「よくぞここまで…人の執念見せてもらった」


北辰はにやりと笑いながら言ってきた。

怒りに打ち震える俺は、プロテクターのヘルメットをコックピットに叩きつけ気勢を上げる。


「勝負だ!」


ブラックサレナの両腕を落とし、木蓮式柔の弧月の型(抜き打ちの構え)をとる。


「抜き打ちか、笑止」


北辰は言葉とは裏腹に応戦の構えをみせる。

二体のロボットは申し合わせたように同じタイミングでお互いに向けて滑りだした。

互いが攻撃の間合いに入った瞬間、夜天光の拳がブラックサレナの胸部に喰い込む…

しかし、サレナパーツが衝撃を吸収しコックピットまでは届かなかった。

そして、カウンターの拳が夜天光のコックピットに突き刺さる… 




コフッ …見事だ……」




コックピットの装甲に押し潰され、吐血しながら最後の言葉を吐く北辰。


    ドシャ!!……


その言葉とほぼ同時にブラックサレナの装甲が剥がれ落ち、ボロボロのカスタムエステが顕わになる。

そのカメラアイを通って流れ出る潤滑油がまるで涙のようだった。

そう…もう流すことなど無いはずの……





カスタムエステはもう動けそうに無いので、ボソンジャンプでユーチャリスのハンガーデッキに跳ぶ。

サレナの技術からネルガルを割り出されるのは困るが……

ブラックサレナという名の追加装甲は、重要部分に爆破処理用の爆弾が仕掛けて有るから大丈夫だろう。


救い出されたユリカに未練が無いと言えば嘘になる。

…だが…今の俺がユリカに会うわけには行かない。

血塗られた俺…

そう、連続コロニー襲撃犯テンカワアキトには……




…帰って来ますよ…

帰って来なかったら、追っかけるまでです

だってあの人は……

あの人は大切な人だから…




ユーチャリスで月へと向かう俺に、ルリちゃんがそう呟いたのが聞こえた気がした・・・・・・





機動戦艦ナデシコ
〜光と闇に祝福を〜






プロローグ


二十三世紀、月面には既に<都市>と呼べる物が幾つかある…

ネルガルの持つ月面都市は地球側に存在し、<雨の海><蒸気の海><島の海><嵐の大洋>

と呼ばれる平面地帯の交錯する位置にある<コペルニクスクレータ>に建設されている。

月面でも地球側は比較的なだらかで隕石の危険も少ないため、地球側に都市が多いのは当然と言えるだろう。

コペルニクスクレータは何層にも別れた段丘クレーターとなっており、クレータとしては比較的なだらかな作りとなっている。










――月面都市内のネルガル月ドック――


分散配置されたドック施設とは別に、何段階にも分かれた丘陵の一つを改造して作られたドックがある。

14番ドック……公式には存在しない宇宙船のドックである。

現在そこには、細長いシルエットをした白い宇宙船が係留されていた。

エネルギーをカットしていないのか軽い異音がまだ周囲に漏れている…


プシューッという空気の圧搾音と共に宇宙船のハッチが開き、

コツコツという無機質な足音と共に宇宙船から二人の人影が現れた。

黒尽くめのマントに黒いバイザーという異様な格好をした男と、

まるで対称的に白尽くめの格好をし、薄桃色の髪をした少女がタラップを降りてくる。

丁度、二人がドックから施設内の休息所にやってきた時…彼等の前に、ロンゲで緊張感の無い顔をした長身の男が近づいて来た。












「やあ、テンカワ君。どうやら終ったみたいだねぇ…実際上手く行くかどうか、ヒヤヒヤものだったけど…」


相変わらずとぼけた口調で話すアカツキ。しかしワザワザ月ドックまで押しかけてきている辺り、心中はかなり焦っていたと見ていいだろう。


「実験段階で既に証明されていた事だ…ルリちゃんがしくじる事はないさ」

「まあ、それはそうなんだけどねぇ…やっぱり実験と本番は違うさ…」

「そうだな…」


会話が不意に途切れる…

多分、アカツキには分かっているだろう…今日会うのが最後だと言う事 を。

俺にとって、もう既に生きる事自体どうでもいい事…

だが、最後くらいきちんと話しておくべきだな。


「アカツキ…ありがとう。おかげでユリカの救出と、俺の復讐を遂げる事が出来た…」

「如何したんだい? 急に改まって…」


アカツキが驚いた表情で聞き返してくる。俺はその言葉に答えようとしたが、その時…


「まさか、私達の前から居なくなるつもりじゃ無いでしょうね!?」


アカツキの背後から声が飛び込んでくる。

