第005話 GXW編01 未知の新たなる世界へ…
(さてと…)
起床したカオルがデスクに座り考えていた。
引き続き分裂体95%が精製中のナクアドリアはやっと1隻1会戦分が精製でき、
次に2隻目にかかっている最中…
やはりあんまりやれる事はない…
(じゃあ…いったことある世界まとめるか)
世界扉…神にもらったゼロの使い魔世界での虚無魔法による異なる世界を繋ぐ魔法…
カオルは世界扉等の虚無魔法と使徒の能力によりこの世界にチート的生産施設をつくりあげ、
巨大な軍事力を手にした。
今までいった事のある世界は…
マジンガー…
ドクターヘルの世界征服の野望を打ち砕くべく、兜甲児が祖父から託されたマジンガーZにのり対決する世界である。
初期の頃にいき、現在の異世界軍の主力兵器の装甲材質、合金Z等を取得した。
ナデシコ…
地球と木連の覇権戦争、木連の存在をごく一部の上層部の秘密にし、異星勢力による侵略戦争とうたう地球。
それに巻き込まれた火星民間人や主人公、侵略戦争に対抗すべく建造された機動戦艦ナデシコ、
秘密及び通常の正式な覇権戦争としったナデシコクルーらは…
こちらも初期の頃に行き、今の警備艦艇、プラントやコバッタ、ヤドカリ、
アイちゃんママことリーファ博士等様々な恩恵をうけている。
メタルマックス…
行ったのは3の時代で…伝説の大破壊により全てが破壊された近未来の世界だ。
まだ大破壊当時の記憶を持っている人物が生存していて、
ノアがまだ破壊されてない、戦力回復中なあたりだ。
こちらも初期の頃に行き、資源入手先、
また2001式の原型機等…
ターミネーター…
スカイネットによる対人類最終戦争をおこした後で、
ターミネーター1後のターミネーター2前の未来世界へとわたった。
頑強に抵抗する人類抵抗軍とスカイネットらの争いの世界。
この世界ではターミネーター達をハッキングし、生産で増える異世界軍人へとする事に成功した。
また閉じた世界の為にエンドは確定してない初の世界であった。
メデューシン…
別惑星での強国間での覇権戦争中。
揚力で飛ぶ飛行機としては超巨大、全長180m、翼幅215m、 尾翼高さ55m、胴体幅箱型38m、主翼上部まで32m、
胴体内部階層格納庫を含め8層、主翼内部2層の病院船を始め、
巨大飛行航空母艦が発達した世界であった。
難民キャンプから異世界軍のシャトル空港、日本帝国難民の移住終了後は、
世界各地からの移住を担当した。
現在は定期航空便として活用中。
鋼鉄の咆哮…
2は超兵器を手にしたクーデター独裁国…による侵略戦争、対して海外にて難を逃れた忠実なる主人公ら近衛艦隊とそれに協力する諸外国との戦いの世界、
3はレアメタルを狙って攻めてくる列強勢力に対して独立を守ろうとする主人公らの世界。
2では存在がばれてしまった初の世界であろう…
物理法則を無視した謎のシリーズや無限に弾が自動的に精製される無限弾薬装填装置など、
有益なせかいであった。
陸上戦艦の基礎技術も超兵器からの流用だ。
フルメタルパニック…
ほぼ現代に似た平行世界、ウィスパードによってもたらされたブラックテクノロジーにより、
急激に軍事力が発展していった。
軍事的衝突を永遠に引き起こし、商売繁盛させようのアマルガム、
世界のテロや軍事的衝突を力でもって防ごうのミスリル…
アマルガムに狙われるウィスパードの千鳥かなめと、その護衛に付いたミスリルの相良宗介の世界だ。
この世界からは人員及び、ASによる対テロ特殊部隊の設立が大きいだろう。
恭順派によるテロがことごとく失敗した。
パトレイバー…
東京湾大干拓国家的プロジェクト、バビロンプロジェクト及び95年発生の大震災により、
レイバーという民間工作重機が急速に発展した世界。
レイバーによる犯罪に対して警視庁警備部特科車両2課が設立された…
民間工作機械を取得し、工事用として改良提供した。
スーパーロボット大戦OG…
様々な勢力が覇権を争ったり侵略しにきたり…入り乱れているとも言える世界だ。
地球連邦軍所属綱竜戦隊は自らの正義のもと、時には上層部に反旗を翻し…
この世界からは主にPT や人員等を…
パワードール…
惑星オムニは通常航行では約100年の年月をかけたどり着く居住可能な惑星…
独立を約束された先駆者は世代交代型にて開拓し、コールドスリープ移民船団の受け入れられるようにし、
苦労して開拓を行った。
ところが超光速航法により地球との距離が縮まると地球政府は一方的に接収を宣言、独立をかけて地球と争う。
独立確立後、地球軍残党と迫害されつつあった新移民と軍事企業が結び付きジアスが結成蜂起、
オムニ政府と全面戦争へと突入、再び第177特務大隊第三中隊が再編される。
その100年後…惑星オムニの独立国家サイフェルト共和国は、
オムニ政府へと侵略戦争を開始した。それを迎撃する為に…
この世界からは西暦2400年代技術の戦車砲を始め、
砲撃用ローダー等が活躍している。
メタルギアピースウォーカー…
西暦1974年、国境なき軍隊を結成したビックボス。
