第011話 惑星コムネス編02 中世?の惑星コムネスに住む人


ミッドライド…私たちの言葉で豊かな大地と名付けられたこの世界。

私たちはこの大地、ミッドライド大陸にすんでいます。

聖地世界樹を含む中央部に憎き短足族、
大陸の西側に私たち長耳族。
そして種族を中心とした国々がつくられています。

憎き短足族とよばれてるには、私たちの歴史が語られます…

元々は、私たち耳長族の祖先は大陸中央部にある聖地世界樹に住んでいたと伝わってます。
世界樹の枝から私たち耳長族の祖先が生まれ、長く世界樹を中心とした街を形成してました。

ところがある日…憎き短足族に聖地世界樹に住んでいた私たち耳長族祖先は虐殺され、
一部の逃げられたものが生き延び、未開地であった西へと移動し始めました。

ですが憎き短足族は生き残った祖先にも追い襲いかかります。

西へと西へと祖先は逃げ、世界樹から未開な大地を西に約600クランすすんだところに、
大陸を南北にはしる大きな峡谷…今では聖峡谷と呼ばれてます。

深い垂直に切り立った谷が南北にはしり、峡谷の幅は狭いところでも0.5クラン、
また上から谷底は光が届かなく見えない程深く、
後の探検家によりわかりましたが、約1クランの深さがある谷でした。

祖先は谷際まで追いつめられました。

この谷を渡れば私たちは生き延びる…

祖先は神秘の力により聖峡谷の西側に逃げ延び生き残ったと伝わってます。

短足共は聖峡谷の東側で悔しがりました。もう手だしができません。

生き延びた祖先は聖地世界樹奪回を心に誓い、どうすれば良いかと皆と話し合いました。

短足族に負けない国をつくり、軍をつくり、それでもって短足族を滅ぼす事を誓いあい、
未開の地である現在の耳長族国家の土地を探検開拓し始めました。

未開の地の開拓は困難を極めました。
ゴブリンやオークをはじめとした魔物…勿論世界樹近辺にもいたそうですが、数が違いすぎました。
そして聖峡谷の東側ではみられなかったミノタウルス等…

この世界には魔物、魔獣の存在がいます。
魔物は私たち耳長族と会話を成立させずに襲ってくる二足歩行動物…
そういった定義では短足族どもも魔物に当時はされたでしょう。

魔獣は私たち耳長族を襲ってくる獣…
肉食獣は勿論ですが、草食獣の中でも好戦的に襲ってくるのが含まれます。


祖先は一人一人の武ではオークにひけはとらないものの、
ミノタウルスには一人では武が悪く、犠牲を払いましたが集団にて闘う事を学びました。

そして火龍から土地を勝ち取り…

時代は流れ…聖峡谷の西側で私たちはいくつもの国を営む程発展し、
私たちは聖峡谷に3つの橋をかけ聖地奪回へと軍を進めます。
この年を紀元0年と私たちはしました。

3方面からの軍は順調に世界樹を目指します。

短足族どもは聖峡谷まで進出せずに聖峡谷から東へ約250クラン進んで始めて戦闘があったと伝わってます。

世界樹奪回目前まで軍を進めましたが、短足族どもにの必死な抵抗に断念せざるえない事態になりました。
短足族どもには卑怯にも世界樹を盾に籠城したと…
世界樹を傷つけ中にすみ要塞化していたと!!

奪回をめざし100日程争ってましたが、多大な犠牲、兵糧も持たなくなり第1次奪回遠征は断念、
途中の短足族の土地に前線都市を作り上げると私たちの国は始めて聖峡谷の東側へと進出しました。

私たちの軍は短足共の軍と違いエルシュ兵主体で編成されてます。
短足共は近接戦闘に長けており、その為に、75トーの距離まで放てるロングエルシュが選ばれてました。

エルシュとは、木を削りだし両端に紐を結び弦とした投射兵器で、
投石武器から発展した私たちにあった武器です。
直射できるなら必中で、数々の獲物を仕留め、
曲射する遠距離なら数をあわせれば矢ぶすまが可能です。

直射時に炎龍の目に突き刺さった矢に、更に矢があたり押し込み、動きを止めたは有名な逸話です。
外が硬い炎龍でも柔らかい部分を射し、更にその中の重要な箇所を貫けば…といふ事でしょう。

エルシュ兵は短足族の斧兵等に接近され近接戦になれば、最低5名で当たれと軍では教育されてます。
エルシュではなくナイフにより戦うからです。

遠征の都度に聖地奪回の為の援軍、兵坦の負担を減らす為に東側へと進出してましたが、
第18次遠征時に短足族に私たちのロングエルシュが効きにくい重装歩兵が出現しました。

