外伝その281『光の中へ』


――転生者達は『経験値』があるだけの存在であり、その主な経験が戦闘に纏わるものであるだけで迫害の対象とされる事は軍上層部の悩みどころであり、それも各国がウィッチの軍事利用に興味を無くしていくきっかけである。組織が保たれただけでも奇跡であると同時に、ウィッチの公的な雇用維持の面が強かった――




――黒江の私室――

「やれやれ。俺たち軍人は暇になったほうがいいんだぜ?本当は。北斗の拳やマッドマックスの見すぎじゃないのか?このクレーマー。いくら戦いが続くからって、軍人をなんだと思ってんだ?」

「さあ。軍人を合法的に人殺しができる連中と思ってるんじゃないかな?日本には多いんですよ、そういうの」

「ったく、世紀末覇者や聖王とか、修羅の国じゃあるまいし、軍人は公務員なんだぞ、公務員。マッドマックスや北斗の拳のモヒカン連中と同列視すんなっての」

のび太も黒江の部屋にやってきたので、三者で雑談に入っていた。黒江は日本から舞い込むクレーマー対策にも腐心しているのだが、今回は中々のもので、『目指す世界は平和な世界ではなく、強ければ生き弱ければ死ぬ弱肉強食の世界なんだろ?そうでなければ超パワーを持つ連中の存在意義がなくなるからな。兵隊ごときが神の力を得た連中だから』という、軍人や転生者へのヘイトに溢れたものであり、黒江もあからさまに不機嫌になっていた。軍人にはプロレスラーやスポーツ格闘技の選手と似たようなルールがある。それが交戦規定である。未来世界での南極条約が有名である。

「別に戦闘力至上主義でもねーんだが。でなきゃ戦場で歌ったりしねーよ、皆がやれる事やって生き抜いているだけなんだぜ?弱ければ死とか、一面的過ぎて笑えもしねぇ。そんな考え方なら軍隊になんか居ねぇよ、バカが……」

「そういうの、旧日本軍の負のイメージそのままなんだよねぇ。奉天とか203高地とか、フィリピン、サイパン、硫黄島…。日本人って、戦争のイメージが下手すると、日露戦争で止まってるんじゃないですか、先輩」

「前世の商売は教師だっけか、のぞみは。俺ものび太の若い頃に訴訟を4年以上起こされてたからな。それで日本の戦争のおおよそのイメージが日露戦争で止まってる感がありありだったな」

「どういう風にです?」

「海を例にするといい。連合艦隊もパニックなんだぞ?連合艦隊旗艦が前に出て戦えってな。旗艦は最強の軍艦たるべしってのは、本当なら、1943年の段階で古いドクトリンってみなされてるんだし」

「海上自衛隊の司令部って陸に上がってますよね、確か」

「おう。海自にいる防大同期も嫌気指してるそうだ。大和や信濃以上の戦艦があるって言っても、旗艦として前に出すのは推奨出来ないってな。ノイジーマイノリティって奴だよ。21世紀はインターネット時代だ。調べりゃ、幼稚園児だって分かる。旗艦先頭なんて言ってんのは無知な連中だけだ」

「この時代の時点で、旗艦先頭は取りやめ始められていますからね。大淀型の改装もそのためだし」

「批判に萎縮するはめになったってのは、豊田のおっさんのせいだ。大淀見た時、『戦死するなら、武蔵か大和のデッキで死にたい。こんな船の上ではいやだ!』なんて言いやがった記録が同位体にあってな。岡田の爺さんにチクってきた」

「先輩、殴ってないですよね」

「殴ったのは鈴木のじいさまだ。『豊田!卑しくも連合艦隊司令長官の座にあった者がなんだ!』って具合で殴打して、泣いてた」

「あのへんの代は日露戦争の生き残りですからねぇ。なんだかシュールな構図」

鈴木貫太郎も普段は温厚な好々爺であるが、スイッチが入ると、現役時代の鬼ぶりを発揮し、日露戦争当時には大佐であった鈴木貫太郎に、当時に少尉候補生であった豊田副武は逆らいようがない。嶋田繁太郎でさえ萎縮するほど怒り狂った記録もあるように、本質的には現役時代の猛々しさを持ったままであるのが分かる。また、その叱責を受けて、豊田副武は在職中の最後の仕事として、艦隊司令部の陸揚げをした。

『未来技術も鑑みて、以後の艦隊司令部は作戦艦艇への座乗の必要が有りませんな。横須賀と舞鶴に司令部施設を設置してどちらかで指揮を取れる体制を構築で宜しいですな?』

海軍長老の岡田啓介、鈴木貫太郎の両名が同意して進められているとの事。44年の春ごろに始められ、45年には定着してきていたが、日本連邦化による無知なノイジーマイノリティによるクレームが顕著になり、小沢治三郎は『俺が前線にいればいいのだろう?』と、反対を押し切って富士に座乗し、山口多聞もプロメテウス級に座乗している。その原因となった日本からのクレームと誹謗中傷で休職に追い込まれた海軍と陸軍の技官、陸軍諜報部将校、大本営参謀は45年の数ヶ月だけで数知れず、結果、前線勤務の参謀の数が不足する事態となっている。

