外伝2『太平洋戦争編』
五十六話『真実』


――様々な想いが入り交じった戦場。大和と信濃はモンタナ級戦艦との死闘を展開、相当数の被弾を出しながらも、なんとか戦闘能力を維持していた両艦は、モンタナ級戦艦に決定打は与えられなかったが、所定の目的は果たした。ヘビー級ボクサー同士の対決は判定勝ちとなったのである。


「勝ったらしいな……」

「ええ。30発も被弾して無事なのが信じられないもんね。よく沈んでないわね」

「ガンダリウムと強化テクタイトのおかげだな。時代相応の装甲じゃとっくに限界だ」

「味方の命中率は?」

「おおよそ40%前後です」

「流石に未来技術だな。この時代、10%で良好って言われてるからな」

「つまり斉射の何発かは外れるって事ですね?」

「私らが暴れたおかげで専念できたからこその被害軽減だ。補助艦艇を破壊してなきゃ、40発は食らってただろう」

大和型は速射砲を有していたが、それでも砲身命数の都合上、速度は緩めて撃っていた。それに耐え切るモンタナ級戦艦も相当に頑強なのが分かる。Zちゃん達が補助艦艇を破壊しまくったおかげで、砲撃戦に専念できた大和と信濃は、ズタボロになりつつも、凱歌を歌い上げる事に成功した。が、ここで問題点が出たのはいうまでもない。『46cm砲では打撃力が足りなくなってきた』のだ。海戦の様子を、衛星からの中継映像で確認した艦政本部は、武蔵でテストされ、超大和型戦艦に積まれる予定の『試製甲砲改』(51cm砲)を大和型にレトロフィットさせる事を决定する。が、ここで生産力と予算の壁が立ち塞がるのである。

「たぶん、これで51cmに格上げされるだろうな。この交戦結果で向こうは同格の18インチ砲に格上げされるだろうし。いや、もっと長砲身になるかな?次期戦艦用が優先だし」

「先輩、なんで知っているんですか?次の戦艦を」

「あ、ああ。艦政本部に兄貴の大学時代のダチがいてな……(おー、危ない危ない。このときゃまだ極秘だっけ)」

黒江は『逆行者』である。その事を知るのはごく少数の者である。しかもその行為を二度も繰り返していた。二度目がいつから行われたのか?その答えは、この時より4年ほど前。まだ芳佳がブリタニアから帰国して間もない頃にあった。黒江は二度目の人生やり直しをこの時から始めたのだ。ちょうど、火龍のテストを行っていた日のことだ。


――4年前――

「あんた、今度はこの日からなのね?」

「前回は坂本の奴を不幸にしちまったし、あいつと和解しないままだったから、なんとなく、歯切れが悪くてな。未来の介入が始まってるこの時期なら、言動に違和感は持たれねぇかんな。そろそろエンジンが止まるぞ〜。今回は上手く不時着しろよ」

「分かってるけど、難しいのよ、火龍の制御は」

と、愚痴る智子。『前回』と同じ位置でエンジンが止まり、やはり宮藤家に墜落していく。ドスンと二人して墜落するが、今回は割とマシなポーズで不時着に成功した。そして、前回と同じく、家の軒先に、芳佳が出てくる。

「あいたた……生きてる?」

「なんとかな……まいったな、民家の前に落っこちるなんて……」

と、念のため、前回と同じ内容の会話をしていると、驚いた顔の芳佳がいた。

「「えっ、う、ウィッチ!?」

「新型のストライカーユニットのテスト中だったんだが、発動機がトラブって落っこちたってわけだ。すまねーな」

「ち、ちょっと、『綾香』!」

「構わん。こいつは坂本の弟子で、元501の一員。それに、宮藤博士の娘さんだ。昔、『お前が会った事ある』ってたろ」

「と、言うことは……『あの時』の?」

「こいつがそうだ。おっと、私は初めまして……かな?宮藤芳佳……えーと、一飛曹?」

と、細部は前回と違うが、同じような会話をする。歴史改変の影響で、智子が芳佳との面識を持ったからだ。今回は芳佳が智子と『幼少期に会っていた』という事になっていたため、割と早くに打ち解けた。また、芳佳も改変の影響で、黒江の顔は覚えていたため、スムーズに事は運んだ。