盾を装備し、胴体部をまもる上半身鎧を着込み始めたのです。
短足共の盾は裏側の中央部に輪が付いていて、それに腕を通し把手を握って盾を構えるスタイルになり、
両手斧が主体であった短足共が片手斧を持ちいり、
上空から降り注ぐ私たちの矢を盾で防ぎながら突進してきて食い破ってきました。
脚を狙おうとするも、プレート、ブーツと適格に護っています。

重装歩兵の弱点は…?私たちの研究者は考えました。
30トー以内の直射なら兜の表面の隙間、眉間や眼を的確に撃ち抜く技量が私達にはあるため、
連射速度をあげる必要がありました。
ライトエルシュ、そして騎馬エルシュ兵の誕生です。

威力射程はロングエルシュには劣りますが、3秒間に2射放てる連射性能、馬上にて小回りのしやすい取り扱いのしすさで、
また馬…私たちの友に馬がいます。彼らは今までは馬車等につかわれているのみでしたが、
騎馬エルシュ兵となり私たちは戦場を瞬間時速12クラン以上で駆け抜ける機動力を手にしたのです。

重装歩兵の鎧で覆われてない箇所、特に視界確保の為の顔面を的確に狙いました。
短足共は真似しようともできません。
私たちの技術の鞍を真似ようとしましたが…脚が届かなかった、
短くしたら短足族の武器で安定感がなくなる等あったようです。

騎馬エルシュ兵という技術で、私たちの国が押し返された分を再び取り戻しつつでしたが…

第30次遠征時に短足族は斧を捨て、長槍による重装歩兵の密集陣形という戦法をあみだしました。

短足共は今までは片手斧、盾、兜、上半身鎧というスタイルで戦ってました。
密集陣形は鉄槍、盾鎧というスタイルで、隣の者が自分を守る、鉄長槍が隙間からのびる、
また槍により上空からの矢を防ぐという、正に針ネズミの壁が迫ってきます。
私たちで取り扱いできない重い槍でも短足共は取り扱いでき…
私たちの軍は惨敗し、再び聖峡谷近辺まで押し戻されます。

紀元515年、発明家レオダニス=トルメイがバウを発明、
私たちの軍に再び反撃の力をもたらしました。

バウは足と背筋の力により弦をセットし、放つタイプのもので、エルシュ力は約18ジュエルであり、
1分間に2発程度であるも、数を揃えて短足どもの盾や鎧を貫く威力を発揮し、再び勢力範囲を東へと広げはじめました。

バウの威力に対して短足共は兜や鎧で厚さ10ミーで全身を覆わざるえなくなり、
特に関節部分が短足共の体格では動けなくなる結果になったと伝わってます。
つまり木偶の坊と化したのです。
それほど動く事ができなければ投石機の出番です。
そこで短足どもは厚特大盾、20ミーの厚さがある鉄製の盾で、
重量が約120ジュエルあるが為に片手取っ手では構造が保たず両手持ち、
短足族でも流石に取り回しができないほど不便で、
戦場の大地に突き刺し全身を隠し、バウの矢がつきて突貫しか対抗できなくなりました。

紀元601年、短足族の中で新興国が建国され、瞬く間に周囲の国を滅ぼし、軍事国家を作り上げ、私たちへと侵攻してきました。

その国家は重装象兵…短足どもの軽量鎧技術を用いたフルアーマー戦象を多用しました。
過去に戦象が投入されたケースは多々あります。
戦象の時速8〜10クランで迫る巨大な突進力は脅威であります。
ですが弱点がいくつかあり、体重のかかる足元、的がでかい、また動物的本能で火を恐れ、
更には繁殖成長に時間がかかり、一時期多用した国は補充に追い付かなくなり滅びたと伝わってます。
また突進力が強い代わりに方向転換があまりうまくなく背後から狙うも定石でした。

私たちは的確に皮膚が薄い箇所、目や足元をロングエルシュの矢で狙い、打ち倒してきました。

ですが重装象兵は的がでかい以外の弱点を潰したと言えましょう。
目すら厚い兜で隠され、
私たちのバウでは、重装歩兵並みの戦象の鎧はつらぬくも、
巨体に合わせた中空の隙間があり、分厚い象の皮膚に突き刺さる程度で、倒す事が困難でした。
人で言えば針で刺さる程度であり、たかが一本程度では死にません。
矢の安定翼が原因ともいえ、翼が無いと射程が極端に下がります。

そのまま使用せざるえなく、百発程刺し出血死を狙うしかありませんでした。
象使いを狙うも、鉄製櫓の隙間を狙わなければなりませんでした。

私たちの聖地奪回連盟らは深い堀で足止め、後に開発された強バウやガッバウ、それと投石器で重装戦象の鎧ごと貫くや潰す形でなんとか対抗できました。

強バウはギアによるエルシュ力上昇を目指したもので、75ジュエルのエルシュ力をほこりました。
ただし、対重装戦象用に安定翼が使えない為に、矢が射出後安定しなくなり有効射程距離は落ち、危険度はまします。
またギアで膨大なエルシュ力をセットさせる必要があり、大体巻き上げてセットに4分かかります。

