外伝2『太平洋戦争編』
三十六話『作戦前』


――軍を中将で退役したアドルフィーネ・ガランドは南洋島へ極秘に渡航しており、魂の休息と称し、南洋島南部で隠居生活の第一歩を始めたのも束の間、戦乱はガランドの因果の鎖から戦いの縁を切らせなかった。扶桑軍の捜索により、そのままカールスラント皇帝直々の『特務機関の設立を許可するから、隠居は許さん』と勅が下り、そのまま特務機関の長に収まり、現役時代に縁深かった飛行64F基地にオフィスを開いた。


――艦の黒江の部屋

「おー、スバルか。そっちは何して……何ぃ、閣下が南洋島に!?その上、ウチの基地にオフィスを構えたぁ!?」

「はい。おばーちゃん、隠居できなくなっちゃいまして」

「うーむ……優秀な人材を手放しくないのかね、皇帝は」

「おばーちゃん、愚痴ってましたよ。軽井沢と南洋島に家を買ったのにってw」

「そーだろうな。散々働いたから、いい加減に後輩に道を譲って引退して、一端のおばーちゃんしたいとか言ってたしなぁ。でも、前々から『特務機関』を非公式には作っているとかは聞いてた。」

「2年位準備して、稼働状態には持っていってたのがバレたんですかね?」

「そんなとこだな。皇帝のお気に入りとあれば、皇帝が動向を調べさせていただろうし。あ、頼んどいたフェイトとティア用のカートリッジは調達したか?」

「そっちに送る手はずは整えました。なのはさんはなんとかなだめておきます。最近は動乱も落ち着いて、事務処理とヴィヴィオの子育て愚痴ってまして」

「あいつなぁ。この世界だと『子育て』には向いてないなぁw」

――動乱で歴代仮面ライダーらの協力により、なのははヴィヴィオの救出に成功し、子育てを無事に再開していたが、立場上、比較的自由に行動でき、更に黄金聖闘士でもあるので、家を開けることの多いフェイトが最前線で戦っていて、自分がここ最近、退屈な事務処理と訓練の監督に終始している生活であるのにうんざりしているらしく、他の次元の自分自身より放任気味であり、ヴィヴィオは史実以上にしっかりした性格に育っていた。この事はスバルからなのはBへも知らされており、Bは根本的に気質が異なる自分に愕然となり、『なんでなんでぇ〜!』とスバルAに詰め寄る内容の返信メールを送っている。

「お、そうだ。メールもらったんなら、模擬戦の時にフェイトが何をしたか分かったあいつ―なのはのB―の感想は?」

「なんかすごく微妙そうでしたよ。自分が及ばない領域に行っちゃったのがショックだったんだけど、羨ましがってるとも取れました」

「だろうなぁ。あいつ、フォトンバーストも会得したから、いくらなのはの防御でも防ぎきれないくらいの火力出せる。それでいて、ライトニングクラウンで手刀も撃てるしな」

――事件中に聖闘士としての自我となったフェイトは、別れ際の模擬戦で『遊んだ』。ニィっと微笑し、ヴィータBとザフィーラBにライトニングプラズマを食らわせたのだ。そのため、自らが『獅子』であることを強調する口ぶりを見せ、ザフィーラBを最終的に『キングス・エンブレム』で倒している。ザフィーラBは自分に何が起こったか理解できずに倒れ、ヴィータBのラケーテンハンマーを指一本で受け止め、そのまま押し返すなどの芸当も見せた。黄金聖衣こそ纏っていなかったが、聖闘士としての自我が肉体に馴染み始めたため、その威力は聖闘士として戦っている際のものと遜色なかった――

「悪いが、今の私に『ピコピコハンマー』は通じはせんよ」

「なっ!?ピコピコハンマーだとぉ!?」

巨大化したグラーフアイゼンを指二本で摘んで止めた。ヴィータが渾身の力を込めたギガントシュラークを、である。押しても引いてもビクともせず、ヴィータは驚愕する。

「うわぁぁあ〜!?」

なんとも情けないが、摘んでポイっとされ、ヴィータは吹き飛ばされる。それを見たなのはBがエクセリオンバスターで牽制をするが。

「エクセリオンバスターか……。が、これしきのエネルギー、防げんわけではない」

エクセリオンバスターの光芒が迫るが、スゥッと腕を掲げる。すると、小宇宙の輝きが黄金の輝きを放つ大鎌の形を取り、フェイトの右腕を覆い、そして奮う。

『断て、獅子の大鎌!!ライトニングクラウン!!』

手刀でエクセリオンバスターのエネルギーを切り裂き、威力を掻き消す。エネルギーには更に強力なエネルギーを、というのが如何にも聖闘士らしい発想である。その際には、うっすらとマント付きの黄金聖衣を纏っているような幻影も見えたため、なのはBはその獅子を思わせる雰囲気に圧倒される。

