先日、菜々に受けさせたのは生体強化だ。とは言っても、戦闘用のものではない。
 主に宇宙での生活に支障をきたさないため、肉体年齢の維持や言語能力のサポートなどを行う最低限の強化しかしていなかった。
 それでも菜々の望むとおり、十七歳の肉体をベースにしてやったのだ。感謝されても文句を言われる筋合いはない。
 だと言うのに――

「恩を仇で返されるとは……」
「仕方がなかったんですよ!? これでも精一杯、誤魔化したんですから!」
「俺がいつ、お前の……いや、悪い」
「いま、どこを見て言いました? ここは怒っていいところですよね?」

 揉んだなどと人聞きが悪い。揉むような胸もないだろうに……。

「で、その話が瞬く間に広まったと……」
「はい……川島さんとか、仕事場にまで押し掛けてきて、会長さんのことを紹介してくれって鬼気迫る表情で……凄く怖かったです」

 冗談はさておき、俺のお陰で菜々の肌が若返ったという噂が、346のアイドルたちの間に広まっているらしい。
 川島さんと言うのは、元女子アナの川島瑞樹のことで間違いないだろう。現在は346に所属するアイドルの一人。
 以前、イベント協力を346に持ち掛けられた時、所属アイドルのプロフィールには一通り目を通したが、歳は確か、菜々とそう変わらないはずだ。
 ……うん。肌が気になる年齢と言うのはわからなくもない。

「やってやれなくはないんだが、ううん……」
「資格とか、持ってるんですか?」
「資格はないが、俺のマッサージは評判いいんだぞ。腰が抜けて動けなくなるくらい気持ちが良いって」
「え、なにそれ怖い」

 エステティシャンの資格はないが、マッサージには自信がある。
 特製ドリンクの効果もあわせれば、生体強化を用いずとも肌年齢を若返らせることくらい出来るはずだ。

「このまま放って置けば、騒ぎは収まると思うか?」
「無理だと思います。川島さんとか、確実に事務所まで押し掛けてきますよ」

 微妙な空気が流れる。
 そこまでか……。やはり迂闊な真似はするものじゃないな。
 菜々には、もっと厳しく口止めをしておくべきだったかもしれない。
 今後のこともあるし、手は打っておくべきか? となると何か取り引き材料が必要だな。

「仕方がない」
「え? ナナが言うのもなんですけど、本当にやるんですか?」
「当然、お前にも手伝ってもらうぞ」

 これ以上、騒動を大きくしないためにも、出来ることはやっておくべきだろう。
 身体を後ろに引いて頬を引き攣る菜々に、俺は口元を歪めながら手を差し伸べるのだった。


  ◆


「持つべきは友達よね。菜々ちゃん、感謝するわ」
「は、はあ……」

 ご機嫌の川島さんを、ナナは891プロダクションのビルに案内していた。
 正直どうしてこうなったと、あの時、迂闊なことを口走った自分に言いたい。
 会長さんは大丈夫と言っていたけど、正直なところ不安の方が大きかった。

「抵抗はないんですか? 男の人にマッサージされるのって……」
「まったく恥ずかしくないと言えば嘘になるけど、これもお肌≠フためよ!」

 そう言って、胸の前で拳を握り締め、気合いの入った様子で鼻息を鳴らす川島さん。
 これは、どうやっても止まりそうにない。今更、口から出任せでしたとも言えない雰囲気だ。

「それに正木会長のことは、いつも志希ちゃんたちから聞いているもの。彼女たちが信用する人が、おかしな真似をするはずもないと私は思っているわ」
「まあ……」

 その点はナナも、会長さんのことを信用している。
 ナナをよくからかってはくるけど、基本的に悪い人ではない。善人でもないと思うけど……。
 自分の欲求に素直と言うか、自由と言うか、タイプ的には志希ちゃんたちに近い人だとナナは思っている。