仲間と共に中南米を転々としていた。
そんなある日、彼らの元にコスタリカからガルべス教授とパスが依頼してくる。
軍隊を持たないのコスタリカにCIAの手先と思われる武装集団が現れるようになった。
コスタリカの平和のため軍隊を追い返して欲しいと依頼してきた。
だがビックボスは彼がKGBである事を見抜き、問いつめると正体を隠さずKGBとして、
アメリカを中南米から追い出して欲しいと再依頼。
米ソ間の対立に手を貸す気が無いビックボスだったが、
パスの持ちかえったテープに記録されていた音声を聴き態度を急変し、依頼を引き受ける。
この世界からはスフィンクス原型機のピューパ、
ビダン博士等が活躍している。
TOKIO…
西暦2210年、東京都は赤道上にシリンダー型コロニーを建造、
コロニーを東京第24区、TOKIOとして運営を開始した。
コロニー技術もろもろ…
エヴァンゲリオン…
西暦2000年、南極にてセカンドインパクトが発生、約20億の人類が死亡した。
その直後世界各地にて混乱によるテロや戦争がおこり、バレンタイン条約にてようやく戦争が落ち着くと、
予告された第三の使徒によるサードインパクトを防ぐためにゲヒルン、後にネルフとして結成される。
しかしそれは人類補完計画の…
この世界からは優秀な人材等々…
宇宙戦艦ヤマト…
西暦2187年、人類は地球外進出を果たしていて、地球近傍の月、火星へと移民政策がとられ、
果てや太陽系外のシリウスへとコールドスリープ移民船を送り出していた。
だが…同年、彗星群の飛来で地球人類は一丸となって迎撃にあたるも数個の彗星の落着をゆるしてしまい被害を被る。
じつはガラミス帝国が送り込んだ自然災害を装った彗星群で、
西暦2192年、人類が太陽エネルギーを利用しにくいからと進出してなかった冥王星に、
密かに建設していたガラミス前線基地が稼働しその年から彗星爆弾の脅威に地球はさらされる。
建設工事を欺く為に2187年に彗星群をおくったといってよいだろう。
勿論地球は黙ってなく宇宙艦隊を差し向けるも壊滅的被害を被ってしまう。
数でガラミス派遣艦隊を上回るもカヌーがガレオン船に挑む様な技術レベルの差があった。
辛うじて逃げ帰った艦より回収したガラミス艦素材、戦闘機素材を研究し始め、
また人類は被害を減らすために地下へと逃げざるえなくなる。
西暦2199年、地球脱出艦ヤマトの建造が続くなか、
技術改修に間に合った最後の艦隊を冥王星遊星基地破壊にさしむけるも壊滅し、追い詰められるなか、
火星に惑星イスカンダルよりのメッセンジャーが到達する。
地球脱出艦ヤマトはただちに本格戦闘艦として計画を変更され、
宇宙戦艦ヤマトは人々の希望をのせイスカンダルへと…
ヤマトやコスモクリーナー等々…
宇宙のスティルヴィア…
西暦2167年、24.3光年離れたみずへび座ベータ星の超新星爆発で、光の早さで到達した放射線と電磁パルスにより地球は壊滅的な被害を被った。
西暦2356年に飛来すると確定的な物的衝撃波に対して、人類は一丸となって抵抗の為に準備を行っていた…
宇宙作業艇等々…
マクロス…
人類滅亡寸前を経験し、他星系へと移民…大航海の世界。
存在がばれてしまった2番目の世界だ。
というより自らばらした世界。
理由は1つ、何かのバタフライによるバットエンドに向かいつつあったから…
基本はカオルは介入せずにストーリーエンドを目指している。
つまり未介入エンドだ。
世界がほぼ滅びるエヴァンゲリオンが代表的であろう。
ましてやベターエンドやグットエンドにになる流れに介入はしたくない。
それが世界の運命だから…
ストーリーから外れたエンドは回避したい。
だが世界はヴァジュラを使ったギャラクシーによる支配に向かいつつあった。
主人公のアルトがランカを何故か選択し、死亡してしまった為に…勿論救助したが…
介入しないと、つまり死者を解放しないと、ランカが洗脳されたままになってしまってた…
といった流れであった。
カオルが介入し、なんとかストーリーエンドの方向へと向かった。
バルキリー等々亜光速戦に対応した機動兵器等と、バレたのでシェリルが加入した。
銀河鉄道物語…
銀河は銀河鉄道により星と星が繋がっていた。
人々は銀河鉄道により別の星へと旅したり仕事しにいく世界だ。
鉄道の安全をまもる警備隊の話であった…
銀河鉄道等々。
銀河英雄伝説…
宇宙歴310年、それまでの銀河連邦が崩壊し銀河帝国が建国された。
当初は民衆に歓迎されてたが、貴族制をとり社会秩序維持局を作るなど圧政をしきはじめ、
共和主義者は帝国を脱出、
宇宙歴527年自由惑星同盟を建国、
宇宙歴640年帝国軍艦隊を撃ち破り以来同盟と国力の勝る帝国との戦争状態へとおちいる。
そして宇宙歴790年代後半〜800年代…
人材や人員増やしで…
ガンパレードマーチ…
西暦1945年、人類同士の覇権を争った第二次世界大戦は思わぬ形で停戦する。
黒い月の出現、幻獣…異なる世界からの侵略が開始された。
