第015話 惑星コムネス編06 トリア号艦内にて…


隊長さんとの会食しビールをのみました。
私は14歳ですが立派な大人です!
ちゃんと月のものが来て結婚できるんですから問題ありません!

子供にはスモールビール、アルコール度の低いビールが提供されます。

会食終わった後会談が始まり…飛脚の話も楽しみましたが、驚いた事に30分で代官が来るそうです…

ワイバーンで来るのかな?と思っていたら……
何ですか!あの三角形ぽいのは!!
空飛ぶ馬車にも驚きましたが、ほとんど無音で着地してきました。
羽ばたきもせずです!

そういえば…あの背負いロケットというんですか火を出して飛べるのも初めて見たのですが…
あれで飛びたいと話したら、普通の人では止まるときにグシャっとなりますよ〜ともいわれました。

飛びたいな、乗りたいなと思っていたら…
空に戻るって話じゃないですか…思わず、

「ついてってもよろしいですか?」

と、声かけたらOKですって♪

カオルさんについて兵舎をでると…

銀色のルーロスっていうのに乗り込んだら…いきなり…全面が…透き通った水面の様になりました。

そして…

「お、おねえちゃん!!」

安心させるようにカオルさんが言うけど…

「空飛ぶ船なんてありません!!船は海に浮かぶだけです!」

雲界にもう突入です。

「おねえちゃん…」

過去には雲の中に住民がいるおとぎ話がありました。
その者が臍をとってきます…不安にかんじると…

「うわぁぁ…」

雲が既に下で…

「おねえちゃんあれ!」

私の指差す方向は海がみえてました。どんどん私たちの大地が小さくなります。

「えっ?空が青くない…」

「黒といえばいいかな…もう少しすれば…」

「うわぁぁ」

青い境目と宇宙の黒の境目…
難しい事いってますが始めての光景にただみとれてます。

「そろそろ定義上の宇宙空間だね。まだ希薄ながら大気層はあるけど…」

私たちの大地は丸かった…
丸いと言われてましたが始めての光景に衝撃を受けてます。
学説で大地は平らで地のはてで水が落ちるとも言われてました。
ですが大地は丸くなってます。

私たちのすんでいる箇所はもう見えなくなってますが、大陸は確認できてます。
この裏側って…水が落ちてるのでしょうか?

「あの、カオルさん」

「ん?」

「今、見えている裏側って…」

「そうだな…いってみるか。ルーロス」

「あいでち」

眼下の私たちの大地が後ろへと見えなくなります。
いえ、ルーロスさんがすんごいスピードで移動しているのでしょう。

そして…私たちのルナはまあるかったのです。
海の切れ目…大地から落ちるところはありません…

「一周できるんですね…」

「君らのルナはまぁるいんだよ」

図らずも学説を一新してしまいました。戻ったら発表できそうです…

「マチュター、ハイパースペース反応、探知。
間もなくウィンドウ形成されるでち」
「お、きたか…」

何もない宇宙空間に靄の様なのが出始め、何かがでてきました。

「うわああああ…きれえ」

次々と靄の中から出てきた拳大の船…遠近法で小さく見えてるのですが、それが私たちの大地へと向かっていきました。

「あれがトリア号さ」

「小さいですね…私たちがのれるんです?」

お姉ちゃんがいってますが…遠近法で絶対にでかいと決まってます。
地上のあの砲弾とやらを撃っていた船くらいサイズは絶対あります。

「まだ遠距離だからな…ルーロス」

ほら…

「はいでち」

だんだんと…えっ?

「うわぁぁ」

想像を超えたでかさです…触れるくらいまで近くになると両方の端が見えなくなります。
こんなのが…

「ようこそトリア号へ」

…………



クソどもに次に侵攻される予定の北の街、トルコは街全体が悲壮につつまれていた。

ダム国に逃げようとも大型船の数が足らない…

本来であれば漁業で食糧を賄っていて港設備もあり、不凍港であるから、大型漁船を使用して避難すべきな筈だった。

だがこの街に所属している船舶は遠洋航海できない小型漁船がおおく、
大型艦はあまり所属してなかった。

勿論北の国テルリア都市連合には大型漁船は多数あった。
だが東からクソどもが侵攻してきた際に、
北海のトワルッコ漁用の大型漁船が多く所属していたゴッホアイトの街からの脱出ができなかった。
理由としては流氷だ。
10月はまだ北海には流氷がある。
11月から3月は流氷がなくなるが、出航させざるえなくなり大型船は氷に潰され海のそこへと沈んでしまった。