「多聞丸のおっちゃん曰く、『コイツなら攻撃喰らいそうなら、半潜水で爆撃の威力は大分削げるし、宇宙戦艦に準ずる防御力だから大抵の攻撃は防御体制になれば凌げる。正に大船だよ』だそうだけど、日本の連中は将校全員に前線指揮をさせろってコラムまで書く連中も出てきてるからな。おっちゃん達には苦労かけてると思うよ」

「本当、官僚タイプもいないと組織回んないの分かんないんだよねぇ。戦国時代だって、官僚タイプの武将もいたってのに」

「日本のノイジーマイノリティの連中は映画だけで物言うからね。アレキサンダーやシーザーの時代でもあるまいし」

「ま、森下参謀は『若いウチは前線指揮官を嫌になるほどやらせられたわ』って笑い飛ばしてたけどよ、英霊の時代みたいに、一人でどうにかできる時代でもないんだけどな、第二次世界大戦は。一年戦争みたいなのは特殊だっつーの」

黒江はきのこの山を食べつつ愚痴る。黒江はこの対応で何かが切れ、北条響(シャーリー)に『2019年のル・マンに出ないか』と誘われていたのを引き受け、ストレス解消も兼ねて、のぞみをサポートチームという名目で巻き込み、フレデリカ・ポルシェの推薦枠でポルシェ社のチームに入る事になった。

「あー!こんなクレーム処理やり続けたらおかしくなっちまう!のぞみ!ル・マン出んぞ!」

「えぇー!!有無を言わさずですか!?」

「んじゃ、僕からフレデリカさんに連絡しておきます。ハルトマンさんも巻き込んでおきます」

のび太がフレデリカ・ポルシェに電話をかけ、フレデリカは名誉顧問(実際は嘱託職員)としての役職を得ているという。21世紀のポルシェ社に彼女が推薦し、ハルトマンを巻き込む。圭子はちゃっかりとカメラマンとして現地入りし、2019年度のレースに参加。名だたる企業のプロレーサー達が引きめくル・マンにプリキュアが参加!という目玉を得た日本企業は宣伝をしまくる。シャーリーが部隊の活動資金確保のため、北条響の姿で参加したからだ。相方の南野奏の不在が残念がられたものの、『奏がいたら、目を回すと思うぜ』と軽くコメントしてみせた。元々、シャーリーとして、軍の退役後に出る予定であったと公言していたため、渡りに船であった。シャーリーは元はプロレーサーであったため、北条響の姿であっても100%の技能を引き出せる。『ニュルで最速マシーンを転がしたい』とも記者会見で言い、記者を唖然とさせた。ちょうど、黒江、ハルトマン、シャーリー、のぞみの非番日に21世紀へ行き、講習と慣らし運転などをこなし、のび太夫妻もチケットがフレデリカから送られたため、観戦する事となった。




――2019年 フランス――

2019年には国内情勢が不穏でありつつ、無事開催が予定されているル・マン24時間レース。その準備期間に非番日を利用して向かった一同。レースにレーサーとして参加する三人、本国での中島錦としての整備経験を腐らせない目的で、黒江によってサポートチームに回されたのぞみ。のぞみもプリキュアであるため、サポート側でありつつ、記者会見に参加した。『先輩プリキュアが後輩プリキュアをサポートする』という上手い構図が格好の宣伝となった。また、日本の記者達の要望で二人はプリキュア姿も披露し、ポルシェ社には何よりの日本向けの宣伝となった。ちなみに、フレデリカは名誉顧問という声もあったが、実際は嘱託職員(設計部門)に収まっている。創業者の同位体ではあるが、特別扱いはしないという方針からだ。もちろん、水平対向エンジンについてこだわりがあり、ポルシェの歴代の名車を嬉しがり、ポルシェ社から911シリーズを送られているのは言うまでもない。

