第002話 引き続きニューヨークの地にて…
「1日で終わらなかったか…」
「当たり前でちよぅ～」
「分裂体のこして作業させとけば良かったかな…」
通常の国連総会は9月の第3週から開会され、事前折衝で60日間おこなう。
今回は世界のあり方が変わり、地上においてはBETAの脅威がなくなった節目な為の特別会として開催されている。
そしてカオルは召集された立場で、また会期終了が定められてないので、
会議が終わるまではNYから移動できそうもない。
前回はオルタネイティヴ4権限、いわゆる特権を用いて開催した側であり、緊急特別会の括りだった為1日で終了した。
カオルのチート能力だけしか出来ない事は多々あり、すぐに作業の為に帰りたいが、
全ての能力を明かしてもないので、途中で帰ってよいとも言われてはない。
このまま長い間会議に出席し続けるのは好ましくはなく…
中座できればと考えていた。
ルーロス改の船内のベットを壁から変化させ、就寝の準備をするカオル。
本来であれば国連事務局側が出席者のホテルの手配を行い押さえてはいるが、
断ってNYケネディ空港に駐機中のルーロス改の中で泊まる。
ルーロス改ならば防諜は完璧でもあるし、横浜白陵基地とのリンクもとっているからでもある。
ルーロス改は、元は遊びにいくヨ！の世界の、
300億光年先からわざわざ地球を心配しにきた…という技術の持ち主のキャーティア人らの、
定数10人乗りの小型恒星系内連絡艇だ。
エリス所有の船のAIがルーロスであり、
コピーした際にそのままの名前でつかっている。
プラントでの生産も不能な超未来的ハイスペック船でカオル専用で使用している。
空港に駐機している航空機はルーロス以外は地味な軍用機や再突入艦や各国代表機以外はいない。
理由としては、光線級の出現により民間航空機の安全が確保できなくなった。
アメリカ国内線関係ないだろうが！だが…
中東がおちていた為に、
1秒間1ガロン=3.8リッター燃料を消費する旅客機は石油大食いの為のもう１つの理由がある。
747では乗客フルで搭乗一人あたり24リッター/時間消費する。ただ距離でみれば時間あたり900kmの距離をすすむ。
一人、1kmあたり0.026リッターだ。
自動車はもっと一人当たりの1kmあたりの燃料はかかる。
大体1㎞あたり0.1リッターほどだろう。
ただし飛行場設備、また定期便とならば必ず飛ばなければならない。
バシバシと欠航すればよいだろうが…
もう１つの理由が、軍用…特に戦術機用の跳躍ユニット用に使うため軍用資源用に確保命令が出され、
アメリカ国内でも航空機は要人使用や軍用にかぎられてきた。
そう考えると国間の移動は？広大な国内の移動は？になるが、大陸横断鉄道や国外へは船へとシフトされる。
ただし、ここでも石油は使われなく、アメリカ国内でも発電は原子力や石炭火力、ガス火力が利用され、
船舶は民間用には原子力はセキュリティ面から使用は許可されず、
かわりに昔ながらの石炭タービン船が復活した。
太平洋横断客船の復活である。
石炭は石油比べ体積でも重量でも倍以上エネルギー効率が負けているが、中東が落とされたので再び日の目を浴びるようになったのだ…
航空燃料割り当て制限が発表されたあたりに、
全帝国空輸が航空機運航時代は帝国第二位の地位にいたが、いち早く定期旅客船に参戦し、
太平洋横断航路1週間で仙台港ーサンフランシスコ港を結ぶ高速客船航路を開設した。
今では１日3便の定期運航でドル箱路線だ。
なので空港にはある意味…専用機しか駐機してなかった。
そんな中シャンパンゴールドの葉巻型と言うべきだろうか、細長い船体はかなり目立ち、
回りにSPやMPが立って警戒し、また空港の展望台からはマニアが撮影していた。
「どうでちた？臨時会議の様子は」
「各方面軍司令も出席してたのは意外だな」
各方面軍司令が出席してた理由は、これからの予算の関係で、
何かと金はかかる。
現在国連軍は対BETA戦で国連軍は規模を拡大し続けた。
各国領土を失い、独自に軍を維持する事が難しくなった国軍を国連軍として受け入れ続けた訳だ。
受け入れた国軍の運営予算は国連から出るようになる。
