――ついに開始された厚木基地攻略。バスターランチャーとディバインバスターの光がレーダー施設をなぎ払い、航空戦力が近接航空支援と制空を同時にこなす。強行着陸したミデアから、歩兵部隊が続々と降りてくる。その中には幹部らの姿もある。人員不足なために、幹部らも前線に赴いているのだ。小銃は21世紀より使用され続けているAKシリーズ、その実体弾式ではほぼ最終型のAK-12であった。幹部らを含めた歩兵部隊は、一番屈強な空間騎兵隊出身者を先頭に突撃する。なのはは上空援護に向かう。幹部らまで参陣するとは思ってもなかったからだ。
「え!?何やってるんですか、皆さん!?」
「おお、君か。人手不足なものでね。儂らも出ることにしたのだよ」
「は、はぁ。ほ、本当に大丈夫ですか?」
心配するなのはに、幹部の一人であるコーウェン中将は不安を払拭するように、かっかっかと笑い飛ばす。
「なあに、これでも若い頃は君たちのように鳴らしたものだ。老いたとは言え、伊達に軍人はやっとらん」
コーウェンはなのはを小銃で援護する。若き日の腕は衰えていないようで、百発百中である。AK-12の5.56x45mm弾が正確に敵歩兵となぎ倒すが、思いの外、効果があった。敵のレーザーライフルが火災の煙や大気中の屈折率などの関係で拡散してしまい、思うように当たらないのに対し、『原始的』な火薬と薬莢を使う実体弾ライフルは『当たっていた』。連邦側が熱探知センサーや歩兵用レーダーなどのハイテク機器を精鋭に与えていた事もあり、暗黒星団帝国の兵達は連邦兵を一人倒す間に10人がなぎ倒されるくらいのキルレートの差が生じた。
「こういう乱戦だと、あたしの魔法じゃ火力あり過ぎるな。誰か、小銃を!」
「おい、中尉に銃を!」
「ほいっさ」
空間騎兵隊出身の兵士がなのはにAK-12を予備マガジンと共に手渡す。乱戦では魔法の大火力は過剰なため、ここは銃を使うことにした。正規の訓練は受けているので、AKはもちろん扱える。セレクターを三点バーストに合わせたりし、射撃準備を整えると射撃態勢を空中で取り、見越し射撃で当てていく。
(『別の自分が見たら、涙目確定だな。環境が違うからってのもあるけど)
なのはは以前の出来事を思い出したのが、苦笑する。得物をアサルトライフルに替え、バリアジャケット姿で『戦争をする』など、別の自分が見たら涙目になるのは間違いなしだが、世界は違えど、故郷である地球を蹂躙する者を生かして返すわけにはいかないと戦う。それが彼女があくまで『地球人』としての矜持を貫く事を選択した証でもあった。
「司令部を抑える!A班は突入せよ!B班は管制塔だ!」
厚木基地の施設の内、その中枢となる管制塔や司令部を抑えるのが歩兵部隊の役目であった。なのはの直掩を受けつつ、歩兵部隊が突入していった。
――箒達は飛行場西側の窪地を抑えるべく、別行動を取った。装甲部が小型化されたおかげで歩行機能も増強された故、陸戦での立ち回りが可能になったからだ。西部には燃料タンクがあり、そこを抑えられれば、奪還後にコスモタイガーや可変戦闘機など以外の熱核タービンを搭載していない支援用『航空機』の航空燃料を手に入れられ、軍事的自由度が増すからだ。連邦軍には、熱核タービンを搭載していない航空機は旧式機や輸送機、連絡機などを中心に、OTMを用いない在来技術製の大気圏用航空機も少なからず残存していたため、空中給油機などの概念は途絶えていない)
「シャル、あそこの陣地をライフルで黙らせろ!」
「OK!新装備の威力、確かめさせてもらうよっ!」
