短編『のび太と出木杉英才の歴史散策』
(ドラえもん×多重クロス)



――のび太は2000年の春休みに出木杉英才に歴史上の大量殺人事件の事を訪ねた。これは春休みに繁華街の名画座で「八つ墓村」がのび太の好きな西部劇映画とセットで上映されており、否応なく見るハメになったからだ。ここから出木杉の話が始まった。

「八つ墓村のモデル?」

「うん。やたら凄かったんだけど……アレは本当にあった事件が基なの?」

「ああ。戦前の岡山は津山で起こった事件がアレのモデル。ちょうど日中戦争が激化していた1938年の事。当時、そこのある集落に一人の男がいた。そいつは肺結核を患い、軍隊の徴兵試験に落っこち、遂には女に逃げられてしまった。それであの事件を起こしたというのが実際のところ最も真実に近いとされているんだ。もっとも、犯人が死んでるからそのへんは謎でね。」

「へぇ……」

「それよりももっと恐ろしいのがある。原爆炸裂時の広島と長崎だよ。あれほど人の手で地獄を出現させた例はないさ。22世紀のコロニー落としや反応弾のようにわからないまま逝けるようなものじゃなかったからね……」

出木杉は原爆炸裂時の広島と長崎を地獄と評した。22世紀で使用されている反応弾に比べればおもちゃのような威力であった初期型原爆でも木造建築やレンガ造りの建物が多かった当時の日本の大都市を灰燼に帰すには十分な威力を発揮したからだ。





「原爆の炸裂時に爆心地にいたあらゆる生き物は生きながら5000度近い超高熱で全ての水分が無くなった消し炭にされていった。だけど巷で言われる、人そのものの蒸発はしなかった。ほら、人が焼き付いたなんて言われる岩があるだろ?あれは確かに人体の一部が焼かれて石に焼き付いたには違いないけど人そのものじゃない」

出木杉は悲惨な光景を時折吐き気をもよおしながらも話す。それは下手な学校の授業よりも遥かに臨場感や説得力のあるものだった。

「終わった後も生き延びた多くの人達が苦しんだのは周知の通り。アメリカ軍とかの捕虜も実は死んでいるからね。中にはたまたま入院先に原子学の権威だった博士がいて、その看護を受けて安らかな最期を迎えた人もいるけどね」

熱弁を振るう出木杉。ここでのび太は疑問に思ったことを聞いてみた。軍部が長崎原爆を阻止しようとしなかったのか、だ。

「なんで広島がやられた後の長崎を止められなったの?」

「諸説ある。有名な説に、陸軍の情報部のある高官がその情報を握り潰して前線部隊に伝えなかったって説。長崎にはB-29を止められる可能性があった海軍の航空部隊が配置されてたから戦後にTVとかで伝えられてる。それが紫電改の343空だったから有名になったんだけどね。実際はその頃には343空もエースパイロットを失って死に体だったから撃墜できたかは疑問だけど」




出木杉の言う通り、確かに長崎原爆の時には長崎に日本軍の希望の一つだった紫電改を持つ第343海軍航空隊が待機していたという記録がある。だが、その343空も長崎原爆の際にはもはや死に体同然の様相であった事は知られていない。中核であったエース級搭乗員も大半が戦死した状態に陥った343空が原爆搭載機のボックスカーを落とせたかどうかは微妙である。

「その時の恨みが君が出会ったウィッチが住む世界でのティターンズの戦略爆撃の根拠になってると思うよ。数百年前の恨みなんて普通はちゃんちゃらおかしいと思うけど、アメリカが超大国になってからやってる事を知ってる身から言えば“超大国になる根を完全に摘む”考えを持っていても不思議じゃあない。もっともどっちもどっちだし、されたほうにしてみれば、はた迷惑なだけだけどね」


