C.E暦70年 3月8日に発生した『第一次ビクトリア攻防戦』は地球連合の勝利で終わった。これは地球連合軍関係者のみならず市民の間にも喜びを与えた。
その大半がまたブルーコスモスであるのは言うまでもないが、連戦連敗続きだっただけに勝利の報告は絶大な効果を発揮したのである。
倒せコーディネイター、倒せ宇宙の化け物、倒せ地球の敵―――等と、まるで狂喜と狂気が破滅の行進を始めたような熱狂ぶりだった。
連合軍上層部は、このまま巻き返しを図ってプラントを殲滅すべきだという意見が出ているくらいだ。
  そんな連合の意気揚々とした雰囲気とは逆に、意気消沈していたのは言うまでもないプラント。いや、意気消沈は大げさなものだが前より勢いは小さくなった。
特にザフト司令部は、急進派や急進派支持者の一般人から罵声の嵐を浴びた。ナチュラル如きに敗北するなど、あるまじきものである、というのだ。
ザフト無敗神話が早くも崩れた中で、国防委員長であるザラの進退は深刻を極めたと言えるだろう。この戦闘でMSを20機近く失った挙句、ローラシア級2隻を損失、ナスカ級1隻を中破、という散々な結果を生んだのであるから深刻にならざるを得ない。
  ただでさえ国力と総兵力に劣るのに、この損害はたまったものではなかった。このままでは連合を調子に乗らせることとなってしまう。
そしてザラは恐れているのだ。地球連合が再度の核攻撃に出てくる可能性を―――。

「早期講和の道が、一歩離れましたな」
「呑気なことを言っている場合か。ナチュラル共は、これを機に突け上がってくるぞ!」
「そもそも、地上の援護なしに成功すると言ったのは誰か?」
「そのまま言葉を返すが、早期講和の為にも必須だと言ったのは誰か?」

穏健派と急進派の議員が手厳しく批判しあう。早期講和を掲げて急進派の提案したビクトリア攻略に賛同したのは、皮肉にも穏健派でもあった。
よって一方に責任が行く訳でもなく、双方共に批判はそこそこにして切り上げねばならなかった。今後の対策が必要なのだ。
  このままではマスドライバーを奪い去る前に、地球連合軍は慣性制御を搭載した艦艇を続々に上げてくるだろう。そうなったら歯止めの掛けようがない。
一気に畳み掛ける為には、やはり決定的な打撃を与えていくしかない。これまで、実は地球連合国の構成国家の頭を抑えてしまおう、という案があった。
つまり首都を直撃するというものである。大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国、南アフリカ統一機構ら、各国の首都は分かっているのだ。
  同時に地球連合軍総司令部を叩くという案も存在している。だが総司令部の位置は、まだ未確認な故に実施するのは不可能。
対して位置の判明している各首都を直撃した方が、より遥かに効率的であるのは言われなくとも解るのだが、それでも大きな問題はあった。
首都を直撃したとして、肝心の首脳部を捉えるかして全滅させなければ意味は無いということである。失敗すれば生き延びた首脳陣は反撃の声明を掲げるだろう。
地球連合の反コーディネイター感情は、最高にヒートアップするに違いない。
  それに、これは各国の首都を同時に潰さねば意味がない。何処が残っても、そこが全体の指揮を掌握することに成りかねないからだ。
防衛部隊も果敢に反撃してくるだろう。狙いを達成できなければ降下した部隊は孤立してしまう。こうなってくると地道に地盤を固める方が懸命という結果が出る。
つまり地上にザフトの基地を設置し確実な降下ポイントを得るということだ。既に候補地は上がっており、支援要請を出した太洋州連合とアフリカ共同体がソレだ。
  しかし、単に降下するだけでは地球連合が再び横槍を入れかねない。大混乱を生じさせる必要があるのだが、その為の計画が存在する。

(ともなれば‥‥‥アレか)

Nジャマーを最大限に活用する作戦案のことをパトリック・ザラは思い起こす。まだ仮の作戦案でしかないものだ。
これはNジャマー発生装置を地球上にばら撒いてしまうもので、これによって生じる軍事的、経済的なダメージは計り知れないと予測される。
  まず深刻を極めるのは、原子力発電所の停止によるエネルギー供給の全面ストップだ。今や原子力エネルギーが当然な時代ゆえに効果は凄まじいだろう。
免れるとしたら核融合炉型の発電所か、従来の化石燃料を使用した火力発電、自然エネルギーを利用した各種発電所だけである。

(だが、これもナチュラルどもが核と言う、下劣な兵器を使わなくさせる為なのだ)

彼は自分に言い聞かせた。核兵器の脅威から身を護る為に使う。そうしなければ、またプラントは核兵器の攻撃に怯えなければならないのだ。
Nジャマーで地球を混乱に陥れ、その隙に大洋州連合とアフリカ共同体の領内に降下。基地を建設して万全な態勢を整える。