「んじゃ、改めて自己紹介するぜ。私は黒江綾香、んで、そっちが穴拭智子。陸軍三羽烏が一人だ……って、今のガキは知らないか?」

「坂本さんが事あるごとに引き合いに出してたので、名前だけは。あなた達の事だったんですね」

「そういうこった」

会話の内容の端々は変化しているが、同じような流れである。当然、前回と異なる事も起きる。前回はみっちゃんがやってきたが、今回は坂本だった。

「あ、坂本さんだ」

「おーちょうどいい。『久しぶり』に、クロウズとか言って、ナマ言ってたガキの面でも拝むか」

と、完全に遊んでいる。前回より早まったが、坂本と国内で再会するのは必然的な流れだ。

「ハッハッハ、宮藤〜いるか〜?」

と、毎度おなじみの笑い声と共に玄関をガラッと開ける坂本であったが。

「よう〜」

と、黒江が応対した。思わぬ人物の登場に、坂本は目をゴシゴシとこする。

「久しぶりに会ったってのにナニ固まってんだよ」

「いや、その、あの……。なぜお前がこの家にいるんだ!?今は古巣に出向していると……」

「その最後のご奉公でこうなったのよ、坂本。久しぶりね」

「あ、穴拭。そうか、昔からお前らつるんでいたからな。黒江がいる以上、お前もいるという事だな」

「そういうこと」

こうして、再度のスタートを切った両名。坂本との会話で、細部は色々と変化しているのが判明した。

「そう言えば、噂になっていたが、お前ら、今度の出向先はどこなんだ?」

「343空よ。源田大佐が肝いりで呼んでね。あわよくば、あの時の再来にしたいみたい」

「あの時の『64戦隊』を再結成させると?」

「空軍でね。ちょうど未来から介入始まったでしょ?それを利用するみたいでね」

「あの御仁の思惑に乗ったのか?」

「まー、今よりはマシにしたいしね。それに向こう行ってきたばかりだし、あたし達」

「お前らもあの軍隊と?」

「向こうでウイングマーク取って、MSとVFの操縦資格まで取ったわ。向こうでなんでもやらされたから、どうせなら、ってね」

「私は何度か動かしただけだが、そこまでやるか?」

「向こうで機体もらったから。それに結構いるわよ?向こうでウイングマーク取ったの。エーリカ・ハルトマン中尉に、ハンナ・ルーデル大佐とか」

「は?ハルトマンが?本当かそれ」

「せめて向こうのコスモタイガーとかコア・ファイターのライセンスくらい取っておいたら?後輩や先輩に遅れを取るわよ」

「か、考えておく」

――という具合で、その場を乗り切った二人。それから数ヶ月した後、スリーレイブンズの全員が343空へ集まり、同隊が厚木へ異動になった日、圭子が頼み込む形で、黒江は居候生活を始めた。既に一度『経験』したことなので、生活は楽だった。以前よりは芳佳の家の手伝いもやれるので、それが打ち解ける助けになった。こうした積み重ねと、『一度目』にはなかった『聖闘士』になる選択をし、今の自分があるのだと再認識する黒江。今では聖闘士の最上位『黄金聖闘士』であるので、世の中はどう転ぶか分からない――




――48年のアルバトロス艦内――

「これだけ豪華な陣容だと、海軍が文句垂れるだろうな」

「艦娘を今は使えるんだし、文句は言わせないわ」


「そうだな。しかし、まさかスーパーロボットまで萌え美少女になってる世界があるなんて思わんだ。ガイキング、私もよく知らないんだよなー」

「ガビーン!!そ、そんなにマイナー!?」

「はっきり言って、ゲームにも出演回数多くね〜し」

ガイちゃんは落ち込む。それもそうだが、大空魔竜ガイキングという作品はオリジナルにしても、リメイク版にしても、知名度はあまりない。むしろインパクトのあるゲーム出演でマイナーの地位を脱した『忍者戦士飛影』、『冥王計画ゼオライマー』、『破邪大星ダンガイオー』、いつしか常連の地位を得た『超獣機神ダンクーガ』の例がある。

