外伝その226『勇壮13』


――かくして、調は実質的にはS.O.N.G.とは袂を分かつ形となり、完全に離脱することを地球連邦軍入隊で以て示した。それに伴い、リディアンの通信課程に転ずる事が正式に決まった。黒江の懸念通り、調の居場所はリディアンではなかったのだ。――

「元の世界には居場所はないですし、高校は通信課程で単位は取れますし、連邦大学で学位は取れるし、いいかなって」

「SONGの皆とはこれで道を違える事になったね」

「仕方ないですよ。私はこれで軍人になるし、この戦いが終わったら、扶桑から叙爵間違いなしです。切ちゃんも多分、この道を選ぶと思います。もし、師匠達が物理法則ガン無視できるプリ○ュアの世界でも見つけて、連れて来たら、一発でいらない子になると思いますね、SONGは」

「セーラー○ーンでお釣り来ると思うけどね」

ぶっちゃけているが、ノイズは所詮、先史文明の負の遺産であるため、なんだかんだで物理法則そのものには縛られている。そのため、通常の物理法則を超える存在には脆い。例えば、マジンガーの中でも物理法則を超えられる力を持つ、カイザー級のマジンガーであったり、真ゲッターロボ以上のゲッターロボにはノイズは無力である。高位の英霊や歴代プリ○ュアやセーラー○ーンなども物理法則を超えられるので、対抗可能であると見込まれており、そうなれば、SONGは存在意義を失う可能性が高い。響はそもそもが『自分の得た居場所を守る』事も戦う理由に入っているため、ガングニールに依存している面が大きい。黒江の在留中に数回ほどの交戦で拳を交えたが、全てで圧倒されている。絶唱と身構えたら音速拳だったりのカウンターも効いた上、概念武装であるエクスカリバーを使われると、シンフォギアではエネルギーの制御が不可能になる。如何に響の特性が『エネルギーベクトルの制御』であろうと、エクスカリバーの持つエネルギーはその制御をも凌駕する。そのため、響は何度かギアの機能異常を起こされて、纏おうとしてもギアが立ち上がらなくなった事もある。(そのため、黒江がノイズを蹴散らした事も多い)

「それに概念武装を持つと、シンフォギアの力じゃ制御できなくなります。エクスカリバーのエネルギーベクトルを制御できなかったように。響さん、どうもそれがコンプレックスになってる節が…」

「アニメだと、イガリマとシュルシャガナの絶唱を調律できたけど、あれは偶然の産物だしね」

響はエネルギーを束ねる特性があるが、概念武装にはその影響を及ぼせないという弱点があり、エクスカリバーを食らった後、聖詠を口にしてもガングニールが機能異常を起こし、ギアを纏えないという事が何度かあった。その時に『歌を口にしなくとも、エクスドライブ状態の自分以上の強さを発揮した調』(黒江)に対して対抗心を持っていたのか、味方になった後も度々、模擬戦を挑んだ。当たり前だが、クロックアップすら可能な上、素で光速移動が堪能な黒江には一度も勝てていなかった。そして帰還した調にも同じ目に遭わされ、更にガングニールを一度破壊されている。その事も口論になってしまう要素であり、響は『繋いだその手を振り払うのか?』とフェイトに言われ、事の重大さに気づいた。決定的な破綻はフェイトの助け舟で避けられたが、口論が調にSONGへの未練を捨て去る決意を固めさせたのは確かである。また、智子のようにマフラーをして、巫女装束と小具足に身を纏う姿はある意味で、SONGへの決別のための意図もあったのは事実である。

「あの子は分かってたのかな?他の別世界には物理法則を超えられる存在がごまんといるって」

「Gカイザーの武器は見てたはずだけど、特別な存在って考えてたんじゃ?シンフォギアって通常兵器とは比較にならないエネルギーを扱えるのが謳い文句なんですよ。聖闘士は神の闘士だから、別としても」