出木杉はのび太から聞く形でティターンズなどの存在を知ったが、ティターンズのリベリオンに対しての熾烈な戦略爆撃の裏を図らずも読んでいた。ティターンズには未来のアメリカの行為を知っているために、リベリオンが超大国化するのを未然に防ぎたい思惑が少なからずある。しかしリベリオン政府にとっては“理由が分からないのにそれで断罪されるのは理不尽だ!”いうもっともな理由がある。

「因果応報って言葉があるけど、アメリカが行った行為のツケが異世界の姿であるリベリオンに回ってきたというべきだろうね」

出木杉は冷静にリベリオンへのティターンズの攻撃をそう評する。妙に冷静な声で言うのでのび太は薄ら恐ろしくなった。


「ツケ?」

「そうさ。アメリカは超大国になった後は世界の警察を自負してそういう風に振舞っている。9年前にソ連っていう唯一の対抗馬が消えた後は世界を支配してるつもりでいる。それがあの国の傲慢なところさ」

小学生とはとても思えない言葉である。やけに大人びた発言だが、出木杉がいう事は説得力がある。それもそのはず。アメリカが熟成させた文化はある宗教の過激派の間では嫌われている。それが後々に中東地域の国家が色々な理由で黎明期の地球連邦に戦いを挑んだ要因の一つであるのはのび太は知っていた。




「そう言えば地球連邦政府に反発した国家が多かったって聞いたなぁ。どうしてなの?」

「それはそうさ。日本や英国とかの大国が強引に宗教や政治、経済……文化。それらを無視して強引に一つにしようとすれば反発は当然起こる。いくらマクロスが落ちてきたからっていっても、日英米仏独に反発していた国家は反発するに決まってる。技術と富の独占にね」

そう。地球連邦政府の誕生に関わったかつての大国達はマクロスが地球に墜落したのを期にその軍事力を一つに再編し、軍事力で世界統一を推進した。それが他の国の抵抗を産み、統合戦争という大戦にもつれ込む結果として表れ、大国間での主導権争いも起こっていった。(因みにその内のアメリカは衰退気味の国力を原因に、地球連邦内での自国の発言力が小さくなるのを恐れた当時の大統領が日本に喧嘩を売って戦争に敗北した事でアメリカ合衆国の政治的発言力の衰退を招いてしまったとか)

「統合戦争っていう第4次世界大戦は世界の再編を促し、米国は衰退して代わりに日本や英国が覇者として君臨するようになった……。これをもし今のアメリカ人に言っても一笑に付されるだけだろう。アメリカ人は二次大戦以降、自分たちが常にNo.1と信じて疑わない気質があるからね」

のび太達が生きた時代からそう遠くない未来に起こる統合戦争で生じた世界の再編はアメリカ合衆国時代の終焉と地球連邦時代の到来を決定づけた。その過程で連邦を混乱させたアメリカ合衆国が長らく連邦内で疎まれるハメになったのは言うまでもない。


「だろうね。未来の情勢は複雑怪奇だって言うのは間違いないよ」

「平沼内閣じゃあるまいし。今の情勢から言えば複雑怪奇なのは間違いないけどね」

のび太ははここで妙に博識なところを見せた。日中戦争が激しさを増し、欧州で二次大戦が起こった年に組閣された平沼内閣が歴史に残した迷言を引き合いに出す。(ウィッチ達の世界で存命している当人が聞いたら憤慨間違いなしである)

「その中で兵器がどんどん発達し、遂にはモビルスーツや可変戦闘機、スーパーロボットが生まれていった。未来科学の象徴だね……。随分戦争も先祖返りしたものだ。まぁボタンひとつで都市が吹き飛ぶ今に比べればある意味では遥かにいいかもね」

出木杉は戦争の様相が、ボタン一つで都市を吹き飛ばす、言わば“ボタン戦争”から人型兵器などを介した第二次大戦時のような通常兵器主体の戦争に未来で立ち返る事に安心感を垣間見せた。