ガッバウは人が撃てるサイズというバウの思想を捨てた大型のバウで、運用には複数の人が必要とします。
元々は攻城兵器としてバウを利用できないか?と考えられてました。
強バウと同じくギアの力で弦を引き、重量のある分金属製の矢を放てるようになり、威力がましました。

また先にもでましたが、投石機…
岩を重りの力でもって放り投げる機械です。
古来、手軽な武器といえば石です。
拳に握れば殴る衝撃力がまします。
投げれば投げる速度で威力がまし、両抱えの大きさの石を投げれば速度は出ないも威力がわかりましょう。

投げる速度を増す方法が考えられて簡単な投石紐ですが、
投げる石をのせる部分を中央に、その両端に振り回すための紐が2本ついた形式になっていて、
そして2本の紐の片側を手に装着し、もう片側を装着した側の手の指で持ちます。
この状態で、石をのせる部分に包み込むように石を搭載し、振り回して適切なタイミングで指でつまんでいた紐を離すと…石が飛んでいきます。
殺傷力や衝撃力は高く今でも丸耳族では投石兵として採用されてます。
そしてそれを大々的にしたのが投石機で、
私たちは重りとテコの力によりとばす投石機を発明しました。

それらの威力ある攻撃により、現在押し止めていた形です。

……

短足族との争いの歴史を語りましたが、大陸中央部なら東側はと思いますでしょう。

勿論、文明があります。
まず大陸の東側に小人族の国家が4つほどあります。

次に紹介する丸耳族より小さなかれらは、国を維持するために積極的に傭兵や奴隷を導入しています。
また予算資金を稼ぐに通商国家としてかなりの船を多用してます。

小人族は身長は平均150ミーと非常に小柄で、背を必要とする仕事や力がいる仕事をこなすのが苦手ですが、
身体が軽くヒョイヒョイとものを伝って登っていきます。

そちらの国家では奴隷制があり、私たち耳長族や短足族どもが戦闘奴隷や様々な奴隷として使われてます。
奴隷が小人族の苦手とする仕事を受け持つのです。

戦闘奴隷以外では一般人同様に生命身体が保障され、犯罪被害の防止等も保障され、
仕事の拒否権がないだけの契約に基づく奴隷です。

戦闘奴隷は戦争で活躍する期間限定の傭兵というべきでしょう。

あとは他に犯罪奴隷、重犯罪奴隷というのもあります。


当初、短足族どもとの争いは殲滅戦、捕虜も認めず殺戮にあふれた戦いでした。

ですが私たちの存在を知った小人族が私たちの元へきて、奴隷ビジネスをしたいと申し出がありました。

戦場に残された短足どもの負傷者を買い取ると…
買い取ったお金で武器やその他資源を販売すると…

金銭契約に基づいた奴隷の為、目標金額までいくと奴隷の身から解放され、再び私たちの国に復帰し戦力となります。

短足族どもの東側には丸耳族と言われる種族国家が乱立してます。

丸耳族は身長的には平均350ミー、
少し私たちより低い程度です。
種族的には人数がおおくなりがちですが、
覇権をあらそうのが好きなようで…
なかなか総人口が増えない原因とも言えましょう。

クソどもが私たちに知られるようになるまではそういった歴史を刻んでました。

あと…私たちが使っている単位も説明しなければなりません。
まずは時間…
私たちはメルトス、日の光を放ち恵みを与えてくれるものが、
私たちの大地を回ってくれるのを発見し今では普遍的に使われる日時計を作成、
メルトスの観測及び日時計から1日を24時間にわけました。
また1時間を60分にわけ、更には砂時計を作成しました。
更には年の概念も日時計で発見、1年は335日とされました。

距離の単位のクランは一時間に私たちが歩ける距離を基準とし、
トーはその1000分の1、
ミーは更に1000分の1としました。
トーとミーはそれぞれ原器が存在し、正確にしています。

重さや力の単位ジュエルですが、
私たちのは小麦180粒を1シケルと定義、
48シケル=1ナミとして、
10ナミ=1ジュエルとしました。
1ジュエルが女性が持上げて物を運び、つかれないのに丁度良い単位とされることとなります。
3ジュエルから背負い子や、背負い籠が使用が勧められます。

……

紀元648年7月初め…

東の海より上陸したクソどもは、沿岸の大規模国家、イニシア・ドニルヴィユ国を蹂躙しました。
イニシア・ドニルヴィユ国で生き残ったのは当時、海岸から離れ漁に出ていた中型漁船、
商船にて航海中の者だけでした。

勿論他にも生き残りはいただろうですが、
聖峡谷西側に位置する私らに伝わったイニシア・ドニルヴィユ国の生き残りは彼らだけでありました。
船の逃亡者らは南側の海岸沿いに西へと西へとクソどもから逃げてきて、
海岸まで迫ってくる国境線である山脈から西へと彼ら船を進めると、人の営みがまだあった事に安堵したと聞いてます。