「マジンガーやゲッターはどれかどうか出てるけど、出るのは超電磁の兄弟にダイモスだったり、ダンクーガだったりするしなぁ。オマケにリアル系に偏ってるのも多いし」

「ぐぬぬ……」

ガイちゃんは未来世界とも別の世界の出身である。それでありながら、同じような存在である故か、Zちゃんと共同戦線を張っている。彼女の仲間は他にいると思われるが、Zちゃんのもとにやってきたのは、何かの目的のためだろう。

「でも、戦隊ロボはどこでどうしてんの?あたしらはアニメロボだしさ」

「自分で言うか?各地に散ってるよ。わりかし単純な合体が多いから、酷使できるしな」

「なんか妙に現実的〜」

「一応はメカだしな、あれも。そうでないのもいるけど」

「でもさ、あれってアニメロボとどういう関係なのさ」

「一応は先祖と子孫らしい。残したテクノロジーが応用されたのがMSになったり、VFだったりに応用されたそうだし」

意外な事だが、歴代スーパー戦隊の残した技術は長らく、軍事バランスの問題で秘匿され、一年戦争の時期、宇宙服の延長線でザクが作られ、ルウム戦役で猛威を奮った際、その技術が解禁され、ガンダムやガンキャノンに少なからずの技術が応用されている。統合戦争を経て、ザクの登場で敗北し、その技術が悪用されることを恐れた者が多かったからだ。その技術はガンダムの高性能化に貢献し、連邦系MSの基礎になった技術も多い。デンジ星がもたらした超技術は地球連邦を救ったが、その技術の一部はアナハイム・エレクトロニクスに流れ、ネオ・ジオンも手に入れている。だが、ネオ・ジオンは自軍の技術に慢心があった。その事もあり、最近は逆に連邦に技術で差をつけられている。

「で、戦隊の技術を保全してた組織が数百年くらい管理してた技術を連邦に渡した事で、連邦は一気に小型MSとビームシールドの時代に入ったし、MSも空を飛べる。ある意味、宇宙からの技術を得て強化されたのが未来の地球だ。だから、素で銀河大航海時代迎えてるんだよな」

この時には黒江、智子共に聖衣は脱ぎ、普段着に戻っている。智子は23世紀型のいわばポータブルオーディオで音楽を聞いている。

「23世紀のウォー○マンだな?何聞いてんだよ?」

「ナニ聞いてんだよ?」

「カラオケ用の新ネタ」

「だからなんだよ?」

「おしえなーい」

と、上機嫌の智子。実はこの時に智子が聞いていたのはFボンバーでも、シェリルでもランカのそれでも、ジャミングバーズでもない、新たなアイドルグループであった。地球連邦本国から遠く離れた地で活動する『戦術音楽ユニット』というのが正解だが、表向きはアイドルグループとして活動しており、本国でもそれなりの知名度をデザリウム戦役後は持っている。なお、現地で問題視されている疫病は宇宙人と色濃く交わった『地球本国在住者』は元から耐性があり、植民星から妬まれている。これは地球には真ドラゴンがあり、ゲッターの聖地である事もあるが、超濃密な歌エネルギーが常に充満しているためと、ニュータイプが出現した事も大いに関係している。そのため、地球人の中でも本国人は症候群にかからないという状況になっている。血清の要領で、本国人の血で疫病を治癒するなどの医療も行われている。また、ウィッチや魔導師、ニュータイプ、聖闘士はそもそも症候群に感染すらしない(あとはスーパーロボットの加護がある者達)。その生物学的利点が、本国への植民星からの妬みになっている。(なお、その星系にいる『ウィンダミア王国』は地球連邦への強硬論者がいる珍しい近郊諸国である。彼らは地球がプロトカルチャーの後継者であると認めないが、そもそも連邦はアケーリアス超文明の後継者を自負している)



