魔法少女リリカルなのは
                  Accel  Knight


















第8話 ランとフェイト





ランはあの後、アルフに案内され、フェイトの借りている高級マンションの部屋に来ていた。
フェイトをベッドに寝かせ、マジックメモリの力を使って傷を治療する。
手だけの傷で、しかもそれほどひどくなかったので、すぐに治療は完了した。
ついでに、グローブも修復しておく。
その様子を見て、アルフが呟く。

「あんた、変わってるね。敵の傷を治すなんて」

その言葉に俺は苦笑した。

「フッ、そうだな。ま、俺は女性には優しいんだよ」

「自分で言うんだね……そういう事」

フェイトの治療が完全に終わった所で、俺はメモリを抜いて変身を解いた。
元の9歳の姿に戻る。

「え、えぇ!?あんた、子供だったのかい!?」

それに驚いたのはアルフ。
まあ、変身時は大人の体型になるから無理もない。

「ああ。なのはやたぶんフェイトとも同い年だぜ」

「あんなに強い奴がこんな子供だなんて……世の中広いねぇ〜」

「感心するのは勝手だが……今日はもう遅い。互いに寝る事を勧めるけど?」

「……そうだね。フェイトもこのままにしておいた方がいいだろうし。じゃあ、あたしはアンタと一緒の部屋で寝るよ」

「俺はソファーで寝かせてもらうが、いいのか?おまえ今女だろ?」

そう、アルフはフェイトを連れて帰る時点で女性に戻っている。

「監視だよ。フェイトに危害を加えないかどうか」

「……わかった」

そして、俺はフェイトの部屋のソファーを借りて寝る事にした。
足元には狼姿のアルフが監視のためとか言って、寝ていた。


























翌日、俺は早起きをして、とりあえず朝食を作ろうと冷蔵庫の中を見た。
しかし、だ。

「何だこりゃ。インスタントや冷凍食品ばっかだぞ」

栄養取ってるのか、こいつら?
ちなみにドッグフードもある。
……意味不明だ。
疑問に思ったランだったが、とりあえずマンションの部屋からこっそり出て、近くのコンビニである程度食材と道具を買い、すぐに部屋に戻り、準備を始めた。
朝ご飯だからメニューは単純に、ご飯と味噌汁、それと野菜炒めにした。
料理を淡々とこなしていたランの所に、臭いを嗅ぎつけてやってきたのか、近くに女性形態のアルフがいた。

