とある魔術の未元物質
人気第一位 垣根帝督の闘争


―――怪物と闘う者は、その過程で自らも怪物にならないよう、気をつけなければならない。長い間深淵をのぞきこむとき、その深淵もじっとこちらを見つめているのだ。
もしも怪物を倒すために自身もまた怪物になったとしたら、後に残るのは怪物が一匹。怪物になった貴方は前の怪物と同じように人を喰らい人を虐げ人を苦しめるだろう。それでは意味がないのだ。もしも怪物を根絶したくば人間が怪物を殺すしかない。人間の手で怪物を殺さない限り決して『怪物』は死なないのだ。









 どうやら、らしくもなく転寝というやつをしていたらしい。意識をハッキリさせると、垣根は伸びをしてからソファから立ち上がった。
 鼻孔を擽る血と硝煙の臭い。部屋全体が暗いのはカーテンが閉じきっていることだけが理由ではないだろう。
 しかし、中々どうして自分の家以上に慣れ親しんだ部屋ながら汚いものだ。そこら中には紙屑が散らばっており、ゴミ箱にはコンビニで購入した弁当などがこれでもかというくらいに圧縮されて放り込まれている。
 多少の汚さは何ともないが、これは汚すぎるだろう。
 垣根は自分がリーダーを務める『スクール』のアジトを見回し、今度下っ端共に清掃でもさせようと決意した。垣根は特別綺麗好きという訳でもないが、弾薬やら押収した薬やらが散らばっているのは精神衛生上宜しくない。
 そこで垣根は自分が腹を空かせていることに気付く。学園都市第二位のLEVEL5にして暗部組織の一つを率いるボスといっても垣根は人間。腹が減れば力がなくなるし、食わないでいればいずれ死ぬ。これはプロの暗殺者から大国の国家元首までに等しく通じる理屈だ。
 垣根はアジトで呑気にファッション雑誌らしきものを見ている部下に声を掛ける。

「おい、心理定規(メジャーハート)。なんか食うもんねえか?」

 心理定規と呼ばれた露出度の赤いドレスを着た少女は、億劫そうに視線をファッション雑誌から外す。顔には不機嫌の色が浮かんでいた。読書の邪魔をされたのが気に入らなかったのだろう。

「そんなのないわよ。買いだめしたカップヌードルも昨日全部食べてたじゃない。あのゴーグルと狙撃手と一緒に」

「マジかよ。いいか、おい。そこは気を利かせて新しいものを買っておくってのが良い女の条件なんだぜ心理定規」

「あらそう。私の考え方とは違うわね。私にとって良い女の三大条件ってルックス・心理戦・天運だから。このうち二つを満たした私は十二分に良い女だわ。最高のね」

「自己評価が高くて結構だ……たっく面倒臭ぇな。下っ端にでも買いに行かせるか」

 料理を作らせる、という選択肢はなかった。男に手料理を作れと命令するなんて気色悪いし、下手な奴に命じたら毒でも入れられかねない。
 第一、暗部組織にそんな仲間染みた馴れ合いは不要というのが垣根の持論だった。『スクール』に必要なのは仲の良いお友達でも、愛を育むガールフレンドでも、やたらと鳴れ慣らしい仲間でもない。垣根帝督の思うように動く忠実な手足だ。
 例外として心理定規は単純な手足というには憚れるようなポジションにいるが、それはそれで良いとも思っている。心理定規も学園都市第二位を裏切り敵に回すほど愚かな女ではないだろう。仮に裏切れば、その時は暗部らしいやり方で罰を与えるだけだ。

「そんな子供のおつかいを命じられる下っ端が可哀想ね。飛べるんだから自分で行けばいいじゃない。貴方なら三分かからないでしょ」

「おいおいアホかよ。昼間……って今は夜中の8時か。夜中とはいえ一通りは多いし街灯があるから明るい。そんな街中を呑気に白い羽出して飛んでみろ。明日には学園都市に謎の未確認生命体現るなんて都市伝説が出来っちまうかもしれねえじゃねえか。下らねえ面倒後は願い下げだよ」

 未確認生命体以前にもし本当に垣根が白翼を出して飛んでいけば、警備員や風紀委員が出張ってきて大騒ぎになるのは必然だ。それだけ垣根帝督の能力は派手な上に目立つ。そして社会の裏に潜む暗部の人間としては目立つのはさけたいところだった。
 自分の情報が相手に知れて良いことなんて何一つとしてない。
 
(あ〜あ、面倒臭ぇなあホント。どうして飯食わねえと死ぬようになってんだよ、人間のメカニズムってやつは)

 人間の構造そのものに文句を言いながら、垣根は自分の財布が入っている引き出しを開ける。
 年がら年中こんな薄暗がりにいるのも面白くない。偶には自分の足で買い物に行くのも気分転換にはなるだろう。
 
