外伝その306『死闘、ショッカーライダー戦2』
――ショッカーライダーと仮面ライダー達の激闘は開始された。サイボーグ同士の戦闘は地形を変え、辺りに衝撃波を散らすものであり、機械式の改造でないアマゾン、ほぼ生身であるライダーマンらも加わって、もはや当時のプリキュア達より遥かに高次元の戦闘が展開された。スーパープリキュア化していたドリームとピーチ、のび太のみがそのまま戦闘に参加し、歴代ライダーの支援を担当した。歴代仮面ライダー達はその鍛えた技で、雑兵の量産型ショッカーライダーを蹴散らす――
「一文字、一気に突破だ!」
「おう!」
先陣を切る一号と二号。一号と二号は再改造とパワーアップ(二号は単にパワーアップ説もある。一号は二度の再改造を行っている)を経ているので、設計図で改造されたショッカーライダーは改造人間としての基礎能力で対等でも、その後に鍛えた心と技がないため、個々の戦闘能力では、結局は落ちる場合が大半である。だが、極稀に格闘技経験者などをベースに改造した場合、本物に勝るとも劣らない逸材が出来上がる。その確率に賭け、バダンはショッカーライダーを量産した。一号と二号は元々、全ての面で最高レベルの逸材であるとされた(かつてのショッカーが、一文字隼人が本郷猛を倒せると踏んだのも、そこである)ため、並の人間をベースにしても、本郷猛と一文字隼人は倒せない。そのために格闘技経験者をランダムに改造したのである。
「ライダーきりもみシュート!」
一号が青いマフラーのショッカーライダーを基点に、きりもみシュートを放つ。度重なるパワーアップで、相手を抱え上げて横にした状態で高速回転させ、竜巻を起こしながら投げ飛ばす大技にパワーアップしたこの技、『大自然の使者』に相応しいビジュアルであると言える。投げ飛ばした青マフラーの個体に、二号がライダー返しで投げ飛ばしたピンクマフラーの個体をぶつけ、二体を撃破する。
「ショッカーライダー!お前達が何度蘇っても、お前達の野望は俺達が打ち砕く!!」
「世界に邪の栄えた試しはないのだ!!」
技を決め、ショッカーライダー一号にそう宣言するダブルライダー。一号のメタリックグリーンの仮面、二号の濃緑の(ほぼ黒)仮面の醸し出す『伝説の戦士』感。本質的に似た者同士なドリームとピーチは、彼らの『強さ』に心から憧れを見せる。だが、仮面ライダーは彼らだけではない。
「ライドルホイップ!!」
Xライダーがライドルで華麗な剣戟を見せる。ホイップは鞭の意味を持つ単語だが、ライドルホイップは剣の斬れ味と、鞭のしなやかさを併せ持つ。ショッカーライダーは通常の改造人間より耐久力を持つが、量産型の宿命か、ライドルホイップに、容易くX文字に斬り裂かれていく。
「ライドロープ!」
ロープ形態に切り替え、15人程のショッカーライダーを捕縛しつつ、超高圧電流を流す。ライダー電気ショックである。その威力はストロンガーのエレクトロファイヤーには及ばないが、ショッカーライダーを行動不能にさせるには充分なものだ。
「貴様らの野望はXライダーが砕く!」
ライドルをスティックにし、空高く投げる。それを空中で掴み、体操の鉄棒のような大車輪を見せ、空中で大の文字になってから飛び蹴りの態勢に入る。
「Xキィィィ――ック!」
ショッカーライダーをも貫く必殺キック。プリキュアもキック技を持つが、仮面ライダーのような『必殺技』ではないため、オーソドックスなキック技を、必殺技として研鑽してきた仮面ライダーの凄さを二人に実感させる。次は。
「ライダーマン、この弾倉を!」
「よし、マシンガンアーム!!」
のび太がライダーマンに弾倉を投げ渡す。ライダーマンはそれを右腕のアタッチメント(カセットアーム)を作動させ、マシンガンを出現させる。見かけはアタッチメントと一体化しているが、ほぼ実銃のフォルムを持つ。のび太が先程使った特殊弾を装填した弾倉を装着し、連射。弾丸はショッカーライダーを溶かしていく。
「す、すごい……」
