曹操軍の新軍師として加わった桂花の指示により、小十郎と春蘭は偵察へと向かっていた。
春蘭の部隊を丸々偵察部隊へと割り振って本陣から離れ、2人で先行して移動をしていく。
その道中、春蘭が不満げな様子で呟いた。
「全く。先行部隊の指揮など、私1人で十分だと言うのに……」
どうやら自分1人だけに任せてもらえなかったのが、かなり不満らしかった。
彼女のすぐ隣を進む小十郎が前方を見つめながら、呟くように彼女に言う。
「あくまでこれは偵察だからな。もしもの時の為に、俺はお前の歯止め役だろう?」
「何だとぉ! まるで私が、敵を見たらすぐに突っ込む馬鹿みたいではないか!!」
(絶対にそうだと荀ケに判断されたから、俺が付けられたと思うんだが……?)
隣で春蘭が騒ぐ中、先へ偵察をしに行った兵が戻って来た。
小十郎が労いの言葉を掛けた後、兵に報告を求めた。
報告によれば1度目の偵察で見掛けた集団は1か所に留まり、何やら騒いでいる。
騒ぎは宴や酒盛りと言う訳ではないらしく、何者かと戦っている様子だとの事。
「むっ……何か飛んだな」
現場に到着した2人が最初に見た物は、宙へと高く飛んでいく、何かの塊。
よく眼を凝らして見ると、その飛んだ塊の正体は、何と人であった。
更に驚かされたのが、人を宙へと吹っ飛ばしたと思われる者の正体が――
「こ、子供だッ! 戦っているぞッ!」
「1人か……ッ! 無茶をする……!」
春蘭が驚愕の様子で叫んだ通り、正体は1人の子供だった。
その姿を眼で確認するや否や、春蘭が馬に鞭を振り、一気に加速させる。
後ろの兵の制止も聞かず、春蘭は子供を助けようと飛び出していった。
「片倉様、我々はどうすれば……ッ!」
「1人で勝手に飛び出しやがって……俺等も行くぞッ!」
「はっ!!」
置いていかれた兵を引き連れ、小十郎は春蘭の後を追ったのだった。
「でやあああああッ!」
少女の雄叫びが、襲い来る野盗達を硬直させ、身動きを取れなくする。
野盗達が恐怖に悲鳴を上げる前に、少女の振り下ろした鉄球が彼等を連れ去った。
彼等の身体はまるで紙のように軽く吹っ飛び、その後、永久に動く事は無かった。
「はあ、はあ、はあ……」
疲労に息を上げる少女。
好機と見た野盗達が、彼女の周囲を取り囲んだ。
「も、もう、人数多過ぎ……つ、疲れた……」
「へへっ、観念するんだな。散々仲間を痛め付けてくれやがってッ!」
「楽には死なせねえぜ、お嬢ちゃん。ジワジワと痛め付けてから――」
言葉を最後まで言い終わる前に、その野盗の首は無くなっていた。
首を無くした身体が痙攣を起こし、切断面から鮮血が吹き出す。
そして身体が地面に倒れると、代わりに大剣を持った1人の女性が立っていた。
春蘭である。彼女の身体からは、尋常ではない殺気と怒りが醸し出されていた。
「貴様等ぁ! 子供1人によってたかって、卑怯と言うのも生温いッ!」
春蘭は恐怖に震える野盗に剣の切っ先を突き付け、言い放った。
「1人残らず、私が斬って捨ててくれるッ!!」
「う、う、うわああああああッ!!」
春蘭の怒声に我慢の限界を超えたのか、野盗が次々に脱兎の如く逃げ出していく。
突然の出来事に対し、襲われていた少女は呆然としたまま、その場から動かない。
自分の傍を素通りして逃げていく野盗達にも、彼女は一切反応を示さなかった。
「待て貴様等ぁ! 絶対に1人も逃さ――」
「止めねえか馬鹿野郎ッ!!」
尚も敵を追い掛けようとする春蘭を、追い付いた小十郎が後ろから羽交い絞めにした。