「何、今の……黄金の……甲冑……?」

と、唖然としていると、別の自分自身、つまりなのはAがハルバード形態のレイジングハート・エクセリオンをぶん回しながら、吶喊してきた。管理局武装隊のセオリーなどガン無視の、ロンド・ベル流の戦い方である。

「先手必勝ぉ〜、とっかぁ〜ん!」

声には遊びも入っていたが、戦い方に関しては手を抜いていない。ハルバードを用いてのリーチの長い打撃戦法は真ゲッターロボでの流竜馬の戦法を参考にしたらしく、ハルバードの大重量を片腕でぶん回し、なのはBの防御を削る。Bは自分の防御も容易く削るハルバードに驚きつつも、ハルバードの間合いよりも内側に入り、ハルバードを封じる。当然ながら想定内のAはハルバードを瞬時に小太刀に変形させ、それで以てバリアジャケットの袖を斬る。

「小太刀……?まさか、あなたはウチの剣を?」

「お生憎様だが、ウチの剣は継いじゃいない。だが、それとは別の流派を会得した。別に、ハルバードで石突き打ちして対応出来るが、お前とは根本的に別人ってことを見せたくてね」

敢えて小太刀にした理由は、自分が『別人』ということの証明と前置きし、御庭番衆式小太刀二刀流を見せるA。Bは剣を習っておらず、護身術を管理局で齧った程度であるが、兄や姉達の鍛錬を少女期に見ていたおかげで、『反応』は出来た。が、体の反射行動が追いつかない。

「だ、だめ……目で追えても、反射が追いつかない!」

Aの剣さばきは見事。それに対応しきれないBだが、反撃の糸口を探ることは忘れない。それはBがエースたる所以だった。



――シグナムBは黒江と戦闘をしていたが、黒江もフェイト同様の事になっていたので、シグナムと対等に渡り合う。(因みに初めて会った際のシグナムAとの模擬戦では、13歳時の幼い肉体と素の魔力差が大きなハンデとなり、大きく負け越していた。が、絶頂期の10代後半相当の肉体となり、聖闘士としての経験が加味された状態であれば対等、もしくは上回る)

(流石はシグナム。初めて会ったときゃ、コテンパンにのされたかんな。これでようやくだから、やっぱ『経験差』か)

百戦錬磨のシグナムは、出自故、素の状態の黒江程度の相手はいくらでもいたので、倒すことは容易だった。それは智子も同様であったので、二人の目標の一つは『シグナムと互角に渡りあえるように、自分を鍛える』ことであった。その成果で戦う事で『互角』であるので、シグナムの強さが際立っており、智子、黒江、フェイト、なのは(A)の目標である事が分かる。

「中々やる。相当な使い手という、私の予測は当たっていたようだな」

「ったりめー。こっちのお前にゃコテンパンにのされた事もあるんだ。お前に追いつくために、鍛錬はそれなりにしてきたつもりだ」

「なるほど。そちらでも、私は『私』であるようですね、『少佐』(当時)」

「ああ。私も異名を以て恐れられた身だが、あんたから見りゃ、私は『ガキ』だろうな」

「確かに。ですが、手加減はしない。それがベルカの騎士としての流儀です」

「こっちも日本の武士の末裔の意地ってもんがあるぜ。それを見せてやる」

黒江は斬艦刀をここで使用し、更にエクスカリバーの力を上乗せする。,風が渦巻き、黄金の光が剣状に広がり、斬艦刀でありながら、西洋の大剣のようなシルエットを纏う。これぞ黒江の聖闘士兼ウィッチとしての切り札が一つ『斬艦刀INエクスカリバー』である。エクスカリバーの加護を受けた斬艦刀を振るう大技で、やり方はどこぞの『竜巻斬艦刀・逸騎刀閃』と同じ。

『唸れ疾風ぅ!!』

剣から竜巻が出現し、それが吹き荒れ、シグナムを呑み込む。

『走れ、雲耀の速さで!』

聖闘士としての光速を超えた動きで剣を振るい、シグナムに斬撃を加える。エクスカリバーは全てを切り裂く聖剣であるため、シグナムの防御力に優れるバリアジャケットも薄紙同然に切り裂かれていく。


『奥義、竜巻斬艦刀、逸騎刀閃!』

数度の剣閃と竜巻の破壊力はエクスカリバーの加護が加わった証。そのため、さすがのシグナムもまったく防御できず、竜巻に呑まれ、ノックアウトだ。

「これでようやく、か。あんた強すぎだよ。数百年の経験でようやくとはね」

それはシグナムの域まで剣技を高めるのには聖闘士としての技能とエクスカリバーとエアが必要であり、それでいて、数百年生きた『経験』が黒江には必要だった表れで、それでようやく追いついたという事実に、黒江はヴォルケンリッターへ一種の敬意をエクスカリバーで以て、示した。ただし、アニオタであるはやてBはツボに入ったか、大笑いだ。