「ライダーマン、この子達に連中に関しての解説を」
「わかった。連中は仮面ライダー新一号と旧二号のボディの設計図を基にして作られた量産型の改造人間。戦闘員よりは上位の存在にあたる。V3のボディを造る過程で設計された廉価版の仮面ライダー型改造人間。仮面ライダー型は組織からは『ホッパータイプ』と呼ばれていたんだ」
「ホッパー?」
「仮面ライダーは元来、『バッタ男』として設計された存在。その開発コードが『ホッパー』だったんだ。その後も型式名として、組織で使われている」
「連中は仮面ライダーの廉価版…?」
「組織からすれば、ね。識別のために見かけに差を出しているし、素体も本郷さんと一文字さんのような『超人』じゃない者達だ。だから、基礎スペックも微妙に劣る。その分を特殊能力で補おうとした」
ライダーマンは組織の内部にいたため、ショッカーライダーにも関わっていた事を示唆しつつ、ホッパータイプ(仮面ライダー一号からV3までのボディ)はV3が根本的な次世代型にあたるのが分かる。そのため、三号と四号はV3と分岐した改良型の仮面ライダーであると言える。また、ストロンガーは『ビートルタイプ』と呼ばれる別系統だが、ホッパーから派生した型式であり、仮面ライダーを名乗っても、組織がすんなり受け入れたりした理由だ。
「特殊能力?」
「そうだ。黄色いマフラーの個体は火炎放射器を内蔵し、白は毒ガス、緑は地雷を連射できるはずだ」
ショッカーライダーの黄色マフラーの固体達が一斉に口を開き、そこから火炎放射を始めるが、それをV3とXが『V3バリア』と『ライドルバリア』で防ぐ。ストロンガーがお返しに『エレクトロサンダー』を見舞い、ショッカーライダーの隊列に穴を開ける。そこから韋駄天、アマゾンが獣の如き咆哮をあげ、アームカッターを用いた攻撃で斬り裂いていく。そして、V3。豹の如き身軽さと早技でカッコいいところを見せつつ、時たまキザな仕草を見せる。いつの頃からか、用いたようになった『トイヤ!!』のかけ声もあり、ますますアオレンジャーとの区別が難しい。
「これが七人ライダー……、昭和の頃に世界を守った……」
「そう、栄光の七人ライダー。全ての等身大ヒーローの形を確立させた偉大な七人。そして、大自然の使者だよ」
のび太が言う。最も七人ライダーに近い時代の人間であるからだろう。大自然の使者と形容する通り、仮面ライダーは『昆虫の力を与えられた改造人間』であり、原子炉の他に、風力をエネルギーにしている。(ストロンガーは例外だが)それを差して、二号はよく『大自然の使者』と言っていた。
「そう。私達はそれと同時に、『歪んだ文明の破壊者』でもある」
ライダーマンも続けた。実際、ナンバーカード制度のプロトタイプのような『国民背番号制』を日本政府が1972年頃に考案していたのを、ショッカーが『10月計画』に利用しようと奪った事件があり、二号ライダーと滝和也、一号ライダーが阻止した事がある。そして、その時に『ビッグマシン』というロボット幹部を倒しているとの事で、ショッカーが色々と作戦を実行しては、ダブルライダーに打ち砕かれてきていたのが分かる。
「そう気負うな。君たちは新世代のヒロインだ。我々が伝説なら、我々の背中を見て育った世代が生み出したのが君らなんだ。本来、我々は眠りにつくべき存在だからね」
ライダーマンは自分が昭和世代である事を多少自虐的に言いつつも、自分達がしゃしゃり出るのは良くないという議論がライダーの間でも交わされていたと告白する。彼曰く、光太郎がまだ仮面ライダーBLACKであった頃に、眠りを解かれた自分達が『仮面ライダーBLACKが敗れた後に残されし希望』という形で求められている事に衝撃を受けた本郷は懇願される形で、10人でゴルゴムの各地支部を倒したが、間髪入れずにクライシス帝国の襲来が起こり、あれこれ迷っている内に、自分達が不思議な力で前史の記憶を引き継いでいだ事、自分達と同じような存在になった黒江の意を汲み、本格的に活動する事にしたと。
