out side
「フェイト、逃げるよ!」
「アルフ――」
フェイトと呼んだ少女にアルフと呼ばれた女性はフェイトの手を取って逃げようとする。
何かわからないが、この男は危険だ。そう感じた為の行動であったが――
「きゃん!?」
跳び上がったかと思うと、なぜか地面を滑るような形で倒れてしまう。
「まぁ、そう焦らずに……私としてもお話をお聞きしたいだけですので」
その光景を困った顔をしながら人差し指を立てつつ話すのはシンジ。
そんなシンジをアルフは睨んでいる。先程倒れたのは魔法で空を飛ぼうとして出来なかったからだ。
すなわち、魔法が使えない。それをやったのはこの男で間違いないだろうとアルフは思っていた。
「何をしたか知らないけど……怪我したくなければ、さっさと去りな」
「やれやれ、血が上りやすい人ですねぇ……私としても手荒い真似はしたくはないのですが……」
睨むアルフにシンジはあごに指を当てつつ、困った顔をした。
一方、なのは達は息を呑むしか出来ない。なぜなら、アルフから感じる殺気に気圧されているからだ。
「ま、しょうがないですね」
ふと、シンジはため息と共に肩を落とし……アルフに顔を向ける。
そのことにアルフは油断泣く構え――
in side
「そういうわけで、来てもらいました」
「激しく待てや」
シンジのひと言にツッコミを容赦なく入れる。そのことに戸惑うのはタカハシさんとフィオさん。
理華達はというと呆れてたり、どことなく睨んでたり……まぁ、そんな感じだ。
でも、それはしょうがないと思う。まず、俺の前にいるのはBJ姿のなのはに、その肩にいるフェレットことユーノ。
で、そのなのはの両隣にはすずかとアリサに、その後ろにはすずかと同じく紫に煌めく髪を持つ女性こと月村 忍さん。
その忍の両隣にはメイド服姿でクールな女性といった感じのノエル。
そのノエルを一回り小さくしたようなこれまたメイド服すがたのファリンがいた。
忍さんがいるのはなぜかというと至極当然な理由で、レッドスプライト号が見えたからなそうな。
で、見に来た所でシンジと出会い、なのは達と一緒に連れてこられたという。まぁ、こっちは問題は無い。
問題なのは――
縛られて床に転がっているフェイトとアルフである。
フェイトは怯えた様子を見せてるが、アルフは思いっきりシンジを睨んでいた。
まぁ、この反応は至極当然だよな。縛った本人があいつだし……
「なのは達がここにいるのはまだいい……問題なのはなんでフェイト達を縛ってるんだ?」
「いや、話を聞かせてもらおうと思ったんですけど、抵抗されましてね。なので、捕まえて縛っておいたと」
「そんなことするんじゃねぇよ。ていうか、なんであんな縛り方なんだ。あれは色々とダウトだろうが!?」
「いえ、あれはあれで縄抜けしにくい縛り方なんですよ?」
「いや、理由が激しく嘘くさいんだけど……」
なんで、フェイト達を縛ったのかを聞くと、とんでもねぇ返事が来たので突っ込んでおいた。
その後、更にとんでもないことを聞いた気がしたが……ていうか、縄抜けしにくい縛り方って……みの虫縛りがか?
おかげでまた突っ込んじゃったよ。てぇ、シンジ。なんでこっちに向けてサムズアップ?
「うん、中々ツッコミですね。トキオさんの2代目になれますよ」
「なりたかねぇよ! ていうか、誰だよトキオって!?」
「私のお友達ですが?」
「どんな奴だよ、それ!?」
シンジの話にツッコミの連続となる。まったく、こいつは……
ちなみに俺はしばらくしてトキオさんに会うことになるのだが……なぜか、親友になれました。
うん、苦労人なんだね、あの人……思わず同情しちゃったよ。
「あ、あの……あなたはなんで私の名前を知ってるんですか?」
と、なのはにそんなことを聞かれる。そういや、思わず名前を言っちゃってたっけ?
なので、なのはに疑いの眼差しを向けられてます。アリサやすずかにも同じような目を……あれ?
なんか、すずかが怯えてるような気がするんだが……俺、何かしたっけ?