各兵士の給料や恩給…つまり死亡時の補償等もだ。
それに伴い予算もかかる様になってくる。
アメリカ軍では墓地に埋葬されるが、
戦闘地での死亡時、遺族が政府から受け取れる額は1回きりの約6000＄だ。
死亡弔慰金という形であり、遺族年金はない。
保険に加入してなければそんなもんしかうけれない。兵士らは各自公的生命保険に加入するか選択をする。
保険は死亡時受給額の上限25万＄である。
しかし、未だ多くの兵士が保険に加入していない。
さらには最低額の保険料しか納めていないと死亡時受給額１万＄になる。
給料の安さも関係している。
給料ランクE1から始まり、任務期間に応じてランクが上がっていく。
E4で年間約21千＄。
あと住宅手当や危険手当などがつくが…安いであろう。
なのでアメリカ軍兵士は生存に固執する。
ましてや海外派兵であってもだろう…
反対に年金は充実はしている。
途中退役には満足ではないが…
傭兵では同ランクで86千＄でもあり、それに導かれて数多くのアメリカ人がヨーロッパの地で消えた。
国連軍も当初はプラトゥー1襲撃による発足した宇宙軍がメインであり、
給料や死亡時補償等は基本各国からの派遣扱いの為、
各国に直接支払ってもらうが為にさほど予算的にはかからなかった。
たが対BETA地上戦が始まり、侵攻を受け領土を失い、
独自の軍が維持できなくなる国軍を吸収し始めると状況が変わる。
要するにその国のお金が国際的信用を失い、まだ貨幣安で弾薬や兵器を売ってもらえるなら良いが、
その国の貨幣では販売拒否な事態になった。
また各兵士の給料の問題もある。
ヨーロッパの軍隊の給料は、月3千＄＝30万円＋危険手当＋戦死時の補償金70万＄平均。
韓国軍の給料は月5万ウォン＝5000円、葬儀補助金9000ウォンのみ…
台湾軍の給料日本円換算月9万4千円＋危険手当＋戦死時の補償金5千万円。
イスラエル軍の給料、日本円換算15万円＋危険手当＋戦死時の補償金6千万円。
日本帝国軍曹長22万円～43万円＋危険手当＋戦死時の補償金6千万円。
正直、韓国軍レベルで支払うならまだあまり考えなくともよいだろう。
さらに恩給や戦没者恩給が発する。
因みに日本帝国軍では恩給は曹長で年175万円、月あたり14.58万円もらえる。
そこに更に国民年金が入り込み…月21.88万円という形だ。
戦没者遺族には国民年金は支払われないが増額した公務扶助として恩給が支払われる。
ただし、6年未満と6年～9年、9年～11年、12年以上と段階がわかれ、
戦没者恩給満額が12年勤務以上となる。
日本帝国軍1軍でさえややこしい話になるのに、それが10ヶ国以上吸収して各自形態の給料、各自の国通貨での支払いとなれば…
紙幣の発行元印刷所をどうするの？にもなる。
その国の貨幣が金銭的信用を失い＄払いよりか安くなろうが…の話だ。
なので給料形態などは国連本部があるアメリカ軍型体に合わせ、支出を押さえてかつ、＄払いとなった。
さて、問題は軍の運営予算であるが、各加盟国からの国連分担金で賄われる。
そして後方支援国程分担率が高くなり、
派兵してなければ更に高くなる。
リアルでは2013年国連分担金は日本2億76万＄、
2012年日本の総予算2兆250億＄の約0.01%。
国連総予算は26億＄である。
ただし国連常備軍というシステムはリアルにはない。
リアルで軍の予算最大規模はアメリカ軍の国防基本予算。
戦費を除く費用だが、約5000億＄、
更に戦費を加えて6800億＄あたりを使う。
リアルアメリカ歳入は2兆4560億＄…
実に約30%がほぼ平常といえる時に？も消えるわけだ。
さてこの世界での予算だが…
まずは戦術機の費用が必要となる。
戦術機…異世界軍が発生するまで、この世界において対BETA戦での盾であり最大機動力をもつ歩行兵器、
戦術歩行戦闘機である。元は月の戦闘で開発された機械化歩兵装甲だ。
いわゆる搭乗型ロボットの部類だ。
この世界において光線級の出現により戦闘攻撃機や大型爆撃機の類いが出撃の都度に全滅に陥り、
陸上戦闘を強いられる事になった。
