俺の名前はルーク・フォン・ファブレ
間もなく消えるであろう俺は、最後の役目を果たそうとしていた
それはローレライを解放すること
ローレライ−それは第七音素の意識集合体で、星の運命を予言する存在
俺たちの目的はそのローレライを取り込んだヴァン師匠を倒し、解放することだった
そして俺たちはヴァン師匠を倒すことに成功、仲間との別れを済ませ、俺は最後の役目を果たす時が近づいていた
俺の生まれた意味、生きてきた証、……………きっとこれが俺の成すべき事だったんだ
そして今、俺の目の前には解放されたローレライの姿があった
『世界は消えなかったのか………私の見た未来が僅かでも覆され……………』
俺たちが未来を覆したことに素直に驚いた様子のローレライ
しかし、そのローレライが突然黙り込んでしまった
俺は何かあるのか?と疑問に思っていたのだが、何となくローレライが俺を見て固まっている様な気がして………理解した
俺の体は音素剥離が本格的に始まってしまったのか、光の粒子へと徐々に変化していっていたのである
「ゴメン、ローレライ。俺はここまでみたいだ。」
せっかく対面出来たローレライともまともな話も出来なくて少し悲しかったけど、何より解放できた俺はそれで満足だった
『……………………』
しかしローレライからの返事はない
それどころか、何か悩んでいるように見えた気がした
「ローレライ?」
はっきり言って俺は無視されるのが嫌いだ
だから呼びかけてみた
すると悩みが解消されてない様子のローレライが申し訳なさそうに話しかけてきた
『ルークよ………少々まずいことになった。』
「まずいこと?もしかして剥離のことか?それならローレライが気にする必要ないぜ。それに覚悟もあったしな。」
覚悟はある…………これはウソだ
そりゃあ俺だって消えたくない
出来ることならみんなの元に帰りたい
でも、それは出来ない
それにようやく解放されたローレライに心配をかけたくはなかった
『いや………その事ではない。それにルーク、今の起こっている現象は音素剥離ではない』
しかし、俺の心配をよそに、ローレライが悩んでいたことは別のことだった
それに音素剥離ではないのなら一体……………えっ!?
「音素剥離じゃない!?じゃあ俺の体は何で光っているんだよ!?」
『それなのだがな…………今確認した。誰かがそなたを呼ぶ………いや、召喚と言えばいいのか。
とにかく何者かがルークを呼び出そうとしているのだ』
「呼ぶ?召喚?………それってティアたちがやっているのか?」
俺を呼ぶ存在
そこで真っ先に浮かび上がったのは先ほど別れたばかりの仲間たちのことだった
もし、みんなが呼んでくれて、そして帰れるならこれほど良いことはない
『残念だが違う。そしてルークを呼ぶ存在はこの世界には存在しない』
しかし俺を呼ぶ人物は見当違いだったようだ
「この世界にいない?それってよくわからないんだが………」
『つまりだ、この世界とは全く異なる世界。そこに住む者が呼び出そうとしているのだ』
ローレライの言う、予想を斜め上に行ってしまった回答に俺は混乱しそうだった
「えぇっと………それだと俺はどうなる訳?」
『音素剥離しようとしていた肉体は現在、その召喚者によって変化しつつある。
おそらくその世界と適合するように肉体の再構成が始まっているのだろう。』
「ちょっと待て!再構成したらどうなるんだ!?」
言われてみると体の中が少し変な気がしてきた
『完了しだい、その世界に送られることになるだろう』
「じゃあ俺はこの世界に戻って来られないってことなのか!?」
『……………そういうことになる。しかしだ、少なくともルークの存在が消えることはない』
「…………そうだった、このままだと俺………消えちゃうんだったな」
そう、俺は肝心な事を忘れていた
俺は間もなく消滅するという事を………
『そうだ、レプリカであるルークはこの世界に残る事は出来ない。もし、ルークが今抱いているオリジナルと大爆発現象を起こし、
1つになったとしても、それはオリジナルが基本となる為にレプリカであるルークの存在が消え、記憶だけが残るだけなのだ。』
「じゃあアッシュは帰れるのか!?」
その発言で俺はあることに気が付いた
俺にとっての半身とでも言うべき存在
そして俺が全てを奪ってしまった
『可能性としては十分可能だ。』
そのアッシュが生き返れる
「そうか。なら俺はそれで満足だ。」
俺は嬉しくてたまらなかった
『私としてはルーク、そなたにも例え世界が違おうと生きて欲しいと思っている。』
そしてローレライは俺にも生きることを望んでくれるようだ