「フレデリカ、相変わらず水平対向エンジンにこだわってんなー」

「あら、ケイ。この方式を広めたのは私の同位体よ?」

「名誉顧問じゃなくて、実務になったのか?」

「だって、この私はまだ20代の若造よ。名誉顧問って柄でもないし、一線で図面を引くのが性に合ってんのよ。ティーガーの図面だって引いたのよ?」

「いや、あれ、モーターで動かすってのは無謀だったぞ」

「時期尚早だったとは言われたわ。ヘンシェルに負けたのはシャクだけど」

「悪いけどよ、あれ、負けて当然だろ…」

「そもそも疎開した本国にロクな資材がないのがいけないのよ。試作された時のモーターは魚雷から流用だし、空冷エンジンは欠陥品だし…」

フレデリカは史実通り、ティーガー戦車と装甲脚のコンペで堅実な設計をしたヘンシェル社に負けたからか、ノイエス・ベルリンの物資不足を愚痴った。しかし、装甲脚にしても、アフリカの過酷な地でオーバーヒートしやすいモーター駆動が入っているものを量産する勇気も物資もノイエ・カールスラントには無かった。また、ティーガー系統の戦車/装甲脚共に、コンカラー/センチュリオンの生産開始で陳腐化してしまったため、生産数は史実より少ない部類に入る。フレデリカもセンチュリオンとコンカラーの早期完成までは予測できず、アハトアハトに代わる主砲開発に手間取るカールスラントを嘆いている。

「センチュリオンとコンカラーの登場は予想外だろうが、虎の情報をMI6から得ていたチャーチル卿はセンチュリオンを早めたが、イギリスからコンカラーの開発は反対されてたのは知らねぇだろ?」

「あの重戦車でしょ?」

「日本が重戦車と砲戦車を強引に中止させたら、軍需産業が混乱したのを他山の石として、イギリスの反対を押し切ってコンカラーを完成させたんだ」

「日本はなんで、強引に中戦車にまとめたの?」

「規格統一だが、強引すぎて、前線への補給に支障がでちまってる。チャーチル卿の目的は軍需産業の雇用維持と、自国技術者の自信喪失を防ぐためだ」

「規格統一?」

「複数の旧い分類の戦車を多く持つより、新式に統一したほうが安上がりだそうだが、軍需産業からすりゃ開発中の車両をブリキのおもちゃと馬鹿にされたようなもんだろ?だから、前線がヒーヒー言い出したから、旧式の改良を、慌ててやりだしたんだと」

「どうやってするのよ。日本の旧式車両でさえ、こっちにとっては次世代型なのよ」

「とりあえず、生産設備を払い下げして、74式に対応させて、戦中に10式に変えるとか?」

「日本って、場当たり的対応が当たり前なのね」

「無知な政治家が主導権取ろうとするからだ。その道のプロに任せておくべきだと思うぜ?本当はな。旧日本軍の例は特殊すぎるんだよ」

フレデリカはフランス滞在中に宿泊しているホテルの一室で図面を引き、圭子はパソコンでメールチェックをしている。圭子は自国を振り回す文民統制問題には冷ややかであり、イギリス式の統制を長らくしてきた扶桑軍を小馬鹿にしていると公言している。日本陸軍のようなプロイセン式は取り入れられたのはわずかで、大まか言えば、英国式の文民統制である。また、それ(プロイセン式)を戦時を理由に目指した一派は首魁の東條英機の失脚で潰えている。日本式文民統制を改革のためとして導入を勧められても、拒否した理由はそこにある。扶桑は軍人が織田時代より高い地位を獲得している国なので、近代化の際に同盟国であったブリタニアを参考にしたため、大まかに英国式の文民統制である。トップダウンの命令系統をしっかり作るのが当時のスタイルであるし、ネットワーク通信するだけの技術者が1940年代は存在し得ない。ブリタニア式の文民統制は当時の王侯貴族を有する国では最も進んでいる統制であり、扶桑も当然ながら導入している。皇族軍人がお飾りでないというのは、実戦部隊に皇族が配属されるからであり、また、皇族としての政治判断も要求される立場であるが故に、扶桑海事変の『名代』が許容されていたのである。扶桑の昭和天皇は重要事を子供に判断させたと批判されているが、昭和天皇の娘にあたる内親王が史実より多い上、一人は1937年当時に将官扱いで遇されていたため、扶桑の常識では、なんら問題はない。また、指揮権譲渡先が当時に新米の少尉だった武子という点で相当に叩かれ、その後の軍内の冷遇も問題とされてしまった。武子が中尉から准将へ短期間で昇進した理由は武子本人の希望ではないのだ。(武子は将官への昇進を断るつもりだったが、皇室の判断の正しさを担保するために断れなくなった)レイブンズとその同僚達は軍内部で疎まれていた事は事実だが、別の事情として、『多くが前線指揮官として優秀であったから』あまり昇進させていなかったのが事実なのだ。45年時の中佐から大尉の層は黒江達の世代が未だ多くを占めていたが、少将への昇進は前例がないこともあり、見送られてきてきた兼ね合いで、黒江らであろうとも反対論があったのはそのことに由来する。階級の准将は国内の反対論が日本側につけ入る隙を与えてしまう事を恐れた昭和天皇の要望と、陸上自衛隊の人事的煩わしさ解消の思惑が偶然にも合致して生まれたのである。