隣接国家の大規模湾岸都市の港に逃げ込みそこで始めて他国へと情報がつたわり…

逃げ込んだ都市の国家名は商業国家ベルサイユ…
直ちに船の逃亡者達は都市の領主へと直談判を求め叶いました。
ですが、領主はそのクソどもを魔物の集団レベルと過小評価、討伐隊をおくり…

その後のベルサイユについての情報は私らには伝わってません。
船の逃亡者らはベルサイユの事をみかぎり更に西へと、見た惨状を伝えに出港しました。

たかがオークやミノタウルス等の魔物集団レベルと思って討伐しにおくり、その後ベルサイユは蹂躙されたのだろうと推測されます。

イニシア・ドニルヴィユ国の西に他に二つの国が隣接してましたが、
海路ではなく陸路にて他の国とつながってました。
その為に私たちにも詳細は伝わらず推測になりますがクソどもに滅ぼされたと思われます。

陸路では徒歩や馬により交易をおこなっており、
馬は瞬間的には時速12クランを超える速度を出すも、全速力は当たり前の様に体力的にもたず、
から荷、乗馬で平均時速4.5クランあたり、長距離移動で平均1日25クランあたりで限界でしょう。
食事をちゃんと食べさせてになりますので、のまず食わずなら更に短くなります。
途中で交換する馬がなくなったらなので使い潰しせずにの距離です。
早馬システムみたく交換する前提でしたら距離は延びますが、
逃げる前提であれば交換できなくなればそれまででし別といえましょう。

交易物積載していれば、普通の移動距離は平均1日10クランあたりです。
徒歩では1日8クランでしょうし、
走れば…この時点では冬ですので旅人の装備をせずに荷物もたずでしたら5クランを時速2.5クラン程度は走れましょうが、
塩と水の補給がとれないとやはりそこまでしょう。

更には…避難民は生き延びる為の食料や水をほぼ持っているはずであり、
また自らの家財…特に服などを背負っています。
私たちで考えれば武器を半分装備して走るようなもんでしょうし、
走る事は脅威が見えたら走る、普通は歩くと思ってよいかもしれません。
陸路では到底クソどもからは逃げ切れないでしょう。

空は?ですが、一般人レベルがワイバーンやペガサスを所有しているわけでなく、
交易面からみてもコストが高くなる、ペガサスは他種族には相性が悪い面からまず空は無理とも言えましょう。

北側の国は海に接してましたが、時期が悪く流氷の時期でしたので…と推測されます。

船の逃亡者らは、丸耳族の国々に寄港し補給しながら東からのクソどもの件を訴えます。
ですが、時期が悪すぎました。

丸耳族の二大帝国の皇帝が、東側大帝国が開催しているパーティーにて城が崩れ、共に崩御してしまう大事件が発生…
疑心暗鬼で多数の分裂国家や独立国家がうまれる戦乱時期にあたりました。

先の乱立という文字があってるほど、
1都市領主が国を興し、大領主が配下の領主の総スカンで没落…
1年とたたずに国が滅び、かといって10年たっていきなり明日には無くなっていた…
といった状態です。

船の逃亡者の訴えを真剣に考え、軍団を編成、小人族領地方面へ向けて出陣した後のクレアド王国に、
船の逃亡者の訴えを聞いてたにも関わらずクレアド王国を占領する神聖大帝国、
慌てて引き返してきて撃退されるクレアド王国等…

真剣に訴えても、まさにそれを利用して自らの勢力を拡大しようとする国ばかりでした。
船の逃亡者らは更に西へ西へと進み、短足族の唯一の統一国家、軍事国家ゲオルク帝国へと寄港し訴え出ました。

……

逃亡を開始してから帝国領に寄港に約2年の時が経ってました。
途中の丸耳族の国々で、彼等の編入工作があったのも理由で、
なにかと足止めくっていたとの事です。

ゲオルク帝国の首脳部は真剣に考え、
私たちへ理由なしの暫くの休戦を提案……
重装戦象の威力に疲弊していた聖地奪回同盟は不思議に思うも、
戦力回復期間と判断し休戦が成立しました。

この頃はまだクソどもの脅威は私たちには伝わってなく、
船の逃亡者らはゲオルク帝国の助言者になってたそうです。

ゲオルク帝国は東側に隣接し、まだクソどもの侵攻受けてないマル耳族国家に恐喝、
軍事同盟の結成を呼び掛けました。

隣接マル耳族国家は驚き、何故此方に興味持ってなかったゲオルク帝国がと疑心暗鬼になり、
自らの勢力を護るために軍事同盟に参加したり、独立性を保つために同盟参加拒否、
またはゲオルク帝国に無謀にも宣戦布告する国等様々な反応をみせました。

