魔鎖ヘルフェミリンス(Noah's Gate)
「まさか本当に作るとはね…」
金色に輝く魔鎖ヘルフェミリンスを見て、ミーアは少し驚いた表情を見せた。
ミーアの武具、虚空鎖ヘルフェミリンス。
この強力な武具のレプリカとして魔鎖ヘルフェミリンスが完成した。
ノアがこのレプリカを作ると言い出した時、ミーアは内心無理かな?と考えていた。
しかし、ノアは時空剣の化身であり、そもそも時空を跳躍する強大な魔力を秘めた「得体のしれない何か」だ。
ひょっとすると…という気持ちはあったにせよ、やはり、驚愕せずにいられなかった。
ノアと王子は最終調整のためのテストと称してミーアを呼び出していた。
テストというからには「それなりのものができたのだろう」とは思っていたが、ここまでの完成度とは思っていなかったからだ。
「相手を足止めする性能と、防御力に特化したわ。殺傷力は皆無になってしまったけどね。」
やや残念そうな口ぶりでノアはそう説明した。しかし、それでも十分すぎる性能だ。
聞けば、足止めの性能としては、オリジナルを凌駕しているらしい。
ミーアは「ふぅん」と魔鎖を手に取り、感触を確かめる。
「ミーア、ちょっとそれ、試してみない?」
「いいわよ。そもそも、そのために私を呼び出したのよね?」
ミーアは魔鎖を装備し、準備を整える。
ミーアが魔鎖を自在に操っている様子を見て、ノアは淫靡な笑みを浮かべながらこうつぶやいた。
「話が早くて助かるわ…。それ、作るためにかなり魔力消費してしまったのよ。充電が必要なの。」
ミーアの意図しないところで、魔鎖ヘルフェミリンスの固有スキル―次元超えし天金の縛鎖―が発動した。
その瞬間、ミーアは体の自由を奪われてその場に倒れ伏す。
ミーアは何か言おうと口を動かそうとしていた。
その一部始終をみて、ノアはクスクスと笑いながら、こう言い放った。
「大丈夫、さっきも言ったでしょう。『殺傷力は皆無だ』って」
* * *
ミーアは何が起こったのかが理解できていなかった。
(虚空鎖と同じように装備して、制御していたら急に体に絡みついてきたまでは覚えてるんだけど…)
ミーアの体をまるでヘビか何かの生き物のように魔鎖が這う。ミーアの体は麻痺して動けず、なされるがままになっていた。
「ノア!?どういうこと!?」
王子はノアに問い詰める。
「うるさいわね、ちゃんと説明したでしょ。充電が必要だって」
「最終調整とテストって言ったよね?」
「だから、麻痺深度の最終調整テストよ?」
「…。」
「それにね。魔力不足は嘘じゃないの。私の魔力が枯渇すれば、あなたも生命の危機だということを理解しなさい。」
そうだ。と王子は苦虫をかみつぶすような表情をする。
ノアとの契約により、時空剣ノアを行使する権利を得ているが、魔力の枯渇が生命の危機に直結するようになってしまった。
魔力の源とは、女性の性的快楽。ノアいわく、定期的に補充しないと死んでしまうらしい。
ノアと王子が話をしている間も、魔鎖はミーアの体を拘束する。
両手は、次元を超えて現れている鎖によって虚空につながれており、吊られた状態となっていた。
「そろそろ麻痺が切れる頃合いかしらね?」
と、ノアは嬉しそうにそうはつぶやいた。
* * *
「ごめん、ミーアこんなことになるとは思ってなくて」
「あなたのせいじゃないわ、それに、あなたの命が危ないとわかってたら…」
「健気ねぇ…。時空跳躍のためだけじゃなくて、生命維持にも必要なのよ。女の快楽はね。これは嘘じゃないわ。」
ミーアはノアのほうを少し睨んだが、気にせずノアは続ける。
「コイツは、大方『弱みや同情に付け込んでヤるなんて女の子に悪い』なんて恰好良いコト言うタイプだわ。でもそれじゃ困るのよ。」
「…」
王子は言い返せないでいた。ミーアも王子の性格ならばそうなのだろうと得心した。
「で、どうするの?ミーア。」
「わかったわ…好きに…なさい。」
「そう、じゃぁ遠慮なくやらしてもらうわ。ついでだから次回の時空跳躍用分も補充できるとありがたいわね」
ノアがクイっと手を動かすと魔鎖は生命を持った触手のごとく衣服の中に滑り込み、もぞもぞと衣服の中を蠢めいた。
乳房を締め上げ、衣服越しにすらごつごつとした魔鎖の形と隆起した乳首があらわになった。
「服が邪魔ね…まぁこういうのもたまにはいいのだけれど。」
その後も、魔鎖はミーアの乳房と乳首を執拗に責め立てていく。
「ふ…ぐっ…」
ミーアから声が漏れる。快楽から生まれる声というよりも痛みを伴った声だ。
「まぁ、しょうがないのよねぇ。鎖だし、潤滑油的な何かもないのだから。ああ、そうね。あるじゃない。潤滑油」
ノアは何かを思いついたように微笑みながら両手をパンとたたいた。
「だとすると、ますます服が邪魔ねぇ、まぁいいわ、後でコイツに新しく買ってもらいなさい。」
そういうと、乳房をつかんでいた魔鎖が一瞬緩み…ビリっという音とともに、その衣服を内側から引き裂いた。
「いい眺めだわ。素敵よ?」
前方を引き裂かれ、乳房とパンツがあらわになった。その肢体に絡みつく鎖とで、妙なエロティシズムを感じる。