「それじゃ、先輩に応える形で、皆さんは…?」
「本郷さんは綾香ちゃんに父親のように慕われていたからね。NOとは言えんよ」
黒江とは前史で長い付き合いであった仮面ライダー達。本郷にとっては娘のような存在であり、すごく可愛がっていたこともライダーマンは教える。黒江はいつしか、本郷に父性を感じるようになった。現在でも、本郷を父親のように慕い、彼の悪口を部下が言うものならブチ切れる。黒江はストイックと思われがちだが、実際はさみしがり屋なのだ。
「綾香さん、ストイックと誤解されてるけどね、君たちと大差ないよ、中身。僕が子供の頃、親父とお袋が八つ当たりした時、猛抗議してくれたし」
のび太も笑う。のび太は黒江と親交が出来てからは、自分の考えを代弁してもらうことが多く、時には調やはーちゃんが援護に入った。のび太は子供の頃、玉子に頭が上がらなかったが、黒江が自分を庇ってくれた事でずいぶんと助かったと話す。
「覚えてたのか。ありゃ、お前が小学6年の夏だったか…」
「はーちゃんと調ちゃんがいたから、そのくらいだったか…。『ぼくが生まれた日』、知ってるかい?」
「あー!子供の頃、ビデオで見た見た!あの話、実際に起こった時は、はーちゃんいたの!!?」
「うん。来て数ヶ月くらいで、ぼくの12の誕生日だったしね」
ドリームとピーチはお互いに同じリアクションと返し方であった。のび太はその時に家を飛び出し、あまりに理不尽な八つ当たりだったので、見かねた黒江、菅野(その時に偶然、遊びにきていた)、調がのび太の両親に猛抗議し、ショックのあまりに家を飛び出したのび太をドラえもん、はーちゃんが追いかけた。これが事の経緯だ。その時に、のび太の両親は黒江達に諌められた結果、その日が一人息子の誕生日であった事を思い出す始末だったが、息子が誕生日を大事に想っていたかを再認識し、黒江達に謝った。二人はのび太の生まれた日のことを思い出し、結果的に、玉子が後年につきものが落ちたように穏やかになったきっかけを作った。
「その時にはーちゃん、僕の生まれた産婦人科が閉院になって、更地になってしまう事、中庭に植えられていた大木が切られてしまうことを知って、魔法でその木を小さくして、別の場所に埋めてって言ったんだ。あれが始めてかもなぁ。あの子が親代わりの二人からの借り物じゃない、自分の感情で動いたのは」
「はーちゃん……」
のび太と共に生きる内に、みらいとリコから教えてもらったものではない感情のままに生きる事を知ったことは。のび太という兄代わりの存在を得た事で、神でありつつも、人間らしくなった。自分が『守るべきものを失った神』であっても生きていいのだと教えてもらったと言っていたと、ルージュもいう。
「はーちゃん、『のび太は、守るべきものを守れなかったとしても、負けて生き残るほうが勇気がいる事なんだって教えてくれた』って言ってたわ。あんたにも、あったわよね?」
「そっちでもあったんだね、『ダークドリーム』のこと…」
「現役中は同じような経緯を辿ってるのよ?知ってて当たり前よ。あの鏡の中での戦いの後、あんた、しばらく空元気だったじゃない」
「うん……。あの子はわたしを庇って消えたんだよ…?あの時、わたしにもっと力があれば…」
「いや、そう悲観することもねぇと思うぞ?俺の推測だが、ダークドリームは……キュアビューティに転生してるはずだ」
「え!?れ、れ、れ、れいかちゃんが……あの子の生まれ変わりぃぃ――ぃぃ!?ど、ど、どうしてそんな事が言えるんですか!?」
「芳佳からの裏付けも取ってる。間違いない」
黒江はここで、かつて、ドリームを庇って消えた『ダークドリーム』は輪廻転生で青木れいか/キュアビューティに生まれ変わっていた事を突き止めていた事を教えた。れいか自身がのぞみを動揺させないよう、みゆき以外には話さず、その意を組んだみゆきも、黒江の計画に一枚噛む時になって、始めて伝えた事項。黒江も腰を抜かしたとし、のぞみに希望を与えるために公にしたと話す。