あとは南の険しい山々を自殺覚悟で避難するかだ。
ディフォル山脈…雲界以上の山々が続く山脈だ。

見つかっている標高が低い山と山の鞍部でも夏場でも雪に覆われているのが見える。
または海岸沿いの浸食により険しい崖をぬけるの2択しかない。

まず鞍部の避難は現状は徒歩で雪山越えを試みざるえない…

徒歩の理由は地面が露出している為に犬車でいかざる得なく、雲界の上の雪面は犬車は走行不能になる。

冬場であれば街まで雪でおおわれる為に橇が使え、
橇で鞍部を突破し中央部へたどり着けたかもしれない。

少なくとも徒歩で荷物背負って深い雪面では食料が到底足らない筈だ。

この国、いや北部地方は紀元75年頃入植建国と比較的歴史が浅く、
その歴史からディフォル山脈越えの挑戦は何度かされている。
未だに山脈越えたという記録はない。

国をあげて訓練されたプロフェッショナルが挑戦したがその結果であった。
街の住民のほとんどは一般市民であり登山のプロフェッショナルではない。
勿論山脈の麓に基地となる村がつくられた。

雪面限界の場所へ冬季閉鎖村もつくられた…それでも未だに成功はされてない。
雪に覆われたディフォル山脈は魔の山といえよう…

一方海岸沿いだが…
切り立った海崖、そして傾斜がきびしい山崖へと続く。
通るには足が水平に保てる箇所はほぼなく、崖にしがみつきながら通行するしかない。

犬車も勿論通れなく無理に通そうとすれば海へ真っ逆さまに転落する。
そして海崖は海面から25クアン以上の高さが続く為に転落したら命の保障はない。
何でかはわからないが、高さによる落下速度でと人々は考えられてた。

その為に中央部との交流は山脈を迂回した聖峡谷側、もしくは山脈西回りの海路と限られていた。

だが聖峡谷側はすでにクソどもの勢力下、西回りの海路は先の通り航海に耐えられる大型船が足らない…

ただ北部の氷土のお陰でクソどもの歩みはおそい。

死を待つ日々…
それでも食糧を調達しなければならない。

沖合いに魚を釣りにでていた漁船が…

「ん?……なんじゃぁ?」

彼の耳に聞き慣れない音が聞こえ、その方向へ顔を向けると見慣れないのがみえました。
船かと思ったが帆を張ってません。

「ん〜〜…」

手を止めて暫く眼を凝らしてると…だんだんと音も大きくなり…

「うわぁ!っっと」

どこまでもつならる鉄の島が接近して彼の小舟を揺らし船にしがみつかざるえなくなりました。

「な、何が起こってんだへ!!」

鉄の島が……

…………

彼らの悲壮な避難路についての突っ込みについて捕捉しておこう…

まずは漁船は砕氷船なら脱出できるじゃねえか?の意見あると思う。

この惑星には砕氷船の技術はまだない。

地球では案外近代に生まれた技術であり、
1864年に帝政ロシアのクロンシュタット港で建造された水先案内兼曳航船が、蒸気機関で航行する世界初の砕氷船で、
その後、実際に単独航海用砕氷船として建造された船は、1871年ドイツのハンブルクで造られたアイスブレヒャー1が始めてである。

現在の第3世代砕氷船の船体は通常の船と比べて分厚い外殻、及び船底側が形状違うのと塗装にも工夫され、
更には船体を揺らす機構が備わっている。
まずは外殻には逸話がある。第二次世界大戦時にこれは第1世代型にあたるが、
軍艦の砲撃をうけ、上部建造物は破壊されるも、船体は無事だったという逸話がある。

その前の第2世代型に取り入れられた能力に、
氷を割った後に小刻みに揺らして押し出す。それにより割った直後にはまりこむということはなくなる。
勿論人力ではなく、わざとバランスを揺らすタンクのような装置がある。


第1世代はチャージングによる破砕がメインだ。後進して距離をとり、勢いよく氷山にぶつかるの繰り返しだけである。

パワー不足の南極観測船宗谷、4,800馬力、満載トン数約4,600tはよく氷山内にはまり、
救難にソビエト連邦のオビ号12,600t、8,400馬力が駆け付ける事もあった。
もっとも宗谷は旧帝国海軍船からの改造船でもあり、
チャージング能力は無いといえ、連続破砕能力の1mのみであった。
ある意味耐氷船といえよう。
流氷程度なら問題はないが、分厚い南極大陸の氷山には力不足ではあった。
時の日本政府は南極大陸探索を一時中断してでも新造砕氷船の建造を決定した。

そして建造されたのが第1世代型として日本最強が南極観測船ふじでもあり、
こちらは1964年起工の新造艦で、12,000馬力の満載時9,120tで、チャージング能力が6mであった。
連続破砕能力も1mとある。

