コードギアス反逆のルルーシュR2
Double Rebellion
TURN-25 Re;
2ヵ月後 皇帝直轄領日本
「神聖ブリタニア帝国第99代唯一皇帝陛下にして黒の騎士団CEO、超合集国第2代最高評議会議長であらせられるルルーシュ・ヴィ・ブリタニア様のお姿が
見えました」
淡々と語るアナウンサーの声が流れる中、あるパレードが催されていた。
5車線以上はある大通りの両側には、一糸乱れなく整列している兵士達の姿があり、その兵士達の間、道の真ん中を台座の付いた豪華な車が通る。
台座の上に用意された仰々しい玉座に座っているのは、アナウンサーが紹介したルルーシュ・ヴィ・ブリタニア本人であった。
端正な顔に浮かぶのは、まさに覇者の笑み。
そして、そのルルーシュの車の前の両側にある車には磔台が設置されていた。
そこにはかつての黒の騎士団総司令、黎星刻がいる。
超合集国連合初代議長、皇神楽耶がいる。
黒の騎士団零番隊隊長だった紅月カレンがいる。
藤堂がいる。
天子がいる。
扇がいる。
玉城がいる。
ジノがいる。
シュナイゼルの副官であったカノンの姿さえある。
その他、あの戦いでルルーシュの敵に回っていた人々。
ここにいるのは、あの戦いでルルーシュの敵に回っていた主な人物だった。
全員が拘束衣を着せられ、磔台に縛り付けられていた。
「そして、ご覧ください。愚かにもルルーシュ様に反逆した者達が今処刑場へと運ばれていきます」
ただ、その中には姿が見えない人達もいた。
ブリタニア元第2皇女だったコーネリアや、星刻の副官だった周香凛、元ナイトオブシックスだったアーニャ・アールストレイム、あるいは南、ギルフォード、
ヴィレッタ、仙波など。
「先の大戦で、帝都ペンドラゴンや多くの将兵、そしてナイトオブセブン、枢木スザク郷という尊い犠牲を払いつつも、EUが超合集国憲章を批准した今、我
らがルルーシュ様はついに世界統一という偉業を成し遂げられたのです」
ここで、スザクの名が挙げられた。
だが、おかしい。
ジェレミアはルルーシュの前方の車の上でパレードの指揮を取っているのだが、肝心のナイトオブゼロであるライがどこにも見当たらないのだ。
無論、ライは先の大戦で死んではいないからここに名を挙げられないのは当然である。
では、何故おかしいのか。
それは、彼がこの場にいない事であった。
実は、先の大戦が終結して半月程経った頃、ルルーシュの治める神聖ブリタニア帝国でクーデターがあったのだ。
クーデター自体は小規模であったが、この時の主犯が当時話題になった。
クーデターの首謀者はライ。
そう、あのルルーシュ皇帝の騎士ナイトオブゼロであるライだったのだ。
彼は囚人の1人を解放し、そのままその囚人と共に逃亡。
追撃のために放たれたナイトメア部隊を己の愛機天月でことごとく撃破し、追撃を振り払った後、行方不明となった。
これをブリタニア側は伏せようとしたが、騒ぎ自体が大きかったため、隠し切れず、その後クーデターの原因について多くの憶測が飛び交った。
悪逆皇帝のルルーシュの行為についに耐えられなくなった。
良心の呵責に耐え切れなかった。
やむを得ず従っていた為、機を見て脱走したのではないか。
皇帝ルルーシュに愛想を尽かしたのではないか、などなど。
それから、ライは皇帝ルルーシュに対する切り札として注目されていたが、彼がこれ以降姿を現す事はなく、今日まで行方不明のままだった。
そして、アナウンサーの声が続く中、拘束された人々の中で最も目立っていたのが、2人いた。
1人はあのシュナイゼルだ。
こちらはジェレミアと同じ車の上で拘束衣を着せられ、こちらも同じように磔にされている。
もう1人は、ルルーシュが座る皇帝用の車、台座の下にあるスペースに座り込んでいる少女だった。
見せしめのような、赤っぽい服。
動かない素足には鎖が巻き付いている。
腕は自由だったが、もちろん逃げる事などできない。
両手を下げ、俯いた顔。
乱れた長い髪がむき出しになった白い肩から下にこぼれていた。
それがブリタニア元第7皇女にして、ルルーシュの実の妹、ナナリー・ヴィ・ブリタニア。
「ルルーシュ様に栄光あれ、オール・ハイル・ブリタニア、オール・ハイル・ルルーシュ!」
アナウンサーが予定通りパレードを盛り上げるためのセリフを口にするが、それに応じるのはギアスによって奴隷化させられている兵士くらいなものだった。
パレードを遠巻きに眺めている民衆、そして、世界中でテレビ画面を見ている人々は、ルルーシュの暴虐に立ち向かい、本来であれば英雄になるはずだった囚人
達に痛ましげな目を向け、ひそひそと囁き合う。
「……何が栄光だ」
「……ただの独裁だろ」
「……逆らう者は全て殺して」
「……しっ。誰かに聞かれたら」
「……一族皆殺しにされるわ」
それらの呟きは、決して民衆だけのものではなかった。
あらかじめ軍から渡されていた原稿を読み終わったテレビ局のアナウンサーがマイクの音声を切り、誰にも聞かれぬよう小さな声で呟いた。
「こんなものを正義として報道しなきゃならんとは……」
誰も、少なくともまっとうな意思を持った人間であれば、心の底でルルーシュを讃えている者など1人もいないのであった。
残虐にして卑劣、悪逆にして傲慢、史上最低、史上最悪の専制君主、それこそがルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
100人に本心を聞けば、100人がそう答えるであろう。
1000人に聞けば、1000人が。
10000人に聞けば、10000人が。