ゲオルク帝国は同盟で統一してあたらねばと、戦端を開いた国及び拒否国へと侵攻しました。

そういった状況下に丸耳族と短足族混成軍が都市へ侵攻中のクソどもと開戦しました。

この混成部隊は合流に従わない国に対しての侵攻部隊だったそうで、完全な遭遇戦だったときいてます。

丸耳族は主に槍騎兵や重騎兵、パイク兵、投石兵や、エルシュ兵で構成。
ワイバーン兵もいましたが、今回は偵察兵との事でした。

短足族は重装戦象と行軍についていく為の昔ながらの両手斧軽装歩兵でした。

今の私達が苦しんでいるのがわかる通り…ワイバーン兵以外はほぼ一蹴されたと伝わってます。

重騎兵、槍騎兵がルレアに突っ込むも撥ね飛ばされ即死、
投石兵の投石は甲殻にきかず踏み潰され、
パイク兵も…槍を付き出すも…
重装戦象もあの重量で飛ばされました。
短足族の両手斧も効かずに飛ばされたそうです。

一応私達に使われてない丸耳族の兵種ですが、
槍騎兵や重騎兵、パイク兵、あとは先程の投石兵があります。

槍騎兵はパイク兵に対抗して新たにでた兵種と呼べます。
人の手で保持できる限界の長さ、3トー以上槍を脇に固定し突貫する兵種で、
突き刺したら槍を放棄し補充にもどります。
騎馬の移動力がないとありえない兵種でしょう。

重騎兵は従来ながらの重装備騎兵です。
ですがパイク兵には相性が悪く、まともに突っ込んだら全滅するおそれがあります。
主に追撃や強襲等、相手の混乱に乗じて被害を与えるのが主な役割です。

パイク兵は騎兵に主に対応した兵種です。
1.5トー以上の長さの槍を持ち、突撃する騎兵に対しての防護柵てき役割でした。
またその槍のリーチで対歩兵にも効果を発揮し、
対抗する歩兵はパイク兵でなければ…と歩兵革命がおこりました。

剣歩兵対パイク兵では一方的であったものの、
パイク兵対パイク兵は消耗と根性のチクチクあいで、錬度と戦術勝負というおんなじ土俵にのぼれるようになりました。

私たちの耳長族各国が本格的に手を取り合ったのは、大陸の東側の丸耳族の国家の数々が消え、
大陸中央部に位置する軍事国家ゲオルク帝国が消え失せようとしてた時でありました。

この頃には船の逃亡者らが私たちの国へと寄港し訴えてました。

真剣に考えていましたが、
あの帝国の重装象兵ならクソどもに疲弊はするが負けはしないだろうと、私たちの共通認識でした。
クソどもを過小評価しすぎていたのも事実です。

紀元650年9月4日

大陸にクソどもが上陸して2年目…
増える亡命兵からの情報で崩壊寸前と聞き、
直ぐさま聖峡谷の東側の放棄を決定、西側への退避を開始しました。
常にとられ取り返しの繰返しの歴史の為に、避難マニュアルはありスムーズにいきました。

避難決定が数日遅れたら避難民に犠牲者が出ていたでしょう。

私たちは聖峡谷にかかっている3つの橋を落としました。
聖峡谷へと次々と落ちてくクソども…少なくとも狙い通り対策を練る時間は稼げました。

対策会議そして対策をとり編成あたりにでしょうか…

ある1つの新たな問題が発生しました。
クソどもの死骸の臭気です。
聖峡谷の崖上には崖にそって軍事的な大都市があります。
世界樹奪回侵攻の際の拠点でもあり放棄は決定したものの多くの住民がいまだ都市にすんでます。

生物は死ぬと腐敗し臭気を放ちます。常識であり、私たちは屈葬にて、死者を自然にて送り出します。

そこで聖峡谷におちたクソどもに燃える水を浴びさせて火種を放り込み、
死んだクソどもを炎の力で臭気を一掃しようとし始めました。

燃える水ですが、死の黒い沼から採取されてます。
燃える水の性質は約210年程前の大火災の際に発見されました。

元々は突如として脚をとられてしまう池であり、死の池と呼ばれてました。
他人の助けがない限り抜け出せない粘りつく水質の水が原因で、
存在がわかった死の池付近は犠牲者が続出の為立ち入り禁止でした。

なにしろ草木をかきわけるとずぼっと足が落とし穴の様にはまりこみ、
そこから抜け出そうにも両方の脚がはまってたら力が入りません。
片方でも高さによれば…力をいれたとたんに足場が崩れ…
回りの草程度では、どっかの丈夫な木の幹に届かないとどうしようもなくなる状態です。
力をいれて抜け出そうにもズブズブとはまり…身体が沈んでいくそうです。

