第043話 シドニア編03 惑星ナイン戦、谷風機防衛


「さて…討伐隊到着までどんだけ到達を送らすことができるかだな…」

たにかぜ機はカビ刀のみしかないという状態。
面において全方位からの刀劇、殺陣においても対応できる数は1秒間に1殺、
ましてや4千人殺到の稲村始球式状態を回避せねばだが…

はやかぜを射出してもシドニアから戦場たる惑星までの距離がある。
加速Gを無視できる超空間航法ならともかく、
通常空間航法ならばGの影響は無視できない。

現在シドニアは惑星衛星軌道に向け1G減速中だ。約12時間後に衛星軌道に停滞したいらしい。

距離にして惑星へ約1350万kmの距離、地球直径約千倍の距離にいて、現在の速度は約秒速523km。
この速度でもりとを射出し、もりとがその速度維持したままだと約7時間かかってしまう距離にいる。
光速射出ならば…たった45秒の距離ではあるが…

その距離及び初速で戦域に仮に12分で到達と仮定したら、約1万700Gで超加速し、
約秒速38000km近辺に到達後、
すぐさま約1万700Gの超減速で惑星低軌道速度の秒速約十数kmまで落とさなければならない。
落とさなければ球体たる惑星上にとどまれず、静止軌道をそれ、脱出となりうるのはすんごくあたりまえの話だ。

ただ、巨大な物体のシドニアが超加速や超減速には無理な被害がでよう。
それがはやかぜで対応はできる。
で、実際に救助の為に超加速超減速をおこなったたにかぜ機とつむぎの到達時間が11分というわけだ。

最短でも、その時間分…11分を稼がねなければいけない…

その時間分維持するには…つまり到達時間を遅らす為に火力を足さねば間に合わない。
だが…ルーロスにはこれ以上加粒子砲追加しても1個体での固定砲門で機体制御での必中制御は無理、
またエネルギー供給面でも自分のS2機関の出力的に辛く他に遠距離手段がとれない。
ならば…他の手…
(何か手はないか…ヤマトは在庫無し。虚数空間にもってくれば良かったな……ん?
B1か…?)
動力炉超重力コスモバーストボイラー搭載、幸いコスモカノン砲搭車両の予備も虚数空間内にある。
思い立ったらとりあえず実行、連結命令を…

「出てきたか…」

発令から70秒ほどでシドニアからもりと4機が発進、それに連結するのだろうはやかぜが射出された。
続いて次発と3発目のグループこれで3組がでた。
この12機に関しては既に操縦士が乗り込み各種チェックを終え発令の時には格納庫ないにて起動状態でいたのだろう。
その状態なら射出口へのリフト移動だけですむ話だ。

シドニアからの次の組は…まだでてないから多分スクランブルアラート組、つまり起動状態にないと思われる。

自衛隊でいえばスクランブル発進は発令から5分以内に離陸…機体移動開始まで単発機ならば最短2分半程だ。
既にパイロットスーツ着用済みでアラート控え室待機してるパイロットが、
ダッシュしてコクピットに乗り込み20秒以内、F-15jの場合片肺ずつJFSによるエンジン始動で1分45秒ほど、
単発のF-2ならば短縮され50秒ほど、
同時に整備士が各種暴発防止安全ピンとり確認、
始動後に電源ケーブル抜きパネルを閉じ、機体動作チェック、タイヤストッパーをとり安全確認しての時間が45秒程で機体移動開始される。

なので、射出まで含め5分弱、現時点から4分位後かなと目処をたてた。

虚数空間内にて連結作業終えたB1の1編成をステルス状態にて宙間へと出し、始動命令。

4番手組、5番手組が…命令から3分15秒程で射出。
「あれ?多分スクランブル組だよな…も早いな…」

案外…機体搭乗後の始動に時間がかからないかもしれない。
特に2分程かかるエンジン始動が必要ないかもしれない。

はやかぜの射出口数は5口の模様だ。

はやかぜの再射出が1射出口あたり最短110秒かかっている。
計測してみると射出口がシドニアに格納に17秒、射出口カタパルト装填に71秒、再度射出体制移行に17秒、射出に5秒といったところだ。

はやかぜが射出体制ととのったが、6番手組はまだ出てこない……
スクランブルでもアラート待機室にスタンバイしてなければ…自衛隊でいえばパイロットスーツ着用してなく着用が必要な3時間組相当といえるかもしれない。
3時間組でも機体は電源などはパイロットスーツ着用の5分組と同様準備はされている。
準備されてない機体は運転前点検からはじまる。10分はかかり、その後電源など接続開始される。
燃料補給や弾薬装填等もだと更にはかかる。

因みにトイレ等の場合は5分組と3時間組が入れ替わってになる。
装具を脱ぐ必要のあるトイレ中に、発令後着用して5分離陸は無理な話だからだ…

B1が射撃位置への移動がすみ、

「B1主砲1砲搭射撃」

300mmコスモカノン1砲搭からの3射線が奇居子へと直撃する。

だが…
「胞衣は消滅したでちが…本体残ったでち」

「1砲搭だけだと力不足か…」

ヤマト主砲並みの威力に…3砲搭斉射直撃の必要あるか…
となると数をこなすには砲搭車両増結して負荷かける必要あるかと思ったら…

「うそ…排敵できてる」

「殺害できてな…ん?排敵?」

「はい、本体から胞衣が完全排除された状態です」

「でも…あれはすぐ再生するんだろ?5分程度で」

逃げる時間分…再生はすぐも、亜光速度で逆ベクトルかかるから逃走できる認識であった。

「いえ、あの状態なら最短3日以上はかかります」

「あっ3日以上か…じゃあ、今回は有効っう事か…なら、現状3倍の弾幕で可能か…」
目処はたった。
すくなくともまだB1を交換できない以上、砲搭車両増結で無理をかけて、戦闘後要メンテ必要にはしなくない。
虚数空間から残りのB1を引き出して…