『これは私からの餞別だ。そしてありがとう。そなたに幸せな未来があらんことを』
最後にローレライは俺に何かを渡すと、その言葉と共に空へと上がっていく
そして俺は何か言おうとしたが、再構成の所為か、声を出すことも出来なくなっていた
そしてただ見上げるだけの俺は、ローレライから受け取った何かと再構成している肉体が融合し
光となって世界を越えた
魔法先生ネギま! ―深淵より呼ばれし者―
1993年 某日
「ちょっとナギさん!?本気なんですか!?」
「当たり前だ!せっかく苦労して手に入れたんだから使わなきゃ損だろうが!」
「で…でもですね、少しは調べるなりしたほうがいいのではないでしょうか?」
「だぁぁぁぁぁ!タカミチ、お前は何でそう心配性なんだ!」
よく晴れた空の下、2人の青年が言い争っていた
タカミチと呼ばれた青年の名前は高畑・T・タカミチ
『悠久の風』の『紅き翼』と呼ばれるパーティーに若くして所属するメンバーの1人である
そしてもう一方の青年の名をナギ・スプリングフィールド
『紅き翼』のパーティーのリーダーにして、サウザンドマスターの異名を持つ最強の魔法使いである
さて、何故この2人がのっけから言い争っているかと言うと
彼等、『紅き翼』は、つい先ほどまで未発掘の遺跡を発見し、興味本位(ナギの独断)で調査を行っていたのだ
遺跡内部は様々なモンスターの巣窟と化していたのだが彼等が苦戦するようなモンスターが現れることはなかった
結果、あっさりと遺跡の奥底まで行った一行が見つけたのは一冊の魔道書だった
その魔道書にはどうやら召喚系の魔法が記載されているようで、ナギはその召喚対象に興味を示し、
早速呼び出そうとしていたのである
「大体タカミチは興味がないのか?『聖なる焔の光』何て大層な名前がついてるんだぞ?
これは絶対に大物に違いないって!」
「そりゃあ、興味はありますよ。………でもだからといって何も調べずに呼ぶのは危険すぎますよ!
というか皆さんもナギさんを止めるの手伝ってくださいよ!」
このままではマズイと判断したタカミチは周囲に居たメンバーに助けを求めた
「まぁまぁ、タカミチ君、少し落ち着きなさい」
「これが落ち着いていられますか!?だいたい詠春さんは何でそこまで落ち着いていられるんですか!?」
タカミチを落ち着かせようと話しかけたタカミチよりも少し年上青年の名は近衛 詠春
京都神鳴流の剣士で落ち着いた雰囲気を持つ人物である
「タカミチ、お前もそろそろ学習しろ。ナギは一度言い出したら聞かないんだから諦めろ。」
「はぁ…………師匠まで………」
タカミチに師匠と呼ばれたおじさんの名はガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグ
高難度技法である咸卦法を使った格闘戦を得意とするダンディーなおじさんである
「まぁこれで何か起きた場合はしっかりと止めなかったタカミチ君が悪いと言うことで良いじゃないですか♪」
「ダメだ………味方がいない………というかアルさん、あなたは悪魔ですか!?」
悪魔呼ばわりされた人物の名はアルビレオ・イマ
マイペースで、性格の悪いナギよりもさらに質が悪く、趣味も他者の人生の収集と少し距離を置きたい人物である
「こうなったらダメ元の力尽くで………」
「タカミチ、いいの?」
「ん?どうしたんだい、アスナちゃん?」
少し控えめな喋り方の少女の名はアスナ
パーティー内で5歳という唯一の子供であり、何故かタカミチが修行中の咸卦法を使用できる将来有望な少女
「ナギが詠唱始めてるよ?」
その少女から発せられた言葉にタカミチは
「……………」
固まっていた(笑)
「ついにお目見えだ!いでよ、『聖なる焔の光』」
そんなタカミチを他所に、ナギは詠唱を完了していた
そして『聖なる焔の光』の名を呼んだ瞬間、ナギの前方に巨大な魔方陣が展開された
「こいつはずげぇ!かなり魔力を持っていかれてるぞ。こいつは絶対に大物だ!」
展開された魔方陣はナギの魔力を吸収し、発光し始めた
そして、周囲が真っ白になるまで光を放つと、徐々に光が収まっていき、そこには
「うん?あれだけ魔力を消費したのに子供か?」
アスナほどの体格の子供が倒れていたのである
「………これってまさか……………誘拐!?」
そして最も焦りを見せたのは常識人タカミチだった(笑)
「ちょっとナギさん!何したんですか!?」
「何って、別にこの魔道書の通りにやっただけだぞ?」
「じゃあ何で子供が出てくるんですか!………ってそんなこと言ってる場合じゃなかった!