(使わせなくするためだが‥‥‥)

以前の彼であれば躊躇なく提案を出して、議会に許可を通させるようにしたであろう。
  だが、生存した妻の助言が、その意思に歯止めを掛けていた。繰り返し妻の口から出たナチュラルとの共存の可能性。それを大いに見せた日本という存在。
彼らにはユニウスセブンの時に救出を手助けしてもらった恩義がある。また、この作戦を実行したとして彼らは断じて認めてはくれまい。
核兵器を許さなかったように、多くの非戦闘員を巻き添えにする行為を日本を始めとした中立連盟は断固反対するに決まっている。
  かといってNジャマーを使用しなければ、地球連合の暴挙によって核攻撃の再来が押し寄せてくる。判断の難しいところであった。

「国防委員長、何を考えているのかね」
「今後の対策に決まっているだろう、議長」

長年の親友であるシーゲル・クラインが問いかけてきたが、ザラは表面には出さずに憮然として答える。この親友とは近頃そりが合わず、対立するのがしばしばだ。
どちらもコーディネイターの将来を慮ってのことではあるが。
  今後の方針が中々に纏まらない中で、ザラに対して再度の意見を求められると彼も止むを得ぬと言う形で例の作戦を口にした。

「今回の失敗は、受け止めねばならない。同時に、これを踏まえてやるべきことができた」

彼が言うには地上での支援戦力を得るための軍事拠点を確保すること。早期に宇宙港やマスドライバー基地制圧を占領して地球連合軍を地上に封じ込めること。
工業地帯に対して攻撃を加えて連合軍の生産能力を停滞させること。そして核兵器を封じるために、Nジャマーを地表に敷設すること。
  これが仮作戦案として彼が今組み立てた考えをブレンドしたものである。何はともあれまずはNジャマーを地表に敷設することが肝心だった。
だが当然のことながらNジャマーを地表に敷設すると言う作戦の内容に穏健派は眉を顰めた。

「そんなことをすれば、民間レベルにおいても大打撃を与えることになるぞ」
「核兵器は憎むべき存在だ。かといって、そのようなことをしてしまえば‥‥‥」

アリー・カシム議員、並びにパーセル・ジェネリック議員が戸惑い、思い留める。それが気にくわないのか、ジェレミー・マクスウェル議員が反論する。

「何を言うのか。我等は既に、民間人を大勢失っているのだ。その洗礼を、ナチュラルは浴びるべきだ!」
「馬鹿な、それでは中立連盟をも敵に回すことになるぞ!」

穏健派が持ち出す中立連盟の存在に急進派は冷水を浴びせられることとなる。Nジャマーの効力範囲は極めて広い効果を持っているが、それが広すぎるとどうなるか。
地球全土に見境なく撃ち込んだとして、中立連盟加盟国も例外なく被害を受けるだろう。そうなったら中立連盟は黙っている筈が無い。
  その点を憂慮すべきであると、穏健派のユーリ・アマルフィ議員が忠告する。

「彼らは我々に味方しているわけではないぞ。あの時は核兵器の使用を阻止するために、あるいは人命救助のために我等プラントを支援してくれただけだ」
「もしNジャマーを敷設することになれば、今度は我々に対して抗議を上げるだろう。いや、最悪の場合は中立連盟とも戦争状態に突入してしまう!」
「君らも知っている筈だ。中立連盟の中でも、日本軍の実力は連合軍をも上回るものだと。彼らが本気になったら、如何なザフトと言えども‥‥‥!」

これでもかと穏健派の人間が反対の意を表すると、逆に急進派は神経を逆なでされた様な形で反論を開始した。ヘルマン・グールド議員が口を開く。
マクスウェルもそれに乗っかり、矢次に穏健派の尻込みを非難する。

「我がザフトが日本に遅れを取るわけなかろう?」
「そうやって及び腰だから、ナチュラルに舐められるのだ!」

いまだに日本軍と直接的な戦闘を開いていない彼らは、ザフトのMSが日本軍に負ける筈が無いと信じている。いや、信じたかったのだろう。
先日に敗北したこともあって急進派は苛立ちを募らせており、ここにきて日本軍にも劣るかもしれないという言い方に怒りをぶつけたのである。
  だが直接的な戦闘はしていないまでも、誤射してしまったことは記憶に新しい。その時の記録は丁重に保存されているのだ。
MSジンが日本軍巡洋艦〈ナチ〉に対して放った、76mm重機関銃と対艦ミサイル。だが〈ナチ〉は、これを受けても平然としたものだった。
厳密に言えば平然としていた訳でもないが、〈ナチ〉と全長で近い規模のドレイク級宇宙護衛艦と比べると、その防御性能のレベルが違ったのは確かである。

