最後はお約束で

『ロボ寝取られED』

 終章

 地球に向け直ちに打電された、誰もが予期し得なかったこの和解という結末は驚愕と歓喜で迎えられた。
 艦隊はその任を果たし帰還した。人類の前途、その限りない可能性と希望を携えて。

 未帰還機、1。

 復興、宇宙の再開発は爆発的に進捗している。
 艦隊が引き連れて来た、アレフの団体さんのような連中が嬉々としてその先頭に立ち、強力に牽引している。
 火星移住どころか太陽系近隣の恒星系に向けた入植すら、近い将来に開始されることだろう。
 そうしたかつて夢想だに出来なかった深宇宙、遠宇宙に対しての視線が向けられる一方、当然、足元固めとしての太陽系内、殊に地球近傍空間利用、再建は最優先事項だった。
 その日も再建計画の一環、宇宙開発公社に所属する作業船の一隻が、放棄された島の解体準備業務に従事していた。
 男はそれに便乗し、ここに来た。
 公社の職員達と手短に言葉を交わし、別れ、男は歩き始める。
 その廃墟、政府の行政中枢を担っていた島は、計画的、早期に放棄され機能を停止していたが為か、襲撃を免れほぼ往事の原型を留めたまま其処に在った。
 解体処分を明日に控え、新たに建造されるそれは以前の10倍以上の規模を持つと聞いている。
 内部もそれほど荒れていない。
 廃墟の中、男はゆっくりと歩み続ける。
 全く盛り上がらなかった、あの初デートの順路に沿って。
 そして、展望窓に着いた。
 広がる星空は、それだけは今も寸分も変わらない。
 凱旋パレードで拍手に包まれ、満面の笑顔で歓呼に応えていたその彼女は、確かに良く似ていた。
 カミングス秘書官が辛うじて図ってくれた便宜、渡された封書。極秘、のスタンプでべたべたになった一枚のペーパーには一言、特別任務の一文があった。
 行ってしまったんだね。
 男はそっと口にした。
 一度でいい、再びここに立ちたかった。
 儀式は終わった。
 背を向け、静かに立ち去る。


『筆者は彼でしたED』

 終章

 復興、宇宙の再開発は爆発的に進捗している。
 艦隊が引き連れて来た、アレフの団体さんのような連中が嬉々としてその先頭に立ち、強力に牽引している。
 火星移住どころか太陽系近隣の恒星系に向けた入植すら、近い将来に開始されることだろう。
 そうしたかつて夢想だに出来なかった深宇宙、遠宇宙に対しての視線が向けられる一方、当然、足元固めとしての太陽系内、殊に地球近傍空間利用、再建は最優先事項だった。
 その日も再建計画の一環、宇宙開発公社に所属する作業船の一隻が、放棄された島の解体準備業務に従事していた。
 男はそれに便乗し、ここに来た。
 公社の職員達と手短に言葉を交わし、別れ、男は歩き始める。
 その廃墟、政府の行政中枢を担っていた島は、計画的、早期に放棄され機能を停止していたが為か、襲撃を免れほぼ往事の原型を留めたまま其処に在った。
 解体処分を明日に控え、新たに建造されるそれは以前の10倍以上の規模を持つと聞いている。
 内部もそれほど荒れていない。
 廃墟の中、男はゆっくりと歩み続ける。
 全く盛り上がらなかった、あの初デートの順路に沿って。
 そして、展望窓に着いた。
 広がる星空は、それだけは今も寸分も変わらない。
 凱旋パレードで拍手に包まれ、満面の笑顔で歓呼に応えていたその彼女は、確かに良く似ていた。
 カミングス秘書官が辛うじて図ってくれた便宜、渡された封書。極秘、のスタンプでべたべたになった一枚のペーパーには一言、特別任務の一文があった。
 行ってしまったんだね。
 男はそっと口にした。
 一度でいい、再びここに立ちたかった。
 儀式は終わった。
 背を向け、静かに立ち去る。