突撃級の厚い甲殻にこの頃の陸上での最大火力の戦車は歯が立たなかった。…特に中国軍戦車が軟弱すぎた。
まず中国軍の1973年頃主力戦車のT-54はD-10Tライフル砲を使用する。
原型はソ連海軍のB-34型100mm艦載砲で、
装甲貫通力は射撃距離1000m時の貫通威力が142mmと、
当時の米軍のM48の90mmライフル砲に相当するに過ぎなかった。いわゆる第1世代相当にもみたないといってよい。
滑空砲はこの時点で自前生産の為の開発にはいったばっかりだ。
中国はソ連に助けを求め大挙して第２世代のT-62が援軍にかけつける。
T-64は知っての通りコスト高で台数が揃えられずいわば決戦用であり、T-72は開発中だ。
115m滑空砲だが、この頃はまだ砲弾は3BK4Mが多用され、貫通力は440mmであるが…角度の問題もあり、かなり接近してのために撃破されてしまった。
必然的に機動戦闘を行い、かなりの強度をもつ先陣の突撃級をどうにかする役割の戦術機が必要になった訳だ。
突撃級をどうにかできればあとは陸上兵器類でなんとかでもある。
戦術機の値段に話を戻すが、
F-4ファントムの新規調達予算には約2000万＄、2002年現在の為替で1＄=215円で約43億円、
1999年レートよりかは円高にはなったが…
F-5フリーダムファイターは約300万＄、
F-5Eタイガー2は新規なら約450万＄、
F-14トムキャットの新規調達には約6300万＄、
F-15は型番によりちがうが、電装品こみで約3000万＄～3800万＄、
F-16は約1500万＄～
F-18は約6000万＄。
因みにF-22は4億＄、ハッキングした結果だ。
リアル戦闘機より安いとも高いとも言えない値段だろう…
そしてそんな高価な戦術機だが、一回の戦闘…間引きではほぼ必ず落ちており、機体費用と育成費用がパーになる。
ハイヴ規模にもよるが5個師団規模目標の間引きで、F-16編隊で100機前後で御の字だ。
それが2001年当時だとヨーロッパ方面で既に年間50数回、その他各方面…
育成費用は衛士一人につき500万＄前後が計上されており…
かといって育成費用をけちると損耗率があがり機体調達費用が馬鹿にならなくなる。
10機調達ですむはずが100機調達せざる得なくなり…
国連がこれらの機体費用、そして兵士育成費用また陸上兵器費用、砲弾、維持費等を負担するようになり、
一気に国連分担金請求額が増える…
アメリカが戦術機や砲弾等を大量に製造販売しなければ破綻する額とも言えよう
…
まだ陸上兵器だけなら低予算ともいえる。メルカパが600万＄台、
M1A2やチャレンジャーが850万＄台と1000万＄は突破してない。
育成費用は砲手とかくべつせず…大体80万＄、
で、古参が車長、次に砲手、操縦手、卒業したてのぺーぺーが装填手になる。
なので卒業後1年目が車長だと死にまくりとも言えよう…
そして国連2001年3月の総予算は、4兆5200億＄。
各国分担率がアメリカ41%で1兆85百億＄、
オーストラリア22%で99百億＄、
ブラジル8%、以下南米諸国、中米諸国、アフリカ諸国と続く…
日本帝国は最前線国の為0.000001%の分担金で452万＄、当時レートで18億円だ。
それだけで国連が逃げずに帝国に協力し戦ってたわけだ。
一応リアルオーストラリアの2015年予算での歳入が39百億＄…かなりの負担であろう。
4兆＄？ふざけんな！の意見には、
リアル2014年の平和な全世界での軍事費が1兆7760億＄を提示しよう。
これは戦に出ては数百機落とされる環境下でない通常の戦闘機を使用しての目安だ。
高価な戦闘機がせいぜい2～10年の一回の大規模紛争戦でせいぜい百機落とされる程度の軍事費で、
湾岸戦争時にイラク軍機が104機落とされた…その数程度で話題になる。
何年もわたり年間千機以上落とされてない軍事費でもある
更にはセスナ機は1人乗り程度で中古で2万＄～、
新品で20万＄～、ただし維持費が更に加算し、
個人所有なら更に法定整備点検…所謂車検で…週1で、2～3時間目安で年5万＄あたりかかる。
多数飛べば維持費は…
