第236話『GPM熊本戦編5 後処理及び帰還…そして… 20020806』
「まちゅたー、今回は準備がたいへんでちたけど、事が起こるとらくでちたね」
「確かにな」
巨大輸送艦内で、分裂体の元に運ばれてくる擬体が死亡したカプセルを回収している最中、
ルーロスではカオル本体がだべっていた。
九州戦役は準備が大変だったが非常に楽に確実に救助できていた。
ただ単に擬体が機能停止したカプセルを回収、
あとは戦役が終わったあと、
機能停止してないカプセルに入っている生身を交換する作業があるが…
青森や山口もこの方法でやってればと思ったが、
今更やってもタイムパラドックスが発生する恐れもある。
その二つの戦役ではもはやできなく、
後は八代会戦での第四世代メインか、
九州再上陸戦時、また北海道あたりだろう…
リスト死亡と記載されながら生存者扱い…稼働中の者は、
共生派になった者や、脱走して本土まで逃げ延びた者、
まだ敵地のど真ん中の熊本市街地で潜伏し最後の抵抗を試みる者、
また山の中に潜伏した者だ。
憲兵刑務所や生体ラボ行きに関してはリストにも記載されてた為に避けられた。
特に生体ラボ行きは素体交換が難しいものになるだろう…
街の中に取り残された者は1〜2週間の命と見受けられるが、
山の中に逃亡できたものはサバイバル生活で生き延びるかもしれない。
街はインフラがじきに停止し、サバイバル生活で困窮すれば、餓死するか、共生派に助けをこうか…
時期がよめはしない。
「あ、まちゅたー。ちゅみれーとちてみたんだけど〜」
「ん?どれどれ」
「5121が岩国にちゅなおにいったばあい〜」
素直に5121が岩国にいき抗命しなかったら…
幻獣の流れ的には菊池方面から締めてきた形で、
南関インターで熊本県の包囲がいち早く完成し、
先の熊本市街地戦の絶望的状況が、
熊本県にてその他佐賀県、長崎県、更には撤退中自衛軍の3万の兵力も巻き込まれる。
包囲が完成すると救援にきた兵力も粉砕され…という事になる。
7日中に九州自動車道が壊滅、撤退できずに自滅的攻撃を行う将兵多数で、
8日未明には博多も落ちる結果になった。
そのままの勢いで8日午後には…門司に到達して、時間前に関門橋を爆発し、
九州に約学兵8万7千、自衛軍兵が1万2千、民間人が3万3千人取り残される。
特に自走砲の損失が激しく、後の世に影響がでる結果がでて…
山口戦発生時には広島が陥落する結果となるだろう…
善行戦闘団吸収発足すらあやしく、
また第一の原因として間接砲撃不足があげられるだろう。
「もうちとつなんだけど〜」
「5121が結成されなかった場合か…」
結成されなかった場合は…
火消し的強力打撃存在がいない状態で、戦局的に幻獣が優勢になり、
学兵らは組織的抵抗を諦める状態にまで押し切られてく…
ゲーム版の方が説明しやすいので交えるが、1stプレイでひたすら訓練をし4月14日まで初陣をしなかった状況…
つまり他の戦車部隊が戦闘を行い被害を被る状態ともいえていた。
堅田女子の戦車隊が討ち死にした様に、
5121が出撃するまでは他隊戦車部隊が頑張っている状況だ。
ハンガーが入って小隊として発足しないとわからないが、
4月10日に絶望的な数の幻獣が投入され、
4月12日になると人吉戦区、水俣戦区、球磨戦区、八代戦区は既にそれらの戦区の戦力はなく人類側は0、
また天草戦区等もかなりおされつつな状況下になる状態まですすむ。
出撃要請をうけ、火消しが撤退しまくるよりかは、まだましな状況とはいえ…
撤退しまくるのは有力な幻獣を放置する状態であり、
残された分悪化するのは理解できよう…
ただSランクの必要条件の絢爛舞踏章…けんらんぶとうしょう…を手に入れるには幻獣300体を一人で倒さなければならない。
実質的に5月10日までの2ヶ月と10日程…
編成からだとどうしても3月23日からになる。
榊ガンパレの世界では、それよりも早く3月17日から出撃したが既にミノタウルス撃破があり、
それなりに幻獣勢力は育ってたのだろう…
また撃破数の評価がコブやらはカウントはされない違いもある。
更にゲーム上では一回の戦闘出現数がシステム上制限されてるが、
実際にはそうはいかない。
スキュラ8体とミノタウルス6体で終わりや、
コブ含め最大20体までで終わり…とかではない。