師匠、一体どうすれば!?」
「さて、嬢ちゃん。腹減ったし近くの町に行くか」
「うん、行く」
「じゃあ私は遺跡で手に入れた物を質に出してきますね」
「では私は宿でも手配してきましょうか」
そう良いながら瞬動でタカミチの視界から姿を消す3人+1人
ちなみに+1人はアスナでガトウが担いでいった(笑)
「こ…この危機的状況で逃げた!?」
そして残されたのは実行犯であるナギと被害者(生贄)のタカミチだけだった
「と…とにかくだ、まずは落ち着くんだ。こういうときはまずは深呼吸だな。すぅー」
「おっ、この坊主気がつきそうだぞ。」
「ぶはっ!?」
危機的状況に陥り、何とか自分を落ち着かせようと頑張るタカミチであったが人生はそんなに甘くなかった
「うぅん…………ここは………」
「おう、坊主。気が付いたみたいだな」
「………もしかして俺を召喚したのはあんたか?」
「おっ、そうだぜ。しかしそれを理解しているってことはだ、お前は『聖なる焔の光』であっているのか?」
「それは………あぁ、俺のことで良いと思う。」
「そうかそうか♪おい、タカミチ、聞いてたか?こいつは『聖なる焔の光』で間違いないらしい」
「ははは〜悠久の風が誘拐しちゃったぁ♪もうダメだなぁ〜お終いだなぁ〜はははははは〜」
タカミチは旅立っていた(笑)
「ったく、しょうがないな。目を覚ませっと!」
ナギは魔力を右腕に収束、パンチを放った
「ぶほっ!?」
攻撃はタカミチのきゅうしょにあたった!
タカミチは9999のダメージを受けた
タカミチは気絶した
タカミチのパーティー(タカミチ1人だけ)は全滅した
やり直す ←
終わる
…………………
……………
………
…
「あ…あれ?僕はいつの間に寝たんだろ…………そうか!あれは夢だったんだ!そうに違いな……………」
意識を取り戻したタカミチ
全ては夢だったのだ
そう言い聞かせながら起き上がるタカミチ
しかし、それは逃避に過ぎず、現実は目の前にあった
それは
「俺がこの世界に来たのはかくかくしかじかと言う訳なんだ」
「ほぉ、なるほどなぁ」
召喚しちゃった人(誘拐犯)と召喚されちゃった人(被害者)の仲良く談笑する姿だった 注・タカミチ視点
「おっ、今度こそ気が付いたか、タカミチ。こいつは俺が呼び出した『聖なる焔の光』こと、ルーク・フォン・ファブレだそうだ」
「ルーク・フォン・ファブレだ、よろしく」
「あっ、どうも、高畑・T・タカミチです………………って彼が『聖なる焔の光』なんですか!?」
「あぁ、そういうことらしい。つまり誘拐じゃないみたいだな。」
「本当に本当なんですか!?」
「間違いないと思う。俺の世界ではそう呼ばれてたからな」
「はぁぁぁ、よかったぁ」
本当に安心できたようで、タカミチは糸が切れたように力が抜けてしまっていた
「でもナギさんの魔力をかなり吸収して召喚されたはずなのにちょっと拍子抜けですね」
だが、多少は調子を取り戻したタカミチであった
「あぁ、それは多分かくかくしかじかだからだと思う」
そんなタカミチの疑問に答えたのは召喚された本人であるルークだった
「……………はい?」
しかし、理解できなかった(笑)
「あれ?理解できなかった?ナギはこれであっさり通じたんだけど」
「なんだ、タカミチ。お前はこんなのも理解できないのか?」
そう言いながら肩を組み合うルークとナギ
どうやらタカミチが寝ている間にかなり親睦を深めた様である
「えぇっと…………今ので伝わったんですか?」
「全くしょうがないな。いいか、今ルークが言ったのはだ、
俺の魔力がかなり消耗したのはルークの世界から呼び出すためにルークの体を再構成する必要があったらしい。
そこで俺の魔力を使って体を再構成し、それからルークを召喚した為に、魔力の消費が大きかったそうだ」
「は…はぁ………」
「ちなみにタカミチが起きる前に色々聞いてたんだがルークの出生はかなり特殊でな、
ルークの世界での技術で生み出されており、こっちに来る前は17歳の肉体だったらしい。