「あんた、料理できたのかい?」

目をこすりながら聞いてくるあたり思いっきり起き立てなのだろう。
俺はさらりと答えた。

「ああ。1人暮らしだからな。家事は大抵1人でできる」

「へぇ〜、そうなんだ」

と言ってこちらの料理する様子を眺めている。
まあ、特に気にする事もないので、そのまま作り続ける。
すると、もう一人起きてくる。

「う、うぅん。アルフ、おはよう」

それは私服に着替え、こちらも起きたばかりのフェイトだった。
目をこすりながら、ぼんやりとこちらを見ていたが、俺を見る内にその表情が訝しげなものになった。

「あなた、誰?」

「昨日君達とやりあっていた黒い鎧の人間だ」

「待って、あれは大人の人じゃ」

「変身を解くと、この姿に戻るんだよ。俺自体は子供だからな」

ちなみに頭脳は大人のままです。
まあ、最初からだけど。

「昨日君が気絶した後、アルフに案内してもらって君をここまで運んだんだ。その後、君をここで治療した。どうだ?傷は治したが、まだ痛んだりするか?」

言われて、フェイトは両手を確認したが、傷も付いておらず、痛みもなかった。

「あなたが治してくれたの?」

「だから、そう言っているんだけど」

料理をしながらランは淡々とそう答える。
すると、今度はアルフがフェイトに説明をした。

「あたしも最初は危険だと思ったんだけど、危害は加えないって言うし、それにジュエルシードを後でくれるっていうから、ここに案内したんだ」

すると、フェイトが思い出したように俺を問い詰めた。

「そうだ、ジュエルシードは?」

「俺が持ってる。心配しなくてもちゃんと渡すからそう構えるな」

身構えるフェイトに飄々と話すラン。
なんか、対照的な2人である。
そして、ちょうどランの料理ができた。

「よし、できた。とりあえず、食べながらでも話そう。腹、減ってるだろ?」

笑顔で言うランにフェイトは戸惑ったままだった。




















とりあえず食卓についた俺達は朝食を取る事にした。

「いただきます」

そう言って手を合わせた後、朝食を取ろうとした俺だったが、2人が俺に奇妙な視線を向けている事に気づいた。

「どうした?」

「何、今の?」

質問してきたのはフェイトだった。
俺は説明する。

「今のは地球の慣習の一つだ。食べる前にいただきますって手を合わせる事で、今食事を取れる事に感謝をするんだよ」

「感謝?」

今度はアルフが聞いてくる。

「そうだ。俺達は何らかの形で生きているものを糧とする事で、食料を得ている。肉にしろ、野菜にしろ。だから、その生きていたもの達に感謝をしてから、食 べるんだよ」

「そうなんだ」

俺は買ってきた割り箸を取る。

「とにかく、おまえらも食べろ。味は悪くないはずだから」

言って、俺が味噌汁を飲むと、2人も恐る恐る食事を取る。
すると、2人の表情が変わった。

「……おいしい」

「ほんとだね。こんな簡単な料理なのに」

俺の料理はフェイト達の口に合ったようだ。

「そっか。口に合ったようで何よりだ」

そうして、俺は次にご飯を食べ始めた。
そして、少しの間3人は食べていたが、不意にフェイトが口を開いた。

「どうして昨日私を助けてくれたの?」

唐突だな、と思いつつ俺は答える。

「昨日も言ったが、君みたいなかわいい子が危ない事をするのを見過ごせなかっただけだ。治療はそのついで」

淡々と答えた俺にフェイトは顔を俯けた。

「……(///)。ありがとう……」

「気にするなって。単なる俺の自己満足だからな」

そう言って、俺達は再び食事を取った。
























3人とも食べ終わり、食器を片付けると、リビングのソファーにそれぞれついた。

「じゃあ、そろそろ本題に入ろうか」

「……うん」

フェイトが頷いたのを見て、俺は口を開く。

「単刀直入に聞くぞ。フェイト達はどうしてジュエルシードを集めるんだ?」

「…………」

話せないのか、話したくないのかわからないが、話す気はないらしい。

「じゃあ、質問を変える。フェイト達はこのジュエルシードが何なのか知っているのか?」

「……私はあまり。それが願いを叶える物だってことくらいしか……。後全部で21個あるって事ぐらい」

「?用途のわからない物を集めているのか?」

「……母さんがほしがっていたから」

なるほどね。
とりあえず、理由はわかった。
ランが行ったのはいわゆる誘導だ。
単刀直入に聞いても答えてくれないのなら、それなりの脈絡を付けて話の方向を誘導する。
交渉事を何度も経験しているランにとっては、これぐらいは造作もない。
もちろん、フェイトは話してしまった事に気づいただろうが、まあ言ってしまったものはどうしようもない。
それの証拠に、言った後、一瞬驚愕の表情をしたが、すぐに元の表情に戻している。

「そうか……。俺の質問はこれだけだ」

俺がそう言うと、フェイトとアルフはポカンとした表情になった。

「……どうした?」

「いや、もっと聞かれるんじゃないかと思ってさ」

アルフの言葉に俺は苦笑する。

「別にそんなに根掘り葉掘り聞くつもりはないさ。聞きたかったのはこれくらいだからな」

その時、フェイトが口を開く。

「じゃあ、私からも聞いていい?」

「どうぞ。お姫様」

俺の言葉にフェイトは若干顔を赤くしたが、質問をしてくる。

「あなたはどうしてあの子と一緒にジュエルシードを集めてるの?」

なるほど、今度はこっちに聞いてきたって訳だ。

「俺の場合は単なる友達のよしみと成り行きだな。なのはから聞いたなら知っていると思うが、ジュエルシードを集めているのはユーノで、俺はその手伝いをし ているってだけだ」

まあ、実際にはなのはが放っておけないというのもあるが。

「そう……」

「だから、別に俺個人はこれが絶対に欲しい訳でもない」

そう言って、俺はジュエルシードをポケットから取り出した。

「フェイトはどうやらこれをどうしても欲しがっているみたいだから、今回はやるよ。それがアルフとした約束でもあったしな」

そう言って、俺はフェイトにジュエルシードを渡した。
それをフェイトは受け取る。

「うん……ありがとう」

すると、アルフが口を挟んできた。

「あんた、いい奴だね」

それに俺は笑顔で答えた。

「女性限定でな」

こうして、俺達の朝は過ぎて行った。























フェイトの治療と必要な事を聞き終えた俺は、フェイトのマンションの玄関口に立っていた。
これ以上、用はないし、あまりなのはを心配させる訳にもいかない。
俺は玄関の扉を開ける。
すると、見送りに来ていたフェイトとアルフの内、フェイトが口を開いた。

「あの……ありがとう」

「はは。気にすんな。俺のおせっかいだから」

そう言って、俺は去ろうとしたが、大事な事を忘れていたのを思い出した。

「そうだ、おまえ達に渡しておく物があった」

言ってから俺はポケットからメモ用紙サイズの紙と簡単な携帯電話を取り出し、2人に渡す。

「……?何、これ?」

俺が渡した紙に書かれていたのはそれぞれ別々の電話番号と携帯電話をかける方法だった。
携帯電話は俺が複数持ち歩いている物の内、二つ渡した。
ちなみに念のため、普通の電話のかけ方も紙に簡単に書いてある。

「俺の連絡先だ。もし、本当に困った時や助けて欲しい事があったらその番号に連絡しろ。どこにいても、必ず出られるから」

そこで、俺は強調して付け足す。

「ただし、その番号に通じるのは一回だけだ。それ以降はその番号に連絡しても繋がらない。だから、よく考えて使え。いいな?」

それにフェイトとアルフは頷いた。

「じゃあ、俺はそろそろ行くよ」

「あ、待って……」

去ろうとする俺にフェイトが呼び止めた。
俺は額の上に?マークを浮かべて振り返る。

「どうして、私にここまでしてくれるの?」

その言葉に俺は即答した。

「さっきも言っただろ。俺はおまえが放っておけないだけだ。危なっかしくてな」

そう言って、俺は去り際にフェイトに言う。

「フェイト、ちゃんと飯食えよ。ダイエットするには、まだ早いぜ」

そして、今度こそ俺はフェイトのマンションを去って行った。


























俺は自分のマンションへの帰り道、なのはが心配しているだろうと朝から携帯に電話をかけた。
程なく、なのはに繋がる。
声を発しようとした俺だったが、なのはの方が早かった。

『ラン君、大丈夫だったの!?』

しかも、声が大きい。
思わず、携帯から耳を離してしまう。
そして、声が止んだと同時に元に戻す。

「ああ。俺はピンピンしてるし、大丈夫だ。あの子には治療をしてやっただけだからな」

『そっか……。良かった』

やはりというか心配させてしまったようだ。
少々申し訳ない気分になりつつ、なのはと話す。

「まあ、今日俺は学校を休むが、ジュエルシード探しには協力するから、安心してくれ」

『うん……。ほんとに、怪我とかしてない…よね?』

学校を休むって事に反応してしまったか?