「ふむ、翔太さんはこの世界のことをご存じのようですね。お話願いますか?」
「ちょっと、この世界ってどういうこと?」
「それに関しては後ほどお話ししますよ」
話を聞いた忍さんが問い掛けるが、話し出したシンジは右手を向けてそう答える。
ああ、そういや自己紹介もだけど、俺達の事情も何も話して無かったよね。
「いいのか? ていうか、やばくないか?」
まぁ、それはそれとして、俺は困ってしまう。だって、なのはの話ってねぇ……思わずフェイトを見てしまう。
フェイトはいきなり見られたことに首を傾げるけど……けど、ここでこの子のことを話すのはな……
「これは私の勘ですけど、話した方がいいと思いましてね。お願い出来ますか?」
「そう言われてもな……」
シンジに言われても困ってしまうが……なのは達も興味深そうにこちらを見ている。
それに負けて、俺は盛大にため息を吐き――
「わかったよ。ただし、質問とかは無しにしてくれよ。俺がなぜ、なのは達を知っているのか。それは――」
そのことを話し始めた。俺達の世界ではなのは達のことがアニメとして放送されたこと。
このことに関しては忍さんから質問があったが、シンジがさっきも言ったとおり後で答えると言って、一旦下がらせる場面があったけど。
それはそれとして、なのはとユーノの出会いからジュエルシードに関わることになった理由。
その最中、なのはは同じくジュエルシードを集めるフェイトと出会うこととなった。
これを話すとなのはとユーノにフェイトが驚いていた。ユーノは「まさか、本当なの!?」なんて驚いてたけど。
ちなみになのはとフェイトは今日初めて出会ったらしいけどな。
それはそれとして、ジュエルシードを賭けて戦うことになった2人。
しかし、なのははフェイトがどうしてこんなことをするのかを知ろうと、負けても引き下がろうとはしなかった。
やがて、時空管理局が現れ、2人を止めようとして――
「時空管理局ですか……次元監査局は知ってますが、どんな所なんでしょうね?」
なんて茶々がシンジから入ったけど……いや、次元監査局って何さ?
それはそれとして、時空管理局のリンディとクロノの協力でなのははフェイトの真相に近付き……
そこでフェイトの母親であるプレシアが娘であるアリシアを生き返らせるためにジュエルシードをフェイトに集めさせていたこと。
フェイトはアリシアのクローンであることが判明する。
そのことにフェイトはショックを受けるものの、なのはのおかげで立ち直り、プレシアを止めようとした。
しかし、プレシアはそれを拒絶し、アリシアと共に虚数空間へと落ちていった。
その後、フェイトは事件の処理のために時空管理局に向かい、なのはと別れることとなり――
で、これを話し終えたら、シンジが続きはあるので? と聞いてきたんで、A'sやstsのことも話すはめになったけど。
まぁ、それはそれとして……話を聞いていたなのは達は困惑気味だった。
忍さんやアリサは疑いの眼差しを向けてたけど。しかし、フェイトからは重い空気が漂っている。まぁ、そりゃそうだろうな。
自分がアリシアの代わりとして創られたクローンなんて知れば……うん、カタカタと震えております。
アルフも心配そうにフェイトを見ていて……俺のことは睨んでおります。いや、俺のせいじゃないよ……そうでもないか?
