「ふわ……暇ですね〜」
ガラン、とした店内を見つめながら、彼女――リサ・アスカはカウンターに突っ伏す。真っ白だった髪の毛は茶色く染め、眼帯をしている右目は前髪を長くし
て隠している。
オーブ、オノゴロ島の海岸付近に建てられた一軒の小さな喫茶店『ワイヴァーン』。カウンター奥の額に飾られた竜の絵が特徴的で、まだ10代半ばの少女が
経営している喫茶店として、海水浴の帰りなどの客に繁盛している。
が、まだ開店前なので、客は一人もいない。当然ではあるが。つい目が早く覚め、仕込など、準備が早く終わってしまった為、暇を持て余していたリサは、ふ
とテレビをつける。
「あ、そういえば今日でしたっけ……四カ国協議」
テレビには、月のアルザッヘルで行われるプラント、オーブ、スカンジナビア王国、そして東アジア共和国のトップの会談が行われるニュースが流れていた。
あの戦いから一年……C,E74。ラクス・クラインは、プラントの要請を経て、プラント最高評議会の臨時議長となり、カガリ、スカンジナビア王国国王、
そして東アジア共和国の大統領となった志波 柳生と共に、完全和平協定へと手を取り合い始めた。
ちなみに大西洋連邦は、ロゴスの後ろ盾を失い、大統領のコープランドが失脚して、未だに地球連合最大の戦力を保持していながらも、志波家が後ろから支え
ていた東アジア共和国と違い、内政はガタガタとなり、その隙に、東アジア共和国を中心とした新地球連合に同盟させられてしまった。現在、旧地球連合に加盟
していた中立以外の国は、新地球連合と同盟を結んでいる。
既にロゴスも無く、後ろ盾を失ったブルーコスモスは弱体化。また、クライン派の急増により、旧ザラ派も見る影を無くし、世界中は、ナチュラル・コーディ
ネイターの排斥運動は、見る方が珍しい形になっている。
「果たして何処まで続くか分かりませんが……まぁ、ラクスさんとカガリさんがいる間は平和ですね」
プラントと中立のオーブ、スカンジナビア王国、そして地球側の代表である東アジア共和国。プラントのラクス・クライン、オーブのカガリ・ユラ・アスハ。
かつてラクスは、プラントから離れ、カガリもまた子供のような甘い考えを持っていたが、今は二人とも、自分達の父親の面影を見せるような働き振りを見せて
いた。
「世界は常々、平和です、と」
その時、カラン、とベルが鳴って店の扉が開いた。開店前に入って来るような無粋な客をリサは、数名しか知らなかった。
機動戦士ガンダムSEED Destiny〜Anothe Story〜
FINAL−PHASE 青く、美しく、不完全な世界へ
「マユ〜」
「何だ、お兄ちゃんか。冷やかしならお断りだよ」
「コーヒー……」
実の兄を冷ややかに見つめつつ、入って来た少年――シン・アスカはコーヒーを注文する。リサは、慣れた手つきでコーヒーを作り、カウンターに突っ伏すシ
ンに差し出す。シンは、一気にコーヒーを飲み干すと、真剣な顔でリサに言った。
「なぁ、マユ。一緒に暮らそう」
「い・や♪」
とても素敵な笑顔で断りを入れ、シンはガクゥッと項垂れる。
「どうしても?」
「お兄ちゃん、女の子にとって顔を殴られるって言うのは、一生分の傷を背負わされるのと同等なの。分かる? あんだーすたん?」
同じアスカ姓名乗って上げてるだけで、ありがたく思って欲しいと言うリサに、シンが冷ややかに呟いた。
「…………自殺しかけて手首に傷あるクセに……」
「え? 何か言った?」
右腕に手をかけて、義手を外そうとするリサに、シンは激しく首を横に振る。
「大体、お兄ちゃんと一緒に暮らしたらルナお姉さんとステラさんと修羅場ってる時に、子供の面倒見るの大変じゃない」
「ぶっ!!」
その台詞に、シンは盛大にコーヒーを吹き零す。リサは、台拭きを出して、綺麗に拭くように言う。シンは、情けない顔でカウンターを拭き始める。
シンは、あの戦いの後、オーブに戻り、孤児院を作った。そこにはルナマリアとステラも住んでおり、日夜、修羅場が続いているそうだ。子供みたいに純粋に
シンに迫るステラに、嫉妬するルナマリアが負けじと詰め寄り、シンが逃げ出して此処に来る、というのが定番になってしまっている。
「で? 今日は、どんな事があったの?」
「…………別に。ただ、朝にトレーニングしてたら汗掻いてシャワー浴びてたら、寝ぼけたステラが入って来て、止めにルナまで入って来て……」
「それって男女逆じゃない? お兄ちゃん、何、乙女してるの?」