「そういや心理定規」

「なによ今度は?」

「統括理事会に親船とかいう婆がいるだろ?」

「えぇ、それがどうかしたの?」

 学園都市を牛耳る十二人の統括理事会。その内の一人が親船。主に外交などを担当している人物であり、統括理事会では珍しい事に暗部との関わりが少ない人物だ。そのため一部では統括理事会の中でも数少ない良心と思っている連中もそこそこいるが、垣根はそんな考えを一蹴に伏していた。学園都市上層部、特に統括理事会は全員が全員腐りきっているというのが垣根の考えであり、この考えを変えるつもりはなかった。幾ら表向きでは善人面していようと心の奥では何を考えているのだか分かったものではない。親船もその口だろうと、垣根は決めつけていた。本人を知らないままに。
 長きに渡る暗部での血で血を洗う戦いは垣根帝督という少年から『人を信じる心』を奪い去るには十分だったのだ。これを不幸とみるか幸とみるかは考えものだろう。もしも『人を信じる心』を垣根が持ち続けていたのなら、ここでこうして呑気に駄弁ることも出来なかっただろうから。

「知ってるか? 親船の名前って最中(もなか)って言うんだぜ?」

 ニヤリとしながら垣根が言った。

「ふーん。…………で?」

 心理定規は淡泊にそう返す。垣根はそんな態度が気に入らなかったのか眉間に皴を寄せた。

「で、じゃねえよ! 最中だぞ最中。最中っつったら中に餡子が詰まってて日本でも定番な和菓子の一つだ。だがどう考えても人間につける名前じゃねえ。なにか重大な秘密が隠されてると思わねえか?」

「全然」

 あっけからんと心理定規が言う。彼女からしたら「最中」という名前なんて多少珍しい名前だな、とくらいで他に感想はない。だが垣根はそうではなかったように、やや興奮しながら先を続ける。

「俺はこう考えた。親船がどうして統括理事会ってポストにいるか……いいや、そもそも如何して学園都市にいんのか。その理由を」

「結論は出たの?」

 無視しても仕方ないと半ば諦めた心理定規が先を促した。

「聞いて驚け。きっと親船は『肉体餡子(ボディ・アンコ)』の能力者で体の中が餡子なんだよ!」

「はぁ?」

 垣根の言い放ったあんまりと言えばあんまりな珍解答に、非常識なことにそれなりに耐性のある心理定規をもってしても口をポカンと開けざるをえなかった。

「日本の国民的ヒーローには頭が餡子なのもいるんだ。きっと親船もその口で体が餡子で出来ているんだよ。そうに違いねえ!」

「な訳ないでしょ。そもそも餡子の体だからって統括理事会にはなれないでしょ」

「ハッ。これだからお前は心理定規なんだよ」

「こうじゃなくても私は元から心理定規だから」

「いつか親船と敵対する機会があれば頭を吹っ飛ばすぜ。そして調べる。あいつの頭の中に餡子が詰まってるか否か……な」

 ほぼ100%親船の頭の中にあるのはグロテスクな脳味噌であって黒くて甘い餡子ではないだろう。心理定規は自分の命を懸けて断言できるほどこの考えに自信があった。
 そんな馬鹿話をしている時、スクールのアジトのドアがバンっと強引に開かれた。
 敵対者かと思い垣根と心理定規の警戒心が跳ね上がる――――――が直ぐに警戒を解く。入って来たのは二人にとって顔見知りだったのだ。

「垣根さん、統括理事長から直々の指令ですよ!」

 『スクール』の正規メンバーである構成員、ゴーグルをつけた少年が第一声でそう言った。

「統括理事長……? アレイスターが、だと?」

 意外な名前に垣根は眉を吊り上げる。
 学園都市の行政・立法などは全て十二人いる統括理事会の面々が執り行っている。年に一度の体育祭、大覇星祭にしても何にしても表に出るのは統括理事会までであり、裏においてもそれは変わらない。
 垣根達学園都市の住人には想像もできないような『プラン』を、窓のないビルで延々と進めている学園都市の支配者にして絶対者。それが統括理事長。その名をアレイスター=クロウリー。いずれ垣根が反旗を翻す怨敵だ。

「しかも……おい、直々だと?」

 垣根達『スクール』へ指示を出すのも大抵はどこかしらかの依頼を受けた顔も知らぬ電話の主であり、依頼者と直接対面することは基本ありはしない。あるとしても一年に数度が精々だ。その数度の一度がまさか統括理事長とは。先の事なんて分からないものだ。

(アレイスターの野郎、なに考えてやがる?)