歩兵が陣取る陣地を沈黙させるべく、シャルは作戦に当たって、従来の装備から変えた新装備を使用した。MSの武装をIS用にダウンサイジングしたもので、ジェガンのそれをIS用に再構築したビームライフルだった。基本構造は同じで、同時にオプション装備として、ガンダムmk-Uのバックパックのダウンサイジングしたものが開発されていたが、それは間に合わなかったため、武装のみがパルチザンに納入されたというわけだ。
「そこっ!」
取り回しに優れた短銃身型ビームライフルなので、使用法は元々の実体弾式機関銃と特段変わらず、連射性の高さを垣間見せた。Eパックも実体弾マガジン同様の取り扱いができる事から、シャルとしては実体弾式と同じ感覚で使用出来た。
「前と特段変わらない……ビーム兵器なのに、実体弾扱う感覚でやれるってのは、良いね」
シャルはジェガンダウンサイジングのビームライフルを気に入ったようで、好感触らしい。
「私も負けてはおれんな……はああっ!」
箒はバスターランチャーを使用している都合上、固定兵装の刀では、バスターランチャーと干渉する取り回し面の都合、刀を使うことで生じる運動モーメントの観点から、今回はオプション装備として携行したビームサーベルを接近戦で使用した。(形状はSガンダム用)高出力ビームサーベルであるので、切れ味は雨月などと比べても遜色はなく、接近し、横合いから兵士を斬り裂く。
「ふむ、射撃武器を手放せない時にビームサーベルは取り回しやすいな。常備するようにするか。セシリアにはちょうどいいと思うが……」
「どうだろう?セシリア、接近戦の素質は殆どないからねぇ。バダン相手には、殆ど立ち回れてなかったし」
「代表候補生の割には、技能特化の感強いな。セシリアは」
「BT兵器適正を重視したんだろうね。代表候補だから、そこそこできるはずなんだけど、圭子さんに模擬戦で負けたしね」
シャルもバダンとの数度の交戦を経ているため、僚友のセシリアの素養が射撃戦に特化している事を実感していた。そのため、接近戦に持ち込まれると、生身の圭子にさえ遅れを取る(圭子が熟練した職業軍人である上に、未来世界でかなり体を鍛えていた事もあるが)始末であると、箒に言う。箒は圭子が光戦隊マスクマンのブルーマスク=アキラ、五星戦隊ダイレンジャーのリュウレンジャー=天火星・亮と親交がある事を思い出し、納得する。
「そうだろう。ケイさん、かなり鍛えてるからな」
「この戦いが終わったら話すよ。セシリア、その時は完全に意気消沈したから」
「さては、あの手刀をやったな?セシリアも可哀想にな」
シャルの言葉から、圭子が模擬戦で、マスクマンの協力で会得した『鉄拳オーラギャラクシー』をセシリアに使い、スターライトmk-Vでも斬り裂いたのだろうと見当をつける。あの天下無双(何気にギャラクシーロボはマスクマンの手に渡って以後は全勝である)の手刀を見せつけられれば、戦意喪失もやむを得ない(プライドが高いセシリアなら、尚の事)からだ。陣地からはパニックになって、レーザーライフルをやたらめったに乱射する恐慌状態の若い兵隊たちの姿が見える。箒はビームサーベルを一旦しまうと、せめてもの慈悲とばかりに、開いている左拳を前へ突き出し、一瞬で死ねる光速拳を放つ。IS越しだが、威力は同じだ。
「アトミックサンダーボルト!!」
小宇宙の応用で放つ、一秒間に一億を超える数の拳。それを傍から見ると、雷の光弾が相手を滅多打ちにしているように見えるが、ある程度は威力の調整が効くようで、陣地だけを上手く吹き飛ばす。
「箒も大概だと思うわよ?それ。」