「俺だってしたい訳じゃねぇよ!!」
「第一、お兄ちゃんの甲斐性が無いのがいけないのよっ」
ビシィッと妹に指摘され、シンは、ウッと怯んだ。
「プラントから両親の反対を押し切ってまでお兄ちゃんと一緒にオーブに来てくれたルナお姉さん、一途にお兄ちゃんの“守る”って言葉を信じてお兄ちゃんを
忘れなかったステラさん……私だったら、どっちでも“お義姉さん”って呼んでも良いのに、答えを出さずに逃げ回ってるお兄ちゃん見てると、本気で腹立つ
わ」
「う……しょ、しょうがないだろ」
「“しょうがない”、“仕方ない”で逃げるの、何とかした方が良いよ」
「うぅ……」
「シン!!」
「シン……」
その時だった。扉が勢い良く開き、ルナマリア・ホーク、ステラ・ルーシェが入って来た。シンは、ビクッと少し飛び上がると、恐る恐る振り返る。
「アンタは〜……子供達、放って何してるのよ!?」
「いや……あの……」
「ステラと……折り紙してくれる約束……」
「お、覚えてるよっ」
「妹に逃げる癖、そろそろ何とかしなさいよねっ」
ギュッとシンの首に腕を回して持ち上げるルナマリア。伊達に戦闘訓練を積んできた訳ではなく、腕力は強かった。
「ル、ルナ……ギブ」
「だ〜め♪」
「マユ……助け……」
「ごめ〜ん。私、忙しいから」
そう言って、シンから返して貰ったお気に入りのピンクの携帯を弄りながら答えるリサ。
「あら、朝から元気ね、皆」
「これが若さってヤツ?」
「ネオ!」
と、そこへ再び開店前に客が三名、入って来た。男性――ムウ・ラ・フラガの姿を見て、ステラがパァッと顔を輝かせて飛びつく。ムウは、娘を見るように優
しい表情で、彼女の頭を撫でる。その隣にいる女性――マリュー・ラミアスと少年――キラ・ヤマトも微笑ましく見ている。
「おっと……はは、ステラ。坊主の所で仲良くしてるか?」
「うん……シン、とっても優しい」
ちなみにキラとアスランは、それぞれオーブとプラントに戻った。現在、キラはカガリを、アスランはラクスをサポートしている。
「そこだけ聞くと、お兄ちゃんが甲斐性あるように聞こえるわね」
「マユ……お前、最近、レンさんに似て来たぞ……」
「だって兄さんの妹でもあるもん。そういえばキラさん、カガリさんと月に行かなかったんですか? 折角、ラクスさんと会える機会なのに……」
そう言って、会談が行われている月のニュースを指すリサ。ちゃんとカガリと共に円卓に座っているラクスの姿が映っている。彼女の後ろには、彼女の要人に
なったイザークの姿がある。
キラは、苦笑し、頬を掻きながら答えた。
「いや、カガリが『お前、働き過ぎだから少し休め。後、ラクスに会って惚気られて会議が遅れると面倒だからな』って言われて……カガリの方が、よっぽど働
き詰めなんだけどね」
「そうなんですか……」
「まぁ、アスランも言ってたけど焦る必要も無いし……会おうと思えば会いに行けるから」
そう言って笑いかけるキラに、リサも納得したように頷いた。
「あ、そういえば丁度、全員、揃ってますし行きます?」
「行くって何処に?」
そう言って、リサは先程まで弄っていた携帯の画面を見せると、一通のメールが届いていた。皆、その画面を覗き込んだ。
<レイ君の定期検査終わったし、面会出来るよん♪>
オーブのとある病院の待合室。そこへ、リサ達を出迎える白衣を着た青年と女性がいた。
「はろう」
爽やかに手を上げて挨拶して来た青年――レン・レヴィナスに、皆、揃って軽く頭を下げる。その横には、同じように白衣を着たエリシエル・レヴィナスも微
笑んで彼らを迎える。
「フブキさん……じゃなくて、レヴィナスさん。彼の容態は?」
「別にフブキでもレヴィナスでも良いんだけどね〜……ま、流石の私でもテロメアの老化を完全に抑えるのは無理だよ」
キラに問われ、レンは病室へ向かいながら説明する。
「実際、オリジナルが結構な年齢だったからね〜……見た目は若くても、もう内臓とか細胞は、六十以上の老人だよ」
そう言われ、ムウが少し複雑な表情を浮かべる。不意にマリューが、ソッと手を繋ぎ、彼に向かって微笑むと、ムウも苦笑いを浮かべた。
やがて、ある病室の扉に手をかけると、此処の患者に馴染み深いシンやルナマリアは固唾を呑んだ。そして、扉がゆっくりと横に引かれる。
「ホラホラ! 今度はメイド服、いってみようか〜!」
「や、やめてください……」
ズシャアアアアアアア!!!!!!!