「本当に大丈夫だ。学校を休むのは単に疲れがたまってて、今日一日休みたいから。だから、心配するな」

『うん……わかった。じゃあ、また夕方に』

「ああ……」

そう言って、俺は電話を切った。
そして、そのまま帰路に着く。
久しぶりの早起きで眠い。
予備の携帯に取り替えて、今日は休もう。
その時、魔力反応を感知した。
おそらくフェイトだろう。
ただ、特に悪い事が起きる予感もしなかったので、俺はそのままマンションの部屋に帰った。


























そして、それから1時間後……。
俺はベッドで寝ていたが、不意に携帯の着信を告げる音色に目が覚めた。
ちなみに俺は携帯を複数持っていて、その内一つは私生活用、他はアーク・スマッシャーとの連絡用やそのほかの仕事の面での物だった。
2人に渡したのもその中のものだ。
もちろん中の仕事関係のデータは全て削除している。
フェイトとアルフに渡した番号は、エイダを介して仕事面の携帯に繋がる。
普段その携帯への番号は、エイダを介しているため、不定なのだが、フェイトとアルフのは特別だ。
その証拠にエイダには指示を出し、番号が一回使用されるまでは、その番号がこちらに繋がるようにしておいた。
そして、ちょうど今朝渡した携帯の代わりに取り替えた携帯が鳴っている。
俺は枕元にあった携帯を手に取ると、電話に出た。

「もしもし」

『マスター。アルフさんから電話が来ましたので、そちらにつなぎます』

「……?わかった」

えらく使うのが早いなと思った俺だったが、とりあえず電話に出る事にした。
とりあえずあの時は釘を刺したが、良く使うのか悪く使うのかはあの2人次第だ。
回線が繋がる。
その時、いきなりアルフが切羽詰まった様子で言ってきた。

『あ、あんたかい!?フェイトを……フェイトを助けて!』

「!?」

俺はその言葉に飛び起きた。

























フェイトは今、母親のプレシア・テスタロッサに鞭で叩かれていた。
体中に傷痕があり、バリアジャケットもぼろぼろだった。
もう既に何回叩かれたのかわからない。
ただ、フェイトは腕が魔力糸によって吊るされており、身動きを取る事ができない。
ただ、叩かれ続ける。
だが、その時背後の扉が開かれた。
いや、破られた。
破られた扉が吹っ飛ぶ。
何が起きているのか確認するために、フェイトが背後を見ると、そこにいたのは、扉を蹴破ったランとその後ろにいるアルフだった。

「あの人……」






















あの後、アルフにいきなりSOS番号を使われた事にも驚いたが、状況を説明された俺はさらに驚いた。
アルフが慌てていて詳しい状況はわからなかったが、フェイトが危ないという事はわかった。
そこで、俺はアルフに落ち合う場所を示し、そこで落ち合うとアルフにその場所へと案内させた。
どうやらその場所は、地球とは別の空間にあるようで、俺達はそこに転移し、アルフに案内されるままに扉の前に着いた俺はそのまま扉を蹴破った。
そこで、俺が見たのは傷だらけでバリアジャケットもぼろぼろのフェイトとその前に鞭を持って立っている黒髪の女性だった。

「てめえ、何をしているんだあぁぁぁ!!」

いつも戦闘時には冷静な俺だが、ここでキレた。
腰にドライバーをセットし、金色のソードメモリを取り出す。

【SWORD!】

「変身!!」

ソードメモリをセットし、セットしたレフトスロットを倒す。
その瞬間、走りながら俺は金色のゲシュペンスト・ソードに変身する。
この形態は接近戦を重視した機体で、七本の剣を所持している。
そして、飛び出した勢いのままにフェイトの腕を縛っていた糸を剣で切り、彼女を抱き寄せるとすぐに後ろへ後退する。
その間に女性が鞭を杖に戻した。

「あなた……どうして……」

何でここにいるのかわからないフェイトが俺に問う。
その瞳はどこか虚ろなものだった。

「アルフから連絡を受け、案内された。まさかいきなり使われるとは思わなかったがな」

そう言うと、アルフが駆け寄ってくる。

「フェイト!!」

「アルフ、フェイトを部屋の外に連れてけ。その後、手当てを頼む」

「あんたは?」

「……俺はあいつに用がある」

「わかった。まかせるよ」

アルフは言って、フェイトを抱え出て行った。
この場には俺と黒髪の女性だけが残る。

「おまえ……誰だ?」

俺はフェイトを助けた事で、幾分か冷静になっていた。
しかし、体の中に怒りはまだ残っている。

「私はプレシア・テスタロッサ。あの子の…フェイトの母親よ」

相手の女性はそう名乗った。
だが、その声に生気が感じられない。
ただ、俺にとってはそんな事どうでも良かった。

「母親……だと?」

「そう……私はあの子の母親」

再度そう言われ、俺の中に怒りが再び燃え上がった。
母親?
じゃあ、何故母親が娘にあんな事をする?
家族なのに。親子なのに。
歪んだ愛情とかそういうレベルの話ではない。
相手の、プレシアの目を見れば、わかる。
こいつは、フェイトを娘として見ていない。

