in side

「なんか、いかにもって感じだよね……」
「そうだな……」
 いつの間に出来たのか、分厚そうな扉の前に俺達は来ていた。前来た時にはこんなのは無かったはずだよな?
ていうか、理華の言うとおりで、こんな洞窟の奥にこんな扉があれば何かありますって言ってるようなもんだって。
まぁ、どうやってこんなもん付けたのかは色々と疑問に思う所はあるけどさ。
なので、その何かを確かめるべく、俺は扉を押してみて……意外とあっさり開いたことに軽く驚きつつ、中へと入ってみた。
「来おったな……サマナー……」
 で、その奥にはこっちを睨む人がいたんだが……
「どうしたの?」
 なぜか止まってる俺を気にしつつ、理華も中に入ってその人を見て……固まる。
その人は……まぁ、初老の男なんだけど……ズボンにワイシャツにベスト……いや、服装はいいんだよ。
問題なのは……黒い髪をおかっぱにしてる所……ではなく、赤いフレームの眼鏡……でもなく……妙にデカイ鼻であった。
そう、鼻がデカイんだよ。普通ならありえないだろって位に……あれ? この人、どっかで見たことあるような……
 とりあえず、そのデカイ鼻を見たせいで、俺と理華は思わずフリーズしてしまったと。
「何かあったのかい?」
「く、仲魔だけでなく人間の仲間まで連れてきおってからに……どこまでもいけすかん奴やな、サマナーっちゅうんわ!」
 真名達も遅れて入ってくる中、その男はなぜかこっちを睨んでます。ていうか、怒ってる?
「なんのつもりでここに来たんや、サマナー!?」
「あ? いや、その……俺達はある人に頼まれて、ドリー・カドモンって物を探してるんだけど……持ってない?」
 いきなり叫ばれたことで正気に戻れた俺は、とりあえず目的を話すんだけど――
「やっぱり、それが狙いかい! 奪いに来たんやろ!?」
 なんか、とんでもねぇ言いがかりを付けられました。いや、ちょっと待てって……
「その、探しに来ただけで奪うつもりは――」
「やかましい! ワイが差し向けた造魔を倒しくさったくせに!?」
「あれはあなたのだったのか……言っとくが、あれは正当防衛だ。いきなり襲われたら抵抗してもおかしくはないだろう?」
 なんとかなだめようとするんだけど、またとんでもない事を言われた。ていうか、さっきの悪魔はこの人の仕業だったんかい。
真名も呆れてるけど……うん、確かに言うとおりだよね。思わず逃げたくなったし。
「うるさい! お前らなんかにドリー・カドモンを奪わせはさせへんで!」
「いや、奪うつもりはないんですけど……俺達もあったら持ってきて欲しいって頼まれてるだけですし……」
 男は怒ってるんだけど……何をそんなに怒ってるんだろうか? 俺達、何かしたっけ?
とりあえず、なだめようとはするんだけど……このままじゃ、話にならなそうだなぁ……あ、そだ。
「じゃあ、ドリー・カドモンを売ってくれませんかね? それだったら、別に問題は無いと思うんですけど……」
「なんやと?」
 俺の提案に男は訝しげな顔を向けた。でもまぁ、これならいいと思うんだけど?
別に奪う訳じゃないし、これなら問題も無いと思うんだけど。いや、ふっかけられたら諦めるよ?
昨日の買い物で、今手持ちが少ないんだよね。
「それ、本当か?」
「ええ? まぁ、高すぎたら諦めますけど……」
 答えると、怪しんでる男はなにやら意味ありげな視線を向けた。あ、ダメだったのかな?
それともふっかけようとしてるとか――
「ふん、それなら別にええで。ただし、金や無く、マグネタイトで払ってもらうがな」
 と、男の人は言うんだけど……あ、それなら助かるかも。それなりにストックあるし。
まぁ、馬鹿みたいな量だったら、やっぱり諦めるけどね。
「別に構いませんけど……どれくらいで?」
「ふん、なら1000MAGや! びた一文まけんからな!」
 で、聞いてみたら、人差し指を立てながら男の人はビシっと答えてくれました。
ふむ、1000MAGか。ストックが3000MAG位だから……うん、余裕だな。
「いいですよ」
「なんやて?」
 なのでOKしたら、逆に男の人か戸惑ってました。なぜに?