また一度戦力が0になった戦区は追加兵力が投入されない限り各小隊は転戦はされない制限等もある…
そういった甘い設定はあるが、似たような状況を説明しやすいもんはあろう…
4月25日には熊本県内に戦力といえる戦力も無くなり…組織的抵抗を諦める状態となり、
九州中部戦線を放棄、撤退すら発生しないとの結果がでた。
その後は自衛軍砲兵隊の撤退もできなく、山口県も突破されるのは先のと一緒であろう…
「全ては5121小隊及び士魂号M型の予想外の活躍が、その後の世界の行く末を決めた…ね」
「そうといえるでちね〜」
「その他の学兵らも善戦はしたけどか…さてこれから交換作業と…」
生き延びた人材と擬体を交換する作業が始まる。
ともあれガンパレ世界的に3ヶ月は終わり…
カオル的にはまだ10日目だが…
「ところでぇ…あのひとは、大丈夫なのでちか?」
「ん?」
「ロボットのってて、爆弾もろにうけちゃひとでち」
「ああ…あの人は大丈夫だよ…ってこの後の流れしらんか…」
「死んでなかったでちか?」
「一回死んでたよ」
「ふちぎでちねぇ」
「ま、神がみというか、向こう側にも良いやつはいるさ…
さて回収にまわらんと…」
「頑張ってでち」
端末のビーコン便りに擬体交換作業がすすみ…
……
==AL4の世界・横浜基地B55ハンガー==
2002年8月6日
世界扉が開き…
「ただいまぁ〜」
[マスターお帰りなさい〜]
13日間のガンパレトリップを終えたカオルがでてくる。
世界扉を消ながら…
「うんじゃま…まず報告よろしく」
[えっとまず…太陽系内の各ハイヴ状況ね。
8月2日タイタンの全てのハイヴ機能停止、
続いて8月4日マーズの全てのハイヴ機能停止、
あとはGゴキが飢餓で死に絶えるのをまつのみだよ〜]
Gゴキ兵器のおかげで弱体化していたBETA…
異世界軍の強襲に抵抗できず各頭脳級が消滅し、
あとはBETAは数が増えずにGゴキが食料として減る一方で減少して絶滅し、
その後はGゴキの餓死をまつのみになった。
[タイタン、マーズはGゴキの餓死まで約1ヶ月後までかな…]
何度もいうが万が一地球や他生物の居る箇所に、
流れの肉食ゴキブリが流出したらヤバい。
餓死を確認するまでは足を踏み込む事は出来なかった。
[で、地球地上は残りミンスクハイヴのみ、
つい先程ロヴァニエハイヴ攻略完了って連絡きたよ〜]
「やっとか…」
[短かったね〜]
「短いか?」
[うん。普通このスピードで0から戦力拡大できないからさぁ]
「あ〜まぁ人員の問題か…」
[僕等を信用して任せてくれたからだよ]
「まぁ…な」
今やコバッタ達の数は10万単位まで膨れ上がっている…
[で、太陽系外なんだけど…]
ベテルギウス宙域の報告へとうつる。
[現在宙域探索率72%、新たにBETA進出確認した恒星系が4、
攻略艦隊による砲撃で完了恒星系が2増えたよ。
新たに1恒星系攻略開始ね]
「宙域探査もあと少しか」
[一ヶ月越えたあたりでベテルギウス宙域探査も終了する予定だね〜
で、一つ問題が…落着から約5年足らずの惑星が見つかって、
まだ現地生体系が絶滅してない惑星があるんだよね]
「あ〜…」
[これGゴキ兵器を投入すると生体系完全に壊滅するし、
勿論大気圏ありだからコロニーレーザー使えないし…]
「知的生命体は?」
[言語扱える種族ははまだ発生してないね…
動物的なのはいるけど…]
「ほったらかしにしてると?」
[6年足らずで現地生体系は、
海洋のぞいてほぼ絶滅するね…]
「ん〜独自の生体系は惜しいな…」
[どうする?多分この先も増えるパターンかもだけど…]
「地球の方は…一段落ついたと言ってよいよな」
[まぁ…だよね]
現状1つのハイヴに対して陸上砲艦約300隻、機動兵器群はスフィンクス約2万機…
まさに有り余った戦力である。
[あとね…ナクアダの鉱脈がねその惑星で反応ありだって]
「へっ?ナクアダがあるの?」
[うん]
ベテルギウス宙域内…地球から約1850光年以内にはナクアダは存在しないと判断はしていた。
SGC基地から持ち帰ったデーターをみてもスターゲイトアドレスのあった星ではない。
地球を拠点としたエンシェントが居住可能な惑星に自動船造り、スターゲイトが設置してされていったが、
判断基準として大量にあるエネルギー鉱石、ナクアダがある惑星に限定されていた。