6番手組が…発令から5分程で出てきた。3時間組ではなく、パイロットスーツなどは既に着ていたが格納庫隣接アラート待機所に居なかったかもしれない。
続いて7番手組から10番手組。
はやかぜへの合体しこちらに超加速しはじめた。

シドニアのアラート待機所の広さはわからないが、自衛隊等のアラート待機所は案
外狭い。

真空対応型パイロットスーツを二人は着ていた。
すくなくとも一般服から空気洩れしないほぼ一体型パイロットスーツに着替え、
かつ搭乗出撃まではや着替えでも5分程度ですむ筈はない。
裸族で過ごす習慣なら可能かもしれんが…

11番手組以降も続々でてきてはやかぜの射出準備中にかかっている。

射撃体制整った残り3編成のB1から射撃開始。
これにて1秒あたり約6匹が無力化、1匹が殺害できるようになる。
次々に重力に引かれ落下していく排敵本体…
「あとでの処理必要だから、排敵本体のトレースよろしく」

「あいでち」


…………

『谷風、待たせたな』

『さまりさん!!』

発令から14分29秒で1番手組が射撃体制に移行してきた。
「やっときたか…」
4門だけでも火力が増えるのは嬉しい。
正直到達予想時刻を少なく考えすぎていた。
12分30秒でくると思っていて、限界ラインが近寄っていたからだ。
流石に火力減らして増結作業はできない。

続いての2番手組が減速しつつ合体アームを出しつつ、射撃体制に移行。
1番手のはやかぜと接続…
8門の火力とルーロスの4門、B1の12門になった。
『隼風先発隊、惑星ナイン軌道上に到達』

『先発隊は後続が到着するまで、谷風機とつむぎに近づく奇居子を撃破して』

『『『『『了解!!』』』』』

3番手組が既に合体し12門…

「流石に必中ではないか…」
はやかぜ側は秒間5発という早撃ち、全員で1秒間60発で地上にむけ撃っている。
ルーロスやB1は必中だが、はやかぜ側は制動押さえきる前にとにかく弾幕をの意味か…連射しまくっている。
本体命中率1%か……奇居子に命中するも本体に命中せず胞状分解せず。

発進に時間かかっていた4番手組が合体…

だが命中率1%でも意味はある。
胞衣には80%近く命中していて、銃撃を受けた奇居子はその衝撃で大きく進路をそらしている。

はやかぜから延びる弾体加速装置は延長砲身がつけられ、
初速が秒速マッハ333にたっする。実に現代レールガンの約199倍の射速だ。

5番手組が合体。五芒星の各点にはやかぜがある形状になり、これで20門の火力。

本体外しながらも被弾したある奇居子をみてみると、
大地に叩きつけられ、浮島の大地がめくり上がる。
欠損した胞衣がいたいたしい。後方にさがろうと…装甲たる胞衣再生を試みているのかもしれない。
多分あの状態なら2分で再生か…1匹あたり4分程到達を遅らす事ができる。

『谷風機とつむぎには近づけるな』

『何て数だ、きりがねぇぜ』

『弱音をはくな、絶対に守り抜く』

発進まで時間かかっていた6番手組から10番手組がまもなく戦域に到達、合体アームをのばしてきた。
『かならずまもる!!』

『後続第二陣到着』

砲門が増えてきた為、はやかぜ側は銃の制動抑え、連射速度を落とし命中精度をあげてきた機体が出てきた。
先ほどの1%でも惑星ナインの低軌道、高度約3千5百kmから2m位ほぼ球形状の奇居子本体へ直撃させる長距離狙撃かつ制動抑える間もなく秒間5発の弾幕としては命中率よいほうだろう。
1km先の0.5mmのベアリング球を0.001mmの珠で狙撃するようなもんだ。
制動を抑えてうてば命中率はかなりあがる。 

『第三陣は90秒後、第四陣は198秒後合流します』

距離を縮めれば命中率はあがるというかもしれないが、3千5百km以下になると惑星ナインの大気の影響がでる熱圏になる為、
静止状態をたもつのが難しくなる。
あとは降下しての静止状態での射撃…つまりたにかぜ機の全方位を納めるならたにかぜ機周囲しかならず…の話だ、

『到着機は速やかに攻撃体制に展開、火力を総動員して』

射撃制動を抑えきっての射撃の機体みてみると…3秒に1発位になるが…
本体命中率は約30%程へか…あがっている。

『隼風による奇居子討伐隊、全機軌道上に到達』

(第五陣が到着か)

『全機、総攻撃!!』

『掃討しろ、一匹もうち漏らすな!』

100機100門による射撃が開始された。

『各機、稼働範囲を確認して被らないようにしろ』

先ほどのたにかぜ機のデーターから本体弾は銃内部に330発程とみえ、つまり100門をもってしても15%以上命中しなければ殲滅は難しい。
ましてや弾幕時に弾はかなりのペースで消費していた。