彼の静止をも振り切ろうとし、バタバタと春蘭は暴れる。
「放せ片倉ッ! どうして止めるのだッ! 奴等が逃げてしまうぞ!!」
「俺達の任務は偵察だ。子供を助けるのは良しとして、敵を全滅させるのが目的じゃない」
「敵の戦力を大きく削ろうとして何が悪いッ! 臆病風にでも吹かれたのかッ!!」
「ここで奴等を全滅させたら、追いかけて本拠地を掴む事が出来なくなるだろうが!!」
小十郎のその言葉に、暴れていた春蘭が急激に大人しくなった。
「……おおッ! 確かにそうだ。おおい、誰か居らんか?」
「ったく……もう何人か偵察に出した。呼ばなくても良い」
呆れたように溜め息を吐き、小十郎は春蘭を開放した。
「むう……なかなか手際が良いのだな、貴様」
「天の国も、ここと似たような物だからな」
2人が言葉を交わしていると、今まで呆然としていた少女が動き出した。
そして気まずそうな様子で、ゆっくりと、春蘭と小十郎に声を掛ける。
「あ、あの……」
「おおッ! 怪我は無いか? 勇敢な少女よ」
「はいッ! お陰で怪我は全く。助けてくれてありがとうございます」
笑顔が眩しい少女だった。
春蘭はそれに気を良くしたのか、彼女の頭を優しく撫でる。
「それは何よりだ。だがどうしてこんな所で、1人で戦っていた?」
「あ、はい。それは――」
小十郎の問い掛けに少女が答えようとした時、華琳率いる本隊がやって来た。
彼女達にも現状報告をと、小十郎が出しておいた兵が役目を果たしたようだ。
「…………ッ!」
(ん……? どうした?)
華琳達が来た途端、少女の眼付きが変わった。
何やら怒りを露わにしている様子だが――。
小十郎は刀の鯉口を僅かに切りつつ、警戒する。
「小十郎、謎の集団とやらはどうしたの? 戦闘があったと言う報告は聞いたけど……」
「春蘭に怯えて一目散に逃げた。何人かを尾行に出したから、本拠地はすぐ割れるだろう」
小十郎の的確な対応に、華琳が意外そうな表情を浮かべた。
「あら、なかなか気が利くのね」
「それはどうも……」
華琳に言葉を返しつつ、小十郎は少女の方を一瞥する。
徐々に彼女は、華琳の方へと歩み寄っている。
何かをやる気だ――小十郎も密かに彼女の傍に付いた。
「ねえ、お姉さん達……!」
「……ん? この子は誰?」
「ああ、華琳様。紹介が遅れました。先程の野盗共と勇敢に戦っていた少女です」
春蘭の紹介に、華琳は心底感心したような表情を浮かべた。
しかし少女の方は不満げな顔を浮かべるばかりである。
「お姉さん達はもしかして、国の、軍隊……ッ!!」
少女の言葉が若干震えている。
しかし春蘭は気付かないのか、普通の様子で言った。
「ああ。まあ、お主の言う通りだが――」
刹那、少女の持っていた鉄球が華琳に向けて勢いよく振るわれた。
少女の突然の行動に春蘭達が一瞬固まる中、小十郎が動いた。
「――――ッ!?」
少女の振るった鉄球は小十郎が抜刀した刀によって弾かれ、地面に落ちた。
小十郎は華琳の前に立ち、これ以上彼女が襲われないように盾となる。
「おいガキ……ッ! 一体何の真似だ?」
「――――ッ!? くっ……!」
小十郎の殺気に押され、押し黙る少女。
一瞬何が起こったのか分からなかった華琳が、前に立つ小十郎に礼を言った。
「と、とりあえず、ありがとう……」
「礼を言うのは後だ……」
小十郎は刀を構えたまま、少女を睨み付ける。
「き、貴様ッ! 急に何をするのだッ!」
「国の軍隊なんか信用出来るもんかッ! ボク達を守ってくれないで、税金ばかり沢山持っていってッ!!」