「現実を見たらどうかね。中立連盟にまで敵に回して、我々に勝機があるとも思えん」
「まして、彼らにマスドライバーは必要ない。直接宇宙に上がってくるのが普通なのだぞ」
「ふむ‥‥‥戦争とは、一端事を構えたら後戻りは出来ぬものだ。ここは、慎重に考えるべきではないのかな?」

  最後にクラインが釘を刺した。この時、反論するかと思われたザラは周りの予想を裏切って応えた。

「議長の意見は最もだ。何も地球全土を巻き込むとは一言も言ってはおらん。この作戦は練りに練っておかねば、議長の言うとおりに取り返しがつかんだろう」
「国防委員長‥‥‥」

半ば動揺したのが急進派のエザリア・ジュールだった。あれ程までにナチュラルを毛嫌いして憎んでいた男が言う言葉ではあるまい。
彼女は、少しづつではあったがザラの思考が次第に急進の傾斜を無くしつつあるのを、肌身に感じていたのだ。
いったい何時からか? あるとすれば、ユニウスセブンの惨劇があった頃だ。普通ならばナチュラルへの偏見甚だしくなるくらいに激怒し、何があろうともナチュラルに対して屈服すべかざるとものだと思う筈だった。
  無論、ジュールもそう感じた身である。核を使うナチュラルに屈服してはならない、必ずコーディネイターが台頭しなければならないと。
ところが彼女の支持するザラは、事件後にして次第に偏見思考を弱めているようだった。ただしナチュラルに好感を示しているわけではなかったが。

「この作戦は、改めて組み直してから提出させてもらう」

最後はそのようにして締めくくられて最高評議会は幕を下ろした。
  その後、ジュールは怪訝に思いザラに訳を尋ねる。何故、ナチュラルに考慮する必要があるのかと。

「私は現実を見ているのだよ。地球連合には勝てるが、あの日本は見くびることは出来ん。先日の誤射した事件で、君も分かっている筈だ」
「存じています。確かに日本の技術力を見くびるべきではありません。ですが、所詮は同じナチュラルです。彼らもまた、核兵器を使わないという保証はありません」
「確かにな。だからこそ、この作戦は慎重に事を運ばねばならん。日本を始めとした中立連盟に、核の使用を固く禁じさせるのだ」

禁じさせることなど可能なのだろうか。ナチュラルは見下す存在としているジュールには、あまり信用できないものだった。

「作戦の内容云々に関しては、私らザフトの仕事だ。君はナチュラルを圧倒する兵器の開発を続けてくれればよい」
「‥‥‥はい」

物静かだが気迫のある様子で押し黙らせるザラに対して、さしもの彼女も口を差し挟む勇気もなく渋々と素直に従ったのである。





  C.E暦70年3月9日。ビクトリア基地攻防の結果は瞬く間に全世界に広がり周知の事実である。国際中立連盟の面々にも特急便の如く報告が舞い込んできた。
それを受けて各国の代表達は、緊急会合を通信機越しで行い中立連盟の立場を改めて確認したのだ。中立連盟は今後も、地球連合とプラントの戦争には直接的に介入する気はなく、中立として他の立場を貫くこと。
これはまず護らねばならない。また多大な犠牲を出さない内に外交政策を中心にして、双方の戦争を早期に終結させるよう働きかけることである。
  だが簡単な話ではないことを各国は承知している。プラントは独立とコーディネイターの台頭を掲げて、一歩も譲ることは無いだろう。
方や地球連合はプラントを不法占拠しているコーディネイターを排除するか、あるいは再び支配下に置くかしない限り諦めはしない。
この間に立って停戦を呼びかけるのは至難の業と言えた。単に戦争を止めろと訴えても両者はまず納得しないのは明白である。
なればこそ、停戦の為の材料を取り出して両者を落ち着かせるしかない。

「その様な良き材料があるものか」

  閣僚議会の場で憮然として言い放ったのは芹沢である。彼としては中立の立場を固持して、何があろうとも地球連合とプラントに首を突っ込むべきではないと示す。
彼に同調する閣僚も少なくないが、中立だからと言って安心できないと注意を促す者もいた。

「連合とプラントを納得させるのは容易ではないのは分かる。しかし、このままエスカレートしたらどうなるのか」
「核兵器使用の件もある。しかも、連合軍の中にまでブルーコスモスが浸透していることを考えれば、尚更のこと考えておかねばならないのでは?」

懸念の声を上げたのは、海原官房長官と森外務相であった。ブルーコスモスの思想に染まった連合軍の部隊ならやりかねないと危惧している。
その一例として南アメリカを問答無用で武力侵攻した挙句に、大西洋連邦の一部としてしまったことを考えれば尚更だった。
  口出しすれば連合からは「プラントに味方する気か」と睨まれ、プラントからも「地球連合に肩を持つか」と睨まれるのではないだろうか。
悪くすれば挟撃される可能性も含まれており如何に日本軍がいるとはいえ、これでは多勢に無勢だ。
そんな将来を考えると、傍観するに限ると考える者の気持ちも納得できる。こうなると両者を鎮静化させる条件が中々見い出せなくなった。
両者の目標を、そして被害を無くして達成させるためにはどうするか。そんな都合の良い話があるのか、と芹沢が言い放った言葉が閣僚の間で繰り返されるのだ。
  そのまま終わらぬ討議が永遠と続くのか―――そう思われた時、藤堂への直通電話が鳴り響いた。閣僚達も注目する中で、藤堂は受話器を手に取り要件を聞いた。