弾幕維持を可能にするために、はやかぜには弾体加速装置のカートリッジが備わっているようだ。

『敵本体数残り3000』
目標は大気の力にまけてマッハ4前後でたにかぜ機へと向かっている奇居子ら。
どうしても1気圧である大気圏内では熱の壁の存在で、バリア等抵抗をなくす手法やらがなければ、それ以上速度は出せない様であった。

『蓮、そっちにいったわ』
『こいつう、ちょこまかと』


たったマッハ4ならば、光速戦闘もこなすのに命中率30%といわず、もう少し命中率よくならないと思うが………

理由がある。
奇居子の避けぶりが横Gをものとしない程の機動で交わしているからだ。
エルロンロールとかでなく、マッハ進行中の横スライドだ。
進行方向への右転回等なら話わかるが、横スライドって…というレベルだ。

「しかし…俺がいなかったら…どうなってたかな…」

少なくともさっきの発令のタイミングではつむぎらに到達されてた筈だ。
1G減速中の到達12時間半の距離、
約1400万kmで送り出したのは、シドニアが万が一の際に安全に離脱できる限界距離なのは間違いなく、距離変更はないだろう。
現在、更に距離が縮まっているから、安全離脱はもう無理な筈だ。
それにカオルがシドニアとの接触前の話だから判断材料に変化はないだろう。
当初は偵察隊に何かあっても見捨てて離脱できる前提でいただろう。

となると、更に超加速超減速できるのか、またはたにかぜ機とベニスズメが戦闘に入る前に推測にて具申したのか…

『あと一息だ!』

『いけるぞ!』

『最後の一体の胞状分解確認!敵奇居子現状稼働数0、脅威0です!』

『よっしゃー』『やったぁぁぁ』『一緒に光合成しようぜぇ!!』『ばっばかぁ』

『勝ったんだなあれだけの数の奇居子に』

『ああ、以前なら信じられない事だが…』
残る残存は排敵状態の本体で…

「こちらカオル、残存本体のトレースを送ります。処理の協力をお願いします」
なにぶん約6000もの数が排敵状態で大地へとばらまかれている。

『了解した』

『カオルさん…位置は大体検討つきますが、未だに姿がわかりません…見せてもらえますか?』

「ステルス解除、レーダー反射板展開」

どよめきが無線から流れる。
何しろ常識的に見るとステルス解除したB1は砲搭車両以外はSL列車の外見。
それが宇宙空間に存在しているのが信じられないからだろう。

「さて…本体処理はお願いしたが…」

こちらも処理をしたいが、なにぶん威力がありすぎる。
多分B1の追撃で、それでだめだったら3砲搭でヤマトクラス威力に引き上げたら本体貫通可能だろうが……
今本体は地表やら大地に接地状態。
このまま射撃するとB1の1砲搭射撃だけでもクレーターがボコボコできてしまう。
惑星移住で攻略したのならはた迷惑な話になろう。

「ん〜…惑星移住目的なの?この惑星は」

「いえ、大衆合船破壊の為の足掛かりで資源採掘、防衛拠点と聞いてます。
あれが居るとこの恒星系の第7惑星に移住できません」

「大気組成から生存にはむかないでちね」

「なら問題ないか…B1、追撃射撃」

B1の1砲搭からの射撃は…


「直撃本体1個消滅確認でち」

「やっぱり基本……地表砲撃はできないよなぁ…」

命中地点を中心にえんらい事になっている。
約直径30kmになろうクレーターがつくられた。
それでも胞衣ありだと本体は貫通できなく、どんだけ硬いのやら……


たにかぜ機はコックピット内に胞衣製裸婦…どうやら切り離されたら危険はないらしいが、人間状胞衣をどうするかてんやわんやあったが、
はやかぜ集団に向かって飛翔しはじめた。
こちらの砲撃被害からの回避も兼ねてだろう。

「ウブすぎるなぁ…ところでいざなさんとか、たにかぜさんは何歳なん?」

「年齢ですか?僕と谷風は17歳、まもなく18歳ですね」
にしては若く見える…

「……え〜と…の操縦士は何歳から?」
すんごく素朴な疑問を問いかける。

「何歳からですか…150cmに達したら訓練生として採用資格がえられ、155cm程で老化防止剤接種で成長とまるようにし、
辞令により正規操縦士に昇格します。
谷風は14歳でなりましたね」
老化防止剤で若く永遠に見える。1つの疑問は解決ついた。問題は…

「14歳で戦場にか…」

「あっ、勿論全員ではなく、成長に達した優秀な人は早く昇格するだけです。
だだ、100年間接触なかった奇居子と接触以後は戦いにより定数260名の正規操縦士の欠員が多く、
昇格年齢平均は比較的下がりつつありますが…」

「あの武器があっても?」

「弾体加速装置ができる前なのですが、紅天蛾含めて50体以上の奇居子とカビサシによる近接戦を行わざるえませんでした。
1回の出撃での生還率は50%以下です」

「カビサシって…?」

「あっそうでしたね。先端にカビが固定された槍状の対奇居子専用武器です。約23m程の長さです。
頭部ヘイグス砲で胞衣を剥がして本体露出させてから止めを刺すのにカビサシを使うのですが、
人工カビができるまではカビサシの先端のカビは特に貴重なもので、生産できなく損失する事もあり、
現存は26本となっています」