そんな中、パレードを同じように遠巻きから見ていたシャーリーは呟いた。
「ルル……これがあなたのやりたかった事なの……?世界を…皆を支配して……」
そんなルルーシュはやはり勝利者としての不敵な笑みを浮かべたままだった。
一方、主要な人物で見かけられないコーネリアやアーニャ達は、大通りの近くのビルからパレードの様子を窺っていた。
その途中、ヴィレッタが磔にされた扇を見つけ、思わず駆け出そうとする。
だが、その肩をコーネリアが止めた。
ヴィレッタが振り返る。
「今出て行けば、思う壷だ」
「しかし……『おぉ!!』」
ヴィレッタが反論しかけたところで、外にざわめきが起こった。
一同は何かあったのかと思い、外を見る。
パレードが大通りの終わりにさしかかった時、不意に先頭を走っていたルルーシュ軍のナイトメアが止まった。
予定されていた行動ではない。
その証拠に、兵士やパイロット達に緊張が走っている。
先頭のナイトメアが人影を捉えて、足を止めたのだ。
「何だ?」
レーダーで確認し、モニターをズームしてみると、そこには先ほど黒い人影であった……ゼロがいた。
ライフルを構えたナイトメアの先を民衆も、テレビ局の人達も何事かと銃口の先に目をやった。
そして、皆驚く。
「ゼロ……!?」
観衆の中にいたリヴァルも同様で、思わず呟いてしまった。
そう、銃口の先には日の光を浴びて鈍く輝いているのは、一個の仮面。
身に着けているのは漆黒のマント。
ゼロに間違いない。
そして、おそらくその姿を見た者は誰もがデジャヴを感じた事だろう。
そう。
かつて、その人物は同じようなシチュエーションで世界中の人々の前に初めて姿を現した。
その後も常に驚きの的だった。
数々の奇跡を成し遂げた「正義」という名のもとに。
「ゼロ……?」
その姿を見たナナリーが思わず呟いた。
そして、磔にされた人々も愕然としてそちらへ首を捻じ曲げた。
「ゼ、ゼロって……!」
玉城が驚けば、カレンも目を見開く。
「嘘!ルルーシュはあそこに……!」
そこで、カレンは気づいた。
「まさか、ルルーシュ達のやろうとした事って……!」
瞬間、大通りの真ん中に立ちはだかっていた仮面の男、ゼロは動き出した。
それを迎撃せんと先頭を走っていたナイトメアであるヴィンセント・ウォードがライフルを連射する。
だが、ゼロはそんなものを全く問題にしない。
本当に人間かと疑いたくなるような動きでジグザグに大通りを走り、撃たれた銃弾をやりすごすと、先頭のナイトメアに飛び乗り、そしてそのまま飛び降りて通
過する。
振り返ったヴィンセント・ウォードが再び照準をゼロに向けようとする。
だが、それをジェレミアが止めた。
「撃つな!私が相手をする!」
そう言ってジェレミアが袖から剣を抜き放ち、ゼロに向かって走り出す。
しかし、ジェレミアの横薙ぎの斬撃を飛んでかわしたゼロは、そのままジェレミアの肩を踏み台にしてさらに高く飛び上がった。
(……ゆけ、仮面の騎士よ)
前方に倒れながら、ジェレミアは心の中でそう言った。
そして、ゼロは一度シュナイゼルの背後に降り立ち、さらに飛んでナナリーの前に降り立つ。
それにナナリーはびくりと体を震わせ、目の前のゼロを驚愕の眼差しで見上げる。
しかし、相手は全く止まらなかった。
また即座に飛び上がると、今度は全世界から憎まれ、同時に全世界を握っている少年、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの前に立つ。
そのルルーシュの瞳に雷光が走った。
立ち上がると同時に皇帝用の衣服の胸ポケットから銃を取り出す。
「痴れ者が!」
だが、ゼロの動きの方が速かった。
キンという乾いた音がした。
向けられる銃口よりも早く、ゼロが帯刀していた剣で銃を弾いたのだ。
クルクルと回転しながら宙を飛び、台座の下に落ちていくルルーシュの銃。
ゼロが剣を構え直した。
ルルーシュはそれを睨み返し、そして、フッと笑った。
そのちょうど1週間前。
誰にも知られることのない、その部屋で2人の少年は向かい合っている。
栗色の髪をした少年と、黒髪の少年。
やがて、黒髪の少年が先に口を開いた。
「スザク。約束通り、おまえが俺を殺せ」
栗色の髪の少年は一瞬黙り、それでも、感情の揺れない声で返した。
「やるのか。どうしても」
黒髪の少年は頷いた。
「予定通り、世界の憎しみは今、この俺に集まっている。後は俺が消える事でこの憎しみの連鎖を断ち切るだけだ」
「…………」
そして、黒髪の少年は栗色の髪の少年にゼロの仮面を差し出した。
「黒の騎士団には、ゼロという伝説が残っている。シュナイゼルもゼロに仕える。これで世界は軍事力ではなく、話し合いという1つのテーブルにつくことがで
きる。……明日を迎える事ができる」
栗色の髪の少年がゼロの仮面を受け取る。
それを見つめながら少年は言った。
「それが……」
「ああ……」
「ゼロレクイエム」
「Cの世界で僕等は知った。人々が明日を望んでいる事を」
その時、黒髪の少年がフッと笑った。
「なあ、スザク。願いとはギアスに似ていないか?」
栗色の髪の少年が訝しげに相手の瞳を見つめた。
黒髪の少年は言葉を続ける。
「自分の力だけでは叶わない事を誰かに求める……」
「願い、か……」
「そうだ。俺は人々の、願いという名のギアスにかかろう。世界の明日のために」
そして、その時が迫る事を知っていたC.C.はとある教会で両手を握り、祈っていた。
「………。おまえは………代償として……」
途切れ途切れの小さな声でわからなかったが、C.C.の瞳からは涙がこぼれていた。