「おまえ……自分の娘を何だと思っている……」

「さあ?そんな事あなたが知る必要はないわ」

許せねぇ。
そう、かつての俺のように。
許す訳にはいかない。

「おまえは、娘を何だと思ってるんだあぁぁぁぁぁ!!!」

瞬間、俺は両手に剣を握り、プレシアに襲い掛かった。
しかし、振り下ろした両剣はプレシアによって発生された紫色の障壁に阻まれる。
それに俺は弾かれ、着地すると地面を後ろに滑る。
そこへさらにプレシアが追撃を仕掛けようとしているのがわかった。
杖の先に黄色い魔力が集中している。

「ちぃ!」

俺は横に飛んだ。
そこへ追撃として雷撃が放たれる。
先ほど俺のいた場所が一瞬で瓦礫の山と化す。

(フェイトと同じ電撃質の攻撃。しかし、威力が桁違いだ。……メモリ1本では不足か)

今の攻防で冷静さを取り戻した俺は、ソードメモリを抜き、右手にサイクロン、左手にジョーカーメモリを取り出し、構えた。
スイッチを押す。

【CYCLONE!】

【JOKER!】

「……随分とおもしろい物を持っているのね」

「……うるせえよ」

俺は、サイクロンメモリをライトスロットに、ジョーカーメモリをレフトスロットに装填し、それぞれ左右に倒す。

【CYCLONE!JOKER!】

その瞬間、右半分は緑色、左半分は黒色のゲシュペンスト・サイクロンジョーカーに変身した。
この形態はスピードに特化した形態で、サイクロンにより風のごとく、ジョーカーでさらに身軽となり、高速移動や拳や蹴りを利用した格闘戦を得意とする。
ここで、俺は初めてメモリ2本を同時に使用した。
そんな俺に再びプレシアから雷撃が放たれる。
俺はそれを横へ飛んで再度かわした。
これからだ、ゲシュペンストダブルの本当の力は。

























俺は今、壁を走りながらプレシアが放つ雷撃をかわしていた。
基本壁を走るなんて無理かと思うかもしれないが、俺のゲシュペンストはバーニアで空中を飛べる。
つまり、バーニアで姿勢制御をしながら壁を走っているのだ。
俺の走った後に次々と雷撃が当たる。

「答えろ!何故フェイトにあんな事までしておいて、ジュエルシードを集めさせる!?」

走りながら避ける俺にプレシアは雷撃を放ちながら答える。

「そう……あの子、喋ったのね。……いいわ、教えてあげる。ジュエルシードはあたしの夢を叶えるために必要な物だからよ」

「夢に……だと?」

夢のために……娘をあんなにまでしたというのか?

「それなら、何故てめえはフェイトにあんな事をした!?彼女はそれなりにジュエルシードを集めたはずだ!」

おそらく、フェイトはジュエルシードを渡すのと同時に報告しにここへ来たのだろう。
母親と会えるのを楽しみにして。
なのに、あの仕打ち。
ジュエルシードは入手できているのに、あんな仕打ちではまるで全然ダメだと言わんばかりではないか。

(……全然ダメ…だと?)

今自分の考えた思考に俺は引っかかりを感じた。
そうだ。
何故ジュエルシードを集めたフェイトにあんな仕打ちをしたのか。
それでは少ないと言わんばかりに。

(あいつ……焦っているのか?)

「あれしきでは足りないからよ。まあ、あなたには理解できないでしょうけど」

「……したくもねえな!」

言って、俺は壁を蹴った。
一直線に拳を掲げてプレシアに迫る。
そこに好機だと言わんばかりにプレシアの雷撃が放たれる。
しかし、俺はそれを超高速で避けた。
当たったと思われた雷撃だが、当たる寸前にゲシュペンスト・サイクロンジョーカーが消え、射線上の後ろの壁に当たる。

「!何!?」

(どこに!?)

そう思ったプレシアが周囲を探そうとした時だった。

「後ろだ」

俺はプレシアの背後から声をかけ、拳を横殴りに振る。

「!」

気づいたプレシアが俺の拳をかろうじて紫色の障壁で防ぐ。
障壁に攻撃を阻まれた俺は一旦、地面を蹴って間合いを取る。
すると、そこへすかさず雷撃が放たれたが、また俺は超高速でかわした。
これがゲシュペンスト・サイクロンジョーカーの最大の特徴。
風の力と身軽さの両方を生かした超高速移動。
風のごとく移動するランを捉える事はプレシアでも難しいだろう。
ことごとく放たれる雷撃をかわし、俺はまたプレシアの背後に立つ。

「遅えぞ」

「くっ!また!」

そう言って、プレシアが雷撃を放とうとした瞬間だった。

「ぐっ……!ごほっ……かはっ……!」

いきなり、床に手を付き、膝を付いたかと思うと、いきなり吐血した。
咄嗟に手で口元を押さえているが、意外にも多量の血を吐いているらしく、手から零れ落ちたのが、床の上に落ちている。
それを見た俺は驚いた。