「なるほど……ふむ……」
で、シンジはといえば、あごに手を当てつつなにやら考えている。
何を考えてるんだか、すっげぇ不安なんだけど。
「それで……そこまで知っているあなた達は何者なのかしら?」
「ああ、そういえば、その説明をしておりませんでしたね。では、お話ししましょう。私達が何者なのかを」
で、こちらを睨んでくる忍さんに、シンジは俺達のことを話し始めた。
ボルテクス界や異世界のこと。俺達が何をしているのか……そして、なのは達の世界にも危機が迫っていることも。
それを聞いたなのは達はというとまたもや複雑そうな顔をしている。
その一方で、やはりというか……忍さんやアリサは疑いの眼差しを向けてたけど。
「普通なら、そんなのは信じられないけど……これを見せられると、異世界の話は本当みたいね」
が、忍さんは深いため息をしながら、そんなことを言ってたりする。
まぁ、いきなりこんな話をしても信じられないわな。今回はレッドスプライト号の中だったから、良かったけど。
ところで忍さんがそんなことを言ったもんだから、なのは達が俺を見る目が変わってきている。
フェイトは相変わらず震えてたけど……
「それで、あなた達はどうするつもりなの?」
「それなんですが……たぶん、メムアレフの目的はこのジュエルシードと見て間違いないでしょう。
しかし、すぐに手を出すとは思えませんがね」
「なんでだよ?」
「下手に触れないからですよ。私はともかく悪魔がこれを触ったら、いきなり暴走もありえますからね。
ですから、これが全て集まった時を狙うと思いますよ」
忍さんに答えるシンジの話を聞いて首を傾げるが、返ってきたシンジの話に更に首を傾げるはめになった。
下手に触れないというのはいいとしても、なんで悪魔が触ったらダメなんだろうか?
「なぜ、悪魔だとダメなのかしら?」
「詳しく調べる必要がありますが……どうやら、これは人の思念などに反応する性質を持っているようです。
問題なのは内包されている力が不安定でして……思念体とも言える悪魔が触れば、何かしらの反応を見せるでしょう。
下手すりゃ暴走ですね。メムアレフもその辺りのことはわかっていると思いますよ?」
メディアも気になったようなので問い掛けると、シンジはため息混じりに答えてくれたが……
ああ、そういや悪魔って基本的に実体が無く、生体マグネタイトの力で実体化してるんだよな。
つまり魂とかそういう存在だったと思ったけど……シンジが言う思念体ってのは、そういうことなのか?
ちなみに話を聞いていたユーノは驚いていた。後で聞いた所によると、一目見ただけでそこまで看破出来るとは思わなかったそうな。
しかし、シンジだしなぁ……チート野郎だし……そんくらいはわかるんだろうよ。
「ともかく、私達もこれを集めた方が良いでしょう。私としてもぜひとも手に入れておきたいですしね」
「なんでまた?」
「実は上司にネギさんの世界の魔法界の崩壊をなんとかしろというお達しがありましてね。
なんかとすることは出来ますが、これがまた酷くめんどくさいんですよ。ですが、このジュエルシードがあれば、かなり楽になりますね」
気になる話を聞いたんで問い掛けてみたら、話していたシンジはため息混じりに答えてくれました。
けど、魔法界の崩壊? えっと、確かネギま!原作では、今は魔法界編だったけど……そんな話あったっけ?
ちなみにだが、俺が元いた世界では原作は2009年7月終わり頃まで原作が進んでたりするけどね。
「崩壊とか気になるが……そいつでどうやって、魔法界の崩壊を止めるんだよ?」
「ジュエルシードが持つ性質と力を利用すれば……といっても、私の理論通りに動くかは詳しく調べなければなりませんがね。
ですので、21個全てを集めたい所なんですが……その前にやっておくことが出来ましたけど」
魔法界の崩壊の話は気になったが……それは今聞くとまずそうな気がしたので、今は置いといて……
とりあえず、どうするのかを聞いてみたら、シンジはそんなことを言い出した。
やっておくことって……あの、なんでフェイトの所に行くのさ?
「さて、フェイトさん。あなたはお母さんとどうしたいですか?」
「え?」
いきなりそんなことを問い掛けるシンジに、フェイトは思わず顔を向けていた。
ていうか、こいつ……何考えてんだ?
「先程も言いましたが、私としてはこのジュエルシードが欲しいのです。
しかしながら、このままではあなたのお母さんと争うこととなるでしょう。
私としてはそのようなことをせずに協力出来ないかと思っております。
それでなのですが……あなたはお母さんをどうしたいですか?」
なんてことを言い出すシンジだが……確かにジュエルシードはプレシアがアルハザードに行くために欲してたはずだ。
そうなれば、争うことは目に見えてるが……けど、こいつだと余裕で勝てそうな気がするんだけど?