そして、1週間前黒髪の少年はこう断言した。
「撃っていいのは……撃たれる覚悟のある奴だけだ」
それが彼の信念だった。
ゼロの構えた剣が迫る。
色々な人々の叫びが聞こえる。
ルルーシュは動く事ができない。
……いや、動かない。
(スザク、おまえは英雄になるんだ。世界の敵、皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアから世界を救った救世主、ゼロに……)
そして……。
剣はルルーシュの胸を貫いた。
「あ……!」
ルルーシュの全身が衝撃と苦痛に痙攣した。
一度、顎が上がり、やがてそれは自らを貫いたゼロの肩にかかる。
重なり合う2つの影。
まるで抱き合ってでもいるかのように。
「ル、ルルーシュ……」
仮面の中でスザクを涙を流しながら呟いた。
友を貫いたのだ。
そして、ルルーシュからの言葉を待っていたスザクが次の瞬間耳にした言葉は全く予想してないものであった。
「すまなかった、スザク……」
「!!……ま、まさか、君は…!」
ちょうど1週間前の事、それには続きがあった。
黒髪の少年は立ち去っていく栗色の髪の少年を見送った後、口を開いた。
「そこにいるんだろ。ライ……」
そう言って出てきたのは、銀色の髪の青年だった。
彼は行方不明とされていたが、それは黒髪の少年の計画の内でもあった。
ナイトオブゼロとして、世界に非難されていた彼に対する憎しみを、全て自分に向けさせるために。
そして、今日ここに銀色の髪の青年は来ていたのだった。
「……最後の打ち合わせは…済んだのか?」
「ああ……今終わった」
「そうか……なら、今度は僕の番だな」
「何……?」
そう訝しげに黒髪の少年が銀色の髪の青年を見た瞬間には、既に銀色の髪の青年は動いていた。
超神速で黒髪の少年の懐に入り、鳩尾に拳を叩き込む。
黒髪の少年の体がくの字に折れ、息を吐いた後、銀色の髪の青年の肩を手で掴む。
「ライ……おまえ…!」
そう言って、黒髪の少年は気絶した。
銀色の髪の青年は彼の体を手で受け止める。
「……すまない、ルルーシュ。これは僕の我侭だ。だが、罪を償うのであれば、生きてその罪を償ってくれ……。狂った王は本来僕1人で充分だったんだ」
「……終わりましたか」
そう言って、出てきたのはジェレミアだった。
彼は銀色の髪の青年の意図と覚悟を理解していた。
「……ああ。ゼロレクイエムが完了するまで、ルルーシュを軟禁しておいてくれ。決して、外に出さないように。そしてそこにはあなた以外の人を近づけないよ
うに……」
「わかっております。全てはルルーシュ様のためと、あなた様の覚悟のため」
「ありがとう……」
そう言って、銀色の髪の青年はジェレミアに黒髪の少年を預け、部屋を去ろうとしたところで立ち止まった。
「ルルーシュ……君は生きてくれ。他ならぬナナリーの……いや、僕のために」
そう言って、銀色の髪の青年は今度こそその部屋を立ち去った。
こうして、ライは1週間前からルルーシュに変装し、今までずっと彼として動いていた。
ルルーシュとの付き合いは長かったため、行動、しぐさ、口調から何から何まで完璧な演技が出来ていた。
そして、今ここで刺されているのはライ自身の意思だった。
そう、あの大戦で……未来からやってきた刺客との戦闘での決着からずっと……。
そして、刺された瞬間、ライはスザクに素をさらした。
声はルルーシュと同じであっても、スザクはすぐに言動でライと気づいたのだった。
ルルーシュと同じ声でライは続ける。
「ちゃんと、君を救ってやれなくて……」
仮面の中のスザクは驚きながらも、涙を流している。
「もっと……上手くやれれば良かったんだけど……。さすがに無理だった……。気づくのが遅かったから……。だから……君は…ゼロとして……世界を守ってく
れ……」
「ライ……僕は……俺は……」
本当に小さな声でスザクが言う。
それに、ライは一言だけ返した。
「……頼む」
それだけでスザクには全てわかった。
ライが覚悟の上で、自分の意思でこうなっている事を、そして、自分にすまないと思いながらも、その役をやり通してくれと。
自分のために。
何より世界のために。
「……そのギアス」
スザクはぐっと歯を噛み締めた。
「確かに受け取った」
そして、スザクはライの胸から剣を引き抜いた。
バランスを失ったライの体が崩れ落ち、そして、そのまま台座を滑り落ちて行った。
光を取り戻したナナリーの瞳に呆然とした表情が浮かんでいた。
今、彼女の目に映っているのは、血まみれの人だ。
仮面の男ゼロに胸を刺され、ここまで転げ落ちてきた人。
彼女の実の兄。
ただ1人、この人と一緒にいられれば、それでいいとずっと願っていた。
倒れたルルーシュの体が微かに痙攣している。
ナナリーは呆然としたまま、動かない足を引きずり、腕だけを使って兄に近づいた。
「お兄様……?」
手を伸ばす。
あのブラックリベリオン以来、一度も触れる事のできなかった兄の手に、ナナリーはそっと触れる。
瞬間。
膨大な映像がナナリーの脳に流れ込んできた。
真実が溢れ出す。
計画の事、過去の事、そしてこの兄の姿をした人の正体も。
そして、その人とナナリーが過ごした過去も……。
瞬間、少女にかけられていた記憶を封じる檻は砕け散った。
「そ……そんな……!?」
かすれた声でナナリーは呟いた。
「この人は……この方は……!」
さらに手を強く握って、ナナリーはもっと奥に進もうとした。
もっと強く、そして、全てを知ろうとした。
だが、そのとき。
(その力は使うな、ナナリー)
(……え!?)