以来人類は対幻獣戦争へと突入、生存域は縮小し、日本、アメリカ、南アフリカだけになり…
1999年日本は熊本で学兵を投入し抵抗して…
第六世代人員や、ウォードレス等々…
大帝国…
ワープゲート、一種のワームホール型超空間移動により、何億光年先の星が結び付き、
大航海時代となった世界で、星間国家列強が争い始めていた。
主人公格の大日本帝国はまだハワイとチェルノブイリ、アラビア未攻略。
この世界からは惑星破壊したドクツ国民、人材等々。
遊びにいくヨ!!…
地球と交流を持ちたく300億光年かなたからキャーティア人が来た世界。
ルーロスや小型輸送艦等。
まだ再現できてない程の技術が…
スターゲイト…
地球でみつかった輪…それが光の早さを超え、別の惑星へとつながった。
しかもそれがほぼ無限大へと結ぶ。
それが発覚したのは無用の長物と化したスターゲイトが作動し異星人が出現し女性兵士を拉致したから事件が発生したからだ。
当初向こう側のゲイトは破壊されたとの報告を受けていた軍上層部だが、
管理していたはアメリカ軍はアドビース以外の無数の星に繋がる情報を得て、
女性兵士救助及び宇宙船保有技術等の先進的技術を求め、
大統領命令でスターゲイトコマンドを立ち上げる。
一番異世界軍的には軍事的に邁進した世界であった。
ゴアウルドのシールドや超空間ドライブが現在の異世界軍の主力といえる。
更にはまだ完全に取り扱いできないナクアドリアエネルギーでのアスガード製シールド、
はたまた更に進化していて再現する事がまだ無理なエンシェント技術等々…
だがそれでもまだ全宇宙にいるBETAには対抗できてない…
特に艦の建造力でだ。
先の会戦において万を超える突貫級と相対し、こちらは百隻未満、その為に被害を被った。
その為に更なる技術の入手…とくに建造力を目指していた。
建造力の高さではまだいってはないが、トップをねらえの世界が一番であり、
いつかはいくだろう。
まずエクセリオン級だが、8km弱戦艦で、トップ艦隊では旗艦であったが、
殴り込み艦隊では派生型が量産化され、
進化型のスーパーエクセリオンは30km級戦艦、
ツインエクセリオン級10km級となり、
エクセリオン級以上8800隻で構成され、宇宙怪獣と激戦を行った。
たった約9千隻…銀河英雄伝説と比べたら少ないじゃないか!と思うが、2点ある。
まず70km級エルトリウム建造最中の2032年時点でも、太陽系外へと進出せずに、地球拠点にて生産力を高めていた。
つまり地球1ヶ所だけだ。
そして艦のサイズ…
縦横高さで単純的にポイントし、それを生産拠点数で割れば…
トップの世界の建造力の異常さがわかる筈だ。
銀河英雄伝説にて艦隻数が多い戦闘艦のは巡航艦や駆逐艦、
同盟側では400m未満と、約200m…
エクセリオン級で約8kmと縦に隙間なくならべて一列でも巡航艦20隻、
横幅が最長約2.2kmとこれまた巡航艦約20隻分、
全高が1.6kmとこれも20隻分…
あくまでも一列に並べてだ。
体積で考えれば更に差が開き…かつエクセリオン級は殴り込み艦隊では、
宇宙怪獣に対して雑魚扱いである…
単純に巡航艦の100隻分と考え殴り込み艦隊の構成数は約8800隻、
同盟巡航艦に直すと最低88万隻分…
それが15年程で1拠点で生産できた…。
年あたりだと、地球圏だけで同盟巡航艦クラスが最低約5.8万隻以上生産している算出になる。
もう1つ、人類の総力をあげたバスターマシン3号、3万分の1に圧縮した木星をコアにしている巨大戦艦とも言えよう。
大きさは直径869km短径415km…
エルトリウムの10倍以上…超巨大要塞並みだ。
銀河英雄伝説において財政が傾き責任者が自害させられたイゼルローン要塞は直径60km…すっぽりはいる。
スターウォーズのデス・スター120kmもすっぽりと…
宇宙怪獣の体当りで次々と沈む30kmのスーパーエクセリオン級に対して、
損傷を被いながらも最後まで健在…堅牢さもある。
巡航艦何百万隻分?といいたい。
更には量産型バスターマシン、シズラーもある。
縮退炉を1基搭載全長130mの機動兵器で1万機以上最後の戦いにて撃破…
つまりは1万5千機以上シズラーが編成されてたろう。
2機で駆逐艦1隻分の資材を使う機動兵器で…
……
(さて…時間かかるトップと、アトランティスの行ってない箇所やユニバースは後として…ふむ…)
まとめおわった後、机を指先で叩きながら考えていた。
(今までは全て知っている世界であったよな…
で…だ。異世界は無限にあると…)
完全に知ってる世界もある。
中途半端に知っている世界も…
勿論アナザー、その後の時間もあるだろう…
そしてカオル自身が知らない世界もあるだろうし、更には未知なる世界もある筈だ。
(他の世界に行くには…?)
「11号、今のところ急務な問題はある?」
[今のところは…ナクアドリアとトリス号の問題と未完成のキャーティアシップ以外はないよ〜]
「あ〜あれなぁ…」
未だにオーバーテクノロジーの塊といえる両2隻。
「じゃあ…試してみるか」
[何を〜?]