エリナが肩で息をしながら走り寄って来るのが見えた…



「そうだ。お前達も俺を置いておけばどうなるかぐらい…分かっているだろう?」

「そんなの関係ない!! 全てを暴露すればあなたはそれほど重い罪にはならない筈。

 それに、ラピスの事はどうするつもり!?」



エリナは感情のままに俺にくってかかってくる。全て暴露すればネルガルがどうなるか分かっているだろうに…

彼女は変わった。あの頃と比べて涙もろくなった…本質的には変わらないのだろうが、肩肘張らなくなったのだろう…

でも、こんなに悲しそうな顔をするのは…俺達がユキナちゃんをかばってナデシコを離れた時以来だろうか…


「そう言って貰えるのは嬉しいが、後たった三ヶ月程度しか生きられない俺 に気遣いは無用だ」


そう言った瞬間、エリナとアカツキの顔が強張った。

俺にとってはどうでも良い事…事実として俺が十万人以上の死者を出したのだ。

むしろ、この結末は望む所かもしれない…しかし、周囲には違う影響があるようだ…


「…知っていたのかい?」


先に立ち直ったアカツキが、強張った顔のまま聞いてくる。


「最近、体の感覚の麻痺の進み具合が早い。

 それに吐血の回数が増えてきていたからな…ラピスに頼んでカルテを見せて貰った」


その言葉を聴いた一同に沈黙が満ちる。一分か一時間なのか分からないが、緊張した雰囲気のまま時間が過ぎていった。

沈黙を破ったのは、エリナの悲痛な言葉だった。


「今まで悲しませたルリちゃんや、何も知らない艦長はどうするつもり!!? それ に…それに…私だって…


「…ありがとう。だけど俺の寿命が三ヶ月程度なのは変わらないし、コロニー連続襲撃犯なのも事実だ…

 例え本当の事を言ったとしても、審議が終るまでに死んでしまう。

 ……最期ぐらい皆に迷惑掛けたくないんだ」


半ば自棄(ヤケ)になっていた部分も有ったため、俺は一気に言い切っ た。

それを見ていてアカツキも察したのだろう、ただ一言


「行くのかい?」

「…ああ」


それがアカツキとの最後の会話だった。

さっきの会話のうちに補給は終っている。

アカツキらと別れ、ドック内に戻り、タラップを登ってユーチャリスに向かおうとし

……マントの裾を掴まれた。


「アキト…ワタシヲオイテイクノ?」


ラピスが心細そうな顔で聞いてくる。

しかし、俺は表情を崩さず。


「…そうだ」


とだけ答えた。


(ワタシハアキトノ目アキトノ耳アキトノ手アキトノ足…ワタシハアキトノ一部…

 アキトガ死ヌトキハワタシガ死ヌトキ…アキトト離レタラ、ワタシハ消エテシマウ…)


ラピスの感情が頭に直接流れ込んでくる…それだけリンクが深くなっているという事か。

あまりに長くリンクしていたため、言葉が要らなくなりつつある。

しかし、これはラピスにとってマイナスになりこそすれ、プラスになる事は無いだろう。

最近では人格すら俺に依存しているようだ。

以前のように、何の感情も持たない状態よりはましかもしれないが…

こんな時ナデシコなら…そう思わないでもないが、今は突き放してでもラピスと離れるべきだ。

俺は膝をついてラピスと目線を合わせ、頭をなでる。そうやってラピスが落着いてくるのを待った。


「よく聞けラピス、お前はもう俺無しでも生きて行ける。エリナやイネスさん、アカツキやプロス、月臣やゴートもいる。

 それに、望むならユリカやルリちゃんの下へだって行ける」


俺の心が読める以上隠し事をしても始まらない。

ユリカやルリちゃんの下へ行けばどれだけ優しくしてもらえるかを思い浮かべる。

ラピスは悩んでいる…俺と離れる事には躊躇いが有る様だが、同時に俺に言われた事に逆らう事にも抵抗が有るのだろう。


「ワカッタ…」


ラピスは沈んだ表情のままだったが何とか納得してくれたようだ。


(光あるうち光の中を歩め…か。これで良いんだ…ラピスにはまだ未来(ヒカリ)が ある…)


安堵し顔を上げると、今度はプロスさんが近づいてきていた。


「プロスさんも、俺を引き止めるんですか?」

「いえいえ。私はただ預かり物をしただけして、ハイ」


相変わらず笑顔を貼り付けているため真意は汲み取れないが、どうやら本当らしい…

しかし、渡された物を見て俺はいぶかしむ。


「これは…」

「はい、アイちゃんが持っていたあのプレートです」

「それを、何故俺に?」

「イネスさんに渡すように頼まれたからです」


イネスさんは何を思ってこれを俺に渡すのだろう?