が、いきなり目の前に、赤い三つ編をしたオレンジ色の瞳の少女に、ベッドの上で服を脱がされかけている少年――レイ・ザ・バレルの姿があり、レンとステ
ラ以外は盛大にズッコけた。
「あら? どうしたの、皆。足腰、弱いわね〜」
「姉さん! 何やってんですか!?」
少女――エリス・マーフィスの手からメイド服を奪い取って、レンが血相を変えて怒鳴る。
「メイド服より、巫女服でしょうが!!」
「違います!!」
が、思いっ切り見当違いな方角に怒鳴るレンに、エリシエルがツッコミを入れる。
「こ、この子達、これで世界最高の頭脳を持ってるのよね……」
「ああ……ある意味、恐ろしい世の中だな」
倒れながら呟くマリューに、ムウが激しく同意する。何で、無事に生き残ってこんな理不尽な行いをしているのだろう? そこにいる誰もが思う事だった。
振動の激しくなるノヴァガーデン。レンは、既に動いても役に立たないトゥルースから、エリシエルのグリードに乗り移るつもりだった。レンは、心の中で
キースを含む100人の兄や姉に謝罪する。
「(ゴメン……兄さん、姉さん。私は……)」
世界の為に死ぬ事より、彼女の為に生きる……そしてノヴァ同様、孤独な、決して満たされない世界を生きる。そうする事を決めた時だった。
――レン……エリスを……。
通信機越しではない。既にキースは死んでいる。だが、彼の声が頭に響いた。レンは、ハッとなってカプセルで眠るエリスを見る。そして、静かに眠っている
エンペラーのコックピットを見つめる。
「レン! 速く!」
グリードのコックピットを開いてエリシエルが呼びかける。レンは、トゥルースのコックピットを蹴り、グリードのコックピットに乗り移ると、エリシエルに
代わってシートに座る。
「エリィ……姉さんを連れて行く」
「え?」
エリシエルを膝に乗せ、操縦桿を握り締めるレンに彼女は信じられない顔になる。
「か、彼女は死を認めたんじゃ……貴方の未来を認めたんじゃないんですか?」
新たな混乱を招く存在として滅びを望んだレンの未来。
「このままじゃ繰り返されるだけ……なら、私は……キースの未来も叶えてやる」
「え?」
「とりあえず急いで姉さんを助けて脱出する」
そう言って、レンは操縦桿を引き、エリスの眠るカプセルへと向かって行った。
その後、宇宙空間を漂っていたグリードを発見され、アークエンジェルに保護されたレン、エリシエル、エリス。レンは、もうフブキ姓を名乗る事も無くな
り、元のレヴィナス姓に戻した。それが、兄を殺し、生き長らえてしまった自分に対する罪滅ぼしと考えているのかどうかは本人しか分からなかった。
「いや〜。ラウは性格的にイッちゃってたけど、レイ君はからかい甲斐があるね〜」
戦後、レンはオーブに渡り、レイの治療をする事になった。現在、クローン治療を的確に行えるのはレンだけである。故に、カガリに頼んで医者としてレイの
主治医を務めている。
当初、レイはデュランダルの傍から離れるのを渋っていたが、レンが予想していた通り、彼が早く倒れてしまし、オーブに移って入院したのは、つい一ヶ月ほ
ど前だった。
「レイ、大丈夫か?」
「…………これで五回目だ」
あの姉弟により、着せ替えという悪魔の所業に項垂れながら答えるレイ。シンとルナマリアは、同僚の余りの哀れさに涙を堪えるのが大変だった。
「そういえばギルは? どうなった?」
ふと予想していたレイのその問いかけに、シン達は顔を見合わせた。
「懲役15年……ですか?」
プラントの市街をアスラン・ザラ、メイリン・ホーク、タリア・グラディスの三人が並んで歩いていた。
「ええ。本人が、ユニウスセブン落下のテロリスト、デストロイのデータを知っていながらジブリールの凶行を黙認し、本物のラクス・クラインの抹殺の指示を
認めたみたいよ」
ギルバート・デュランダルは、本人の言っていた通り、戦いが終わるとすぐに刑に服した。指導者でありながら、多くの民衆を見殺しにし、世界中を騙してい
た事に対する罪は重かったが、キース・レヴィナスの件で、少なくとも彼は紳士的、そして人道的な措置を取っていた為、極刑だけは免れたそうだ。
尚、ミーアも彼同様、ラクスの名を騙った事で刑に服し、デュランダルのような長い間ではないが、しばらくの間は塀の向こうである。
「もっとも、結構、反発意見はあったみたいだけど」
特に見殺しにされた西ユーラシアの反発は凄かったらしい。が、ラクスやカガリの説得により、何とか抑え込まれているものの、彼を許せない人間がいるのも
確かだ。
「ロゴスの消滅、プラント議長の汚職、そして大西洋連邦大統領の失脚……良くもまぁ、世界情勢が混乱する事ばかり続いてるのに、あのお嬢さん達には頭が下
がるわね」
「けど……全部、フブキ先輩、いやレヴィナス先輩やキースがした事ですよ」
キースは、実質的にロゴスを滅ぼし、その細部に至るまでも徹底的に破壊した。そしてレンはデュランダルの影を世界中に暴き、カガリをオーブから拉致し、