春蘭に怒声を浴びせ、少女は再び鉄球を振り下ろす。
次の標的は華琳ではなく、彼女を守る小十郎だった。
「片倉ッ!」
「秋蘭ッ! 華琳と荀ケを下がらせろッ!」
「でえええいッ!」
「ちっ――――!」
華琳達を後ろに下がらせ、小十郎は振り下ろされた鉄球を避ける。
そして素早く踏み込み、刀を突き出す。が、それも鉄球によって防がれた。
先程自分の後ろにあった筈の鉄球が、もう彼女の傍まで戻ってきている。
竹中半兵衛の関節剣とまではいかないが、まるで鉄球自体が生きているように思えた。
「でやあああああッ!」
「おっと! くっ、もう仕方ねえか……ッ!」
相手が少女とは言え、これ以上好き勝手にやらせる訳にはいかない。
不本意だが、骨を幾つか折ってでも――と、小十郎が考えた時だった。
「2人ともッ! そこまでよッ!!」
突如として華琳の怒声が響く。
2人は動きを止め、彼女の方を見つめた。
「剣を引きなさいッ! そこの娘も、小十郎もッ!!」
「あ…………は、はいッ!」
「ちっ……!」
こちらへ歩いて来る華琳の覇気に当てられ、少女は武器を手放した。
小十郎も彼女の言った事には素直に従い、刀を鞘に戻していく。
そして、少女の傍まで近づいた華琳は、彼女を見つめながら言った。
「……貴方。名は?」
「き……許緒と言います」
華琳は「そう」と一言呟いた後、彼女に向けてゆっくりと頭を下げた。
「許緒、ゴメンなさい」
「……え?」
華琳の突然の行動に春蘭達はおろか、兵達も絶句した。
そして謝られた当人の許緒はオロオロとしている。
その様子は先程戦った者とは思えなくて、小十郎には滑稽に思えた。
「名乗るのが遅れたわね。私は曹操、山向こうの陣留の街で刺史をしている者よ」
「山向こうの……ッ! あ……それじゃっ!? ご、ゴメンなさいッ!?」
華琳の名を聞いた途端、許緒の顔がみるみる青褪めていく。
そして何度も頭を下げ、先程の無礼な行動を詫びた。
「や、山向こうの噂は聞いています。向こうの刺史様は立派な人で、悪い事はしないし、税金も安くなったし、盗賊も少なくなったって……そんな人に、ボク、ボク……!」
許緒の言葉に華琳は、ゆっくりと首を横に振った。
「構わないわ。今の国が腐敗しているのは、刺史の私が一番良く知っているもの。官と聞いて、貴方が憤るのも、当たり前な話だわ」
それでも尚、罪悪感が残るのか、許緒は「でも」と呟きながら俯く。
そんな彼女に華琳は微笑を浮かべながら言った。
「だから許緒。貴方の勇気と力、この曹操に貸してくれないかしら?」
「え……? ぼ、ボクの力を……?」
華琳が頷く。
「私は何れこの大陸の王となる。けれど、今の私の力はあまりにも少ないわ。だから……村の人々を守る為に振るった貴方の勇気と力、この私に貸してほしい」
「曹操様が……王に……」
許緒は俯いていた顔をゆっくりと上げ、華琳を見つめた。
「あ、あの……曹操様が王様になったら……ボク達の村も守ってくれますか? 盗賊もやっつけてくれますか?」
「約束するわ。貴方達の村だけでなく、この大陸の人々が安心して暮らせるように。その為にも私は王になるの」
「この大陸のみんなが……安心して……暮らせる」
2人が言葉を交わす中、桂花が華琳の傍に駆け寄った。
彼女によれば、どうやら尾行していた兵が戻り、敵の本拠地が割れたらしい。
華琳が桂花に「御苦労」と呟いた後、彼女が許緒の名を呼び、向き直った。