つまり未発見の惑星及び鉱脈という可能性が大だ。
その他にもゲイトを人力で設置した箇所もあるらしいが…
「でも、地下深く…よくわかったなぁ…」
[露出していたみたいだよ鉱脈が]
いくらキャーティア技術でも1惑星1時間くらいの探査くらいでは、地中にある物質まではわからない。
じっくりこしすえて調べる必要あったが表層に露出していたという。
「まぁ…でもナクアダがあるなら…」
ゴアウルドがナクアダをエネルギー源として採掘していたが、
この世界では未接触また先にBETAが君臨している。
つまりナクアダを利用する文明はまだ存在しないと思われ、
その価値を重要視しているものはいない可能性大だ。
ナクアダがこの世界にもあるからSGC基地のデーターも利用できよう…
[しかも純度100%に近いよ]
[はい!?]
カオルが10分かけて同化変換できるのが純度5%のナクアダ鉱石、
使用するのに必要なナクアダは純度100%に精製する必要があり、
純度100%になると…カオルは20倍の時間を必要とする。
ナクアダジュネレーターMrak1の240kwの定格出力に必要とする純度100%のナクアダは小指の先端、
第一間接まで程の大きさで充分であった。
ナクアダは純度100%必要とする…そこがウラン235と違う点だろう。
因みに純度100%のウラン235の1gは2000リットルの石油相当のエネルギーを発する。
ナクアダもほぼ同様のエネルギーだ。
ただし、発電所で使用する燃料はウラン235の純度は約3%、
100%だと一気に核分裂反応で爆発してしまう為に核弾頭に使用するだけだ。
また天然に存在するウラン235は含有量がすくなく、
燃料1gつくるのに、37.5kgの鉱石を掘り出して最終精製しなければならない。
100万kw級1基を1年間稼動させるウラン燃料つくるのに必要なウラン精鉱…イエローケーキというが、基本取引できる状態のをさす。
必要な量は192t、そこから作られるウラン燃料は30tで、
つまり必要なウラン鉱石は約113万tにも及ぶ…
と、ウラン燃料まではかなり無駄遣いともいえ、
またイエローケーキにするまでにほったウラン鉱石残土は処理に高額な料金がかかり、野晒しで棄ててる為に、
放射性物質をかなりの量をだす。
日本でも過去に人形峠、東郷、倉吉でウラン鉱石の採掘が行われてた。
質も量も商業ベースに乗るものでないと海外からに切り替わられたが、
その採掘されたたった100万kw1基の半年分の産出でさえ…45万立方メートル分の残土が野ざらしで地上におかれていた。
当時は残土が危険という知識が無かったから致し方ないとはいえるが、
鳥取県の方面の1万6千立方メートル分の残土の放射線は、
市民団体調べで放射線従業者の制限基準20mSv/年を上回る、105mSv/年をだしてるという…
たった半年だ、1基の半年分稼動する為のウラン燃料確保だけでこの結果になる。
アメリカやオーストリア、南アフリカの鉱山では目も当てられない…
それに対してナクアダ鉱石には放射性物質が含まれずある意味夢の鉱石といえよう。
鉱石残土も鉄分等含まれ利用でき、
またナクアダ鉱石の純度100%ならナクアドリアへの変換もたやすく効率も悪くはない。
また240kw出力のナクアダジュネレーターMrak1だけをあげてたが、
Mrak2は出力6倍…寿命が1/6になったが、
大きさは変わらない。
つまり小型高出力電池、1440kw出力3ヶ月版といえ、ナクアダの交換が必要だが、PTの核融合ジュネレーター相当の出力が可能であった。
更にはコスモクリーナーの影響もナクアダ自身には影響はしない結果もある。
またコスモクリーナーは稼動状態は原子炉の燃料等も使えなくなる副作用があった。
効果範囲内のウラン235等を熱エネルギーを発する事なく崩壊させ、鉛へと強制的に変化させる。
またウラン鉱山じたいも…
先の残土の汚染問題は解決つくだろうが、効果範囲内の鉱石、
つまり現状半径50km圏内の勿論地中に関しても鉛へと崩壊させてしまう。
BETA勢力圏内にあったウラン鉱脈等はもう操業できないだろう。
その為に異世界軍の技術援助で日本帝国は原子力から核融合へと発電を切り替わりつつあるが、
小型でも扱いやすいナクアダ発電もまた捨て難いだろう。
