―シャーリーとルッキーニはマジンガーらに連れられる形で欧州戦線にそのまま
参加した。501所属者では、未来世界の地球連邦軍の戦線に参加した初めての
例であり、地球連邦軍に現地合流の形が取られた。
「あたし達にそのまま連邦軍に合流しろと?」
「そうだ。この戦線の状況ははっきり言って切迫している。猫の手も借りたいのだ」
との事で、2人は連合軍と同じ待遇で迎えられ、斥候に駆り出されていた。2人に伝えられた
アメリカンコミック(リベリオンと言うべきか?)さながらの悪の組織の動きを探れとのことである。
「悪の組織かぁ。漫画みたいだけど本当にあるんだなぁ」
「うじゅ。本当だよね」
「仮面ライダーとかいうヒーローかぁ。少佐の戦友の人たちはその人達を信頼してるみたいだけど、
本当にアテになるのかなか?」
そう。この時点で欧州は「デルザー軍団」と「クライシス帝国」の2つの策謀の舞台となっており、
世界を守っていた歴代のスーパーヒーロー達(仮面ライダーの他にもスーパー戦隊が動いているので)
がその野望を阻止せんと奮戦中である。そんな中、シャーリーとルッキーニを見守る影があった。
「あれが新しいウィッチの嬢ちゃんたちか」
「ああ。デルザーやクライシスの奴らにやらせるわけにはいかんからな。
護衛要請があの子達から来ている」
「そう言うことか」
3人を陰ながら見守る影があった。仮面ライダーX=神敬介、仮面ライダーアマゾン=山本大介(アマゾン)、
仮面ライダーストロンガー=城茂の3人の歴代仮面ライダーである。彼等は加東圭子の要請に答える形で
シャーリー達を見守っていた。
「バルイーグルやチェンジドラゴン、それとレッドファルコンから連絡は?」
「今のところは平穏だそうだが、デルザーは何するかわからんからな」
茂が名を出したのは3人の歴代スーパー戦隊のリーダーの事。彼等スーパー戦隊は仮面ライダーと共に、この時点では次元を股にかけて
活躍しており、クライシスとバダンの新たなる障害として立ちふさがっていた。そのため並の再生組織では太刀打ち出来ぬと
踏んだ暗闇大使は歴代の組織最強を誇った軍団「デルザー軍団」を大首領の御力を借りる形で再生させ、バダンの精鋭部隊
として動かしていた。彼等はバダンが再生させた殆どの他の組織と異なり、元々が大首領が生み出した魔物・怪物、またはその子孫を
更に改造した代物であるため、生前の記憶と人格を保持したままで蘇っていた。その力は歴代組織の大幹部と同レベル以上であり、
ストロンガーにとっては、現役の時代に最も苦戦させられ、パートナーの「電波人間タックル」を葬られた仇敵でもある。
ストロンガー、いや城茂は闘志を燃え上がらせていた。
− 某地
「大元帥。ライダーどもと戦隊どもが動き出したぞ」
「……そうか。来たか」
デルザー軍団は欧州に基地を構えていた。と、言っても過去にGOD機関が残した「アポロン宮殿」の一つを改修し、
再利用しただけであるが。デルザー軍団は過去に構成員をある男によって屠られており、それを用心しての事であった。
その男の名は「ゴルゴ13」。公の場では「デューク東郷」と名乗っていたこの男はあの本郷猛をも超える素養を備え、
大首領は改造人間の素体として欲したもの、逆にGOD時代に痛手を負わせられたため、とうとう彼に手を出すのを控えたほどの実力を備えた
人物であった。
「幸いこの時代にはデューク東郷−ゴルゴ13−はおらん。それだけでも救いか」
「ジェットコンドルの事か?」
マシーン大元帥はデルザー軍団中でも最高の実力者である。その彼をして、ゴルゴはここまで怖れさせるほどの男であった。
Xライダーの時代には、各国
諜報機関の依頼で4人ライダーと共にGODの組織をガタガタし、再編を余儀なくされるほどの
損害を負わせ、ストロンガーの時代ではデルザー軍団の15人(フルメンバー)の内、2人を特別な狙撃銃で狙撃し、