「ランダムで世界扉ができるか試しにな」
[ランダム?…あ、ここじゃあダメだよ。隔離室でやってね]
「ああ、わかった」
隔離室内、空気が抜かれ真空になり…
世界扉を唱えるが…
(おろっ?)
開かない。
(かしいなぁ…)
スターゲイトの宇宙空間上の扉を思って世界扉を唱えると…
開いた。
(となると…世界扉に力をのせる事が必要か…)
力を載せる方法はいく通りもあるが、
ドラクエ世界では呪文の名そのものに魔力=MPをのせ、発動させる。
世界扉と方法が違い参考にはならないだろう。
ファイナルファンタジーは詠唱に力をのせ、また高速詠唱し…
世界扉と一致した方法だろうが、まだいったこともない。
二ノ国は魔導書により魔力をのせる。
だが入手はしてないし方法もちがう。
詠唱に力をのせなければいけないだろう。
(詠唱なんだったかなぁ…)
常に無詠唱発動の為に、魔法に言霊で力をいれる詠唱文言を忘れている…
(他人の力を借りる言霊は…むぅ…)
悪魔や天使に力を借りる言霊等多数ある。サイレントメビウスの香津美・リキュールが扱うのが有名どころだろう。
だがカオル自身は神には遭遇した以上、天使、神属に力を借りる言霊以外は使えない筈だ。
サイレントメビウスでは…
我が前方にラファエル、我が後方にガブリエル、我が右手にミカエル、我が左手にウリエル、
我が四囲に五芒星炎あげたり、光柱に六芒、星輝きたり…
大天使に力を借りるのは結界術であり…
守護場を形成、そして発動させる。
四方に天使の名を冠 して五芒星をイメージし、 場の聖別を計る。
後半の、
アテー・マルクト・ヴェイ・ゲブラー・ヴェイ・デドゥラー・ル・オーラ ム・エイメン。
後半はカラバ十字であり、本来であれば先にカラバ十字をきってから小五芒星陣、その中での大天使の流れになり、またカラバ十字をきる。
西洋魔術=黒魔術の流れだ。
ただし黒魔術は悪魔に対して力をかりる。なのでカオル的には使えないだろう。そこで…
(臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前、
青龍、白虎、朱雀、玄武、勾陳、帝台、文王、三台、 玉女)
密教陰陽道の九字を入れ…
力がのってきた感じがする。
(世界と世界の間の壁を貫く一筋の道、我、ナギサカオルの名において、未知なる異界への道を作りたまえ…"世界扉")
いつもよりもガッツリと持ってかれた気がして、
世界扉が開く…
「お〜開いたか…」
『マスター、どうするの?』
「ランダムで開いたからなぁ…2度と開かないかもしれんし…
精製中の分裂体と合体して、少しいってみるよ」
ジョリビー級輸送艦内にて、50%分裂体で精製すれば問題ないと判断できる。
ジョリビー級輸送艦は遊びにいくヨ!!世界での100m級キャーティア小型輸送艦で、
ルーロスに追従できる非戦闘艦だ。
向こうでは主に近場の恒星系に利用している。
それをこちらではルーロス並みの完全なキャーティアステルスを展開しながら、
作業できるスペースを艦内に確保し、
精製作業艦として使うためにちまちま同化しながら造り上げた。
合計作業時間は50%分裂体で約1ヶ月…
ところどころ中断し約6ヶ月かかり長かったと言えよう。
……
『じゃあ、いってくるよ〜』
『いってらっしゃい、マスター』
維持しつつあった世界扉へと…
==ギャラクシー・ウォーの世界==
新宇宙歴1521年…
宇宙空間をさ迷う一つの船団…
大規模な銀河衝突からの惑星崩壊をまぬがれるように、
方々へと飛びだった一つの船団だ。
当初は母星及び植民星を護る手段をとっていたが、
度重なる隕石群の襲来、はてや惑星激突、恒星衝突に支えきる事ができず、
とうとう星を捨てざるえなくなった流浪の船団であった。
護衛艦隊を含む移民船団で、
護衛艦隊構成は有人型弩級戦艦を旗艦に、その他弩級戦艦19
爆撃艦20、戦闘艦40、巡洋艦40、重戦闘機500、軽戦闘機1000。
護衛艦隊は移民船の植民船及び小型運搬船11隻の小集団を護衛していて、
小型運搬船には移住先での開発に必要な物資が、
植民船には国民の血を絶やさぬ為の100万人の民間人が冷凍睡眠で運ばれている。
たった100万人?と思うが、この移民船団は第296の通し番号がついており、
計画では1万以上の船団が遂行されていた。
それほどの移民船団の護衛の約120隻の艦船に、戦闘機1500機で、軍人は足りるのか?と思うかもしれないが、
有人指揮艦に統率された無人艦が主で、
資源があり艦ができればどうとでもなる状態であった。
ブリッジには当移民船団の責任者、ミルス宇宙軍准将がシートにすわって航海日誌を打ちこんでいる。
[既に他の移民船団とは連絡がつかなく、当初の指示通り独自の判断にて行動をとらざるえない。9月11日]
ヴィーヴィーヴィー
艦隊旗艦の有人艦内のブリッジ照明が暗くなり、サイレンの赤い光が照らし始める。
『何事だ!』
うちこみ最中の航海日誌を閉じ、オペレーターへとマイクを使い問いかける。
『航路前方に、未知の艦隊が大量に出現!』
航法オペレーターのサイボーグであるイレナが放送に答える。
『距離、艦隊規模は!』
『45宇宙キロ、艦隊規模は測定中!!』
(こちらは有人艦…迂回離脱は不可能…)
『総員第1種警戒態勢!』
数少ない有人指揮船である戦艦エスプリウス艦内が慌ただしくなる。
「遅くなりました」
「艦長、艦の指揮はお任せします」
「了解であります」
『前方の未知の艦隊より通信要求きました!』
(向こうも有人艦か…)
『全艦、第1種警戒態勢配置完了』
『よし…まだ砲撃はするな。応射に備えよ。
…回線開け』
スクリーンに呼吸マスクらしいのをした男性が写し出される。
『そこの艦隊!直ちに艦隊指揮権を差し出さないと発砲をするぞ』
と警告から通信が始まる。
「艦隊指揮権をか?馬鹿馬鹿しい…」
隣の艦長から声がきこえる。
「貴官の所属は何処だ?宇宙連盟法に反しているぞ!
