機動戦艦ナデシコ
〜For Dearest Sister〜
第六話
「After a fight is .......」
「ア〜キ〜ト♪」
艦内の廊下をユリカが歩いている。なにやら機嫌がいい様子である。
「アキトってば恥ずかしがって全然私に会いに来てくれないんだから。
でも、私わかってるの、これは私に会いにこいって事なのよね!それで愛の深さをは
かってるんだわ!」
若干暴走ぎみである。
そうこうしているうちにある部屋の前に到着する。
「ここね、アキトの部屋は♪」
ピンポ〜ン・・・・・
「あれ?アキトいないのかな?」
ピンポ〜ン・・・・・ピンポ〜ン・・・・・
「う〜ん・・・。あ!私こういうの持ってたんだ!」
そう言ってユリカはカードキーを取り出しスロットに通す。
次の瞬間部屋の扉は開かれた。
〜時は少しさかのぼり、アキトの部屋〜
「ルリちゃん・・・機嫌直してよ(汗)」
「知りません!というか、別に怒ってませんし!」
純和風なつくりの部屋の中、ちゃぶ台を挟みアキトとルリが向かい合っている。
「ねえ、ルリちゃ・・・」
「別にアキトさんに私の知らない女性の知り合
いの方がお
られても私には関係ありません
しアキトさんもお年頃ですからか・・・彼女
の一
人や二人いたっておかしくありません!ええ、
おかしくありま
せんとも!だから別に私は怒っ
てなどいませんよ!アキトさんの勘違いです
ね!まったくいつもいつも・・・」
ルリはいっきにまくしたてた。アキトはその様子に目を丸くし呆然としている。
「(それを怒ってるっていうんだよ・・・)」
「聞いてるんですか!」
「ハイッ!!」
相当ご立腹のようである。
言いたいことを言い終わったのかルリが落ち着きをとりもどしたころアキトが口を開
く。
「ルリちゃん・・・。」
「な、なんですか?」
ルリは冷静になり、先ほどまでの自分の言動が恥ずかしかったのかまともにアキトを
見れなかった。
場に重苦しい雰囲気が流れる。
「あの・・・さ・・・。」
アキトも言い出しにくいのかなかなか口を開けずにいる。
「はい・・・。」
ルリはなおもアキトを見れずにいる。
そして、アキトが口を開きかけ、ルリは体をこわばらせる。
次の瞬間アキトが口を開く。
「・・・シャワーあびてきてもいい?」
ピシッ・・・・・
空気が一瞬にして凍りついた。
「ルリちゃ〜ん!タオルとって!」
バスルームからアキトの声が聞こえる。
「これですね・・・・どこにおいておけばいいですか?」
「あ、もう出るから・・・」
ピンポ〜ン・・・・・
「ん?誰だ?」
「私出ましょうか?」
「いや、いいよほっとけば。へたにルリちゃんが出て変なうわさになるのもいやだ
ろ?」
「わ、私は別に構いませんが・・・(赤)」
ピンポ〜ン・・・・ピンポーン・・・・
「あ〜もう!わかったよ!出ますよ!・・・うわっ!!」
「きゃっ!!」
バスルームから出ようとしたアキトは急いでいたためにつまずいてしまう。
そして運のわるいコトにルリのほうへと倒れ掛かる。
ドサッ・・・・
アキトはルリに覆いかぶさるようにして倒れこんだ。
ルリはアキトの下敷きになりアキトと目が合い真っ赤になる。
シュッ・・・・
唐突に扉が開く。
「そっかぁ〜!私艦長さんだから合鍵もって・・・・・」
そこにいたのはユリカだった。
ユリカはアキトとルリを見て青ざめていく。
「き・・・・・。」
「「き?」」
「キャア〜!!アキトのフケツ!!」
キィ〜ン・・・・