「おまえ……」

「ぐっ……私は……まだ…こんなところでは…死ね…ない……!せめて、私の…夢を…叶えるまでは……!」

そう言いながらも彼女は血を吐いている。
それを見ていた俺は、何故か先ほどまでの怒りも冷めた。
もう戦う気も起こらなかった。

「……やめだ」

そう言って、俺はプレシアに背を向け、部屋の出口に向かう。
それを見たプレシアが俺を呼び止める。

「待ちなさい!あなた、私に聞きたい事があるんじゃないの!?」

その言葉に俺は振り返った。

「ああ。力づくでも聞き出すつもりだったが、興が冷めた」

「なんですって…?」

「端っからギリギリまで磨り減った奴に力づくで聞きだす必要はねえんだよ。そんな事、いつでもできる。それに、てめえが焦る理由もだいたいわかったから な」

「………」

「だから、最後に通告しておくぜ。もし、この先フェイトを愛せるならおまえの邪魔はしないでやる。だが、もしこのままフェイトを愛せないまま傷つけるのな ら、その時は俺がおまえと決着を着ける。それだけは覚えておけ」

そう言って、俺は立ち去ろうとした。
その時、プレシアが口を開く。

「あなた……名前は?」

「……北川乱だ」

そう言って、俺は今度こそ半壊した部屋を立ち去った。
そして、残されたプレシアはなんとか症状が治まったプレシアは呟く。

「北川乱か……。不思議な子ね……。けど、それはもう無理……。あの子は、私の本当の娘ではないのだから……」
























俺は部屋を出た後、時の庭園の廊下にいたフェイトとアルフに合流した。

「あんた、大丈夫だったかい!?」

「ああ、心配ない。特に怪我もしていないしな。それより、フェイトは?」

そう言って、俺はフェイトを見た。
ちなみに俺は既に変身を解除している。
そして、そのフェイトは手当てはされているものの、どこか空ろな瞳のままだった。
手当てをしたアルフが答える。

「とりあえず……治療はしたんだけど……」

「そうか。なら、もう少しやっておくか」

【MAGIC!】

言って、俺は付けっぱなしだったドライバーのライトスロットにマジックメモリを挿す。
そして、そのままフェイトに少しだけ治療を施した。
それで俺に気づいたフェイトが、俺を見る。
俺はすぐに治療を終えると、立ち上がった。

「これで大丈夫だろう。傷自体はそれほど治してないが、治癒力を少し上げておいた。これなら今日の夕方には治るだろ」

「ありがと!あんた、本当にいい奴だね!」

それで、アルフが喜んでくれた。
すると、フェイトが口を開く。

「母さんは……?」

「心配するな。何もしちゃいない」

嘘だ。
攻撃が当たっていないのは事実だが、攻撃したのも事実だ。
だが、俺は先の事をフェイトに言うつもりはなかった。
ただ。

「フェイト。これだけは覚えておいてくれ」

「……?」

「もしもの時があれば、俺が決着を着ける」

「……??」

何の事かわからないといった顔のフェイトだったが、俺はそれ以上は言わなかった。
立ち上がってアルフを見る。

「それじゃあ、アルフ。フェイトは俺が肩を貸して運ぶから、おまえは元の世界まで案内してくれ」

「わかったよ」

こうして、俺はフェイトに肩を貸して、元のいた世界に戻って行った。


























あの後、フェイトのマンションの屋上に着いた俺は、フェイトに夕方までは休むように言って、変身して、空を飛んで、自分のマンションまで帰った。
もちろん、人に見つからないように細心の注意をしてだ。
そして、マンションに着いた俺は、再びベッドに横になった。
昨日にかけて今日も色々とありすぎた。

(もう少し…休むか……)

そう思い、俺は眠りについた。
そして、夕方になった頃。
携帯から着信を告げる音色が鳴った。
起きて、開いてみると、かけてきたのはなのは。
俺は通話ボタンを押す。

「もしもし、なのはか?」

『……うん。今から家に来れるかな?』

なのはの微妙に深刻そうな声音で、俺は不審に思ったが、答える。

「ああ。別にいいけど……」

『じゃあ、後で来てね』

そう言って、なのはからの電話は切れた。
俺は心当たりを探すと、すぐに思い当たる節を見つけた。

(……フェイトの事か?)

とにかく、また外出の支度をすると、俺はマンションを出た。
程なくして、なのはの家に着き、上がると、彼女の部屋に招かれる。
なのはの部屋は、何度か入った事があるが、実に女の子らしい部屋だと思う。
ちなみに上がる際に、恭也に睨まれたが、なのはと友達になってからいつもの事なので、あえてスルーした。
なのはに促され、彼女が座ったベッドの隣に俺も座る。

「そういえば、レイジングハートは直ったのか?」

確かフェイトのバルディッシュと一緒に亀裂が入っていたはずだ。

「あ、それならもう大丈夫だよ。さっき完全に直ったから」

「そうか」

「ところで、ラン君。話なんだけど……」

「ああ……」

なのはが真剣そうに話題を変えてきたので、俺はなのはの話を聞いてやる事にする。

「私……フェイトちゃんの事が気になってた」

「…………」

「どうして、あんなに綺麗なのに、強いのに、どうして寂しい目をしているのか……」

俺は黙ってなのはが言い終わるのを待つ。

「私ね……フェイトちゃんの事が知りたい!でも……どうすればいいのかわからなくなってきちゃった……。話し合いたいのに……分かり合いたいのに……」

やはりというか、何というか、なのははフェイトの事で悩んでいた。
なのはの悩みは俺の予想通りだったが、彼女が本気でその事に悩んでいる事がわかった。
俺は、俺の思った事を口にする。

