ザッザッザッ……

俺たちは今、林の中の道を歩いている。

辺り一面木が生い茂っていて、緑が続いている。

みんなが無言で歩いていると、不意にヤードが俺に小声で話しかけて来た。

「ジン、どうして貴方がこの島に居るんですか? 貴方もこの島に流れ着いたのですか? 」

「ん? 流れ着いた? 」

ヤードの謎の言葉に、俺は頭を傾げる。

「ええ、私たちは海で突然起こった嵐で流されてしまって……」

「それで、この島に流れ着いたと……なあ、嵐は突然起こる物なのか? 」

「いえ、解りません。でも、あの嵐は普通じゃありませんでした」

「そうか……」

嵐ねえ……何か引っ掛かるな……召喚術か?
俺が一人考え込んでいると、赤髪の女に話しかけられた。

んー気のせいか……何処かで見た事が……何処だっけ?

「えーと、確か貴方の名前はジンさんですよね? 」

「ん、ああ、そうだが……アンタは? 」

「私の名前はアティと言います」

「ああ……で、何か用か? アティ」

俺がそう言うと、アティは一瞬目を丸くしたが、笑みを浮かべた。
多分、俺がいきなり呼び捨てにしたからだろう。

「えーとですね、さっきから気になってたんですが、ジンさんはどうしてこの島に居るんですか? 」

どうやらアティもヤードと一緒の事を気にしていたらしい。

「ああ、俺な、此処に召喚されたんだよ、さっきな。」

「「! ? 」」

俺の言葉に二人は目を見開いた。

「ありえません! そんな事が……」

「あるから此処に俺が居るんだぜ? ヤード」

「でも、リィンバウムの人間が同じリィンバウムに召喚されるなんて……聞いたこと無いですよ? 」

「んーまあ、いいんじゃねーの? 別に困ってねーし」

その言葉に、ヤードは呆れた顔、アティは目を丸くした。
……俺なんか変な事言ったか? 
俺たちが話していると、アルディラの声が聞こえた。

「着いたわよ」

「……ここは?」

「集いの泉……護人たちが会議をするための場所よ」

周りを見ながらアティがアルディラに聞く。
アルディラは簡単な説明をアティにした。
しっかし、キレイな場所だな……ここで一体何をするんだ?

「連れて来たわよ、みんな……」

アルディラが声をかけると、そこにいるシマシマ模様の人?
存在感タップリの鎧を着た人……顔が見えてないぞ……見えるのか?
額からツノを生やした……忍者?
その三人が一斉にコッチを見た。

……何か感じ悪いなー
俺がそう思っていると……

「機械集落ラトリクスの護人、アルディラ」

「鬼妖界・風雷の郷の護人、キュウマ」

「さぷれす・冥界の騎士、ふぁるぜん」

「幻獣界・ユクレス村の護人、ヤッファ」

「四者の名の下、ここに会合の場を設けます。
さあ、説明して貴方たちが、この島に来た経緯を……」

それから、アティたちが護人たちにこの島に来た経緯を説明するが、
その説明を護人たちは、表情を崩す事無く聴いていた。

「なるほどね……つまり、貴方たちは遭難して、この島に流れ着いた……」

表情を変える事無くアルディラが言う。

「しかし、そんな偶然があるものでしょうか?」

額からツノを生やした……キュウマだったっけな?
まあ、言いたい事は解るが……

「ヨバレタノデハ……ナイノカ?」

ん?俺の事か?だったら……

「ああ、それ俺だ」

俺の言葉にアルディラを除いた、護人たちは俺の事を見る。

「彼は?」

キュウマの質問にアルディラが、今までの経緯を話す。
俺の名前、この島に召喚された事、子供の頃に名も無き世界から召喚され、リィンバウムで生きている事。
この場にいる、アルディラ、ヤードを除いた全員が、驚いた様な表情をしている。

