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終焉 1 過去
作者:ノア   2012/08/14(火) 12:34公開   ID:L6TukelU0BA


この世界には希に不思議な力を持って生まれる者がいる。
人はそれを魔法とも神の力ともファクトとも呼ぶ。
さらに、その中に不死の魂を持って生まれる者がいる。
その者は身体のどこかに逆十字架のアザを持ち人は、神に見放された者として嫌う。

親にも捨てられ
政府に道具として扱われ
人には虐げられ……

ついに一人が反逆者とかした。
悪魔と手を結び世界を終わらそうとし始めた。


この事態を重く見た世界保安機関は反逆者が日本人だった為、日本に白羽の矢をたてた。

暗躍機関の出来上がり。

政府直属機関で総理大臣の命令は絶対。


















「芭埜瀬(ハヤセ)!!!芭埜瀬!!!」

わずか六歳ほどの少年が身を震わせる。

「こっちに来い!!!私は仕事でイライラしているんだ!!!」

バキッ!!!

「うぇっ…!!!ゲホッ!!!ゲホゲホゲホ!!」

力一杯腹を蹴られる。
嗚咽がはしるがまともにご飯を食べていない芭埜瀬は吐くことも出来ない。
苦い胃液が逆流するだけ。

「神に見放されたガキがいるから私の仕事がうまくいかないんだ!!!」

罵られても頭が働かず何を言っているのか理解に時間がかかる。

グサッ!!!

腹に鋭い痛みがはしる。
真っ赤な血がいっぱいあふれでてくる。
包丁が視界にはいり、チェンソーじゃないことに安堵しながら意識を失った。







「あれが蒼空だ」
「これから、蓬来夏姫(ホウライナツキ)だ」

二人の男がベッドに横たわる少年を見ながら話す。
さまざまな機械に繋がれているガリガリの少年。

「あっさり引き渡してくれる気になったな」
「あれにも足枷が必要だ。拾っていっても苦労するのはお前らのほうだ。それに、モルモットはもう一匹いる」









「はぁっ…!!!はぁっ…!!!はぁっ…!!!」

苦しそうに息をする芭埜瀬。
ケガの手当てなどしてもらえるはずがなく自分で包丁を抜き布切れを傷口にあてているがまるで意味がない。
高熱にうなされるのもいつものこと。
今回は肺を掠めていたらしく息が出来ない。

「芭埜瀬!!!洗い物!!!」

母親の怒鳴り声が聞こえる。
壁にもたれて起き上がりゆっくり進む。
歩く度に血が溢れだし廊下を汚す。

「廊下に血を落とさないで!!!」

雑巾を投げつけられた。

どうせ、死なない…
痛いのを我慢するだけ…

そう割りきりゆっくりと廊下を拭き洗い物をする。

「芭埜瀬…かわいそうに…。おいで、薬を飲ませてあげるわ」

猫なで声が耳にはいる。
雑巾を投げつけてきたときとはうってかわって優しい表情を浮かべる。
なにをされるかわかっているが行かなくては前の様に内臓を引きずり出されるかもしれない。

「飲みなさい」

ゴクゴク…。

「ひゅっ…!!!ーーー!?」

息が出来ない。
喉が焼ける。

「あははは!!!まぬけ!!!」

再び意識を失った。

「楽しいわね、アンモニアを飲ますのって…」






「ーー……」
「気がついたか?」

暖かい…。

暖かな手が夏姫の頭を撫でていた。

「だ…れ…」

かすれる声をふりしぼってきいてみた。

男はにっこり微笑んだ。

「夏姫のお父さん」
「へぇー…」

暖かい気持ちになりながらまた眼を閉じた。

お父さんってなんだっけ…

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