このプレートはイネスさんにとって<アイちゃん>であったころの思い出の品であり、生涯の研究対象のはずだ。

俺の治療やユーチャリス、ナデシコC及びブラックサレナのシステム開発等のため、

ここ数年は手を付けていなかったが…決して手放して良い様な品では無い筈だ。


「イネスさんはこう言っていました。

 《今の医療技術ではテンカワ君を救う事は不可能。しかし、この中にならその知識が有るかもしれない》

 …と」

「しかし…」

「受け取ってあげて下さい。あなたが解読できると思っている訳ではありませんが、彼女も1%の望みに賭けているのです」


正直今の俺には重い言葉だ。プロスさんはいつも飄々としているが、理詰めだけの言葉を言う人ではない。

俺が死急いでいると感じているのだろう…しかし、今の俺に出来る事はほとんど無い。

実際、後はユリカとルリちゃんのために火星の後継者の残党どもを狩る位の事しか出来ない。


(後は死ぬだけ、なら…イネスさんの思いを無駄にしない為にも、プレートを貰っておく位の事は構わないか)


そう考えて、プレートに手を伸ばす。


「分かった、受け取っておこう」


そう言ってプレートをマントの中にしまい、ユーチャリスのハッチからブリッジへと向かった。





【マスターお疲れ様です、これで殆どの事に決着が着きましたね】


ユーチャリスに積み込まれたオモイカネ級AI<ヤタガラス>がコミュニケを開いてくる。


「ああ。これで後は木星圏の敵を潰せば全て終る」

【ラピスの事は良いのですか?】

「俺には、もう関係無い。後はアカツキ達や、ユリカやルリちゃん達が何とかしてくれるさ」

【……】


ヤタガラスは何か言いたげな感じにコミュニケを開いていたが俺は無視する事にした。


「ユーチャリス出航準備」

【イエスマスター、ユーチャリス起動シーケンス1番〜24番までオールグリーン。

 アンカーボルト強制解除、メンテナンスハンガーより離床します。

 相転移エンジン出力上昇中……安定しました。ゲート開きます】


ヤタガラスが艦のパラメーターを表示しながら、次々と出航の手順をこなして行く。


「ユーチャリス発進」


その言葉と共にユーチャリスは発進した。








「行っちゃたねぇ…」


アカツキは小さくなった後、光と共に消えていくユーチャリスを見ながらつぶやいた。


「はぁ……後から来る艦長やルリちゃん達に、どう言えばいいのかしら……」


アカツキは落ち込むエリナの肩をポンポンと叩きながら…


「なるようになるんじゃないの」


と言いつつ斜め前を指差した。そこにはIFS端末に向かって歩く、薄桃色の髪の少女の姿が有った…











「まさかあなたが乗り込んでくるとは、思いませんでした」


ラピスがナデシコCに乗り込んできた時の、ルリの第一声はこの言葉だった…

現在の場所はナデシコCのメインブリッジ。

船の航行はオートにしている為、今ラピスの周りには人だかりが出来ていた。

もっとも…まともに会話をしているのは、ハルカ・ミナトただ一人なのだが。


「お名前は何ていうの?」

「ラピス・ラズリ」

「ラピスちゃんかー、仲良くしようね」

「ラピスちゃん、フィギアの型を取らせてくれー」

「ラピスちゃんは誰に会いに来たのかな〜」

「アキト」

「ラピス、テンカワが何所にいるか知っているのか!?」

「うっわ、タカスギ君の目の前でテンカワだって〜♪」

「貴一君の操船…ソウセンはきいちくん…しょせんはキープ君…ククッ

「リョーコ、俺にしとけよ〜」

「アキトは私の王子様! 誰にも渡さないんだからー!!」

「はいはい一年以上も眠ってたんだから急に動きまわらないの!」


突然現れたミスマル(本人はテンカワを自称)・ユリカに一同がぼーぜんとする中、イネスがユリカを医務室に引きずっていった。

その隙にルリがラピスに話しかける。


「それで、あなたは如何して此処にきたんですか?」

「アキトニステラレタカラ」





ピキ…………………………ッ!





その時ナデシコCのブリッジは凍りついた………






「アアぁああ…アキト君まさか、ロリコン……」

「しかも捨てられたって、次は幼稚園児?」

「テンカワてめー!!」

「ブレイク! ブレイク! 僕はテンカワじゃないってグヘッ!」

「アキトの野郎うらやまし過ぎるぞー!!」

「六根清浄! 六根清浄! ……」

「アキトの馬鹿ー!!」

「いい加減にしないとお姉さん怒っちゃうわよ(怒) そんなにあなたの体の事説明してほしい?」

「いえ、いいです(汗)」

「だったらさっさと医務室にもどる!」

「ユリカー(泣)」

「いい加減ユリカさんはあきらめなよ。それともあたしじゃ不満なの?」

「艦長、もうそんな男の事は放って置いて地球に帰りましょうよ!」


驚きおろおろするミナトと追い討ちをかけるヒカル、暴れるリョーコと被害にあうタカスギ、羨ましがるウリバタケと何故かお祈りを始めるイズミ、わざわざ医 務室から走って来るユリカと引きずって帰るイネス、泣きながらユリカを見ているジュンにそれを責めるユキナ、そしてルリにアキトの事を忘れてもらいたい ハーリーと言う順だ。


「ハーリー君煩い」

「そんな、何で僕だけ…う…うわーん!!