「貴方の国、日本からずいぶん横槍多いのね?」

「うちを軍国主義と思ってやがんだよ。参謀本部が反対しなけりゃ、今頃は少将だったんだぜ?日本に突かれないようにって、急に准将にしやがった」

圭子は自衛隊の自衛官では無かったため、文字通りに准将だが、空将である黒江は中将扱いである。黒江の階級調整を終えた後、圭子と智子も自衛官籍が与えられ、黒江に合わせて、准将(一佐)になっている。圭子は素行の悪さで問題視されてはいるが、抜群の強さで免責されている。現役ウィッチとの軋轢がそれほどないという点からも、偉大な存在である。また、中野学校仕込みの諜報術も有し、日本で有用とされたのも待遇改善の理由である。陸軍参謀本部は『皇室が頭ごなしに決めた』という事で武子も冷遇したら、因果応報で自分達が逆に激しく締め付けられ、参謀達の多くが失脚する羽目になった。特に、今次作戦の参謀が自衛隊の幹部自衛官らで大半が占められ、専門職である連合艦隊参謀も多くが除外されたというのが、旧軍系参謀が無能のレッテルを張られている所以だった。

「で、タイムマシンを使って、気晴らし?」

「最近はあたしらにクレームが多いからな。家族ごっこだの、精神安定剤だの、人外扱いしやがる。おまけに『神は人間を駒扱いすべきである』だ。人が偶然から神様になるケースを一考にもしやがねえ。おまけに情を持つな?沙織さんを見ろ、沙織さんを。オリンポス十二神だぞ、オリンポス十二神」

城戸沙織。人間として振る舞っているが、オリンポス十二神が一柱『アテナ』である。人間としての感情を持ち、星矢を愛している。オリンポス十二神も人間社会に溶け込んでいるいい例である。(城戸沙織は財閥の総帥である)

「世の中、戦闘力で全てが決まるわけじゃないんだぜ?全く、マッドマックスや北斗の拳の見過ぎだっての。ドラゴンボールもそうか」

「貴方達は嫉妬買いやすいから。特に、人の夢だった不老不死を実現しちゃって、輪廻転生も経験してるでしょう?そういう存在は人外扱いされやすいのよ、人は毛色の違う存在を嫌う本能があるから。貴方達は戦後の日本の一部からエイリアンとかプレデター扱いされてるんじゃないの?」

「子供じみてやがる。んじゃ、ドラゴンボールで生き返ったりした存在はどうだってんだ?って事になるぜ。その理屈だと」

圭子はジャーナリストとしての顔も持っているため、ル・マン24時間レースについてのコラムを日本のレース関係の雑誌に入稿するための準備を始めている。日本ではジャーナリストとしてそれなりに名が通っているが、まさか軍人であるとは思わなかっただろう。また、扶桑では副業の規定が日本軍に比べて緩く、20歳を超えているウィッチは危険手当が無くなる(通常は前線勤務はその時点で終わるため)代わりに、軍に在籍し続けた場合に限って、副業が認められている。圭子がジャーナリストを副業でやっているのは、その規定によるものだが、正確には臨時収入になるため、防衛省も文句は言えなかったりする。(戸籍年齢が20代のGウィッチは『現役』に書類が改変され、現役扱いながらもその規定の対象者ではあった。黒江など、自衛官が副業のようなものだ)

「日本って、自分たちの理解を超えた存在には不寛容なのね。それと、生え抜きの軍人に」

「綾香がこのレースに出るって言い出したのはそれだよ。あいつ、訴訟抱えてた時期があったし、日本でどんどん出世したから、政治家に危険視されたら、連邦化でそういうわけにもいかなくなった経緯もあったし」

二人は21世紀での仕事をしつつ、会話を続ける。Gウィッチはその特異な存在故に、誹謗中傷と戦わなくてはならない宿命を背負っている。戦い一辺倒でないところを見せるため、黒江は必死であったし、歴代のプリキュアの戦士達もその立場に相当する。特に、プリキュア関係者はアニメとして、その存在が有名である分、職業軍人になったことへの批判がつきまとう。生前に教諭、芸能界や司書、音楽家の道を辿った歴代の戦士達がどうして、職業軍人を選んだのか。その事も議論の的になったが、複数人が元から職業軍人であった者へ転生していた事で沈静化しつつある。北条響に至っては、現在はアメリカ国籍にあたるからだ。

「自衛官や軍人を見下したがるんだよ、日本は。自衛隊や軍は穀潰しの行くところだってな。実際は一高や帝大の主席クラスが士官になってんのに、だ。来年からウィッチの学校からのスカウトができなくなる見通しでな。戸別訪問での選抜か、今のうちにスカウトしないと新陳代謝が止まる。前史でも問題になったから、お上に玉音放送してもらう手筈だ」