「私だ、何か急な要件でも起きたのかね。ふむ‥‥‥ルイストフ首相からのホットライン? 分かった、直ぐに繋いでくれ」
「スカンジナビア王国からでありますか、長官」
「うむ。何やら我々が話し込んでいた事に、関係するらしい」

意外な、というのは失礼であろう。スカンジナビア王国は日本独立を指示した国であり、オーブ連合首長国との繋がりもあって日本との関係も良好だ。
当王国の政治指導者であるルイストフ首相も物わかりの良い人物であるだけに藤堂の覚えも良かった。
  通信回線が会議室内の通信スクリーンに繋がれ、映像と共にルイストフが議会の場に姿を現す。

『急なお呼び立てをして申し訳ない。Mr藤堂』
「いえ。お気になさらずに。地球連合とプラントへの外交に関して、何か案がお有りだそうですが?」
『はい。これは我が議会で出た結論ですが‥‥‥』

大陸を挟んで通信を入れてきたスカンジナビアの指導者は説明した。それは日本閣僚にとって盲点を突いた提案であり、うっかりと見落としていたものだ。

「火星に、プラント市民の自治区を作る、と仰るのですか!」
『はい。現在、火星には惑星開発の関係者と、数少ないマーシャンしかおりません。火星の土地は大半が手付かずのままです』
「成程、火星の土地をプラント市民に譲渡するということですか。悪くありません、いや、それどころか、それ以上の解決案は無いでしょう」

藤堂はルイストフら一同の提案に感心し、納得して頷いた。プラントの奪回を目指す地球連合にしても、独立を求めるプラントにしても悪くはなさそうだ。
  と、良いことばかりと思ってはいられないのが、現状である。それに水を差したのは芹沢だった。

「ルイストフ首相のご提案は魅力的なものです。ですが、それで完全に解決できるとも、小官は思えません」

つまるところ、地球連合には甚だ都合が悪いのだ。
  何故ならば、彼ら地球連合はコーディネイターという存在そのものをプラントと共に管理下に置きたいからだ。
プラントは宇宙の製造工場と言っても過言ではない存在である。それを投資したのは元プラント理事国であり、製造する為のコーディネイターを住まわせていたのだ。
だがプラントは、理事国の圧力に耐えかねて次第に独立運動を掲げるようになった。さらにコーディネイターこそ新人類として相応しい種族であるとも言い始めた。
都合の良いようにしてきた理事国にとっては、プラントが自分らの手を離れて動き回られては利益に多大な害を及ぼしてしまう、という身勝手な主張を通している。
そこで強引に武力を以てプラントを鎮圧してしまい、以前の様な理事国管轄下のプラントに戻そうとしているのであった。
  だが、そのプラントから全てのコーディネイターが居なくなったらどうなる? 働き手がいなくなるも同然だ。居なくなれば、生産力はゼロになる。
しかも新しい労働力としてコーディネイターを住まわせるのも簡単ではない。まして独立を容認したとなれば、今後もプラントに住まわせたコーディネイターどころか連合に不満を持つ同じナチュラルさえも独立を掲げるやもしれない―――例えば、中立コロニー群であるとか。
よって地球連合としては独立自体も容認することは出来ない。彼らコーディネイターは鎖に繋いでおかねばならない、と頑なに宣言しているのだ。

「それに現実問題として、火星はまだ開拓の序盤です。テラフォーミングを完全に終えるのに何十年もかかります」
「そこは月面都市と同じように造るしかあるまい」

  移住の為の計画は兎も角として、地球連合がこの条件を飲み込んでくれるかが最大の焦点となるのは、まず間違いない。

「皆さん、お静かに。現実性は兎も角として、この提案を成し得る為に動いてはどうかな」
「確かに、これ以上の案があるわけでもない。長官の仰る通り、ルイストフ首相の提案を最大限に活用してみるべきだ」
「地球連合には、何か条件付きで飲ませるしかない。さもなくば、今後、悲惨な戦争が永遠と続くかもしらん」

藤堂の声に、閣僚が次第に納得し、賛同する声を上げた。芹沢や一部反対の意を示す者もいるが、ここはルイストフの提案を受け入れる方向で決まった。

『有り難うございます。つきましては、連盟議会の場でも論議を重ねたいと思うのですが』
「分かりました。これは地球連合やプラントだけの問題ではありません、私達連盟もまた全力で取り組まねばならないことですからな‥‥‥」