それを考えると、どうしてこんなことを言い出したのかがわからない。こいつの目的って……
「私は……私は……お母さんと一緒にいたい……お母さんに喜んで……笑って欲しいから……私は……」
泣きそうな顔で話すフェイト。そんな彼女をアルフは心配そうに見ており、なのは達も複雑そうな顔で見ている。
でもまぁ、この頃のフェイトはプレシアに依存してたようなもんだからな。
例え、自分がクローンで娘としてみられてなかったとしても、そう簡単に諦められはしないか……
「では、あなたとお母さんの仲を、私が取り持ってあげましょう」
なんてことを言い出すシンジに俺は思わずえっ?と思ってしまう。いや、いきなりなんでまた?
「え?」
「先程も言いましたでしょう? あなたのお母さんと協力出来ないかと。
その為にはあなたとお母さんが仲良くなった方がいいでしょうしね。どうです? お母さんと仲良くなりたくありませんか?」
顔を上げるフェイトにシンジは人差し指を立てながらそんなことを言うが……
こいつがこんなこと言うのは、何か企んでるからとしか思えないのは……俺だけじゃないよな?
その証拠にスカアハとフィオさんが訝しげな顔を向けてるし。
「何を企んでる?」
「今、言った通りですよ。プレシアさんと争っても、私達にはなんの特にもなりませんからね。
それにこれは私の推測ですが、プレシアさんは過去に囚われるあまりに現在(いま)を見ていないのでしょう。
現在を見れるようになれば、プレシアさんも協力してくれるかもしれません。
その為には、フェイトさんと仲良くなってもらった方がいいでしょう」
思わず睨んでしまうが……シンジの言うことはある意味納得出来る。
確かにプレシアと争っても俺達が何か得するわけじゃない。むしろ、大変だと思う。
それにシンジが言う過去に囚われてるってのもうなずけないわけじゃない。
プレシアは亡くなったアリシアを生き返らせようとして……いや、依存してるといってもいいかも。
「でもなぁ……上手く行くのか? 確か、プレシアって病気のせいでかなり追い詰められてたと思ったけど?」
「え?」
「確かに上手く行くかどうかという懸念はあります。かといって無視することも出来ないでしょう。
でしたら、何かしらの対策を考えるのが妥当でしょうね」
俺の問い掛けにシンジはそう答えるんだが、フェイトが驚いたような顔を向けている。
ああ、そういやプレシアの病気のことは、さっきの話でしてなかったっけ?
「ですが……どうして、そこまでそんなことを?」
と、タカハシさんが問い掛けるけど……確かにそうだよな。
俺としては、こいつが何かを企んでるようにしか思えないんだけど……
「ま、効率的に言えば、こんなことをする必要は無いのですけどね。
ですが、私もお節介好きでして……こういうのはほっておけないのですよ」
なんて、シンジはにこやかに話してるが……本当なんだろうか?
思わずジト目で見てしまうが……こいつもにこやかな顔を崩しやがらねぇし……
「それでフェイトさんはどうなさいますか?」
「あ、その……お母さんが病気って……本当ですか?」
「え? あ……結構やばかったとは思ったけど……」
シンジに問われたフェイトが、心配そうな顔でそんなことを聞いてくる。
そういや、どれ程度だったかはわからないけど……血とか吐いてたしな。ヤバイのは間違いないと思う。
「お願いです……お母さんを……お母さんを助けてください……」
「えっと、あの……私からもお願いします! フェイトちゃんのお母さんを助けてください」
泣きそうになるフェイト。それに釣られてなのか、なのはも頭を下げながらお願いしてきた。
それに対し、シンジはにこやかな笑顔で指を鳴らすと、フェイトとアルフを拘束していた縄が解けた。
「わかりました。あなた方の願い、なんとかしてみましょう」
「おいおい、大丈夫なのか?」
「確かに難しいことではありますし、上手く行かない可能性もあります。
ですが、何もしないよりはマシでしょう?」
胸に手を当てて頭を下げるシンジになのはとフェイトは嬉しそうな顔をしている。
けど、俺が気になったんで聞いてみたら、シンジはそう返してくる。それを聞いていたなのはとフェイトは心配そうな顔をしてたけど。
「て、どこに行く気だい?」
「ああ、もう1つの懸念事項をなんとかしようと思いましてね」
腕をさすりつつ問い掛けるアルフに、どこかに行こうとしていたシンジは振り返って答えた。
けど、もう1つの懸念事項ってなにさ?