「ケイさん、あれ、ダイゼ○ガーやんww」

「こっちだと、アニメとか特撮の必殺技コピーが流行っててさぁ、ついにネタ切れか、有名どころ避けようとしたのがアレじゃないかな?」

「トロンベおらへんやんwww」

「あんなのいたら困るわwww」

「確かに、あのゲームからかぁ。随分と通な」

「あー、お前もやってるな?あの子も結構、非番の時はやりこんでてね。お前もそのクチでしょ」

「学生の頃は。最近は忙しくて……。そっちの私はどうなんや?」

「武装隊が軍隊化したから、警察業務の書類処理が殆ど残務整理だけになってる分、暇そうよ。やってる事は殆ど事務処理だし」


――ミッド動乱が起こった世界では、管理局は実働部隊である武装隊の『完全な軍隊化』が実行され、少ない人数で組織を回すため、質量兵器が解禁された。その過程で、エリオとキャロは、キャロの精神的療養も兼ねて、別組織に分かれた自然保護隊に移籍していった。これはキャロが心理的外傷を負ってしまった事も大きく、エリオはその護衛も兼ねての移籍だった。機動六課はその二人と、ティアナが転移に伴う移民で扶桑皇国軍に籍を置いた都合、前線での定数割れを起こす事態だったが、ティアナを手放す事に、ヴィータが猛反対し、統合参謀本部に殴り込むとまで言い、はやてAを慌てさせた。そのため、ティアナは『64Fからの出向』という形で、機動六課に籍を置き続けるという無茶な形での取引がなさた。これはヴィータの願いを聞き届けた源田実と武子がひねり出した妙案で、結果としてティアナは『機動六課の隊員』でありながら、扶桑皇国空軍の軍人であるという二足の草鞋を履いた状態となった。また、当時はミッド動乱の激戦期であった都合、メンバーの入れ替えは管理局の都合もあり、殆ど行われず、以前のメンバーの内、欠員に数ヶ国軍の出向者を加えた形に収まったという――

「数か国の出向者?」

「そそ。その内の一人がこのあたし。シャーロット・E・イェーガー。そっちの常識でいうところのアメリカ軍からの出向さ」

「そっちは二次大戦中って聞いたけど、連合国って殆どアメリカやん」

「こっちじゃそうじゃないんだなぁ。連合国って言い出したのはここ数ヶ月の話で、『国際連盟』がまだ存続してるから、形上は連盟軍ってなってる」

連合軍は、この時点ではまだ『国際連盟』の規約に則った多国籍軍の体裁であった。しかもその戦力の多くは欧州とアジアの国々で、リベリオン軍の比率はむしろ低かった。が、ティターンズ政権に反発して設立された『亡命リベリオン政府』とその軍隊が加わる過程で、国際連盟の規約などに無理が生じ、『1950年代を目処に、国際連合として連盟そのものを再編する』盟約が交わされている。そのため、連盟の常任理事国の扶桑は地すべりで国連安全保障理事会の常任理事国になるのが内定している。(後に、オラーシャは革命騒ぎで軍がズタボロになり、国家そのものも大ダメージを負ったため、常任理事国にはなりそこねる)。内定からそのまま安全保障理事会常任理事国になれたのは、ブリタニア、扶桑、亡命リベリオン、カールスラント連合国の四カ国。後に、ウィッチ世界ではその四カ国を『ビック4』と称するようになる。本来はオラーシャ帝国も常任理事国に内定していたが、内乱で国力を消耗し、国家そのものが空中分解寸前にまでなってしまった事もあり、辞退。そのため、常任理事国は4カ国となる。この当時、既にそれが決定している国々の協議で国際連盟軍を『連合軍』として動かす決定はなされており、山本五十六は会議の場でアイゼンハワーとロンメルに次ぐ地位を持っている。

「こっちじゃ国際連盟はほとんどお飾りみたいなもんやったけど、そっちじゃ国連軍も組織出来るんやね?」

「まぁ、人外の化け物との戦が主流の世界だったから、そういう枠組みがあったのさ。それもややこしーが、ティターンズ残党がやってきた事で全てが変わっちまったけどな」

「あいつら、別の世界行っても、地球至上主義してるん?信じられへん根性や……」

「いーや、ネオ・ジオンと組んだぜ。形振り構わずって感じでさ」

「堕ちたもんや、ジオニストと地球至上主義者共がてぇ組むなんて」

「利害も一致したし、組織の大義名分と別に、ティターンズもネオ・ジオンもお互いに利用しあってるんだよ。ティターンズの急進派にとっちゃ、地球の反体制派を纏めてくれるジオンはいいモノだし」