技術的に無理とわかろう。なら装甲が厚い耐氷船をつくればどうだ!の意見があるが…
確かにただ単に厚くし耐えるなら技術的に可能ともいえるが耐えてる間にBETAに捕まってしまうはずだろう…

次に道路を鞍部に通せば…については…

以前…ダルトンハイウェイに関して記述したが、
ハイウェイはブルックス山脈の中の川沿いを通してるので比較的低地をはしる。
アカディカ川にながれる雪解け水の川沿いにあり、
最高高度がチャンダラー・シェルフ空港から北側のアティガンパス、標高1460m超の部分だ。
1460mでは北極や南極大陸等の緯度でなければ全面万年雪にならず、夏期では雪に覆われてない。
しかも低層雲より高度は下だ。

自動車でなら夏期なら通行容易といえよう。

それでも例えば自転車でチャレンジするなら…言わずともいれない。
アップダウンが続く難所の道といえ…夏場でも遺書が必要とするだろう…

アラスカのブルックス山脈は万年雪が存在する箇所は標高3000m以下の山々であり、谷間にしか残らず、稜線からは消える。

鞍部の稜線から消えないとなると標高3500m以上といえよう。
鞍部が標高3500m以上ははっきりいえば登山といえ…

登山の歴史はヨーロッパでは比較的長いが、
それでも万年雪の存在する4000m以上は死の世界と長い間呼ばれていた。

富士山の3500m付近では年中雪は降らない。
ただ3500m付近でも緯度の高いスイスアルプスでは一年中雪が積もって、また気候の関係で8月でも吹雪が吹き付ける。

スイスアルプスの緯度は日本にあわせると一番南側で札幌市付近、平均的に稚内近辺の緯度になる。

稚内市の夏場の平均気温は17度〜22度。
そして標高が1km高くなると気温は6度下がり、
スイスアルプス最高峰はモンブランで4807mで気候の関係もあるが年中雪に覆われているわけだ。

で…雪山にアタックすると…

かの有名な八甲田山遭難事件をおもいだせる。
八甲田山は青森第5連隊所属部隊が雪中行軍し、210名中199名が命を落とした事件である。
1泊2日の行程で田代までむかう計画であった。
地元の人でさえ無謀だと意見があったのに挑み、田代へむかう最中、猛吹雪に遭遇、道に迷い、氷点下22度で野営せざる得なくなり…

青森駐屯地では3日目の夜にも帰営しない部隊を探しにに4日目、26日に救助隊の派遣を決定するが、
冬の八甲田山の捜索は難行し、発見したのは5日目の27日、生存者1名救助遺体2名を発見。
連隊本部に部隊全滅の報告をし、大々的に救助部隊派遣するが、
次に生存者が見つかるのは9日目、小屋に避難していた集団で生存者2名、遺体10名であった。
最後の生存者が見つかったのは11日目の事で、この頃には救助後に死亡も相次いだ。

遭難の起きた原因は多数あるが、
まずは冬山への認識不足と対策装備不足をあげたい。

雪中行軍時将兵の装備は、特務曹長以上が、毛糸の外套1着、毛糸の軍帽、ネル生地の冬軍服、軍手1足、長脚型軍靴、長靴型雪沓、
下士官が、毛糸の外套2着重ね着、フェルト地の普通軍帽、小倉生地の普通軍服、軍手1足、短脚型軍靴と、
冬山登山の防寒に対応しているとは言い難い装備であった。
兵卒の防寒装備に至っては、毛糸の外套2枚を渡されただけである。

そして凍傷対策や食料確保については…
まずほとんどの者が握り飯を食べられずに棄ててしまった。
本来なら体温で保温すれば保持できたものの、外部の冷気にさらされ冷凍お握りになったのである。
こればっかりは個人の知識によろう…

凍傷対策についてはごく一部しかとらず…
生存者の1名は、予備の足袋を手袋代わりに使用し、常に手の摩擦を怠らず、さらに軍銃の皮と毛皮製の外套の襟を剥がして足に巻き凍傷を防いでいた。

知識ある者以外誰も予備の手袋、靴下を用意しておらず、装備が濡れてしまったら換えはなく、
そこから凍傷が始まり、体温と体力を奪われ凍死していったという。

そんな八甲田山は標高1500m台であり、行軍する予定の鞍部は更に低地だ。そんな低い高度でさえ雪は恐い。

更に高い高度となると…高山病が加わる。
高山病とは知っての通り急激に気圧が低くなるり、身体が酸素が薄い高地対応に失敗するとかかる病気だ。
高地にきて4日間内にはかかる恐れがある。
こればっかりはなると薬や酸素ボンベが必要であり、
対策としたら標高1500mあたりで4日以上すごしてアタックといえ…
少なくともその分の食料は必要といえる。