ハーリーはブリッジから逃げ出した。

実の所先程の一言がそれだけルリを傷付けていた…という事なのだが、幼い少年にそこまで気をまわせと言う方が無理な話だ…


「こら、またハーリー君泣かして…気持ちは分かるけど<弟>なんでしょ?」

「すみませんミナトさん。ですが、アキトさんの事は…」

「そうだったわね。艦長には悪いけど私は応援してるから♪」

「あ…いえその…と、とにかく、今はラピスの事です」


ルリは顔を少し赤く染めながらラピスに向き直る。


(ウフフ…ルリちゃん可愛い


……さっきのショックなどすっかり忘れているミナトだった。




「ラピス、アキトさんに捨てられたとはどう言う事ですか?」

「アキトハ、ラピスニトッテアキトハイラナイト言ッタ

 デモ、ラピスハアキトガイナイト生キテユケナイ、ダカラステラレタト言ッタ」

「そうですか…ではアキトさんの居場所は分かりますか?」

「ワカラナイ、デモ…」

「…何ですか?」

「アキトノ帰ル場所ハ五ツ。ネルガル、ナデシコ、アパート、サイゾーノ店、ソシテ…」

「「「ユートピアコロニー!」」」


ラピスとルリそして、いつの間にか来ていたユリカの声が重なる。


「いいかげんにしなさい!」


ほぼ同時にイネスが現れユリカを引きずっていく。

「ふぇーん何か扱いがひどいよー!」

「あなたが居ると話が進まないのよ」


「皆さん聞いていましたね。ナデシコC、火星ユートピアコロニー跡に向け発進です」


何かごたごたとしている間に、火星へ出発する事となったナデシコCであった…














「ここが火星の後継者残党の集結地点か」


木星圏と一口に言っても色々と有る。最も内側を回る、イオ、ガニメデ、カリスト、エウロパの四つの衛星から成るガリレオ衛星群…

その外側をレダ、ヒマリア、リシテア、エララ、さらに外側にアナンケ、カルメ、パシファエ、シノぺ等の衛星が回っている…

何でもこれ等の名前は全てジュピター(ゼウス)の女の名前らしい。

最も外側にある衛星シノぺ周辺に、火星の後継者の残存艦隊が集結しているのが見える…

内訳は小型艦300隻、ミサイル艦100隻、駆逐艦70隻、巡洋艦33隻、戦艦8隻、れいげつ型弩級戦艦1隻。

ルリちゃんがナデシコCで火星圏に現れた連中を全て押さえたとは言え、まだ一割程度の戦力は木星圏に残っていたようだ。

流石にアカツキは情報が早い。最も調べたのはおそらくプロスさんだろうが…

もちろんこれを連合宇宙軍や統合軍に知らせるだけでも事は終わる。しかし、今の俺は戦いを欲していた。


「ヤタガラス…ユーチャリスは最大戦速で敵艦隊に接近、グラビティブラスト四連射の後戦闘宙域離脱」

【イエス、マスター】


ユーチャリスがステルスを解除し姿を現す。敵艦隊からのグラビティブラストの一斉射撃が迫ってくるが、

この距離ならディストーションフィールドで充分防げる。第二射までの間にユーチャリスは距離を詰め、敵艦隊を射程距離に捉えた。

たが、ユーチャリスは止まらない。より多くの敵艦を有効圏内に収める為更に接近していき、そして…

ユーチャリスの四つの砲門が順にフルパワーのグラビティブラストを放つ!



ドゴォォォォッ!!