  この閣僚議会の結果は巡り巡って沖田と土方の耳にも届くことになる。

「火星で妥協してくれる程、簡単な連中ではあるまい」
「あぁ。コーディネイターの思想と、地球連合の思惑、どちらも簡単に処理しきれるものではない」

中央司令部にあるガンルームにて、沖田と土方は政府の決定に色々な思考を張り巡らせていた。芹沢が危惧したように簡単に解決できるものではないことを悟った。
そして火星を切り札とする方針に、思わず自分らの世界の火星を照らし合わせる。かつて火星に移住した住民もまた、国連に叛意を翻して戦争を仕掛けてきたのだ。
その原因もまた国連の一部管理者の横暴によるものだった。そうだ、まるでこの世界も自分らの世界をなぞっているようだ。

「歴史は繰り返す‥‥‥とはよく言ったものだな、沖田」
「認めたくはないものだが、そのようだ」

  元地球世界とは年代が違うものの、やっていることは何ら変わりはない。そう悟った時、沖田の背筋に冷たい冷気が流れ込み、ゾクリとさせる。
火星軍が隕石攻撃を敢行して一般市民を巻き添えにしたように、この世界では核兵器が民間人を巻き添えにしている。
このままでは取り返しのつかないことになるのではないか。彼は本気でそう思う。軍人としての感と想像力が彼の体温を上げていく。
コーディネイターの不満がこれ以上に蓄積し、地球連合と同じような大量殺戮兵器を投入してきたら、それを相互に繰り返したら、どうなるのか。
  最悪のシナリオを想定していくと、沖田の脳裏に最悪の結果が吐き出される。

―――ジェノサイド―――


全ての人間が戦争によって抹消され尽くす。もはや戦争の範疇を超えた結末だ。中立連盟も巻き添えを食らうこと必然であると考えた方が良い。
是が非でも、この戦争を早期に終結させねばならない。無論、これは沖田の想像でしかないのだが、どっちにしろこの世界は常軌を逸しているのだ。
だが戦争とは、簡単に終わらせてくれる物ではなく休戦は出来ても終戦は出来ないのである。どちらかが降伏を呑み込むまで続くのだ。
  そこでふと思い返すのは、救助したコーディネイターの住民達。そして会話を交わした女性―――レノア・ザラのこと。

「そう言えば、お前が救助した中にレノア・ザラという女性がいたな」
「いたよ。少しばかりだが話をした」

聞くところによれば、あの女性はプラントのザフト最高指揮官の夫人であるという。もっと早く気づいていれば、とやや後悔の念が残る。
レノア夫人を通じて交渉でも出来ればと考えたのだが、沖田は即座にその考えを取りやめる。彼女を通じたとして、どれ程の効果があることやら。

「それはどうかな。ザラ議員は急進派の筆頭であるという話だ。コーディネイターがナチュラルの上に立つことを、信じて疑わないというじゃないか」
「どうもそうらしい。これがまた厄介だ」

どうしたものか。この人物の考え方を変えない限り、まず講和に応じてはくれまい。そして地球連合にも同様に思考の変化を生じさせなければならない。
  沖田はひとまず考えを纏めた。プラントには火星での居住と独立を承認させる代わりに、コーディネイター台頭と言う目標を取り消させ対等の立場に立たせる。
地球連合には、プラントの独立を認めさせたうえでコロニー群を元の製造者でもある地球連合へ順次に明け渡す。
空いたコロニーは地球連合の住民なりを住まわせるの妥当だろう。その後、コロニーは継続して生産工場としての役割を担わせればよいのではないか。
あくまで机上の空論であり、それで簡単に事が進めば苦労はしないものだが。
  もっとも、これは藤堂ら政治家の仕事だ。沖田達には沖田達のやることがある。

「沖田、そっちの艦隊の方はどうなんだ?」
「南部重工と海軍専用のドックで、新型艦や新造艦、実験艦を急ピッチで完成させつつある。新編成される第3艦隊は‥‥‥そうだな、5月上旬には完全となる」

現在の日本宇宙軍には2個主力艦隊64隻に加えて2個支援艦隊83隻がおり、土方の指揮する空間防総衛隊こと4個軌道防衛艦隊56隻も存在している。
無論、数の中には補助艦艇や補給艦、輸送艦等も含まれているとはいえ、日本は大国ではないにしろ自国を護るには十分な戦力と言えるだろう。
  何しろ宇宙軍だけではなく海軍にも主力の4個戦闘群と、潜水艦や補助艦艇からなる警備部隊―――総数約140余隻あまりを有しているのだ。
その他陸上においても戦闘車両や支援車輌を合わせて凡そ1760輌余りを数える。そこへ開発中の新型多脚戦車も加わると言うではないか。
また沖田の言う鹵獲した艦艇を含めた新編成の第3艦隊が、早ければ5月頃に完全なものとなる。あくまで形上のことではあるが。
形上というのは、艦隊としての慣熟訓練が序盤であろうからだ。これらを完全にしなければ艦隊の戦力としてはあまり期待が出来ないものである。