航路上から移動しろ!!」
虚空から艦隊におびただしいビームが着弾する。
『船団に着弾!!』
―つっ…!
『応射せよ!!』
『全艦、砲撃せよ!』
目線は艦隊被害状況を軽く見流す。
今のところ軽戦闘機に被害が出ているのみ。
「こんな時に宇宙海賊か…小型運搬船や植民船がいるのに…」
小型運搬船は他の戦闘艦に比べて装甲、シールドが薄い。
植民船は装甲は厚いが…
戦闘では軽戦闘機とならび、真っ先に落とされる艦でもある。
『長いこと待ってたぞ。物資と植民船をおいてゆけ。
なに…安心しろ。植民船や輸送艦にはこちらの攻撃はあてぬわ』
『敵艦隊の規模確認とれました』
「構成は?」
『ジャミング激しく構成までは確認とれませんが、艦規模の数およそ2000、戦闘機規模およそ1万』
(総数は向こうが上か…)
「植民船艦長は?」
『エッサン大尉です』
「通信に出せ!!」
『ミルス提督』
程なく年若い大尉がスクリーンに出る。
「指揮官エッサン!直ちに直援隊を引き連れて移動しろ!
私が全力で君たちを援護する」
『了解!移動の準備。目標は……3-102星域から変更2-251星域だ!』
(うまく離脱してくれよ…)
「よし、当艦隊は移民船団が離脱後、爆撃艦を自爆させて離脱する。
それまで密集体形で海賊を迎撃する!!」
艦隊の指揮をとり植民船の船団を隠しながら防衛指揮をとっていた。
『まもなく植民船、デブリ帯をぬけ超光速ドライブ稼働できます!』
「あと少しだ!もちこたえろ!」
『海賊より通信!』
「出せ!」
『逃がそうというのか?直ちに戦闘を停止し降伏しろ!これは最後通告だ!』
「我は、はえあるガブレラ共和国の1員だ!海賊等に生き恥さらすわけにはいかぬ!
そっちこそとっとこ失せろ!」
『貴様〜〜!!地獄に落ちるがいい!!
全艦に命令!
前方の目標物を直ちに破壊せよ!全力攻撃だ!』
「ぐっ!!」
『直撃!シールド34%低下!』
「被害は?」
『34、21、901区画に火災発生!』
『ダメコンは?』
『向かってます!』
『敵艦隊に動きあり!』
(中央部から移動…?)
『て、提督!巨大な人工物体』
「な、バカな機動要塞だと?宇宙海賊ふぜいが…いかん!!散開せよ!」
現在密集体形にてシールド残存エネルギーが高く、及び装甲が厚い艦が外側に、
薄い艦程中央に陣している。
だが…機動要塞の惑星破壊レベルの1撃は艦のシールドを吹き飛ばす。
『ふっ…遅いわ…!徹底的に破壊せよ!主砲発射ぁぁぁ!!』
……
「海賊の追撃部隊の反応は?」
『いまのところ反応ありません』
カイリ副官が答える。
「なんとか逃げ切れたか…」
艦長を勤める植民船は非常に足が遅い。
パルスエンジンを使うも、質量がかなり大きいが為に、
同系統のエンジンを使う重戦闘機の4分の1、巡洋艦の6分の1でしかエンジンの出力でしかない。
また更には有人の為に加速Gの問題もある。
鈍足な植民船を守るためには…
「護衛船団は…」
護衛船団の殿が必然ともいえ、だが…信号は完全に途絶えていた。
つまり全滅と推測される。
「我々だけになってしまったか…ミルス提督…」
第8296移民船団の残存艦隊は、
当植民船1隻、無人小型運搬船10隻、直援部隊の無人軽戦闘機10機、重戦闘機50機を残すのみ。
元々の有人艦が少なかったとはいえ、
ブリッジクルーの艦長エッサン及び副官イリスの両軍人2名、
あとは、植民船の冷凍睡眠装置に入っている民間人100万人、
総員100万2名が第296移民船団の残存の全人口だ。
しかも冷凍睡眠装置からは迂闊に起こす事はできないだろう。
単純に酸素と食料供給の限界を越える。
『エッサン艦長、いえ…最高責任者指導者エッサン!』
現存する最高級階級がエッサン大尉となり必然的に最高責任者兼指導者となり…
『予定外の行動で燃料が足らなくなりつつあります』
息つく間もなく重大な決断が一人の男へと…
当文明は、デューテリウムインゴット、水素由来エネルギー加工鉱物の核融合発電エネルギーによって、
あらゆる建造物艦船等の発電エネルギーを賄っている。
現在護衛の軽戦闘機のガソリンエンジンの推進力も、化石燃料のガソリン系でなく、
デューテリウムインゴットを利用している万能燃料ともいえよう。
非常に高性能ともいえ、小指の爪ほどのインゴット出さえ発電エネルギーは無限大。
ただし常に消費し生産にも手間がかかるが為に、
大量のインゴットを消費する銀河間の移動をするには事前に備蓄が必要でもある。
1隻程度なら問題ないが1000隻単位以上となると、
タンク容量的には圧迫する事はないが、
デューテリウムインゴットの生産量が追い付かなく、
本当にギリギリの積載量しか搭載する事ができない。
つまり船団全体ではタンク内はスカスカといえる状態で航行せざるえなかった…
更に燃費の問題もある。
単純に距離計算でだが、大飯くらいといえる戦闘艦よりも2倍燃費が悪い。
近場の銀河系まで戦闘艦では約3kgですむインゴットを、約6kg必要とする。
たかが6kgのインゴットと思うが、下手な惑星の総生産量2.5日で精製する量にあたる。