「おま……1000MAGやぞ? いくらサマナーかて、そないな量は簡単に貯まらへんのやぞ? まさか、おちょくってるんか?」
 で、んなこと言われながらなぜか睨まれました。
そういや、生体マグネタイト協会の人に、大抵のサマナーは普通多くて200MAG位しか持ってこないって話を聞いたような気が……
それを考えると男が疑うのも当然なのかな?
 まぁ、俺の場合は探索とかであちこち回るから、必然的に強い悪魔と戦うこともあるし……
明らかにボスキャラ的な悪魔と戦うこともあるから、生体マグネタイトが貯まる一方なんだよね。
「いや、ちゃんとありますから……ほら、確認してみてくださいって」
「ホンマやろな? どれどれ……な!?」
 とりあえず、ちゃんとあることを見せるためにGUMPを開いた。それを見に来た男はGUMPのモニターを見て、なぜか固まった。
「3千……291MAGやと!? アホな!? 上等なサマナーでも千貯まればいい方なのに……あんさん何者や?」
「いや、そう言われても……」
 男の人になぜか驚かれるが、なんと答えればいいかわからず、思わず後頭部を掻いてしまう。でも、あれ? 上等なサマナーでも千がいい方?
確か、生体マグネタイト協会の人は、腕の良いサマナーでも300がやっととか言ってたような……
「で、どうします?」
「は? あ、ちょいと待ち……よし、コイツをCOMPに繋ぐんや」
「ああ、はい」
 問い掛けると、男は慌ててコードを引っ張り出してきたので、言われたとおりにGUMPの本体に繋いだ。
「ホンマにええんやな?」
「まぁ、言っていた量ぐらいなら構いませんけど?」
 男に聞かれたんでそう言っておくと、男は装置を操作した。
すると生体マグネタイトの残量が千減ったのがGUMPのモニターに映し出されていた。
「もう、外していいで……しっかし、ホンマにええんか?」
「買うって言ったのは俺ですし……別に何か問題があるわけじゃないですしね」
 なぜかそんなことを聞いてくる男に、GUMPをしまいつつ答えるんだけど……あれ? あの人涙ぐんでない?
ていうか、本気で泣きそうなんですけど?
「お、おお……あんさん……いいサマナーやなぁ……他のサマナーはワイが差し向けた造魔を次々倒しくさってからに……
ほんま、いけ好かない奴らばっかや」
「いや、差し向けちゃダメだろ……」
 なぜか、涙ぐみながら男は話し出すが……いや、ダメだろそれは……差し向けられて襲われたら、普通は戦うって……
俺の漏らしたひと言に理華やミュウなどの仲魔達。刹那に真名にミナトもうなずいてるし。
「け、けどなぁ……自分が造ったもんを試したくなるんはサガやで?」
「じゃあ、別にサマナーに差し向けなくてもいいような……」
 男の話に思わずツッコミを入れてしまうが……それを聞いた男はといえば呆然とした顔をこっちに向けて――
「しもうたぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「気付いてなかったんだ……」
「あれだな……目的のために手段を見失ってたとか、そういうのだろう……」
 頭を抱える男を見て、理華と真名はそんなことを言っていたりするけど、俺も同意見だ。
ていうか、なんでサマナーに差し向けるんだろうか? そこが疑問なんだけど……
「ワイは……ワイはなんてアホなんや……ワイがアホやったばかりに造魔達は……」
「ああ……なんていうか……これからは慎重に……人の迷惑にならないようにやっていくといいかと思いますよ?
例えば……造魔を助手にするとか……」
 なんか嘆いてる男にそんなことを言ってみる。いや、確かヴィクトルさん所のメアリもそうだったような覚えがあったんで言ってみたんだけどね。
「なるほど……そやな……いくら造魔言うても戦うだけなんてもったいないし……そや! その手があるやん!」
 で、男は何かをぶつぶつと言い出したと思ったら、何か思いついたようで叫びながら立ち上がり――
「あんさん達のおかげでいいこと思いついたわ! おおきにな! お礼といっちゃなんやけど、ちとCOMPを貸してくれへんか?」
「へ?」
 いきなり男がそんなことを言うもんだから、思わずぽかんとしてしまうけど……なぜに?