「リーインカーネーションって奴だな。お前らに起こって、ダーク系にも起こらない道理はない。あいつらは利用された存在だ。お前の願いは届いてたんだよ」
「…良かった、本当に……!」
「君はダークドリームの転生を望んだ。その結果がキュアビューティだ。ある意味では、人の意志は神をも動かすのだろう。私がプロトンロケットで自爆しても生きていたように」
ライダーマンも、彼の生存を願う意志が作用し、プロトンロケットから奇跡的に生還した。それと同じように、のぞみが心のどこかで願った事は現実になっていた。それで救われた気持ちになったようだ。
「君たちの戦いが後の代のプリキュアの希望になったって、いっていいかもね。あ、綾香さん。キラキラプリキュアアラモードにいましたよね、えーと、バンドしてる青の子」
「いたか?そのあたりはまだノーチェックなんだよ」
黒江はキラキラプリキュアアラモードなどはまだノーチェックである。ただし、キュアマカロンの事は知っているため、所々で穴があるのが明らかになった。
「えーと、立神あおいちゃんだったかな?私達は殆ど共闘してないからなぁ…」
「たしかロックバンドしてたはず。それがどうしたの?」
「いや、もし連れてこれれば、サウンドブースター要員にできるかなって」
のび太は立神あおい/キュアジェラートがロックバンドをやっていた事を知っていた。そして、サウンドブースター要員にしたいようである。キラキラプリキュアアラモードの代になると、のぞみやラブはめったに共闘しなかったため、面識も薄い事を垣間見せる。だが、もし、彼女が歌姫の影武者をキュアメロディがしている事を知れば、対抗心を燃やすだろう。
「キュアラブリーはランカの影武者できそうだなって考えてたが、そうか、そいつも使えるか。メロディは今日も元気に歌ってるからな。サウンドブースター使ってる上に、フォールドクォーツも使ってるから、案外、次元を超えて聞いてるかもな。この歌」
「まあ、当面はイムヤちゃんとゴーヤちゃん、衣笠ちゃんにやってもらいましょう。まだいないし、キュアラブリー」
戦場全体に響くメロディ/響の歌。フォールドクォーツなどを使用しているためか、それはキラキラプリキュアアラモードのいる世界にも聞こえていた。『僕らの戦場』をソロで歌っていたのだが、立神あおいはそれを街で聞いた。
「どうしたの、あおちゃん!」
「歌だよ、歌!歌が聞こえてくるんだ!」
キラキラプリキュアアラモードのメンバーの内、宇佐美いちかと立神あおいはその歌に気づき、いつしか、町外れの神社に入り込む。そこから、不安定化していた次元の狭間に、本人達も気が付かぬ内に飲み込まれる。それは一瞬の内であり、痕跡一つ残さずの失踪だった。そして……。
「うお、次元震だ!」
敵味方ともに突如として起こった次元震に狼狽える。震度6以上の揺れが襲い、空に穴が空き……。
「わあああああ〜……!」
「ぶっ!?噂をすれば来やがったぞ!お前ら、受け止めてやれ!!変身してない状態で、この落下速度じゃ、ミンチだぞ!」
「は、はいっ!?」
ドリームとピーチも慌てて飛び上がり、いちかとあおいを救出する。突然の事に目を丸くしているが。
「う、うぅ〜ん…。空から落っこちたような気が……。気のせ……え、えぇええ!?ど、ドリーム!?」
「ピーチ!?なんであんたらが…って、なんだここ!?」
「久しぶり、二人とも。わたしたち、今、戦闘中なんだ…」
「今は説明出来ないんだ。二人を下ろしたら、戦闘に戻るし」
「どういうことだよ、ここはどこなんだよ!?」
「えーと、スペイン?」
「はぁ!?あたしたちは日本にいたんだぞ!?それがどうしてスペインなんだよ!?」
「待って、あおちゃん!二人の姿……」
「うん?そう言えば、前に見た時より神々しいっつーか…。パワーアップしてね?」
「その話はおいおい……って、来たか!」
「うわぁ、なんだこいつ!」
「ああ、もう!ごめん、いちかちゃん!こうなったら!」