ナナリーの意識は反転した。
気が付けば、そこは白い霧に包まれた世界だった。
自分の体が宙に浮いている。
一糸纏わぬ姿であった。
霧の中でゆっくりとナナリーは目を開き、前を見る。
そこに、かつて大切だった人がいた。
記憶をギアスによって失っていたため、それは過去形になってしまったが、思い出した今、目の前にいる人はナナリーにとって、とても大切な人だった。
そう、その人はルルーシュに従い、いつも戦ってきた人。
ゼロの時も、皇帝ルルーシュの時も。
そして、彼の表情はとても優しいものだった。
そう、かつて目の見えない彼女が想像した通りの。
霧の中にいるライはこちらも何も身につけていなかった。
優しげにナナリーを見つめながらも、その顔には何故か苦笑めいた表情が浮かんでいる。
『ライさん……?』
ナナリーが先に呼びかけると、ライは表情と同じ口調でこう言った。
『最後の最後でとんだ計算違いだ。ナナリー、君にそんな力があったなんて。おかげで僕の事を思い出してしまったようだし……』
そこで、ライが顔をわずかにしかめた。
そして、頭上を見上げる。
『最後の本当に肝心なところでミスをするのがお前らしい、だって?うるさいよ、僕ですら予想がつかない事もある。とにかく、君は僕に力を貸していてく
れ。……あ
あ。思考エレベーターがない今、君のコードだけで意識体を固定化させるのは難しい。だが、長くなくてもいい。僕が最後のイレギュラーを修正するまで……」
見えない誰かとの、そして、ナナリーにはまったく理解できない会話を交わした末、ライは小さく頷いた。
『ああ。それで充分だ。ありがとう、C.C.』
聞き覚えのあるその名にナナリーがハッとしたその時、ライはナナリーに向き直った。
まっすぐにその瞳を見つめて。
『ごめんね、折角の再会だけど、時間がない。いいか、ナナリー。よく聞いて。さっきも言ったとおり、その力は二度と使うな』
『ラ、ライさん……』
正直なところ、ナナリーには今自分の身に何が起きているのか、さっぱりわからなかった。
だが、ライは構わず続ける。
『それは役に立つ事はあるかもしれない。だが、危険な力だ。僕は以前似たような力を使いすぎて、心が壊れてしまった男を1人…いや2人知っている』
1人の名はマオという。
もう1人は……かつての、ルルーシュ達と出会うまでの自分自身。
そういえば、そのマオとナナリーにはどこか似た気配があると最初に洞察したのは、C.C.だったか。
『君の目はもう開いている。世界を知るために、そんな力は既に必要ない。それに……それは人々の「仮面」を無作為に突き破ってしまう力だ。君自身のために
も、そして、君のためにいる誰かのためにも、その力は封印するんだ』
『あ、あの、ライさん。でも……』
『いいね、ナナリー』
『は……はい……』
強く諭すように言われて、ナナリーは思わず頷いてしまう。
すると、ライは微笑んだ。
『やっぱり君はいい子だ。制御の方法がわからなければ、ルルーシュやスザクを通じてC.C.にアドバイスを求めればいい。その力はギアスとは違うけど、彼
女ならよく知っている。……教えてやれるんだろうな、C.C.?何?面倒くさいだって?C.C.、それは……』
再びライが天を見上げ、この場にいなかった誰かとの、今度は言い合いのような会話を続ける。
やがて、話がついたのか、またライはナナリーの方を向いた。
『とにかく、そういう訳なんだ。ナナリー。……それからもう一つ』
『…………』
『これは僕からの最後の願いだ。……君は、これから表では一生ルルーシュを許すな』
呆然としたナナリーが、その言葉を聞いて、さらに大きく目を見開いた。
すでにナナリーは知っていた。
ライが、ルルーシュ、スザク、C.C.と共になぜ今まであんな事をしていたのか。
根本的な考えはナナリーと似ていたが、計画の綿密さ、思慮の深さはまったく異なっていた。
ナナリーなどには思いつかない入念かつ膨大な下準備。
無論、それでも単純でない世界を単純な構図にするのは難しい。
しかし、少なくともナナリーには「不可能」だった事が、もしかすると「できるかもしれない」レベルにまで上げてあった。
加えて今、ライの思惑にはルルーシュやナナリーの事も含まれていた。
(あ……)
再びナナリーの脳に飛び込んできた情報、ライの考え。
すると、それに気づいたライがまた苦笑いした。
『力を使うなと言っているそばから……。まあ、仕方ないか。そうだ、その通りだよ、ナナリー』
言って、ライは何度か頷いてみせた。
『ゼロレクイエムは最終的にルルーシュが世界の憎しみを一身に集める事で完成を見る。そして、その彼の代わりに僕が世界から消える。それが、僕の考えた計
画『ライ・リベリオン』だ。まあ、ひどく突発的な上に、ゼロレクイエムに比べれば杜撰だが』
『では、お兄様は……』
『生きてるよ。人目がない場所にいてもらっている。まあ、今後も人目には出られない生活を送る事になってしまうが……』
そこで、ライは一旦言葉を切った。