1日=24時間=14,400分であるかぎり間違いない数値であった。
勿論最低限をみた値でもあり…その辺りは後述しよう。
そのインゴットがつきると…推進力また発電エネルギー自体がなくなり、
無人艦はただの漂流物となるが…補給を受ければ再起動できるものの、
有人艦はそうもいかない。
人間の生きるに必要な酸素の供給も止まってしまい、
ましてや植民船では冷凍睡眠装置の維持ができなくなり、
100万人の命が途絶えてしまう重大な死活問題でもあった。
『スパイ衛星発射!生存している惑星を捜索』
『了解!射出します』
―頼む、見つけてくれよ…
エッサンの祈りといえる呟きは誰の耳にも入らなかった。
大概の惑星は大気はない。
大気のある惑星を探してかつ酸素割合が適合している惑星を探していたら…
それこそ2000を越す惑星を探さなければならないだろう。
母星が存在するなら母星から調査船団を派遣して移住する手段がとれようが、
銀河系大脱出の最中であり余裕がない。
そこで大気のない惑星への移住を想定して標準型植民船は建造されていた。
ここでいう生存している惑星とは、デューテリウムもそうだが、
基礎系資源のメタル及び、高級資源のクリスタルの産出が見込める惑星の事を指している。
『捜索完了、座標2-251-7の惑星が要求に合致』
―よしっ。
エッサンの右手が握りこぶしをつくった。
移住目標は多数選択され、まず頭の2は第二銀河系、アマルダス銀河系をさし、
中の251は251星域、およそ25光年以内の惑星を一纏めに数え、
最後の7が移住可能と確認できた第7番目の惑星の通し番号をさす。
最低7つの惑星に可能だ。上出来といえよう。
その前の6つに関しては前記条件、惑星規模が100以下や、デューテリウム精製に必要な気温…出来るだけ低温が好ましく、赤道直下にて、
恒星照射最大熱が0度以下、つまり火星レベルの条件をつけたからだ。
『惑星のスペックは?』
『目標ポイント選定ずみ、土地163、赤道直下気温−5℃』
どちらも惑星開発に重要な数値といえた。
気温はデューテリウムの加工のしやすさに関わってくる。
土地の数値は着陸想定位置から50km圏内のメタル及びクリスタル鉱脈において、今後1000年間産出しつづけても惑星崩壊しない総建造可能数を表し、
この数値をこえると深部へと掘削した惑星が内部崩壊しやすくなる目安が為に重大な数値といえた。
『よし…目標2-251-7!植民地配置プログラムを起動』
『了解、植民地配置プログラムを起動します』
……
目標の惑星へと近づくと護衛の無人軽戦闘機、重戦闘機は惑星周回軌道をとり始める。
再びデューテリウムが補充されるまで人工衛星として惑星を回るだろう。
植民船は重力に引かれながら地表へと突入していく…
逆噴射がかかり始め速度を落としながら地表へと…
着地をすると植民船に切り込みがはしり、その形を崩していく…
高性能なパルスエンジンなのに鈍足、そして質量が大きい理由の一つとして、
土台基礎部分及び各基礎施設の建屋部分をある程度の形として植民船に組んでいる。
現地にて迅速に最低環境を整える為だ。
なんだかの現地作成工場を稼働までもってかなくともある程度ならば、
植民船の工場で対応可能と入植初期を支える。
土台が組み上がりつつある中、続いて軌道上に待機していた小型運搬船が地表へと着陸してくる。
小型運搬船は、デューテリウムはグラム単位が基準であるがため、
値に100,0000倍かけて計算するが、
5000tの運搬容量をもち、
火力は最低限のデブリ破砕レベルの対宙火器程度、
防御力は軽戦闘機よりは上レベルというあたり。
移動能力は植民船の2倍あたりの鈍足だ。
だが万能的に運搬能力があり、近場には最適であろう。
無事着陸した小型運搬船の貨物室から加工済みの資源が建屋へと作業ロボットによって運ばれていく。
「指導者エッサン、開発準備完了いたしました」
「まずはメタル加工工場を」
その姿がなくなった植民船のパーツに組み込まれていた建屋が、
作業ロボットにより組まれていく。
メタル加工工場は一般的に地下深くあるメタル鉱脈から基礎系資源のメタルを産出し加工、
利用できる状態までもっていく。
建屋や基礎部分は作業ロボットたちが迅速に行い、気密は完全でないも作業できる段階までものの1秒程で組上がる。
「指導者エッサン、完成しました」
「クリスタル加工工場と、次にデューテリウム加工工場を」
順次に建造命令が出る。
クリスタル加工工場はメタル鉱脈より深部にあるクリスタル鉱脈を採掘する。
産出されたクリスタルは半導体等の元となる高級資源であり、
先のデューテリウムインゴットも含めて、
メタル、クリスタル、デューテリウムの3つの資源により艦船は組上がっていく。
クリスタル加工工場とデューテリウム加工工場は若干時間がかかって…といっても合計6秒程でだが組上がっていく。
「光エネルギーセンターを」
エネルギーの入手先は、先にも述べていたがデューテリウムインゴットを利用した高性能核発電ともうひとつ、
ほぼ無限にふりそそぐ恒星からの光エネルギーを利用した発電所がある。