更には彼らに高山病の知識があるかは微妙だが…
因みに1200m〜1800mでも発症することはする。

それがミックスしたエベレストアタックになると…
まず無酸素ではほぼ無理といえ…チャレンジャーがでたが7950m付近で断念し、下山し今も生存だ。

デスゾーンといわれる8000m以上は数多くの未回収の遺体が正しい登山ルートの目印となっている。
有名なのはグリーンブーツとよばれる目印だ。
インド人登山家ツアング・パルシャーさん。
彼の登山靴が緑色の為、彼が死亡している崖が北東ルートでのオーバーハングのポイントであり、
グリーンブーツケープと名付けられた。
そういったカラフルな遺体が数多く存在しているのが虹の谷といわれる。

そのグリーンブーツの間近で2006年に死亡した、デイビィッド・シャープさんは論議を招く死に方をしたが…
救助隊編成できないガイド会社と契約していた、また彼を発見したのは下山中の疲労したチームだけであった。

一方、登山中のチームに発見されたリンカーン・ホールさんは、チームが踏破を諦め、そのチームが救助隊を送ってもらった幸運で助かった。
費用はそのチーム持ちなのだろうか…?

踏破後の正しいルートがわかっていても今現代でも死人が続出する死の世界であった。

万年雪が存在し緯度が高く、標高3500m以上へのチャレンジは現代技術レベルがないと無謀ともいえるのがわかっただろう。

なら海岸沿いに道路建設はしてないのか?と意見があるかもしれない。

だが断崖絶壁であり、インドのロータンパスの様な…ただ単に簡易舗装で、土砂崩れによる通行止めが頻発する道でも、
傾斜角度がだいたい30度でつづら折れの道で登りきろう。
日本では有名ないろは坂だ。
ただ現代日本で土砂崩れは頻発せず、いろは坂をコンクリなしに土のみで道を形成したと思えばよい。
ただ標高が上がりきらなければゆるるかかにははらず、
標高があがると万年雪をどうにかしなければならない。

低地の標高100m程ではボリビアの北ユンガスの道…通称デスロードの様に…
ドライバーはまさに命をかけて通行しなければならない道ができよう。

道のコンデションは悪く、基本は幅員は車1台分程度で、すれ違える場所も3m程度しか無い。
山側が断崖絶壁ですれ違いがほぼできず、
さらには谷側もガードレールが無い…
ほとんどの場所で路肩は崖になっており、垂直に800mもの箇所もある。
無理にすれ違うと崖下に落ちてしまう…
唯一海外なのに左側通行が義務つけられ、
左座席の運転手が路肩の様子を見ながら通行しなければならない危険な道だ。

近年はやっと新道ができたために交通量が減ったが、70年間程首都とユンガス地方を結ぶ唯一の道であった為に、
豊かな農作物を運ぶトラック、避暑地に向かう乗り合いバスが頻繁にいききしていた。

このため事故による死者の数が多い事でよく知られていた。
年平均209回の事故が起こり96人が死亡する…すくないんじゃないの?と思う。

その危険さは動画にもあがっている。
たまたま危ないわぁ〜で撮影していたのだろう…

バスが危険箇所通行に乗客を下ろして先に行かせ、車掌の誘導にしたがって進む。
路上は雨でぬかるんだ土の道…山側は軽く土が崩れた跡がある。
ギリギリの道を慎重に進み…もっと山側にふれと車掌が誘導。
ギリギリの箇所をバス前輪が通過し大丈夫かと思いきや、
右前輪が山側の土を踏みすぎ左後輪が支えきれなくなり、
一気にバランス崩し後方が土を削りながらバスは崖下へと…ドライバーが亡くなった。
残された乗客は目の前の惨事に泣き叫んだ。

そんな事故が多発し、過去にはバス乗客100人全員死亡の事故がある道でも、
比較的近代1930年代に建設され工学が発達してなければならない。
当時は馬だけ通行でまだ幅員に余裕があったギリギリの道かもしれないが…
理由としてはまっ平らな水平地面をつくるのに、
場所により垂直90度を超えて100度まで削りこまなければならない。
100度まで削りこむと今度は落石、かけ崩れの危険が生じよう。
現代重機があれば復旧は容易いが…あとはダイナマイト等…
そうなってくると後はトンネルであろう。

トンネルが可能かより先に、犬車を諦め歩道ならどうだ!なら…確かに技術的にも可能だろう。
ただしエル・カミニート・デル・レイの様な崖に支柱を打ち込み、それを足場にする板貼り道か、
崋山の長空桟道の様な崖に楔を打ち込み、楔間をつなげた鎖が足場道になるかだ。