「ヘイグス砲で一気に排敵状態の無抵抗にしちゃってから刺せば50%以下にはならないんじゃ?」

「あのビーム兵器が異常ですよ。小型なのに一気に削ぎ落として排敵状態にする威力…
そんな威力は衛人にはありません!」

「……そうなのか…となると…ヘイグス砲で本体露出するのにも1発でなく、何発か必要?」

「そうです」

「じゃあ奇居子の攻撃がある状態で、露出した本体にカビサシを突き刺す?」

「そうです」

「あ〜確かに50%以下になりそうだな…」
何十本もの触手を掻い潜って突き刺す…捕まったら即死ならば…難しいだろう。

「それで、使い捨てのできる人工カビ弾による弾体加速装置ができてから、
惑星ナイン偵察任務までには、主本体で9体接近してますが、
まず一番戦死者が多かったガ542戦では96名中86名戦死、
最近ではガ549戦で8名戦死、ガ550戦では12名戦死…またガ550からの高出力ヘイグス砲で、
つむぎがシドニアをかばってかなりの被害を被りました」

「…既にエリートたる操縦士の戦死者が定数260人以上の300人超えてそうな…その100年ぶりの奇居子遭遇時から、3年だっけ?
その時点から残っている正規操縦士居ないんじゃ?」

「居ますよ!!えっとサマリさん、弦打さん、高島さんあと他に……7名程は…」

「定数260名中10名が古参かぁ…訓練生の補充も足りないんじゃないの?」

艦内での訓練学校が1つと仮定し、
年間訓練生が50人程度では彼女がいう戦死者率から考えると全員昇格しても補充が追い付かない話になる。
ましてや全員昇格はありえない。
絶対にエリート訓練では訓練不合格者、つまりコースアウト者も出る。

ちなみに自衛隊パイロット候補になるの航空学生の場合…まず高卒資格での希望受験者は40倍以上の倍率の狭き門だ。
他に大学卒業資格の幹部候補生もパイロットになれるがそちらも倍率40倍以上となっている。
更に合格して訓練生になってから卒業後飛行課程に進んでのコースアウト率は30%〜40%と厳しい。

戦死者の補充及びコースアウト率を参考にすると年間衛人訓練生は300人はほしいだろう。
最低限3年と考えると年間卒業数200人が戦死者数から考える下限ライン、
つまり600人予備がないと補充が切れるはずだ。

でだ…シドニアの総住民が10万だと仮定して、寿命が70歳と仮定すると、
単純に最大年間採用数は1428人…一応年齢はピラミッド型かボトル型だから数は2500人あたりと仮定して…
8倍の倍率…
正直学力よりも、身体、適性検査を緩くしてでないと少し難しいだろう。

で、残りの2200人で精密機械たるもりとの整備士や巨大なシドニアの軍事的整備士、勿論もりと生産工場系、食料生産や、
料理店や娯楽提供のサービス業系、公共系人材等…
特に前にもあげたが、もりとやらの軍事的生産工場や整備士は多数の人材を必要とする。まず足らないだろう。

自律型作業ロボット…コバッタの様な存在が居なければとてもでないが追いつかないと思う。

「急速成長の優秀なクローン人間も採用されてますので…」

「あ〜…なるほど……」

ならば20倍以上の倍率、優秀な人材だけ採用すれば…なんとか対応できる筈だ。
奇居子遭遇以前ならば多分1学年60人程度で奇居子遭遇時の戦死者には予備役復帰で急場をしのぎ対応、
以後訓練生数を増やしクローン人間を積極的にいれた流れかもしれない。

他に戦死者数=単純な機体戦闘損失の面から20mのもりとを、月産20機以上大量生産や大量の部品生産しなければならない筈だが……

その生産工場用地に関しても多分足りてなく、頭打ちだろう。
遭遇前は多分…運用寿命きた機体の代替え生産、事故損耗補充等で、月4機体制で訓練機含め30年程度運用と考えられる。
年間48機の30年で1440機が総入れ換え。
だがそれではこの戦闘損失にたらない。

原材料からとなると…素材加工、成形、またコードやシート等の部品作成など含め通常100日〜200日、
多分…シドニアでは頑張って30日だとしても、月産15機程度だとおもわれる。

正直、もりと関連の工場だけならシドニアの規模だ。全て使えればさほど問題はないといえるが、
もりとの待機スペース及び整備場、はやかぜの建造スペース、待機スペース整備場、射出スペース、
そして10万人もの人間が生命維持活動食料生産及び世代交代的長期生活を行う関連のスペースが必要だ。

とてもでないが、潜水艦並みで居住スペースで世代交代はできやしないのは当たり前。
スペースコロニーのように円筒形外周部に重力が発生するなら土地はあるが、
直径6kmの進行方向への重力が発生し、かつ周囲外郭も分厚く、
かつ、ネメシスと同型なら中心部に砲身搭があるため、使える面積はさらに減る。
7km平方メートルってところで、
だいたい10万人居住ならば埼玉県蕨市並みの人口密度にはなる計算だ。

そして重要なカロリー源たる食料と命の水。
参考までにカロリー源に昔の米ばっか食ってた江戸時代あたりの日本人を基準にしよう。
年間消費は1石の150kg、一反=300坪の生産量が1石、一反の広さは31.5m×31.5mで10アール。
品種改良等で150kgつくる必要面積は下がってはいて、一反で21世紀初頭では600kg収穫でき、つまり4名分のカロリーを生産できる。

多分何階層か生産工場があろう。複数階層つかえば余剰とって15万人分のエネルギーくらいを生産できる筈だ。

そして命の水。
ネメシスでもあったが、海水層が全体の4分の1を占めていて、長さ約8kmの水槽というべきものであった。
海水から濾過して飲める水にして、そして下水処理して海に返す自然循環型であろう。