 統括理事長の考えは学園都市第二位の頭脳をもつ垣根帝督であっても読めない。アレイスターがなんらかのプランを進めていて、自分がアレイスターのスペアプランであることまでは知っていても、そのプランというのが具体的にどういうものなのかは検討もつかないのだ。
 だからこそ、これは好機かもしれない。
 アレイスターの思惑がどうであれ、統括理事長と会話できる機会なんて第二位のLEVEL5といえそうはないのだから。
 いずれ行う反逆のためにも、今は情報が必要だった。

「で、ゴーグル。アレイスターは――――――」

「それが八時13分に垣根さんの電話にTELを入れるって」

「13分だぁ。……あと五秒だな。4…3…2…1…」

 そして本当に電話が鳴り響いた。着信音は紛れもなく垣根のケータイのもの。いつ自分の電話番号を調べたのか気になりはしたが、この科学の街でこの程度のことで驚いていてはやっていけない。そのことを誰よりも知る垣根は電話番号のことは考えないことにし電話を繋いだ。

「学園都市の最下層でチョッパーチョッパーしてるスクールに何の用だよ統括理事長様?」

『君にやって貰う仕事がある』

「あン?」

『これから君のアジトにファックスが届くはずだ。そこに記されている場所を襲撃する、そこに記された者達を全員殺せ』

 アレイスターの返答は簡素なものだった。飾り気も建前も前口上もない。単刀直入、用件だけをそのまま口に出しただけのものだった。

「……随分と素っ気ねえな。え? アレイスター」

『これより殺しに赴く君に祈りでも捧げて欲しいのかね?』

「止めろよ気色悪い。テメエなんぞに無事を祈られたら逆に死んじまう。つぅか、粛清任務なら他に幾らでも駒はいんだろうが。木原数多とかいう野郎の『猟犬部隊(ハウンド・ドック)』とかな。なんでわざわざ俺に命令してきた。この俺に。垣根帝督を使おうと思った? そこんところ聞かせて欲しいねぇ」

 暗部組織と一口に言っても、それには大きく二つのパターンが存在する。一つは能力者が存在せず学園都市謹製の武装をした警備員をより物騒にしたようなもの。もう一つが主要メンバーが三人から四人の小隊製だ。こちらには能力者もいれば、能力は程度が低いものの一芸に特化したものが多く集まっている。ただ後者の組織には我が強い者が多く、上層部からしたら扱いにくい存在だ。
 奇抜性や爆発力はないが扱いやすさと安定性に富むのが前者であるのなら、ものによっては一軍をも滅ぼす制圧力を発揮するものの、扱いにくいのが後者なのである。
 垣根の『スクール』は後者であり、統括理事長アレイスターからしたら扱い難い部類だ。なのに敢えてアレイスターは垣根帝督の命じてきた。他にも使える駒は幾らでもあったに拘わらず。

『話す事はなにもない。ただ君は私の願いに応えてくれればいい。願いに応じ敵を殺してくれればそれで良い。私の敵を倒してくれるかな未元物質(ダークマター)

「気に入らねえな。ああ色々気に喰わねえ」

 この電話の主こそアレイスター。この学園都市を支配している親玉。この街で起こる一切合財の元凶にして当事者にして傍観者。
 いつかこの男を倒す。殺して見せる。
 だが今はその段階ではない。時間と場所を間違えれば勝てる戦も勝てなくなる。今は期を伺うべきなのだ。その時がくるまでは精々アレイスターのマリオネットでいてやる。

「あいよ、分かったよアレイスター。アンタに逆らっちゃこの街でやってけねえからなぁ。今後とも良しなに」

 調子を崩しからかう様に電話に言ってから、そのままピッと通話を切った。そして持っていたケータイを地面に叩きつけ粉々にする。

「おいゴーグル」

「は、はいっ!?」

「新しいケータイ手配しとけ、俺はこれから親愛なる統括理事長様のために殺してくる」

 送られてきたFAXの内容を一瞬で頭に叩き込むと、垣根は面倒臭そうにアジトから出て行った。
 虐殺任務。皆殺し指令は珍しいことではない。
 いつもと同じだ。いつもと同じように抹殺対象を殺して、それ以外は適当に処理する。本当に自分という男は度し難い。
 良い死に方はしないだろうと垣根は我ながら思った。




