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終焉 2 現在
作者:ノア   2012/08/14(火) 20:49公開   ID:L6TukelU0BA


ちゅん、ちゅん…


「っ……」

鳥の鳴き声と眩しいほどの朝陽で目が覚めた。
ソファーの上で寝返りをうつ。

「眠……」

ソファーから立ち上がるもフラフラしている。
高校生が住むにはあまりにも豪華で広すぎる高級マンション。
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して錠剤を数錠飲み込んだ。
寝室に入るとシャツを脱ぎワイシャツを手に取った。
芭埜瀬の右肩と腹部には痛々しい傷痕が残っている。
かつて親にチェンソーで切り落とされた時の傷痕……。






「夏姫ー?起きないとご飯なくなるわよー?」
「っ…!!!」

急いで降りていった。
日本屈指の財閥、蓬来家。
もちろん家事態が広くて屋敷か豪邸のほうがふさわしい。
今日はフレンチトーストとサラダとスープ。

「俺のスープとサラダしかないんだけど!」
「夏兄がいつまでも寝てるからでしょ?」

一つ下の妹海(ウミ)が口を開いた。

「だいたい、お前らが人のもんまで食べなきゃいいだろ!?」
「うるさいなー、朝からギャーギャー言わないでよ」
「このっ…まな板!!!」
「な、失礼ね!!!女の子に対して何てこと言うのよ!!!」
「ほらほら、出来たからケンカしないの」

夏姫の養母奈緒(ナオ)が口を挟みケンカは終了。

「夏姫」
「なに、父さん」

養父義信(ヨシノブ)が問いかける。
夏姫は赤ピンクの髪の毛をかいた。

「芭埜瀬の奴、飯食ってんのか?この前見たときフラフラしてたぞ」
「食ってないよ、あいつは裕亜(ユウア)ちゃんがいないと食べないから」
「マジであいつ、栄養失調でぶっ倒れるな…」









今日はやけに体調が悪い。
瞼が重い。

「おはよ。お前、フラフラしてっぞ」
「ん、わかってる…」

芭埜瀬の一番の理解者でもある晴香(ハルカ)。
金の髪が風でさらさらと流れている。
虐待のせいでいまだにまともにご飯を食べられないでいる。
そもそも右腕を肩から切り落とし腹にチェンソーを突き刺すなど虐待の域をこえている。

「芭埜瀬、おはよ」
「なんだよ、ピンク」

下駄箱で夏姫が近寄ってきた。

「…倒れる前になんか食えよ」
「まだ平気だけど、危なくなったら俺が無理やり食わすよ」

夏姫の言葉に晴香が返す。

「みんな、集まってなにやってんの?」

陸人(リクト)が声をかけてきた。
チャラい。
ふわふわでくせのある金よりの茶色の髪の毛。
前髪をポンパにしている。

「学校終わりに空海(クウカイ)が寄ってくれっていってたぞ」
「また、仕事?芭埜瀬フラフラなのに?」
「そんなの言い訳になんないから」

心配する晴香に陸人が返す。
芭埜瀬は保健室に行ってしまった。







「朝イチでこもらないで」
「うっさい、なんか飲みもんちょうだい」

保険医の優香子(ユカコ)がスポーツドリンクを渡す。
それを受けとると錠剤を一気に口に放り込んだ。

「ちょっと!その安定剤はキツいからやめろっていったでしょ!?」
「ゆかちゃんがくれたの効かない」

そのまま眠り込み1日を保健室で過ごした。












「芭埜瀬ー、帰るぞー」

夏姫と陸人がきた。
晴香は一般人の為三人の仕事には関われない。

「っ…!!!」
「吐きそう?」

優香子が優しく背中をさする。

「1日寝てたのにどうして体調が悪化するかなー…」

夏姫がつぶやく。

「芭埜瀬さん、また体調悪いんですか?」

黒髪の男が入ってきた。
芭埜瀬達より一つ下。

「悪いかよ…」
「悪くはないですけど」

澪(レイ)の問いに芭埜瀬が答えた。
それだけで吐きそうになる。

「ゆかちゃん、平気」

立ち上がりスポーツドリンクを飲みほした。
学校を後にする四人。


「見ぃーつーけたー♪夏姫だ、夏姫だ」
「秋茄(アキナ)、芭埜瀬もいるよ?見えてる?」
「見えてるよ、來(ライ)。だけど、芭埜瀬体調悪そうだから平気だと思うなー」
「そろそろ行く?」
「うん♪ボコボコにしてやろーっと……」

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■作者からのメッセージ
芭埜瀬が病弱キャラに……。
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