戦艦二隻と巡洋艦、駆逐艦が十数隻まとめて吹き飛んだ。

今のユーチャリスには複雑な戦闘機動は行えない。グラビティブラストの目標も戦艦クラスのみとしている。

だがユーチャリスの強力なグラビティブラストは、その機動をカバーして敵陣中央部に大穴を開ける事に成功した。


「ブラックサレナ出る!」

【マスター、ご武運を】


ユーチャリスのハンガーデッキから直接ボソンジャンプで敵艦隊中央部に出る。

そこから最大加速でれいげつ級に向かうが、先のグラビティブラストによる援護のおかげで中央部の迎撃は鈍い。

それでも秒間数十発のビームやミサイルが迫ってくる。それをかわし、あるいは逸らし…

直撃を受けないような角度でディストーションフィールドに当てる。ブラックサレナのスピードがあってこその防御法だ。

しかし、完全に防御出来る訳も無く…サレナの増加装甲に無数の小さな傷が出来る。

だが俺はそれを無視し、れいげつ級に肉迫する。


「沈めぇぇぇぇーー!!」


れいげつ級のディストーションフィールドをディストーションアタック(ゲキガンフレア)で 突き破って

そのまま艦内に突っ込み、エンジンブロックにカノン砲の雨をお見舞いする。

そして直ぐにディストーションアタックで壁をぶち抜きながら離脱…

僅かなタイムラグの後、後方でれいげつ級が光に変わったのが分かった。

ユーチャリスの第四射で戦艦がまた吹き飛ぶ…小型艦なども合わせるともうすでに100隻以上がユーチャリスによって撃破されている。


ユーチャリスが反転を開始した事を確認しつつ俺はブラックサレナを戦艦に向け、最大加速のディストーションアタックで貫く…

高機動ユニットにより通常のカスタムエステの数倍の加速力がつく為このような芸当ができるのだ。

最も今の衝撃で半壊してしまったが…

使い物にならなくなった高機動ユニットをパージして、

駆逐艦数隻と無数のステルンクーゲルをディストーションアタックで撃破しながら、次の戦艦へと向う。

そして戦艦をカノン砲の射程内に捕らえた、その時…


【マスター、敵艦隊より通信。降伏を申し入れています】

「……」

【マスター!】

「ん、ああ……分かった、この場所を統合軍にでも報告しておけ…」

【イエス、マスター】


本当は分かっていた…ユーチャリスに戦艦の半数を沈められ、れいげつ級を撃破された今、

敵は指揮系統を分断された、ただの烏合の衆だという事は…

だが俺の、こいつ等全てを消してやりたいという、その思いが戦闘終了 を躊躇わせていた。


【マスター…】

「ヤタガラス、回収をたのむ」


だが、これで復讐は成った。ユリカも助けた…今回の事でクリムゾンも力を失うだろう。

俺は疲れていた…もうやり残した事も無い。後は……


【マスター、次の目的地を決めて下さい】

「次の目的地は……」













「ねールリィ、何でテンカワ・アキトがユートピアコロニーに来るって分かるの?」

「簡単な事です。アキトさんは私達に会うのを避けています…その上で帰ってくる事が出来る所は、

 私の知る限りネルガルかユートピアコロニーの二つだけです。しかし、ラピスも置いて行ったという事は

 もうネルガルに戻るつもりが無いという事でしょう。ですから、後残されるのはユートピアコロニーだけという訳です」


ナデシコCは現在火星軌道に乗った所だ。イネスやユリカが居るのだからボソンジャンプで飛べば良いだろうと思う所だが、

ユリカはまだ体力が回復していないのでまだボソンジャンプを行う事が出来ないし、

イネスが戦艦クラスの物をボソンジャンプさせるには、きちんとしたジャンプフィールドを作り出せる物があっても一日一回が限度だ。

すでに火星から月に一度ボソンジャンプで戻って来ているので本日は打ち止め、

ジャンプフィールド発生装置の方も現在故障中なので、ターミナルコロニー経由で火星軌道上へとやって来たのだ。


「でも、アキトはユートピアコロニーで何するつもりなんだろ?」


ルリの艦長席の横に特別に席を作ってもらったユリカが言う。

ユリカは本当なら絶対安静の身で、点滴を打っていないと気絶してもおかしくないほど衰弱している筈なのだが…

…愛の力か天然なのか、見た目は元気一杯だ。


「アキトハナニモシナイ…」

「え?」

「復讐モユリカノ救出モ終ワッタ、ダカラモウナニモシナイ…」


ユリカの膝の上でラピスが少し俯きながら言った…

ラピスはアキトと長い間リンクしている内に、アキトの事が何となく解るようになっていたのだ。


「ふぇ? でもでも火星には食料も無いし、アキトも長い間は居られないよ」

「……ナノマシン実験のせいでしょう、おそらくアキトさんは…」


ルリが言葉を濁し、その言葉にユリカもハッとなり顔を俯かせる。

ユリカはアキトのナノマシン実験を直に見ていた…しかし、忘れていたかったのだ。













「私は……」


私は一週間ほどで遺跡に埋め込まれてしまったため、それ以後の事は知らない…

でも、その一週間の間だけでもアキトの悲鳴が何度となく響き渡り、他のA級ジャンパーの人達も次々死んでいったのを覚えている。

……イネスさんに聞いた所によると、アキトがネルガルシークレットサービスに救い出されたのは、二ヵ月後の事らしい。