「野比くん、50年代に有名になった破滅ものSFに“渚にて”ってのがあるだろ?」

「うん。前に名画座でパパと一緒に見たよ」

「あれだと核戦争の放射能が世界を汚染して人を滅ぼすなんてなってただろう?実際、1960年代の核実験が盛んだった頃には島一個が完全に吹き飛ぶ実験が平気で行われた。だから科学者達は核の冬を恐れ、意図的にソ連に原爆の技術を流すことで均衡を測り、冷戦を支えた。米国一国の覇権は危険と考えたからだ」

そう。かつての米大統領達は米国が世界で唯一、都市を吹き飛ばす爆弾を有することによる恒久的覇権を目論んだ。だが、一国の単独覇権を危惧した科学者らが各国にその技術を拡散させた事でその目論見は崩れた。結果としてその状態が終わり、一つに集約されるのは地球連邦樹立を待たねばならない。

「地球連邦も官僚の腐敗が極限になったらコロニーが独立宣言するわで大変そうだね」

「そうなんだ。これが不思議な話でさ。一つの世界政府が生まれるのを理想にしてた時代があるはずなのに、相次いで独立宣言するコロニーが出るわ、反政府組織が生まれるわ……」



のび太は未来世界の地球圏で相次ぐ闘争を揶揄する。ただの小学生ではない彼は時代ごとに形を変えて起こる戦争を揶揄したくなったのだろう。

「皮肉だけど、人間にはどんなに金がかかろうが虚しかろうが、戦いを本質的には捨てられない動物的本能があるんだ。それが文明を進化させる。地球連邦の例から言っても明らかだよ、野比くん」

出木杉は文明の進化に戦争は欠かせないのだという持論を展開する。それは間違いではない。地球連邦時代の戦争はモビルスーツなり可変戦闘機の実用化を促し、スーパーロボットの概念を決定づけた。小学生の次元を超越したレベルの会話だ。大学生でもここまでの次元に達していないのだ。出木杉と対等の立場で話についていくあたりは、普段は0点の天才の評を不動のモノにしているのび太の非凡な一面が垣間見えていた。



















――野比家は一時の喧騒が収まり、元の静けさを取り戻していた。だが、ドラえもんの手によって地下は秘密格納庫と化していた。それをドラミに明かしていた。

「ドラミ……見て驚くなよ?」

電子ロックを解除し、格納庫の中に入る二人。そこにはYF-29以外にも、試作兵器が増えていて、新コスモタイガー指揮官仕様機の試作機、240ミリ滑腔砲を備えた戦車の試作車などが整然と並んでいた。更に試作MSとして、ジェガン系の機体の姿もある。

「お、お、お兄ちゃん……何これ!?」

「僕達の世界よりも後の時代の最新兵器だよ。ぼくが軍から正式に依頼を受けて管理している。お前に見せたのは知っておいて欲しいからだよ」

拡充された格納庫に並ぶ兵器は2125年の兵器よりも未来的なものばかり。ドラえもん曰く、「23世紀の最新科学の塊」らしいが……。

「23世紀のものをどうしてお兄ちゃんが管理してるの?」

「23世紀は戦争やテロでお世辞にも治安がいいとは言えない状況でね。そこでぼくにお鉢が回ってきたのさ。道具関係の技術は戦争でほとんど失われたから、それを持つぼくをアテにしてんの」

ドラえもんは23世紀では稀有な存在と化している。それを暗に示すかのような言動に、ドラミは不安を覗かせる。




「大丈夫なの、お兄ちゃん」

「心配するな。ドラえもんズのリーダーなこのぼくは死なないさ」

「余計に心配だわ。ほら、いつだったか……ロボット学校で……」

「それを言うなよ……」

ドラミが言うのは、ドラえもんの時代で起こったロボット学校のある事件のことである。その際にドラえもんはいいところ無しだった。それを言われ、落ち込むドラえもん。格納庫内に電話音が響き、ドラえもんが受話器を取り出す。

「はい……あ、鈴さんですか?なんでまた……そうですか。格納庫にいるんで来て下さい」

ドラえもんを訪ねてきたのは凰鈴音だった。この時期には箒を介して面識が出来ており、ひみつ道具を何個か貸し借りする程の仲であった。数分ほどして格納庫のドアが開き、鈴が姿を見せる。