「それこそ歴代プリ○ュアとかセー○ー戦士達がいれば、その役目を代替できると見込まれてる存在ってのは、あの子には残酷かもね。」

「たぶん。師匠はシンフォギアを普段着にしてて、本気になるには聖衣がいる身だから、それも対抗心を持ったんでしょう。師匠から自分達と関連性がない世界の猛者達のことは聞かされたと思うんだけどなぁ」

概念武装(宝具)のことはエルフナインが来て初めて理解されたように、装者達は黒江の強大さを掴めていなかったが、邪神エリスを封印するに至り、その一端を理解したが、響はガングニールが哲学兵装化しているという事から、概念武装に対抗できると見込んでいたようだが、概念そのものが武器となったエクスカリバーとロンギヌスの槍と混合した状態のガングニールとでは、力の差がある。また、黒江が乖離剣エアという宝具を隠していた事もあり、『全力ではなかった』との不満があったようだ。しかし、乖離剣エアを全力で放つと世界が斬り裂かれるため、使用を控えたのは当然のことだ。

「本当、士さんがいて良かったですよ。あの人のおかげでどうにか納得してもらえたし」

「あの人は平成五強に入る仮面ライダーだしね」

「平成の後期から末期の仮面ライダーは調査中でしたね」

「彼曰く、平成の次の時代にもいるそうだけど、そこまで呼ぶほどでもないしね」

仮面ライダーはいつの時代にもいるらしい事はこの会話からわかるが、その全容は不明である。ただし、仮面ライダーディケイドが強大な力を持つ事から、それで済んでしまうのだが。

「師匠も振り回されてるし、本当、周りが見えなくなっちゃうんだなぁ、響さん」

「良く言えば一途、悪く言えば視野狭窄なんだよ。日本の官僚や政治家連中よりはマシだよ、話が通じる分」

真美も言う通り、日本の政治家や官僚の多くはマニュアル的対応と人気取りしか能が無いため、扶桑高級軍人や政治家は組織ごと振り回されており、連邦結成も10年は伸びたし、軍人の叙勲や褒賞授与さえクレームが付けられている。それに比べれば、響はマシな相手だと。実際、扶桑皇国軍は日本の一部勢力のクレームや強引な近代化でクーデターが起きる情勢であり、それ以後はウィッチ兵科はほぼGウィッチ依存になったり、空母機動部隊を空軍なしには運用不能になったり、日本側が予想した以上の弊害が生じた。ただし、幸運にも、空母機動部隊に空軍を載せる時は便宜上、海軍空母航空団の指揮下で行動するという、ドイツ軍の失敗の教訓が反映されていることであった。また、一応は『海空の統合運用のための改革だったのにクレームつけられても…。空母航空団の母体予定の部隊まで移籍させたのは、こちらの手落ちだったけど、肝心の練度が足りない!』とする防衛省背広組の懸念は最もではあった。空母航空団は結局、航空幕僚長の提言で維持されたが、機材のジェット化と人員の育成状況が白紙に戻されたのと、飛行時間800以上で、発着艦技能ありという厳しい育成条件、パイロットは空母航空団専属という条件に加え、クーデターへの懲罰の意図で育成をわざと遅らせたことで、空軍の負担は結果的に増し、また、海軍のある参謀の致命的な行為で、坂本が根回ししていた『芳佳の海軍残留』が水泡に帰してしまったのを引き金に、海軍系の撃墜王が次々と空軍へ移籍してしまう事になった。いくら所属の意味が兵種管理の都合以上の意味を持たなくなる時代と言っても、所属の軍隊を途中で鞍替えされることは保守派の高級将校達には衝撃であり、ある意味では、扶桑海軍航空隊の長い苦難はレイブンズが陸軍出身である事による反発から伏線があったと言える。

「そうですかね…?」

「これからウチの国はクーデター確実な情勢になる。クーデターで海軍空母航空団は形骸化しそうだし、ウィッチが兵科の形で残れば御の字。日本に実効性見せないと、ジェンダーフリー団体のクレームに負けるから」