「それが、なのはの本心なら、なのはの思った通りにやればいい」

その言葉になのはが俺を見る。

「私の…思った通りに?」

俺は頷いた。

「そうだ。方法は何だっていい。なのはが思いついた方法で、それを全力でやってみるんだ。そうすれば、フェイトも必ず答えてくれる。……あの子は優しい子 だ。なのはの気持ちを全力でぶつければ、きっと答えてくれる」

「私の思いを…全力で……」

呟いたなのはに俺は頷いた。

「そうだ。全力で、だ」

俺の言葉になのはは決心したような表情になると、俺の手を握った。

「そうだよね!私の思いを全力で伝えれば、きっとフェイトちゃんも答えてくれるよね!」

「ああ」

俺は笑顔で答えた。
その表情をしながら、俺は思う。

(俺も…随分甘くなったもんだな)

だが、悪い気分じゃない。
目の前のなのはの笑顔を見てると、そう思えてくるから。

「私、がんばるね!」

「ああ、俺も手伝ってやるから。頑張れ」

「うん!」

そう言うと、彼女はいきなり俺の肩に顔を預けてきた。
俺はなのはの行動に少々驚く。

「……いいかな?」

「……そうだな。たまにはいいだろ」

最近はしてくる事はなかったが、なのははたまにこうやって俺に甘えてくる。
俺としては、少し嬉しい気分になるので、全然困ったりはしなかった。
唯一問題としてあげるなら、少し照れ臭いのと、この光景を恭也が見たら間違いなく怒ってくる事だろう。
俺はなのはの肩を抱いてやる。
なかなかキザな事をしてるかもしれない。

「にゃはは」

だが、肩を預けるなのはは顔を紅潮させながらも、嬉しそうに俺の肩に顔を預けていた。

























それから約1時間程して、俺となのははジュエルシードが発動した波動を感知した。
すぐに俺達は家を出て、反応のあった場所に向かう。
そして、着いた場所は公園だった。
着いて早速ユーノが魔法陣を発動する。

「封陣結界、展開!」

周囲にユーノの結界が展開される。
すると、公園にあった一つの木に既に異変が起きていた。
大きくなったかと思うと、木の化け物に姿を変える。
既に変身していたなのはがレイジングハートを構える。
俺も既に、変身しており、今はゲシュペンスト・ジョーカーとなっている。
その時、別方向から黄色の弾丸が化け物に向かって飛ぶ。
しかし、木の化け物はバリアを張って弾丸を防いだ。
今の攻撃をしたのはフェイトだ。
それを後ろを振り返って確認した俺となのはだったが、木の化け物がそこで動いた。
根を伸ばし、地面を突き破ってくる。
根を利用した攻撃だ。

「ユーノ君、逃げて!」

なのはが言うと同時にユーノはすぐに撤退する。
根の攻撃が俺となのはに迫る。

「Flyer Fin」

俺となのは攻撃を避けるため、それぞれ飛んでかわす。

「レイジングハート!もっと高く!」

「All right」

なのははさらに根の届かない高い所まで飛ぶ。
俺は敵の先ほどの行動から分析を始めていた。

(本体自体は木と変わらないか……。だが、バリアを張るという防御もある。となれば……)

俺は、今まで使っていなかった赤いメモリを取り出す。
クリムゾンメモリ。
地獄の業火とも言われる、超高温度の炎を操る事ができると言われるメモリ。
その炎はどんな物でも焼き尽くす事ができる。
いわゆる高レベルの炎を扱う事ができるメモリだ。
俺はクリムゾンメモリのスイッチを押す。

【CRIMSON!】

俺は、ドライバーのレフトスロットを立てて、ジョーカーメモリを取り出すと、今度は逆のライトスロットにクリムゾンメモリを挿して右に倒す。

【CRIMSON!】

その瞬間、ゲシュペンストの色が黒から赤色に変化し、ゲシュペンスト・クリムゾンとなる。
そして、チェンジが完了したところに、木の化け物からの触手が迫る。

「ラン君!」

なのはが声を挙げるが、全く問題はない。
俺は、伸ばされた触手をかわし、逆にその根を掴む。

「フッ!」

俺は両手にエネルギーを集中させて、手から超高温の炎を出す。
そして、それは瞬く間に掴んでいた根を灰にした。
その間に、フェイトはバルディッシュを構える。

「アークセイバー。……いくよ、バルディッシュ」

「Arc Sabor」

フェイトのバルディッシュから魔力刃が形成される。
なのはもレイジングハートを木の化け物に向けて構えた。

「Shooting mode」

レイジングハートが砲撃形態に変化する。

「行くよ!レイジングハート!」

そして、最初にフェイトが攻撃に移った。
出力していた魔力刃を投げつけた。
飛んだ魔力刃は根を切り裂き、木の化け物に迫る。
しかし、木の化け物はそれをバリアでガードする。
だが、まだこちらの攻撃は終わっていない。

「弾けて!」

「Divine Buster」

充填されていた魔力が一気に放たれた。
木の化け物の真上から襲い掛かり、バリアに激突する。

「ウオオオオォォォォォ」

木の化け物が悲鳴を上げる。
2人の魔力攻撃に懸命に抵抗しているようだ。

「こいつでダメ押しだ」

俺はクリムゾンメモリを取り出すと、マキシマムスロットに装填した。

【CRIMSON!MAXIMUM DRIVE!!】

「クリムゾン・グレネイド」

俺はマキシマムスロットのボタンを叩いて、木の化け物に迫る。
右手には極大の炎を纏った拳を掲げている。
そして、俺は思いっきり右手の拳を突き出した。
それが木の化け物の張ったバリアに激突する。
しかし、クリムゾンの攻撃は他のメモリよりも攻撃力は高い。
次第に木の化け物は耐えられなくなっていく。
そして……。