「ここです」
「……凄いわね。初めてきたけど、さすが正木商会ってところかしら?」
「美城グループほど歴史は古くありませんけど、いま一番勢いのある企業ですしね」

 川島さんと891プロダクションの事務所が入っているビルを見上げながら、共に感想を口にする。
 ここは正木商会が都内に保有するビルの一つだ。346ほどではないが、東京の一等地にこれだけ大きな事務所を構えられるプロダクションと言うのは他に余りないだろう。
 正木商会は業界に参入して三年。その名が知られるようになったのも、ここ十年ほどと会社としても新しい企業だ。
 しかし高い技術力と画期的な商品を武器に、『西園寺』や『水瀬』と言った名だたる財閥の後押しを受けて躍進的な急成長を遂げている。
 一代で成功を収め、若くして巨額の財をなした天才科学者にして起業家。それが世間で評価を得ている正木太老と言う人物だった。
 とはいえ、会長さんの秘密を知った今では世間で言うところの評価など、微々たるものでしかないことをナナは知っている。

(そんなに凄い人には見えないんですけどね……)

 庶民派と言うか、普段の姿を見ている限りでは、まったく偉い人には見えない。
 ナナと話が合うのだから、きっと川島さんとも気が合うはずだ。
 たぶん、大丈夫。そう自分に言い聞かせながら、ナナは川島さんと共にビルの中へと足を踏み入れた。


  ◆


「何か、弁明はありますか?」
「いや、俺はよかれと思って、そもそも菜々が……」
「ナナに責任を押しつける気ですか!?」
「そもそも、お前が原因じゃないか……」
「二人とも反省してください」
「「はい」」

 あれから数日。俺はちひろさんに電話で呼び出され、菜々と共に346の事務所を訪れていた。
 そう、346のアイドルたちにエステを行った例の件でだ。
 別にセクハラで訴えられたと言う訳ではない。マッサージそのものは評価も高く、大絶賛だと聞く。
 問題は、その後の方だった。

「はあ……もういいです。幸い、数日中に復帰できるとの話でしたし、望んだのは彼女たち自身で特に不満も上がってはいないようなので……。それどころか、美城のエステサロンからエステティシャンの指導を頼みたい、と問い合わせがきていましたよ」

 効果が高すぎたのだ。我ながら少し自重するべきだったと思うが、それも後の祭りだ。
 希望通り、肌はピチピチ。疲れも取れるほどの快感を体験したアイドルたちは、その後遺症で足腰が立たなくなり、現在は自宅待機しているらしい。
 肌が敏感になりすぎて、いまもベッドの上で悶え苦しんでいる有様だとか……。うん、どうしてこうなった。
 仕事のスケジュールにも影響がでているそうだし、本当に申し訳ないことをしたと今回ばかりは反省している。
 だから大人しく床に正座をして、ちひろさんの説教を菜々と受けていると言う訳だ。
 取り敢えず、エステティシャンへの指導の件は断っておいた。これ以上、犠牲者を増やすのはよくないと判断したからだ。
 このことを知られれば、あとで林檎と水穂に何を言われるかわかったものではない。

「あ、正木会長。例の件で、プロデューサーが相談をしたいことがあると」
「わかりました。いま、武内さんは?」
「執務室にいらっしゃいます。ご案内しますね」

 ようやく説教も終わり、プロデューサーが呼んでいると言うので菜々とその場で別れ、ちひろさんに案内してもらうことになった。
 もう怒ってないよな? いつものちひろさんに戻った様子で、ほっとした。

「プロデューサー。正木会長をお連れしました」

 案内された部屋に入ると、346のアイドル部門でプロデューサーを担当している武内プロデューサーが出迎えてくれた。
 346は所属アイドルも多いが、同時にプロデューサーもかなりの数が在籍している。
 目つきが悪く身長は二メートル近い体格で、プロデューサーと言うよりは傭兵のような見た目の彼だが、346のなかでも敏腕で知られるプロデューサーの一人で、今回うちと進めている合同企画でも彼が担当を務めていた。
 話と言うのも、恐らくはその件だろう。