「ヤッホー〜ドラえもん。グルメテーブルかけ返しに来たわよ」

「鈴さん」

鈴が姿を表わす。ツインテールな勝気そうな美少女と兄が親しげに会話する様に驚き、言葉も無いドラミ。





「ドラミちゃん…だっけ?あたしは凰鈴音。あなたの兄さんの友達。よろしくね」

「ドラミです。お兄ちゃんがあなたみたいな人と親しいなんて……驚きです」

ドラえもんの人脈に改めて驚いているドラミ。知らぬ間に交友関係を広めていたとは、といった感じだ。もっともドラえもんは今や軍高官やエースパイロット、スーパーヒーローに至るまでのある意味宇宙一凄い人脈を誇る、連邦政府の重要人物認定を受けているのだが。


「これくらいで驚いてちゃついてこれないわよ。ドラえもんは政府の大統領とサシで対談できるんだから。VIPよVIP」

「お兄ちゃんがVIPぅ!?」


鈴は23世紀世界では、ドラえもんは22世紀最後の戦争の終結に貢献した功績によってVIP待遇を受けており、ひみつ道具のテクノロジー復興の支援をするなど、何気に平和に貢献しているという事を話す。元からタイムトラベル関連事件でタイムパトロールから一目置かれていたドラえもんは23世紀の世界でVIP待遇をされるのも理解できたが、大統領と対談する光景が想像できないらしく、吹いてしまう。

「あ、はい。グルメテーブルかけ」

「ありがとうございます」

「今月は仕送り使い込んじゃったから助かったわよ」


「いえいえ。ぼくにできることならなんでも言って下さいよ」


ドラえもんにグルメテーブルかけを返す鈴。鈴曰く、色々買い込んでしまって食費が足りなくなってピンチに陥った時、ドラえもんを紹介してもらい、グルメテーブルかけを借りて難を逃れたというエピソードを紹介する。ドラえもんに会いたいと願っていた鈴であるが、思わぬ形で叶ったのだ。

「兵器がずいぶん多いわね〜」

「試作兵器の置き場所になってますからね。YF-29からジェガン系のモビルスーツまで海千山千ですよ」



格納庫には陸空の新兵器が置かれており、どれもが万全の整備を施されており、今直ぐに実戦使用が可能である。玉子が見たら“捨ててらっしゃい”と怒鳴るのは間違いなしであるだろうが、実弾を装備した実物の兵器なので捨てるわけにはいかない。それ故に幾重にも電子ロックを掛けて保護しているのだ。

「お兄ちゃん、モビルスーツって何?」

「23世紀で兵器の花形になってる搭乗型人型巨大ロボット。核融合炉やそれ以上の機関で動いて、人と同じように色々な武器が持てるようになってる。最新型だと空飛べるよ」

「巨大ロボットが普及してる世界か……ちょっと想像できないわ……」

「んな事言ってたらあたしが使ってるのなんてもっと理解できないわよ」

「確かに。鈴さん。甲龍を展開してみて下さい」

「OK」

鈴は自身のISを展開し、ドラミに見せる。これにドラミは唖然としてしまった。見た感じは戦闘用パワードスーツのようだが、装甲が少ない印象である。22世紀前半時に米軍や日本国防軍が使っているモノに比べるとSFチックな外見かつ、軽装に見えたからだろう。

「パワードスーツにしては軽装な感じですね。もっと重装備かと」

「これはバリアがついてるから見かけの装甲は軽めなのよ。もちろん性能は学園都市のよりも段違いに上だけど」


ISのパワードスーツとしての性能は流石に三大宇宙刑事のコンバットスーツには及ばないところがあるが、一部ではそれをも超えるところがある。その辺は篠ノ之束の思考がバード星の科学をも上回っていたところである。