だが雪国である。板貼り道が積雪10mに耐えられるわけでもない。
1m^2の道に積雪10mであるなら、日本の設計基準なら3tの荷重がかかる。

よって鎖道になるが…交易路としては適さず、ただ単に参拝に行くなにも持たない人がつかっていくが、
荷物なしでも年間120名の落下による死者がでている。
荷物あるなら……わかるだろう。


さて…残るはトンネルを掘り雪を回避する選択だろう。
車が通れる程であるなら確かに工学の発達、ダイナマイト等が必要かもしれない。
だが…歴史の紐をといてみると現存最古は紀元前524年建設開始されたの古代ローマの素堀トンネルだ。

素堀りトンネルとは…今私たちが思い浮かべるトンネルはコンクリートを吹き付け、
蛍光灯等の照明が入った管理されているトンネルであろう。
だが素堀トンネルは蛍光灯もない、手等人力で堀り、コンクリートの吹き付けが無く、岩盤が剥き出しのトンネルの事だ。

世界最古のトンネル、古代ローマ時代のサモス島のエウパリノスのトンネルは、
水を通す目的の為につくられ、そのついでに人もというトンネルであった。

今では人の手が入り、水路に金網が、そして照明がケーブルでひかれ、
広場は補強され少し興ざめだが世界最古の現用は変わらない。

当時どの様な工事になっただろうか…
記録によれば1036mの工事期間は15年と大工事であった…

日本では峠道が発達し、歩行用素堀トンネルの数は江戸時代以前はすくない。
だが用水用素堀トンネルの数はかなりある。
なかでも1632年に建造された4.1kmの金沢の辰巳用水の上流隧道と命名させてもらうが…は工期が1年と驚異な速さでつくられ、
今も兼六園へと供水している現役であった。

工期が1年で仕上がったには理由がある。
1631年に6000戸の民家が焼け、金沢城も焼け落ち、
防火水としてもだが生活用水の確保に必要であり、金沢藩が威信をかけて1日15000人導入したのが1点、
用水を約150の工区にわけ、特にトンネル部に集中的に工区を振り分け、
縦堀を139箇所設けたのが2点目になる。
これなら隧道部は1日30cm、他の8kmは1日8m掘り進めばよく…約1年での完成にこぎつけた。

雉取水口からトンネルは始まり今の犀川浄水場の脇まででる。

このように大人数及び時間か工法の工夫があればトンネルは完成できる。
なので結局は迂回路を選択しそのツケがでたともいえていよう。


…………


……

トリア号という白亜の宮殿の中に入ったあたりで…

くぅぅ〜

「レフィ…」

私のお腹がなっちゃいました。

「食堂にいくか」

苦笑するカオルさんに食堂につれてかれて何を食べるか?と聞かれました。
食堂は何を食べるかではなく、出たのを食べるので…とはなすと、
めにゅ〜とやらを見せられました。

めにゅ〜から選べるとの事…
文字がわかりませんので絵で判断してます。

たくさんの食物があります。見たこともない食物ばかりです。

めくってくと…

まぁるい白いなにかで飾り立ててる絵があるところにいきました。

その中には…
黒色と白色で透明度が高い、透き通った器に色とりどりの波うっているすじが、くっきりとわかれていて、
更にその上にまあるい少し黄色がはいっていて、うずまきの白いのがかかっていて、黒いのがかかっているのやら…

「甘いの好きなん?」

これは見たことないのですが甘い食物のでしょうか?

「焼き菓子の蜂蜜たれ、大好きです!!」

「わたしはガレットの林檎あえがすきよ」

「焼きメロンもおいしいです」

思わず甘味談義がはじまりました。
一番甘いのはやっぱり蜂蜜でしょうか…徹底的に煮詰めるととてつもなく甘くなります。
ソースとしてパンにかけて食べるのは贅沢ですが、大好きでした。
ここ半年は食べれなくなってしまいましたが…

「ならこれ食べてみる?甘くておいしいよ?」

甘い!!なんという誘惑ひかれる響きなんでしょう!
久々に味わえるとは!!

「お願いします!!」

ほどなくして出されて来たのは…
赤紫色のソースが掛けられたチーズの色をした三角形のもの。

「へぇ…」

鼻に広がるチーズの様な香り…

チーズの甘いお菓子のようです…このフォークでつきさ…えっ?

驚くことにつきさすとすすすっと切っ先が抵抗なく入ってく。
柔らかい…
そのまま持ち上げると崩れ落ちるもの、だからフォークで小さく切ってたべるのね…と理解して、
三角形の先端部分を切り取って口に運び…

パクッ

口を閉じると噛んでもないのに、チーズの香りが口内に溢れ、
しっとりと濡れた感触がありながら舌の上でホロホロと崩れる。
そして後に残るのは、チーズの風味を持った甘い味。

その味わいに身体か震える…

今度は大きく切り取って、口の中に運ぶ。

歯で噛み小さくするとホロホロと崩れていく、再びあふれる甘いチーズの味。
それと同時にお菓子ににかけられた紫色のソースも舌の上に垂れ、
今まで味わったごとがない程濃い甘いベリーが、舌をしげきする。

美味しい…

思わず無心に食べてしまい…

「あっ…」

フォークが空のお皿に音をたてました…

「じゃあ…おかわりする?別のケーキにする?」

ケーキというのですか!これは!!