リアル2012年の単純に軍事用保有航空機だが、
1位ロシアが1,793機程度であり以下2以下中国、1,693 +あたり。3位にアメリカで1,435機。
4位インド、5位北朝鮮、6位意外にエジプト、7位8位やっぱり台湾、韓国。
9位パキスタン、10位イスラエル。
11位にこの位置なの？な、日本が371機だ。
また更に戦闘機と二足歩行戦術機どちらが高価であろう…
大量生産でトントンと考えると、
予算はそのあたりでわかる筈だ。
半分もっと高価だと思ってはいたが…案外安い金額ですんだとも言えよう。
これで水上の戦艦がほいほい沈没してたら更に予算は加算されよう……
日本帝国の戦艦、大和級新造は現代改装施した段階で約1兆円、200億＄かかる。
2001年当時分担金の為、既に各国は青色吐息、その為にオルタネイティヴ5賛成を考えていた国もあった位だ。
…全ては予算＝金がいえよう。
そんななか、あまり費用がかからない異世界軍の設立だ。
砲弾費＝自前調達、戦艦や機動兵器建造資材＝自前調達、同建造給料＝ほぼただ…をはじめとして、コバッタ任せの建造だ。
コバッタはナデシコ世界でのコピー品であり、小型作業ロボットだ。
特に機械を操る頭脳としても優秀であり、各種修理補修、輸送、裁縫、調理、掃除等々多用に人間の変わりに作業ができる。
カオルの秘密…特に技術を共有する友として投影会話できる様どんどんと増やしていった。今では彼等は100万を越えている。
彼等には給料がかからず…
そんな予算がかからない異世界軍が宇宙防衛を担当する。
地上からBETAが殲滅され、新規調達の必要はなくなった。あとは軍の維持費用であり…
そして他惑星や他星系へは異世界軍が一手に引き受けておりその役割が大幅にちいさくなる。
国連常備軍がそこまで各国に負担強いる必要はなくなったのだ。
異世界軍が経費かからないのはコバッタ達任せも多いが、
やはり異世界軍が超空間航行技術や、亜光速、超光速技術、
さらにはスペースコロニーの管理、
そして銀河鉄道管理運営を独占しているのでその分の利益もあるだろう。
スペースコロニーは管理施設がテロで占拠されるとコロニー落とし等で、一気に詰んでしまう為、
異世界軍が管理を絶対に手放してない。
地球に落下してくるスペースコロニー…中の住民が助けてと全世界に発信する。誰も撃てやしないだろう…
自国に対して落下してくるなら撃てるかもしれない。
1000万人近くの命と引き換えに…
そういった自体を防ぐが為に24時間年中無休で闘えるT-850による警備を行っている。
T-850はターミネーター2で平行世界化を受けた世界でコピーし、
また実際に持ってきたターミネーターらだ。
彼らはパワーセルといった、小型ながら高出力の核燃料水素電池を動力とし、
高性能なボディ、頭脳をもつ。
現在では異世界軍の歩哨や警備、地上白兵戦部隊の主力となっていて、
テロリストがT-850を制圧しようとしよう…
まず知らなければ無理であり、待ち構えを知ってたとして自動小銃では無理な為に、
チェーンソーやハンマーで特攻し、
弾切れをまつ…つまり200人以上犠牲にならなければならない。
その頃には応援が来て、他にも管理区画の与圧を抜いても防衛ができる。
そうするとテロリスト側は窒息か、宇宙服を着込み、少しの傷での窒息を気にしながら戦わざるえなくなる。
つまりT-850突破は、生身の人間であるテロリストには到底不可能ともいえた。
ロケット砲等高火力使用は外壁に穴が開く恐れのある一番外郭の区画に存在すると言っておこう…
そんな彼らと、コバッタらがスペースコロニーを管理していた。
一方銀河鉄道の利益だが、経費0の製造費0、維持費0が利益の元となっている。
乗務員駅員らはすべてターミネーター達で運営されてるので、給料0だ。
なので横須賀駅からルナ5ステーション…地球月のラグランジュ5にある銀河鉄道駅の事だが、
までが2＄、コロニー円で200円の料金でいける。
リアルフィリピンの庶民の足ジプニー、乗り合いジープ、小型バスというべき20人未満乗りが最短8peso…2セント～3セント未満程だが、