「あいつら、私達がどんなに苦労して、周りから妬まれてきたかも知らないで男女同権とか言うんだから、傍迷惑だよ」

「定子、それは仕方がないよ。連中は軍隊は男社会って思ってるから。扶桑はむしろウィッチがいるせいで女性の権利がかなり確保されてるんだけどね。華族には男女問わずに軍役義務があるし、ウィッチ出身なら、金鵄勲章とか叙爵の道だってあるのにね」

日本政府も困っているのが、大日本帝国と扶桑皇国は『似て非なる存在』である事の周知であり、政治家でさえ混同しているのだから、市民団体は言うまでもなく、軍部にクレーム処理専門部署が設けられるほどだ。扶桑華族は日本華族より勲功華族の割合が高い上、爵位が永世である事が多いので、一代華族の方が珍しい。残っている数少ない特権も果たした義務への見返りの体裁が強い。それが周知されていくに連れ、扶桑華族はイギリスの爵位同様の扱いにされていき、基本的に元武家・元宮家・公家などの旧時代の支配層出身者、功績ある軍人、優れた文化人(後に、日本の提言で人間国宝などの優れた文化人も叙爵を受ける権利を得れるようになり、その根拠が日本でも通ずるように日本国憲法が一部改正され、『日本連邦華族に列しられし者は…』という文で始まる分が加えられ、日本連邦の華族制度として、『華族制度』は事実上、蘇った)に与えられる事実上の名誉称号という形で日本国内で遇され、日本連邦で定着する。『日本では公的な身分としては扱わないが、相応の待遇を受ける権利を持つ』。これが連邦化後に身分の存続が不明であった扶桑華族への日本の回答(日本式曖昧さも含んでいるが、彼等なりの誠意である)であった。時代に翻弄されつつ、元華族として残っている戦前の栄光の残滓に苦しんできた日本の元華族の長老層(戦前期の記憶がある当主などの世代)には冥土の土産になる救いとなり、若い世代からは『また見えない檻に繋ぐのか』という反発があったのは事実だが、扶桑華族は能力主義の風潮が織田時代の名残りで強く、黒田家ほどの家柄でさえも能力があるからと、分家の女性軍人が当主につき、爵位を継ぐ事になるのは衝撃である。『日本国の制度ではなく、連邦の制度であるからして…』というダブルスピークをすることが日本国首脳達にできる範囲の扶桑華族への擁護であった。扶桑華族は能力主義で以て、気概と緊張感を持たせることで、華族が堕落しない緊張感が華族社会の全体にあり、黒田家のお家騒動は『侯爵家嫡男であろうと、その能力が無く、傲慢であれば、より若く有望と見なされる者に当主が家督を相続させる』ことを、日本にわかりやすく示したと言える。黒田は実質的には中産階級である黒田家の末端に位置する分家の出身だが、黒田家当代で最高の能力を持ち、皇室の覚えめでたい軍人である事から、当主に相応しいとされたのだ。皮肉にも、ウィッチの能力が無かったことで、風香を冷遇した黒田家次期当主を確実視されていた『黒田長礼』は父親が長命を保った事、次期当主候補の一人であった風香のウィッチ能力の有無での冷遇などで廃嫡となり、邦佳が昭和天皇の勅命もあり、祭り上げられている。また、史実より黒田長成の生年月日が11年ずれており、そこも吉田茂と帝大同期であった理由であると思われる。その孫娘の風香は末娘であり、邦佳が幼少よりレイブンズの腹心として軍部で地位を築いていた事への対抗心から、一族の全員からかなり期待されたのだが、彼女には才がまったくなく、それが邦佳の当主就任の要因であったりする。