〜こうして、我々は現在、メタル達、『法務院』との盟約の許、繁栄を謳歌し現在に至っている。その経緯については、既に多くの良書が語る処であり、本稿では触れにずにおこうと思う。
 ミキ・カズサ氏とアレフの行方については未だ詳しい事情は私にも判らない。当時も、そして現在もまた、私はそれを知り得る立場には無かったからだ。しかし今も弛まず、我々の為にこの世界の何処かで尽力されている事と思う。その献身には最大限の賛辞を捧げて止まない。
 カズサ氏と深い関係にあった小倉氏にこの場を借りて謝罪しておきたい。前述通り、私はそれを知らなかった。お伝え出来る内容は、当時も今もこれが唯一となるのだ。

 ミキ・カズサ氏の側にあった私が、今日まで口を噤んで来たのは、こうした行為に不慣れな性でもあるが、何より、この、「鉄血戦争」に関わった者の一人として、自身の中で整理がついていなかった、その事が一番大きな理由となる。
 私達の目の前で余りにも多くの人間が、実にあっけなく死んでいった。私とカズサ氏は、日々それを目撃していた。いや、結局は私は、氏を見詰める傍観者でしかなかった。カズサ氏だけがそれを背負っていた。そしてそのまま、旅立って行ってしまった。
 あれから随分と時間が経ってしまい、既に優れた類書も多い中、このような物を出しても蛇足の誹りを免れ得ないとは思う。しかし氏の側に在った者としての、これは責務では無いかともまた考え、また多くの奨めを得て今日を迎え、この様な形となった。意想外にも時間の経過により、各種情報の機密解除が進み多くの一次資料を掲載する事が可能ともなった。また、資料提供並びに取材に快く応じてくれた方々にも深く感謝申し上げたい。
 本作が、現在の繁栄の礎となった「鉄血戦争」という災禍、そしてその中にあって最善を尽くされた多くの方々への理解への一助となれれば、筆者として幸いに存じる。

ウォルター・カミングス


『もう孕ませてるよED』


 終章

 復興、宇宙の再開発は爆発的に進捗している。
 艦隊が引き連れて来た、アレフの団体さんのような連中が嬉々としてその先頭に立ち、強力に牽引している。
 火星移住どころか太陽系近隣の恒星系に向けた入植すら、近い将来に開始されることだろう。
 そうしたかつて夢想だに出来なかった深宇宙、遠宇宙に対しての視線が向けられる一方、当然、足元固めとしての太陽系内、殊に地球近傍空間利用、再建は最優先事項だった。
 その日も再建計画の一環、宇宙開発公社に所属する作業船の一隻が、放棄された島の解体準備業務に従事していた。
 男はそれに便乗し、ここに来た。
 公社の職員達と手短に言葉を交わし、別れ、男は歩き始める。
 その廃墟、政府の行政中枢を担っていた島は、計画的、早期に放棄され機能を停止していたが為か、襲撃を免れほぼ往事の原型を留めたまま其処に在った。
 解体処分を明日に控え、新たに建造されるそれは以前の10倍以上の規模を持つと聞いている。
 内部もそれほど荒れていない。
 廃墟の中、男はゆっくりと歩み続ける。
 全く盛り上がらなかった、あの初デートの順路に沿って。
 そして、展望窓に着いた。
 広がる星空は、それだけは今も寸分も変わらない。
 凱旋パレードで拍手に包まれ、満面の笑顔で歓呼に応えていたその彼女は、確かに良く似ていた。
 カミングス秘書官が辛うじて図ってくれた便宜、渡された封書。極秘、のスタンプでべたべたになった一枚のペーパーには一言、特別任務の一文があった。
 行ってしまったんだね。
 男はそっと口にした。
 一度でいい、再びここに立ちたかった。
 儀式は終わった。
 背を向け、静かに立ち去る。