――近郊諸国が恐れているのは、症候群すらも問題にせず、更にアケーリアス超文明の力の根源とされた波動砲、更にはゲッター線の力をも我が物にした地球の逆鱗に触れることである。連邦軍の中でも最大最強である『太陽系連合艦隊』の主力が攻め込んできたら、その星系文明の終わりを意味する。唯でさえ、ガルマン・ガミラス、ボラー連邦の二大国に挟まれ、更には今や銀河連邦有数の列強国家に成長した地球。あの強大な白色彗星帝国、デザリウム帝国すら完膚なきまでに倒し、滅亡や自然消滅に追いやった力を恐れる国は多い。その一つのウィンダミア王国の住人は一般の地球人より高い身体能力を持つが、10代半ば以後の老化が地球人より遥かに早く、平均寿命は30年であるが故、身体能力が低いが、医療によっては100年以上生きる地球人に妬みや差別意識があり、特に、王室の一部は地球に敵対意識が強い。それを時の王が抑えているという政治的事情があった。時の王は文明至上主義に見える地球文化園を快く思ってはいないが、自分達の力では『どうあがいても絶望しかない』というのが分かっており、敵対論を抑えていた。万一、波動砲を放たれた場合、アケーリアス超文明の所産である以上、プロトカルチャー程度の遺産では防げない。アケーリアス超文明の自滅の要因でもある『波動砲』は、彼らにも『大いなる者を滅亡させた光』として伝わっており、タキオン粒子を凝縮させ、タキオンバースト波動流と呼ばれるエネルギー波で時空間ごと崩壊させる超兵器を地球が得ている事を王は知っていた。それを艦隊単位で使えるという事実が、彼をして『地球に手を出すな』と言わしめる要因だった。銀河連邦の新参者である地球が一気に列強国家と呼ばれ、バード星と対等の立場になった力の一端にして、アケーリアス超文明の正統後継者を公言する理由。波動砲を持ち、更には幾多の侵略者を完膚なきまでに倒したヤマトやスーパーロボットの存在を妬ましく思う者の筆頭が、武断派でもあった『ロイド・ブレーム』宰相であった。彼はあくまで、自国の国益を優先する『愛国者』であるので、戦争で地球と対等に渡り合う力を見せれば、地球も手出ししないだろうと踏んでいた。しかし、彼の親友のキース・エアロ・ウィンダミアは『地球本星さえ滅ぼせば地球人は烏合の衆になる』と更に強硬論を持っており、彼でさえ危惧している。もし、そんな事をすれば、自分達の本国そのものを『最強のゲッターロボに滅ぼされる』か、『星系そのものが波動砲で消滅する』かの二択である。波動砲を持つ外征艦隊でもあり、本国直掩でもある太陽系連合艦隊の出動だけは避けなくてはならない。これが彼なりの良心である。――


「そう言えば、連邦軍から聞いたけど、銀河の外縁部にあるウィンダミア王国、噂のボラー連邦の影響下にあるんだけど、きな臭いって噂よ」

「今の地球に、一星系を支配する国家が宣戦布告したところでワンパンだろ?」

「現地の連邦軍が救援を求めて来たら、本国艦隊が動くらしいわ。本国人でないと、新しい奇病に耐性ないっていうし」

「ああ、最近、医学界を騒がせしてる何とか症候群か。地球本国人は色々な要素で耐性あるとかいうけど、移民星だったり、移民船団出身だと耐性がないとかいう」

「そそ。それで通達が来てたわ。近々、うちにYF-30の制式採用型が送られて来るらしいわ」

「噂のVF-31か?カイロスとかいう?」

「正確には、うちら用の改造型で、派生機のジークフリートに近いものらしいわ」

デザリウム戦争後の地球本国軍は、VF-31『カイロス』をそのまま量産する興味が薄かった。最高性能機のYF-29を複数有する事、性能水準が同機と同じVF-25を配備していた事、VF-19Aが主力である事などもあり、量産案は流れかけた。そこで通常型カイロスより高純度のフォールドクォーツで19Aと25Sを上回る機動性を得たVF-31F『ジークフリート』(先行生産型)を本国軍向けに提案、採用された。これは地球連邦全軍でもっとも早い導入だった。