キラ、ラクス、カガリの三人を今度こそ、戦いを終わらせた者としての責任から逃げないよう導いた。
「それで先輩は自分諸共、他のノヴァズヒューマンと死を選ぼうとした」
「でも……生きてます。エリスさんも」
メイリンが呟くと、アスランはコクッと頷く。
「フォールディア……エリシエル先輩が、レヴィナス先輩の傍にいても、あの人の高過ぎる力とノヴァズヒューマンの能力は、きっと先輩を孤独にさせる」
だからこそエリスという彼と同じノヴァズヒューマンの姉を連れ帰ったのだろう。孤独にさせないよう、ノヴァのような過ちを繰り返させないよう。もし、自
分達が再び争い合い、愚かな戦争を始めるならば、今度こそ彼らはキース・レヴィナスのように人類を地球から追い出す。一度は世界を救ってくれたレンが、今
度は世界の敵となる。その時、エリスも彼の味方だろう。そうなったら、止められる者などいない。
「俺達は……試されてるんだろうな」
あれだけの犠牲を払って与えられた最後のチャンス。前のように、たった二年で崩れる平和……彼らの想いに応えられず、同じような事を繰り返す人類なら、
本当に地球から出て行って、コーディネイターとナチュラルを永久隔離して暮らせば良いとアスランも思ってしまいたくなる。
「簡単なようで……実に難しい事ね」
レンも別に戦いは否定しなかった。戦い、新たな智を知り、過ちを知り、それを正し、同じ過ちは繰り返させない。それが今の人類が進化する事かもしれな
い。が、同じ過ちを繰り返して争えば、それは進化を止めた事である。
「ただナチュラルとコーディネイターが手を取り合うだけなのに……難しいものね」
「でも出来ない事じゃない筈です。俺達は手を取り合えた。カガリもラクスも頑張ってる……出来ない事じゃないって証明されているんです」
「…………そうね」
力強いアスランの言葉を聞いて、タリアは頷く。その横で、メイリンもギュッと胸の前で両拳を握って頷いた。
「それじゃ……まずは、とっとと罪を償って、今度こそシーゲル・クラインの思想を受け継いでくれる事を信じて、待ちましょうか」
そう言って彼ら3人の目線の先には、刑務所があった。
「レンったら……ちょっと見ない間に、立派になって」
窓辺に腰掛け、シンやキラ達と一緒に帰って行くレンとエリシエルの姿を見ながら、エリスはクスッと微笑む。
カプセルで眠っている時、睡眠学習の様にキースの措置のお陰で何があったのか夢のように覚えている。レンとキースの戦いで、最初はキースが正しいと思っ
ていた。けど、レンの言葉も理解出来た。どちらが正しいのか分からなかった。故に勝った方の未来を信じてみようとした。今までの歴史がそうであったよう
に、勝者の未来を。
そしてレンが勝った。だからレンの未来に従い、死を、滅びを受け入れようとした。が、キースは自分を生かした。レンも生き残った。そして、キースが何を
考えたのか、即座に理解した。再び人類が同じ過ちを繰り返すのなら、今度は自分達がキースの代わりに人類を浄化する、と。
エリスの目には、未だ世界が赤く見える。レンも同じだろう。死が充満し、血の色で汚れた世界。だが……今日、レンを取り巻く彼らの周りは、ちっとも赤く
なかった。そして、オーブに来て、すぐにレンと籍を入れたエリシエルという少女。本当、リーシャと瓜二つだった。
「(まさか、ノヴァズヒューマンでもない、あんな小娘にレンの見た未来を変えられるとはね〜……)」
小娘と呼ぶが、血縁的にはレンはエリシエルの大叔父、エリスは大叔母に当たる。が、二人揃って年上にそう呼ばれるのは絶対に認めたくなかった。
「良いんですか?」
「ん?」
ふと、向かいのベッドで、シンやルナマリアに差し入れされた本を読んでいたレイが尋ねて来た。
「あなた達は、いずれシン達と敵対しかねないんじゃないんですか?」
その中に自分はいない。その時には、生きていないだろうし、生きていても戦えない。けれど最悪の場合、レンとエリスは、今の彼らと戦う事になるかもしれ
ない。それなのに、こんな風に仲良くやり合っていて良いのか、と問いかけるとエリスはフッと笑った。
「皆、戦う覚悟はあるみたいよ。だからこそ今の内、楽しめる間に楽しんでおきたいのよ。でも……レンは彼らを信じているし、彼らもレンやキースの期待を裏
切らない、って思ってるみたいよ」
勿論、貴方も、とそうエリスが言うと、レイは彼女らノヴァズヒューマンに嘘はつけない事を思い出し、フッと笑った。
「(精々、私達を敵に回さないよう……私達だって貴方達と戦いたくないんだから)」
そう祈りつつ、今はとりあえずこの平和を満喫しようとするエリスだった。
「って……何でアンタらまで付いて来るんだよ!?」
岬に建てられたシン、ルナマリア、ステラが暮らす別荘。そこにレン、エリシエル、リサ、キラの四人が付いて来た。ムウとマリューは、用事があるそうで先
に帰った。
「だって暇だし」
「アンタ、医者だろうが!」
「レイ君専用のね。それとも他の患者を見せて良いのかな?」