『そこで、君にもやってほしい事がある。たとえ、悪逆皇帝の名を冠していたとしても、本来であれば真っ先にルルーシュを庇いかねない人間、肉親。たった1
人の実妹』
だが、しかし。
『その君がルルーシュを非難し続ける。これには重要な意味がある。君が人々の先頭に立ってルルーシュを罵倒しつづければ、もはや表立ってルルーシュを弁護
する人間は1人もいない。たった1人の妹にすら見放された最悪の兄、肉親にすら庇ってもらえない最低の人間。誰もが思うはずだ。悪逆皇帝ルルーシュは本当
に救いようのない悪魔だった、と。それでルルーシュへの世界の評価は確定する。……もちろん、ルルーシュがそんな人間でない事は、他ならない僕が知ってい
る』
おそらくライも本当はこんな話をするつもりなどなかったのであろう。
ライの考えでは、ナナリーが本心からルルーシュを憎み、蔑んだまま自分がルルーシュの身代わりとなる。
それでよかったのである。
そうすれば、ナナリーは表立って兄を庇うような真似はしないし、少なくともライに関する記憶が戻ってもその時には自分はおらず、すぐに悲しませる事はな
い。
しかし、ナナリーはライがナナリーの事情を知っていた上で、予想もしていなかった力でその事を知ってしまった。
ならば、この本当に最後のイレギュラーだけは修正を加えなければならない。
『だから、僕が彼の本当の姿を覚えておくから、君は生涯表ではルルーシュを許してはならない。他の誰を認めてもいい。心の奥底でルルーシュを認めても構わ
ない。だが、表では決してルルーシュの事を認めるな。絶対に。どんな事があったとしても』
『…………』
『できるよね、ナナリーなら』
念を押されたとき、ナナリーはライの顔を見上げていた。
いつの間にか白い肩が震えていた。
揺らぐ瞳。
やがて、それは下を向き、ナナリーは強く唇を噛む。
『ナナリー?』
もう一度ライに問いかけられ、そこでようやく強張っていたナナリーの口元が微かに動いた。
『で……』
『………』
『できません……』
ライの目がすいと細められた。
それを見ずに、ナナリーが今度は強く首を左右に振った。
『できません……できませんできませんっ、そんな事!だって、私は……』
もう知ってしまったのだから。
兄とライの願いも、その考えも、その哀しい心も。
その上で、兄を……誰よりも愛しい人を罵倒する?
そんなことができるわけがない。
それに。
『私にもう……そんな資格はありません。私、たくさんの人を殺しました。お兄様やスザクさん……いいえ、アーニャさんにもひどい事を言いました。誰かを非
難
する資格なんてもう、私には……』
俯き、語り続けるナナリーをライは柔らかな眼差しでじっと見つめていたが、不意に表情が変わる。
『ナナリー』
『ライさん。私は……』
『本当の意味で再会して早々言うのもなんだけど、僕はもう、君にも甘えを許さない』
ハッとナナリーが下を向いていた視線を上げる。
そこにはライの厳しい顔があった。
『ルルーシュもこう言うはずだよ。……それに、人を殺したなら償っていけばいい。全身全霊をかけて。たとえ償いきれなかったとしても、君達兄妹はそれがで
きるはずだ』
『で、でも……』
『それに君だけじゃない。スザク達もいる』
『だからっ』
ナナリーはなおも抗弁した。
『私は……!』
ライは静かにかぶりを振った。
『もし、君が許されない事をしたのなら、それは許されないかもしれない。けど、それでも手を貸してくれる人は必ずいる。ルルーシュに対してのスザクがそう
であったように……。少なくとも、スザクはそういう道を既に選んでいる』
『…………』
『そして、ルルーシュはルルーシュ自身の道を選び、僕もこういう道を選んだ。後悔はない。そして、君はルルーシュの妹、ナナリー・ヴィ・ブリタニアだ。も
う目を背けてはいられないから……君はダモクレスでルルーシュにそう言ったそうだね。なら、背けるな。逃げるな。自らの業から』
『…………』
『できるだろ?ナナリー』
ライがもう一度、その言葉を繰り返す。
溢れそうになる涙を懸命にこらえて、ナナリーはまた下を向いた。
それでもできない、そう叫びたかった。
拒絶したかった。
だが、同時に今のナナリーにはライの思いも流れ込んできている。
表面的な厳しさとは裏腹の言葉も流れ込んでいる。
(ナナリー、君はいい子だから、僕を困らせないでくれ)
そう。かつて、ライが自身の妹を諭した時のような、優しい言葉が。
ライにとっては、自分ですら既にイレギュラーなのに、これ以上のイレギュラーを修正しないことには、ゼロレクイエムが、ライ・リベリオンが完成しない。
安心して舞台から去る事ができない。
これは本当に最初で最後。
かつて一緒に桜を折った、兄と同じように大切で、優しかったライが自分に託すたった1つの願い。
それを拒絶する事など……。
ナナリーの顔がまた上がった。
半べそになった、くしゃくしゃの顔。
だが、それでもナナリーは。
『わかり……ました……』