「それに、ブリタニアだって、日本との同盟解消がまさかジオンに故事って言われるくらいに同位国が落ちぶれるきっかけはショックだと思うよ」

「あれは日本が気に入らなかったからいじめたら、新参者のアメリカに覇権をかすめ取られた、日本で言えば秀吉の天下が徳川に行ったようなものじゃないですか、先輩」

「そういうものだよ、世界は22世紀までにはアメリカも斜陽を迎えるからね。だから、アメリカは夢よもう一度で統合戦争最末期に戦争を挑んで、負けるわけで」

「フランスはどうでしたっけ」

「あれはその時の総理大臣の私情がかなりはいってたって言うからね。軍事力の8割喪失からの軍縮や治安組織の縮小は個人的な意趣返しの意図があったそうだし」

――統合戦争後にフランスが没落した理由は戦争での疲弊に加え、日本による大幅な軍縮などの治安組織縮小が世情不安を煽った事での内乱が理由で、そのままジオンの攻撃でティターンズを生み出す地域になり、それが理由で地球連邦で冷遇されている感が否めない。それ故、アストルフォやジャンヌ・ダルクにおんぶに抱っこな世情をガリア同様に持つ点で、ガンダムファイト強豪国としての勇名がかつての大国としての名残り(シャッフル同盟を二代続けて出している)であり、ネオフランスが王政に戻っているのは皮肉な光景でもある(フランスそのものも結局、23世紀には長年の世情不安を鎮めるために、ボナパルト家の末裔にすがり、帝政への回帰をしたために揶揄される身である)。つまるところ、フランスは近代的共和制を切り開きながらも、世情不安が共和制では結局抑えられず、ティターンズの台頭と消滅の衝撃も凄まじく、23世紀までに立憲君主国としての帝政に復している(そのため、地球連邦内の構成国としてのフランスは第三次フランス帝国という事になる)。フランスは結局、ボナパルト家の血とナポレオン・ボナパルトの持つ権威で人心をまとめ、繋ぎ止めることでしか国の瓦解を防ぎ得る手段を持てなかったという事でもあり、いくら立憲君主制とは言え、近代共和制を切り開いた歴史からすれば、これ以上ないボナパティズム派による意趣返し的な事実だ。これには死後に魔女から聖人に復したジャンヌ・ダルクも苦笑いである。

「ティターンズのジャミトフ・ハイマンの出身地だからって政府が冷遇してる節もあるしねぇ。だから、形の上でも帝政に戻す必要があったんだろうけど、歴史的に考えると、これ以上ない皮肉だよ」

ただし、ジャミトフ・ハイマンそのものはブレックス・フォーラよりも具体的な政治プランを持っていた事もあり、近年は再評価されている。惜しむべくは絶望的に人望がないところで、バスク・オム一人の制御さえできなかった事も彼を小物と言わざるを得ない点である。レビル将軍が軍人でありつつ、政治家としても有能であり、将来は地球連邦政府の精神的支柱になることが目されていることを考えれば、ジャミトフ・ハイマンはいささか『俗物』だった。その彼を輩出しただけでフランスを冷遇している連邦政府も小物臭いが、歴史的に『統合戦争の激化と再燃を促した』点では十字架を背負っているので、もっともではある。

「だから、最終手段なんだよ、高貴なる者の義務(ノブレス・オブリージュ)は。安易に縋ったガリアが揶揄されたんだよ。権威を一端はぶち壊したのに、帝政時代、共和制時代を通して、なんだかんだで貴族の権威が生き続けたしね」

ノーブルウィッチーズが大いなる政治的要因で瓦解した事は当然の帰路であり、特に日本やアメリカの介入で空中分解に至った末路はペリーヌの心に暗い影を落とし、それがモードレッド化する理由ともなった。日本の外務官僚達は『王政の権威を革命で否定しておきながら、いまさら権威でまとめようだぁ?虫が良すぎるし、へそが茶を沸かすね』と酷評しており、そこもペリーヌを思い悩ませ、それが以後の行動原理を決定づけたと言える。また、ノーブルウィッチーズの内情が結果的にバラバラに近かった事も、消滅の大義名分に使われたため、アルトリアと黒田は皮肉にも、その姿が高貴なる者の義務の体現であり、セシリー・フェアチャイルドと同じような道を辿ったと言える。

「ノブレス・オブリージュかぁ……。『特権には相応の対価がいる』って事の証明なんですよね」

「その手っ取り早いのが軍役だったり、赤十字への奉仕だよ」

「この世界では、軍役の方が手っ取り早いんですよね」

「元々、戦国のウィッチの逸話があったし、富国強兵、七生奉国なんてスローガンがあったから、軍役の方が対外的な体裁を保てるんだ。ウチも子爵だったし、背丈の問題で母さまは赤十字を薦めたけど、お父様が森蘭丸の係累としての体裁を慮ったし、私の志望もあってね」