「私達はこれから、貴方の村を脅かした盗賊団を根絶やしにするわ。先ずそこだけで良い、貴方の力を貸してくれるかしら?」
「は、はいッ! それならいくらでもッ!!」
許緒の元気な返事に、華琳は笑顔を浮かべた。
「ふふっ、頼もしいわね。小十郎、許緒は一先ず貴方の下に付ける。分からない事は教えてあげなさい」
「ふん……ただの客将の俺に預けるのか? 物好きな事だな」
「この娘と貴方は打ち合った仲でしょう? 面倒を看なさい」
軽く溜め息を吐いた後、小十郎は自分の後ろに付いた許緒を一瞥する。
どうやら先程戦り合った事を、まだ気にしているらしく、表情は暗い。
彼女はそのままの表情を浮かべながら、小十郎に話し掛けた。
「あ、あの……小十郎、さま……」
小十郎は再び彼女を一瞥する。
「さっきの事は気にしなくて良い。お前の怒りは尤もだからな」
「え……あ……はい」
「早くここの雰囲気に慣れるんだな。クセの強い奴等ばかりだ」
小十郎は微笑を浮かべた後、ゆっくりと馬に跨る。
彼の言葉に不安が取り除かれたのか、許緒は笑顔を浮かべた。
そんな2人の様子を一瞥した後、華琳は兵に向けて言い放つ。
「では総員、行軍を再開するわッ! 騎乗ッ!」
華琳の号令に従い、兵が素早く騎乗していく。
小十郎は新たに加わった許緒を自分の馬に乗せ、行軍を再開した。
◆
盗賊を尾行していた兵が見つけた本拠地の砦は、山の影に隠れるように建てられていた。
彼等の本拠地は華琳達が許緒と出会った場所から遠い所でも無く、寧ろ近い場所である。
だが深く入り組んでいる為に、余程入念に探さなければ、決して見つかる事はないだろう。
無論、砦の大きさは見つかり難さを重視する為か、かなり小さめである。
「許緒、この辺りに他の盗賊は潜伏しているの?」
「いえ。ここらにはあいつ等しか居ませんから、曹操様が探している盗賊団も恐らく……」
華琳が彼女の答えに満足そうに頷く。
次に彼女は、秋蘭に問い掛けた。
「秋蘭、敵の数は把握出来ているの?」
「はっ。およそ三千との報告がありました」
「俺等の隊が千と少し……敵は3倍か。思ったより大人数だな」
「全く。あんな小さい砦に、どうやって三千も入るのか……」
春蘭が呆れ顔で呟く。
「でも連中は、集まっているだけの烏合の衆。統率も無く、訓練もされておりませぬ故、我々の敵ではありません」
「けれど策はあるのでしょう? 糧食の件、忘れてはいないわよ?」
華琳の言葉に、桂花は微笑を浮かべた。
「無論です。兵を損なわず、より戦闘時間を短縮させる為の策、既に私の胸の内に」
「ふふっ……良いわ。説明なさい」
桂花は神妙な面持ちで、己の立てた策を告げた。
「先ず曹操様は少数の兵を率い、砦の正面に展開して下さい。その間に夏候惇、夏候淵の両名は残りの兵を率いて後方の崖に待機。本隊が銅鑼を鳴らし、盛大に攻撃の準備を匂わせれば、その誘いに乗った敵は必ずや砦から出てくる事でしょう。その後、曹操様は兵を退き、十分に砦から引き離した所で……」
小十郎が桂花の言葉を遮るように言った。
「春蘭と秋蘭が、敵を背後から叩く訳か」
「むっ……ええ、そう言う事よ」
代わりに言われた事に少しだけムッとする桂花。
しかし文句は言わず、その通りと言っておいた。
だが彼女の提案した策に、春蘭が疑問の声を上げる。
「ちょっと待て。それは何か? 華琳様を囮に使うと言う事か?」
「そうなるわ。何か問題が?」
桂花の言葉に春蘭が怒声を上げる。
「大有りだッ! 華琳様にそんな危険な事をさせる訳にはいかん!」
