スーパーロボット大戦α 〜Future Story〜


第三話「ナデシコC」


思わぬトラブルに巻き込まれたシンとタカヤだが、何とかナデシコにつくことが出来た。

そして現在ナデシコは「佐世保」のドックに向かって進行中である。

2人は機体から降りて、タカヤは格納庫を見渡した。

「広いなあ〜、さすがナデシコ、設備もよさそうだ」

そうしてキョロキョロしていると、向かいのホワイトサレナから

アキトが降りてきた。

「二人とも、珍しいのもわかるが、まずはブリッジに行こうか。」

「あの、テンカワ大佐。」

「何かな、シン君??」

「俺達の機体、あのままにしておいていいのかなって。」

シンの指差す方向には収納スペースにひざまずいた「ファントム」そして真ん中のスペースに仰向けになっている「グラディエーター」の姿があった。

「あれは・・・まあ整備士に任せれば大丈夫だよ。そうでなければPTなんて動けなくなってしまうしね、かなり場所をとってるけど。」

シンの「ファントム」は相転移エンジンが小型化されたといってもやはり場所をとってしまい、

通常のアルストロメリアの二倍、十二mの大きさなのである。

ましてやタカヤの乗っている機体はPT。小型化したといっても、三十メートルである。

「と言うことは、これからは俺が一番早く出撃するってことですか。」

「ああ、そうしないと戦闘が始まったら・・・」


想像中

「全機、出撃。」

「「了解。」」

「よーし、先にファントムいくぜ・・・ってタカヤ!早くどけ!!」

「ま、待ってくれ。まだ起動が終わってないんだ。」

「遅いぞ、何をしてるんだ。」

「よし、グラディエーター、いきま」

「敵に囲まれ、一斉射撃を受けています。」

「「「ちょ、ちょっとまって〜〜」」」

ナデシコ撃沈・・・



「「・・・・・(汗)」」

「そういう訳で、たのんだよ。」

「「了解です。テンカワ大佐。」」

ビシっと敬礼する二人。

「う〜ん、確かに俺も軍人だが、ここはナデシコだからアキトって言ってくれ。」

いきなりの発言にシンは驚いていた。

「いいんですか、そんなことで?」

「いいよ、かえってやりづらいしね。」

「「わかりました、アキトさん。」」

アキトはそんな二人に微笑みながら

「そうそう、香織さんもブリッジで待ってるよ。」

などと言ったのだが、二人の反応は

「「げっ!!」」

というものだった。

「ど、どうしたんだい?」

おそるおそる尋ねるとシンが泣きながら、

「機体に無理させたことがばれたら・・・(泣)」

タカヤは十字をきりながら

「骨の1、2本は覚悟するか・・・(大泣)」

と、この世の終わりのような顔をしていた。  こんな感じ→_| ̄|○

そんな彼等にアキトは最高の笑みで優しく肩をたたき、

「がんばれよ。」

と微笑んだ。

「「は〜〜い(滝涙)」」



数分後、ブリッジ前

「さあ入ろうか・・・って、こりゃダメだな。」

二人はすでに言い訳の方で頭がいっぱいのようだ。

プシュー

「みんな、例の二人を連れてきたよ。」

そういって中に入ると、三人の女性と三人の男性がいた。

「紹介するよ、まずこのナデシコC艦長のテンカワルリ中佐だ。」

すると銀髪ツーテールの女性が敬礼をする。

「はじめまして、ナデシコC艦長のテンカワルリです。」

「次にオペレーターの二人を紹介するよ、まずこの子はテンカワ・ラピス・ラズリ中尉。」

「はじめまして。」と薄桃色の髪の少女が答えた。

「あの、アキトさん。」

「なんだいシン君?」

「なぜ二人とも「テンカワ」なんですか??」

と尋ねた。

「二人は親がいない身でね、俺が娘としてひきとったんだ。」

「そうですか、じゃあもう一ついいですか?」

「なんだい?」

シンはそこにいる少年を見て、

「アキトさんには弟さんがいたんですか?」

と尋ねた。

その少年はアキトと同じボサボサ髪、顔立ちも背格好もアキト似、違うとすれば瞳の色ぐらいで、並べば兄弟と間違われそうだった。

するとルリとラピスはクスクスと笑い始めて、

「やっぱりそう思いますよね。」

「アキトとハーリーはそっくりだもんね。」

といっている。

誰?とシンが思っているとさっきの少年が

「はじめまして、僕の名前はマキビハリです。階級は中尉、みんなからはハーリーと呼ばれています。

 ちなみに僕はアキトさんの弟ではありませんので。」

ハーリーは丁寧に答えた。

「では私の番ですな。はじめまして、私ネルガルのプロスペクターと申します。」

そういい、眼鏡にチョビ髭の中年男性が、名詞を渡してきた。

「プロスペクター?」

「本名・・・な訳ないか。」

「ええ、ペンネームみたいなものですので、これからよろしくお願いします。」

シンは思っている疑問をぶつけてみた。

「でも軍属でもないのに何故??」

「まあそれは追々お話しますので。」

「次は俺だな。連合軍ナデシコC所属タカスギサブロウタ、階級は少佐。ハイパーエステバリスのパイロットだ。」

金髪に赤のメッシュの長身の男が自己紹介をした。

「俺はタカスギリョーコだ、サブと同じパイロットでエステカスタムUに乗っている。階級は大尉、これからよろしくな。」

髪を肩でそろえている活発そうな女性だ。

「あとリョーコは俺の妻だからな、手えだすなよ。」

「ば、馬鹿、余計な事言うんじゃねえ!!」