「ああ、変なことはせぇへんから安心しい。あ、でも念のために仲魔は全部出しといてや」
「はぁ……」
 何をするかわからないが、GUMPを操作して仲魔を全員喚び出してから男に渡すんだけど――
「翔太……いいの?」
「まぁ、襲ってくるようには見えないし……大丈夫なんじゃないの?」
 理華が心配そうにしてるけど……まぁ、不安はあるけど、たぶん大丈夫なんじゃないかなぁ〜と……
いや、何か確信があってってわけじゃないけどさ。で、男はGUMPをいじってるようで――
「よっしゃ! 出来たで!」
 終わったらしく、GUMPを持って戻ってきた。
「何をしたんで?」
「ふふん、バージョンアップや! 造魔の研究にはCOMPのことも研究せなあかんかったからな。ちょろいもんやで」
 聞いてみると男からそんな返事が……バージョンアップ? 見た目的には変わったようには見えないけど?
「とりあえず、処理能力を上げてソフトを最適化しといた。これで12体まで仲魔をストック出来るようになったんや。
後、他の機能も強化しといたから、役に立つはずやで」
 と、男が胸を張りながら話してる。あ、本当だ。ストックが12体までになってる。
後は……おいおい、確かめていけばいいかな? ここで確認出来ないのもあるし。
「いや、ありがとうございます」
「あんさんのおかげで色々といいことがあったからな。お礼言うんわ、ワイの方やで。
それでな、もののついでというのもなんやけど……あんさん、ワイのパトロンになってくれへんか?」
「パトロン?」
「スポンサーのことだよ」
 お礼を言うと男からそんなことを言われるけど、わかんなくて首を傾げたら真名が答えてくれたけど……
いや、なんで俺がパトロンに?
「実はな……ワイはこことは別の世界からやってきたんやけど――」
「え? あんたも?」
 男の話に思わず漏らしてしまうけど……いや、まさかこの人もなんて……そういや、服装ってボルテクス界にいる人のとは少し違うな。
「あんたもって……まさか、あんさんもか?」
「ええ、まぁ……色々とあって……」
「そか……でな、ワイも色々とあってこの世界に来たんはいいんやけど……
お金の方はまだしも生体マグネタイトがな……研究には必要なんやけど、中々集められんで……
そこでや。ワイに少しでいいんで、生体マグネタイトを分けてくれへんか? もちろん、ちゃんとお礼はするで」
 聞かれたことに答えつつ、男の話を聞いたけど……まぁ、量にもよるけど、別にいいかな?
どうもこの人、悪人ってわけじゃなさそうだし。
「俺も色々と使うんでそんなに多くは出せないですけど……それでいいなら……」
「そか? いや、さっきのはあんさんを疑っててな。ふっかけたんや……今度からはあないに取ったりせぇへんから安心してや」
 とりあえず、そのことを言っておくと、男もうなずいてくれる。お礼は気になるけど……GUMPを強化してくれたしな。
しばらくはどんなことするのか、様子を見といた方がいいかな?
「おっと、ドリー・カドモンを忘れてたな。ちょいと待ってや!」
 そう言って男は離れるとあちこちをかき回して……しばらくして、ちょっと不気味な人形を持って戻ってきた。
「こいつはワイが造った特注品や。持っていき!」
「ありがとうございます。あ、ええと……」
 人形を受け取ってお礼を言おうとして、そこで男の名前を聞いてないことに気付いた。
「あ、そういえば自己紹介してなかったな。ワイはスリル。Dr.スリルや」
「あ、相川 翔太です」
「翔太はんか。よろしゅうな!」
 互いに自己紹介して、スリルさんに握手を求められたんでしておいた。
「お、そや。オマケにこいつも渡しておくわ」
 と、スリルさんが渡してきたのはペンダントだった。留め具に付いた青い石をチェーンで繋いだシンプルな物だ。
それが5個。でも、何これ?
「これは?」
「ワイが造魔用に造ったアミュレットなんやけど……失敗作みたいでな。作動せぇへんのや。
でもま、アクセサリにはなるやろ。持っていき」
「あ、これいいなぁ〜」
「ですわね」
「欲しいホ」
「オイラも欲しいホ」
 スリルさんがそう言うと、モー・ショボーにシルフ、フロストとランタンが物欲しそうにペンダントを見ていた。
良く見るとルカもちらちらとペンダントを見ている。
「欲しいならあげるけど? ルカにもさ」
「え? あ、良いのですか?」
 戸惑っている様子のルカに聞かれたんでうなずいておく。まぁ、何というか……俺が持っててもしょうがないしな。
欲しいのなら別にあげても構わないし。そんなわけでモー・ショボー、ルカ、フロストにランタン、シルフにペンダントをあげた。
「あ、ミュウとアリスの分どうしよ」
「いいわよ。私にはちょっと大きすぎるし」
「私はお兄ちゃんと一緒にいれればいいから」
 そのことに気付いたけど、ミュウとアリスはそう言うのだが……なんか、ミュウの様子がおかしいように見えるのは気のせいか?