「ウオォォォォォォォ……」

木の化け物はついに耐え切れなくなり、光に包まれ、消滅した。
消滅した直後、残ったジュエルシードが宙に浮かぶ。

「Sealing mode, Set up」

「Sealing form, Set up」

既に2人は封印作業に入っている。
俺はひとまずジュエルシードから下がった。

「ジュエルシード、シリアル7!」

「封印!」

ジュエルシードは光に包まれ、しっかりと封印された。
俺はそれを手に取る。
そして、浮き上がって既に戦闘態勢に入っていた2人に告げた。

「ジュエルシードに衝撃を与えてはいけないのは、昨日の事でわかっているな?」

俺の言葉で互いに頷く。

「なのはも今回はフェイトに言いたい事があるようだから、俺は手を出さない。アルフもユーノも、それでいいか?」

「……わかったよ」

「でも、ジュエルシードは?」

「俺が預かる。もちろん、勝った方に渡してやる。……ユーノ、おまえがジュエルシードを集める目的はわかっているが、封印するだけなら俺はどちらに渡って もいいと思っている。……おまえには悪いが、それでいいか?」

「……うん、わかった」

「すまないな。……昨日の事も」

俺の言葉にユーノが少々驚いたような顔になった。
俺が謝った事が意外だったのだろう。
だが、俺はユーノの覚悟を知った上で、こんな事をしてるのだから、それを思って謝っただけだ。

「じゃあ、始めろ」

すると、なのはが口を開いた。

「私は…フェイトちゃんと話をしたいだけなんだけど……」

「Device mode」

レイジングハートがデバイスモードに戻る。
なのはは続ける。

「私が勝ったら…ただの甘ったれた子じゃないってわかってもらえたら……お話、聞いてくれる?」

「…………」

フェイトは何も言わなかったが、俺はそれを了承したと思った。
そして、2人が同時に動く。
だが、俺はそこで気づいた。
それぞれ振りかぶった2人の先に魔法陣が展開されている。
誰かが割り込んでくる気だ。

(……うぜぇ…!!)

2人の乙女の決闘に割り込みをかけるとはなんて奴だ。
俺は、前言撤回し、すぐにメモリを切り替えて、ゲシュペンスト・ジョーカーになると、2人の所へ一気に飛び出した。





















そして、ランの予想通り、なのはとフェイトの間に誰かが割り込んだ。

「ストップだ!」

現れたのは少年。
右手の杖でフェイトのバルディッシュを受け止め、なのはのレイジングハートを素手で止める。
互いの攻撃を受け止められた2人は、驚いた顔をしている。

「ここでの戦闘は危険すぎる!」

そして、少年がさらに言おうとした。
その時だった。

「じ「邪魔」がっ!」

ゲシュペンスト・ジョーカーであるランが少年にとび蹴りを入れた。
顔面をもろに蹴られた少年はなのは達の武器を手放し、吹っ飛ぶ。

「「え?」」

さらなる乱入者になのはとフェイトはさらに驚いた。
攻撃を止められたと思ったら、今度はランが攻撃を止めた少年を思いっきり蹴飛ばしていたのだ。
事態が急展開すぎて、頭がついていっていないのだ。
そして、そんな2人を置いて、少年を蹴飛ばしたランははっきり言った。

「乙女の決闘を邪魔する奴は、馬に蹴られた三途の川だ」

そう言うと、ランは容赦なく正体不明の少年に迫った。























あとがき


とりあえず凄い遅いですけど、私の作品を読んでくれている方、あけましておめでとうございます。
ようやく今年第一号の作品を挙げる事ができました。
いや、本当に遅いですね(汗)
もう二月ですよ、年始の挨拶なんてとうに遅れてるよ(滝汗)
っていうか節分が近いよ、ほんと(汗)
とまあ、こんな感じで今年の初めの更新がひどく遅くなった私ですが、とりあえず礼儀として挨拶はしておきますね。
言い訳すると、この1ヶ月本当に忙しくて作品を書く時間すらなかった……(汗)
正直、色々詰め込みすぎて精神イカレそうでしたからね〜(滝汗)
そして、1月末。
ようやくこの多忙さからやっと解放されました!
これでようやく作品の続きを書いていける……。
しかし、それも一週間ぐらいですが(苦笑)
とりあえずできるだけ頑張っていこうと思ってます。

さて、今まで単調だったこの作品についに変化が……!
いや、読者の方にも言われましたが、私でも単調だと思ってましたからね〜この作品(爆)
単純だったのは、単に私のリリカルに対しての知識が足らないところもあるんですけどね〜(汗)
まさかのフェイトを治療した縁から時の庭園でのプレシアさんとの邂逅&バトル……。
少しは変化が出てきたんじゃないかな〜と思っています。
ちょっとした変化がでてきたので、これまで単調だな〜と思っていた読者の方には面白くなってくるかもしれません。
と言っても、まだ微妙な変化しかないのですけどね(苦笑)
次回はまさかのランVSクロノ!
一体どうなる!?
そして、管理局との対面は!?
次回も乞うご期待ください。
ちなみに言っておきますと、私はクロノは別に嫌いではありません。
ただ、ストーリーの関係でこうせざるを得なかったんだ……!
ランの性格的にも決闘を邪魔されるのは、我慢ならないし……。
といった言い訳でしたが、これで次回の展開読めちゃうかもしれませんね(笑)
ぶっちゃけネタばれしてる感がありますが、私がアンチクロノではない事は先に言っておきますね。