あと機関部等もあり、そうなってくるとやはり軍事的生産工場用地が足りなくなってくる筈だ。
更に1社や1箇所だけで生産なら汚職、開発競争技術の問題もあろう。
人生五十年、喉元過ぎれば熱さも忘れる…

常に臨戦態勢、地球脱出直後時の話ならば、自分も含めて生き延びなければな考えならば性能向上へと必死になろう。
だが平和な時期を30年〜50年も過ごせば…
奇居子はもう襲ってこないと考え始めるかもしれない。
かつ、カビサシという殺害できる手段があるから、安全と考えてしまうかもしれない。
より経済的な方向へと考えてしまうかもしれない…

複数社分の軍事的生産施設があり競争状態にあるのが好ましいが、場所問題が付きまとう話にもなろう。


更には船内で完結するならば、金属性原材料はどうするの話にもなるが、航海中発見した小惑星に採取しにいく手段もあるという。

因みに経済的にだと…付き物は汚職だ。戦時中でさえ重大な汚職はあった。
第二次世界大戦時の大日本帝国。
小倉造兵廠…まさに兵器を作る場所での出来事であった。
造兵廠幹部が北九州、別府などでのドンちゃん騒ぎ、軍需会社の招宴を続けて受けていて、それが憲兵隊の耳に入り、
逮捕から大汚職事案に発展し、
政府上層部に報告いったがかなりの大規模で将軍が自決にて汚職内容を隠蔽せざるえなくなった。

内容としては…造兵廠に納める武器を納入しないで空伝票を切り、
造兵廠側も空伝票で処理、浮いた金を出張旅費の名目などで着服。
造兵廠の宿舎建設にからんでワイロを取る等など…

国の軍事費を私腹のためにつかいこんだのだ。前線への武器供給に支障が出ているだろう。

要求した分が届かない一番の発端ともいえる。

そして廠長たる将軍も逮捕に踏み切るが、当時の将軍逮捕には大臣の許可が必要で、伺い求めたら…
事の大きさに将軍の自決でもって、事件は社会にたいしては隠蔽される流れになった。

平時であっても…アメリカ軍の裏金つくりはある意味有名だろう。
予算使ったら議会に使用用途を説明、市民に公開しなければならない。
が、秘密作戦等、アメリカに有益なるも、市民にばれたら大暴動に発展する場合もある。
そこで、職員の私物を軍に請求のいくクレジットカードで買わせ、その裏で架空の請求でプールし、
120兆円の裏金をつくって、非公開の秘密作戦の費用にあてている。

「そういえば…名前どうかくの?」

細々とした事を色々と教えてもらい…

「最後の1体、殺害完了でち」
教えてもらってたらやっと処理がすんだ。

『惑星ナイン、制圧完了!!』

歓声が流れる。


シドニアへのご招待があり、カオルは来艦、科戸瀬らとわかれ、広い会議室のような部屋へと案内された。
異世界云々は虚数空間からの出し入れ等で疑いようもなく証明されている。

部屋にはシドニアの最高責任者の小林艦長、司令補の緑川他護衛やら多数、カオル、ルーロスになる。

「改めまして、救助及び援軍としての活躍に感謝いたします。
それでカオルさん、異世界から来た…ですが、その目的は?」

「一番の目的はその世界での先端技術の取得ですが、今の目的は安全な楔地点の確保ですね」

「安全な楔地点の確保?」

「まずは説明を…異世界からこちらの世界に渡ってきた場所は、ネメシスという播種船の艦内でした」

「他の播種船が約1000年生き延びてたのか」
等のざわめきがおきる。

「ですが、奇居子によってネメシスは消滅しました。体内に取り込まれた形ですね。


「カビがないと…遭遇したらそうなるな…」

「カビがなくても1000年間生き延びる事ができたのが重要ではないか!!」

「………」
多人数だとやはり横入りは…しょうがないと思う。

「で、世界に出る扉、世界扉の理は基本は巨大な物質に座標を打つこと、
つまり宙間で世界扉を唱えてこの世界から抜け出す事はできても、
次回来訪時には宙間の場所は無効で、奇居子の体内の中にでる事になります。
なので安全な地点を求めてさ迷ってシドニアを見つけたわけです」

「さ迷ってねぇ…それで他の恒星系等やネメシス以外の他の播種船は見つかったの?」

「2箇所の恒星系にいきましたが、奇居子に発見されて出現したので、逃走の形でしたね。
他の播種船はまだ…」

「発見できてないでちね」

「だそうです」

「ネメシスが最後のカビ無し生存船か…」

「楔を打つ土地の使用は許可しよう。でだ…こちらの技術提供をするかわりに、
そちらの戦力…涙滴型宇宙艇や、機関車型戦闘車両は提供できないか?複製はできないか?」

「直接戦力ですか…まず、涙滴型はルーロスですね?
ルーロスは特殊な作り方なので、提供は無理ですね」

「特殊な作り方?」
適当な物ないかなと…テーブルの上のプラスチックらしいカップが目につく。
中身を飲んで、同化により紙素材へと変更。引きちぎる。
「……と、まぁ…こういった感じて素材変換をしてつくるんですわ」

「か、紙に?」

ちぎれたコップを触って確かめる面々。

「プラ素材だったよな?」

(そういえば石油由来プラスチックや化学繊維は原材料的に難しいよな…代用品技術かな?)