前史でも問題になったのが、ウィッチの学校からの排除と普通学校と軍との縁切りを日本側の教授会や学会、日教組が強要したことである。ウィッチを非人扱いするのも問題であったし、何より、ウィッチになることが一般女子には、高等教育を受けるチャンスであった。また、基本的にウィッチになりやすい家系があるため、どうしても縁故採用になりやすい。その事情も日本側を驚かせた。今回の歴史では、零部隊の存在を明らかにした事で、日本側にウィッチの存在を強く認識させ、口出しを封じた。また、高い能力のウィッチが出る家系の出身者が多いとは言え、黒江の大叔母など、軍の求める水準に達しない者は採用されていない。また、ハルトマン姉妹と雁淵(史実)姉妹のように、縁者は同一部隊に配置しない内規があったが、一括管理を提言する日本防衛省の提言で扶桑のその規定は緩和された。雁渕姉妹が64に配置された理由はそれも関係する。孝美は妹の実力云々で誹謗中傷を受けており、妹バカを表に出す形で批判を躱す選択をしている。(妹への思いやりが裏目に出た事、502を自身の経歴の箔付けに使った事が批判されたため、シスコンだとカミングアウトしたほうが気が楽だったらしい)孝美は今回はアクイラの聖闘士であるので、ペアはどの道、組めない運命である。また、菅野は芳佳と組んでいる。ただし、芳佳はプリキュアとしては、別行動である。現時点のメンバーで組まされたため、菅野とは別行動である。

「で、貴方のところ、どうなったの?小隊編成」

「プリキュアの連中は基本的にシャーリーに指揮を取らせる。錦は指揮経験がそれほどないからな。プリキュア5として経験はあるが」

圭子としては、プリキュア勢はキュアメロディ/北条響、即ちシャーリーに指揮させる方針らしい。シャーリーであれば、戦略爆撃機部隊の司令であった経歴が前史であったからだ。また、軍籍を元から有する点で、のぞみ/錦も有力候補ではあったが、夏木りんの進言でシャーリー/響になった。歴代の中心戦士が多く転生しているため、一番槍は務まるが、指揮となるとハードルが高いからだ。

「プリキュアの主人公格が来てるから、一番槍は務まっても、指揮となるとな。シャーリーしか適任者がいない」

突っ込みは務まっても、指揮は苦手。それは初代であるキュアブラックが証明している。シャーリーは複数回の転生と紅月カレンとしての経験で指揮能力を備えているため、キュアメロディとなっても指揮にうってつけであった。

「プリキュアねぇ。日本って不思議ね。プリキュアが軍人になってるだけで、なんで国会が止まるのよ」

「野党が政争の道具にしたがるんだよ。連中は選挙しか能がないからな」

「行動リーダーはのぞみにさせる。カクレンジャーみたいなもんだな。あの代からレッド=リーダーの図式変わり始めたし」

「政争ねぇ。21世紀の政治家連中って、世襲でノウハウを受け継いでない連中がめちゃくちゃな事言って、国会をお遊戯の舞台にして『ごっこ遊び』してる能天気な連中が多いんでしょ?」

「質悪い事に、そういう連中は与党の反対のことをいつも言ってりゃいいと思ってんだよ。自分たちの法案にさえ反対してるんだぞ?」

1940年代に若者の世代である圭子とフレデリカにとって、21世紀日本の国会審議はお遊戯に見えるらしい。そのため、21世紀日本は『情報を持ってる分、厄介なクレーマーである』という悪評も連合軍で囁かれている。扶桑に存在していた遊郭にとっては軍人、政財界人の出入り禁止の議論は死活問題であり、逆にクレームを日本に入れる有様である。結果、扶桑社会の変革は現地人の猛反対もあり、多くの計画が現地の実情と日本側の思惑の違いで頓挫したものの、参謀級軍人の更迭は内務系の防衛官僚や警察官僚のゴリ押しで強行されたため、参謀の不足が表面化したのだ。自衛隊の幹部自衛官で統合参謀本部の参謀を占めようとした派閥の策略だったが、現場の自衛隊幹部自衛官らには傍迷惑な施策であった。扶桑軍人の高級将校にとっては、自衛隊の幹部自衛官達はひ孫より先の世代になりかねないため、指揮に気が引けるし、幹部自衛官にとっては曽祖父より前の世代にあたる旧軍高級将校には意見がしにくい。海自は仕事と割り切れると推測されているが、陸自と陸軍の対立が懸念された。特に陸軍は人数の関係や運転免許証保有者の希少性を理由に機械化には限界があると見込んでいた事もあり、その点で衝突が懸念され、日本は陸軍参謀を更迭しまくったのであるのだが…。現場で自衛隊員が指導し、運転免許証取得率を引き上げる施策も始められていたが、官僚達は『自衛官の邪魔でしかない』とアリューシャン方面か千島列島に左遷しまくった。恩賜組だろうと情け容赦なくだ。紅海方面の連合軍など、扶桑軍佐官〜尉官の参謀が不在という事態に陥り、急遽、統幕付きの自衛官が送り込まれるなど、パニックを招いただけであった。