――ティターンズとネオ・ジオンは、残党故の利害の一致もあり、盟約を交わしたという情報はシャーリーには入ってきていた。お互いにジオン公国、ティターンズの組織が健在だった頃の軍事力は持ち合わせてはおらず、各組織を吸収した再興ネオ・ジオン軍で、ジオン公国宇宙軍のおおよそ7割程度、ティターンズ残党に至っては、おおよそ3割か4割だ。そのため、必然的に同盟の盟約で有利な立場なのはネオ・ジオンになる。が、ネオ・ジオンには、士官を担う人的資源が殆ど枯渇気味という問題点、ティターンズは優秀な人材はあれど、機体が不足している問題点をお互いに抱える。そのため、ティターンズ残党は自軍のMSのライセンスをネオ・ジオンに手渡し、ネオ・ジオンが資源衛星とグラナダで生産し、ティターンズに手渡すという手法が取られた。そのため、マラサイの後継機種扱いでギラ・ドーガがティターンズに渡る現象も起こった。ティターンズの連邦系技術がネオ・ジオンに渡る一方、ネオ・ジオンはMSの更新を進めてはいたが、主力はギラ・ドーガのマイナーチェンジモデルのギラ・ズールに留まっていた。これはネオ・ジオン軍の懐事情もあり、連邦軍で普及したビームシールドは『MSの調達数に影響が出る』という理由で装備されていない。(ジオンはIフィールドを有していたのもある)そのため、現時点での主力機の性能は連邦軍が優位である。ジオンはMSの大家であるという意識が強く、ビームシールドへの信頼がなく、更に公国軍時代から『攻撃は避けるもの』とする意識があり、連邦系MSより防御力が無い傾向があった。連邦系MSはガンダリウム合金とビームシールドの組み合わせが量産機にも普及し、クロスボーン・バンガードのお家芸を奪った形になったので、キルレシオは一年戦争よりだいぶマシだ。最も、ジオン軍のプロパガンダの影響で、ジオン軍が終始優位に立っていたと思われがちだが、連邦は国連軍時代からの火力優勢・平均技量の統一化などの行為がソロモン攻防戦あたりから実を結んだ事もあり、平均キルレシオはむしろ勝っている。連邦がロンド・ベルのような一騎当千の部隊を構想しだしたのは、『ガンダムチーム』が起源だが、構想そのものはジオンの『キマイラ隊』をヒントにしたともされる。


――ロンド・ベルに歴代ガンダムを集める事は、ロンド・ベルの反乱を警戒する保守派の間でかなりの反対があったが、かの『ニューディサイズ』の例もあり、エース級集めて動作データ取得の為の部隊はいくつか造られたが、教導隊に再編されたし、しかも複数の部隊に分けられている。そのため、前線で活躍するエースがいないと謗られ、連邦の惰弱の象徴とも、繰り返し反体制派にプロパガンダされた事もあり、エゥーゴ時代のネェル・アーガマ隊を再編しての最強部隊を編成する案が生じるのは自明の理だった。その頃に地球的危機が勃発したのも構想の具体化に繋がった。プリベンターが安全保障を担うとされていた時期に至り、ロンド・ベルとして、歴代ガンダムと各スーパーロボットが集積されたのが、現時点の編成の起源だ。その編成が連邦軍再建後も解かれなかった(ロンド・ベルを有事即応部隊に正式に認定したためでもある)事で、ロンド・ベルは連邦のスーパーロボット運用部門という側面も持つようになった。現時点では、23世紀初頭に代替わりした大統領の施策で、連邦軍の指揮系統からは距離を置いた、大統領及び内閣直属の『外殻独立部隊』となり、強大な査察権限を有する。サイド3やスウィートウォーターのスペースノイドからは『ティターンズの後裔』として敵視されているものの、それ以外のスペースノイドは好意的だ。このような独立部隊は13個あり、ロンド・ベルはその13番目にして、最大最強を誇る部隊である。装備もパイロットも連邦最高の組み合わせである事から、連邦軍内の新たなエリート層とされる。異世界からの出向者の受け皿としても機能しており、ウィッチ世界の住人の黒江や智子、ミッドチルダ在住のなのはが連邦軍籍を取得していながら、異動がないのはそのためだ――

「そいや、はやて。ジョニー・ライデンがいたキマイラ隊知ってるか?」

「ああ、MSVの?」

「ロンド・ベルにエースやニュータイプ、スーパーロボ集めたのはそれがヒントらしいんだ」

「本当かいな。でも、赤い人おらへんやん?」

「対赤い人対策が本当だったらしいし、キマイラ」

「キシリア、そんなに赤い人怖かったんかいな?」

「キャスバル・レム・ダイクンっての分かってたし、赤い人のクーデターへのカウンター部隊だったって噂もある。だから、エースを無駄に集めたって批判もあるから、ロンド・ベルにZ、ZZ、ν、F91とかの歴代ガンダムを集めるにも反対論があったそうだぜ」