ちぎれたコップを集めて、同化し再びコップの形へと変えてく…

「さっと修復しましたが、特殊な素材程、また大きさ程時間がかかるわけで…
ルーロスは特殊すぎてほぼワンオフな感じですね」

「ならば機関車型戦闘車両は?あちらは複数両なので量産してると思われるが」

「B1は確かに量産していて、提供は可能かもですが、
……燃料が特殊ですし、整備もできますか?」

「…特殊な燃料か…常に輸入に頼らざるえなくなるか…
無理だろうな…他に何か提供できる戦力はないのか?」

「戦力は…」

確かに機動兵器でなら余裕はある。だが、高威力の戦艦主砲クラスを求めてると思え…

「こちらも銀河クラスの敵対生物との戦争で戦力はかつかつといってもよいので…」

「戦力提供はできないのか…こちらにメリットがないではないか…」

「質問しますが…そちらの対奇居子戦闘に使えるのは…機動人型兵器たる衛人だけですよね?」

「ああ」

「衛人の生産は月産何機になります?」

「…一八式は月産20機可能だったが、今は月産10機というあたりね…
一九式は今のところ月産2.5機ってところね。生産行程がなんだけど、二十式開発で減産せざる得ないのよ。
正直生産スペース拡張したいのよ」

生産スペース拡張…望んだ言葉が出た。

「では…恒星系間を移動可能な自動工場衛星の設計図及び建造推進の援助、
それとまた奇居子が無反応の超空間航法技術ではどうでしょう?」

「超空間航法?!」

「その移動可能な衛星型自動工場衛星って?」

「まずは衛星の方から、10kmクラスのは衛人を生産するのに適していて、材料を与え続ける限り24時間フル稼働。
こちらの衛人をですが、日に360機生産可能とみてます。
まぁ…日に360機とすると、週に2520機、月に30日で10800機。年間は約12万機。
自分のところでは1惑星勢力圏の約20億人いますが、
技量が必要な高度な操縦士養成が追い付かないので、
現状は別機種の自動戦闘機の生産にはなってはいますね」

「恒星間移動可能っていうのは……?」

「工場衛星にはフォールドシステムという超時空航法が搭載され、現段階では、時速100光年という速度で移動可能です」

「時速100光年…」

「それさえあれば…」

「ただ、エネルギー門を形成するので、奇居子は反応するとおもいます。
運用には恒星間の安全区域が無難ですね。突入には間に合いますが、出た瞬間に反応されてよってくるのがおちですから…
再フォールドもチャージエネルギー次第ですので、そこはご注意ください」

「10kmクラスっていうけど…それ以外もあるの?」

「100kmクラスは艦船用で、自分のところの主力艦、500m級クラスを24ラインにて60分に1隻完成させています」

「1日に24隻…」

「月に720隻とは…」

「その様な生産ペースだと人材教育面の話になってきますので、
自動化進めた艦要員を少ない艦種の生産をおすすめしますね」

「それで…奇居子が無反応の超空間航法ってのは?」

「無反応の航法はワープシステムになります」

「別の航法…」

「亜空間跳躍によるものです。衛人につけられるサイズだと…外部20mサイズ増結ユニットで600光年をひとっ飛び、再ワープはチャージ時間がかなりかかりますが…
艦船サイズだと…200m級艦以上搭載可能サイズで3000光年、こちらの再ワープチャージ時間は動力炉次第ですね」

キャーティアやヤマト由来のでなく、銀英伝のを薦めた。
核融合炉からの純粋な発電力でのチャージ可能な汎用性をもつために都合がよいともいえる。
それに0からの超加速に優れたこの世界技術ならば有用につかえるだろう。

「3000光年…」

「フォールドの方はいらなくない?」

「ワープシステムの方は重力場の影響が受けやすく、
また途中に何か物体があれば衝撃のない衝突事故をおこしてしまい、
精密な計算が必要で、突発的使用がしずらいのはあります。

フォールドは通常空間復帰直後に衝突する可能性はありますが、
超空間レーダーとのセット運用で常時観測状態で精査しての通常空間復帰になります。
戦場時の緊急離脱的使用は可といえましょう。
特性の違う2種類の超光速空間航法は有用だと思いますよ」

「……ワープの場合は直線航路を維持する必要がある事か…」

「となると…掃海と保全は必要か…」

銀英伝では3000光年直線上を維持する事は難しく、恒星系間の直線航路上を維持していた。

基本はなにもないところに設定したワープ航路上に衝突する物はない。
だが、通過する流星群や、事故等ででた破片、
生活廃棄物は船外投棄は禁止されてるが、守らないのもいるだろう…

それらを回収せずにいると……ワープ通過中に艦に突き刺さり、
空気漏ればかりか、人が切断されたり、貫通したり等で死んでしまう事象になる。

そういった事故を防ぐために掃海は重要でもあった。

「わかった、以上の条件でそちらの希望を含めて取引成立としよう」

………

交渉が一通り終わり……

「民家って…」

広大な庭のある民家の庭が楔地点に提供された。

てっきり倉庫一室とおもったがちがったようだ。

「どのくらいの広さになるか、わからなかったからね」

「まぁ…でもここなら…」

頭上には円筒に広がる壁面都市といってよい光景が…
中央の居住搭は中心から約2kmの内径、その外側約3kmの空間がひろがり、外壁側に街がつくられている。
この民家は外壁側から出ている大地状の足場に建てられている。
足場の強度は?と思うがおいおい補強すれば問題ないだろう。