 第11学区にある研究施設の前で垣根はぼーっと空を眺めていた。冬に入る直前の11月の夜は寒い。冷たい風が肌を叩き、呼吸するたびに冷たいものが流れ込んでくる。
 アレイスターから粛清任務を受けた垣根だったが、先ずはその粛清する対象が現れてくれない事には仕事のしようがない。手持無沙汰となった垣根はそのターゲットが襲撃してくるらしい研究施設でこうして待ちぼうけを喰らっている訳だ。
 この研究施設には窓が無く入口は正面玄関一つきりしかないという特異な場所なので、垣根のいない所から侵入するということはない。だからこそ垣根は堂々と正面玄関でボケっとする事が出来るのだが、それにしても暇である。やる事が何もない。
 冷たい寒気を生成した『未元物質(ダークマター)』を介することで快適な温度に再調整しながら、垣根は大きく欠伸をした。
 その時、長い暗部生活で研ぎ澄まされた垣根の五感は研究所に近付いてくる気配を察知する。弛み切った垣根の顔が一転して殺し屋の顔へと切り替った。
 なにか強い……どうしても叶えたいと欲している感情の渦を感じる。迷い込んだ一般人ではない。これは敵だ。敵の気配だ。この研究所を襲撃する為にやってきた襲撃者の臭いだ。
 垣根の予想通り、やがて研究所の門の前に十一人の男女が姿を現した。服装はバラバラで銃火器で武装したものから無手の者までいたが、その動きはある程度、理路整然としたものだった。ただの素人ではなく、多少なりとも訓練を受けた連中だと垣根は悟る。

「お前……そうか、貴様がここのゴールキーパーという訳か」

 リーダー格と思わしき大柄の男が、手に構えたライフルを向けて威嚇してくる。一般人なら泣いて許しを請いそうなシチュエーションだが、正真正銘の化け物である垣根にとってライフルなど水鉄砲のようなものだ。
 恐怖の欠片すらも出さず垣根は現れた集団の顔を確認し、彼等がアレイスターに指示された粛清対象であることを認識した。

「おぉ、そうだぜ。テメエ等からすりぁ不運なこったよ。よりにもよってこの俺が相手なんだからな」

 数の上では絶対的不利にいる垣根が、真実不利なのは襲撃者側だ。数の暴力が適用されるのはこの学園都市においては精々LEVEL3程度まで。LEVEL4にもなれば100人の無能力者相手でも戦えるし、LEVEL5にもなれば一人で軍事基地を潰すなんて荒行すら可能なのだ。たかが11人などLEVEL5からしたら道に散らばる砂に過ぎない。路傍の石にすら値しない雑魚だ。
 そして襲撃者は垣根帝督の顔を知っていたらしい。リーダー格を含めた全員が驚愕の表情を浮かべた。彼等からしても垣根のような大物が出張るとは予想外だったのだろう。

「まさか第二位が俺達のような人間を殺しに来るとはな」

「絶望したか?」

「いいや確信を強めた。第二位を寄越すとなれば、この研究所に保管されている例のアレはデマなんじゃなく本物。そしてお前を倒せば道は開けるッ!」

「馬鹿が。ここは行き止まりだぜ。お前等は行き止まりのデカい壁に阻まれて、後ろから突進してくるマンモスに怯える鼠ってとこだ」

「ぬかせ。お前達、相手は第二位だ! 出し惜しみしてる余裕はないッ! 最初からぶっ放すぞ! 撃てぇ!」

 リーダー格の男がライフルをぶっ放すと同時、他の者達も一斉に攻撃を放った。ある者は手から炎を出し、またある者は電撃を出す。能力が無い者は銃をぶっ放す。実に学園都市らしい銃撃戦のコールだった。
 垣根はニヤリと笑う。
 確かな殺傷力をもって垣根帝督という怪物に殺到した攻撃の嵐は、その威力のままに垣根帝督を襲いその体を四散させた。
 飛び散る血飛沫、バラバラと転がる肉片。

「な、に……?」

 リーダー格の男はまさか最初の一撃でLEVEL5を倒せるなんて楽観は微塵も抱いていなかった為、口をあんぐりと開けて呆然とする。しかし地面の上にばら撒かれた血飛沫も内臓の欠片や肉片は目を擦ろうと消えはしなかった。

「……まさか、やったのか?」

 垣根が死んだ以上、研究所にある例の物を奪取するための最大の障害は消えてなくなったといって良い。そして研究所には明かりが無く人の気配というものはなかった。つまりは無人。学園都市側が垣根帝督の死を知り増援を差し向けてくる可能性はあるがそれにしたって時間の猶予はある。今しかない。最大の好機が訪れたとリーダー格の男は確信する。

「良し。今のうちだ、必ずアレを手に入れるぞ! そして学園都市を変えるんだ!」

 殺してしまった超能力者に静かに黙祷を捧げる。リーダー格の男は嘗て教師だった。幾らLEVEL5で暗部組織の一員とはいえ、まだ少年といって差し支えない垣根帝督を殺したことには重い罪悪感を抱かざるをえなかった。
 裁きは受けよう。地獄に堕ちろというのならそうしよう。ただアレを手にするまで男は死ねぬ事情があった。
 しかし部下に指示を出し研究所に乗り込もうとした所で、異変は起きる。

「……ッ!?」

 気付けば地面は血のように朱に染まっていた。バラバラになっていた垣根帝督の残骸がずずっと地面に沈んでいく。

『―――――――――ククッ、言ったろうが。ここは行き止まりだってよ。運命の袋小路、この場所にこの俺がいてお前が粛清対象に指定されてた時点でテメエ等の死に場所がここになるってのは確定事項だったんだ。……認めたくねえか?』