「でも、実際は通って、スーパーロボットも集めたんやろ?」

「そうだ。だから、安定性の高いグレートとドラゴンは量産されたよ」

「グレートマジンガーはわかるで。漫画でもあったし、ドラゴンは危ない!真ドラゴンにでもするつもりかいな」

「まぁ、敵が先に始めた事だし、それに対抗してのことだよ、ドラゴンは。TV版仕様の量産計画だ。あ、あたし達のは鹵獲品の改修だから、違うけど」

「そう言えば体形がマッシブだったなぁ。もしかしてOVA版の鹵獲?」

「それを改造して、操縦系はネオゲッター、TV版の武器と炉心積み込んで、色も換えた仕様さ」

敵方のゲッタードラゴンは量産を重視した仕様であり、オリジナル版に比すると、スペックに劣る。オリジナルがワンオフの試作機であるのに対しての差とも言えるが、持ち込まれた量産ドラゴンは真の姿のためのパーツにすぎないのが実情である。味方側のネーサーの計画版は概ね、オリジナル版を量産するものなので、細かい性能差はない。

「あたし達が乗ってるもんだから、女性用ゲッターの計画も出てさ、設計中だって」

「『斬』や!ゲッターロボ斬!!あれまで造るたぁ……」

「お前、かなり詳しいな……」

シャーリーは呆れる。模擬戦では早々に脱落したので、もっぱらはやてと雑談に興じている。圭子は圭子で、クロノに電話をかけて、事務処理を行いつつ、クロノに『もう一つの時空管理局』の存在を教えている。圭子はかなり苦労しているようだが、強引に推し進めるあたりは流石だ。また、この世界の管理局にゲッタードラゴンがゆりかごの破壊に関わった事の隠蔽工作を行うよう、この世界のクロノに指南する。それを終えると、今度はA世界にいる武子に電話をかけたのだが……。

『圭子ぉ――!!』

『電話口でヒステリー起こさないでよ……』

武子は主に黒江のせいで、ヒステリーを起こしており、開口一番、怒鳴る。歴史改変で黒江が『やんちゃ坊主』になったため、本来、黒江の担うはずの『ストッパー』の役目を背負った事を第三者で唯一、自覚しているためか、気苦労が余計に増えた。更に南光太郎のライドロンを以ても、B世界の特定に数ヶ月かかった上、二人ともミイラ取りがミイラになったため、余計にイライラしていた。(好奇心旺盛な黒江のせいとは気づいている)

『綾香に言っといて。これ以上帰って来なかったら減俸よ、減俸!タイムマシン使ってもダメだからね!』

『あー……当人が来たけど、替わる?』

顔面蒼白になった黒江がやってきた。模擬戦には勝てたものの、減俸はショッキングなようで、すっかり絶望した顔だ。

『お、おい、フジ!そりゃ連絡しなかったのは謝る!減俸は勘弁してくれぇ〜!』

『ダメよダメダメ!減俸よ減俸ぉ〜〜!』

『お、お、おい!た、頼む!後生だぁ〜!』

『帰ったら、言い訳は聞いてあげるわ』

と、電話を荒々しく切る武子。激しく苛立っているようだ。黒江は完全に絶望し、その場にへたり込む。

『終わった……私の今月……』

が、捨てる神あれば拾う神あり。はやてBが手紙を書いてくれ、さらに光太郎(RX)が『帰ったら俺からも言ってあげるよ』という事になり、この時の黒江には、はやてBが観音菩薩に見え、光太郎が仏に見えた。その後、電話をかけて泣きついた芳佳に入れ知恵され、甲板掃除終了後、4人で空母『大鳳』に出向する事にするのだった。

「――あの後、宮藤に電話して良かったぁ。減俸はなんとかちょっと長い出向で帳消し泣きできたしさ、お前のツテで閣下に連絡できたし……」

「武子さんをどうにかするには、おばーちゃんの一言が一番効きますからw」

帰還後、スバルがガランドに泣きついてくれたので、ガランドが仲裁に動き、さすがの武子も唖然とした。スバルがガランドの『義理の孫娘』に当たる事も当人の口から説明され、武子も唖然とせざるを得なかった。そのため、ガランドが最終的に仲裁し、黒江が進言したこともあり、埋め合わせは数ヶ月の大鳳への出向で落ち着いた。ガランドが武子を諌めてくれたおかげだ。武子も『自分が青い』ことを自覚したようで、後に自分も瑞鶴へ出向し、圭子に部隊指揮の代行を頼んだという記録が残されている。

「そいや、大鳳行ってた時もそうだったけど、突発的な実戦とか作戦あっただろ?こっちは今、反攻作戦の準備中なんだが、マスドライバーなんて使われたから、宇宙出ることになった。クソ、どこから漏れたんだ?」