「は、はは……そうだろうな」
鈴が出力がアップした衝撃砲を放って、陣地を虱潰しにしながら言う。アトミックサンダーボルト一発で衝撃砲が玩具に見える破壊力があるというのは、人間が持つ力の範疇でいうならば破格のものだ。しかも、極めれば神に立ち向かえるレベルになるのには驚きだ。
「でも、ガンダムファイターは普通にMS壊せるし、その点で言えば不便だよ、鈴」
「あれはもう人外じゃないの。ガンダムは拘束具みたいなもんだし」
鈴はガンダムファイターをそう例えたが、あながち間違いでない者がいる(東方不敗マスターアジアなど)ため、シャルも思わず納得してしまう。
「ん、警備車両か。鈴、衝撃砲で吹き飛ばしてやれ」
「了解ぃ!吹っ飛べぇ!」
鈴が車載機銃を撃ってくる警備車両(地球連邦軍の残置物を流用)を衝撃砲で吹き飛ばす。被弾面積の都合で装甲の小型化と同時に衝撃砲もサイズが縮小されたが、作動に必要なエネルギーが減り、相対的に出力が向上する副次効果が生まれ、以前より早い間隔での連射が可能になる『嬉しい誤算』である。
「よし、私とシャルは航空部隊の援護に向かう。鈴はここを維持していてくれ」
「OK」
箒はシャルを引き連れ、航空部隊の援護に向かう。航空部隊が一番激戦だからで、いくら楯無(刀奈)がいるといっても、数が多い。それを鑑みてのものだった。
――航空部隊は暗黒星団帝国側が神奈川県に展開している全ての部隊を呼び寄せた事もあり、混戦に陥っていた。
「ジャイアン、後ろに気をつけてよ?Xウイングはドロイドが後方警戒も兼ねてるんだから」
「わかってらい!」
ドラえもん達はスクラッチしたXウイングで空戦に臨んだ。スネ夫のこだわりで空戦メカになったが、別の理由もあり、ラジコン戦車ではアンテナが露出する弱点があり、PCIAのドラコルル長官にそこを突かれた反省から、操縦系の装置を内蔵する実際のメカの方式にこだわった結果でもあった。
「来た来た、当たれよ!」
ジャイアンは操縦桿のトリガーを引き、レーザーキャノン(地球製のパルスレーザー)を引く。射界が広いおかげもあり、攻撃は見事にイモムシ型戦闘機に命中し、同機を空中分解に追い込む。ジャイアンは機をすぐに上昇させ、敵機を探す。その動きは訓練された軍人達も関心するほどだ。しずかはメカトピア戦の際には前線にそれほど出ていないが、今回はPCIAとの戦いの時以来の空戦センスを見せた。
「来たわね」
ラダーによるヨーイングと機体に備え付けられた高機動スラスター(コスモタイガーを参考に追加した)と併用し、敵の機銃掃射を見事に回避し、ループで後ろに回り、そこからハイ・ヨー・ヨーを用いて(しずかには、そのようなミリタリー系の知識はないが、戦いで自然に身についていた)高度を取りながら追従し、レーザーキャノンを撃ち、敵を落とす。普段は戦いを嫌う傾向がある彼女だが、いざという時には、やるタイプなのが分かる。
「ドラちゃん、のび太さんはどう?」
「のび太くんは射撃の名手だぜ。最大射程での大角度の見通し射撃を当ててるぜ」
ドラえもんは改めて、のび太の射撃が天才であるのに舌を巻いたらしい。このような射撃主体である空戦では、のび太は抜群の働きを見せるのが分かる。遠目にのび太機が暗黒星団帝国の重爆撃機を誘爆で5機を一度に屠る芸当を見せるのが見え、地上部隊を火炎で焼こうとした新イモ虫型戦闘機を落としながら、追随してきた推力で振り切る様子も見せた。これには楯無も驚く。
「参ったわね。子どもたちがあんな芸当を見せちゃ、お姉さん形無しだわ」