そういった関係で立ち入り禁止区域にされてましたが、
大火災がおき、原因調査団を派遣しました。

そして死の池から採取した黒い水が燃える水という特性を発見しました。

当初は発見した燃える水を短足族との戦いに投入しようとしました。
壺に燃える水を詰めてワイバーン兵による上空からの落下です。

試しましたが…精密投下ができなく誤被害が出る、
短足族が生きながら燃える臭いがトラウマになる兵士が続出、
更には生き残った火傷の捕虜が売れなくなるで、
ノウハウだけになり戦いには投入はされなくなりました。

燃える水を投下し火種をおとすと…
聖峡谷はクソどもの死骸が燃える炎で3日3晩熱くなりました…

その変わりに臭気がおさまった次第で1つの問題にかたがつきました。


まずルレアは甲殻が覆われてない背部が弱点ではあるが、そこに撃ち込むには速度をどうにかしなければならない問題がありました。

橋を落とす前に精鋭部隊が一当たりした結果、
横から騎馬バウ兵で、ルレアの突進をギリギリかわして背後にでれば、なんとかバウの撃ち込みができる有効射程でもありますが、
その場合…強バウを200発近く、またはバウを800発撃ち込まなければならなく、
そのルレアに一撃撃ち込んで、セットし再び撃ち込む前に有効射程から離脱される。
つまり騎馬強バウ兵が1匹のルレアに対してギリギリつめて200騎、また800があたらなければならなくなりました。

私たちの1都市辺りの平均軍人員は今までは1000人であり、そこまで騎馬強バウ兵や騎馬バウ兵は配備されてありません。

速度を落とし2射目、3射目をルレアの背後に撃ち込むにはどうすれば良いか?

私たちは甲殻から出ている脚に目をつけました。
脚を動かなくすれば速度は落ちます。

ですがルレアの脚の皮膚は固く、チャレンジしましたが、突進速度では400騎でもわずかしか速度を落とすしかできませんでした。
一番の問題は脚のタイミングです。
殆どの矢は脚の振り上げで弾かれ、脚の降り下ろしで角度をずらされて刺さらずでした。
脚に刺さったのは接地時の時のみです。

接地時間を増やす必要がありました。

勿論先の聖峡谷にて使用した燃える水を詰めた壺による、空からの攻撃も行いました。

ですがルレアは速度が早く当てても甲殻と速度によりうまく肉体に燃え移らず、効果的ではありません。
前方に投下しても火渡りの様なもんで…裸足で熱した炭の中を歩いても、一瞬でしたら肉体に燃え移らない祭りです。
速度が落ちないと燃え移らずダメージがいきません。

そこで正面にて威力を受け持つものが必要…と…
逃げ出してきた短足族からの情報も重要でした。
ルレアをファランクスで脚を止める事ができなくもない…との事でした。

当初は短足族もファランクスで対抗できてました。
だが、日時が過ぎるにつれ10未満だったルレアが、50台になり、100超えたら防ぎようもなかった…と悔しがって語ります。


その発言によりルレア正面対策にファランクスが採用され、
軍再編、1都市のあたり軍増強と共に、
短足族の指導のもとファランクスが編成されました。

通常横4列の片手長槍の装備で左と後ろから圧力をかけて守る仕組みですが、
短足族の考案したファランクスは武器を盾内に仕込み両手で構えられる様にし、三角型に列を組、そして逆三角に列を組む形で、
ルレアの直進性を利用した、トップから受け止める形になります。

短足族は横17名が最大で、289名で組んでいました。

非力な私達は横22名が最大、442名でファランクスが組まれ、通称死確隊となづけられました。
戦死確定隊です。
まず先頭に立つベテランは間違いなく圧死でしょう…
その次の列、次の列、次の列、次の列…
20列目の中央の者までは死亡が予想されました。

短足族らは大体15列目で止めたと言ってます。死こそ誉れとされてましたが、私達はちがいます。
勿論誰もが死亡確実な隊に入りたがりません。
そこで私たち連合は残される家族の確実な保護避難、西岸のゴア国への最優先移住を約束しました。
ワイバーンによる家財輸送付きです。
家族を一番に考える私達は死確隊に募集が殺到しました。


散々クソどものなかの1種別をさすルレアをつかいましたが、
他にもいるのを私たちは研究し確認しています。

スコーピオンに似た形から、スコーピと名付けられた3トー程の大型の個体。
ルレアのあとに来るものです。
全体的にはルレア程は硬くはないものの、
圧倒的な力で、戦象すら殴り飛ばし城壁をも破壊する両椀が脅威です。

人の手がついたランチュラの様な外見をして、ランチと名付けられた個体、
胴体に口及び歯があり鉄鎧を1噛みで食い破り、防げるものがありません。
重装戦象の鎧も喰われたそうです。
時速は20クレアをだします。

小型の象の様な鼻をもつ二足歩行の個体、
私たちはダルシムと名付けました。
この個体は戦象なら脅威ではないものの、鎧兜をきた兵士でも、兜を掴み頭を胴体から引きちぎる腕力を持ち、
1対1なら対峙でなんとかなるも1対2になると横合いから引きちぎられる…
ましては胴体と頭のみ兜鎧というパイク兵ならば、鼻で胴体を殴られれば…
鎧の強度によってちがいますが、
真っ二つか吹き飛ばされるかで死亡でしょう。