そう言って問いかけられるとシンは思い出す。以前、孤児院の子供がすり剥いて、遊びに来ていたレンに見せた時、何故か『手術だ!』とか言って、腹を切り
裂こうとした時はマジで焦ったりした。
「いや……別に」
「うんうん。第一、年配のオバサンナースしかいない病院になんて長くいるだけ価値ないし」
「アンタ、病院を何だと思ってんだ!?」
「憩いの場。ちなみに、私、教師として女子高生を満喫すべきか、医者としてナースを視姦すべきか迷ったんだから」
「レイの為じゃなかったのかよ!?」
「それはそれ! これはこれ!」
言い切ったレンを、シンとルナマリアが軽蔑するような視線を向ける。
「教師だったら、レイ君は保健室に入院すれば良い! そこでムチムチの色気タップリな保険医に手取り足取り、ああ! 私も健康診断して欲しいぃ〜!!」
「兄さん……」
一人暴走するレンの後ろから、リサの冷ややかな呼び声がかかる。
「どったの、マユちゃん?」
「リサです。マユ・アスカなんて、とっくに鬼籍入りなんです」
「じゃ、どったの、リサ?」
「奥さん、いるの忘れてません?」
「ん? ぬおぉ!?」
言われて、奥さんの方を見ると、エリシエルが、それはもう見る人全てが惚れ惚れするような笑顔で。
「あ・な・た」
ソッと長い指をレンの頬に添えるエリシエル。
「シン! マズいわ! こんな所、子供達に見られたら……」
トラウマの一つや二つじゃ済まない。シン達は、急ぎ孤児院の中へと駆け込んで、扉を閉めた。
「あ、シン兄ちゃんお帰り〜」
孤児院の中には、先のオペーレーション・フューリーで親兄弟を亡くした子供達が十名近くいる。資金はザフトを除隊する時に、シンとルナマリア共々、結
構、貰ったのでこの一年、特に苦労はしていない。また、レンが影ながら援助しているが、それは本人だけの秘密だったりする。
こうやって自分と同じ境遇の子供達を見ていると、自分が何て浅はかなマネをしていたのか身に染みた。力が欲しいと言って、戦場に出て、いつの間にか、こ
んな子供達のように笑えなくなっていた。もっとも、その道を選んだから、こうしてルナマリアやステラに出会い、妹が生きていると分かったから全否定は出来
ないが。
それでも、シンは、この笑顔で『おかえり』と言われた時、シュティルも同じような気持ちだったのかと思い、棚に立て掛けてある二つの写真立てを見つめ
る。一枚はシュティルと自分だけが写っているもの。もう一つは、この孤児院の前で、施設から引き取ったばかりの子供達とルナマリア、ステラ、リサを含めて
撮ったものである。
「ああ、ただい……」
「ちょ……エリィ! メリケンは、マジかんべ……!」
ゴシャ! メキャ! ゴキッ!
子供達には外の惨状がバレないような笑顔で『ただいま』と言いかけると、レンの言い訳(命乞い)っぽい台詞(悲鳴)と、何(骨っぽいもの、っつか骨)か
が壊れる(砕ける、もしくは粉々)音がした。
恐る恐るキラが、扉を半開きにして外の様子を窺うと、バタン、と凄まじい勢いで扉を閉めた。そして、大量の冷や汗を流しつつも、必死に笑顔を作って、
「そ、そうだ! 今日はプログラミングでも教えて上げるよ!」
「あ、あぁ! そうですね! お願いします! 俺もゲームでもして遊ぼうかな!」
「じゃあ、私、女の子達とお風呂入ってるわね! ステラも行くわよ!」
「(コクコクコクコクコク!)」
「皆さん、見なかった事にしてるんですね」
ステラまでもが半泣きになって物凄い勢いで頷き、ダァーっと子供達を引き連れて奥に消えて行くシン達の姿を見つつ、リサはドアを半開きにして、外の様子
を見る。
「うわ、ぐちゃぐちゃ」
その一言が全てを物語っていた。
「ゴメンなさいね、夕食までお呼ばれしちゃって」
「いえ、大勢の方が楽しいですから」
シン達と夕食を囲みながらエリシエルが申し訳なさそうに謝ると、シンが答える。
「結局、今日は店休業だったな〜……どうせ道楽だけど」
「なぁ、マユ……お前、本気で俺らと暮らさないか?」
何か駄目な大人の階段を昇ってる様な気がしてならないシンは、本気で実の妹を心配して尋ねるが、本人は首を横に振る。
「お兄ちゃんだって、私ぐらいの年で自立したんだし、私だって自立するわよ。それに、海賊やってたから、世の中の裏側とか色々と知ってるし、結構、闇市で
も顔広いし、一人暮らししてても、そこらの男の人より強いもん」
「…………何で俺、あの時、ちゃんとマユのこと確認せずに避難したんだろ?」
「シン、人間、誰だって理不尽の中で生きていかなくちゃいけないんだよ」
ポン、とシンの隣に座るキラが、水を飲みながらポンと肩に手を置く。
「そうよ。この世の中なんて理不尽な事で満ち溢れてるんだから」
ちなみに、その理不尽が人間の皮被っていたような人は、先程、彼女自らの手で制裁を加えたのはシンは忘れていない。
「シン〜、お客さ〜ん」
「ん?」
その時、子供が駆け寄って来て誰か来たのかと思い、顔を上げた。
「よっ。お久し振り〜」
「ハイネ!?」