「既に駆逐艦や巡洋艦は完成しているが、その後に不具合はないのか」
「今のところはな。問題は鹵獲した方だ。遅くとも4月には、全ての鹵獲艦の改装は完了するが‥‥‥」

新編成される第3艦隊は、実は主力部隊というよりも実験部隊としての性格が強い艦隊であった。
  その理由は沖田が口にした鹵獲艦および新型艦にある。新造艦というのは完成して直ぐに即戦力となり得るわけではない。戦力として足り得る為には訓練が必須であり、乗組員達は慣熟訓練を通して艦の不備等を見つけ出し、それらを結果として纏めていく。
そして改めて設計に反映させて後続の新造艦にフィードバックさせていくのである。そのため現在就役したばかりの新型艦の数は多くはない。
所謂プロトタイプとして就役予定なものが、戦艦2隻、巡洋艦2隻、駆逐艦4隻の合計8隻。これに、先ほどの鹵獲改造艦8隻が加わる。
さらに既存規格の各艦艇が新造で編入され、新しく第3艦隊として誕生する予定だ。日本の独自戦力としては過剰とも言えるものだが、現状を鑑みればやむを得ない。





「他国は、そうも如何がな」

  土方が呟く。これらの戦力は日本のみを防衛するのであれば、これで十分である。が、中立連盟加盟国を救援することも視野に入れなければならない。
中立連盟加盟国の全ては最低限の防衛力を備えてはいるが、ユーラシア連邦や東アジア共和国、そして大西洋連邦らを相手にしたら勝ち目はない。
オーブ連合首長国も高い質を持った国防軍があるものの、やはり量としては不足しているのは明らかなのだ。そこで日本軍中央司令部は、中立連盟設立後に加盟国らにも相応の軍備力を持たせようという意見が上がった。
つまりは地球連合が行ったような、武器装備品の規格統一を図った軍備再編を目指そうというものである。
  とはいえ、武装を一貫するには並大抵以上の対策が必要だ。その難しさを土方は口に漏らしていく。

「陸軍、海軍、空軍に関しては、武装の一貫性を持たすのに苦労しそうだ」
「だが宇宙軍に関しては、幸いと言ってよいのかわからぬが、統一が難しくはなさそうだ」

皮肉にも、宇宙軍における規格統一計画は、左程に難しい物でもなさそうであった。
  沖田の言う通り、オーブ連合首長国を除いた参加国には、宇宙軍そのものが存在していないのである。
もっとも、そのオーブ連合首長国の宇宙軍とは、規模からして大きくは無いものだ。戦艦1隻とMA6個大隊約216機ほどでしかない。
これでオーブ連合首長国が単独で、大国やプラントと渡り合えと言ったらまず無理だろう。
  そこで中央司令部の規格統一計画が走り出す。民間軍需企業の南部重工大公社を中心にして加盟国らに日本の既存兵器を浸透させるのだ。
一見すると横暴とも思えるが、早期なる軍備強化を成し遂げるためには日本軍の装備を流用するのが手っ取り早いと他国も判断したのである。
  だが、加盟国ヘ一斉に配備することは、予算の都合上できないのが現実だ。それでも戦争に巻き込まれる危険性を考慮すると時間を掛けている暇はない。
そこで考えられたのは、日本軍の装備をリース方式で輸出する、或は旧式艦艇を払い下げるというものだった。造るよりも手っ取り早い方法ではある。
国家間かつ大規模な軍備関係ということもあり、これは金額的にも莫大なものとなる。受け取った兵器や艦船等の代金は、長期間に渡って少しづつ返済することになる。
因みに過去にもこういった事例は存在している。第二次世界大戦におけるアメリカ合衆国が連合参加国に対して行ったレンドリース法がそうであろう。

「中立連盟への全面的な支援も、楽な話ではないが、こうでもしなければ間に合うとは思えん‥‥‥」

  珈琲を一口すすり、独り言ちる沖田。

「連盟国にも、自力で護りきれるだけの戦力を持ってもらわねば、我々は引っ張り蛸の状態になりかねんからな」
「信頼されるのは、我々にしても良いことだ。だが、それで戦力を振りまいてしまって、自国を護れなかったとなっては目も当てられんよ」

