった建物に襲い掛かる。

この岩石蒸気が建物を薙ぎ倒し瞬時に燃え上がらせてく…

その蒸気の衝撃波の広がりは半径100kmほど広がり…収まったが、
地上の建物はその範囲内に限ってはほぼ全滅であった…
更に火星の大地へと熱風が襲いかかり、
大地に植生した植物等は焼け死ぬのも時間の問題であった。

「駐留軍本部との回線途切れました…」

「地上施設被害甚大です」

「チューリップはあの衝撃なら無事ではないわね…」

「敵残存艦隊をたたくぞ…」

「はっ!!」

一部の金持ちや聡い人はいち早く地球行きの脱出便に乗り込んで既に火星をさったが、
一般人の殆どはコロニーのシェルターに逃げ込んでいた。
シェルター管理に駐留軍の兵が十数人ついてきている。

外郭部に近い住宅街のシェルター内部には数百人近い人々を収容し、
ユートピアには他にも3000近いシェルターが存在していた。
だが…

10月1日18時35分

地下深いシェルターに落下に伴う大規模な衝撃がおそいかかり、
天材が剥がれ落ちてくる。
「きゃぁぁぁ」
地震を経験した事がない市民…悲鳴を上げる。
シェルターの照明が非常灯に切り替わり数百人の者が右往左往とまどう。

「危ないですよ!!天井が剥がれ落ちる箇所からは移動してください!!」

「本部!本部!」
駐留軍の兵士が基地に向かって無線で通信を行っている。

しかし、応答は無い様だ…
「駄目なんじゃない…?」
兵士の近くにいた老人が唐突に呟く。

「は?」
「地上がだよ」
聞き返す兵士に向かい、老人がウイスキーのビンを開けながら喋り始める…

「地下がこれじゃ、地上は全滅だよ…」

安全なトンネル部へ移動する人々を尻目に、老人はウイスキーをあおっていた…

チューリップの直撃を受け、ユートピアコロニーに存在したシェルターの…
実に約80%近くが崩落で生き埋めになったり、
めくれあがった岩盤にまきこまれたり…
等で反応を絶っていた。
中心地から25km圏内のシェルターは100%全滅、
生き残りは外郭部分の住宅街のシェルターが殆どであった。

10月1日19時30分

『よくやったフクベ中将、始めての戦いで敵のチューリップ型母艦を沈めるとは…
だが…戦闘はもう無理だろう、早く地球に帰ってきたまえ。
火星は放棄してかまわん。駐留軍施設も壊滅的だしな』

艦橋にて話合いがもたれていた。
相手は地球連合宇宙艦隊司令部高官だろう。
「しかし…」

『分かっているね?これは命令だよ。第一、今の状態で何が出来るのかね?』

「クッ…」

『地球にいる人間の数を知っているかね?100億だよ100億。
たかだか300万の移民の為に月や地球の艦隊をさくわけにはいかんのだよ。いいかね?フクベ中将』

「…分かりました…」

通信がきれスクリーンはなにもうつさなくなる。
約30分にわたった会戦で第一艦隊はその総数のほとんどを失い、
流石に応援が来ない状態では敵残存4隻を追跡破壊は無理と判断…

「艦隊…目標月司令部」
苦渋の決断をくだし…
「了解!!」

第一残存艦隊は火星を放棄し、月司令部へと退却の道をたどる…


(こっちはこんなもんかな?)
世界扉経由で地上へと…

10月1日20時10分頃

アキトのいるシェルター

地上の様子がシェルター内部からわからない為、内部にいる駐留軍兵士達の判断で、
翌日まで様子見の判断を下していた。
無線の状態も良くない、有線連絡網も断絶していた。

「はい!」

少女に向かいアキトがミカンを手渡していた。

「うわぁ〜ありがとう〜」

「すみません」

「いえ、仕入れの途中だったんで」
「ありがとおにいちゃん!お兄ちゃんでーとしょ」
「うぇぇ」
「うふふ」

「あたしね!アイって言うの!おー」

連続した爆発音が響く。驚いた皆の目ががそこに集中する…
地震の際入った亀裂から…何か赤い光が垣間見えた。

直後、アキトの後の方角にあるその壁が爆発。

「あぶない!」
「キャァー!」

爆発にとっさに気づいたアキトは、母娘を地面に引き倒し爆風から庇う…爆風はすぐに去った。
…しかし、爆風による煙が晴れた時そこに現れたのは、機械で出来た巨大な虫…バッタだった…

「キャー!」
「助けてくれー!」
「うわー!」
「出口を開けろ!」
口々に叫びながら人々は出口に殺到する。
駐留軍の兵士が殺到する市民を抑え、作業スペースを確保、ウイスキー飲んでた老人が、必死に作業していた。