今年もまたこの活動を精一杯頑張っていこうと思いますので、また読者の皆さん応援よろしくお願いします。
ちなみにギアスの方はもうだいたい書けているのですが、仕上げやらキャラの設定関係でもう少し時間がかかるので、もうしばらく待ってくださいね。
2月中には投稿しますので。
今回のあとがきの後にも設定を載せていますので、良ければご覧になってください。
では、これからもこの作品とギアス作品、完結まで頑張っていきますので、読者の皆さん今年もよろしくお願いします!














設定(5)


ソードメモリ

PTメモリの1つ。
近接・乱戦・剣撃戦に特化したゲシュペンスト・ソードの能力を内包したメモリ。
近接・剣撃戦に特化したため、ゲシュペンストドライバー・ダブルに使用されるメモリの中では最も装甲が厚く、パワーも高い。
色は金。
適合者はラン。


サイクロンメモリ

PTメモリの中でも特殊なメモリの1つ。
風の力を司り、最もスピードに長けたゲシュペンスト・サイクロンの能力を内包したメモリ。
他の作用として、空戦能力も強化される。
色は緑。
適合者はラン。


クリムゾンメモリ

PTメモリの中でも特殊なメモリの1つ。
地獄の業火とも言われる超高レベルの炎を扱う事ができるゲシュペンスト・クリムゾンの能力を内包したメモリ。
特殊なメモリの中では攻撃力がかなり高いので、装甲の厚い敵やバリアの硬い敵に有効なメモリでもある。
副作用として、闘争本能をかきたてられるため、使用者はやや好戦的になる傾向がある。
色は赤。
適合者はラン。




ゲシュペンスト・ソード

ゲシュペンスト・ダブルの中の1形態。
ゲシュペンストを近接戦、特に剣撃戦に特化させた形態。
主に剣を用いた近接戦、乱戦を得意とする。
さらに近接戦を想定したため、メモリ使用単独形態の中で最も装甲が厚く、パワーも高い。
武装は 左腕にビームダガー2本、グランプラズマカッター1本、両肩にビームソード2本、両腰に実体剣であるスラッシュブレイド2本の計7本の剣。
この姿の色は金。
マキシマム使用時の必殺技は、使用する剣によって変化する。


ゲシュペンスト・サイクロン

ゲシュペンスト・ダブルの中の1形態。
ゲシュペンストに風の力を持たせた特殊な形態。
メモリ使用単独形態の中で最速のスピードを誇り、空戦能力も強化されている。
空戦・機動戦に特化した形態でもある。
固定された武装はもたないが、攻撃に風の力を付加する事ができる。
他にも風を纏って弾道を逸らしたりと、風を防御にも使う事ができるので、意外と防御力も優れている。
この姿の色は緑。
まだ未登場ではあるが、今後使用予定。
マキシマム時の必殺技は未登場であるが、両手から竜巻を放つ「ダブル・サイクロン」と足に竜巻を纏って蹴りを繰り出す「サイクロン・キック」。


ゲシュペンスト・サイクロンジョーカー

ゲシュペンスト・ダブルの本来の形態の1つ。
風の力を持つサイクロンと運動性に優れたジョーカーの2つの力が合わさった超機動戦特化の形態。
本来ゲシュペンストドライバー・ダブルは、2つのメモリを同時に使用し、その力を掛け合わせ、時には臨機応変に形態をチェンジさせる事によって、あらゆる 状況にも対応できるような汎用性と戦闘を可能とするものである。
この形態はその中でも、一方向に特化した組み合わせである。
よって、ゲシュペンスト・ダブルの持つ形態の中では最速を誇る。
単純にサイクロンの倍以上の速度を出す事が可能。
風による高速移動からの拳撃や蹴りなどの肉弾戦を得意とする。
武装は左腕のプラズマステーク。
もちろん、風の力も自由自在に扱える上に、パワーも単独使用時と違い倍近くまで上がるので、単独使用時とはさらに一線を画す。
この姿の色は、機体の中心から右が緑、左が黒となっている。
マキシマム使用時の必殺技は未登場であるが、暴風で相手の動きを封じて両足で飛び蹴りを放つ「ジョーカー・エクストリーム」とプラズマステークに竜巻を帯 びさせて放つ「ジョーカー・トルネード」。


ゲシュペンスト・クリムゾン

ゲシュペンスト・ダブルの中の1形態。
ゲシュペンストに地獄の獄炎とも言われる超高レベルの炎の力を持たせた特殊な形態。
メモリ使用単独形態の中では、攻撃力の高いメモリである。
固定された武装はないが、攻撃に炎の力を付加する事ができ、出力も制御できる。
炎を射出する事も可能なので、遠距離戦も意外とこなす事ができる。
この姿の色は赤。
今回では、ジュエルシードによって変化した木の化け物に対し使用した。
マキシマム使用時の必殺技は、手に最大出力の炎を纏って放つ「クリムゾン・グレネイド」と極大の炎を離れた敵に放って攻撃する「クリムゾン・フレイ ヤー」。



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