だからこそ、日本も負担は増えるが連盟加盟国に対して、軍事的な支援を行って自衛可能な状態に持っていかねばならない。
現在においては、中立連盟軍は軍事力にしても各軍のバランスにしてもまだまだ未熟である。それをどこまで平均的なレベルに引き上げられるか。
  陸軍は、各国ともに保有している常時戦力だ。戦闘車輛の大半は、地球連合もとい大西洋連邦の軍事企業等が開発したものが多いらしい。
空軍においても、やはり地球連合勢力が開発した兵器を購入し、あるいは製造ライセンスを得たりしたようだ。
海軍に関しては事情が違うようで、オーブ連合首長国の半国営企業モルゲンレーテ社が建造した、イージス護衛艦を採用しているらしい。
  日本は、このオーブ連合首長国と共同開発を行っているが、その技術は侮りがたいものがあるという。それもこれもコーディネイターの存在が大きかった。
彼らを交えた共同開発によって、新型の多脚戦車は日本開発関係者の予想を上回る速度で進行し、早くも歩行試験をクリアし、現在は武装化を進めている。
各兵装も信頼性の高いもの故、後はどう積み込むかであろう。これらが正式採用され中立連盟各国に配備されるまでに後3〜4ヶ月は掛かるとの見込みであった。
  ただし、98式特殊機動外骨格に代わる新兵器の開発には、まだまだ時間が必要とされた。全長3〜4m以内に抑えた1人乗りの機動兵器とは、かなり難題なのだ。
よりスムーズでダイナミックな機動性と運動性、戦車は無論、MSに対しても確実なダメージを与えるだけの打撃力を兼ねさせるのは容易なものではなかった。
そもそもがサイズ的な要領からして、これだけの運動を可能とするだけの動力が必須となり、動力部開発が最重要課題でもあったのだ。
成功すればMSにとっても無視すべからざる存在になれるであろう―――と言われてはいるが、それは実戦が出す答えであろう。
  宇宙軍に関しては既に増産が決定されており、南部重工大公社の下請けである南部造船が増産を開始している。同時に各国に対して建造技術を伝授しており一刻も早い独自建造を目指している最中でもある。オーブ国防軍もまた宇宙軍の拡充を目指している。

「どの建造ドックもフル稼働中だ。艦政本部の面々も艦隊再編に奔走させられておる。かくいうワシも、その口だがな」

溜め息交じりに苦笑する沖田。上記した通り日本の建造企業はフル稼働中だ。それでも早急的に他国へ引き渡すのであれば、古い艦を払い下げる方法が手っ取り早い。
払い下げるにもタイミングや規模を考慮しなければならず、下手に払い下げてしまうと自分の手元の戦力が手薄になり過ぎてしまう。
また、空間防衛隊側としても連盟加盟国の為に幾つかの戦力削減しなくてはならなかった。
  そのことを土方は沖田に聞かれる。

「既に軌道防衛艦隊の2つは解隊されているのだろう? 警備するべき宙域が小さくなったのもあるだろうから、支障はあるまいと思うが‥‥‥」
「あぁ。今は木星、土星周辺宙域と資源船団を護衛するだけの戦力で十分だからな。旧式とはいえ、この世界では十分に通用するから、心配はない」

日本宇宙軍は203隻余りの艦艇を持っているが、この内の2個軌道防衛艦隊(駆逐艦8隻、砲艇8隻、宙雷艇12隻)は解隊されていた。
これら艦艇は中立連盟各国に対して、駆逐艦2隻、砲艇2隻、宙雷艇3隻の割合で払い下げられ、小規模ながらも初の宇宙軍戦力となるのだ。
  同時に艦隊の最大の戦力となる戦艦と空母、そして中核戦力である巡洋艦にしても、日本国内の造船所で順次に着工を開始して完成を急いでいる。
基本設計が十数年前の代物である為に新造されながらも旧式艦艇と言わざるを得ないのが現状だ。それでも量産に適した優秀な設計や的確なコストが物を言う。
因みに再建造される艦艇群は初期型ではなく、現在の日本宇宙軍が使用している様な改良に改良を重ねた最終改装タイプの増産建造となる。
  このように中に搭載する機材のみを一新させた改良型の艦艇を増産することによって、他国の戦力をいち早く増強させようとしている。序目標として各国は最低限でも1個艦隊分の戦力を保持できるようにすることであったが、何もそれで問題が解決するばかりではない。

「設計は旧式とはいえ、彼らには艦の運用方法をも教えねばならん‥‥‥。気が遠くなるな」

土方が渋る。そう、払い下げ―――或は発注された新造艦を渡したからと言って、それが即戦力になるかというと違う。
これまた運用する側の兵士を訓練させねばならないのだ。これに関しては沖田も自覚しており、早急的に訓練を施させる必要があると上層部に上申していた。

「初めての宇宙軍だからな。機材に関しても、直ぐに取り扱える訳ではない」

  今現在、払い下げられている元警備艦艇には元乗組員達も付き添う形で各国に派遣されている。つまりは講師として派遣されているも同然だった。
逆に他国から技術者を招いて、建造技術等を伝授している。それを完全なるものをしてくれるまでは、時間がかかるだろう。
同時に各融合路等の機関技術も教えることになっており、中央司令部あるいは閣僚会議においても、隠し続けるのは意味が無いと判断されたためだ。
これによって中立連盟国は、日本と同一レベルの艦艇建造技術を手にすることになる。
  方や睨みを利かせる地球連合は、この行動に強い懸念を示し始めている。彼らに渡っているのは少し旧式の光化学兵器、そして慣性制御のみ。