 そう。リーダー格の男達が殺したと思っていたのは、垣根帝督が『未元物質(ダークマター)』を利用し創りだしていた偽物だった。本物の垣根帝督は偽物の直ぐ後ろにいたのである。『未元物質(ダークマター)』で自らの姿を闇夜に溶かして。
 男が何か言葉を発する前に垣根は動く。
 手始めに垣根は一番小柄な女の一人を捕まえると、その首を未元物質で作り出した刃で切断した。
 傷口から血の噴水が噴き出す。赤い雨がパラパラと降り注ぎ、男に率いられた襲撃者の服を汚す。コロコロとまるでボールのように転がる女の生首。少し前まではややキツそうな所はあるのもの、かなりの美人もだったその顔は見る影もない。まるで何をされたのか分からない、という表情で女の生首はただの物体と化していた。

「う、うわぁぁぁあぁぁあぁ!!」

 仲間の一人が無残な形で成す術もなく惨殺された事に恐怖した襲撃者の一人が背中を向け一目散に逃げ出した。他に二人の男女がそれに引き寄せられるように逃げ出す。

「逃げ出すとは賢い選択だ。だが運が悪い名ホント。俺としてはお前等みてえなザコが100人しようと百兆人死のうとどうでもいいんだが、アレイスターからのオーダーは全員平等皆殺しキルゼムオールなんだよ。残念だったなー」

 垣根の体が一瞬にして研究所の門にまで移動する。逃げ出した三人の人間が目の前に現れた怪物を前に逃走を止めた。

「どうした? 撃たたないのか、その銃は飾りか? 玩具か? お前はその銃を使って研究所にある何かを奪う為にわざわざビビりな心を叱咤して来たんだろう?」

 逃げ出した三人を挑発する。
 窮鼠猫を噛む。退路を塞がれた事で三人も否応なくある種の覚悟が決まったのあろう。我武者羅になって持っている銃の引き金を引いた。

「うぉおぉおおぉおおおぉおぉおお!」

「死ね化け物ぉぉぉぉおぉっぉお!」

 しかし無駄。
 放たれた弾丸の悉くは垣根帝督に辿り着く前に見えない壁に阻まれる。

「目には目を歯には歯を。お返しだよーん」

 未元物質により圧縮された空気の弾丸が三人の体を貫く。全身に100を超える穴をあけられた三人の逃亡兵は糸の切れたマリオネットのように地面に崩れ落ちた。

「くそ……お前……本当に人間なのかよ………?」

 リーダー格の男が震える声で言った。

「さっき言っただろう。俺はLEVEL5の第二位……正真正銘の化け物だ。そして化け物は躊躇しねえ。人間ってのは人間をプチって殺す時、やっぱよぉ。テメエが同じ生物だからか躊躇すんだよ。だがな化け物はしねえんだ。躊躇ってやつを。何でかって? 人間じゃあないからさ。人間じゃないから無慈悲になれる。100万殺そうと一億殺そうと一兆人殺そうと心は全く痛まない。そんなんだから化け物ってのは何時のよも人間様から恐がられて、悪者扱いされんだよ。ま、俺は悪者扱いされるまでもなく糞な悪党だけどな」

 垣根が腕を一閃すると、どういった理屈か三人の死体は青い炎に包まれ燃えていった。その上で一人の怪物は嗤う。

「俺の好きな漫画の主人公曰く、化け物を倒すのはいつだって人間――――――らしい。お前は人間か? 人間なら俺を殺せるぜ。おい人間、俺を殺してみせろよ」

「くっ! お前達、こいつは俺が足止めしておく! だからお前達は研究所でアレを確保してくれ! アレさえ確保できれば道はッ!」

 男の指示に従い残ったメンバーが研究所に向け突進する。だが彼等が研究所の中に入る前に、彼等は全員瞬時に彼等の前まで移動した垣根によって殴殺された。
 これで残ったのはリーダー一人。他の者は皆死んだ。

「もう一度言ってやるよ人間。俺は怪物だ。桃太郎だかに追われて、ヒーヒー言わされてるような糞な悪党だ。チャンスだぜぇ、おい。古今東西大抵の英雄はやってることだぜ、化け物退治ってのは。チャンスだ人間。撃てよ。撃ち方は知ってるんだろうが。ワンポイントアドバイスだが眉間は狙わねえ方がいいぜ。軌道がずれて致命傷にならねえことがよくあるからな。狙うのなら……ほーら、心臓がお勧めだ。撃てよホラ、英雄になるチャンスだ。俺を殺せばヒーローになれる。テメエも生き残れる! どうした! ここに来たって事は俺を殺す気満々だったんだろうがッ! 撃て! 撃て(ファイア)撃て(ファイア)撃て(ファイア)撃て(ファイア)撃て(ファイア)撃て(ファイア)撃て(ファイア)!」