ナクアダ発電や動力カーもありかもしれない。
更にナクアドリアも変換できれば…
ナクアドリアは放射線を発する為にコスモクリーナー影響圏内はナクアダ等に変換させられるだろうが、
その出力は捨て難い。
ヤマト級のサブ発電機の核融合炉をナクアドリアリアクターに変えれば、
主砲出力も上昇しAGも取扱ができ、
また更には波動エンジンが波動砲及び推力系専門になる利点もある。
唯一の欠点であった主砲撃ち合いながらの波動砲チャージができない問題が解決し可能になろう…
膨大な出力を出す波動エンジンだが、純粋電力変換はどちらかといえば苦手であり…
更にはハタク級運用に必要な200万kw分のナクアダも容易に確保できるだろう。
「是非ともBETAから奪い取ろう…地上軍出張で、
チューリップと現地生産施設建造だね」
派遣艦隊用に地上艦船、水上艦船等移送用に巨大輸送艦を改造し派遣する事を急ぎ決定し、
[ファクトリー艦も作るべきじゃない?]
「あ〜…かなぁ…」
安全な宇宙空間での砲弾等の生産拠点等も計画され、
地上軍派遣という新たなフラグが立った。
[惑星名は?]
「ロドニア?」
[惑星ロドニアBETA駆除計画開始だね]
トントン拍子に決定される。
[で、あとは…技術面に報告うつるけど、トレバルさんの協力もあって、
エンシェント迎撃衛星できるようになったよ〜]
「おお…建造してもらうか」
迎撃衛星…エンシェントのペガサス銀河における最終防衛網に使われた衛星である。
最大射程10分光秒、リチャージ時間は、ナクアダジュネレーターの240kw/h出力で、
150Mwのビームを放ち、15km級のレイス母船を3秒程で貫き通し爆散させた。
最善期には40基でランシャン恒星系をカバーしていたとの記録がある。
トレバル・トレビン女史…
オーロラ号に乗っていたエンシェント人。
一足先に協力して貰っている。
一等航海士であるが有能なエンジニアでもあった。
の為にエンシェント技術の再現に手を貸して貰っている。
[地球に設置だと…3つで月もカバーはできるね]
「3つでか?」
[うん。ルナ1、ルナ2、ルナ3にそれぞれ造れば地球圏をほぼカバーできるよ]
「じゃあそれでよろしく」
[了解〜]
迎撃衛星建造計画が決まる…
[あ、マスターこっちから提案なんだけど]
一通り報告が終わり救助者放出に切替ようとした時だ。
珍しくコバッタから提案がだされた。
「ん?」
[人間型タイプでの亜光速戦対応について]
「えっとそれって駄目だしした話じゃ?」
まず結果として、人間タイプ機動兵器では亜光速戦ではよい的にしかならない。
なので戦闘機型の大出力による高速機動兵器を異世界宇宙艦隊では採用している。
何故的になるかは、
戦闘機タイプを採用している理由は双方ともにロングレンジ〜ショートレンジでの一撃離脱遭遇戦のみ、
ドッグファイトは発生しないと想定している。
いや、やらないと設定している。
やらないという理由は、
亜光速同士が交差する遭遇戦を行ったあと、
撃墜できなかったからって、減速し戻って再加速し追いつくのに10分以上、
下手したら相手が亜光速から減速するまでおいつけない…
また追いつこうと減速し旋回し再加速すると、
別の敵がほぼ間違いなく背後に迫るだろう。
振り切るのに手一杯になり…が見え見えである為、
減速せずに次に狙える範囲を狙い、
亜光速の敵群を突き抜けて帰還する方法をとり、
後は艦の防空網のお仕事で如何に減らして渡すかが機動兵器群のお仕事であった。
高Gで、2機ないし3機で片方が囮役をするのはV9のお仕事であり、
バルキリー部隊は突き抜ける弾薬庫的な役割である。
さて…亜光速に近づく事ができない人間型タイプだと、
相手が一撃離脱したあとこちらに標的を定め周囲で旋回し始めたら、
殲滅しなければまず逃げれなくなり、
スラスターによる向き変換や、照準にも反作用を打ち消す為に、
スラスターをふかしつづけなければならない。
そして反作用の打ち消しが間に合わなくなった時…
相手が襲い掛かってくるだろう。
バルキリー系統との模擬戦でも全敗している理由の一つである。
なので対宇宙戦闘級に対しての機動兵器戦は、
戦闘機タイプによる一撃離脱し、
敵に対して的にさせない高出力で離脱を基本としている。
[うん。駄目だしした理由が旋回能力の不安定な点だったじゃない?]