「本来であれば、こちらからお伺いするところ、ご足労願いありがとうございます」
「いや、まあ……丁度、用事があったので……」

 頭を下げる武内プロデューサーにそう返事をしながら、ちひろさんの方を見ると「何か?」と首を傾げるので、俺は慌てて口を噤む。
 機嫌がなおったかと思えば、そんなことはなかった。笑顔が逆に怖い。
 下手なことを言えば、また同じことの繰り返しだ。こういう時は、さっさと話題を切り替えるに限る。

「で、相談と言うのは?」
「はい。そのことなのですが、まずはこちらを――」

 武内プロデューサーが手渡してきた一冊のファイル。それは年末に開催が計画されている346と891の合同コンサートの企画資料だった。
 以前に見せてもらったものよりも、随分と詳細が練られている。さすが武内プロデューサー。仕事が早い。
 パラパラと流し読みするが、特に問題はなさそうだった。役割の分担に関しても、事前に打ち合わせしたものと相違ない。
 ステージに使う機材のリース料については、もう少し話し合う必要はあるが、これなら林檎もダメとは言わないだろう。

「ん? どうかしました?」
「いえ……まさか、すべてに目を通されるとは思ってもいなかったので……失礼ですが、全部頭に入っているのですか?」
「まあ……このくらいなら、うちの人間なら誰でも出来ると思いますけど」
「……凄いですね」

 そんなに凄いことだろうか?
 二百ページ程度の資料、一分もあれば余裕で目を通せると思うんだが……。
 というか、決裁の必要な書類だけでも、一日に数万枚を超える書類が俺の元には届くのだ。
 このくらい出来なければ、丸一日机にかじりついたとしても書類仕事は終わらない。
 うん。なんか考えると哀しくなってきた。俺やっぱり働き過ぎじゃね?
 いや、まあ……林檎たちの方が、俺の何倍も大変な仕事をしてくれてるんだけどね。

「見学ですか?」
「はい。最先端のAR技術を用いた891プロダクションのステージを、346のアイドルたちにも一度経験させておきたいのです」
「なるほど、確かにぶっつけ本番だと何が起きるかわかりませんしね」

 うちが先駆けとも言えるARを用いたステージは話題性が高く人気を博してはいるものの、まだまだメジャーとは言えないものだ。
 技術的な問題もあるが、やはり一番のネックとなっているのはコストの問題だろう。
 346のような老舗プロダクションがうちに協力を持ち掛けてきたのも、その点が理由として大きい。
 最新のAR装置は数を揃えるのであれば、機材のリース料だけでも一般的な演出装置の数倍のコストが掛かる。
 そこに加えて技術者も必要となると、ステージのためだけにそれだけの人材と機材を揃えるのは建設的とは言えないのが現状だ。

「わかりました。では事前に連絡さえ貰えれば、いつでもレッスンを受けられるように手配しておきます。丁度、うちのビルにも設備はありますし、なんならステージのある郊外の施設を押さえてもいいので」
「え……よろしいのですか? ステージを見学させてもらえるだけでも十分なのですが……」
「実際に体験した方が得られるものも大きいでしょうしね。本番で失敗することを考えたら、いまのうちに不安を解消しておくに限ります」

 武内プロデューサーが遠慮をするのもわかるが、うちはそっち≠ェ本職と言ってもいいので、必要な設備や機材は自前で賄っている。
 むしろ小道具などを多く必要としないため、ステージに掛かる費用は他所よりも安く済んでいるくらいだった。

「そういうことなら、よろしくお願いします。それで費用の方なのですが……」
「ああ、必要経費ですし、その程度はうちで持ちますよ」
「ですが、そう言う訳にも……」

 首の後ろに手を当て、困った顔を浮かべる武内プロデューサー。
 彼が気にするのもわかる。これは個人の貸し借りの話ではなく組織と組織の交渉だ。
 無料でラッキーと素直に喜べるような話でもない。だが、こちらにも思惑がないわけではなかった。