そこにいたのは、かつて自分達と同じミネルバに乗っており、その後、レン達とドラゴネスに、そしてエターナルと三つの艦を渡った、ハイネ・ヴェステンフ
ルスだった。戦後、何処かへ行方を眩ましていたが、今になって現れ、驚くシン達。その肩にズダボロのレンが担がれているのは無視しておく。
「ハイネ、今まで何処に……?」
「あぁ、ちょっくらレンに頼まれて調査にね」
「調査?」
「ああ、レン。お前の言う場所、見つけたぞ」
血まみれのレンを床に落とし、ハイネは資料の束を渡す。レンは、ピクッと反応すると、その資料を受け取る。
「あなた……それは?」
「う〜む……エリィ」
「はい?」
「旅に出るぞ」
「「「「「「「何ですと?」」」」」」」
三日後、オーブの空港にレンとエリシエルを見送りに皆が集まっていた。プラントからは、急いでアスラン、タリア、メイリンも駆けつけた。レンがハイネに
頼んでいた事は、キースの研究施設の調査だった。
アレだけ大規模のコロニーを設計したりするのに、何も無い筈が無いのでレンが、予想した地域を調べている内に、旧アフリカ共同体のジャングルの奥にソレ
はあった。
キースは、強化人間以外にもクローンの研究もしていたと思われるので、レンがそこへ赴き、レイの治療に関する研究を続ける事になった。
余りにも突然の事態に、リサは、頭を押さえ、怒りを隠そうともしない。
「兄さん……貴方は、どうしてそう行動がいつも突拍子なんですか?」
「失敬な。私はいつだって突拍子の無い人間だっ」
「威張らないで下さいっ」
「ともかく定期的に研究データは送るよ。レイ君の治療に関しては、エリス姉さんに頼む、という事で」
「任せて!」
レイの載る車椅子を引きながら、エリスがグッと親指を立てる。
「私の頭脳にかかれば、頭脳は大人! 体は子供な薬でも何でも作って上げるわ! 世の中、可愛い子供だらけ! レンが飲めば、あの頃に愛らしい弟に……」
ムフフ、と涎を垂らして妄想するエリスに、レンとステラ以外は表情を引き攣らせる。彼女なら、本気で作れてしまいそうなので怖い。けど実際、この中でレ
ン以外で、レイの治療を任せれそうなのは彼女しかいない。何で、神様は、こんな恐ろしい二択をさせるのか、実に不思議だ。
「どれくらいいるつもりなの?」
「そうですね〜……まぁ、三、四年はいるんじゃないですか」
「そ、そんなに!?」
サラッとマリューの質問に答えるレンに、リサが驚愕の声を上げる。
「何しろクローン体の完全治療は無いからね〜……ちょっとでも生き長らえさせるには、結構な時間がかかるのよ」
それでも、逆に言えばレイの寿命は、それ以上持つ可能性が高い、という事で今後の研究では、より高くなる可能性がある、という事である。もう余り未来は
無いと思っていたレイだったが、今は、そうやって自分が生きる事を喜んでくれる友人達がいて、心から嬉しいと感じていた。
「レイのこと……よろしく頼むわね。ギルバートも、この子の事を気にかけていたから」
「ギルが!?」
「ええ。面会に言った時、大半が貴方の体の事よ。自分の知識が、少しでも貴方の役に立てば良いと思っているみたい」
「ギル……」
タリアの言葉に、レイは目を潤ませる。恐らく自分が生きている間に、彼と再会出来る事は、無理だろう。だが、たとえ遠く離れたプラントからでも、自分の
事を気にかけていてくれているデュランダルに、レイは胸が熱くなった。
「私もノヴァガーデンにいた時、クローンだった兄弟が、どういう検査を受けてたのか思い出してみるわ」
「ええ、お願いします」
エリスも、真剣な顔で言うとレンは頷いた。
「さて、そろそろ時間か………シン君、キラ君、アスラン」
そう三人の名前を呼ぶと、レンは手を差し出す。いきなり、手を出されて、三人は眉を顰めた。
「私やエリス姉さんを敵にしないようにね。折角、拾った私の命……面白おかしい人生にしてくれよ」
そう言って笑いかけるレン。シンは、戸惑っていたが、やがて意を決したように叫ぶように言った。
「あ、あの……! マユを助けて……育ててくれてありがとうございました!」
今までのレンとの事があって言えなかったのか、妹の事で初めて礼を言うシンは、照れ臭そうにレンの手を握った。
「リサでもマユちゃんでも、この子は私達の妹だ……今度こそ守るんだよ。今の君なら、“守る”事がどういう事か分かる筈だからね」
「はい……!」
堅く握られた手の上にアスランが手を重ねる。
「先輩……本当に今までお世話になりました。ご恩は一生、忘れません」
「別に忘れても良いよ。何かを知る為に邪魔になるならね。迷い、焦り、悩むのは若い内の特権だからね……君のそういう所が君らしい。だからデスティニープ
ランに気付いたんだ。その事は忘れずに」
コクッと力強くアスランが頷く。その上に、ソッとキラが手を載せて微笑んだ。レンは、フッと笑った。
「また……貴方とはお会いしたいです。無論、敵としてじゃなく……同じ世界に生きる一人のヒトとして」
「私も……それを望むよ」