「地球連合軍と言えば、奴らはこの後どう出ると思う? 沖田」
「そうだな‥‥‥」

地球連合の話題を振られ、沖田は数秒考え込む。

「連合軍の成すべき事は、まず地球上の反連合勢力を一掃することだろう」

ザフトをアフリカ上空で撃退したのに乗じて、今度はアフリカ北部へと牙を向けると予想していた。アフリカ方面はこれまで前国連からも支援の無かった大陸だ。
それがマスドライバー争奪戦となってからは一変した。連合軍はユーラシア連邦を主力とした地上軍を派遣したのである。
  次にやるとすれば派遣した軍を北部に向けて進軍するか。地中海の艦隊を差し向けて軍事施設を空爆するか。あるいは双方を持って挟撃するかであろう。
軍事的にも、連合に劣るアフリカ共同体だ。物量攻撃に耐えきれるか怪しいものである。市街地戦ともなれば民間人の被害は計り知れないであろう。

「戦力に劣る側が取り得る戦術は一つ。ゲリラ戦術だけだな」
「わしもそう思うよ。民間人にまで被害が出たら目も当てられん」
「いや、それ以上に恐れるのは、アフリカ共同体がこれを利用して、我々に支援を求めてくる可能性だ」

アフリカ共同体は日本独立に賛同していた立場にある。とはいえ関係国としての度合いは紙一枚の様に薄いもので、彼らはプラントを指示する立場にもあった。
だが指示したことを理由に、援助を求められたらどうするのか。

「軍事介入したら、それで終わりだ。連合軍に攻め入る理由を与える事になるからな」
「外交で手を引かせるしかあるまい。それにあくまで民間人への物資援助だけであれば、睨まれるいわれはない」

  それにアフリカ共同体が目線を向けるのは中立連盟と言うよりも寧ろプラントだろう。彼らを積極的に受け入れる方が、遥かに優位に立てよう。
プラントもこの戦いで惨敗を喫しているだけに、地上における移動拠点または支援国の必要性を認識した筈である。
これで再度に渡り地上援護もなく大地へ向かい降下してくるようであれば、ザフトなる軍隊もそこまでの存在だ。
彼らはアフリカ共同体と太洋州連合を基点する以外に、地球上に地盤を作ることは出来ないのだ。

「地球連合は、アフリカ共同体、太洋州連合を制圧してから宇宙へと目を向けても遅くはないか」
「いや、制圧を待つまで、宇宙に点在する艦隊を遊兵にしておくことは無いだろう。月に残されている艦隊兵力は、今だ尚且つ膨大なものなのだ」
「となれば、再度のプラント侵攻を始めると言う事か、沖田」

  地球連合軍は度重なる敗北を重ね、宇宙艦隊の損耗は軽視できぬものとなっている。開戦から現在に至るまで、宇宙艦隊は90余隻を失っているのだ。
3個艦隊に匹敵する規模の艦船を失っているのが実状である。とはいえ、地球連合軍は月基地や他の宙域に430余隻が残されている。
また大西洋連邦とユーラシア連邦、東アジア共和国ら3ヶ国は宇宙艦艇の建造を開始し、宇宙に打ち上げているという。
  勿論のこと打ち上げられた艦船には、フェーザー砲や慣性制御システムはまだ搭載されていない。単なる間に合わせ程度に建造したにすぎないのだ。
それでも打ち上げられたのは30余隻にも昇り、あっという間に失った分の戦力を埋めようとしている。流石は商工業大国だ。
沖田は過去の歴史を振り返った。

「かつて我が国も、太平洋戦争で物量戦に圧倒されたのを考えれば、プラントも優位に立ち続けられるとも思えん」
「MS1機でMA5機に相当するとしても、一度に6機あるいは9機で襲ってくるとなれば‥‥‥勝ち目はあるまい」

それが物量の恐るべきところである。そしてこれは、自分らにも言える話だった。地球連合が数に物を言わせて迫れば、日本と言えども磨り潰されてしまう。
その様な事態にならぬよう、2人は強く願ったのであった。




〜〜〜あとがき〜〜〜
前回の投稿から大分時間が過ぎてしまいました。お待ちして頂いている方には申し訳ないです。
何しろネタの構成に時間は掛るわ、現実が忙しいわで‥‥‥。と言いつつも、やりたいこともあるわけでして。
書いていて、パトリック・ザラはこんな感じでいいのかなぁとか、シナリオが単純すぎるなぁ、とか自問自答してても、こんな感じです。



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