都市間のバスが距離にして約2時間90km強の都市間で100peso～200pesoあたり＝3＄～5＄でいけるから見ればかなりの低額だろう。
地球ルナ5間の独占的な大量輸送と、駅ナカ商売繁盛で利益をあげていた。
その利益は異世界軍の所属人員の給料や、マッド達の開発費へとつかわれる。
そして今通信により投影されているのがコバッタ11号だ。
［マスター、多分アメリカからバーナード星移民話出されるとおもうでちよ］
カオルが必要な部分、中座の考えを話すとコバッタから発言？がでる。
「移民か…」
オルタネイティヴ5での地球脱出プランでの目的地、バーナード星及び星系は既に確保し現地調査中、
かつバーナード星系に向かっていた落下ユニットも撃破していた。
そしてバーナード星系確保は各国に既に公表している。
確保の目的は地球脱出の為ではなく、対宇宙戦闘種での人類の全体的地力上昇の為および、
居住不能惑星での資源確保の為であった。
現在世界人口は最全期の46億人を下回り、12億。
内1億5千万人がカオルが救助してきた他世界出身だ。
BETA戦の影響下でこの人数であった。
つまり単純にそれだけ工業生産力の地力が落ちているし、人口増加力もおちている。
移民にて他の星で人口を増やすには、インフラ整えた新マクロス級の様な都市型を使用しないと過程するならば、
1億人を送り込むしか難しいだろう。
現状1億出せる国はアメリカ、オーストラリアだけだが、
オーストラリアが出すと本国が成り立たなくなる。
つまりアメリカだけが出せるといえ、異世界軍の輸送手段をあてにして、
自国領土用に積極的に送り出すであろう。
ただしだ…
リアルを見てみよう…
西暦0年の地球の人口は、2億5000万人程度だったと見られている。
それが1800年の間にたった5倍だ。
医学が発達せず、抗生剤やらまた疫病対策等がなかったのも理由だ。
普通に移民を送ったら生産拠点建設するまではこのペースでしか人口は増えない。
特に薬の培養…無菌状態の保持等テクノロジーが必要な場面は多彩だ。
例えばだ…あなたが腸癌にかかったとしよう…
鬱蒼としげる自然環境下で腹を切り開く腹式手術をうけれます？
麻酔なしでうけれます？
という事だ。
とうてい助からないと思い受けはしない…手術の時は助かっても感染症にかかるかもしれない…
苦しんで死ぬよりかは…を選択する。
無菌状態を維持できるテクノロジー、麻酔を生産できる生産拠点がなければまずは増えない。
ある程度発達し、160年ほどで3倍に増え、1960年に30億人を突破した。二つの大きな大戦を経験しながら、人口が増えたのは、
医療が充実した、また穀物生産増加が理由ともいえる。
医療面では特に新生児や乳児の死亡率の低下があげられよう。
以前は非常にリスクが高かった。
新生児が生まれてから28日まで、
乳児がそれ以降1歳未満までだが、
1899年当時、新生児死亡率15.3%、乳児死亡率7.9%…
1歳の誕生日を迎えられるのが100人につき76人しかいない。
23～24人の赤ちゃんは1歳を迎える事なく死亡すると言うことだ。
統計とれてるMAXが1918年のスペイン風の大流行…合わせて27%の死亡率、約48万人の赤ちゃんが日本で死んだ。
そして1968年での死亡率は新生児1%、乳児2%まで低下、更にはリアル2013年日本は0.1%や0.2%の世界だ。
ここら辺は抗体有る無し、生命の神秘…単純に生命力があるが為、兎に角最先端医療だ。
恩恵があれば新生児の死亡率は低下する…
他には食糧があれば人口は爆発する。
リアル先進国では出生率の低下及び一人っ子志向により、人口増加率が抑制され始めたが、
アフリカの貧民国は人口が急激に増え続け、
現在人口爆発状態だ。
先進国から薬と食糧と嗜好品の取引により爆発したといえよう。
経緯は、自給自足生活で緩やかな増加で増やしていた村に先進国が来てその地域で生産されていた、嗜好品と取引が開始され、
貨幣経済、薬と食糧が入り人口が増え始める。
次の段階では嗜好品の生産増加を申し込まれ、農地の半分を嗜好品の生産にあて、
増えた利益分で食糧を輸入して、自給自足が崩壊。