あ、ちなみにだがアリスはなぜか俺のことをお兄ちゃんと呼ぶ。まぁ、別に問題は無いし、そのまま呼ばせてるけどね。
それに俺は直貴みたく、お兄ちゃんと呼ばれて萌える男じゃないからな。
「むぅ……」
「まぁまぁ……」
 ちなみになぜかむくれてる理華を真名がなだめているということに気付かなかったりする。


 まぁ、こうして俺達は無事ヴィクトルさんの依頼を達成し、洞窟を出たわけなんだが――
「とりあえず、無事に終わって良かったね」
「そうだな。一時はどうなるかと思ったけど……」
 外に出て、理華の話に思わずため息が漏れる。あの時、悪魔に襲われた時はどうしたもんかと……
まぁ、なんとかなったし。目的の物も手に入ったし……少しばかり赤字っぽい気がしたけど……
とにかく終わったから、さっさとこいつをヴィクトルさんに渡して休もう――
「ふん、気を抜いてると痛い目を見るぞ」
 なんてことを考えていたら、そんな声が聞こえてきた。
なんだと思いつつ顔を向けてみたら、何かが俺に突っ込んできて……て、突然何!?
「だあぁぁ!?」
「「翔太!?」」
「翔太さん!?」
「お兄ちゃん!?」
 それでもなんとかしようと右手を伸ばすが、為す術もなく押し倒されてしまった。
理華とミュウ、刹那にアリスの叫び声が聞こえる中、俺は何事かと顔を向け――
「はい?」
 何が右手にすっげぇ柔らかくて気持ちいい感触が感じられたんで首を傾げる。
どうやら、俺の上に誰かが乗ってるようで、その人は女で、俺の右手はその人の服……
というか水着みたいな物の中に入って胸をわしづかみにしてて――
何? このToLOVEる的な展開は? ていうか、この人誰? あ、胸でっかいな……柔らかくて気持ちいいし。
あれ? 俺、何考えてんだ?
「お前……いつまでつかんでる気だ?」
「へ?」
 と、気が付けばもう1人の女が俺の横にいた。しかも、呆れた様子でこっちを見ている。
つかんでるって、何を……て、俺の上に乗っている女の胸ですよね、そうですよねぇ……
「だあぁぁぁぁぁぁ!?」
 唐突に自分がしたことに気付いて、乗っていた女を跳ね飛ばすかのように後ずさる。
ていうか、今の何!? いきなりすぎて、何が何だかわからないよ!? で、なんで理華とミュウとモー・ショボーとルカとアリスにシルフ……
それに刹那と真名はこっちを冷めた目で見てんの!? 事故だよ! わざとじゃないんだよ!? 自分でも説得力無いなとは思ってるけどさ!?
「ふん、不意打ちにそのていたらくとは……なるほど、私が差し向けられるわけだ」
「あ、あの……どういうこと?」
 俺の上に乗っていた女……赤いコートを着てるけど、なんか呆れた様子でそんなことを言っている。
思わず聞いてみるけど……さっきの胸の件は気にしてないんだろうか?
「私は女神スカアハ。お前の師となる者だ」
「……はい?」
 赤いコートの女……スカアハというらしいが、いきなりそんなことを言い出して……し?
しって何? え? どういうこと? 何が何?
「ええと……どういうことでしょうか?」
「まったく、頭も悪いのだな……私はある者に頼まれて、お前の師匠をすることになったんだよ。これからよろしく頼むぞ」
 わからないので聞いてみると、スカアハからそんな言葉が……ああ、師匠か。なるほど、それで師ね……そうかそうか――
「って、なんでさ!? というか、頼んだって誰がよ!?」
 思わず大絶叫です。だって、訳わかんないよ? いきなり現われて俺の師匠とかさ!?
というか、誰が頼んだんだよ!? あのゴスロリボクっ娘か? うん、微妙だな。驚かせるとかの理由でやりそうだけど。
「それはまだ言えん。ま、我としてもお前には色々と興味があるのでな。これからよろしく頼む」
 で、こっちが混乱してるのも関わらず、なんか挑発的な笑みを向けてくるスカアハ。
いや、何がどうなったら、あんたが俺の師匠をすることになってるのさ?