「ああ」
[その点を解決する方法が見つかって、機動兵器で力場を確保できるようになったんだよ〜]
「力場?」
[宇宙での姿勢移動って反作用を伴うじゃない?]
「ああ、それを打ち消すのがスラスターによる補正だよな」
宇宙空間ではピッチングホームをとると重心を中心として回転運動をしてしまう。
その反作用を打ち消すのがスラスターだ。
[その反作用に悩まされなくなるのが、
ステルヴィア由来技術での力場発生技術なんだよ〜]
「重力場でなく?」
[まぁ似たようなもんかな〜
脚部に固定力場を発生させる事により、
地上での対空射撃をしているような感覚で、
回転運動ができるんだよ〜]
宇宙での力場、つまり足場を確保でき、反作用に振り回される事のなくなる。
何かを足場に固定して戦える事と一緒であり、
それにより反作用に悩まされる事なく相手を照準し続ける事ができるというわけであった。
「で、その力場は…on、offできるのか?」
[もっちろん〜切って移動して、再び力場をonしちゃえば、
またその場で戦艦にのって戦う状態になると一緒だね〜]
宇宙戦艦は人工重力場の影響が艦外に大体平均50m程に及んでいる。
「ふむ…現行機に組み込める位の小型なのか?」
[まぁね。ただその際には現行機からは、
質量兵器は除外した方が無難だからね]
「とうなるとスフィンクスは…」
異世界軍地上兵器で今や1番生産機数の多い機体。
[武装変更でビームキャノン等かな〜
あと推進部等も変えなきゃいけないし]
「完全新規になるか…まぁ別惑星解放にも使うからなぁ…
魔ゲシュは元々宇宙対応になってるから…
微改造と兵器変更ですむか」
[だね〜]
「魔ゲシュに施して良好なら新規かな?…ま、後でいいか」
とりあえず魔ゲシュに施し、後ほどテストに…
「後はないよな?」
[ん〜ないよ〜]
「あ、あとニュートロニウムとシールド装置2セットね」
[早速取り付けてくるね〜]
コバッタサウザンズらが持って行った…
「じゃあ…今回ガンパレで救助してきた人々を出すとするか」
[まってましたぁぁ]
「約11万人の学兵達だけど…大丈夫だよね?」
[言われてたから一応は対応できるけれど…医務室はパンクするよ〜]
「まぁだろうな…」
虚数空間から次々と引き出される救助カプセル、
医務室でなく戦艦ドックに並べられてく…
あらかじめ膨大な数を伝えていた事により、
横浜白稜戦艦ドックを空にしていて受け入れ体制をとっていた。
数にして約11万体、
カオルは分裂して虚数空間から引き出していた。
一人では到底作業時間がかかり、10秒1体引き出しでは数時間かかる…
100人に分裂し、そして沢山のコバッタ達が受け取りドックに並べてく…
……
1km四方のドックがほぼ通路分を確保してカプセルに埋めつくされた。
[お疲れ様〜]
「自重しなかったなぁ…」
多数の学兵が九州の地に消え…
それをカオルは引き取ってきた。
彼らの新たな生活がこの世界で始まるだろう…
「受け入れ体制は大丈夫だよな?」
[学校等も準備できてるよ〜学業の先生も手配ずみ、
実技のも現役第六世代から手配ずみだし]
「あとは目覚めをまつだけか…」
[まぁ…問題は移動だけかな?]