「えっとね!えっとね!」

いっぱい食べます!!

…………


食堂に襲来してきた技術陣に対し、エルフ姉妹をある意味人身御供したカオル…
身体検査でビダン博士が指揮をするというのである意味信用はしていた。

同性に対してはビダン博士は丁重であり…

艦長席に座り…これからの事を考え始める。

補給路が立ち上がりこれにより、ハイト防衛に現状1個軍団強なら問題はないといえた。
あれ?3個軍団強じゃないの?のつっこみだが、
直接持ち込んだスフィンクス及び重機銃換装型の数に問題がある。

基本編成の話になるが1隻のトレー級に対して、スフィンクス2個中隊24機、重機銃換装型が2個大隊72両で構成される。
スフィンクスは3ローテ…砲撃中、移動補給中、移動待機中でおこない、
重機関換装型は6ローテ…攻撃中、後方退避中、補給中、前方移動中、待機中でおこない、
つまり8機のスフィンクス、1個中隊12両の重機関が1隻あたりの直接支援火力になる。

スフィンクスは120mm砲と、20mm機関銃4門あり、120mm砲の弾薬で行動をしている。

重機関換装型は20mm機関銃が5門だけなので、消費したら一直線に補給に向かう。

基本トレー級1隻の担当は煙幕弾支援下で中型規模以上5千、地球BETA構成だと、その他に戦車級含む小型種が15840程。

徹甲榴弾砲によるのみの移動なし砲撃による破壊を突破できる割合は、図体のでかい中型種が5%程、戦車級をはじめとした小型種は20%程と平均値がでており、
5km圏に突破してきたBETAは、近接戦闘範囲スフィンクスや重機関銃の砲撃範囲にはいる。
そこにトレー級の1方向へのCIWSが2門で加わり、それで接近中のは殲滅で、残りは迎撃に忙しい光線級等の殲滅で、BETA群は殲滅だ。

勿論トレー級が距離を稼ぐ、担当BETA数が多いによって条件がちがってはこようが、
固定ならそういった数値だ。

現状としては佐渡基地と横浜白陵基地にトレー級の側にいた数しかカオルは引き込んでなく、
スフィンクスが141機、重機関銃換装型が212両…定数割れの状態が理由による。


それでもしばらくは問題なかろう。しばらくというのは1週間程という類いだが…

何度も話題にだしているがBETAは常に全速力で襲来しない。
常時全速力襲来場合…突撃級殲滅後に時間がうまれる。
1500km出陣元ハイヴから離れていたら約9時間の差がでて一息つけるし、光線級も地平線の彼方だ。
そんな戦場あっただろうか…?

大体の戦場が突撃級から逃れようとジャンプし高度とり過ぎて焼かれる…といった戦場であり、
地平線から考え40km以内に光線級が存在する戦場だらけだ。

光線級の足サイズからかんがえてみると、股下が人間の脇の高さ、約140cm程の二足かつ筋肉的には通常の人間的足つき。
物理的には時速80kmを出しにくい。
ましてや時速170kmなんかも…
人間の股下平均値が75cmで、アスリートが最高100mを時速36km、
マラソン大会でトップ選手が時速21km程…
2倍の長さでかつ更に足を更に回転させなければ…または跳ねて距離をかせがねば無理って事だ。

なので通常移動速度が時速40km、マラソン選手の2倍弱あたりは妥当といえよう。
最高だせて…時速50km、
男児100m走平均が速くて13秒から考えると妥当な数値だ。

闘士級をみてみると股下は光線級よりも下だが蹄行性の足つきな為に、走るのにはてきしている。
指の先端だけ地面につけて歩き、逆間接部と見れる箇所が踵である。
キリンや馬と一緒だ。
なので通常移動速度時速40kmはクリアし、最高速度も競走馬のラストスパート時速65kmとだせる。

さて兵士級は…実は移動群よりかなり遅れる。が…この惑星にはまだ存在しないのでもんだいなかろう。
わかれている足の長さが人間の膝くらいまでしかないので、
高速で各脚をうごかすが…ということだ。人間のマラソン速度、22kmを出すあたりだ。