特に大気に阻害されない惑星であったら宇宙空間での発電同様に大変効率がよく、重宝される手段だ。
半導体による光熱電池により電力として変換していく。
せっかくの恒星からふりそそぐ光エネルギーを利用しないわけにはいかない。
「発電量がまだ足りませんね」
デジメーターの値は2.2Mwをさしている。
「もう一段階追加か…」
元植民船のラボユニットに作業ロボットらが建屋から資材を運び込んでいく。
次の段階は4.8Mwへの出力計算になる。
ラボから光パネルが運ばれてきて、増設発電量が飛躍的に上がっていく形だ。
16秒程で次の段階へとあがる。
「あと建屋でのこっているのは…各倉庫と、戦艦工場と、ロボット工場と科学技術研究所か…」
建造開始してからたった1分もかからず資源産出態勢が整ってく。
「まずはメタル倉庫」
加工工場内の備蓄できる量はすくない。自動的に収集できる倉庫が必要であった。
現在のところ着地している小型運搬船に仮置き場している状態だ。
「ところで…何故あの位置にだ?」
一際離れている位置に建屋が組み立てられ始める。
「今回の大脱出において新たな連盟法が決まりまして…」
決まった連盟法を説明される。
「つまりだ…今まで通り居住区画への攻撃は万が一他の勢力がいた場合でも禁止、
その変わり防衛施設への攻撃は認め資源の略奪も認めるというわけか…」
「そうですね」
「占領は認めないと…宇宙海賊に関してはどうなんだ?」
「宇宙海賊もいきなり真空惑星において居住区画への攻撃は、
身代金等がとれる要素が無くなりますから、その心配は…」
「…確かに…」
建屋が6秒で組上がっていく。
貯蔵量が10,000tから40,000tへとふえた。
追加拡大していくと次は全体で100,000tになる。
「次にロボット工場と…」
ロボット工場は作業ロボットらの製造、メンテナンスを行う。
作業ロボットが増えると、建物の建造スピードが効率化される様になる。
植民船内に用意があった為に追加投資なく、もう一段階通常より規模が拡大した形で、
約6秒にて戦艦工場や科学技術研究所の建築に必要な作業ロボット数の工場がたて上がり…
「指導者エッサン、そろそろ科学者が必要になってきます。
冷凍睡眠装置から目覚めさせましょう」
「そうだな」
電力、酸素発生装置も問題がなくなっていき、生命維持に必要な量が確保供給されていく。
居住区画として用意された箇所も問題ないと表示されていた。
「それと、科学技術研究所を」
科学技術研究所は冷凍睡眠装置から科学者らを起こして技術研究し、再び国として発展していくのに役にたつだろう。
8秒にて建屋が組み立てられ…
「あとは海賊に対して備えと反撃の準備だな」
「まずはガソリンエンジン製造技術が必要ですね」
「今さら旧型エンジンなのに必要か?」
「実際のものつくりには試作品作る事で不具合がなくなります。
また自動製造プログラムの再構築は必用です」
「じゃあ…研究所に開発命令を」
「約1分半かかります」
「研究所に入られる人数はまだ限られてるからなぁ…やってくれ。
その間に戦艦工場を」
戦艦工場は全ての艦船、防衛施設を製造する施設だ。
規模が拡大していくごとに生産できる物が、技術取得しプログラムさえあれば増えてくだろう。
作業ロボットらの恩恵で工場建屋は8秒で組上がる。
「ふむ…あとは産出できるようにするか」
まだガソリンエンジンの開発は終わってない。
エネルギーセンターが16秒で拡大、
メタル加工工場とクリスタル加工工場がそれぞれ1秒で追加パーツが組み込まれ、
余剰発電量がすくなくなり、
エネルギーセンター拡大命令…42秒の予定中に、ガソリンエンジン開発終了が告げられ、
「さて、軽戦闘機生産か」
軽戦闘機生産プログラムを起動し…
「1機あたり12分か」
「まだ規模拡大してませんから、その位はかかりますね」
1機生産命令を実行。
建屋倉庫や小型運搬船からメタル3,000t、クリスタル1,000tの資材が戦艦工場へと運ばれていく。
軽戦闘機はもっとも基礎的な恒星間戦闘飛行艇で、装甲は薄く火力も弱い。
戦闘中はより大きな艦船の支援…つまり盾となる存在だ。
艦船への直撃弾1発を敏捷力でもってその身でもって受けきる役割をもつ機体である。
無人戦闘機であるからこそ可能といえよう…
勿論有人搭乗可でもあるが、少ない人口を減らす選択はまずないだろう。
だが…まだその艦船自体すらなく現在は主力火力戦力といえた。
恒星間と名称つくのがわかる通り、銀河間もガソリンエンジンながら時間がかかるが、単独での移動可能な機体でもある。
それだけ利用しているデューテリウムが万能といえた。
「指導者エッサン、ガソリンエンジンの整備が可能になりましたので、
軌道上の軽戦闘機を再利用しましょう」
「そうだな」
船倉があいた小型運搬船を送り出し、再利用できる様に燃料の注入をおこなう様にプログラムが実行。
離陸する小型運搬船を見送ると…
「指導者エッサン、緊急事態です。
付近に宇宙海賊拠点らしき痕跡がみられます」
ガタッ!!