真美はノーブルウィッチーズの候補者であった過去を持つ。扶桑華族は男なら近衛師団、女ならウィッチ、もしくは赤十字という進路が定められており、真美は軍役を選んだ。華族の女性は全員でないにいろ、ウィッチになって軍役につくことが義務になっており、表向きは志願制ながら、暗黙の前提のもとでそれがなされている。その前提が崩されてしまった事が、軍ウィッチの勢力衰退、MATの勃興に大きく作用している。そのため、45年8月に軍に残留しているウィッチは人事的に至宝とされ、その中でも強力な力を持つGウィッチに特権が与えられるのは当然の帰路であった。ミーナは覚醒後、『規律に縛られるような時代でもなくなった』とし、自身を含めてかなり自由奔放に振る舞う事になるが、実際にダイ・アナザー・デイでのGウィッチは必然的というべき超絶的多忙であり、機動兵器パイロット、作戦立案、高度な折衝、マスメディア向け広報任務までこなし、黒江に至っては本来は関係ないはずの連合艦隊航空参謀まで兼任する羽目に陥っている。ブラック企業もかくやの労働時間であり、比較的に兼務が少ない圭子(素の性格が銃撃狂なので、戦闘では多忙)、素の姿では、折衝任務に向いてない智子はマシであった。Gウィッチでは比較的に『若い』調は余裕がある方であるため、黒江の戦闘面での代理の役目を仰せつかった。また、『軍役』についていないと、色々と不味い側面もあるため、地球連邦軍の軍籍を得た調。これが元の世界でのSONG構成員としての肩書きではダメなのかと反発する響との口論に発展し、フェイトが執り成しに動いた。フェイトも少女期は軍籍を持っていなかったが、現在は地球連邦軍の軍籍を有する。なのはに至っては元々、帰還の見込みが薄いと見込んでいたので、転移初期の段階で取得している。響達が今、ウィッチ世界で行動できているのも、そのように取り計らいを受けたからであり、郷に入っては郷に従えということを示した。特に、ウィッチ世界ではSONGの権威は通じないし、特に超英雄達が参陣している現状では、『数いる有志の一つ』の扱いであり、調の事もあり、格別にもてなしていることをフェイトは教えた。それが彼女らの現実なのだ。調が自分達より黒江やのび太たちとの縁を選んだ事、更に言えば、結果として自分が黒江にさせてまで代行させた事は、身勝手な自己満足でしか無かったという残酷な事実は、ガングニールの破壊よりも響に精神的ショックを与え、しばらく調との関係修復に思い悩む事になり、顔向けができないと小日向未来に弱音を吐く事になる。未来は、黒江に『真っ直ぐに生きてきた響は、一時でも罪人扱いだった切歌ちゃんを慮るばかりに、調ちゃんと入れ替わってた貴方にその埋め合わせをさせたかったと思う。切歌ちゃんはテロリスト扱いで死刑は確実視されてたっていうし、調ちゃんは貴方のおかげで、その実情が覆い隠された。だから、調ちゃんに居場所を作ってやりたかったからだと思う。その事は私が代わりに謝ります』と電話で言い、黒江の苦労へ同情しつつ、響の心情を汲み取った言葉で『響を許してやってくれ』と双方へ優しさを見せ、響に反省を促した。響にとっては、信念やガングニールへの強い思いに否定的な言葉を連続で浴びせられ、調にはシンフォギア装者としての仲間意識に疑問を投げかけられて、打ちのめされたところでの救いであり、陽だまりであった。災難ではあるが、小日向未来はその人徳で黒江からも信頼されており、調も未来の言う事なら納得するため、ある意味では響の正妻(!)であり、一番の理解者であると同時に、成り行きと、経緯の上でどうしてもしこりを生じさせざるを得なかった黒江/ 調組と響の仲を取り持つ仲介者と言えた。



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