学兵達の放出が終わり…
技術関連にて…少しおもしろいのもある。
学兵達がつかっていた携行式40mm高射機関砲…肩にかついで放つ戦車砲というべき存在といえよう。
40×364の高威力高反動の40mm機関砲弾をそのまま使い…
薬莢の長さ含めて約35cmの弾だ。筴薬量もかなりある。
有効射程1.5kmと約2.4kmのスキュラレーザーには射程で勝てないものの、
充分なミノ殺しといえよう…
装弾数5発の為にシングルアクションながらも、870gのHEAT弾頭を打ち出し、1030m/sの初速でもって幻獣を貫く…
50mmの鉄製装甲を貫通する威力で幻獣の頭部や中心部を貫けば一発でいくだろう。
勿論弱点以外にあたると無駄弾になる為シングルアクションにはなっているが…
そんな約長さ30cmの弾をはなち反動は無事かというと…
第六世代のウォードレス兵並でないと…
通常の第一世代…つまりAL4における一般兵が放つと、
いや肩に担げないので、地面においた状態で逆さまに撃つ状態になるが…
発射した反動で身体ごともってかれれば良いが、
だいたいが手が手首か肘からちぎれていくだろう。
地面に接して反動威力がそちらに逃げてもその具合だ。
生身の人間が撃てる最大口径弾が70口径の700NEでそれを使ったライフルだ。
弾の高さの直径が約1.8cm長さ約9cm、その放つ反動はライフルを撃つ事になれてる人でも後ろに吹っ飛ばされ…
体格も優れた人物でないと殺しきれない。
それでも反動威力で筒先が30cmは跳ね上がる。
弾のサイズでさえ約3分の1以下だ…威力はわかるだろう…
因みに生身の人間で撃てる限界拳銃といえるのが60口径ライフル弾つかった拳銃であり、
象の頭は吹っ飛び、第二次大戦レベルの装甲車でも貫通する威力だが…
正直両手だけで反動を減衰できはしない。
まず通常のを改造し60口径ライフル弾うてる様に改造したタイプで放つと…
拳銃が撃った瞬間後ろに持ってかれる。
そこで撃てる様に銃の重量増加したのが重量6kgあるPfeifer Zeliska…パイファー・ツェリスカ・リボルバーであった。
ただし…通常の射撃姿勢での射撃はその重量ゆえに困難で、
依託射撃をするのがこのましい。
また射手の安全性も考慮されてない危険極まりない代物だ。
世界最強の拳銃の称号をえるために作られた拳銃だろう…
そして携行式40mm高射機関砲から発展したのが54式機関砲改に繋がる。
肩にかついでグレネード弾をばらまく戦車随伴歩兵最強とも呼ばれる武器であった。
[あ、オーライ号鯖のサルベージの準備が整ったよ〜]
兵器関連をいれていたら、前回トリップで持ってきたPC鯖の仮想空間へのダイブ準備が整ったようだ。
「じゃあトレバルさん呼んできてくれ」
……
「わたしも一緒にダイブして説明するんですか?」
トレバル女史がきた。
「そうっすね。元々はかなり信頼のおける乗組員でしたし」
「けど…レイスになりすまされたのですよね?
レイスがまた来たと疑われません?」
「ん〜…本来でしたら11日前に死亡してなきゃおかしい筈でしたから…
何だかの異なる事が起きたと理解されるかと思いますよ」
「…そうですね…
わかりました。行きましょう」
改造した救助カプセルに入り、仮想空間へとダイブしてく…
……
仮想空間のオーロラ号艦内、艦橋に出現する二人、
保安スタッフが突如現れた二人にスタンレーザーを向ける。
「ト、トレバル君?…き、君は死んだんでは?」
「はい艦長。あのままでしたら、私はレイスからだされて、
死んでいた運命だそうです」
「あのままでしたら…だと?…どういった意味かね?」
トレバル女史救出の件説明し…
「君の事はわかった…だが、この船…いやこの今いる仮想世界は、
とっくに爆発して消滅して無ければいけない筈なんだ…
それについてはどういった事だね?」
PC鯖での避難の件を説明し…
「つまりなんだね…私達は既に肉体から魂は切り離され、
データー上としてのみ生きているだけの存在という事か?」
「はい。変わりの肉体に入ってもらえれば自分のいる世界にですが、
生を全うする事になります」
「……それで元帥は何を私達に求めているのですか?」
「あなた方の協力を…自分の世界はBETAという宇宙外生物の脅威に晒されています」
BETAの非戦闘種、宇宙戦闘種について説明…
「わかりました。ただ私の一存では皆の運命を決められません…
皆に説明する時間、決断する時間を下さい」
コバッタが仮想空間と定期的に行き来し、
決断を決めた人をサルベージする形に決まりました。
その際超能力は再現無理な事…
あくまでも人間としての身体でであり、
治癒能力等は消失してしまう点を説明した。
現実にもどり…
[この後どうするの?]