ドラえもんらの戦闘での働きに、危機感らしきものを抱く楯無。彼女のIS『ミステリアス・レイディ』は連邦軍による改修が今次作戦に間に合わなかったため、『本来のサイズ』のままである。だが、彼女のポテンシャルの高さが幸いし、暗黒星団帝国戦闘機郡相手にも十分に渡り合う。形無しと言いつつ、イモムシ型戦闘機を胴体から槍(蒼流旋。ただし、バダンの改造人間には打撃力不足で、ほぼ歯が立たなかった反省で、独自にランスを纏う水の高周波振動係数を上げたりしているが)で貫いて串刺しにする辺り、やることはきっちりしている。箒らの機体が高性能化(改修と自己進化)しているので、スペック面では水を上げられたが、そもそもの技能が教師除けば『学園最強』を謳われる程だった故、技能でその性能差を補い、空戦の一翼を担う。むしろ彼女が驚いたのは、『マッハ5で飛び、ISに引けをとらない旋回性能を持つ連邦の戦闘機』であったりする。
「ちょっとはお姉さんもいいところ見せないとね♪」
楯無は相性が悪い相手との戦闘が続き、ここのところは敗戦続きであったが、久方ぶりに優勢な立ち回りを見せていた。箒が射手座の聖衣を得たと知ると、がっくりと落ち込んでしまう(自分も聖衣を着たかったらしい)という茶目っ気ある側面もあるが、だいたいは真面目である。ランスとナノマシンを駆使し、未知の相手に挑む。自分が恒星間国家同士の戦争に一枚噛むとは思わなかった彼女だが、地球が蹂躙されるのを黙っている性分ではないため、半ば、IS学園上層部から仰せつかった『本来の任務』(箒らの機体の詳細な技術データの回収やISを得た連邦の動向調査)を放棄して戦っていたりしている。(千冬も楯無の動きを黙認している。彼女は連邦との関係を壊しかねない学園上層部の強硬派の動きを危惧していたし、気まぐれな束の事もある)
――楯無は代表候補性らに近い立場を取り、同時に千冬の手足となっているという複雑な立ち位置だが、千冬が束の手綱を握るのに必死になっているのは知っているため、千冬以外の学園上層部の命令は聞くつもりはない。そのため、パルチザンへの参加は彼女自身の意志であった。
(学園の上や各国の政治的意図はどうでもいいわ。この戦いは私個人の意志。『更識楯無』じゃなく、『更識刀奈』としての。これは簪ちゃんや私を助けてくれた光太郎さんへの恩返しでもある)
楯無は南光太郎が一夏と、実妹の簪を助けた事を恩義と感じており、パルチザンへの参加はその恩義を返す意味も兼ねていた。蒼流旋とナノマシンを駆使し、戦場を舞う彼女の心中は複雑であるのが窺えた。
――MS隊も移動本部が大気圏突入した後に空挺降下し、第一陣の20機(構成はジャベリン、ジェガン、バーザム、ジェイブスなどの新しい機種。バーザムは原型通りと、現地改修でバージム化がなされた機が多く、実質はバージムである機体も多い)が参陣する。ジム系であったりティターンズ系であったりとバラつきがあるが、高練度兵が操縦した事もあり、暴徒鎮圧目的に使われる事が多い掃討三脚戦車を翻弄し、大暴れする。61式戦車隊も戦車の意地を見せ、支援砲撃で活躍する。当然ながらパルチザンは無傷でなく、61式戦車隊は大口径光線砲で十両が天蓋装甲を狙撃されて炎上し、戦闘機は数に押され、4機が操縦不能になり、不時着している(乗員は無事に脱出)などの損害を負っている。多勢に無勢なパルチザンとしては中々に痛い損失だ。
――暗黒星団帝国側 司令部
「第二艦隊の航空機も回せ!奴らを捻り潰すんだ!」