ルレアはクソどもの中で私たちの重騎兵を担当する様なので、
露払いとして一番の脅威とも言えましょう。

丸耳族や短足族混合軍では、
ルレア以外は騎兵のチャージアタックでなんとかなり、ダルシムは兵士でなんとかなるものの、
ルレアの硬さ及び速さは混合軍もまいりました。
速さや硬さや重さ=威力になるのはわかってたので、丸耳族は希少なワイバーン兵による自殺突撃しか手段を使ったそうです。
ワイバーンに石を掴ませて最高速で突撃する…いたって簡単な事です。


会議のはじめではでてこなかったのですが、ワイバーン投石兵、ワイバーンランス兵、ペガサスバウ兵という兵種も新たに試みられ、新規に編成されました。

ワイバーンは速度や航続行動距離はルレア以上出すも、ひとつ問題がありました。
搭乗兵の受ける風圧の問題です。

ワイバーン投石兵は、速度による風圧は関係はなく、
単純に重い岩をワイバーンの両手両足に掴ませて、上空から岩を落下させるというものです。

普段の攻城戦の落石からヒントをえて、
高度をさらに得れば、岩等が重ければと編成されました。
問題は垂直に高度をとるのがワイバーンにとっては苦手で、一回投石後は30分は同高度までかかります。

ワイバーンランス兵は投石では殺したい個体に対しての命中率の悪さの問題に対してを考え、編成されました。
ワイバーン兵は希少であり、丸耳族みたく自殺突撃では使えません。

ワイバーンは水平速度は時速60クランを超え、落下になると時速100クラン以上だし、
その速度を攻撃にいかせられないか?との考えでした。

しっての通り槍騎兵はランスチャージで速度をもって敵陣を崩します。
ランスチャージを横合いから受けたらまさに瓦解するといえましょう。

その速度が増せば、槍が重ければ…おんなじ考えからでした。
ですが騎乗している者はそうはいきません。

まず25クランで風の抵抗がきつくなり、40クランで低くしがみつく態勢にならならなければ、非常に厳しくなります。
風の抵抗で落ちたら死亡しますので…
綱はワイバーンに方向を伝えるものであり、飛ばされないものではありません。
鞍はつけるものの…非常に厳しくあります。

その状態では兵がランスを持って投擲できるわけもなく、
ワイバーンがつかんで投下します。
非常に威力のある攻撃といえますが、騎乗兵の度量で左右されます。

ペガサスバウ兵はペガサスに騎乗しバウを撃ち出す兵種です。
ペガサスは時速15クランとワイバーンに比べ低速ですが、小回りが非常に上手いです。

ルレアが通過するタイミングで降下して背後をとるのを期待されます。


燃える水による燃焼で、時間を稼ぐことはできましたが…

聖峡谷がクソどもの死骸の甲殻で埋まり…速度を緩ませなく渡るルレアが出始め、
西側へとクソどもが侵攻してきました。

私たちは稼いだ期間を使い、まずは堀を大陸南北にほり、城壁を建築中。
また3国の領地から住民を避難させ戦場ときめていました。

紀元654年4月11日

予測時期はほぼあたり、私達の連合軍25万超が迎撃にあたりました。

まずはワイバーン投石兵ワイバーンランス兵による攻撃です。
落石後の生き残りのルレアに向かってランス投射します。
ペガサス強バウ兵がルレア通過後の背後を狙える位置に急降下し放ちます。

突破したルレアに向かって万に及ぶ火弾が降り注ぎます。投石機による投射です。
重量のある燃える石が当たればルレアの甲殻を貫きます。
貫かれたルレアは内部から燃え上がり崩れます。

くぐり抜けたルレアはその先の堀に落下、逆さ杭に突き刺さり死亡してきます。

3列の堀を突破したルレアが出始め死確隊と激突します。
死確隊と激突したルレアに城壁上からガッバウが撃ち込まれ、横合いから騎馬強バウ兵が襲いかかります。

ですが数が多すぎました。

投石後のワイバーン兵は補充しに戻ります。穴をランス兵が埋めますが4本しか持ってません。
投げるランスがなくなりもどってきます。
ペガサス兵もルレアの数が多く対応しきれてません。

投石機も急いで発射体制へと準備しますが、次弾装填に5分程かかります。

死確隊が対応しきれない数が押し寄せてきました。
強バウ騎兵も各個に対応しますが、城壁にルレアが突貫…石を撥ね飛ばして城壁を突破し、無防備な投石機へと襲いかかります。