「ユリカ・・・・声でかすぎ・・・」
でかすぎるとは言えなかった。
「アキトのバカ!!いきなり浮気するなん
て!!」
「バ、バカ!お前なに言い出すんだ!・・・・はっ!?」
アキトはユリカに抗議の声をあげるも、自分の置かれている状況を見て冷や汗を流
す。
アキト・・・バスタオル一枚の半裸。
ルリ・・・アキトの下敷きになり真っ赤。しかも部屋にいるということで制服を着く
ずしていたため着衣に乱れ。
もはや言い訳など通用するような状況ではなかった。
「ユリカ・・・落ち着いて話そう・・・な?」
「バカ!バカ!アキトの・・・・」
「ちょっとまて!落ち着けユリカ!」
「ロ○コ〜ン!!」
「人聞きの悪いこと言うなぁ!!」
もはや心の叫びであった。
「どうぞ。」
トン、とちゃぶ台の上にルリがお茶を置く。
「あ、ありがとうございます・・・・ってルリちゃん!何でアキトの部屋にいるの
よ!」
ルリからもらったお茶を飲み、アキトのさも当然のように隣に座ったルリに向かいユ
リカが叫ぶように言う。
「なんでといわれましても・・・・。」
「なんでってお前部屋のネームプレート見なかったのか?」
「えっ・・・・?」
そう言うやいなやユリカは部屋を出る。
ユリカの肩が震えるのを見たアキトはルリの耳をふさぐ。
「なによこれぇ〜!!」
そこには
テンカワ・アキト
ホシノ・ルリ
と書かれていた。
「ちょっとアキト!!どういうことなの!?」
「落ち着けってユリカ!何がおかしいんだよ!」
「ほへ?アキト自覚ないの?女の子とおんなじ部屋なんだよ!!」
ユリカがすごい剣幕でせまる。しかし当のアキトは何の話だ?というような顔をして
いる。
「だいたいユリカというものがいながら他の女の子と一緒に住んでるなんて信じられ
ない!」
「ちょっと待て!誤解を招くようなこというな!!」
ピッ・・・・・
唐突にユリカのコミニュケが開く。その向こう側にはメグミがいた。
「あ、艦長至急ブリッジに来てください。・・・・あら?」
とメグミはユリカの後ろにアキトを見つけたとたん表情が急変する。
「艦長・・・・お楽しみだったんですね・・・・。うらやましいわ(フフフ・・・
・)」
「ちょっ・・メグミちゃん!それはごか・・・・「そうなのよ
〜!」・・ユリカなんてこと言うんだよ!」
アキトの声をさえぎりユリカが身を乗り出す。
「とにかく重大発表があるそうなので早く来てくださいね(ふふふ・・・何かあるな
と思って録画しておいて正解でしたね)」
ピッ・・・
そういい残してメグミは通信をきる。ユリカはご満悦といった表情である。
「じゃあねアキト、私ブリッジに行かなくちゃいけないからまた後でね♪」
そう言ってユリカは部屋を去っていった。
「はあ・・・ホント相変わらずだな・・・。」
「アキトさん・・・・?(怒)」
もちろんルリの機嫌が悪かったことは言うまでもない。
〜ブリッジ〜
「今までナデシコの目的地をはっきりしなかったのは妨害者の目を欺くためです。ネ
ルガルがわざわざ極秘に戦艦を作ったのには別の理由があるからです。以後ナデシコ
はスキャパレリプロジェクトの一端を担い、軍とは別行動をとります。」
いつもとは違い厳しい表情で言葉を口にするプロス。
「我々の目的地は、火星だ!!」
〜食堂〜
『我々の目的地は、火星だ!!』
「ええ〜!!ってそういやそういう計画だったな・・・・。」
ユリカとルリが部屋を出た後アキトはもうひとつの職場である食堂に来ていた。
「こら!さぼるな!」
ガン!