「日本からじゃ?」

「馬鹿な、防衛省でも一部しか知らされていない極秘事項だぞ?」

「その一部の中に『息のかかった』のがいたら?」

「……考えたくはないが、反戦自衛官か?」

「それを操れる立場にいる背広組の大物と、政界の大物でしょうね。ほら、綾香さんの行ってる時代の日本、23世紀みたいに『防衛』に確固たる意思も無ければ、否定的な世論すらあったでしょ?」

黒江は『軍人出身の自衛官』でもある。気質的に反戦自衛官を好いてはおらず、彼らも、『生粋の武人ぶってる時代錯誤女』と嫌っていた。黒江が旧軍人と同義の存在であることが判明した後は、自衛官、特に陸自内部の勢力は内部でも、『扶桑を見習い、旧軍のように屈強な部隊を造る』ことを志向する派、『陸上自衛隊に旧軍人の気質は不要だ。警察予備隊時代にはそうだった』と、警察予備隊時代からの歴史にアイデンティティを求め、旧軍人気質を不要とする者、『戦争屋嫌いだし、あいつを排除できない?』という少数派に分かれていた。今回の事件に利用されたのは、その内の少数派の更に先鋭的な者だ。

「うーむ……。そうだな。制服組の力は増しているが、一枚岩でもない。その内の左派が政権と背広組に媚び売って、流したか?」

「その可能性はあるかと」

「タローのおいちゃんに知らせておくか……。それとその爺さんに当たる吉田老にも。国際問題になりかねないな、これ」

「数十万の人がぶっ飛びましたし、もし、日本側に否があるとわかれば、連邦も動くでしょうし」

「分かった。あいつら嫌いなんだよ、戦争なんて下らねぇ事に血道上げてられっか!誰が戦争屋だって? 戦争嫌いだからとっとと終わらせたくて戦ってるのによぉ… 戦争やってたら釣りに行く暇だってねぇし!なのに、戦争屋って言いやがったんだぞ、クソ!吉田の翁に言いつけてやる〜!」

と、大いに憤慨する。と、大いに憤慨する。それは未来の政治勢力にさんざ振り回されているウィッチ世界の悲哀の象徴だった。扶桑でこれなので、革命が起こりかけたオラーシャに至っては更に悲惨で、『狡猾で人を騙すのがうまいロシア人は痛い目にあったほうがいい』という日本の世論もあり、正規軍は日本から援助を満足に受けられず、逆に中国などからの強力な援助を受けた革命軍に敗退を続け、騒乱終結時には、三軍全て合わせても、日本国自衛隊以下の規模、人的資源の被害は、軍人だけで史実東部戦線以上という惨状に落ち込む。その責任を取る形で皇帝は息子に譲位し、更にその息子が国際連合での責任ある立場につけないと宣言し、常任理事国を辞退するまでの惨状となる。結果、オラーシャは前途洋々であった史実ソビエトと正反対の『権勢が最も没落した国の一つ』として、20世紀後半を過ごす事になる。



――この事件に際し、扶桑皇国の最高実力者である吉田茂が動き出し、21世紀にいる孫と会談を行うという名目で、戦艦信濃を使って来訪。その際に事件の事が話題に出され、自衛隊を作った張本人が、21世紀時点の自衛隊を視察するという光景が出現する一方、演説で『扶桑は大日本帝国ではない』ことを強調した。日本の左派からは『反軍派なら、軍縮をしろ』という野次も飛んだが、彼は反軍派ではなく、現実主義者である。そうでなければ、国防組織の再編などしない。伊達に外交官出身ではないというわけだ。また、大日本帝国がそうであったように、ムー大陸を国際連盟の委任統治領と勘違いしていた議員からは『帝国主義を捨てるには、委任統治領を全て捨てるべき』と野次も飛ぶが、扶桑は委任統治領は殆ど持っていない。南洋庁最大の南洋島は固有の領土なのだ。それも織田信長の時代から。しかも日本列島より遥かに大きく、資源供給地だ。

『扶桑は大日本帝国ではない。その事は肝に命じて頂きたい。そもそも明朝時代に中国は滅び、李氏朝鮮も既に無く、我々にとっての隣国はオラーシャ帝国であるし、我々が倒れれば東アジアの滅亡を意味するのだ。』

――明朝時代に中国が滅亡した。演説でこうはっきり言われると、演説を聞いている議員の顔色が青くなっていく。日本が戦後、軍事力を小さくしたのは『隣国に迷惑をかけないため』と考えていた者たちほど蒼白になっている。『隣国』が存在しないという事は、東アジアには扶桑しかおらず、必然的に大きな軍事力を持たざるを得ないことを意味する。最大で中華民国時代の中国と戦前日本を合わせた数の軍事力を――

『従って、持つべき軍事力も日本の皆様方の考えているよりも遥かに大きくなるのであって、我が国がそれを維持しているのは、世界の安全保障のためであり……』

――世界の安全保障。それは戦後日本が40年近く、関わるのを避けてきた分野である。それと逆に積極的に関わる事で、国際的評価を高めてきた扶桑。その違いが示された。それを行う大義名分も『扶武同盟』(日英同盟)で持っている事も。日本は戦後、腰巾着とまで言われるほどに卑屈になってまで、アメリカの権威に縋ってきた。それ故、戦前の軍事力を持ち、戦前最盛期の国際的発言力を持つ扶桑に嫉妬する者も多かった。