結果は惨敗、空の騎乗兵は2割減、騎馬エルシュ兵は9割減、徒歩行軍の必要な兵種は誰一人と戻ってきませんでした。

全てを費やし製作した威力のある攻城兵器も全てうしなったのです。
後方の都市に予備はありません…
また約18万人分の武具も失われました。

更に戦場と決めていた国境を越えて避難してない都市へと襲いかかりました。

……

紀元655年1月10日

とうとう私が初戦闘を行わざるえない事態になりました。
クソどもは次々と都市を陥落させ、私達は燃える水の採取地を失い、
1年も保たずににノドマ国西側の私のすむ都市へと来たのです。
ここを越えると私達耳長族の西側の国、
ゴア国になります。
ゴア国には鉄鉱山もなく、私達の都市を失うと武具さえ作れなくなるでしょう…

投石機を生産するのに大体1日に1機の生産ペースです。この都市で全て使うなら約200機は揃えられるはずですが、
殆ど前線へと送り、今現状10機しか都市にはありません。
この都市を戦場にしたくないが都市の総意であり、前線を援助してたのですが…

また私達は失った武具、消費した矢や投射具も生産しなければなりませんでした。
武具がなければ手でクソどもをなぐらなければなりません。

そして今まで語りましたが…私は一般役人でした。
都市の役場において人生の出産記録と死亡記録を管理する役人でした。
ですが私の家族を護りたいが為に軍人になりました。
本当は死確隊になりたかったのですが、力がない為に選抜に落ち、バウ騎兵になりました。

そして夏、猛暑日にクソどもは攻めてきました。

死確隊の偵察隊からの狼煙でルレアの数はわかりました。
本来ならワイバーン兵やペガサス兵が偵察を行いますが、あまりにもの猛暑日が続き火傷を負って騎乗できないそうです。

……

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

うだるような熱さの戦場で、
10発程度では命中すらしない石弾を潜り抜けた4匹のルレアに対し合わせた死確隊が衝突し、
正面衝突で突進力を受け持つもの達が、撥ね飛ばされても僅かながらルレアの速度を落とさせていました。

命がなくなっても私達の後ろには民がいる。まだ避難できてない民の為に少しでも足止めしなければならない。
その為の死確隊!
彼らの宣誓を思い出します。

彼らの負担を減らすには…
その為にはルレアの速度を落とし、脚を殺す必要があります。
横合いからわたしが操る騎馬で突っ込んでいきルレアの脚にに1撃、もう片手に構えた強バウで1撃と確実に矢を射ち込んでいきます。

1射した強バウを馬の鞍に挿している別の強バウと換え、
仲間が脚に確実にダメージを与え、結果速度を落としたルレアの背後へと接近でき、
私はトリガーを引きます。
本当なら燃える水で火矢として撃ち込むのですが…

ですので矢を射った後すぐに別の強バウと換え再び射ちます。
仲間が追い付き、矢が次々とルレアの柔らかい背中に突き刺さり、とうとう動きがとまりました。

(よし!!…仇はとったわ)
足元には死確隊の隊員が潰されて内臓ぶちまけていました。顔はわかりません。

別のルレアに向かおうとした時、
「突破されたぞーー!!」
声が上がった方向を見ると4番死確隊担当ルレアが小さくなってきます。
4番死確隊は全滅し突破されたのでしょう…
熱中症により一番隊員が減った隊と聞いてました。

「バウかして!!」

仲間からセット状態のバウをうけとると馬をはしらせます。
馬の足では追い付かないですが私達の家族がまだ避難している筈です…

必死に馬を走らせますが段々と小さくなるルレアが城壁を壊し…

(だめ…追い付かない…
神様お願い助けて!!)
と思わず願った時…

ボォォォォォォ〜〜

上空から福音らしいのが聞こえ…

……

陽炎がみえる中、黙々と歩いていた私達避難民の列に、街を破壊したルレアが突貫してきました。
私の姉が軍に参加してましたが、負けたのでしょう…
私はもう駄目だと思いました。

今は家財を家族と共に背負い徒歩にて西へと歩みを進めていましたが足を停めて眺めてます。

(お姉ちゃん…)

周囲には馬車を捨て馬にて逃亡をはかる者や荷車を放棄したもいます。

ボォォォォォォ〜〜
聞いた事のない音が聞こえてきます。
死神のお迎えなんでしょうか…

ルレアが此方に向かって人や馬や家財を撥ね飛ばし向かってきます。

ああ、もう駄目なんだなと思った時、
黒い点らしいのがルレアの背後に接近、甲高い連続した音が響くとルレアの脚の動きがとまります。

脚の動きはとまりましたが勢いは消せません。
ルレアの鼻先が地面に突き刺さって勢いよく大地を削りあげます。
大量の土砂と共に人と馬と馬車を撥ね飛ばしますが、その内掬い上げになり、腰を抜かした私の面前でとまります。

ピクリとも動きません。

ルレアは死んだのでしょう…

聞いたこともない音をたてて私に近寄ってくるさっきの黒い点…虫ですがよくみると金属でできてます!!
空飛ぶ金属の虫…いったいなんなのですか!?!?



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