ライがふっと表情を緩めた。
さっきまでの優しげな表情を取り戻して、目の前のナナリーの髪にそっと手を伸ばし、撫でる。
『ありがとう、ナナリー』
『ラ、ライさん……私……』
『あ、でもナナリーにこんな事してたらルルーシュに怒られかねないな』
そう言って、ライは手を放すと告げた。
『さあ、そろそろ戻るんだ。ここは君がいるべき場所じゃない』
瞬間、ナナリーは「あっ」と声を挙げた。
たった今まで間近にいたライが不意に離れる。
顔が遠ざかっていく。
『ライさん、待っ……』
『ナナリー。最後に君と話せて…良かった』
瞬間、霧の世界は唐突に消え失せた。
そして、ナナリーは我に返った。
目の前の光景はさっきまでと何も変わってなどいなかった。
血まみれになって倒れたルルーシュに扮しているライ。
そして、それに触れている自分。
時間にして、数秒も経過していない。
「……ライさん」
もう一度ナナリーはかすれ声でライに呼びかけた。
焦点を失ったライの瞳は反応を示してくれなかった。
そんな、とナナリーは身を震わせる。
まだ、大事な事を伝えていない。
これが最後だと言うのなら、せめて、最後に一言だけ。
「ライさん……私も…あなたに会えて良かった……!」
握った手を自分の頬に当てて、ナナリーは囁いた。
すると。
「あ……ああ……」
「!」
「僕は……僕の世界は……」
その言葉はナナリーの声が聞こえたゆえのものではなかったのだろう。
しかし、それでも血の海の中で、ナナリーの手の中でライはほんの少しだけ身じろぎし。
「こんなにも……色づいて……見えるじゃ…ないか……」
目を閉じる瞬間まで、ライの脳裏にはまるで走馬灯のように、今までの出来事が蘇っていた。
そして、間もなくライはその目を閉じた。
「あ……ああ……!いや、目を開けてください!」
ナナリーの目から涙が溢れた。
だが、ライはもう動かない。
届かぬ彼女の悲鳴だけを残して。
「お願いです!目を……目を開けてください!」
そして、ゼロが血の付いた剣を振り払った時、周囲から爆発的な歓声が上がった。
「魔王ルルーシュは死んだぞ!人質を解放しろ!!」
大通りの両側から手に手に武器を持った人々が飛び出してきた。
先頭にブリタニア第二皇女のコーネリアがいる。
さらには元黒の騎士団の南、香凛、ヴィレッタ、ギルフォード、仙波。
その他多くの人々。
皇帝ルルーシュを失い動揺しきった警備兵達を次々となぎ倒していく。
「いかん!退け、このまま退くんだ!」
ジェレミアがそれに対し、指揮をするが、ブリタニア軍はそれに反応できなかった。
形ばかりの抵抗を見せた後、すぐさま反乱軍に背を向け、そのまま退却していく。
……あるいは、それもルルーシュやライの計画の一部だったのかもしれない。
だが、その騒ぎの中心にいたナナリーはそんなものを見てなどいなかった。
ただ、涙を拭う事もせず、ライを見ている。
「ず、ずるいです。やっと…やっとあなたを見つけたのに……やっと会えたのに……それがこんな形なんて……」
少女の手がライの服を掴み、その体が崩れ落ちた。
「う……うう……うああああああああああああああああっ、ああああああああああああああっ……!」
動かないルルーシュに扮したライにすがりつき、ナナリーが鳴き咽ぶ。
だが、その泣き声すらも周囲で地鳴りのように響くゼロコールに呑み込まれていく。
ただ、人々の歓声の響く空だけが場違いなほど青く澄みきっていた。
こうして、ライはほとんどの人にその死を知られる事なく、その生涯を終えた。
そして、悪逆皇帝ルルーシュの帝国崩壊から3ヶ月。
その間に様々な事が起こった。
あの後、ジェレミアはライに頼まれていた最後の計画を実行した。
一つは皇帝シャルルに記憶を捻じ曲げられた学園の皆のギアスの解除。
これは、生じていた歪みを戻すためでもあり、またライが以前ルルーシュやシャーリーに言われた事で、戦いが終われば皆のギアスを解除しようという1つの
意思か
らきたものだった。
これで、記憶を取り戻したミレイとリヴァル、ニーナは激しく混乱したが、ジェレミアとシャーリーの説得などにより、落ち着き、学園とライの真実を聞く事が
できた。
そして、スザクも生きろのギアスが使えなくなったが、ライに関する記憶もギアスキャンセラーで取り戻した。
ゼロとして活動している彼だが、ライを思い出した時、彼は非常に申し訳なさそうに泣いていた。
ジェレミアは、特に何も言う事はなかったが、ライの残した手紙をスザクに渡し帰っていた。
それで、何を得たのかは知らないが、今日もスザクはゼロとして変わらずに活動している。
もう一つは、星刻の治療に関するデータを天子に渡す事だった。
これは、ライが以前天子がアヴァロンに捕らわれていた時に、星刻が本当に好きかと聞いて真剣に肯定の意を示した天子に対して、ジェレミアの連絡先を渡して
いたのだ。
そして、ジェレミアはそのデータを受け取っており、天子から連絡を受けた事で、彼女にそのデータを渡した。