「まあ、そんな所だ」

「ニンゲンガ、ココニ、ショウカンサレルトワナ……」

「それがあるから、俺がここに居るんだぜ?」

先ほど言った言葉をまた言う俺。
その言葉を聞いたファルゼンは何も言うこと無く黙っていた。

「ともかく、俺らは船の修理が終わればすぐに出て行く。
そのために必要な物だけ、貸しちゃあもらえねえか?」

「悪いけど、協力はできないわ」

金髪の男が護人たちに聞くが、それをアルディラが否定する。

「どうしてっ!?」

「あんたたちがリィンバウムの人間だからさ……もっとも、アンタは違うみたいだがな」

ヤッファが俺を見ながら金髪の女の問いに答える。

「機界ロレイラル、鬼妖界シルターン、霊界サプレス、幻獣界メイトルパ。
この島に住む生き物はそうした異世界から来たものばかりよ。
……この意味が、わかる?」

アルディラの問いに、アティがハッとした表情になる。
……なるほどね、そういうことか。
だとしたら、この島は……

「この世界に召喚され、そのまま還されることがなかった、はぐれ者たちの島。
この島は、召喚術の実験場だったのですよ」

「オレたちはな、召喚術の実験台としてこの島に喚ばれてきたんだよ」

召喚術の実験台でこの島にねえ……俺とチョット似てるな。
無色がやった召喚実験……その失敗の結果、俺がこの世界、リィンバウムにいる。
俺が召喚されたと同時に、俺を召喚した無色の召喚師が持っているサモナイト石が砕けたから、
俺は、自分の世界、日本には帰れないが……コイツらは、どうなんだ?

「そして、島ごと捨てられた……くくくっ、おかしくて泣けてきそうだろ?」

「そん、なっ」

ヤッファの言葉にヤードが驚愕の表情でそう言った。

「それじゃ、貴方たちはずっと……」

「ショウカンシハ、ミナシニタエタ……カエルスベハ、モウナイ」

アティの問いにファルゼンが、どこか悲しそうに言った。

「だから、私たちは人間をしない、関わりたくもない」

「お互いに干渉しない、それが、妥協できる限界です」

「悪く、思うなよ」

「…………」

護人たちがアティたちを拒絶する。
確かに、コイツらの言っている事は、分かるが……何だかな〜


それから、重苦しい雰囲気の部屋をアティたちは出て行った。
俺も出て行こうとしたら、護人たちに止められた為、この部屋には、護人四人と俺だけだ。

「で、何か用か?俺はアイツ等と話がしたいんだけどな」

「貴方に残ってもらったのは、貴方の詳しい経歴を話して頂きたいのです」

「さっきは、かなり略して話したけど、もっと詳しく教えてくれるかしら?
貴方がリィンバウムに召喚されてから、何処に居たのか、どうやって生きて来たのか、
この世界で子供一人で生きて行くのは不可能よ……教えてくれるかしら?」

キュウマとアルディラの視線が俺を射抜く。その眼差しは真剣だ。
ファルゼンとヤッファも俺を見ている。

「やれやれ、過去を話すのは好きじゃないんだけどな……まあ、いいだろう
話してやるよ。その代わり、一切の文句は聞かないからな!」

そうして、俺は語りだした……俺がこの世界に召喚されてからの暗い過去を……






すいませんでした!
自分のパソが壊れた為小説が書けませんでした。
随分と遅くなってしまって申し訳ないです。
前回の終わりで、住む場所が決まると言っていましたが……すいません、もう少し先になりそうです。
暫く小説を書いていなかったので、考えていた内容を忘れてしまいました。
そこで、新しく考え直しましたので、もう少し待ってください。

では、次回で〜〜



感想

スレイルさん第二話ご投稿です!

考えてみればサモンナイト作品も増えてきましたね〜

3は私も含め五作品、2が一作品、全部(爆)が一作品、計七作品ですねぇ。

やはりサモンナイトは人気だなぁと思う私です。

今回は合流編ですね、今回の展開はジン君あまり出番無かった感じですが…

次回は活躍してくれる事を期待しております♪

ですね、最近企画モノばっかりに走って作品遅れ気味な黒い鳩さんとは違ってスレイルさんは期待できそうです♪

ですから、出番くださいね♪


…えらいあからさまだね(汗)

まあ、頑張ってもらいたいとは思うけど。

作品の流れはスレイルさんに任せるべきでしょう。

それはそうですけどね、やっぱり目 立ちたいじゃないですか…

目指せヒロインゲットです!

はははは…まあ頑張ってね(汗)

押して頂けると作者の励みになりますm(__)m



スレイルさんへの感想は掲示板でお願いしま す♪



戻 る

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.