「なら貴方には、他に何か有効な作戦があるとでも言うの?」
「あるぞッ! 烏合の衆なら、正面から叩き潰せば良いだけだッ!」
刹那、場の空気が静まり返る。
彼女のこう言った事にはもう慣れたが――小十郎は頭を抱えた。
彼と同じように、華琳達も呆れたように溜め息を深々と吐く。
「油断した所に伏兵が現れれば、相手は大きく混乱するわ。混乱した烏合の衆はより倒し易くなる。曹操様の貴重な時間と、もっと貴重な兵の損失を最小限にするなら、一番の良策だと思うのだけれど?」
しかし春蘭は尚も食い下がる。
「な、なら、その誘いに乗らなければ……?」
「…………ふっ」
春蘭の言葉を聞いた桂花が鼻で笑った。
無論、黙って見たままの春蘭ではない。
「な、何だッ! その馬鹿にしたような態度は……ッ!!」
怒鳴る春蘭を無視し、桂花は言葉を続ける。
「曹操様。相手は志も持たず、武を役立てる事もせず、盗賊に身を窶すような単純な連中です。間違い無く夏候惇殿よりも、容易く挑発に乗ってくるものかと……」
あまりの言葉の挑発に、春蘭が悔しそうに唸りを上げる。
それを華琳が動物を宥めるように収めつつ、口を開いた。
「……とは言え、春蘭の心配も尤もだわ。次善の策はあるのでしょうね?」
「この近辺で拠点になりそうな城の見取り図は、既に揃えてあります。あの城の見取り図も確認済みですので……万が一こちらの誘いに乗らなかった場合は、城を内から攻め落とします」
なかなか用意周到な策だ。小十郎も秋蘭も、改めて桂花の優秀さを間の当たりにした。
そもそも監督官と言う役割を言い渡された時から、今回の策は始まっていたのだろう。
もし敵に回ったとしたら、末恐ろしい存在である。
「分かったわ。この策で行きましょう」
「華琳様ッ!」
「これだけ勝てる要素の揃った戦いに、囮の1つも出来ないようでは……この先の覇道など、とても歩めないでしょう。そうじゃない? 桂花」
彼女の言葉に春蘭は唸り、桂花は頷く。
「その通りです。ただ賊を討伐した程度では、誰の記憶にも残りません。ですが最小の損失で最高の戦果を挙げたとなれば、曹孟徳の名は天下に広まりましょう」
そう言いながら、桂花は春蘭の方をチラチラと見つめる。
所々笑みを浮かべる事から“どうだ見た事か”と言う事だろう。
春蘭は尚も悔しそうに唸りながらも、桂花に進言した。
「な、ならば……せめて華琳様の護衛として、本隊に片倉と許緒を付けさせてもらう。それも駄目かッ!」
「2人は現時点で貴重な戦力よ。伏兵の戦力が下がるのは、好ましくないんだけど……」
「私が片倉と許緒の分まで暴れれば、戦力など同じだッ! それで文句は無かろうッ!」
しつこく食い下がってくる春蘭に疲れたのか、桂花が深々と溜め息を吐いた。
「……分かったわよ。なら囮部隊は曹操様と私、片倉と許緒。伏兵は夏候惇と夏候淵。これで宜しいでしょうか、曹操様」
「ええ、それで行きましょう」
華琳は満足そうに了承した。
「片倉、許緒、絶対に華琳様を御守りするのだぞッ!」
「2人とも、私と姉者の分まで、華琳様達を頼むッ!」
春蘭と秋蘭にそう頼まれ、2人は頷く。
フッと、微笑を浮かべた華琳が力強い声で指示を出していった。
「それでは作戦を開始する。各員持ち場に着けッ!」
後書き
第4章をお送りしました。前話に続き、魏軍のキャラが登場。
今回は季衣です。小十郎の妹分にでもしようかと検討中……。
でも小十郎って、兄ちゃんと言うよりヤク……ゲフゲフ。
では、また次回でお会いしましょう。