ただ生後7年だったから再構成される際に7歳の肉体になったらしい」
「え…えぇっと、とにかくよろしく」
「あぁ、よろしくな」
ちんぷんかんぷんなタカミチだった(笑)
「まぁ詳しくはみんなの前ですれば良いだろう。まずは飯にしようぜ。」
「それもそうですね。」
「よし、じゃあ早速行くとするか。ルークは好き嫌いあるのか?」
「あぁ………安物の肉類と魚類、後はにんじんとキノコがあんまり好きじゃない。一応は食べられるけど」
好き嫌いが多いルークではあるが、長い旅の中で我慢を覚えていた
「まぁそれなら多少は我慢してくれ。じゃあさっさと行くとす…………っとその前に少し運動しないといけないみたいだな」
つい先ほどまで全くといっていいほど静まり返っていた周囲がざわつき始めたことをナギは感じ取っていた
「先ほどの召喚術でモンスターを集めたのかもしれませんね」
それはタカミチも同様で、彼なりに状況を推測していた
「まぁ運動には丁度いいだろう。タカミチはルークの面倒をしっかりと頼むぜ」
軽いストレッチをしながら歩き始めたナギ
もちろん向かう場所はただならぬ殺気を放つモンスターの方向
「じゃあルーク君、ナギさんの近所にいると危ないから離れていよう」
一方タカミチはナギの指示に従いつつルークを引きつれ少し後退する
「さっきナギが自信満々で言ってたことなんだけどさ、自分は最強だって言い切ってたけど本当に大丈夫なのか?」
ルークはタカミチの言葉に従いながらも少しナギの事を心配していた
「う〜ん、まぁ見てれば分かると思うよ」
そんなルークの心配をタカミチは苦笑いしながら答えていた
そして、そうこうしている間に戦闘は始まったのだが
「雷の暴風!」
呪文を唱え、拳に魔力を収縮、それを突き出すようにして放った一撃は
先ほどまで殺気を放っていたモンスターの一角を根こそぎ狩り取るかの様に突き進み
約4割のモンスターを消滅させていた
「まぁあんな感じだから心配しないで良いよ」
「たしかに。しかしあの強さ、俺の世界でも最強を名乗れそうな気がする」
などとルークとタカミチが談笑する中、ナギは殴る蹴るの暴行を繰り返し、モンスターを次々と倒していた
「おいおいタカミチ〜和むのも良いが周囲にも気をつけろよ。後ろから何体か来てるぞ」
縦横無尽に暴れまわるナギではあるが、しっかりと周囲を警戒しているようである
それはさておき、ナギの言ったとおりタカミチたちの背後からモンスターが姿を現す
「ってナギさん!あれはどう見ても悪魔じゃないですか!」
そのモンスターを見たタカミチは驚愕した
通常悪魔のような存在が群れを成してこんなところには出没しないのが普通である
もし悪魔が現れた時、最も考えられること、それは
「あぁ、恐らくこの俺様の溢れる才能を妬む野郎が召喚したものだろうな。
まぁ、その悪魔は低級みたいだし大丈夫だろ」
「はぁ、またですか?最近は特にこう言ったことが多くないですか?」
「まぁあれだな、俺様があまりにカッコ良過ぎたのが原因だろうな」
「うわぁ………自分で言っちゃってるよ」
「これもいつものことかな。まぁ、とにかくだ、ルーク君を守るためにも頑張るかな」
タカミチは全身を気で覆うと、一気に加速、背後に現れた悪魔に向かって突撃した
その際、タカミチは両手をズボンのポケットに入れていた
「はっ!」
そんな状態であるタカミチだったが、悪魔の目の前で止まると、気合を入れ直す様に発した言葉と共に
衝撃が起こり悪魔を吹き飛ばしたのだった
「な…何なんだ、あれは!?」
「あぁ、あれは居合い券って言ってな、ポケットに入れてある拳を高速で出してパンチを繰り出すって技だな。
だがタカミチのはまだまだ未完成でな、射程は短いは威力も通常のパンチより少し上なだけで修行が足りないってところだ」
「こっちの世界は中々面白そうな技が多いな。ってナギの相手してたモンスターは?」
「あんなのはもう片付けたぞ。まぁこの俺様を倒したければ………うーん…俺を倒すのはきっと無理だな♪」