「ん〜技術面は…まずアスガード技術の完全再現に地球の工場施設取得と…」
1km強のダイダロス級を年2隻単位で自力建造就航させ、
なをかつアスガードビーム等を全艦に搭載させる建造技術がスターゲイト世界の地球にはあるわけである。
しかも西暦2010年にみたない時系列で…
建造工場は狙いにいくしかなかった。
「あとはエリアルと…トップを狙え、ん〜スターウォーズ、ギャラクティカあたりか…」
[でも取りに行っても生産できる訳じゃ…]
「あ〜…まぁ何時かは…だよ。
実際研究者のおかげで生産目処がたった技術あるだろ?」
エンシェント迎撃衛星、強化ハタク級、ハイパースペースドライブ等であり…
[そういえばキャーティアマザーシップ建造は?]
「ああ…そうだったな…」
余りにも巨大で、細々と進めていた。
それでも変換しまくりで約半年はかかる作業…目処はついていた。
「一通り取得がおわったら取り掛かるかな…」
半年かかりきりで何処にもいけないという点において躊躇していた。
今のところ十km強の塊が宙に放置されている状態である…
[マスター緊急!!]
いきなりコバッタが赤文字表示をだす。
かなり緊急性がある表示だ。
「ん?どうした?」
[α宙域から宇宙母艦級艦隊がベテルギウス宙域に進出してきたって!]
「どっからの情報だ?」
[α宙域偵察にだしていたB1052号からね]
「して規模はどれくらいなんだ?」
[宇宙母艦級10匹]
「出撃するしかないか…」
推定総数中型級の突貫級が5000体以上、小型兵隊級が10万体以上…
[あと…もう一つ悪い報告、1ワープが以前100光年チャージ10日と報告してたと思うけど…]
「けど?」
[チャージ時間1日、地球までがおよそ15日で到達しちゃうの]
「げ…時間…あまりないな」
[うん]
(ベテルギウス宙域はせっかく駆逐しつつあるのに…
占拠されるような事あったら将来的に勝ち目ないよな…)
「よし…国連軍に連絡、宇宙戦闘種情報の開示と、外宇宙艦隊の総出撃準備を…
あと近くにいる砲台車両連結のB1に敵詳細の威力偵察及び遅延行為を」
[了解!!]
制圧しつつあるベテルギウス宙域に接近される…
この後の資源確保、人類生活圏の安全面から見ると猶予すべき事態である。
カオル率いる異世界軍は事を構える決心をする…
……
寸劇風後書き
作者「GPM熊本戦より帰還20020806をお送りしましたぁ」
ナギ大尉「完結まで〜」
作者「残すとこ2話!!」
ナギ大尉「でも…宇宙会戦フラグがたったんだけど…残り2話で処理できるの?」
作者「ナギ大尉、現場までたった3時間程度だよ3時間…日帰りレベル」
ナギ大尉「そっか…3時間だよね…
昔みたいに10日や20日、はてや一ヶ月以上かからないもんね…」
作者「1200光年レベルがそんなもんになってしまって…」
ナギ大尉「つくづく異世界チートはおそろしいですねぇ…」
作者「だね…」
ナギ大尉「さて次回は総数10万強の宇宙戦闘種との戦い、
無事に勝利する事ができるのだろうか?」
作者「…被害はでるよ」
ナギ大尉「……ですよね〜…お楽しみにぃ〜」
石橋「う、生まれる〜」
作者「あっ」
ナギ大尉「あっ」
H26年3月改稿
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