第二話
『ようやく最終試験・・・お?これで行くんか?』

「さて・・・試験をする前に、お前たちにコレを渡しておこう。」
ズドカーンはそういうと、三人に腕のプロテクターのようなものを手渡した。
「・・・?何ですか?これ。」
リンリンシャオが受け取り、首をかしげながら尋ねる。
他の二人も似たような表情だった。

「これはな、ガードに絶対必要な物だ。その名も・・・APアダプタ!」
自分の右手を前に突き出し、腕のプロテクター・・・APアダプタを強調させて言うズドカーン。
「・・・それで、このAPアダプタってのは、何なんだ?」
ベルトランが、少し苛立った調子で聞いた。
「おぉ、これはな、シティのサーバやお前たちのメモリーに・・・」
「あの・・・そんなこと言われてもさっぱり分からないんですけど・・・。」
なにやら説明を始めたズドカーンに、アキラが突っ込む。

「そうだな・・・じゃぁ、要点だけを話すか。そのAPアダプタはな、お前たちが手に入れた道具や今から乗る『デジバイク』っつー乗り物を
データ化して収納する装置だ。あとは、こっちも今から行くことになるんだが、『ビースト』たちの巣である『ワームホール』っつーところから、
一瞬でここに戻るための『オートパイロット』っつー機能も付いてる。」
三人は、「おー」となんの感慨もなく応えた。


APアダプタとは、言うなれば、あのRPGなどによくある△ボタン等を押せば出てくるメニュー画面のことである。
『ビースト』たちが自ら造り居住している巣『ワームホール』。ここで手に入れたアイテムや、
『ワームホール』まで移動するバイクのような乗り物、ってかまんまの『デジバイク』を収納することができたりする優れ物である。
そのほかにも、『ワームホール』から、一瞬でシティに戻ることのできる『オートパイロット』なる機能も付いていて、
さらには、『ビースト』との戦闘の際、他の『ビースト』に襲撃されないよう『バトルフィールド』という空間を作り出すとこもできる。

何故、そんなことができるのか?というのは、ご都合主義ということで。。



APアダプタを渡された三人は、最終試験である『ワームホール』での戦闘を行うため、
『デジバイク』を管理しているカリル管理官のもとへズドカーンに連れられてきた。
メインゲートの中央奥の台座のようなものに彼女は居た。

「よぉ、カリル管理官、景気はどうだい。」
「あら、ズドカーンさん。どうされました?」
カリルが尋ねると、ズドカーンは三人を親指で指差した。
「あぁ、そういえば最終試験を受ける方がいらっしゃるって伺ってましたわ。」
「おう。それでよ、レンタル用の『デジバイク』余ってねぇか?」
「少々お待ちください。」

カリルが台座のようなものの手すりに手を置くと、ホログラフウィンドゥがカリルの正面に表示された。
どうやら、台座のようなものはコンピュータのようだ。

その光景に、三人は目を丸くする。それは、カリルが一度に複数のコンピュータを扱っているからだ。
その証拠に、今カリルの周りはかなりの数のウィンドゥが表示されていた。

「・・・ありました。ちょうど三つ。」
カリルが、ウィンドゥを閉じながら微笑みながら言った。その拍子に長い金色の髪が揺れる。
「綺麗な人だね。」
隣にいるリンリンシャオが小声でアキラに言った。
少し見とれていたアキラは、黙って頷く。。

「それでは、早速出撃しますか?」
「おう。頼む。」
話がどんどん進んでいくなか、三人は呆然と見ているしかなかった。


「わぁ・・・。」
アキラは感嘆の声を漏らした。メインゲートの外に広がっていたのは、豊かな緑だった。
「これが・・・シティの外・・・。」
隣に居るリンリンシャオとベルトランも、その景色に目を奪われていた。

思えば、今日は初めて体験することばかりだ。ガードチーム内やメインゲート、ましてや外の世界なんて今まで縁の無かったところだ。
ガードではないアキラたちは、ガードチームに入ることは無かったし、
メインゲートに行くことも外に出ることも、許されることは無かった。

「お前ら、そろそろ行くぞ。」
ズドカーンが初めての外を満喫している三人に声をかけた。
「あ、はい。」
「ところで、『デジバイク』は?どこにあるんですか?」
「それはな、これから出すんだよ。」
リンリンシャオの疑問に、ズドカーンは行動で答えた。
腕につけているAPアダプタの多数あるボタンのひとつを押す。

すると、APアダプタから光の線が放出され、それは形を作った。
「こうやって出すんだ。」
三人の目の前に、まんまバイクの『デジバイク』が姿を現した。
「すごい・・・でも・・・趣味悪いですね。ズドカーンさん」
アキラは思わず言ってしまった。無理も無い。いかにも暴走族が乗っていそうな風貌に、
極めつけは『一刀両断』と書かれた旗を携えていたのだから。
「うるせぃ、子供には分かんねぇよ。」

「・・・子供でいいです。」
ついには、リンリンシャオにまで言われてしまった。
「あー!いいから、お前たちもさっさと出せ!ほらっ、そのボタンだ!」
3人は言われたようにボタンを押す。すると、先ほどの現象が起こり、3つの『デジバイク』が現れた。
スクーターに似ている。

「よし、んじゃいくぞ。あぁ、俺が試験官だから、そこんとこよろしくな。」
ズドカーンの言葉を合図に、4人は『デジバイク』で走りだした。


ちなみに、今まで受けた試験の中には、バイクや車などの運転試験もあった。・・・・・・何故あるのかは、永遠の謎である。








後書きとのたまう言い訳
どうもっす!最近スパロボ大戦αVにハマって大変なことになってる酒呑 童です。

いやぁ、とうとう試験を初めてますよ。って、遅いですね・・・。
あぁ・・・あんまり進まないや・・・。うぅ、文才無いなぁ私・・・。

まぁ、愚痴はこれくらいにして。
やっぱりオリジナル要素バリバリですね。これって二次創作って言えるのかな・・・?
それはさておき、次回からとうとう戦闘ですよー!
楽しみだなぁ、書くの。大変そうだなぁ、デジモンの描写・・・・。

・・・これからもお願いします。




感想

アキラ君、初めての外の世界へ…この先何が待ち受けているのでしょう。

試験をするという事は、何かと戦うか、サバイバル訓練みたいなものか、気になりますね。

世界観が徐々に明かされていますね〜

外はどのような世界が待っているのでしょう、今後に期待です♪



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