その地獄に二ヶ月もいたというだけでも心が張り裂けそうだというのに、

それのせいでアキトが回復不能の障害を負ったというのだ、考えただけでも寒気がする。

なのに、その上アキトの命が長くない等と…認める事は出来ない。




やっと皆で会えるというのに……



やっと安心できると思ったのに……





それでも私はアキトの妻、アキトの為に出来る事をしなければならない…


「イネスさん、アキトの命は後どれくらい持ちますか?」


私は背後にいるイネスさん(ユリカが倒れたりしないか、点滴をきちんと刺しているかを見るため)に聞いた。


「そうね、持って三ヶ月と言ったところかしら…」

「アキトが助かる方法は?」

「無いわ…」

「ウソ!」

「何故そんな事が言えるのかしら、ミスマル・ユリカ」

「あなたが、それを考えていない訳無い! アイちゃんであるあなたが!」


その言葉を聞いてイネスさんは一瞬目を見開いた、けど、すぐに理解の色をしめした。


「それは、つまりアレね」

「ええ、アレです。

 それと…」

「それと何?」

「私の名前はテンカワ・ユリカです! エッヘン!」

「でもまだ籍は入れて無いんでしょ」

「うっ(汗)」









そんな話をしている間にもナデシコCは火星の大気圏に突入し、ユートピアコロニー跡に向かっている。

このコロニーはチューリップが激突して出来たクレーターが有る為、他のコロニーと比べても原形を止めていない。


「ユートピアコロニー視界に入ります…」


復活したハーリーが到着を知らせる。


「ジャミング検索、有視界での確認を御願いします」


周囲のメンバーに指示を伝えるルリ。

セントラルドック跡の壊れたチューリップに不自然な<歪み>が発見された。暫くすると、それは大きくなりつつある事が分かる。


「ボース粒子増大! 戦艦クラスボソンアウトします!」




       フィィィ−−−ン



「ボソンアウト、艦影確認…これは、ユーチャリスです!」


ハーリーがユーチャリス到着をつげる、艦内の緊張が高まった。ルリがウインドウボールを展開しながら指示を行う。


「ハーリー君、ユーチャリスへのクラッキングを。私がサポートを行います、オモイカネ級AIを行動不能にして下さい」

「えぇ?! 艦長がメインじゃ無いんですかぁ!?」

「私は他にもする事があります。それじゃ、頼みましたよ」

「は、はい!」


ハーリーはルリに頼まれた事によって機嫌を直していた。

ルリに認められていると感じたのだ。

ミナトがそんなハーリーを横から見てウインクを送り、


「がんばれ!」


それを聞いたハーリーが顔を真っ赤にしたのは言うまでもない。

ハーリー達がそんな事をしている間にもルリはハッキングを行い、通信を強制オープンにした。


「アキトさん、アキトさん応えて下さい、アキトさん!」


正面のパネルを介してコミュニケウインドウが開く。

そこに黒いバイザーをして黒ずくめの格好をした男が映る…


『……』

「…アキトさん…もう帰りましょう。

 味覚が無いとか、合せる顔が無いとか、そんな事如何でも良いんです。

 あなたが、私達にとって大切な人だから…だから帰ってきて欲しいんです。

 ユリカさんも、私も、ラピスだって…みんな少しでもあなたと一緒にいたいんです!」


ルリが必死の表情で言うが、アキトは顔色ひとつ変えない……


『その話はもうした筈だ。テンカワ・アキトは死んだ、そう言ったはずだが?』

「アキトったら、久しぶりに私に会うからって照れちゃってぇ…大丈夫、アキトは私が 好き! みーんなわかってるっ!」


アキトのその拒絶の言葉にかぶせる様に、ユリカが会話に割り込む。


「でもでも、アキトはルリちゃんもラピスちゃんも好きなんだよねぇ〜、これって浮気?」

「ワタシハアキトノ一部」

『……』


間が悪かったっぽい……空気がビミョーに冷たくなる。


「そうだ、テンカワてめー、このラピスとかって子に何した!」

「リョーコも人の事言えないよねぇ、たか…」

「わっわっやめろ、テンカワの前で、ってああ!」

「いいんだいいんだー、どーせ俺なんてテンカワの代わり…」

「おい、待てよ、別にそんな事言ってねえだろ!」


「ユーチャリスのクラッキング開始しました」


間がいいのか悪いのか分からないハーリーの声によって一連のコントが停止した。


『クッ…』


アキトの表情が歪む。その隙にユリカがルリとラピスに耳打ちする。


「ユリカさん、そんな事して大丈夫なんですか?」

「うん、大丈夫だよ、イネスさんの許可ももらったし」

「私は許可してないわよ、ミスマル・ユリカ!」

「でもイネスさん、そうしないとアキトが…」

「はいはい。けど、私も付いて行きますからね」

「ぶぅー」

「では皆さん、私の周りに集まって」


イネスの指示でユリカの椅子の後ろにルリがやって来る。


「ジャンプ」



      フォン…



四人の人間がナデシコCから姿を消した…











       フォン…


「テンカワ・ユリカ到着で〜す、ブイ!」


ユーチャリスのブリッジに、ユリカ、ルリ、ラピス、イネスが姿を現す。それに対しアキトは困惑の表情を浮かべる。




「…何故来た?」


      パシーン!