エッサンがイスをならしてしまった。
「先に宇宙海賊がこの星域へ手をのばしていたか…」
「ですが…我々はもう逃げられません」
「ああ…」
軌道上に待機していたスパイ衛星が探知したのだろう…
現時点で脱出には植民船が必須でもある。
今着地している小型運搬船は基本資材専用船で、
ブリッジに搭乗して運搬可能人数は15人程度であった。
それ以上は一時的には可能であるが、酸素供給量が追い付かない。
追加オプションつけても300人がよいところだ。
大量に人員が運搬可能な植民船はパルスエンジン技術が必要で技術はまだ開発すらもしてない。
更には100万人規模になると冷凍睡眠装置が必要で、それの再利用ができなく、製造ができないのもいたい。
使い捨てタイプだからこそ蘇生率が限りなく100%に近く、
巨大な解凍装置も必要としなかった。
基本タイプの植民船は酸素供給量の関係から500人が限界であった。
勿論、500人以上の移動には客船タイプもあるが紙装甲な上に、その他の資源の運搬には適してない。
「まずは、スパイ衛星を派遣して調査しましょう」
スパイ衛星、勿論無人だが、かなりの高速で宇宙空間を渡る。
ただしその分防御は考えておらず…ばれたらもれなく撃墜されるだろう。
「よし、派遣してくれ」
命令受諾した5基のスパイ衛星は星域内の調査に向かい、11秒にて海賊拠点と思われる調査を終え、
帰還の途につく。
使い捨てではなく再利用可能であり、その点資材節約可能な高性能といえよう。
使い捨てでは、毎回クリスタルが1機あたり10,000t必要になり、
とてもでないが迂闊に使う事ができない。
更に現在は生産にはスパイ技術が足りず、消失すると生産はまだできなく、その点再利用可能は嬉しい。
「転売を行う小型拠点だと思われますね…
防衛施設はロケット発射基5基のみ、無人惑星と思われます。
チャンスです。攻撃して資源を奪っちゃいましょう」
「ああ…」
スパイ衛星の調査結果がかえってきた。
惑星は2-251-17の呼称がつけられ、
つまり251星域の17番目に発見された移住可能惑星だ。
ただし海賊側の手に落ちている為に移住候補にはあがらない。
防衛施設はロケット発射基のみ。
建造費が割安な地対宙防衛施設の一つだ。
実体弾を打ち出しているのがわかる通りさほど火力的には強くもない。
正直話すと他の防衛兵器の身代わり盾といえよう。
宇宙からの攻撃で、他の高火力防衛施設に向かう火線を少なくなくする役割だ。
また、一つでも防衛兵器が残っていれば、回収作業を邪魔する事ができる為、
大量に揃える事で全滅を防ぐ役割もあろう。
火力的には軽戦闘機1:1あたりで、
今回のロケット発射基5基だと、軽戦闘機4機や5機あたりで送ると全滅する恐れはあるくらいの火力はある。
デブリ用の火力しか備わってない小型運搬船だけ送り込むと…5基だとしたら10隻あたりなら全滅するだろうか…
軽戦闘機の10機の全力出撃で攻撃火線において被害なしか、1機〜2機の被害ですむあたりと推測された。
欲をいえばもう10機軽戦闘機がいれば、被害は火線数から皆無になるといえよう。
2-251-17の惑星資源はメタル8,000t、クリスタル5,000t、デューテリウム1kgの資源が確認されていた。
小型運搬船10隻も要らないが火線が少しでも欲しい為に送るべきとの助言。
「全力出撃で目標2-251-17を攻撃せよ」
着陸している小型運搬船から資源が運び出され浮上、惑星軌道上の軽戦闘機10機と合流し、
計10隻と10機の無人部隊が惑星軌道上から離脱し、攻撃へと向かう。
戦力的には負けはしないだろうが結果がでるのは片道20分踏破後になる。
―提督…いつか敵はとります。
これからこの星は更に強化され、国再建の礎となろう…
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