「なによそれ」
「八神はやてさんですよ。今の内になんとかした方が良いと思いましてね。
プレシアさんに対する準備も兼ねて、今日中に方を付けようかと」
アリサが首を傾げてたが、シンジは人差し指を立てつつ答えていた。
そういや、なのはとフェイトが今日初めて出会ったんだから、A'sが始まってるわけないか。
詳しい時期は忘れたけど、守護騎士もまだいないはず……だよな?
確か、無印の終わり頃だったか、終わった後に出たと思ったけど。
いかん、Fateの時もそうだったけど、内容忘れてる部分もある。けど、今回は元の世界に戻れないからな。
確かめようにも確かめられないか……どうしたもんかね? それはそれとして……
「けどよ、闇の書……じゃなくて、夜天の書だったか……かなり危険な物だったと思ったけど?」
「確か、プログラムを弄られて、危険な物になってたんですよね?
ま、現物を見ないと確かなことは言えませんが、なんとかなると思いますよ」
俺の疑問にシンジはにこやかに答えるけど……そうなのか?
確か、最後の方じゃどうにもならなくて、リィンフォースが犠牲になったと思ったんだが?
「私は様々な知識を学んでいましてね。科学技術に関して言いますと――
νガンダムとかストライクフリーダムガンダムとか、∀ガンダムにダブルオーライザーやクアンタも造れますよ」
「どこのマッドだ、それは!?」
シンジの話に思わず突っ込むが……いや、それはありえないだろ!?
他の奴らはなにそれって首を傾げてるが、知っている俺としてはありえないとしか言いようがない。
だって、全部チートなガンダムだし。この様子だとV2やゴッドガンダム、Wゼロカスタムとかもありそうな気がしてきた。
「一応、嘘では無いのですがね。翔太さんや理華さん、美希さんのアーマーを基礎理論から造ったのは私ですし」
後頭部を掻きつつ話すシンジだが、そう言われてもどれくらい凄いのかわからん。
ちなみにこの後、どこからか話を聞きつけたアーヴィンさんが俺達のアーマーを調べてみたら、
とんでもないオーバーテクノロジーが使われてることがわかってすっごく驚いてたけど。
「たく、お前のチートさが羨ましいよ」
手で顔を覆いつつ、思わずぼやいてしまう。でも、実を言えば本音でもあった。
俺もシンジ並とまでは言わなくとも少しぐらい力があれば、リィナはあんなことにならずに済んだはずなのに……
「勘違いしているようですが……私は誰にでも出来ることをしているにすぎませんよ。
確かに簡単なことではないですし、何をしてもいいという訳でもありません。
1つ間違えればとんでもないことになるのは、私がやっても同じですしね。ですから、私も慎重なんですよ。
確かに力は使っておりますが、手間を省くというのもありますけど、とんでもないことを防ぐ為でもあります。
ですが、翔太さんにも出来ないというわけではありません」
にこやかに話すが……この時の俺はあまり理解出来てはいなかった。
ただ、単純にシンジの力が羨ましかったし。
「ま、あなたはあなたが思うようにしていけばいいのですよ。それがあなたらしさですからね。
では、すぐに戻りますので……それまではお話でもしていてください」
そう言い残して、シンジは景色に融け込むかのように消えていった。
しかし、俺が思うようにと言われてもな……
「ねぇ……あいつは何者なのよ?」
「とりあえず、チートな奴という以外は知らん……」
忍さんに聞かれたが俺は手で顔を覆いつつ、そうとしか答えられなかった。
ていうか、本当に大丈夫なんだろうな、おい。
あとがき
そんなわけで、なのは達とであった翔太達。プレシアをなんとかするというシンジですが、果たしてどうなるのか?
ちなみにフェイトとアルフのみの虫縛りですが、最初は亀甲縛りでした。
まぁ、それはどうかと思ったので、みの虫縛りに変えましたけどね。
さて、次回は監視していたアリアを捕獲したシンジははやてと出会います。
その間、翔太はすずかの様子のおかしさに気付いて……といったお話です。
次回をお楽しみに〜
押して頂けると作者の励みになりますm(__)m