ユリカがアキトの頬を張り飛ばす。アキトが見返すと、そこには涙をためたユリカの顔があった。


「そんな悲しい事を言わないで! 私もルリちゃんもラピスちゃ んもアキトと一緒にいたいの、それだけなの!」

「…だが」

「聞いたよ、アキトの体の事……もう長くは生きられない事も」

「…そうだ。視覚と聴覚はバイザーの補助を受けて常人の七割程度、しかもタイムラグが0.05秒程度ある。

 触覚はこのスーツで三割、味覚・嗅覚はまったく無い。今はラピスとのリンクで多少回復しているが…

 ナノマシンの暴走で体の壊死が始まっている。三ヶ月と持たない俺には、静かに死んでゆくぐらいしか望みは無い」

「そんな事ありません! アキトさんが助かる方法がきっと有る筈です!

 ヤマサキのラボを調べてみます!それがだめでも他の方法を探します!」


「落ち着きなさいホシノ・ルリ、ヤマサキラボはもう調べたわ…結論から言うとヤマサキは

 アキト君に二十種類以上ものナノマシンを打ち込んでいる。しかも、どれもこれも規定量以上ね…

 つまり、ヤマサキラボに全ての種類のナノマシンの除去法が有ったとしても、除去途中で体力の限界が来て死ぬわね」

「そういう事だ」


その言葉にルリはショックを受けた。

ヤマサキラボの事もだが、アキトが平然としている事が辛い…


「そんな…なら、他の方法を…」

「あるよ」

「何ですかユリカさん、説明してください!」

「よろしい、説明しましょう」


ルリの言葉に反応し説明の準備を始めるイネス。どこに置いてあったのかポインタとホワイトボードを取り出し、

更に人数分の椅子と机を用意する。最後に何故かアンティーク感漂う片眼鏡(モノクル)を かけた。

……こんな事もあろうかと、ユーチャリスに積んでおいたのだろうか?


「全国の良い子のみんなお久しぶり、他のSSで見ている人にはごきげんよう、なでなにナデシコユーチャリス版、説明おねーさんのイネス・フレサンジュよ。さて、今回の質問… どうやってアキト君を助けるかだけど、まずボソンジャンプのおさらいから始めないといけないわね。ボソンジャンプは物質をレトロスペクトに変換することで 一度物質を過去に送り出し、それを一定の時間で停止。もう一度物質に変換、現在の別の場所へと送り返すというものよ。つまり、ボソンジャンプは空間移動の 類では無く、時間移動という事になる。ここまでは良いわよね」

「・・・」

「はあ(ユリカさんに聞いたはずなのに)…」


アキト…だけでなくルリも、唐突に始まった<なでなにナデシコ>について行けず、戸惑っている。


「ここからは仮説を交えて話す事になるけど…ボソンジャンプが時間移動なら、未来にだって行けるはずというのが今回のコンセプトなの。その事を踏まえて説 明すると、今までボソンジャンプで時間移動をした時…まず、私がアキト君のボソンジャンプに巻き込まれた時は、中継する宇宙人かどうかは分からないけどそ ういう存在のいる時間まで私は行った。よって移動時間は分からず。ナデシコが火星から月までチューリップを通って帰った時が プラス八ヶ月。アキト君がゲキガンタイプを月に飛ばした時が マイナス二週間。私が遺跡から飛ばされた時が マイナス二十年。これらの例から分かる事は時間移動はランダムジャンプ、それも 遺跡に近い所で起こる可能性が高いという事が分かるわ。そこで今回私達が行おうというのは、人為的なランダムジャンプよ…それも、<未来に向けて>の」

「でも、一体どうやってそれを行うんですか」

「過去一回しか例が無いから確実な事は言えないけど…火星から月に帰った時、私達は未来への不安で一杯だった。だから不安でも輝ける未来でも、アキト君と の妄想でも良いから未来を思い描いてジャンプすれば未来に行けるのではないかしら」