二人の仲の良さにシンとタカヤはクスっと笑い、

「「お似合いですよ〜、お二人さ〜ん」」

と冷やかした。

リョーコは顔を真っ赤にし、俯いてしまう。

「さて、これで大体のメンバーを紹介したが、あと一人・・・」

アキトは「はあ。」とため息をついていると

プシュー

後ろのドアが開き、長髪の女性が入ってきた。

「はあはあ、間に合った〜。君達が新人さんだね、はじめまして。私はナデシコC提督テンカワユリカといいます、これからよろしくね。」


「ブイッ!!」


「「ブイ〜〜(汗)」」

その光景に二人のイメージが崩れていった。

「ま、まさかミスマル大将の一人娘が・・・」

「もっとすごいのを想像していたんだが・・・」

アキトは額のしわを指でほぐしながらユリカに注意した。

「ユリカ、もっとシャンとしろよ。」

「いいの、この二人も今日からナデシコクルーなんだし。」

そんなユリカにルリは呆れながら、忠告する。

「お二人とも、大尉たちが困ってますよ。」

「あ、ごめんね。じゃあ、二人とも自己紹介をお願い。」

ユリカは二人を促す。

「はい。川島真、階級は大尉です。「ファントム」のパイロット、年は二十です。」

「森成隆也です、階級は同じく大尉。「グラディエーター」のパイロット、年も同じ二十です。」

ビシっと敬礼した。

「そんなに堅くしないでいいよ。あと、私のことはユリリンって言ってね。」

「「ユ、ユリリン〜〜!!(驚)」」

ポカっとアキトがユリカの頭をはたいた。

「お前なあ、仮にも少将なんだから自制しろよ。」

「だって〜、アキトは言ってくれないし、ルリちゃんもラピスも・・・」

ユリカが二人に視線を向けると、二人は気まずそうに目をそらした。

「ふえ〜ん、いいもんいいもんハーリー君に言ってもらうもん。」

と、ユリカは涙目になりながらハーリーの背中に抱きつく。

「ちょ、ユリカさん(真っ赤)」

ハーリーは顔を真っ赤にし、ユリカに抵抗した。

しかしユリカはますます強く抱きしめていく。

ナデシコを知ってる人ならユリカのスタイルは知っているはず。

おそらくハーリーの顔が赤いのは恥ずかしさだけではないだろう。

彼もすでに十八なのだから・・・

「ハーリー君〜、みんなユリリンっていってくれないの。ハーリー君は言ってくれるよね(泣)」

ギュウ〜

「あ、あの、ユリカさん。む、胸が・・・」

ハーリーはおそるおそる言ってみたが、

「え、もう・・・ハーリー君のエッチ♪」

そんなユリカの言葉にハーリーは体を震わす。

「・・・も、もういい加減にしてください。僕もう一八なんですよ!!」

「(相変わらずからからわれてるな。)」

「(ユリカさん、お年を考えてください。ハーリー君も災難ですね。)」

ラピスも呆れ顔だ。

アキト・ルリ・ラピスはため息をつく。

「む〜何、そのため息は?」

「まあまあ、みなさん。シンさんとタカヤさんがあきれてますよ。」

「なんというか、なあタカヤ。」

「ここは本当に戦艦なのかと、疑問に思う今日このごろ。」

と、顔をあわせ首をかしげていると、

プシュー

ドアが開き、香織がはいって来た。

「シン、タカヤ、二人とも無事だったのね。」

と香織は笑顔で言ってきた。

それをみたシンとタカヤは

「(おい、香織のやつ機嫌がいいっぽいぞ。)」

「(助かった、俺まだ遺書書いてなかったんだよ。)」

と内緒話をしていた。

「ああ、俺達はアキトさんが来てくれたおかげでな。」

「でも機体にはちょっち無理させちまってさ〜。」

「へ〜、どんな風に??(にっこり)」

香織は笑顔で、いやよく見ると目が笑ってないような・・・

そのまま気づかず二人は、

「エンジンが悪くなっちまってよ、閃走・連牙斬をつかったせいでさ。」

「俺も、ライトニングブラスターをつかっちまってよ。」

「そう、そんなに無理をね。」

あ、背後に黒いもやのようなものが。

「「そーいうわけで、整備よろしく!!」」

「整備よろしく!!っじゃないでしょう、この馬鹿達がー!!!!私の仕事も増やして。これはお仕置きね、あと「調教」も・・・」

「ふふふ」 怪しく笑いながらにじりよる香織。

「まて、こっちは命がかかってたんだぞ!!(汗)」

「つーか、なんか変なの聞こえたぞ!!なんだよ「調教」って・・・(滝汗)」

「ふふふふ。」

二人の襟をつかみ、ひきずりながらブリッジを後にした。

アキトたちが呆然としていると、


うわああああーーーー    ぎゃあああああーーーー



二人の男の悲鳴が聞こえてきた・・・哀れ。


『まもなく佐世保ドックです。』

ナデシコのAI「オモイカネ」が連絡してきた。



次回予告

新たな出会いを果たしたシンとタカヤ
ナデシコは次の戦いに向け、補給を開始する
しかし、獣たちは待ってはくれない
敵は水中からも来ていた。慣れぬ水中の戦い、タカヤは単身水中に潜るが・・・
そこで、タカヤとグラディエーターに絶体絶命の危機が迫る。
しかしそんな状況の中、一人動く香織の姿が・・・


スーパーロボット大戦α 〜Future Story〜


第四話「佐世保の攻防  立ち上がれ、悪を絶つ剣よ!!」

タカヤ「確かに受け取ったぜ、シン!!」











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