その次の段階で全面的に農地での嗜好品の生産そそのかされ転換。
人手不足となりベビーブーム到来。
自給自足が完全崩壊。食糧全面的輸入。
そして連作障害→肥料輸入→生態系バランス崩壊により作物病気発生→農薬輸入→別の病気のエンドレスで利益激減。
先進国が商売そそのかし地主と小作人発生、大規模機械導入で小作人解雇、難民化。
難民が再び山村に入り込み無秩序な焼き畑農業。
先進国に対し借金増加→土地が崩壊し嗜好品が実らなくなり取引停止し、その際に自営の為の武器が輸入され…武力のもとで内戦勃発…
といった結果だ。
そんな環境の中、子供の死亡率が高いままであり、結果家を護る為に多産が常識なままで、平均5.8人出産。
そしてその結果2015年現在ではアフリカ大陸は年2.3%の人口増加をし続け10億人を突破、
全世界は72億人を突破している。
この世界は人口は12億だ。
人口爆発を引き起こさなければならない。
異世界軍が発生する以前では食糧制限し難民に行き渡るようにしても失う命、特に新生児等があった。
だが先にも述べた様に食糧問題については解決した。
リアルアフリカの様な嗜好品取引ではなく、常に本国からの食糧及び薬を始めとした工業製品の供給できるルートを確立すれば…
後は自給自足環境構築できれば、本国からの援助で生産拠点が構築でき…
人口が爆発するといえよう。
必要なのは単純に本国から援助できる時間と輸送量の確保だ。
バーナード星、いや他の入植地でも年数%～十数%の増加が好ましかった。
その為には短時間でのアクセス、開発の為の大量輸送もできるシステムが必要でもある。
現状、先にも述べたが異世界軍が超空間技術や超光速航法を独占している。
なので恒星間輸送船を作り定期運航をすべきだろうが、やはり大量に作らなければ開発に見合う量を輸送はできない。
チューリップ…ナデシコから入手した次元跳躍門、異世界軍では門固定で利用している。
チューリップをバーナード星系とで結んでいるが、
チューリップを利用してもある程度輸送上限はあるし、また対応艦も異世界軍が作らなければならない…
そう考えると大量輸送可能なのといえば…銀河鉄道１択であろう。
銀河鉄道…先にも述べて説明はしてなかったが銀河鉄道物語の世界から入手した。
その運営システムをこの世界で再現したのが銀河鉄道である。
現在は太陽系内の路線はほぼ敷設ずみ、横須賀駅…地球上の唯一の銀河鉄道駅。と、ルナ5中央ステーションで各方面に分岐し、
ルナ4Stへの路線、ムーンサウスStへの路線、本線の火星方面へと別れている。
ムーンサウスは月面にあった4つのハイヴの１つを再利用した異世界軍謹製の月面地下都市だ。
ルナ5stから火星分岐St、小惑星貨物St経由、木星分岐St…
以後各惑星分岐Stを経由し、冥王星分岐Stまで延びている。
ステーション内への入線は速度制限が時速150kmの制限、ホーム上は60km制限。
貨物駅はショートカット線があり、入線の形はとらず速度制限無しだ。
火星分岐Stはまだ未開業だ。
「11号、バーナード星系への敷設状況は？」
［あと2ヶ月程かな～］
冥王星までは空間軌道発生装置を敷設ずみで、開通はしている。
その先への敷設をすでに開始していて、あと2ヶ月程の話らしい。
バーナード星系へと到達すれば、時速うん百光年台の車両だらけだ。
現状各St入線の形をとってるが、
重力制御で車内にGが加わらないのを加味して、各分岐St内に入線しないショートカット路線を新設すれば、
減速も不要であり、
ルナ5中央Stから加減速で1時間程でバーナード星系へと到達できるだろう。
横須賀駅からルナ5Stまで1時間半、そこから1時間、合計2時間半程でバーナード星系だ。
「となると…バーナード星中央St開業と、地上St開業と共に入植開始の方針で対応するか…」
2001年まで年数%～十数%で減少しつつあった人口が始めて上昇に転じた2002年、
その数値を維持したい希望はある…
……
「議長」
2日目開幕そうそうカオルから発言をする。
「長くなりそうなので先に私から別案件の提議を求めます」
「わかりました」