ライダーと戦う前にデルザー軍団の戦力を削り、間接的に仮面ライダーの勝利に貢献した。
そのためか軍団員は警戒心が余計に強くなったのだ。
「あの男は大首領様をも怖れさせた。何せ奴はGOD総司令を屠った程のやつだ。ジェットコンドルの奴が
やられたのも無理かしらぬ事だ」
ゴルゴの仕事ぶりは改造魔人すらも恐れさせるものであった。それを思わせる一コマであった。
「それでイタリアには誰を?」
「ヨロイ騎士を向かわせた。成果を上げてくれるだろう」
マシーン大元帥は懐刀の一人である「磁石団長」にそう漏らした。イタリア程度、改造魔人の力を以てすれば滅ぼすのは
容易いからだ。しかしマシーン大元帥はクライシス帝国への牽制も忘れてはいなかった。ジェネラル・シャドウを向かわせ、
クライシスの兵団長の動きを抑えるのだ。
−こうしたデルザー軍団の策動は動き出していた。それを阻止せんとする3人の歴代仮面ライダー。
ここに再び、デルザー軍団と仮面ライダー達の死闘が始まろうとしていた。
−さて、そんな中、ドラえもんの親友がまた一人、親友テレカに導かれる形で来訪していた。
「ここがあいつらがいる時代か。ケッ、面倒臭え時代にいるもんだぜ」
ドラえもんと同型のネコ型ロボットながらも、牛を思わせるツノを持つそのロボットは「エル・マタドーラ」。
ドラえもんからは「声がドラ◯ンボールZのフ◯ーザソックリ」とネタにされている、
スペイン人らしく、昼寝しないとポテンシャルが引き出せないという弱点も持つ。
ドラえもんの通信に答え、キッドに続いてやってきたのだ。
「ドラえもんはダンケルクにいるっーが、まずはシェスタ、シエスタ……」
……と、この有様である。ドラえもんが呆れるのは、どこでも、例え戦場であろうが構わずシエスタしてしまう性格である。
ドラえもん曰く「エル・マタドーラに連絡とれたけど、アイツ、シエスタするからなぁ」との事。
と、親友ながらも辛辣な発言をするドラえもん。しかし個性派揃いのドラえもんズの中では戦力としてはアテにできる部位だ。
「王ドラを呼ぶのは一番後にしよう」
「どうしてさ」
「王ドラのやつ、インテリだから女の子に耐性ないんだよ。ウィッチの皆は美人揃いだから、もしそんな所にいきなり呼んでみろ。
アイツ、目を回しちゃうよ」
ドラえもんはのび太にそう返す。そういう所はしたたかであった。仮面ライダー1号に護衛されながらの逃避行中にも親友テレカでしっかりと
親友たちと連絡しておいてるのだが、呼ぶ順番を考えているのは流石であった。続いてはアラビアにいるドラメッド三世(一世や二世が居たかは定かで無い)
である。
「あ、ドラメッド?」
「ドラえもんであるか?久しぶりであるが、どうしたであ〜る?」
「キッドから話が行ってると思うけど、ぼく今大変なの。来てくれる?」
「例の鉄人兵団のことであるな?お安い御用である」
「そりゃよかった!……ん?もしかしてドラリーニョもそっちにいるの?」
「そうであ〜る。さっきからボールを蹴りまくっておるぞの……」
「あ、ドラえもん〜久しぶり〜」
「や、やあドラリーニョ……相変わらずだね」
ドラえもんは「ドラメッドあるところ、ドラリーニョあり」というほど二人がワンセットでいる場合がこの頃多いので、
一石二鳥とばかりに二人に事情を改めて説明。とりあえずこの二人はOKである。
「さて……ザ・ドラえもんズが揃うかな」
「もしかしてドラえもん。栄光の七人ライダーに対抗心持ってる?」
「うっ!」
ズバリ図星であるようだ。仮面ライダー1号からストロンガーまでの七人は後輩達、はたまたスーパー戦隊達からも「栄光の七人ライダー」と、
畏敬の念を持って呼ばれている。それにドラえもんは対抗心を持っているのだ。ちょうどドラえもんズの正式メンバーは七人なので、
ドラえもんはライバル視しているようだ。1号はそんなドラえもんの姿を微笑ましく思い、仮面越しに微笑んだ。