不治の病と言われていた星刻の病だったが、未来の世界では既に治療法が発見され、治療が可能となっていた。
それを、未来のライが星龍のデータベースに入れて、現代まで送っていたのだ。
今星刻は天子の必死の説得もあって、治療に専念しているらしい。
そして、最後……それは扇とヴィレッタの結婚式の後に行われた。
それは、ライが死んだという真実を知らせる事。
ライの意思で、「もし、僕と親しかった人で、誰か僕の行方不明を不審がった人がいたら包み隠さずに真実を教えると同時に、計画に沿わない行動を取らないよ
うに忠告しておいてください」というものだった。
これを聞いた時には、後に支障が生じるとジェレミアは反対したが、ライは断固として意思を変えようとせず、ジェレミアはその意思と覚悟に従う事となった。
そして、結婚式には実はライも招待されていたのだが、ライの代わりにジェレミアが来た事に全員が疑問を持ったのだ。
それが話すきっかけとなったのだ。
結婚式というめでたい事の後に、ライの死はヘビーな話だった。
泣く者もいれば、ショックを受ける者もいた。
だが、その場にいるほとんどの者がルルーシュの計画に最後の最後で気づいていたため、彼らはその死を受け入れ、今はそれぞれの役目を果たそうと頑張ってい
る。
こうして、ライの計画『ライ・リベリオン』は終わった。
それは、彼が目覚めてからの経験、未来の自分から送られてきたデータで未来の自分が後悔している事を知り、その未来の自分が差し向けた刺客との激闘を経る
事で、辿り着いたものだった。
それは、死ぬはずであった大切な親友を死なせない事であり、自分がいなくなった後、やり残したことを精算するものであった。
だが、ゼロレクイエムもライ・リベリオンもまだ始まりに過ぎない。
彼らの望んだ世界ができるまで、彼らの計画の本当の終わりはないのだから。
そして、3ヶ月後の現在。
長年に亘るブリタニアとの戦争で最も荒れ果てた日本において、歴史的な会談が催される。
元ブリタニア皇女にして、現ブリタニア暫定代表ナナリー・ヴィ・ブリタニアと、新生日本の首相に選ばれた旧黒の騎士団副司令、扇要。
さらに、救世主の英雄ゼロ。
この3者を中心にしたブリタニア、日本の国交正常化交渉の始まりであった。
世界は新たな道を模索し始めている。
ゼロレクイエム……いや、ライ・リベリオンの後、C.C.は世界各地を旅していた。
今は緑に包まれた丘の合間をゆるやかに伸びていく田舎道、そこを一台の荷馬車が走っている。
ちなみにここは欧州のど真ん中だが、この辺りは仰々しい文化の色は薄く、のどかなものである。
荷馬車の手綱を握っているのは、1人の御者だ。
帽子を深く被っているせいで、その顔はよく見えない。
ただ、田舎の御者にしてはわりと細身の男であった。
それでいて、馬の扱いには慣れているらしく、手綱を持った手にぶれはない。
荷馬車の方には、たっぷりと干草が積まれていた。
そして、C.C.はというと、その干草に乗っている。
その彼女が寝転びながら握っているのは一枚の折り紙。
それは、桜の形に折られていた。
C.C.はそれを一度満足そうに眺め、干草の上に置くと、今度はうんと伸びをした。
そのまままた干草の上に寝転ぶ。
陽光をたっぷりと浴びた干草の芳しい香りを吸い込むと、C.C.は頭上の青空を見上げた。
「ライ……やはりお前がいないと、張り合いがないよ……」
少しして、少々悲しそうにC.C.は呟いた。
ライの計画についてはおそらく一番最初に知っていた。
それをC.C.は止める事はしなかった。
彼の意思と覚悟を理解したからだ。
そして、その後の彼の意思も聞いて、理解している。
理解しているのだが……。
「やはり、おまえがいた方が楽しいな……。なら、早速ルルーシュ達に知らせて、手伝わせるか……」
こうして、C.C.の次の目的地は決まった。
恋する乙女(?)の決断力は早いものである。
果たして、彼女は一体何をするのであろうか?
今日も日の光はどこまでも柔らかく、澄みきっている。
まるでC.C.を後押しするように。
あとがき
東北を中心に起きた大地震、読んでくれていた皆様はご無事でしょうか?
私は関西にいたので、何事もなく元気にしています!
え?1ヶ月以上かかってる?
それは単に遊びまくってたら延びてしまっただけです(爆)
申し訳ありません(汗)
ともかく、私は無事なので、この回で元気に生きてま〜すという事を示しておくと共に今後も執筆、投稿活動を続けていきますね。
東北で起きた大震災の支援には、私もできる限りで支援していこうと考えています。
東北や関東の皆さん、恐らくこの小説なんて見られないでしょうけど、頑張ってください。
そして、またこの小説を見られるようになった暁には、この私ウォッカーとこの作品をよろしくお願いします!
さて、いつも通りに入る話の解説ですが。
なんと…実は今回が最終回じゃありませんでした!
原作ではここが最終回に当たるんですけど、この作品はまだ続きます!