「占拠した元ハイヴの扱いについてですが…」
26の元ハイヴがあるが既にソ連軍基地となったエヴェンスク、廃墟とかしたヴェルホヤンスク、ハタンガ、
それと敦煌については既に消滅しているので提案にはいれてない。
また横浜白陵基地と佐渡島基地は手放さない為に入らず。
残すは、20の元ハイヴ。
更には鉄源要塞は既に異世界軍の手を離れ国連軍基地として利用されている。
19の元ハイヴ管理権の取り合いについてを提案した。
異世界軍メインで防衛設備、陸上戦艦整備施設等を開発していて現在管理下といる大陸側元ハイヴが、
重慶要塞、カシュガル要塞…
ヨーロッパ反攻の橋頭堡のリヨン要塞
ソ連側基地のオリョクミンスク要塞の4つ。
残るの共同管理中の15の元ハイヴ…殆ど異世界軍は手をつけてない。
それとソ連側のオリョクミンスク要塞、重慶要塞についても案に盛り込んでいた。
既に２つの要塞については役目を終えたと判断し撤収撤去には入っている。
具体的には重慶要塞の防衛設備撤去、整備生産施設の撤去、反応炉殺害等だ。
またリヨン要塞、カシュガル要塞は地球復興の為の基地として共同管理を目論み、
過剰防衛設備の撤去、陸上戦艦の整備施設の撤去、戦艦の撤収をすすめていた。
要は地上軍の主力佐渡島基地に引っ込み、
惑星ロドニアに派遣した陸上戦艦320隻の管理整備等を、
横浜基地で40隻は担当し、
佐渡島基地で300隻の整備駐留可能な地下施設は完成していた…というわけだ。
「異世界軍は地上軍に関しては佐渡島、横浜をメインとしますので、
まず共同管理中の15の元ハイヴの管理権の放棄、
また重慶及びオリョクミンスクの国連軍への管理移行、
そしてリヨンとカシュガルは復興の為に国連軍との共同管理を求めます」
「カオル元帥」
「はい」
「どうしてかね？」
「昨日の戦闘報告に挙げた通り、現状では近日中に再度宇宙母艦級10匹接近でつんでしまいます。
地球防衛の為に、可及的速やかに宇宙軍強化をせざるえなく、
惑星ロドニア派遣軍への全力を注がなければならないからです。
数多くある元ハイヴをBETAの脅威がなくなったのに管理する余裕はありません」
「そうだったな…」
「あの被害からみると…」
やはりヤマト級撃沈が衝撃であったのだろう…
「この提議をもちまして、自分は中座させてもらいます。よろしいでしょうか？」
「決に反対の代表は立ってください」
反対の者はいない。
「満場一致です。決議57の2Aは賛成多数の為決議されました」
会場内に慣例の拍手がながれる。
「異世界軍カオル元帥が議会を中座するが、元帥への提案または質疑等ある代表はいるかね？」
「議長」
「アメリカ代表」
「カオル元帥、バーナード星開拓についてもう入れるのではないかね？」
「現在のところ問題もないので、何時でも入れます」
「なら入植の為に輸送船を用意すべきだとは思うが」
「ですが、銀河鉄道のバーナード星系路線の開通後の入植を提示します」
「具体的にはいつぐらいになるのかね？時間は？」
「開業まで2ヶ月程で、約4時間目安でバーナード星の土を踏めますよ？」
光年を超えてるのかの呟きが…
「何故、今は駄目なのか？」
「先程も述べましたが、対宇宙戦闘種へリソースを振り分けますので…どうしてもでしたらご自前で…
ただし輸送船いかがされます？
そちら様で建造して、勝手に向かわれてもよいですが通常航行では何十年かかりますよ？
光の早さに近づいても4年越えるんですよ？」
アメリカが主に推進していたオルタナティヴ5予備計画では地球脱出船を複数建造してたが、
異世界軍が属するオルタナティヴ4派に接収され、巨大移民船は資材の有効利用の為に、
攻略艦隊の一角になる合体型宇宙空母艦へとエンジン等ひっくるめて改装された。
その移民船団はGS機関により、重力均配航法で速度を確保、
片道航行分の燃料で10万人をのせ向かうプランであった。
「そういう事ですので、開業まではお待ちください。
お後ございませんね？…議長」
「カオル元帥の中座を認める」
本会議場をあとにした。
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