そして、キラの手の上に、レンがもう片手を置く。シン、アスラン、キラは、その手がヤケに重く感じた。レンが背負った99人の兄弟の命が、今まで彼が殺
めた命の重さがそこにあるように思えた。
自分達の手も、ああなのだろうかと思ってしまう。だが、その事で苦しんでいては、その重さに潰れるだけだ。レンのような、凄い力は持てなくても、彼のよ
うに強い心の持ち主になりたい。三人の少年はそう思い、彼らを見送った。
小さくなる空港の屋上で見送るシン達を見つめながら、エリシエルは隣で微笑みながら手を閉じているレンを見る。
「寂しいですね……リサちゃん、泣いてましたよ」
「君だけでも戻る?」
「まさか……私の為に生きて下さいと宣言したのに、私があなたから離れる訳ないじゃないですか」
そう言って、エリシエルは、手摺りに置いてあるレンの手に自分の手を重ねる。
「出来るでしょうか……彼らなら」
「ん?」
「地球を……青く美しい星に。もう血で染まらない星に」
「さぁね……」
アッサリとそう答えるレンを、エリシエルは意外そうな顔で見る。
「私は永遠に続くものなんて信じていない。良く思いは永遠と言うけど、結局、死ねば、その思いは、死と同時に消える」
平和が永遠に続くなんて思っていない。だからこそ、永遠にこの赤い世界が続くとも思っていない。
「真っ白で綺麗なものは美しいが恐ろしくもある。それがデスティニープランの世界。また、ノヴァズヒューマンなんていう完全な力と知能を持った人類で満ち
た世界も美しい地球は作れるだろうが、完全過ぎてこれも恐ろしい……不安を抱えながら、常に不確定な未来……それでも進もうとする者が生きる世界が最も不
完全で、けれど最も美しい世界だと思うよ。だからこそ、彼らは変わる明日を望み、永遠に続かない平和を少しでも長くしようと戦う……同じ未来を望む仲間と
共にね」
そうレンが言うと、エリシエルは頷いて再び窓の外を見る。レンとエリスは、いつか彼の言う完全過ぎて恐ろしい世界を作るかもしれない。が、レンもエリス
もそんな世界は望んでいない。そこまで彼らを追い詰めさせるような世界、シン、キラ、アスラン、そして月にいるラクスやカガリ、この戦いで、ナチュラルと
コーディネイターは共に生きれる、共に戦える事を知った者達が、そんな事はさせない。
ナチュラルとコーディネイターが手を取り合えたら、きっとノヴァズヒューマンとも手を取り合える日が来る筈。そう信じている。その証が、此処にはある。
エリシエルは、目を閉じて、ソッと自分の腹部に触れた。
「男の子ならキース、女の子ならルシーアと名付けますか、お父さん?」
「………………は? エリィさん、今、何と?」
「そういえば、産婦人科に転向したいとか駄々こねてましたね。患者第一号になって差し上げてもよろしいですよ?」
「……………マジ?」
「マジです。ハーフコーディネイターの方が、コーディネイター同士より出生率高いの知ってるでしょう?」
ピシィッと真っ白に固まってしまうレンに苦笑し、完全に見えなくなったオーブを見つめる。青い海に浮かぶ美しい緑の島だった。
「あなた、あの島の周りはどう見えます?」
グイッと硬直してるレンの顔を引っ張って、窓からオーブと周りの海を見せる。レンは、チラッと見ると、目を見開いて驚愕するが、やがてフッと笑った。
「何色ですか?」
「……………綺麗な青色だよ」
二人が窓から見る世界は、青く、美しく澄んでいた。
〜後書き談話室ファイナル〜
リサ「…………終わりました」
レン「いや〜! 前回、あんな終わり方しといて、図々しくも生き残ってたレンくんで〜す!」
リサ「いや、もう何も言いませんよ……てっきり行方不明にって、最後に生きてたなんてパターンは使い古されてますし」
シン「でも何故だ? 何で、こんな怒りが湧き上がるんだ?」
アスラン「確かにまぁ……納得できない部分も多々あるような」
キラ「で、でもホラ! この小説って、シンが主人公っぽかったし良かったんじゃないかな? 色々、迷って成長してさ!」
アスラン「キラ、お前それじゃあアニメじゃ主人公っぽくないって言ってるようなもんだぞ」
シン「アスランもハッキリ言ってるじゃないか!!」
レン「ま、私の場合は君ら若人を導くのが主な役目だし。最後も君らに後の事は託してバハハ〜イだから」
リサ「でも、同じような事、繰り返したら今度は兄さんがキースさんと同じようにするんでしょ? エリスさんも」
レン「それが生き残ってしまった事の報いだからね。そうならないよう、私もエリス姉さんも祈ってるけど」
シン「そうならないように頑張りますよ」
アスラン「そうだな……カガリ達ばかりに頑張らせてたら駄目だな」
キラ「レヴィナスさん達の期待には応えてみせますよ」
リサ「あらら……男の方達が微妙に熱血っぽいことしてますね……でも女性陣の方も……」
エリシエル「どうも〜。最後の最後に人妻になったヒロインで〜す」
カガリ「私……最後の最後まで台詞が無い……アニメと同じか……」