「いてっ!」
フライパンがアキトの頭を直撃する。
「火星にいけるんだよな・・・・わかってたこととはいえやっぱりこうやって聞くと
実感わくよな。」
〜ブリッジ〜
「では、地球への侵略は見過ごすというのですか!?」
「多くの地球人が火星と月に殖民していたというのに連合軍はそれらを見捨て地球に
のみ防衛線を引きました。火星に残された人々はどうなったのでしょうか?」
「火星にいけるんですね・・・。」
そうルリが一人ごちる。
「しんでるんじゃないかなぁ?」
「わかりません・・・ただ・・確かめる価値は・・・『ないわね。そんなも
の。』!?」
シュン・・・
ブリッジのドアが開き、武装した兵士たちがなだれ込んでくる。
ブリッジクルーは呆然とその様子を見ている。そしてあっという間に包囲されてし
まった。
「ムネタケ!血迷ったか!!」
「うふふふ・・・提督、このかんをいただくわ。」
「その人数で何ができる!?」
「そうね、私たちだけじゃどうにもならないわね。私たちだけじゃ。うふふふ。」
「ナデシコ前方に戦艦の反応です。」
「お迎えが来たわよ。」
ナデシコの前方の海がせりあがりナデシコクラスの戦艦が姿を現す。
『こちらは連合宇宙軍第三艦隊提督ミスマルであ〜る。』
「お父様!」
「ユリカぁ〜!元気にしておったか!?」
「もちろんですわお父様♪」
キーン・・・
「み、耳が・・・。」
「そんなことよりお父様、これはどういうことですの?」
『ユリカぁ、これも任務なんだよ。許しておくれ、パパもつらいんだよ。』
「困りましたなぁ。連合軍とのお話はついているはずなんですが・・・。ナデシコは
ネルガルが私的に使用する、と。」
プロスがユリカとミスマル提督との会話に割り込む。なにやら難しい顔でメガネをク
イとあげる姿は非常に怪しいふんいきを漂わせている。
『我々に必要なのは今木星トカゲと確実に渡り合える兵器だ!みすみす火星などに行
かせはせん!』
「いやぁ、さすが提督話が早い!それでは交渉ですな。そちらに向かいます。」
『よかろう、ただし艦長とマスターキーはこちらがあずかる。』
「ほえ?」
なにやら間抜けな声がした。ユリカはクルーとマスターキーを交互に見比べ考え込
む。
「艦長!抜いちゃダメだぜ!」
『ユリカぁ、パパが間違ったこといったことなんてないだろう?』
「う〜ん・・・・。」
「ユリカ、しっかりと考えるんだ。そしてその考えがユリカにっとって正しいことだ
よ。」
「ジュン君・・・・。お父様マスターキーは渡せませんわ。」
『ユリカ・・・わかった。とりあえずこっちに来なさい。』
プツッ・・・
そう言って通信は切れた。
〜食堂〜
「自由への夢は一日にして終わる、か。」
「だぁ!博士あきらめるな!希望はまだそこに
ある!」
「はいはい。」
「でもプロスさん大丈夫なんですかね?」
「副長、いたのか?」
「ええ、艦長の不在に副長が艦を開けるわけには行かないでしょう。」
「艦長と同じ年なのにしっかりしてるなぁ。」
「そのための副長ですよ。」
「ちげぇねぇ。」
「しかし、現状ではどうにもなりませんね・・・。」
「みんなもあきらめるなぁ!」
「でもあのネルガルの・・・プロスさんでしたっけ?なんか頼りなさそうですよ
ね。」
「人は見かけによらないものよ、メグちゃん。意外とね。」
「なんだなんだなんだみんなぁ!元気だせよぉ!」
「そんなこといったって現状では無理です。」
「姫、姫までそんなこと言うのか?よ〜し!俺が元気の出るものを見せてやる!」
「ヤマダさんそれってもしかして・・・・。」
「なかなか察しがいいな姫!想像の通りだぜ!」
「やっぱり・・・・。」
「ルリルリ知ってるの?」
「はい・・・。」
「ガイ・・・・・。」
「おう!いたのかアキト?お前も一緒に「却下だ。」・・・な
んだって?」
「却下だ却下!お前あれだけルリちゃんの前
で見るなって
いったのがわかんないの
か!!」
「わかったよ、アキト。俺が悪かったから怒らないでくれ。な?(汗)」
「もういいよ。そんなことよりガイ。この状況をどうにかしようと思わないか?」
「あったりまえだろ!何とかなるならしてるさ・・・ってお前やる気か?」
「現状を維持するよりもましな選択肢だと思うけど?」
「何の話だテンカワ?」
アキトとガイの話を隣で聞いていたゴートが加わる。
「ゴートさん、この船を取り返しますよ。」
「むう。」
「旦那、格闘戦はできるのか?」
ガイがゴートに尋ねる。ゴートはその言葉にスーツの中に忍ばせた銃で答える。
「俺は従軍経験がある。お前らには遅れはとらんぞ。」
「その言葉アキトを見ても言ってられるか?」
「む?どういう意味だ?」
「まあまあ、とにかく行動開始です。ゴートさんとガイは格納庫、俺はブリッジに向
かいます。」
ゴートがガイに聞き返したところでアキトが口を挟む。
「「了解(した。)(だぜ!)」」
「それじゃあ行きますよ!」
シュン・・・
ドカッ!