「では一つだけ、お願いしたいことがあります」


  ◆


「正木会長を玄関ロビーまでお見送りしてきました」
「ありがとうございます。千川さん」

 太老を玄関ロビーまで見送ったちひろは、その報告に武内の執務室を訪れ、首を傾げる。
 先程まで太老と向かい合っていたソファーで、愛用の手帳を片手に難しい顔を浮かべる武内の表情を覗き見たからだ。

「難しい顔をなさって、どうかされたのですか?」
「いや……」

 ちひろの的確な指摘に、武内は首の後ろに手を当てる。
 それは困った時や悩んでいる時に彼がよくやる癖のようなものだと、ちひろは理解していた。
 故に武内の言葉を待つ。プロデューサーが円滑に仕事を進められるように、それをサポートするのも彼女の仕事だからだ。

「こんな話を知っていますか? ――891のステージには魔法が掛かっている」

 武内の言葉に、ちひろは頷く。勿論、この業界で働くもので、その言葉を知らぬ者はいないからだ。
 最先端のAR技術を用いた舞台で大勢の観客を魅了し、数多の成功を収めてきた891プロ。
 当然その後に続こうと、多くのプロダクションが891のステージを真似ようとしたが、結果は上手くいっていない。
 346でも挑戦を試みたことはあるが、891と同じステージを独力で行うことは不可能という結論がでていた。

 勿論、コストの問題もある。だが例え、891で使われている機材をそのまま手に入れることが出来たとしても、あの魔法のようなステージを完全に再現することは難しい。最先端のARに精通したプログラマーや技術者。そうした専門知識を持つスタッフを揃え、環境を整えることは専門の業者やシンクタンクであれば或いは、と考えるが畑違いの芸能プロダクションには荷が重すぎるからだ。
 勿論そうした企業に協力を持ち掛けるという案もあった。だが、そこまでしたところで採算を考えれば割に合わないと言うのが最後にでた結論だ。
 その高い技術力と発想力で市場を賑わせ、多くの結果を残して来た正木商会だからこそ出来ること。
 孤高の天才科学者として、その道では名の通っている正木太老だからこそ、可能なステージであると誰もが理解させられたのだ。

 故に346からすれば、そうしたノウハウを891から学ぶ機会であり、アイドルたちにとっても良い刺激を与える機会になるのでは?
 と考えて、武内は今回の企画を上へ提案したのだ。
 勿論、891にもメリットはある。まだアイドル事務所を立ち上げて三年に過ぎない891は、業界からすれば新参者の成り上がりに過ぎない。891の名を世に知らしめることになったステージにしても技術を秘匿し、市場を独占していると非難する者もいる。その母体である正木商会自体、成り上がりの企業と揶揄する者がいて難しい立場に置かれているのだ。
 その点、多くの俳優や歌手を輩出してきた346は老舗としてのブランド力が高い。アイドル部門は891と同様まだ設立から日は浅いと言っても、これまで業界で培ってきたノウハウを活かすことで一定の成果を上げている。そんな業界人にも一目置かれる老舗プロダクションと合同で企画を行うことは、891に取ってもプラスに働くと考えての企画だった。
 そもそも誤解はあるようだが、正木商会は特に技術を独占しているわけではない。むしろ積極的に公開をしている企業だ。
 そのため346の提案に乗ることで、心ない者たちによって植え付けられた悪いイメージを払拭する狙いもあってのことだった。