「やれやれ。そんな連中だから、現場のパニックを顧みずに、自分たちに都合のいい組織にしようとすんのよね。恩賜組を千島列島かキスカ、アッツに左遷なんて、クーデター誘発でしかないわ」

「本当だよ。ウィッチのクーデターだってそうだ。一にも二にも訓練っていう海軍系の連中がクレーマーの言うことの裏付けをしちまうんだよ。クレーマーでひでえのだと、『駒に情が移ったか、くだらん戯言だ。駒は駒らしく動かせ』なんていう、あたしらの感情ガン無視のクレームなんだぞ」

「リベリオン人でもしないわよ、そういうクレーム。どういう幻想抱いてるのかしら」

「軍人を映画に出てくるモヒカンの連中みてぇに考えてるんだよ」

圭子は日本のクレーマーをそう吐き捨てる。まだ裏世界の連中のほうが良心的とも言う。

「そういう連中には『ところであなた方は国家の駒として働いていますか?国民としての義務を果たし国家の駒として文句を言わずに働いて居るからこのような意見をお持ちなのでしょうね』って返してやればいいのよ。そういう連中はネットで陰口叩いて、自分の自己顕示欲とかを満たしてる小市民だから」

フレデリカはプロトタイプレーシングカーの図面をそう言い終わると同時に引き終わる。2020年度のレースで使用予定の設計らしい。

「なるほどな。で、さっきから何の図面引いてたんだよ」

「2020年のプロトタイプレーシングカーの図面。創業者の同位体ってんで、指名されてね。話題作りだと思うけど」

フレデリカは圭子のつてで21世紀のレーシングカーのトレンドを勉強していたようで、図面は21世紀相応のフォルムを持つレーシングカーに仕上がっている。話し込んでいながら、図面を仕上げるあたりは生粋の設計屋の証である。

「お前にしてはナウいフォルムに仕上げたな」

「マスコミ連中は奇抜なの出すと思ってるんでしょうけど、時代ごとの定石はきっちり踏むわよ。ベンツなんて、90年代のル・マンで『飛んだ』って聞いたし」

「ありゃ風洞実験の不備だからな。お前、ずいぶん勉強したな?」

「創業者の同位体特権で歴代のポルシェの資料は見たもの」

この時代、低いボンネットに盛り上がったタイヤハウジング、コクピットからエンジンを包む流線型のメインボディ、駆動輪を包む為のバルジの様なタイヤハウジングと、ほぼ同じようなレイアウトとフォルムをどのメーカーも持つに至っており、フレデリカもそれに習った。1910年代末期生まれの彼女にしてみれば、実に未来的なフォルムに見えるだろう。

「私達の子供の頃は黎明期から抜け出し始めたばかりのモデルが走ってた。だけど、21世紀には流線型のボディと高馬力エンジンが当たり前にある。科学の進歩って奴かしら」

「エレカよりガソリン車は迫力あるからな。23世紀でも好事家がいるんだよな」

「私達の時代に持っていったら羨望の的よ」

「日本のスバル360程度でも、うちのメーカー達垂涎の代物だぜ」

扶桑の国民車構想は日本の野党に馬鹿にされつつも、『大衆車』としてメーカーが注力する分野であった。日本のスバル360のライセンス生産で済ますべきとする派閥が多数派であったが、国連常任理事国の扶桑に相応しい車を自主開発すべきという案も出されていた。これは運転免許証保有者を増やし、機械化水準を引き上げたい軍部の思惑も絡んでいたが、扶桑の国の格は大日本帝国より遥かに上という自負もあり、ダイハツ・ミゼット三輪自動車や、80年代から90年代の軽自動車をライセンス生産することで1946年に決着したが、スバル360のマイルストーンさを重視する派閥により、同車の生産もされたが、日本ほどは人気が出なかったとのこと。


「だけど、あれしょぼいからな。80年代と90年代の軽自動車のほうが人気出るかもな。ホンダN360を出す手もあるが、HONDA自体、まだ出来ていないしな」

扶桑向け大衆車の売り込みも激しかったこの頃、いくつかの候補に絞られつつあった。スバル360は一部の派閥のゴリ押しで残っていたが、採用の見込みは薄かった。(長島飛行機という前身相当の企業があるためのゴリ押し)圭子のこの発言から一年後に結論は出され、史実戦後高度経済成長時代のような光景がそう遠くないうちに出現し、建設ラッシュも重なっての本格的なモータリゼーションの到来が現実のものとなる。そんな明るい世相を潰さぬよう、先制攻撃が戒められた結果、1947年の開戦劈頭での防衛失敗に繋がってしまうのだ。なんとも言い難いが、扶桑の高度経済成長を阻害するために開戦を選んだティターンズは自身の統制力の限界を露呈していたのかもしれない。