「ただいま手動で扉を開けています!慌てないで下さい!」

ロックを解除できれば手動で開放できる。電源を損失した今では手動であけるしかなかった。

「市民の安全を確保せよ!」

トンネル入口では、駐留軍兵士がマシンガンによる一斉掃射を放つが、虫には効いてる様子がない。
その時、移動用リフトに乗り込む者があった。

「俺が奴を抑えます、その隙に!」

その言葉を言い終える暇も無くアキトはリフトをバッタへと突っ込ませる。

「おにーちゃーん!」

「デヤァァー!!」

掛け声と共にリフトは突進し、
回避が遅れた虫は足元をすくわれてリフトに押し込まれ、そのまま壁にぶつかりもがき始めた…

「まだまだぁぁ!」

出力を上げ、更に虫を押さえ込む。圧力に耐えかねた虫のカメラアイが幾つか弾けとんだ…
「おにーちゃんすごいすごーい!」

「よ〜し、ひらくぞー!」
ゲートロックが解除でき、
扉を人の力で開け始め…

扉を開くとそこに待っていたものは…

「うわぁぁぁ」

バッタ達による攻撃で人々が吹っ飛んでく…
脱出通路に人々が集まっていた為、爆風の逃げ場が二方向にしかない。

「ママ!ママ!何で動いてくれないの?ママァ!」
アイちゃんのママを揺すぶっているアイちゃんがいた…
比較的部屋側に居たためにアイちゃんは助かったのだろう。

「お兄ちゃん…ママを動かしてもらわなきゃ…」
アキトの方へ走りだすアイちゃん。

バッタ達がアキトに迫りまくり…
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

ボゾンジャンプ光を出し、アキトは消えていった…アイちゃんを巻き込んで…

ジャンプ光の後で、死にたてのアイちゃんのママも虚数空間経由でカプセルに投入された。

殺戮設定されてたバッタ達が動態反応が検知されなかった様で…
新たなターゲットを探しに別の箇所へと向かう。

シェルター内は外から見れば、死体がいつの間にか消える状態が続いてたが…

カオルが実態化してきて、死体の捜索が続く…

死者と化しても頭が無事な限り30分近くは蘇生可能となっている救助カプセル…
メタルマックス由来技術のおかげであり、
四肢がちぎれた死体を探しあててはカプセルに放り込んでく…

胴体とちぎれた頭部を見つけカプセルに入れると…
[再生処理に長期間有しますがよろしいですか?]

(勿論イエスだろとスイッチを押す。

(そういえば頭部のみか…)
作業しながら頭部だけでも生きているのを何人か思い浮かべる。
メタルマックス3のラスボス的存在、グラトノスは頭部だけで暫く暗躍する。

しかも戦車に攻撃しダメージを与える事ができ、
目からビームを放ち、石頭で突撃をしかけてくる…
更に何だかの改造を切り離される前に施して、
頭部だけでのVTOLで移動手段をもっていた。

また頭部のみいや脳髄のみで生きていると言えるのが、
シリンダールーム内の彼女…鑑純夏だろう。
彼女は残念ながら脳髄だけであり酸素供給等は保護液頼り。
保護液から出した時点で酸素の供給が断たれ、いや触った時点で損傷を受けるだろう…
の為に死んでしまう。

脳外科医の領域に入ってしまうが少しのブレ等で脳の傷が入ってしまうと…になる。
地震ネタになるが揺れを検知したら執刀医はすぐさまメスを傷つけないように術野外に出し、
地震が収まるのを待ち続行か中止かを相談する次第らしい。

彼女は、副司令の研究完成待ちの状態といってもおかしくなく…

カプセルは頭部以外の部分をいれても、頭部を要求し続ける。
例えば…手足等をいれても勿論の事、
胴体だけのをいれてもだ。
また四肢が無事であり頭部が瓦礫に潰されて脳が飛び散ってた死体をいれたが…
無理な様であった。

頭部というか多分脳であろう…の損傷がどの程度まで回復するかはカオルは認知してなく、
脳が外側にはみ出て駄目かなと思いながらも注意していれると、
蘇生可能と表示され…

外見上問題なさそうな為いれたら…頭部が要求されて、
見ると後頭部がスッポリ無くなってたり…

とにかく頭部、頭部さえ無事であれば蘇生は可能であり、
現在目をつけていた人物の発見率が81%、残り31名分の頭部を探して瓦礫を除けたりの作業が続く…

……

血まみれの身体を虚数空間より出した簡易シェルターのシャワーで洗いながら…

(とりあえず、今回のナデシコはこんなもんかな…
虚数空間のシェルターを増やさないとだろうし…
増やした後に他シェルター等にもいくか…)

壊滅時間等は入手したデーターからわかっている…
要は受け入れ態勢の話。

(この後は…3日目だし…回るか)

着替えを済まして簡易シェルターをしまい…

……

カオル報告

まずまず救助しました。




寸劇風後書き

作者「というわけでナデシコの第一次火星会戦の1回目を終了しました」

ナギ中尉「1回目って事はこの後も?」

作者「まぁ…50万の人口はもったいないし、他にも250万の人々もね…
けど救えて約150万位だろうなぁ…」

ナギ中尉「半分ね〜」

作者「ま、この後の調整が最近ほったらかしの設備次第と…さて次回…
再びパワードールの世界へ…ジアス戦役、お楽しみにぃ」

H25年5月改稿



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