『日本の皆様方は我が国に何を望むのです?皆様方が過去に味わった辛苦を我々も味わえと?それは貴国の勝手な思い込みからの傲慢であると言わざるを得ません』

――傲慢。それは日本国民が太平洋戦争のトラウマから、大日本帝国と似た姿の扶桑に強要したものであった。陸軍の膨大な被害の多くは主にティターンズよりも日本人の茶々で『撤退』ができなかったりした事による壊滅が多い。陸軍は『どうせ徴兵で換えが効くんでしょ?だったら肉壁になって住人を守れ』と言われ、実際にそうした部隊が多く、既に一個軍が消え失せていた。その中には貴重なウィッチ部隊も含まれており、扶桑陸軍にとっては大きな痛手だった。日本人は帝国陸軍を『国民を守ろうとしなかった軍隊』と思っており、それとは違うことを証明せんとして、リベリオン軍撃退と引き換えに壊滅した部隊は多く、それが扶桑陸軍が陸上自衛隊に『埋め合わせ』を迫る理由だった。自衛隊はこの吉田の演説で、『援助』の大義名分を得、陸海空の合同部隊を留学名目で派遣した。



――吉田の演説から数週間後

「前政権のツケを払わされたな、俺たち」

「仕方がない。ティターンズのことを知らなかった前政権のおかげで、この国は実害を被った。あのまま、侵略に手を貸したとあれば、政府の汚点になるからな」

自衛官らは扶桑軍の各軍に組み込まれる形で協力を始めた。海自は海軍、空自は空軍、陸自は陸軍だ。陸自隊員らは主に機甲科の隊員で、10式戦車から74式戦車までの戦車、機動戦闘車などの新装備も複数持ち込まれていた。が、彼らは自分らの装備が21世紀水準であることを自覚してるので、ティターンズの相手は連邦軍に任せるつもりである。

「連邦軍は俺らの子孫がやってるんだろ?つまり俺達は未来人の争い事に巻き込まれたんじゃね?」

「グリプス戦役の続きをやらかしたティターンズが悪いのさ。とっとと諦めていれば、再就職できたろうに」

「ティターンズの残党ってどうなったんだっけ?」

「ネオ・ジオンに媚び売って、ネオ・ジオンに組み込まれた部隊、ゲリラ化した者、民間軍事会社に転職したりと……まぁ、賊軍らしい末路さ。連邦軍の状況見ると、エゥーゴが主導権持てたまま連邦軍が再編されたらしいな」

「赤い人、逆襲しなかったのか?」

「カミーユがやっぱあれになったから、絶望して逆襲したそうな」

「あの人、カミーユに期待かけすぎだろ。カミーユったら、キレる17歳なのに」

「だからって逆襲はないだろ。やっぱりアクシズ押し返されてるんだろ?んなに構ってほしいのかねぇ、アムロに」

と、言いたい放題だ。過去の自衛隊員にここまで言われるあたり、シャアへの日本のアニオタの間での評価ぶりがよく分かる。

「そいや、黒江一佐だが、彼女知ってるか?」

「ああ、防大時代につるんでたよ。同じ期だったし」

「彼女、Z系に乗ってるらしいぞ」

「逆シャア後だろ?どうせリ・ガズィ……」

「プルトニウスだそうだ」

「おいおいおい!随分マニアックな機体を作ったな、アナハイム……」

「Z系も世代交代くらいはするだろう。それでだろう。彼女、剣術の達人だって豪語してたろ?」

「ああ。防大の頃、揉んでやろうとしたら、逆にやられたよ。Z系でチャンバラしてんの?あいつ」

「だと」

「か〜、信じらんねー。ヒットアンドアウェイがZの真骨頂だろうに、ドッグファイトやらかすなんて」

黒江が潜り込んだ時期の防大卒生は2010年代初頭時には『油が乗り始めた年代』に達しているが、階級的には黒江に追いついていない者が多い。黒江は旧軍人である故、進級が特別に早かったからで、他の者たちの多くは三佐、もしくは一尉になるか否かというところ。すでに一佐である黒江は出世頭であった。

「今は宇宙にいるそうだが、海自の連中はブリタニアの東洋艦隊の護衛にも駆り出されてるから、あの人は『花形』の仕事してる事になる」

「いいなー。海自の連中から聞いたが、ブリタニアは相当に無理して東洋艦隊派遣してるぞ?本国の財政が相当にカツカツなのに、新戦艦作ってる」

「潜水艦が史実ほどの地位ではないし、核兵器もない。戦艦が指標であり続けるのも無理はないさ。そもそも艦砲を追いやったミサイルがバカみたいに高くなるのが分かった以上、ミサイルを造る意義もそれほどないしな」