「ティターンズの連中の太平洋侵攻はいつ?」

「47年だろう。時間はあまりない。ティターンズは恐怖で統制している以上、限界はある。不満を逸らすために戦争を選ぶ。日本には理解されないだろうが、戦争って、後世からどうでもいいように見える理由で始めるしな」

「ダイ・アナザー・デイで打撃与えて、それ?」

「傍迷惑だが、日本の連中は『二年もあれば、連合艦隊のフルセット作ってくる国なんだ!マスドライバーでも月に作って質量弾でワシントンぶっ飛ばせ!』って意見まで出るんだぜ?アメリカが怖い証拠だよ」

圭子は呆れ果てているが、休暇の前の日の日本との評議会では『二年もあれば太平洋艦隊の一つや二つは造られる。この際だからマスドライバーでワシントンをぶっ飛ばすべきだ』とする前史の反対な事が意見として出されたのである。

「アラブの石油を禁輸したら?」

「自給自足できるだろ!とか怒鳴ってたが、いくらアメリカでも自給自足で海軍の需要は賄えないはずだぜ?」

「日本の記録だと3840000バレルって話だけど、これ、5年前(1940年)のデータよ」

「だろ?五十六のおっちゃんが『民間の被害を考えると弾道予測の難しい隕石爆弾は戦後の保証等を考えて政治的に難しく、技術的には地球連邦の技術なので依頼しても拒否されたらそこまでですな』と言ったら、拡散波動砲ぶち込めだ。サレザーイスカンダルが悔いてることだぞ、それ」

日本は安易に超兵器を使いたがる。23世紀の地球連邦軍が自分達の子孫によって運営されているのを知った層が言いたいことを言いまくっている。しかし、波動砲は収束式にしろ、拡散式にしろ、もたらす被害は甚大である。

「あいつら、自分達の兵器が高性能な米軍兵器に叩き潰されたトラウマからか、100年は追いつけない超兵器を見せまくって、心を折ろうとしてるんだよな」

「新しいおもちゃをもらった子供みたいね」

「アメリカ人が心を折られるようなタマかよ。どうせ死ぬ物狂いで復讐しようとするに決まってる」

圭子のほうが日本の目論む戦略を冷静に見れている証拠だった。南北リベリオンをマスドライバーで物理的に分離させようが、波動砲で都市を消そうとも、復讐をなにかかしらの手段で行おうとする。一部の精鋭でワシントンを電撃的に制圧したほうが、復讐に細菌作戦を取られるより安全だとし、後に採択されるのだ。

「そいつらとクレーマーは大差ねえよ。自分達の正義だかなんだか知らねーが、そんなのは手前勝手な独善でしかねぇんだ。あたしらはあたしらでやらせてもらうぜ」

圭子はそう〆る。Gウィッチは『神の域に達したヒト』であり、元からの神ではない。オリンポス十二神の化身でも、人としての感情はあるというのに、自分達が感情を否定される言われはない。それが圭子の言い分であり、クレーマーへの見方であった。圭子は今回は素の容姿だが、服装はレヴィとしてのものであるので、時代相応の服装ではある。

「第一、ラ號だって、管理権は地球連邦軍にあるのに、元は自分らのだって今更言うのはねぇ。2000年代前半の時は解体を要求したくせに」

「それ、単に大和型戦艦の生き残りだと思ったからだしって言葉濁しやがった」

ラ號は地球連邦軍が最終的に管理権を有するため、日本国の管理下にはない。まさか戦時中に空飛ぶ戦闘艦を実用化しようとしていたとは思わなかったし、公式記録が戦争中のうちに破棄されたから、後世の政府関係者に伝わることがなかったのだ。

「で、日本の自衛隊が秘匿してたメーサー兵器や機龍とかスーパーXとかを表舞台に引っ張り上げた。Vが完成してたしな」

「初代は?」

「試作段階で電磁パルスに弱いことが分かって、松代の秘密格納庫に封印されたそうな?」

「お粗末ね?移動核シェルターなんでしょ?」

「核戦争後の疎開目的だったそうだ、元は。Uは無線操縦式だから、M粒子下じゃ運用困難だし、あの地震の教訓でVが作られたんだそうだ。で、ラ號を運用出来ないからって、革新政権時代には旧日本軍の残した松代大本営の地下格納庫で秘匿されてたのを、綾香が表に引っ張り出してきた」

メーサー殺獣光線車やスーパーXシリーズは陸自の誇った超兵器であり、怪異撃退の自衛隊の切り札であった。松代大本営の秘密格納庫(元は富嶽や火龍、烈風用であった)を再利用して秘匿していたため、革新政権が知ることはなく、2008年までに完成した兵器群である。その投入はラ號の代替的なものだが、1945年では圧倒的に強い超兵器であり、23世紀の兵器に比肩しうる。陸自の大盤振る舞い的投入は第二陣の到着で開始され、第二次世界大戦型兵器を蹂躙しているという。