「そうそう。ちょうどいいから買い物行ってくるわ。のび太の母さんに買い物頼まれちゃっったのよ」

「ママ……」

ドラえもんはお笑い芸人の如くずっこける。のび太の知り合いだと言ったら買い物を頼む当たり、玉子も慣れてきているらしい。それに先に箒がISで飛行しても不審がられなかった(警官でさえ突っ込まない)のを聞いていた鈴は意気揚々と甲龍で秘密格納庫の発進口から発進し、買い物に出かけた。




















――鈴は秘密格納庫の長い発進口を飛ぶ。地下深くのようで、中々出口にたどり着かない。


「ちょっとドラえもん!これ無駄に長くない?」

「それはウチのママや学園都市から隠すためですよ。ママに見つかったらまずいですし、学園都市に見つかったら悪用されるでしょう?そのために地下に隠してるんですから」

ドラえもんが地下室を作った理由は二重。一つは玉子にバレないように。もう一つは学園都市の魔の手から23世紀製兵器を守るため。サ●ダーバードを思わせるシークエンスを踏んでいる。




「それじゃ行くわよ!」


出口から出て、巡航速度で商店街へ急行した。箒の言葉通り、ISで飛んでも突っ込まれない。それどころか、自分の姿を見た小さい子供から手を振られるのだから驚きだ。この世界の人々は学園都市という普通なら非日常的な光景も実現させられる場所が存在している故か、ドラえもんが街を闊歩していても何ら気にすることがないだろう。そう目星をつけた鈴はそのまま商店街で玉子に頼まれた買い物を始める。ピッツアを作るつもりらしく、ピザ生地の材料やベーコン、チーズなどを買うようにと書かれたメモが渡された買い物袋に入っていた。戦闘用として転用可能なパワードスーツを纏った姿の得物が買い物袋というのはシュールであり、彼女自身も自覚していた。



「すいません〜ベーコン下さい」

「あいよ」

ISを展開したままで買い物をする鈴だが、この街の人々は既に慣れてしまったらしく、普通に応対する。この街の商店街は戦前に建てられた看板建築が改装されながらも未だ多数が現役であり、レトロな雰囲気を感じさせる。そのためか商店街の店主もいい意味で昔の雰囲気を伝える。最初に立ち寄った肉屋では、鈴が容姿端麗な美少女なためか、肉屋の店主が気を使って良い肉を売ってくれた。正に美形はこういう時に得をするのだ。

「次はピザ生地か……パン屋で売ってるかな?」

パン屋に行くと、ピザ生地として出来上がっているものを紹介してもらい、それを買う。次の店に行く途中で気づいたが、この商店街は『賑わっている』。

「そう言えばこういう小さい商店街がこんなに賑わってるのって初めて見るなぁ……元の世界だとシャッター通りなんてよく聞くから」

この街は駅前商店街と大手チェーンのスーパーマーケットが共存に成功した例らしく、スーパーマーケットが存在していても商店街はとても賑わっている。鈴の生きる21世紀中頃では“シャッター商店街”の問題が有名になって久しく、このように商店街が賑わっている事例は数百mにわたってアーケードがあるような大規模商店街のように限定されたもので、小規模商店街はシャッター通り化したものが少なくない。そのためこの世界でのこの街は東京都内でありながら郊外に位置するためか、昭和30年代以前の古き良き時代の名残を感じさせる。(学園都市が東京都の残り半分を都市化して久しいが、日本政府の行政下からはほとんど外れているに等しい)そんな優しげな雰囲気に気分を良くした鈴は鼻歌を歌いながら次の店へ向かっていった。

















――話は戻って、のび太と出木杉。

「気がついたら三時間も話してたね」

「ぼくにしては哲学的なテーマだったろ?」

「まぁね。魔法のことといい、君は面白い事を聞いてくれるからね。こっちも話しがいがあるよ」

のび太は出木杉を普段は一方的に恋のライバルと見ているが、困ったときの知恵袋的役目も果たしてくれるため、何かと重宝していた。この出木杉との友情が後々の青年期にのび太の人生を飛躍させるきっかけの一つとなる。



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