〜こうして、我々は現在、メタル達、『法務院』との盟約の許、繁栄を謳歌し現在に至っている。その経緯については、既に多くの良書が語る処であり、本稿では触れにずにおこうと思う。
 ミキ・カズサ氏とアレフの行方については未だ詳しい事情は私にも判らない。当時も、そして現在もまた、私はそれを知り得る立場には無かったからだ。しかし今も弛まず、我々の為にこの世界の何処かで尽力されている事と思う。その献身には最大限の賛辞を捧げて止まない。
 カズサ氏と深い関係にあった小倉氏にこの場を借りて謝罪しておきたい。前述通り、私はそれを知らなかった。お伝え出来る内容は、当時も今もこれが唯一となるのだ。

 ミキ・カズサ氏の側にあった私が、今日まで口を噤んで来たのは、こうした行為に不慣れな性でもあるが、何より、この、「鉄血戦争」に関わった者の一人として、自身の中で整理がついていなかった、その事が一番大きな理由となる。
 私達の目の前で余りにも多くの人間が、実にあっけなく死んでいった。私とカズサ氏は、日々それを目撃していた。いや、結局は私は、氏を見詰める傍観者でしかなかった。カズサ氏だけがそれを背負っていた。そしてそのまま、旅立って行ってしまった。
 あれから随分と時間が経ってしまい、既に優れた類書も多い中、このような物を出しても蛇足の誹りを免れ得ないとは思う。しかし氏の側に在った者としての、これは責務では無いかともまた考え、また多くの奨めを得て今日を迎え、この様な形となった。意想外にも時間の経過により、各種情報の機密解除が進み多くの一次資料を掲載する事が可能ともなった。また、資料提供並びに取材に快く応じてくれた方々にも深く感謝申し上げたい。
 本作が、現在の繁栄の礎となった「鉄血戦争」という災禍、そしてその中にあって最善を尽くされた多くの方々への理解への一助となれれば、筆者として幸いに存じる。

ウォルター・カミングス


「だってさ。めでたしめでたし、と」
 直正が閉じようとするビューワをミキが手を伸ばして、止める。
「何コレ。供養でもしてくれてたの」
「ちょっとかっこいいだろ」
「ほんとは泣きべそかいてたんでしょ」
 な!。顔を赤らめて直正はミキを見上げ。
 そのまま軽くキス。一回、二回。
「で、“旦那”さんは」
 さあ、とミキは天井を見上げて、軽くため息。
「ちょっとそこまで、って言っても。銀河の果てなのか何処なのか」
 ほら感覚がわたしらとは、ねえ、と肩を竦める。
 そして、もうだいぶ目立って来た中に居る我が子を愛おしげに撫であげた。
 二卵性双生児。
 この子達に何と伝えるのか。二人で何度も相談したが結論は出ていない。
 それでも、直正は約した。
 ミキは彼の言葉を信じている。
 


オマケ ベルティーニ(旧姓・ベイルスコーニー)さん生存ルート

 平常を維持演出すべく、ミキ・カズサの代役が立てられ、大衆の前でその役目を果たした。人類勝利の象徴たる存在である『スターセイバー』についても寸分違わぬ代替品が用意され、凱旋式典で一度だけそれを観衆に展示した以降は、軍機としてその存在は永久に封印された。
 当然、数々の祝賀の席も持たれた。中でも大々的に行われたのは遠征艦隊の指揮を統括した総司令官、オットー・ベイルスコーニー大将の功績に対しての叙勲式典であった。
それは彼を、永らく空位であった名誉称号、元帥へと昇進させる一大イベントであった。果てる事なき万雷の歓呼に包まれる中、珍しく彼は素直に頬を赤らめ、この栄誉に最大限の感謝を、しかし簡潔に述べた。
「皆さん、これはここにお集まりになられたお一人、一人、その総ての結果、栄誉であり名誉なのです。……有り難う、有り難う……」
 拍手は一向に鳴り止む気配が無かった。



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