「じゃあ、一回帰るとするよ"世界扉"」

世界扉を開き潜っていくカオル……


…………

カオルのいないAL4の世界、時間にしてシドニアの世界へとカオルが渡ってたった2時間後…

「ボギー1、エネルギーサイン通常位置より増加、中距離ワープ兆候」

長距離偵察を継続、データ収集にて動向を把握しつつある現状だ。

「ボギー1、ワープイン」

[どっちの方向にいくのかな……]

〜1時間程経過〜

「ボギー1ワープ航路、ベテルギウス宙域絶対防衛ライン突破!!」

絶対防衛ライン…宇宙戦闘種の行動原理がわかってない現状…
これ以上接近されると地上作業種が掃討されつつあるのが感知される可能性がある距離から50光年分とったラインである。

『マスターは……いっちゃってるね……
プランに基づき、第1防衛艦隊出動発令』

===とある第1防衛艦隊所属ヤマト級主操舵手===

「っつ……」

睡眠状態から強制的に覚醒…

(超眠い……まだ寝てから30分か…)

深酒、睡眠不足、ニンニク丸ごと焼きの大量摂取ととても緊急出動し、操艦できる状態ではなかった。

特にアルコールと睡眠不足は駄目だろう。

知っての通りアルコールが入ってれば運転や操舵に正常な判断を下さない…

そして睡眠不足…高速道路運転などで起きてなければいけないが、でもガクッと落ちて…ガガガガ…なことになろう。
まだするだけならば良いが、横転し……な事になる。

アルコールは基本は時間経過で肝臓分解にて抜くしかない。
水を飲めば多少早まるが、一応目安として500mlの5%ビールで4時間体内から消すのに時間がかかる。
9%缶飲んだら7.2時間あたりだ。
サイゼリヤのハウスワイン500mlのデカンタは意外に高く14%だから、11.2時間かかる計算になる。
夜10時頃ハウスワインデカンタのんで、朝6時の運転は…8時間たつも呼気からアルコールが検出され酒気帯び運転で捕まる話だ。

睡眠不足はコーヒー飲むなどで覚醒させるしかないが、限度がある。
やはり途中でもよいから仮眠をとるのが一番決定的であろう。

勿論当番ならば出動できないは重大問題だ。休暇ならば問題がないが…

だがヤマト級やウラガ級の艦橋スタッフはスペアはいなく、
休暇でも親族が重体でない限り、緊急出動かかったら酒でも熱でもインフルでも搭乗しなければならない。

軍人公僕は常に酒とか飲めないじゃんと思うが、一般的な軍や警察、消防等はどうだろう?
消防と言えば新潟火災の時に緊急召集かかったが、
待機中相当の非番者多数が1泊2日の懇親会で酒を飲んだために召集拒否し、物議をかました。
拒否理由が酒が入っている為に消火作業や運転に支障をきたすからとの正当な理由だ。
ただ非番に応じられなかったが物議をかましていてるが、一般的な企業だったら土曜日相当にぞくし…まぁ…というところだろう。

警察も非常召集には酒はいってても、タクシーやその他公共交通機関にて応じなければならなく、
酒入ってるからと緊急召集に応じなければ処分がくだされる。
ただ酔いの具合により、上司判断で後方の事務業務で運転する必要のある現場には出されなく、
更に泥酔状態であれば始末書なしで帰宅許可されるそうだ。

自衛隊も酒が入っていても非常召集には応じなければならず、陸自ならば戦車以外ならばドライバーのスペアはいる。
空自は機体数よりもパイロット数が多いので酒抜けるまでは待機となる。
海自は寄港休暇中艦でも当直がいるため最悪当直だけで出港する。

異世界軍の宇宙艦船は寄港中…艦当直がいなく、
更に自動化、少人数化になったため主操舵手がかけると、配属外のヤドカリやTが変わりに搭乗するためできるだけかけてはほしくはない。

さて……酒でも熱でもインフルでもいかなければならない主操舵手は…

薬ケースから異世界軍謹製眠気解消トローチを一なめ……
眠気が瞬時に消えていく。
(これで眠らなくっても大丈夫っと)

勿論、現代において眠気防止効果のある薬はある。
カフェイン主成分の睡眠防止薬だ。
三共ヘルスケア社のカフェロップ。
箱の中に3回分、1包装4粒で梱包されている。
携帯性もよいし、まぁ甘いし良いのでは?と思うがあくまでも薬だ。
常時使用は危険で、他の睡眠防止薬と併用は禁止等と言うことで…

ライオンのトメルミン…
これも効く。ただ、携行性保存性にかな?とおもう。
カフェロップみたいに個別包装ではなく、薬シート型なので圧迫で薬が出てしまう危険はある。

ただ、この異世界軍薬みたく睡眠不足分をとる効果はない。
一時的に眠気を抑制する程度なので眠気はいづれ復活する。
睡眠不足には寝るのが一番、次手に5分でも仮眠をとるのが良策だろう。


(酒抜き…)
同じ薬ケースからアルコール消去剤を飲み…

酔いが消えていく…
(これで5分でokっと)

現代は5分たらずの即効性はないが、アルコール分解サプリメントはある。
一番効果が高いといえるのは、通販で買えるレバーザイムだろう。
そして実は肝機能改善処方薬のグリチロン配合錠なんかもアルコール分解効果がある。

500mlの缶ビールを飲むと大抵の人はアルコール検知0.15mg/lあたりになる。
中には下回ったり、はるかに上になるが、そこら辺のイレギュラーは割愛して、
500mlの5%ビールをのみ、検知0.15mg/lの人前提で話をすすめましょう。