「ミサイルを積極的に使うのは扶桑くらいか。ブリタニアはなぜミサイルを積まないんだ?」

「ブリタニア海軍にはあるんだろう。誘導兵器への疑念が。それに戦艦をガチで戦闘に使うドクトリンではないしな、あそこは」

「ブリタニアは英国相当だから、砲艦外交に使う目的もあるとは言え、誘導兵器を積むのを戦艦にやらないと言うのはなぁ」

「ミサイルは防空艦に積んで、戦艦には砲撃戦と艦砲射撃に専念させるんだろうな。対艦ミサイルは水雷の子孫みたいな認識なんだろう。あそこは……いや、待てよ。確かフォークランド紛争の時に沈んだ駆逐艦いただろう?えーと……」

「シェフィールド?」

「そうそう、シェフィールド!あれの動画見たんじゃないか、奴さん」

「あれでミサイル防空不信に?」

「あり得る。あれは判断ミスと初期消火ミスも大きかったけどな。それと近接武器が貧弱すぎたのも」

彼らの言う通り、イージス艦の存在と、任務上の都合から、扶桑は戦艦に至るまで防空システムを統一、超近代化したが、ブリタニアはフォークランド紛争での防空駆逐艦の沈没を変な方向に捉えたらしく、セントジョージ級戦艦に至っても、未だ対空兵装は砲熕武装であった。それはブリタニアにとって、『戦艦は砲艦外交にも使うから、粗相があっては困る』という思想も多分にあり、自衛隊からセントジョージは『英国面全開』とネタにされている。(なお、次級のアイアン・デューク級はきちんと誘導兵器搭載前提に切り替えられており、ブリタニアも大和型のFARMを意識していたのが分かる)


「でも、CIWSくらいは積んでほしいぜ。ボフォース積んだと言っても、ジェット機の時代にゃ貧弱だぜ」

「扶桑が作戦行動の都合、ボフォースと高射砲の幾つかと引き換えに積ませるそうな」

「海自の連中の負担が大きいからなー、なんとかしてもらいたいぜ」

ブリタニア東洋艦隊の装備は海上自衛隊・扶桑皇国海軍・地球連邦海軍からすれば旧態依然としたもので、三者を悩ませた。対空兵器も史実大戦後期レベルであり、戦艦から駆逐艦までもが、戦後世代のRIM-24ミサイル、シースラグミサイルすら積んでいない。(シーキャットでも可)これではミサイル格納装備として、VLSが既に普及し始めている扶桑に比して『旧型』であると世に示しているようなものだ。そのため、同位国の恥を見てられんと英国が動き、当時最新鋭の45型駆逐艦、もしくはその前型の42型駆逐艦を提供する用意があると通達する。ブリタニアはフォークランド紛争の映像で妙なトラウマを持ったか、最新鋭の45型を要求。英国はそれに応じ、予定数を増加し、完成次第の提供を約束する代わりに、余剰の戦艦をレンタルするようにという約束を取り付けた。これは日本が三河と甲斐(大和型戦艦)をレンタルしたのに対する対抗上の施策であった。


――日本のレンタルをきっかけに、かつて超弩級戦艦を有した国々がこぞって、戦艦を『コレクション』するかのようにレンタルしていく様は『戦艦のオンデマンド現象』と呼ばれた。これは21世紀時点では、戦艦を運用可能なノウハウを有していたのがアメリカ海軍のみであり、新造もやってのける力を持つ国もアメリカのみであった故で、他の各国には戦艦を造れる技術は失われている。日本の国力であれば、新造も不可能ではないが、当時の政治的事情でレンタルに留まった。この作戦の時点では、甲斐と三河が日本で本格的な活動を行って数年が立ち、そろそろ運用側が熟れてきた頃で、大型砲熕武装を有するための『見栄えの良さ』から、観艦式でも一番の注目の的だった。298mの全長を持つ両艦の勇姿は『日本海軍復興』のシンボルとしても大きな意味を持っていた。攻撃型空母を持てない当時の政治的事情により、『特大型護衛艦』(重装甲護衛艦とも)と言い訳が使える戦艦は日本としてはうってつけだったが、当初は人数の問題が問題視された。4桁の人員など、単艦に割けないからだが、自動化で3桁の人員で済むからこそ、解決された。このバグラチオン作戦以降、自衛隊の部隊が多く太平洋戦争に従軍した理由は、『昔年の海軍大国としての誇りを思い出させてくれた』事への日本政府(政権交代後)の恩返しだったのだ。(もちろん、前政権の尻ぬぐいもあるが)そのため、23世紀と21世紀。二つの時代の日本人の援助を受けて、扶桑は太平洋戦争という過酷な戦場を戦い抜いていくのである。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.