「やれやれ、翔太も大変だな」
「あ、えっと……俺の名前を知ってるのは……まぁ、いいとして……あんたは?」
 などと苦笑している槍を持ってる女に聞いてみる。あれ? なんだろ? どっかで会ったような気が……
はて、この格好なら普通忘れるわけが無いと思うんだけど――
「俺だよ。オニだよ」
「オニ? ああ、なるほど。道理で……へ?」
 オニと名乗る女の返事に思わず納得……しかけて、それに気付いた。
オニ? オニって、もしかして俺をかばって死んでいったオニ? いや、そんなわけないよなぁ〜。
だって、あいつ男だぜ。こいつはどう見たって女だし、姿も違いすぎるもん。
「あははは……冗談だよな?」
「まったく、お前は……ま、そういう所もお前らしいと言っちゃ、そうなんだけどな」
 なぜか出てくる渇いた笑みだが、オニと名乗る女の笑顔と共に出たひと言に見事なまでに固まった。
今のセリフ……え? マジで? マジでオニなの?
『ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!??』
 思わず驚いちゃいました。しかも、理華や刹那達、仲魔達も一緒になって。
「そやつはある者によって、新たな力と体を与えられて蘇ったのだよ」
「そ。なんで、今の俺は幻魔クー・フーリンなんだ。よろしくな」
 スカアハの話にオニ改めクー・フーリンは右手を挙げながら、笑みを交えて答えるのだが……
俺達は何も言えなかった。いや、固まってたと言っていい。いや、何さそれ? 蘇っただけでなく新しい体をもらったって……
それがなぜ女? ていうか、クー・フーリンって確か男じゃなかったっけ? それがなんで女?
誰なの? オニを女にしたり、スカアハとかいう人を俺の師匠にさせるとか言ったの?
 というか、何がどうなってんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?


 out side

 翔太がオニことクー・フーリンとスカアハのことに驚いている様子を、シンジは離れた場所で見ていた。
「やれやれ、スカアハさんもあんな会い方をしなくてもいいでしょうに」
 と、スカアハのことに呆れているようであったが。
実はスカアハとクー・フーリンにあの体を与え、翔太の元に向かわせたのはシンジの仕業である。
なぜ、こんなことをしたのか? 翔太はこれから更に困難なことに直面していくことになる。
だが、今のままではそれをどうにかすることが出来なくなってくるとシンジは判断したのだ。
その為、シンジはスカアハとクー・フーリンを翔太の元へと行かせた。
今はまだ、自分が翔太の前に行くわけにはいかない。つまり、直接手を貸すわけにはいかない。
しかし、ただ見ているわけにもいかず、手助けをさせるためにスカアハとクー・フーリンを向かわせたのだ。
 しかも、ただ向かわせるのではなく、スカアハに新たな体を与え――
クー・フーリンことオニはただ蘇らせるだけではダメだと、力を与える意味でクー・フーリンとして蘇らせたのである。
 それはいいのだが……なんで、クー・フーリンが女なのか? クー・フーリンとは本来男の英雄である。
それをなぜ女にしたのか? それは――
「ま、クー・フーリンさんはあの方が色々と面白くなるでしょう」
 などと笑顔で言ってたりする。アオイ シンジ。実は彼もまたオタクな者だったりする。
すなわち、クー・フーリンのことは趣味でやってたりするのだ。
シンジの趣味に巻き込まれたクー・フーリン……哀れと言うべきか……




 あとがき
というわけで、登場しました。メガテンシリーズではお馴染みの悪魔が。
でも、なぜ女版クー・フーリンにしたのか? それは私の趣味です!(おい)
それとDr.スリルも登場しました。彼の登場は……まぁ、何気にお気に入りキャラだったりしますからw
なお、Dr.スリルもヴィクトル同様、ゲームとは関係の無い世界の出身ですよ〜。
それはそれとして、スカアハの参戦は翔太達に足りない物を補っていくことになります。
それがどんなものかは物語にて〜。
しかしながら、性というか美少女系キャラが増えてきたなぁ〜。
イラストにしたら、凄そうだ(何が?)

さて、次回は新たな依頼が翔太達に舞い込んできます。
しかし、その依頼は今の翔太達には難しくて……そこでスカアハが取った行動とは?
次回はそんなお話です。お楽しみに〜



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


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