ドリームはとっさに左腕を発火させて、パンチを見舞い、ショッカーライダーを追い払う。いちかを抱っこしつつの攻撃であったが、今回は上手くいった事に安堵する。
「草薙流、今回は当てられて良かったぁ」
「あんた、炎使ってたっけ…?」
「うん…。のぞみさんは光の属性のはずじゃ?」
「うーん。この場で言い終わらないし、後でね。二人とも、下ろしたら変身できる?」
「は、はい」
「どうなってるんだよー!あんたら、説明くらいしろー!」
「あ・と・で!こっちだって戦ってる最中だったんだよー!説明できるかー!」
「ご、ごもっともで…」
ピーチがものすごいギャグ顔で怒る。当然と言えば当然の状態だが、いちかとあおいの混乱も無理はない。二人は地面に降ろされると、直ぐにプリキュアへ変身した。いつの時間軸かはわからないが、二人はプリキュアとしての力を維持している。
「……で、変身はしたけど、どういう状況なんだよ、これは…」
「誰かと一緒に戦ってるんですか?」
「うーん。プリキュアじゃないスーパーヒーローと、かな?」
「スーパーヒーローぉ?」
キュアジェラートが怪訝そうな顔をするが……。
「ほら」
ドリームが指さした方角には、クルーザーを駆るXライダーの姿が見える。空中戦を展開しており、クルーザー大回転を披露していて、思いっきり目立っている。
「電光ライダーキィ――ック!!」
次は、彼女の眼の前で一号の電光ライダーキックが乱れ飛んだ。これに固まるキュアジェラート。
「ストロンガー!電・キィ――ック!」
ストロンガーの電キックとの二連コンボで大爆発を引き起こす。ストロンガーの決めポーズもバッチリで、否応なしに二人に仮面ライダーの存在を認知させる。キュアジェラートは叫びまくる。
「誰か説明してくれよぉ!!何が何だかさっぱりわかんねぇー!ルージュ、説明してくれー!」
「ごめん、あたしにも説明できないわー……」
「うぉーーーー!?マジかよぉ!?」
状況を飲み込めず、ルージュに詰め寄るが、そのルージュにもそうキッパリ言われ、落ち込む。だが、七人ライダーの激闘に巻き込まれた事はなんとなく察したようだ。
「あの、あなた達は…?」
「俺達は仮面ライダー。こいつらに助太刀してる正義の味方って奴だ」
「仮面ライダー…?」
のぞみやラブと違い、仮面ライダーを知らない様子のいちか/キュアホイップ。宇佐美いちかはその方面には疎いようだ。」
「新しいガキンチョ共が来たか。こりゃ見ものだな」
「おい、そこのS字マークのカブトムシ頭!あたしはガキンチョじゃねー!キュアジェラートだー!」
「かく言うお前はライオンみたいだな」
「ぐぬぬ…」
ストロンガーはジェラートをからかいつつ、エレクトロファイヤーでショッカーライダーを始末する。ストロンガーに突っかかるあたりはあおいらしいが、ストロンガーにライオンみたいと言われ、図星になる可愛さを見せる。キラキラプリキュアアラモードは正面戦闘向けのプリキュアではないが、彼女のみは氷を介しての格闘を得意にしている。そのため、必然的に前に出ようとする。
「氷か、足止め頼んで良いか?大技で纏めてぶっ飛ばしたいんでな」
試すように聞くストロンガー。それに応えるかのように歩を進めるジェラート。
「待ちなさい、ジェラート!あんたの力じゃ」
「ルージュ、あんたにしちゃ、つまんねー事でブルってんな?ここがどこだかもわかんねーし、状況もよくわかんないけど、こいつらと一緒に戦えばいいんだろ?燃えてきた――っ!」
青のプリキュアの属性は受け継いでいるが、ルージュ、パッションの系譜にも通じる情熱をも持つジェラート。歴代仮面ライダーを味方と認識はできた彼女。プリキュア勢では、ダイ・アナザー・デイに途中参戦したプリキュアに数えられたのだった。ルージュの制止を聞かない点では、マリンにも通ずる。ルージュはため息をつき、ジェラートを援護するため、戦列に加わったのであった。
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