 垣根が叫ぶたびに体から溢れる未元物質が空気を振動させ周りの木々を傷つけていく。それは悪夢の行進。怪物はゆっくりと歩き、その都度世界を侵食していく。 最後の標的を殺すため。標的のそっ首を切り落とすために。

「くっ、そぉぉおおぉおぉぉぉぉぉ!!」

 リーダーの男は垣根に挑発されるがままに銃を乱射する。
 それでも垣根の歩みは止まらない。化け物の進撃を止めることは出来ない。

「どうした? 俺には届いてねえぞ。この程度じゃ足りねえ。こんなもんじゃ俺は殺せねえ。死なねえよ俺は。こんな遊びみてえなんじゃあな」

「俺は負けられないんだ!! この研究所にはアレがある! 能力開発の秘密が隠してあるんだよ!」

「あぁ、能力の秘密が?」

「そうだ! 学園都市は能力開発について重要な機密を隠している! 生徒全員に隠蔽してる事実がある! 俺は教師として生徒達に能力開発をしていて気付いた! 学園都市はLEVEL0にはそれほど熱心に能力開発を施さない! そう思っていた……だが違った。学園都市はLEVEL0でもある特定の生徒には不自然なほど熱心に開発を施していた!」

「不自然、だと?」

「そうだ! その特定の生徒には一つの共通項がある。その殆ど全員がLEVEL0からLEVEL3やLEVEL4までLEVELを上げていることだ! 数いるLEVEL0の中からLEVEL3以上になる生徒だけを集中的に教育する、そんなことが普通出来る訳がない!」

 超能力開発において才能の違いはあれ、基本的に誰でもLEVEL5になれる可能性はあるとされる。才能とは目安でしかなく、成長性は無限だと。だから将来LEVEL3などの高位能力者になる者をLEVEL0の段階から発掘するなど不可能なのだ。しかしもしも予め誰が最高どの程度まで成長するかが事前に分かっていればその前提は覆る。
 素養格付(パラメーター・リスト)。学生一人一人の素養、能力開発の限界点を記したものがあるとすれば。

「学園都市はそうやって将来高位能力者になる者だけに優れた教育を施している! 他のLEVEL0を置き去りにして、ただ才能ある者だけを優遇している! LEVEL0の生徒だって努力しているのに、もっとしっかりと能力開発をすればLEVEL1やLEVEL2になれる可能性はあるのに! 学園都市はそういう小さい可能性を切り捨てて、才能だけを持て囃してるんだよ! だから俺は変える! 素養格付を手に入れて学園都市と取引をする! 全ての学生が平等に教育を受けられるように、するためにも! 努力は報われる! 限界なんて超えられるんだからッ!」

「馬鹿が」

 男の熱弁に対し垣根の返答は簡素なものだった。平等な教育、確かにそれは理想だろう。もしも垣根が無知なる無能力者の一人ならば拍手喝采でも送ったかもしれない。
 しかし垣根帝督、彼は無知とは程遠い男だ。
 不動たる第一位を除けばこの学園都市で最も才能に満ち溢れた男だ。だから分かる。

「限界は超えられねえから限界なんだよ。頑張れば報われる? 面白い言葉だ。もしかしたら外じゃその熱弁が理屈として通じるのかもな。だが駄目だ。この学園都市じゃそんなのは通じねえんだよ。努力は報われない。努力なんてものを信じるのは夢見がちな餓鬼だけだ。お前の生徒のようにな」

 男の言う「素養格付」とやらで無能力者が限界とされれば、どんなに血の滲むような努力をしようと無能力者のままだろう。
 才能が全て。
 野球やサッカー、勉強に至るまでこの言葉が当て嵌まると断言するほど垣根は傲慢ではない。しかし言能力開発においては才能が全てだ。
 無能力者がLEVEL5に勝てないように。
 垣根帝督が第二位で一方通行が第一位であることのように。
 才能という壁はどこまでいっても突き当たる。

「クッ」

 銃を幾ら撃とうと垣根には届かない事を悟ったのか、男は手榴弾を投げつけると後退した。垣根はその手榴弾を見る。パイナップルのような形状、信管は当然ながら抜いてある。薄らと刻まれている文字はT03。暗部の密輸リストで見た事がある。一度炸裂すれば念動力の能力者相手だろうと一発爆殺というフレーズで密売人の男がスクールにも売りに来ていた。
 手榴弾が爆発する。それと同時、強烈な爆風が垣根を襲った。