アキトはその言葉と同時に食堂のドアを開け、その前にいた兵士の首筋に手刀を落と
した。
「それじゃあそっちは任せましたよ!」
「あの・・・。」
アキトがブリッジに向かおうとしたところでルリに声をかけられる。
「ん?どうしたのルリちゃん?」
「私も行きます。私が行かないとナデシコは動きませんから。」
アキトはルリの言葉を聞きひざを折り目線をあわせ口を開く。
「ルリちゃん・・・危ないからやめておいたほうがいいよ。」
「いえ、私も何かできることをしたいんです。」
「ルリちゃん・・・。」
「連れて行ってやれよアキト。そう言い出したら姫が聞かないのはお前のほうがわ
かってるだろ?」
「お願いします。」
「わかったよルリちゃん。そのかわり、ちゃんと俺の後ろに隠れてるんだよ。」
「わかりました。」
「それじゃあ改めて行くぞ!」
「「「はい。(む。)(おう!)」
〜ブリッジ付近通路〜
「はぁぁぁ!!」
アキトが地面をすべるように兵士に向かっていく。兵士はアキトに銃の狙いを定めよ
うとするが定まらない。
「くそぅ!!」
あせりの声が漏れる。ムネタケ一派の兵士たちは戦闘経験も少なく、普段から訓練も
怠っていたのでこのような状況下では冷静な対応ができることはなかった。
「そら!」
兵士の足元まで到達したアキトは間もおかず足払いをかける。兵士は重力に逆らうこ
とができず転倒する。アキトはその兵士の鳩尾にこぶしを振り下ろす。勝敗は決し
た。
「ふう、ブリッジはもうそこだな。」
「そうですね。あのかどを曲がればすぐです。」
ここまで4,5回の戦闘を終えたアキトだが息に乱れはない。
「よし、いくよ!」
「はい!」
〜ブリッジ〜
「まったく簡単な仕事だったわね。」
艦長席に座るムネタケが一人ごちる。
「ま、次はないみたいなこといわれちゃったし、何が何でも成功させないと・・
・。」
ピッ・・・
そのとき通信がブリッジに入る。
『大変です!格納庫が占拠されました!!』
「何ですって!?」
『観念しろ!』
「ひいっ・・・。」
シュン・・・
「この船を返してもらおうか!」
「キノコさん、終わりですね。」
「きぃ〜!!失敗はゆるされないのよ、失敗は!」
「観念したほうが身のためですよ。」
そう言ってルリがアキトの後ろから出る。だがそれがいけなかった。
「あんたみたいな小娘になにがわかるっていうのよぉ〜!!!」
バキューン・・・
錯乱したムネタケの放った銃弾がルリに吸い込まれるように通り過ぎていった。
ドサッ・・・・
「ムネタケ!!キサマァァァァ!」
続く
あとがき
紅「どうも紅です。」
ルリ「アシスタントのホシノ・ルリです。このような駄文にお付き合いいただきまこ
とにありがとうございます。」
紅「なんか久しぶりだなぁ、そのフレーズ。」
ルリ「あなたが書かないからでしょう!!このヘタレ虫!」
紅「いやごもっともです。」
ルリ「何ですか?やけに聞き分けがいいですね。」
紅「最近ホントに忙しくてさ。」
ルリ「ゲームにですか?(怒)」
紅「いや、それもないことはないんだけどね、レポートとテストがいっきにきちゃっ
てさぁ・・・。」
ルリ「だから泣き言は聞きたくないといってるでしょう!何度言わせればわかるんで
すか!!」
紅「はいい!!すみません。」
ルリ「あなた、また更新おくれましたね?(怒)」
紅「それはその・・・」
ルリ「問答無用!」
紅「ぐぼぁ!!」
ルリ「この程度で済んだのは幸運だと思いなさい。」
紅「わかりました。もうしません・・・。・・・多分。」
ルリ「むだ口を叩かずにさっさと書きなさい!それが投稿させていただいているもの
の礼儀です!」
紅「重々承知してます・・・。」
ルリ「それでは次もよろしくお願いいたしますね♪」
感想
ルリちゃん大暴走!! いやー、かなりきていますね〜♪
今までに無い勢いのルリちゃんであります! 色々ネタフリもしていますが、今回特に印象的なのはルリちゃんのコメントでありましょう。
内容的には二話ですが、アキトとガイの動きはかなり違っていますね。
しかし、ルリちゃんどのようになりますか、次回を待てい! といった所ですね。
楽しみにしております♪
そう
ですね、まあ作品中の私も気になりますが駄作家の最後も気になります
ね。
えっ…(汗)
気付いてなかったわけはありませんよね?
さあ、あの世への駄賃です受け取りなさい!
レインボーブリッド・バースト!!
どどどばごーんんんんん!!
…ま…まだ…いき……ガク……
しぶといですね…次こそは。消して見せます。