最終回と思っていた読者の方々、まだ終わりではありませんので、がっくりしないでくださいね。
内容の方は、ルルーシュ実は死んでませんでした!な展開にさせてもらいました。
その代わりライが……(泣)
途中まで原作とほぼ変わらなかったので、ドキドキガックリしていた人も多いかと思います。
その際にあったライのクーデターとかは一応ライがあの場にいない事に説明をつけるための物になっています。
それにも理由付けをしてたりしていますが、一番の大元はそれです。
最終回の案はこれを含めて色々とあったのですが、とりあえずこうさせてもらっていました。
元々前にあった未回収の物をある程度回収するというのも含んでありますので。
結果ライがルルーシュを救うために行った計画は『ライ・リベリオン』となっていますが、これは実は作品のタイトルと密接な関係があるのです。
この作品のタイトルの『Double
Rebellion』は、ルルーシュにずっと付き従っていた主人公であるライが最後の最後に彼に反逆するという意味で書いていたのです。
だからこその『Double Rebellion』なのです。
原作タイトルで既に反逆のルルーシュな訳ですから、さらにそのルルーシュに最後の最後に反逆するライがいる事で『Double
Rebellion』という訳です。
ライが未来の自分がしていた後悔と自分の本当の気持ちを知った上でのこの計画は、原作の『ゼロレクイエム』に不都合がないように必死に考えた物ですが、も
しかしたらおかしい点があるかもしれません。
その場合はあまり突っ込まないで頂けると助かります。
この話には賛否両論が出るかと思いますが、まだ終わりではないので、結論を急がないでくださいね。
まだ本当の結末を書く次回が残っているので!
という事で、次回がいよいよ本当の最終回!
果たしてライは本当に死んでしまったのか!?
残されたルルーシュやアーニャ達は!?
そして、C.C.の起こそうとしている行動の意味とは!?
ついに最後を迎えるこの『コードギアス反逆のルルーシュR2 Double Rebellion』!
ハッピーエンドなのか、それともバッドエンドなのか。
それは次回の最終回を見て、確かめてください!
さて、今回は仕事が忙しいのであろうか、東北で大震災があったのが影響したのでしょう。
感想やWEB拍手はいつもより少なめでした。
ですが、そんな中でも書いてくれた方のために返事をしていきたいと思います。
>> スザクさん
いつも感想ありがとうございます。
私の書いた前回に熱くなって、ドキドキしてもらって、私としても嬉しく思います。
今回では、スザクが原作のように出ました。
もう1つのお願いに関しては残念ながら今回は叶える事ができなかったのですが、次回の最終回かその後を描くエピローグにご希望の場面を書けると思いますの
で、そちらをご期待ください。
>> reiさん
どうやら初めての方のようですね。
最初から最後まで一日で読んで頂いてありがとうございます。
楽しく読んで頂けたようで、とても嬉しく思っています。
ライの使う技が日本よりなのは、ご察しの通りライの母が関係しています。
もうかなり最後まで行っているので、この際言ってしまいますが、ライの扱う流派の師匠がライの母の護衛としてブリタニアまで共に渡っているのです。
そして、妹を守るために力を欲したライが、その師匠に弟子にしてほしいと志願し、流派を会得したため、技が日本よりとなっているのです。
この辺りの設定はもちろんオリジナルなのですが、この設定は後の設定集で詳しく載せさせてもらいますね。
もし、知りたいなら、後に出た時に参照にしてください。
>> あおばさん
感想ありがとうございます。
相変わらずロスカラ大好きなようですね。
私以外にも書いている方はいますので、そちらを見るのもいいと思います。
今回はまだ結末ではないので、果たして次回であおばさんの望むような結末になっているのか。
それは次回を確認してくださいね。
ロスカラ続編出るといいですね。
>> アナさん
これはご指摘ですね。
申し訳ありません、前半はほぼ完全に原作通りでした。
逆に後半はオリジナルでやりすぎたようですね。
私の作品で初の原作崩壊気味になっているんじゃないでしょうか。
この頃は特に前半に関してネタがなく、唸っていた覚えがあるので、結局捻りの入れようがなかったんですよね(汗)
今後はもう少しオリジナリティを入れられるように努めたいと思います。
ご指摘ありがとうございました。
>> YAMAさん
感想ありがとうございます。
面白かったようで、何よりです。
ライがディスクを持って行ったのは、少し自分の身体に関するデータを取る必要があったからなんですよね。
何せ、彼は特殊だから。
その辺りの事情が後で載らなかった場合は、私個人に何か書いて解説させてもらいますね。
後、最後のライとカリスの決着シーンの奥義『斬月』は、実はるろ剣の『天翔龍閃』とは少し違うんですよ。
あれは、抜刀術ではなくて、どんな体勢からでも超神速の剣を放つ正に最終奥義ですから。
解説を入れなかった私も悪いんですけどね(汗)
まあ、場面の元ネタはお察しの通りです。
そして、今回実は最終回ではありませんでした!
全力で楽しみにして頂いたようですが、次回が最終回です!
全ての要素を回収できるかも不安ですが、次回も楽しみにしていてください。
>> PONさん
はっきりとしたご指摘ありがとうございます。
やはり物書きなら自分のオリジナリティを入れて書くべきですよね(汗)
最終戦闘の回だった割にはオリジナリティが少なかったと反省しております(滝汗)
今後はこのような事がなるべくなくなるように気をつけていきたいと思います。
今回の教訓を生かせるように今後も精進していきますね。
これでWEB拍手の返事は終わりです。
感想、アドバイスありがとうございました!
そして、ついにWEB拍手3000回突破!
とても嬉しいです!
これも読者の皆様のおかげです!
次回でついに最終回を迎えますが、最後までご覧頂けると嬉しいです。
大震災やら何やらおきて、大変な時期ですが、私だけでなく、読者の皆様も色々と頑張ってくださいね。
まだ春先で暖かくなったり、寒くなったりと不安定なので、体調管理には気をつけてくださいね。
では、また次回でお会いしましょう!
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m
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