「はん、意味ねえよコラ」

 どれほど高性能とはいえ手榴弾は手榴弾。
 この世界に当たり前に存在する当たり前の兵器だ。そんな常識では垣根帝督の非常識を超えることは出来ない。
 爆風は垣根が瞬時に生成した未元物質の障壁に阻まれ、そのフレーズ通りの破壊力を地面にのみ適用させたまま終わった。

「そ、そんな……、あの爆発でも死なないのか?」

「絶望したか。そしてこれが才能だ」

 あの威力だ。至近距離で喰らえば大抵の能力者は殺せるだろう。それこそ第3位以下の超能力者だろうと。しかし第2位より上、垣根帝督と一方通行相手ではこんな手榴弾なんて水鉄砲にも劣る玩具だ。

「限界を超えるならよ、超えてみろよ」

「なに、がだ?」

「無能力者はLEVEL5には勝てねえ。人間に化け物は殺せない。努力は報われる――――――そんな寝言を馬鹿みてえに語りてえなら証明しろよ。殺せよ俺を。殺してみろ! その銃で俺の眉間をぶち抜け! 隠し持ったナイフで俺の頸動脈を掻っ切れ! 首を絞めろ! 切り刻め! やれよ、出来ないのか? お前には出来ないのか? 俺を殺せないのか? 限界を超えるんだろう。超えられるなら出来る筈だ。俺とお前にある差は絶望的だ。努力でどうこうっていうレベルを超えちまってる。だから超えろ。超えてみせろよ! この俺をぶっ殺して、超えろぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ!」

「く、うぉぉぉおぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 男の中でなにかが切れたのだろう。
 銃を乱射しながら男が突進してくる。一心不乱に、ただ垣根帝督という限界を超えることを目指して。男は死への直線道路を前進する。

「それでいい、来いよ人間(教師)ッ!」

 興が乗った。この男がどれほどやれるのかが見たくなった。
 垣根は自分が全力を出すと何故か顕現してしまうそれ―――――――白翼を展開すると男を迎え撃った。
 人間の背中から翼が生える。そんな異常を目にしても男にリアクションらしいリアクションはない。恐らくそんな余裕はないのだろう。ただ銃を乱射しながら突撃するだけだ。

「その銃、鬱陶しい」

 最初に垣根は烈風を発し、男の銃をその手から弾き飛ばした。男は吹き飛んだ銃など見向きもせず懐から鋭利なナイフを取り出す。そして再び進軍を開始した。

「銃がなくなればナイフ、ならそいつも没収だ。腕ごとなぁ!」

 第二の烈風が男に殺到し、ナイフをもった左腕を切り裂いた。ついでと言わんばかりに垣根の放った第三の烈風が今度は男の右足を切り裂く。片足と片腕を其々失った男はバランスを崩し、そのままバタンと地面に倒れた。

「ぐぅ―――――ふぅ――――はぁぁ―――――ッ」

 肺で息をしながら、男は悔恨と苦痛の入り混じった呻き声を絞り出す。
 出血量といい傷の深さといい致命傷だ。もう限界、動くことは出来ないだろう。垣根はつまらなそうに男を一瞥すると白翼を消す。
 その時だった。

「―――――舐めるなよ……超能力者ぁ――――――能力なんて何もない人間を、舐めるなよッ! 限界なんて、超える! 超えるぅぅぅうぅぅぅぅぅ!」

「ッ!」

 あろう事か男は左腕と共に落ちていたナイフを口で咥えると、残った右手で体勢を整え、左足をバネのようにして一直線に垣根目掛けて飛んだ。
 余りにも予想外。人間という生物の限界を超えた事に、第二位の頭脳が反応を遅らせた。

「ウ゛ウゥゥゥウゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥウゥ!!」

 男の咥えたナイフが垣根の腹に突き刺さる。ズプッという嫌な音。体の中にある内臓の幾つかに傷がついたのを垣根は感じた。
 そこで男の方も限界がきたのか、口からナイフを離しそのまま再度地面に崩れた。

「はは……」

 垣根の口から出たのは笑いだ。
 まさか本当にやるとは思わなかった。本当にやってのけるとは思わなかった。自分が油断した? 本気の一撃を放っていれば男は為す術もなかった? そんな細かいことはどうでもいい。この男はやってのけたのだ。何の能力も持たない雑魚でありながら、LEVEL5の第二位という怪物に刃を届かせるという荒行を。