「正木会長は、私の提案を予想されていたようなので……」

 そうした891の売りとも言えるステージは、346ですら断念するほどの最先端技術が惜しみなく使われている。故に合同コンサートの前に346に所属するアイドルたちに891のステージを経験させておきたいと言う思惑はあったが、設備や機材の準備なども考えると時間的に難しいだろうと武内は考えていたのだ。
 可能であれば、ステージを見学させてもらえるだけでも十分だと思っていた。なのに太老は武内の要望を全面的に受け入れるばかりか、自由にレッスンが出来るように手配をしておくと逆に提案してきたのだ。これはあらかじめ提案の内容を予想していなければ、難しいことだと武内は考えた。
 一昔前までは夢の技術とされていたVRも、ヘッドマウントディスプレイの普及によって一般人でも気軽に体験が可能となり、正木商会が発表した最新型AR装置の登場で、大手のテーマパークでもこれを用いたアトラクションが話題を呼び、仮想現実は一つのブームになっている。体験希望者が多く、本来であれば施設一つ押さえるのも大変なはずだ。
 891のステージ自体、業界関係者でもチケットを手に入れるのが難しいと言われるくらい人気を博しているのだ。
 それだけに太老が交換条件にと提示してきた内容も、武内の動揺を誘うのに十分なものだったのだ。

「悩んでいらっしゃるのは、正木会長から交換に提示された条件のことですよね? 本当によろしいんですか?」

 ちひろもそのことは察していたのだろう。
 武内が本当に悩んでいること、それは見学の件などではなく太老のだした条件の方にあると――

「彼女が望むのなら……恐らくは上も反対しないと思います」

 悩み抜いた末の答えなのだろう。それは武内の表情を見れば、ちひろにも理解できた。
 武内とは部署を同じくして、まだ一年ほどの付き合いではあるが、彼がアイドルたちのことを真剣に考え、プロデュースを頑張ってきたことをちひろはよく知っている。ずっと傍らで支え、彼の仕事振りを見続けてきたのだ。
 故に太老のだした条件。安部菜々を891プロダクションへ移籍させる話は、武内としても苦渋の思いだということは理解できた。
 だが菜々本人は勿論のこと、現在の346にとっても悪い話ではなかった。

「346は急速に手を広げすぎました。現状を顧みると美城専務がされたことも完全に間違いだったとは、私も否定できません」

 現在の346はチャンスに恵まれる者、恵まれない者で大きな格差が生まれてしまっていた。
 成功する者がいれば、その裏で泣く者がいる。それは当然のことだ。しかし誰にでもチャンスはあって然るべきだと武内は考えている。そのチャンスが、いまの346には十分に足りていない。所属するアイドルの数とプロデューサーの数。そして割り当てられる仕事の数が釣り合っていないのだ。これではすべてのアイドルに満足なプロデュースをすることが出来ない。
 会社にとってアイドルとは商品だ。多くのニーズに応えると言う意味では、現状の346のやり方が間違っているとは言えない。
 しかしその所為で満足に活躍の機会を与えて貰えず、花を開かせることなく消えていくアイドルがいることも事実だった。
 以前、現会長の娘である美城常務がアメリカより帰国した際、彼女は346のアイドル部門の在り方に疑問を抱き、大きく社の方針を転換しようとしたことがあった。
 その際、仕事の方向性を巡って、武内は彼女と意見を対立させた。

 美城のブランドに適した有能な人材を厳選することで、アイドルの持つ商品価値を高めようと主張する常務と、
 アイドルの個性に合ったやり方でプロデュースし、成長を見守ることこそプロデューサーの仕事だと主張する武内。

 主張が対立する中で、二人は一つの賭けをしたのだ。どちらのやり方が346にとって、より良い結果を残せるか否かを――
 結論を言えば武内の企画は成功を収め、その後、専務へと就任した彼女は彼の仕事に口をだしてくることはなくなった。
 だが武内は彼女のしたことが、すべて間違いであったとは思っていない。
 仕事の方向性で意見が食い違いはしたが、彼女は彼女なりにアイドルたちのことを考え、決断したことだと理解しているからだ。

「チャンスは誰にでもあって然るべきだと、私は思います」

 だからこそ、彼女が望むのであれば、笑顔で送りだすべきだと武内は考える。
 誰にでも、チャンスを掴む資格はあるのだから――



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