数でゴリ押しすることしか頭にない上級将校。それを冷ややかな目で見つめる一人の若手将校がいた。ミヨーズ大佐。地球で言えば20代に相当する若年でありながら大佐の階級を拝命し、先帝『グレートエンペラー』の秘蔵っ子と言われる俊英である。彼は厚木基地の防衛担当将校の参謀として派遣されたものの、司令官との折り合いが悪く、冷遇されていたが、有能なので人望があり、用兵家としても知られていた。そこで彼はパルチザンへ一手を打った。それは……。
「レーダーに反応!こ、これは黒色艦隊の艦隊です!」
「なんですって!?」
移動本部を預かる立場の加藤武子は焦った。暗黒星団帝国の艦はどれも恒星間航行可能。内惑星航行すら覚束ないペガサス級強襲揚陸艦(最終ロット)でどうにかなる相手ではない。
「どうします!?」
「本艦の力では、『戦列艦で超弩級戦艦に挑む』ようなものよ。砲撃でどうにかできる相手じゃ無いわ。それに空母は衛星軌道上よ。こうなれば、彼にやってもらうしかないわ」
武子は移動本部で出撃可能となっていたスーパーロボットである『ブラックゲッター(敷島博士が継ぎ接ぎした機体のほう)を出動させた。スクランブルに、慌ててパイロットスーツに着替えた竜馬はゲッターと自分とに横たわる因縁や因果を実感し、溜め息をつき、早乙女研究所の事故以来の久方ぶりにゲッターを操縦した。
『ブラックゲッター、発進する!!』
ゲッターGのボディを持っているので、飛行機能は備えている。そのため『ゲッターウイング』でなく、『マッハウイング』であったりする。ブラックゲッターは『マントを翻しながら』、暗黒星団帝国艦隊の前に姿を現した。
「な、何なのあのロボは!?継ぎ接ぎだらけじゃないの!?」
楯無も思わず、そう言ってしまうほどの継ぎ接ぎなブラックゲッター。大まかにゲッターG、真ゲッター、旧ゲッター、ゲッター號、ゲッター2などの寄せ集めであるため、右腕部と左腕部の太さが違ったり、右腕のアームの中央部にドリルがあるなどの凄まじい工作具合がわかる。
『おい、そこのねーちゃん!死にたければブラックゲッターの後ろに下がりな!』
「は、はい!」
ドスが聞いた竜馬の声に、思わず従ってしまう楯無。それを確認した竜馬は右腕部ドリルを全力回転させ、電光を引き起こし、竜巻を起こしながら構える。真ゲッター2が使う『ドリルテンペスト』だ。
『本来は隼人のやつの専売特許だが、喰らいやがれ!!ドリルテンペスト!!』
ドリルからプラズマを帯びたハリケーンを放ち、暗黒星団帝国の艦隊をハリケーンで吹き飛ばし、衝突させたりして混乱させる。駆逐艦程度の推力では姿勢制御すらままならぬままに衝突し、破壊する。別名に『プラズマドリルハリケーン』がある。
『お次はこれだ!ダブルトマホーク!』
ブラックゲッターは、そのボディがゲッターGなため、内蔵されるトマホークはダブルトマホークである。それを取り出し、通常腕部である左腕で持ち、斬りかかり、巡洋艦を『叩き割る』。竜馬はドリルよりはトマホークのほうが性に合うで、大暴れである。竜馬個人としては荒い操縦なようで、それが反映された荒々しさである。巡洋艦を意に介さず、お次は戦艦である。
『ドリルロックバスター!!』
「か、かっこいい……」
竜馬も装甲が厚い戦艦相手には、ドリルを使うようで、合成鋼G製のドリルが凄まじい音とともに回転し、戦艦を下から突き上げるように突き刺す。これに何かのインスピレーションを得た楯無は年甲斐もなく(?)ガッツポーズを取りながら、ブラックゲッターを応援した。そういうところは、やはり更識簪の姉であった。
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