「言い切っちゃったし………でも何となく納得しそうな自分がイヤだな」
「ははは♪まぁあれだ、この天才かつ偉大な俺様が呼び出したんだからな、きっとルークも強くなるぜ」
そう言いながらナギはルークの頭もクシャクシャと撫でる
その行為にルークは少し照れながらも和んでいた
どうやらルークはあっさりこの環境に順応していた
「そこぉぉぉ!和んでないで助けてくださいよ!」
一方、忘れられた存在であるタカミチは、居合い券を駆使し奮闘していたのだが、現在は逃走中だった(笑)
実は、当初タカミチが相手していたのは2・3体だったのだが、ナギの戦闘能力に恐れをなしたモンスターが
タカミチにターゲットを変更し、現在は10倍以上の40体ほどに追いかけられていたのである
しかも、タカミチの居合い券のリーチが短いことに気が付いた悪魔たちは遠距離からの攻撃に専念していた
さらに、居合い券を受け止められるゴーレムまで現れてさぁ大変
まぁ様々な状況が合わさり、タカミチは大ピンチだった
「俺は疲れたから和んでおく。ということで頑張れタカミチ♪」
しかしナギはあっさりと見捨てた(笑)
「えぇーっと………良いのか?」
さすがのルークも困惑気味であった
「そういえばルーク。たしかこっちに来る前に会ってたやつ………何て言ったけっか「ローレライか?」そうそうローレライだ。
そいつから色々な知識を貰ったんだろ?その中にそっちの世界の技とかはないのか?」
「譜術ってのがあるにはあるが俺が使えるかわからないんだよなぁ。それにこっちは音素が無いから発動するかすら微妙だし」
「ふむふむ………この天才が考えるにだ、ルークが使えるかはさておき、音素ってのはもしかすると魔力で代用出来るんじゃないか?」
「うーん………たしかにこの世界に来てから体の作りも変わったみたいだしもしかするといけるかもな」
「よしよし、物は試してみるのが一番だ。ってことで一発ブチかましてやれ♪」
「じゃあまずはどの譜術を使うかだな………そういえばアッシュが使ってた譜術ならいけるかも」
ルークは譜術を選ぶ際、アッシュの中で旅も見ていたときの事を思い出していた
「おし、じゃあいってみるか!」
ルークは気合を入れると共に立ち上がり(今まではナギと座って雑談していた)集中する
「おっ、魔力が集まってきてるな」
その状態をナギが観察していた。どうやら魔力をしっかりと体内に取り込んでいるようである
「……………雷雲よ、我が刃となりて敵を貫け―――」
体内に取り込んだ魔力が譜を唱えることで活性化し、ルークの上空に雷のエネルギーが集結し始め
「サンダーブレード!」
譜が完成したことにより、上空の雷のエネルギーは剣の形状に形作ると、タカミチを追い掛け回す魔物の群れに突き刺さった
さらに追い討ちとして、突き刺さった周囲に稲妻が発生し、敵を足止めする
「さらにもう一発だ……………氷の刃よ、降り注げ―――アイシクルレイン!」
こちらも譜が完成したと共に発動、先ほど足止めしたモンスターの頭上に無数の氷の刃が作り出され、それが一斉に降り注ぐ
サンダーブレードで生き残っていたモンスターも、身動きが取れない状態でのアイシクルレインの直撃によりその大半が消滅していた
そして、この2つの譜術に耐え切ったモンスターに対し、ルークは3つ目の譜術を放とうとしていたのだが
「ダメだぁ………2発で限界かよ………」
肉体が7歳となってしまったルークにはこれ以上の譜術の使用は不可能となっていた
「今のでも十分上出来だと思うぞ?威力も中々ようだしな。このナギ様が保障してやる♪
ということでタカミチ、ルークのアシストを無駄にするなよ!」
「分かっていますよ!うおぉぉぉぉ!」
ルークの譜術を喰らっても生き残っていたモンスターは数体
その中にはタカミチの居合い券を受け止めることの出来るゴーレムがいた
しかし、かなりの損傷を負ったのか、ひび割れが目立っておりそこを攻撃することで破壊に成功していた
「ふぅ、ルーク君、助かったよ。ありがとう」
先ほどまで走り回っていた為に汗をかいていたタカミチは軽く拭いながら一息ついていた