さて、ビール1本のむと4時間は乗るなと言われている。
標準が3時間20分で分解、弱くても4時間あたりで分解されよう。
そこは異論はない。

で、ビール1本のみ、15分を0.15mg/l以上維持後にグリチロンを飲むと…45分後には検知しなくなったという…
レバーザイムは60分後はまだ0.03mg/lの数値が出ている。

コンビニ市販ドリンクだと、チオビタドリンクとウコンの力は2時間30分と…50分の短縮、
新ペパリーゼは完全にきえるのは2時間45分と、35分の短縮でしかない…
新ペパリーゼ効くと思ってたのに…
まぁ、急激には下げるから効くと体感的に感じていたのだろう。

(あとはニンニク…)

薬ケースからニンニク体臭剤をのみ、スティック伸ばして脱臭除菌光を浴び…
1分たらずでニンニク臭も消えていく。

現代ではそこまでの即効性のあるのはない。
ニンニク口臭は歯磨きして3時間ほどできえるが、
体内にはいった成分からのニンニク体臭は16時間たっても残り、
人によっては2日たってものこる話だ。

ニンニク体臭はとにかく汗をかいて発散させる、水を大量に飲んで利尿させる体外排出法しかないのが現代で、
薬などで消すといった便利なのはない。

なので食べる前や最中直後に対応するしかない。


体臭除菌光で、シャワー浴びたようにきれいサッパリ、寝間着や下着も洗濯されたようにきれいになり、寝汗もリフレッシュされたが……まだ寝間着だ。

制服に急いで着替えなければならない。
更衣機スペースまで進み両手を拡げると…

寝間着が前後にわかれて、つづいて前後にわかれた艦内常服が体型に着装し、
瞬時に着替えおわった。

寝間着も睡眠時制服として支給して、更衣機に対応していて、
同様のつくりがその他の制服、常服に適用されていて、
その為に更衣機使用ならば15秒ほどで着替えおわる。

ものの3分以内で部屋から出る準備が整った。

さて乗艦しに行かなければならないが、
宿舎がドックの側にあるならば話は別だが、そんな都合よくできるわけもない。

一般的に連絡ついてから2時間以内の出頭できるようにが一般的なレベルであろう。
自衛隊でもそうだ。理由としては足の話だ。

何しろ緊急召集であっても軍人の私用乗用車は緊急サイレンもついてなく、一般道では信号にそわなければ、事故って召集に応じえなくなる。

例え軍用車両がサイレン付きで自宅にあったとしても、
信号や一時停止箇所では他車がちゃんと止まって安全に走行できるかを確認しつつ徐行ですすまなければならず、その為に時間をくってしまう。
安全確認せずに猛スピードでは、サイレンを聞きそびれた他車や歩行者との事故のもとといえよう…

それにだ。一基地2万人と仮定して、2万台全部が緊急走行して一ヶ所に集結する場合の混雑ぶり……想像できよう。

車以外は?バイクはまぁ……渋滞等すり抜け可能と言えるが、やはり交差点で事故る可能性あり、更には事故った時に悲惨。
自転車は速度の問題あるし、走っては同様。

鉄道等の公共交通機関ならば早いがそこまでの足の問題があろう。
駅前に自家用車を乗り捨てるならばその後の渋滞のもとになる。

結局は信号通りに進む、渋滞にはまりつつ…になるとは思える。
下手したら渋滞はまり2時間以上かかるかもしれない危険性はあるが…

さて異世界軍では……

主操舵手は自宅ドアを閉めて、完全密閉型浮遊スクーターに乗り、コロニー空へと…

渋滞知らずの浮遊スクーターで解決していた。
MAX500kmまで出せる軍用タイプで、そこまで出るとやはり大気の力は痛い。
気にせずにでる個人アーマー飛行ユニットの案も出た。
が、荷物等どうするか?着用時間は?になりスペースが必要だが完全密閉型にへと落ち着いた。
浮遊スクーターなら人間の走力による時間の問題も関係ないといえよう。

浮遊スクーターはチューリップステーションのランチにそのまま着挺、
ランチはチューリップ潜るとチューリップハブコロニーに到着、
乗艦するドック近くのチューリップ行きランチに浮遊スクーターに乗ったまま移動して乗り換えて…

再び潜り到着すると、宙へと進み出す。
あとはヤマト123号へと着挺するのみだ。
ここまでで10分ほど。

ヤマト艦橋の根元付近のハッチ内に入り着挺、
ドアが艦内通路に接続解放され、荷物をもち、エレベーターで艦橋へと。

「山田、乗艦しました」

「全員搭乗ね。発進急いで」

「了解。チェックリスト確認」

乗組員は更に自動化がすすみ、艦橋スタッフ5名のみ。
そんな人数でダメコンどうするの?には、
もはやヤマト級は日産24隻の量産体制が整いつつある現状…
人員保護優先で艦橋に脱出艦としての機能をもたせて、艦は放棄する方針へと転換していた。
GUFでは耐えて1撃、合金Z船体では1撃たりとももたなかった為、
超合金Z船体へと、ヤマト級全体が改修されたが、
それでも突貫級の光速の30%の突撃にどのくらい耐えられるかは不明でもあり、
搭載機は無人のAI機ゴーストのみだからでき、
ゴーストのメンテナンスとかは艦の機能として組み込んでいた。

「管制から発進許可でました」

「抜錨、固定柱開放……微速前進」

「微速前進ヨーソロー」

艦隊出動命令から完全上陸状態であったヤマト123号はたった20分ほどでドックから出宙していく……




押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.