「血だよおい、見ろよコレ。……テメエだ、テメエが俺から流させたんだぜ!」

 ナイフを引き抜き、それを適当に放る。
 血がドクドクと溢れていたが垣根はそんなことどうでもいいとばかりに気にも止めていなかった。

「それは……結構、だ………俺も、タダの無駄死にからもっとマシな………死に方にはなったのかなぁ」

「そいつはお前が判断することだ。だが誇っていい。お前は俺を傷つけたんだからな。この第二位の怪物を、垣根帝督を。末期まで誇れよ、俺が認めてやる」

「あぁ、でも出来れば倒したかったなぁ。これ、贅沢な望みかな」

「最期だ。恨み言があるなら聞いておくぜ。一日で忘れると思うが」

「恨み言は、ない。俺は俺達の目的のためにお前を殺そうとした。だから俺達が逆に殺された。ほら、恨むなんて筋違い。殺しに来た俺達は殺されても文句は言えないんだよ」

「そうか。なら楽に死ね」

 これ以上、苦痛を長引かせるのも無情だ。自分に刃を突き立ててみせた男への礼儀として、垣根はその心臓を一撃で抉った。余計な痛みを与えぬよう一瞬で。

「死んだな」

 もう男は動かない。即死だった。その信念も思いも、死ねば等しく風となり消える。男の抱いた「全ての学生に平等な教育を」という夢は、奇しくも才能の塊である男によって無残にも砕かれた。
 男が垣根に与えた傷がみるみる内に塞がっていく。未元物質を利用しての細胞の再生、それを利用すれば自分の体を回復させるなんて荒行もお手の物だ。
 しかし傷が消えようと垣根は忘れないだろう。何の異能も持たない無力なる男が、自分という化物に一矢報いて見せたという事実を。

「ホント馬鹿だよテメエは。この街はな、才能しか物を言わねえ場所だ。才能のねえ奴のする努力なんざ、学園都市の老人共からすりゃ三流スポコンドラマ以下の茶番劇。努力ってやつを信じる夢見がちな餓鬼共は自分が腐った上層部の食い物にされていることに気付いてもいねえ。大体、お前如き一教師が学園都市の闇に太刀打ちできる訳がねえだろうが」

 垣根にはこの男がどうやって生きて来たかなど知らない。如何して素養格付の情報を手に入れたのかも分からない。しかし一つだけ言えることがあるとすれば、この男はただの教師だったということだ。殺し合いとは無縁の光の世界で、生徒から慕われ自分も生徒を愛するただの教師であったはずだ。

「光の世界を捨てて、そんな無謀な挑戦するために闇に堕ちるなんざ……ホント馬鹿だよな、何度言っても言いたりねえ」

 もう垣根は嗤うことなどできなかった。
 この男は将来の自分の可能性だ。闇に挑み敗北すれば、自分も男の様に無残な死体を晒す。いや能力者であることを踏まえればそれ以上に非人道的な羽目になることもありうる。
 負ければ死ぬ。
 敗北は死と同義。
 死にたくなければ勝つしかない。学園都市という巨大な闇に打ち勝つしかないのだ。一度闇に染まれば、もう二度と闇からな逃げられないのだから。

「この……馬鹿野郎がっ」

 最後のそう言い残し、垣根は研究所を去った。
 この時はまだ知らない。垣根の下に暖かな光を携えた一人のヒロインが現れることを。その少女を救うため、垣根は全てを捨ててこの街を飛び出すことになることを。
 垣根帝督はまだ知る由もなかった。




Q:このキャラはラスボスですか?

A:いいえ。主人公です、凄く主人公です。

 垣根が大暴れしました。もう今まで出番が全く与えられなかったことの鬱憤を晴らすかのように大暴れしました。
 さてと、そろそろ移転のことも決めないといけませんね。
 移転したら初心に帰る気持ちでまたギアスのssでも書こうかなとは思ってます。もう直ぐ亡国のアキトもやりますし、双貌のオズという漫画も連載し始めたのでちょっとドキドキです。日夜マーリンってKMF出るなよ、レナードって名前のキャラ出るなよと祈る日々w いや実はレナードという名前のキャラなら小説版の脇役中の脇役として出てるんですけどねw
 しかしギアスssやるにしてもネタがない。そういえば反逆しない軍人の短編、博物館の話ととレナードがロシアで民間人と軍人を殺戮する話と息子の敵討ちをしようとした后妃をレナードが逆に自害に追い込む話くらいしかしてませんね。ってこれだけ書くとただの最低の鬼畜野郎だw よし。この流れでレナードとルキアーノのEU大爆発ぶっちぎりバトルラウンズを……いえ、やりませんよ。ジョークです。
 aoaoao様にレナードin聖杯戦争のテキストデータをアップローダーに上げて貰ったのであれの続きをやるというのもいいかもしれませんね。需要あるか分かりませんけど。アーサーVSアルトリア?
 それか逆襲のレナード、最後の大隊的な日本大爆発、ぶっちぎりバトルブリタニアンズというのも。
 とはいえ個人的にはルルを主役としたクロスとかもやってみたい。悩みどころですね。……ルルーシュin聖杯戦争? ギアスはサーヴァント・マスター共通に万能、されど英霊の座のうんたらかんたらで真名が知れ渡ってるのでサングラスで防御され大ピンチとか。ギアス無しのルルーシュとかウェイバーより弱そうだ。



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