「テスト機押し付けて、空力試験でもやらせる気か?まぁ、デュランダルで極めちゃってるから、あれ以上はないだろうな」

「まあ、25+α程度でしょうね。量産できるって言ったら。田舎ならすれば、羨ましいの一言よ?まだサンダーボルトが残ってる地域だってあるし」

「バルキリーねぇ。初代から随分増えたなぁ」

「あ、分かんだな、ガイちゃん」

「元の世界で見たことあるし」

「どのあたりまで?」

「シャロン・アップル事件まで。なんかドロドロしてたけど」

「イサムさんとガルドさんのあたり、ややこしいからなぁ。意外にあれ、一般に受け悪いんだよなぁ」


イサム・ダイソンから聞いた事件の顛末はどことなく寂しさを感じさせる。イサム・ダイソンは親友を失い、試作競争には勝ったが、歯切れの悪い思いを残した。そのため、黒江には『ダチを大切にしろよ?俺は亡くしちまったからな』と、なんとも寂しそうな表情を見せている。


――フロンティア船団にいた際、イサムは『ミュン・ファン・ローン』の歌である『VOICES』をよく口笛で吹いていて、当時は本当に小さかった黒江に影響を与えている。黒江がパイロットであることを好んでいるのも、イサムの影響だ――

「あの人に憧れてんの?」

「なんかこう、自由気ままと言おうか、軍隊にいるのに型にはまってないっつーか、本当に空を飛びたいからパイロットしてるだけっていうか……。一種の理想みたいなもんさ。あれで勲章またもらったっていうし」

イサム・ダイソンは連邦軍中最高の異端児だが、可変戦闘機乗り最高の名誉『ロイ・フォッカー勲章』(当人は生きているが)を授与と剥奪を繰り返しているほどに腕の良いパイロットだ。

「なんかとうとう追い出されそうになったけど、SMSに出向名目で押し付けられて教官兼タスクフォースしてるって噂」

イサム・ダイソンは少佐には昇進したが、問題行為があまりに多すぎるので、SMSに出向名目で押し付けられた。愛機はエクスカリバーを改造した『イサムスペシャル』であり、連邦軍にも延命措置プランとして採用されるほど意外に出来が良い改造を施している。この改造は彼と同じエクスカリバーを乗機とする本国の者達がこぞって真似をし、乗りこなしていくので、植民星の反乱防止に役立っていたりする。

「あの人に対抗できるの、マックスやミリアとかだけじゃないの?」

「あの人、一条輝さんより腕がいいってのはよく聞くからなぁ。イサムさん、確か、エイジス・フォッカーと同世代かな?いや、イサムさんの方が上だったかも」

と、すっかりイサムに関する談義になっている。肉体年齢が若いのもあり、意外に知られていないが、イサムの戸籍上の年齢は40代に到達間近であり、直近のエースパイロット『エイジス・フォッカー』よりも生年月日は9歳ほど上になる。そのため、エイジス・フォッカーが30代前半であるのに対し、イサムは40代間近の『壮年』に戸籍上の年齢は達しているのだ。因みに、そのエイジス・フォッカーの士官学校時代の後輩がオズマ・リーになるため、エースパイロットとしての関係はイサム>>エイジス>>オズマになる。なお、色々な関係で、彼は肉体は20代時のままであるので、若々しい。対するエイジスは若くしてVF-X隊長を拝命したが、それから何年にもなる。適した後任がいないからだという。


――こうして、皆を乗せたアルバトロスは凱旋する。捷二号作戦の成功という華々しい戦果は、64Fの精鋭部隊の評を確固たるモノとし、なのはは正式に時空管理局/連邦軍から64Fへ出向となり、Zちゃんとガイちゃんは名目上『協力者』として居座ることになった。この作戦の戦功で黒江は大佐へ昇進、智子も中佐に任じられ、武子は等級の高い金鵄勲章を更に授与されたという――



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