あとはエネルギー…
そういった理由により、移動は時速25km、要塞級居なくて40km、敵対勢力探知100km程で全力疾走開始は理解できただろう。

で、ハイトの街から手短のβ26フェイズ2の距離が1301km東微北は前にあげた。
時速40km疾走で32.5時間後に到着できる距離だが、
単独飽和では1万規模、軍団未満が良いところがフェイズ2なのは理解できよう。
更に後方1500km前後に3つハイヴフェイズ2規模がある。

3つからの飽和あわせて4万〜6万、でただしβ26飽和前に1回エネルギー給油すると思われ、到達までに移動時間65時間と、給油に15時間以上はかかる見込みだ。
更に後方飽和あわせて3個軍団強となろうが、32.5時間の3倍と15時間以上が2回で…
5日以上は時間があり、その間に惑星ロドニアや地球から抽出増派は間に合うはずだ。

その為に、今のところ空からの監視体制も整い落ち着いている環境ともいえ、
順次スフィンクスらが送られてくる状況いえよう。

さて…戦力の強化を何故推進してるかと…
1度あることは2度ある。
2度あることは3度ある…

国連会議に生産拠点を掛け合ったのはその理由だ。

他星系人類の発見、そして救助…二度と無いとは思えない。

更にはだ…戦闘種BETAを退ける星間国家があるかもしれない。
BETAによる侵略を退け、拡大主義になっている…
いわば軍事帝国主義の国も…

接触した時まずはこちらがどのくらいの規模かと問われよう。
その際に星系一つの規模と答えたら?
そういった恐れもある。

できればそういった覇権主義的星間国家とは接触したくないが…可能性が無いとは言い切れないだろう。
更には人間を餌とするエイリアンが高度な星間国家であったら…第三の敵の出現だ。
ありえる話でもある…

他星系に人類がいた以上そういった想定はしなければならない。

まずは今回の緊急展開で露見した、チューリップ頼みの戦力での問題だ。

せっかくの無限弾薬装置をいかしきれてない。
第二次世界大戦時の潜水艦の大きさでも、補助兵装は9つ積めるに…

鋼鉄の咆哮世界での独潜水艦1型のモデルのUボートZC型、全長67m全幅6m。

リアルではそのせまい空間に大量の物資が積み込まれる。
燃料の重油114t、食糧3.5t、真水2.2t、魚雷14本、乗組員44名。
主動力のディーゼルエンジンは2基で、出力2800馬力。
潜航時に使用する電気モーターは2基で750馬力。
水上では最高時速17kt、潜航時の最高時速6kt。
リアルの潜水艦内ではかなり狭いが…

鋼鉄の咆哮世界では搭載容量と重量できまり、
初期の1週目で、
装甲対140mm砲、ディーゼル機関9基、モーター2基の水上35.2kt、水中17.6kt。
兵装が61cm潜水誘導魚雷連装1基、対潜ミサイルVLS1基、小型機雷掃討魚雷1基、
57mmバルカン砲が2基、
40mm機銃連装が8基と豪華になり、

補助システムに、音波探信儀、電波探信儀、電波照準儀、
自動装填装置、自動迎撃システム、機雷探知システム、
急速前進、急速旋回の9つ搭載。

海上ドック船のサポートを受ける為に、燃料や水食糧が大部削られ、かつ乗員が…
3〜5名程と…まぁ潜水艦の常識外であり…そこまでにしておこう。

なにをあげたかというと、その大きさでも艦として認識され無限に弾薬が供給され、補助兵装スロットもある。
駆逐艦船体を採用しての陸上120mm砲艦、
及びCIWSだらけの陸上迎撃艦もつくるべきだろう…との事だ。

トレー級優先の為、さほど陸上艦はつくれないが…

艦長席のシステムを立ち上げ…


(まずはスフィンクス代用艦と…)

日本駆逐艦X船体と前艦橋γを選択、
動力は核融合炉、
陸上戦艦ホバーといきたいが…

前に雪原での吹雪に難したのがある為に、
駆動部はティアマットのキャタピラシステムを採用し…兵装選択へと進む。

駆逐艦船体への主砲としては、
10cm、12.7cm、14cm、15.2cm、15.5cm砲が選択でき、
14cmから砲塔サイズがでかくなる。

ただしだ…12.7cm砲だがそのまま選択では最大射程が仰角44度の際18kmと長射程も、初速が910m/秒と少し不安な数値になる。
更には弾頭重量は通常弾でたった23.5kg…
46cm砲弾とは桁違いの軽さだ。

12.7cm砲だが、夜襲の際に魚雷撃ち込みに突撃中に射線を阻止せんと封鎖してくる敵駆逐艦や軽巡を蹴散らすための駆逐艦主砲であり、
重巡やましてや戦艦の分厚い装甲を撃ち破るもんでやない。

