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紅魔館淫伝
執事の吸血鬼と悪魔の従者
(東方project×オリジナル)
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 少年は吸血鬼であった。

正確には、吸血鬼の血を4分の1ほど受け継いでいた。

しかし、村からは忌み嫌われ、『化け物』と呼ばれていた。

そんな彼は、目の前の女性と出会う。

???「こんにちは」

少年「アナタは?」

紫「私は八雲紫。 アナタに興味がわいたわ」



―執事の吸血鬼と悪魔の従者―


 少年は紫から、ある事を聞かされた。

人々から忘れられたモノが流れ着く世界『幻想郷』。

そこなら、彼の生きる世界が見つかるかもしれないと。

紫「どう、行ってみる?」

???「………」

一度は沈黙したが、少年はこう言ったのだった。

???「ここにいるよりは、まだマシかも知れない」

それを聞いた紫は、優しい笑みを見せた。

紫「それは良かったわ。 ところで、アナタの名前は?」

その問いに、少年は答えた。

燐牙「燐牙……三日月燐牙」

紫「それでは、一名様ごあんなぁ〜い♪」


 燐牙が紫のスキマで連れて来られたのは、全体が紅い大きな屋敷であった。

燐牙「紫さん、これは?」

紫「吸血鬼の館『紅魔館』よ」

燐牙「はぁ……」

すると、一人の女性が現れた。

???「そこまでですよ」

紅い髪に中国服を纏った女性。

紅魔館の門番を務める『紅《ホン》美鈴《メイリン》』である。

紫「丁度良かったわ、レミリアに伝えて。 良い働き手を連れて来たって」

燐牙「は?」

それを聞いた燐牙は唖然とし、美鈴もキョトンとする。

美鈴「働き手ですか?」

紫「前に話してたらしいじゃない。 執事を雇いたいとか」

美鈴「そう言えば、そんな事言ってましたね。 分かりました、お嬢様に伝えてきます」

そう言って美鈴は、主の元へと向かったのだった。

そんな中、燐牙は紫にこう言った。

燐牙「紫さん、さっきの会話はどういう……」

紫「あ、アレね? アナタを幻想郷に連れて行きたかったのは事実よ。 だけど、働き先や拠点が必要でしょ?」

燐牙「じゃあ執事の話は?」

紫「ここの主がね、使用人を欲しがってたから」

燐牙「………参考になりました」

すると、美鈴がようやく戻って来た。

美鈴「お嬢様の許可が下りました。 中へどうぞ」

こうして二人は、紅魔館へと入ったのだった。


 中へ入ると、館内はとても広い空間になっていた。

すると、一人の少女が現れた。

ピンクのドレスに背中の翼が特徴の少女。

この屋敷の主『レミリア・スカーレッド』である。

レミリア「御機嫌よう。 ところで、その子がアナタの言っていた?」

燐牙「三日月燐牙です」

レミリア「レミリア・スカーレットよ。 さて、話でもしましょうか」

紫から燐牙を執事にしないかという話を聞くと、レミリアは不敵な笑みを見せた。

レミリア「そうね。 執事が欲しいと言ったのは事実だし、だけど条件があるわ」

燐牙「条件?」

首を傾げる燐牙であったが、レミリアがこう言ったのである。

レミリア「アナタの能力を、教えてもらう事よ」

それを聞いた燐牙は、キョトンとした顔となった。

燐牙「そんなんで良いですか?」

レミリア「勿論よ」

すると燐牙は、紫にこう尋ねた。

燐牙「紫さん、刀はあります?」

紫「勿論」

スキマから日本刀を取り出すと、そのまま燐牙は受け取る。

燐牙「んじゃ、いきますよ」

その場に合った椅子を蹴り上げると、燐牙はそのまま刀を抜いた。

それと同時に、椅子はバラバラに解体された。

これにはレミリアと紫が驚く。

抜刀術……鞘走りを利用する事で、凄まじい速さの剣を放つ事が出来る技術。

幻想郷風にいうならば、燐牙の能力は『抜刀術を操る程度の能力』と呼ぶべきであろう。

レミリア「合格よ。 アナタをウチの執事に歓迎するわ」

それを見たレミリアは、不敵な笑みを見せたのだった。



 燐牙の仕事ぶりはかなりのものであった。

洗濯や家事、料理も中々のもので、

咲夜「中々やるわね」

メイド長の『十六夜咲夜』も感心を示した。

燐牙「咲夜さん、これは何処に置けば?」

咲夜「それは隣の部屋に……」

その光景を眺めていたレミリアと妹の『フランドール』、そして同居人の『パチェリー・ノーレッジ』の3人は、

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