ノアが人差し指をクンと下に下げると、魔鎖がパンツの内側に入りこみ、そのまま引きずりおろした。
「!!」
たまらず、羞恥に頬を染めて足を交差させ、大事な部分を隠そうとする。
「だ・め・よ。大切な潤滑油の製造元なんですから。そうそう、忘れるところだったわ。せっかくだからサービスしてあげる。」
ノアは催淫の魔力をミーアに送り込むと、やがて彼女自身から太腿に粘度の高い愛液が伝っていくのが見えた。
魔鎖はさらに両の太腿に絡みつくと、その両足をひろげさせ、しとどに濡れそぼった彼女自身があらわになる。
愛液は、まるでよだれのように、だらりと糸を引いて、床に落ちていった。
* * *
魔鎖は彼女自身を丹念に撫で上げ―といっても、むしろ愛液を自身に擦り付けているようにも見えるが―その擦れる感覚で、ミーアの息が徐々に荒くなっていった。
「は…はぁ…んっ…………くっ」
おそらくノアの魔力も影響しているのであろう、あふれ出る愛液は魔鎖を伝って床に落ち、水たまりを作っていた。
「うーん、この間はバイブを後に電マを前に突っ込んでイキ狂いさせたから、なんか物足りないわね。あなたも物足りないんじゃないかしら?」
ノアがさらりとひどいことを言う。
「この分じゃ、生命維持の魔力は充填できても、時空跳躍の魔力は到底足りないわよ?」
ノアは王子を覗き見ながらそういう。
「そんなこと言ってもどうすればいいのさ」
「はぁ…ちょっとはあなたも考えなさいよ。受け身ばかりでないで。そんなんじゃ女の子をいつまでたっても満足させてあげられないわよ?」
「…でも、この間のはひどすぎだったじゃないか?ミーア気を失ったし。」
「気を失うほど気持ちがよかったってことでしょ。幸せそうな顔して眠ってたじゃない。」
確かに、あの時ミーアは満足そうにして眠っていたような気もする。
「まぁ後は、あなたに任せるわ。あなたの思念通りに魔鎖が動くから、好きにして。」
ノアが楽しそうなおもちゃを見つけたように微笑みながらそういった。試しているのだろう。
王子が、思念を這わせると、確かに思い通りに動く。
しかも、この魔鎖の触覚が自分に伝わってくる。これはこれで新鮮な感覚だった。
愛液にまみれた魔鎖が彼女の体を這うと、まるで生き物ののように、その粘液を軌跡として残した。
彼女の体に這わせ、魔鎖が渇き始めたところで、彼女自身に魔鎖が侵入し始める。
「ふあっ。ああっ」
ミーアの口から声が漏れる。
魔鎖の先端が子宮の入り口に到達したのが王子にもわかった。
そのまま、鎖を前後に移動させる。
鎖の凹凸に合わせて、彼女自身の入り口が変化するのがなんともいやらしく感じ、王子自身も頭がぼうっとしてくる。
鎖と穴の隙間から、あふれる愛液が太腿を伝って、流れ落ちるのを、見て喉を鳴らす。
しかも魔鎖の触覚が伝わってくるため、やがて王子自身もこのまま快楽の淵に没頭していった。
「ノア…そういえば、この鎖って次元を超えられるんだよね」
「そうよ」
「…試したいことがある…どうすればいい?」
「それは口で言うのは難しいわ。意識を共有したほうが早いわね……こんな感じかしら」
「わかった」
ノアと王子で何らかのやり取りが行われた後、ミーアの体内で変化が生まれる。
「え。いや、なに?」
ミーアが戸惑いと、なんでこんな時に?という不安気な声を上げる。
「怖がらないで。」
それもそうだ。ミーアに侵入した鎖を次元転移させて裏側の直腸に出現させたのだ。ミーアは判断がついてないのだろう。
「や、なんか、でちゃう。いや、でちゃうっ」
涙目になりながらミーアの悲痛な声が部屋に響いた。
「大丈夫、力を抜いて。そのまま『出す』から」
「うあぁぁぁぁぁぁぁ」
ニュルニュルと、アナルから、魔鎖が排出された。
極大のアナルビーズが抜け出る感覚に近いのだろうか。ミーアは涙を浮かべながら目を見開き、口を開いて舌を突き出しながら荒い息をしている。
掠れた喘ぎ声がミーアから発せられる。
「お願い…待って…」
適度にしまりがあり、内壁が複雑な膣内から、内壁がつるつるとしている直腸、そして、しまりのきついアナルを抜けて解放されるという感覚は王子の理性を飛ばすのに十分だった。
いつもの王子なら言わないであろうセリフが口を出ていた。
「時空を超えるのに必要なのはわかっているんだろう?ミーアも了承してくれたじゃないか。」
王子が熱を持った息を吐きながらそう諭す。
「でもでも、ひんっ」
冷たい鎖が彼女自身を蹂躙し、そして、体外から排出される。
魔鎖の長さ一杯まで使い切って、王子は彼女自身を貫いた。
味わったことのない感覚は、ミーア自身も絶頂へといざなう。
「か‥はっ・・・」
ひとしきりブルりと震えると、そのままミーアの意識が遠のく。
王子自身も、肩で息をし、ミーアをそっと床に下ろす。
「お疲れ様、すごくよかったよ。新しい服は明日買いに行こう。」
王子はミーアに軽くキスをし、ゆっくりと愛しむように抱きかかえると、ミーアの部屋のベッドまで運んでいく。
ノアは自分の肩を抱きながら、一部始終を満足そうに見ていたのだった。
[終]
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