参考までにラインメタル社の120mm戦車砲は砲口初速が1,580〜1,750m/秒で約2倍、
更には質量という概念ではなく運動エネルギーによる貫通力や、火力による内部破壊を目指している。

基本第二次世界大戦時の艦砲弾は質量弾であり、上部から甲板を貫通させて内部破壊を目指していた。
なので水平射となると艦橋内部狙い、武装破壊になろう…

もっとも当時の重戦車なら撃ち抜く事ができようが…
因みに14cm砲だと、砲弾重量が38kg、初速850m/秒、最大射程19,100mにはなるが…砲塔がおおきくなるのがネックになる。

そこで砲身などはスフィンクスに採用されている未来技術の、PD世界の西暦2450年技術の戦車砲を…であろう。
砲塔ごとでは供給システムに問題が出る可能性もあるので、
砲身と弾薬を交換し…
12cm砲75口径連装改を片側10基、計20基並べ、
35mmCIWSを4基並べ、この艦の設計は終了しテスト建造送りにする。

(でもって…重機関銃換装型の代用艦か…)

重機関銃換装型は20mm機関銃5門搭載している。
正直正面火力としては戦車級含む対小型BETAに対しては高威力すぎ、
上部可動銃座以外の正面固定4門は、対角線の2門ずつ使用して継続戦闘時間を延ばしている。
要撃級相対した時に全砲門斉射するくらいなもんであった。

艦自体は同様なのを選択。補助兵装や主機等も同様。

兵装だが…
35mmバルカン砲の射撃システムを採用している35mmCIWSを選択。
鋼鉄の咆哮のをそのまま採用なので、
弾薬については船体から供給されかつ無限だから問題はない。
例え96式25mm機銃を採用しても、問題のあった装填数の少ない弾倉ではなく、
船体からの供給になる。

なので…一定のスペースがとられ、機銃関係はほぼ同一だ。

設計画面に配置し…35mmCIWSが片側18基、両舷あわせて36基搭載できるが…

(中央に高台区画にするか…?)

中央列にCIWSに砲塔基部をつけて2階に18基…
トップヘビーになろうが、陸上艦なのでかまわない。
中央列と両舷の間の空間が気になり…
更に中央列を3階にし、その両側に2階部に更に12基が2列を配置…

この艦に関しては即製造でかまわないと判断し、
針鼠級として製造開始させる。


(あとはだ…)

まだ手をつけてないヤマト級の超合金Zへの転換設計を考え始める。

ヤマト級はクラッシャブルゾーンが採用されていて、大破時に人員死亡を防いでいる。
なので先の会戦時に大破にも関わらず人間の死亡は0だ。

ただし合金Z製の船体での事であり、
超合金Zに変えるとクラッシャブルゾーンがネックとなろう…

あとの問題は亜光速30%の衝突に超合金Zが耐えられるかだ…
耐えられなく全面装甲にかえると艦橋大破の可能性がある。

(となると…)

現代の戦車砲120mmでは歯が立たない機怪獣を擁するDrヘル一派。
機怪獣はスーパー鋼鉄製ボディだが、
マジンガーZの超合金Z製ボディにはいいようにやられ、Drヘル一派は打ち破られた。
だが…マジンガーZも超合金Zボディではミケーネ帝国の戦闘獣の前では歯が立たず、大破してしまった。
光子力研究所も破壊され…
そこに颯爽と現れたグレートマジンガー…
ボディには超合金Zの4倍の強度をもつ超合金ニューZが使われていた。

(超合金ニューZかな…)

超合金系は装甲素材骨格素材としては軽い。
マジンガーZは18mが20tとミサイル2つで空を飛べる軽さで、
実はシャーマン戦車30.3tよりも軽く、最大装甲厚10cmのシャーマンが18mに延長したら実に約91tになる。
アフロダイAも16mで18tで時速200km疾走可能。
グレートマジンガーも25mが32t。
内部構造も超合金Z、外骨格装甲でスーパー系の割には動く機動力のある壁として活躍できたのもある。

因みにお台場ガンダムは鋼鉄の骨格に、FRPの外装をかぶせて重量は35t、中身スカスカでその重量だ。

中国にも実物大があった?今ある?か正直わからんがハリボテパクりガンダムは…重量いくらで、支えてるか正直不明だ。

ともあれ、現状では試作艦に亜光速隕石をぶつけて実験するしかなく…
今回は全面強装甲でテスト艦をと設計しテストの手続きへと進ませる…

実際にテストまでに約半月かかる話になった。

……

(っと…そろそろいい時間か…)

「じゃあ、私室で寝るから何かあったら起こしてくれ」

[了解でーす]

会議から2日目、惑星コムネスの人類の命運は45日と言われてたが、凄まじく延長していく…



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