「ゴジラと戦うつもりで作ってたの?」

「たぶん。学園都市に対抗するためにって名目で揃えたんだろうが、ゴジラが出るの恐れてたかもな」

「三原山からでも出るとか?阿蘇山はなんだっけ」

「ラドンだろ。インファント島がモスラ」

「って、第二次世界大戦の武器相手にメーサー殺獣光線車って……オーバーキルでしょ」

「日本が求めたのはゴジラ映画さながらの蹂躙だから、いいそうな。機龍と姉妹機のスーパーメカゴジラで艦隊を撃沈する計画が出されて、綾香が呆気にとられたそうだ」

「陸自、いくら予算削減対象だからってヤケクソすぎない?」

「怪獣大戦争マーチを流して、蹂躙するのは洒落にならねぇから、アメリカ軍も大笑いだそうだ」

メカゴジラまで作っていた陸自。わざわざ戦車枠を減らしていたのは、メカゴジラの維持費捻出のためだったのだ。

「どんな光景なんでしょうね、それ」

「怪獣大戦争だろ。あのマーチが流されながら敵が木っ端微塵だぜ?阿鼻叫喚だろうさ」

「自衛隊の秘匿兵器って、何時頃からあったの?」

「旧軍の秘密研究を引き継いで、60年代にプロトタイプが出来て、裏で運用してたみたいだ。綾香が調べた。で、現用は第三世代のものだ。21世紀の技術じゃ砲塔の背を低く出来ないそうだ」

「つか、その兵器のおかげじゃないの、戦後の平和?」

「ぶっちゃけいうとな。日本軍の技術的遺産だよ。轟天計画の、な」

「轟天計画?」

「和平派が闇に葬った軍備計画だ。バレたんで、今更問題にされたから、とばっちり受けてるけどな、軍令部。第二艦隊を生贄にしたって」

「軍令部が死にそうってのは?」

「そう、まほろばがあったのに、坊ノ岬沖海戦でなんで隊列を組まなかったのか、とか。うちには関係ねぇよ、坊ノ岬は」

理不尽にクレームが飛ぶため、当時の軍令部は機能不全であり、参謀本部も似た状態であり、その代わりを地球連邦軍と自衛隊の統幕が担っている。軍備計画にすら財務省がケチをつけるため、扶桑海軍のクーデターが起こってしまうのだ。圭子はこの時、既に日本のノイジーマイノリティのクレームががクーデターの要因と見抜いていたのだ。

「吉田の爺さんを動かして、クレーマーと財務省を黙らそう。日本のクレーマーは戦での戦闘力ばかりに目が行ってんが、あたしらにだって感情があるんだ。修羅の国じゃあるまいし、弱肉強食の世界を目指してるって誰が言ってんだ、コンチクショウが」

圭子は口が悪いが、神の座に登りつめただけのヒトにとって、周りの蔑視と誹謗中傷がどんなに辛いものかを背中で語っている。神にも感情はあるし、城戸沙織を間近で見たため、神も全知全能ではない事を実感している。

「最強を誇ってる、あなた達がノビタにすがる根本がわからないからよ。子供の頃のレッテルで周囲は見るから、彼にすがる事を家族ごっこだって言えるのよ」

フレデリカは知っている。のび太の持つ至上の優しさ、自分の肉体は滅びようとも、魂は共にあるという存在の存続性への高貴なる考え、家族にすら疎んじられた事がある黒江が求めた『温かい家庭愛』を彼は他人にも別け隔てなく出せるという事を。

「日本のクレーマーには分かるまいさ。あたしらは全知全能なんかじゃねぇし、綾香は母親の愛に飢えていただけの可哀想なガキが本質だってことにな。あいつも可哀想に。母親と上官に裏切られてたんだからよ」

圭子は自己保身を図っていた事がある智子を厳しく咎めたように、智子や武子であろうが、黒江への裏切りには厳しい。意外なようだが、前史でゲッターごと自爆した結末を迎えていた圭子なりの恩返しである。また、黒江の本質が前史での二重人格の子供の人格であったことにも気づいており、黒江が虚勢を張っていたことに衝撃を受け、その代わりに圭子が『穏やかさ』を捨てたのである。

「……不老不死と戦闘での強さは孤独を作るたぁ、よく言ったもんだ。C.Cの気持ちがわかった気がすんぜ」

圭子は作業を終えたパソコンを持って、フレデリカの泊まる部屋から出ていく。その背中は哀愁を漂わせており、圭子にも色々な面で我慢している事があるのがわかる。フレデリカはそんな圭子の背中にそっと優しく微笑むのだった。理解者として、友人として。



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