「よし、お礼に今から食う飯はタカミチの奢りで決まりだな♪」
「ちょ…ちょっと待ってくださいよナギさん!?」
「いいや、待たねぇ。見ろ、ルークはタカミチの為にこんなに疲れてるんだぞ」
ナギの視線の先には少し疲れた様子のルークがいた
「俺は大丈夫。譜術を使うのが初めてだったからちょっと疲れただけだ」
ナギ達の視線を感じたルークは心配させないようにしていた
「無理はしないほうがいいよ。僕が町まで連れて行ってあげるからその間に休むと良いよ」
そんなルークを見てタカミチは背中に乗るように促せた
「そこまでしてもらわなくても大丈夫だって」
しかしルークは遠慮気味であった
「子供が遠慮するんじゃねぇよ。とにかく全速力で町に向かうぞ」
そんなルークを見てナギは子供にはついて来られない速度で走り出した
「ま…まずい、置いていかれる!?さぁ、ルーク君、早く乗った乗った」
「う…うん、よろしく」
遠慮していたルークだったが、駆け出したナギの速度についていけない気がして素直にタカミチに任せることにした
「ほらほらタカミチ〜早くしないと置いていくぞ♪」
「ちょっと!?その速度は僕でもキツイですって!」
「ははははは♪」
「ナギって強いしやさしいし、それに面白いな」
「ははは………そこは認めるけど被害を受けるこっちとしてはもう少し自粛して欲しいよ………」
「そこが面白いんだけどな♪」
「(ルーク君、頼むからナギさんやこれから会うメンバーのようにはならないでね)さぁ、速度を上げるから舌を噛まない様にね」
「おう♪」
第2話に続く
あとがき
どうもはじめまして、ズズと申します♪
ここまで読んで頂いているということは最後まで無事に読んで頂いたということですよね?
まずは最後まで読んでいただきありがとうございます。
そして恐らくツッコミどころ満載だったことでしょう!ということでまずはこれを思いついた経緯を(笑)
まず原作(アビス)のEDに登場するのはアッシュがベースの『ルーク・フォン・ファブレ』だそうですね(友人談)
そうなるとレプリカルークはどうなるんじゃい!?と思いましてこの度、異世界に飛ばして誤魔化してしまえ!と考えたわけです。
一応アビス世界の逆行も考えていたのですが、書く為に必要なイベントを見損ねて断念しちゃいました(汗)
それなら別世界と考え、レプリカルークの実年齢を利用できそうなネギまの世界を選んだわけです。
その結果がこれなんですが………何かタカミチが主人公みたいな気がしているのは書いていた私だけでしょうか?
一応、この過去編?は、かなり長く続きそうです。恐らくネギ君登場はかなり先だと思います(汗)
まぁ、ぶっちゃけますとノリと勢い任せな話ですがもしよければお付き合いください
それではまたお会いしましょう♪
感想
えと、新人さんという事で、最初は私が感想をつけさせてもらいます。
管理人の黒い鳩です。
このお話はいいですね!
ルークの方はどうしても性格もオリジナルになるでしょうが、ナギやそのパーティのイメージが良くつかめています。
EDのルークがアッシュベースだというのは定説ですのでレプリカルークが可哀想と思う人は多いです。
かく言う私もそうですしね。
私や椎名さん、神威さんなどもみな一度はそう思って作っているわけです。
でも、今続けているといえるのは神威さんだけですので、結構しんどいです。
ゲーム世界を表現するのが厳しいということもありますし、どうしても同じ話を繰り返すようなことになりがちということもあります。
そういう意味でも、ルークが別の世界に行くというのは期待ですね♪
ナギやそのパーティもせっかくみな楽しいキャラですから活躍を期待したいですね!
今後の展開が楽しみです!
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m
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