ラクス「カガリさん、落ち込まないで下さい。わたくしも同じですわ」
ルナマリア「私、シンと一緒にオーブに行って良かった〜」
ステラ「ステラも……」
エリシエル「好きな人と結婚できて子供まで授かって、最後は二人で旅立つ……この辺りが、十代ヒロインと二十代ヒロインの違いね」
カガリ「ぐっ……腹立つけど言い返せない」
ラクス「女性としての願望を叶えましたものね」
ステラ「ステラも……シンの子供……欲しい」
ルナマリア「え?! ちょ、そんなの駄目よ! あ、でも私だと出生率が絶望的……レンさ〜ん! レイより、まずはコーディネイターの出生率を何とかしてく
ださ〜い!!」
ラクス「それにはわたくしも全身全霊を持って同意ですわ!」
カガリ「コーディネイター故の悩みだな〜」
リサ「ですが兄さんは、自分の遺伝子を残す事を禁じてた筈なんですが……その辺は、寛容になったんでしょうか? ん? 何だか騒がしいですね」
アウル「ちきしょ〜! 俺なんてこの小説じゃ、SEEDの中盤までの色黒グレイト並にいてもいなくても良いキャラ扱いじゃねぇか!! この後書きにも出な
かったしよ!!」
スティング「俺はアニメとあんまり変わんねぇ扱いだったな……どうせ、影薄いさ」
ラディック「俺らだって影薄かったが、最後の最後の活躍出来たから後は良し! な!? ジジィ!」
ドクター・ロン「ま〜の〜」
トダカ「私を生かすか殺すか作者はキーボードを叩き終える最後まで迷ったそうだ……だが彼の成長の為なら、仕方ないか」
シュティル「…………俺は、シンの成長に深く関わったのに、最終回で台詞の一つも無しか。俺がいなかったら、シンはアニメ同様、最後まで憐れな主人公かも
しれなかったんだぞ」
ルシーア「ルーシーもルーシーも! あ、でもルーシーは、ステラがルーシーみたいにならなくて良かったかな〜」
キース「私はラスボスらしく悠然と構えていたよ」
ゴウタ「でも最後はレンの言葉に激しく動揺してましたね」
キース「(ぎくっ)」
ルシーア「あ、ダメ親父、クソ親父、死ネ親父」
ゴウタ「(ぐさっ!)」
ユウナ「……………」←アニメ以上に悲惨なお坊ちゃん
ウナト「………………………」←それ以上に死亡描写すら無く、いつの間にか抹殺されていたオッサン
馬鹿親子「「うおおおおおおおおおおおおお!!!!! 所詮、世の中、イケメンか〜〜〜〜〜〜!!!!!!」」
リサ「な、何かあの世サイドが賑わってますね」
レン「別にイケメンじゃなくても、初代ガンダムじゃランバ・ラルさんとか、ウッディ大尉とか、スレッガーとか、オッサンや、ゴツい人でも格好良い人は多い
ぞ。そもそもSEEDは美形に頼り過ぎだ!」
リサ「おお、珍しくまともな意見」
レン「キラ君やアスラン君だって人間だ。無論、屁の一つだって……」
リサ「兄さん! ファンを敵にするつもりですか!?」
レン「ラクスちゃんだってトイレには……」
リサ「アイドルはトイレ行かないんです! ええ、行かないですとも!」
レン「とまぁ、こんなノリでお送りして来た“機動戦士ガンダムSEED Destiny〜Anothe Story〜”でした」
リサ「あ、まとめに入りましたね……」
レン「こんな話を載せて下さった管理人さん、掲示板やWEB拍手で感想をくれた方々に感謝感激です」
リサ「これで私も兄さんのツッコミから解放されます。でも、これからは甲斐性ナシのお兄ちゃんのお世話か」
レン「じゃ、また何処かでお会いましょ〜。サヨナラサヨナラサヨナラ♪」
リサ「最後までおふざけキャラで通しますか……兄さん」
感想
最終話確かに見届けました♪
シルフェニアでも長編作品としては完結二作目。
やはり感慨深いものがありますね。
EFFさんの時もそうでしたが……
ソレはともかく、シン君モテモテですね〜(爆)
実に主人公らしくていいです♪
とはいえ、実の所、死んだ筈の二人ですから、キャラ的にはフリーになりますもんね。
しかし、マユことリサ、最終的にはシンの姉?っぽいイメージに収まりましたね。
シンのような性格だと、一緒に居ない時がすまないでしょうがね。
でもマユは死んでリサというのは、ちと両親可哀想かも?(汗)
それはともかく、レンもエリスも相変わらずのキャラで良かったです♪
エリスはショタだから、レンが射程外なんですかね?
コ○ンの薬を作ろうとする辺り(爆)
しかし、頭脳は大人だったら、むしろレンヤヴァイまま子供に(爆死)
いやはや、ある意味楽しみですな。
お話は最終的には落ち着くべきところに落ち着いたと言う感じに終わっていますね。
実際問題としては、ノヴァズヒューマンというのが、遺伝子的に子供を普通に残せるのだとすれば、
徐々にその数を増やしていきそうな気もしますね。
そうなると、プラントに次ぐ第三勢力に(爆)
先の話があるのかどうかは分りませんが、とても良い作品であったと思います。
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