ルリは頭の中で吟味していたが、困惑気味に質問した。


「成功の確率がかなり低いように感じますが?」

「大丈夫! アキトは私とのラブラブな未来を想像するだけ!」


       ベシッ


イネスのポインタによるツッコミがきまった。そして、凄みのある笑顔で、


「説明の邪魔しない」

「ふぇ、イネスさん怖い」


ユリカは冷たい笑顔の怖さに負けて隣りのアキトに抱きつこうとしたが、アキトの膝の上にラピスが乗っていた為失敗してしまった。


「ラピスちゃん、ずるい、アキトの膝の上占領するなんて!」

「私はアキトノ一部。何時モアキトノ側二イル」

「…ラピス、それは違うぞ」

「アキトハラピスガイラナイノ?」

「アキト! ラピスちゃんとラブラブしちゃダメー!!」

「説明を最後まで聞きなさい!!」


「……俺、何かしたか?」

「アキトさん…もう少し女心を勉強して下さい」


ナデシコメンバーの前では、アキトがいくらシリアスでもあっという間にギャグに成ってしまう。正直少し頬が緩んでくるアキトだった。














――火星極冠遺跡――


過去に草壁春樹が占領しようとし、大規模な戦闘が起こった。

火星の後継者としても、ここに本拠を構えた。

ボソンジャンプを管理すると見られる<遺跡>の存在は、戦後の今もなお大きい。

実際この遺跡をどこが管理するかで、現在も宇宙軍と統合軍のにらみ合いが起こっている。

極冠遺跡周辺には宇宙軍と統合軍の艦隊が駐留している。両軍あわせて六千隻に及ぶ大艦隊だ。

もっとも…内訳は統合軍五千、宇宙軍千という大きな開きがあるが。

だが、アキト達にとっては如何でもいい事だった。

ユーチャリスとナデシコCが並んで航行し、火星極冠遺跡へと向かう。

やがて……火星極冠遺跡が見えた辺りで停止する。


「ハーリー君、後の事はよろしく」

「本当に行くんですか? 艦長」

「アキトさんは私の大事な家族です。家族の為に出来る事をしてあげた いんです」

「…分かりました…」


二人の会話はぎこちない。もっとはっきり言えば良いのにと思う…でも反面、



ハルカ・ミナト 愛の劇場

「アキトさんの所に行きます」

「そんな! 僕の所にいて下さい艦長!」

「私はアキトさんの事が好きなんです。ハーリー君なんかお呼びじゃありません」

「そんな、かんちょー!!」


   スタ スタ スタ…… 



……もしそうなったら怖いとも思うミナトであった。





「…準備はいいか?」

「うん!」

「大丈夫です」

「イイヨ」

「ええ、いいわ」


アキトの周りに女性陣が集まっている。右手にルリ左手はラピスがそれぞれ掴まっている。

そしてユリカは首から手を回している。イネスだけは掴まっていないが。


「ジャンプ」




       フォン…





――遺跡の最下層・演算ユニット設置場所――


ユリカが囚われてた演算ユニットが、現在はそのままになっている。

その真中に、ボソンアウトした四人が立っている。その一人、イネス・フレサンジュがスタスタと動き回っていろいろ準備している。


「さて、ジャンプする前にこれ、あなたのカルテ。それから、これはウリバタケ・セイヤから」


唐突にアキトに近づいて来たイネスが、数枚の記録用ディスクをアキトに握らせる。


「ありがとう、イネスさん」

「あと、プレートはきちんと持った?」

「…これは、本当にもらっても良いのか?」

「ええ、出来る事なら自分で解き明かしたかったけど。なんだか、

 あの時《渡してくれ》って言われたのは…アキト君に、という様な気がするのよ」

「……」

「さて、アキト君…準備出来たわ。後はあなたのイメージだけ。

 …先に言っておくわ…成功確率は高くないわよ。

 未来に行く保証はないわ…それどころか、文明の有る時代に行けるかどうかも…

 そうじゃなければ、真っ先に勧めていたもの…」

「…ああ」


それだけ言うと、イネスはユリカ達に向き直った、そして、表情を厳しくし言う。


「貴女達には言うだけ無駄だろうけど、もう帰ってこれないわよ」

「大丈夫、何とかなるって。だってアキトが居るんだもん」

「私は、アキトさん達の居る所に帰りたいんです。

 このままではまた家が無くなってしまう。

 だから、アキトさん達について行きたい。

 ナデシコCの皆には悪いと思いますけど…」

「ワタシハアキトノ一部、ハナレルコトハ無イ」


アキトと女性陣はさっきの体勢のままだ。


演算ユニットの動きに反応してか、周囲のユニットが光り始める。


しばらくして、周りにボソンの光が現れる。その時…



「あぶない!」



ユリカがアキト達を突き飛ばした。



ドン!



どこに潜んでいたのか、小柄な男が演算ユニットの影から銃を撃っていた。

そして勝利を確信し、叫ぶ





「テンカワ・アキトォォォォ―――ッ!!!」





アキトの方に向かう筈だった銃弾がそれ、アキトの肩をすり抜ける。









そして銃弾は、ユリカの胸へと吸い込まれていく…











「! ユリ カーー!!」









アキトのその叫びだけをのこして、演算ユニット周辺から全ての人が消えていった………









次回予告

二度もユリカを救えなかったアキト、

その心は未来へいくはずのボソンジャンプを過去に飛ばした。

絶望に沈むアキトが見た自らの姿とは!

次回機動戦艦ナデシコ〜光と闇に祝福を〜

第一話”真夜中は別の人?”を皆で見よう!









あとがき

皆さん始めまして黒い鳩と申します。

私などのつたない文章を読んで頂きありがとうございます。

普通の逆行もののつもりだったのですが、えらいヘビーな始まり方をしてしまいました。

ですが、べつにユリカ嬢を殺すつもりは無いのでご安心を。

後、シノペと言うのはゼウスをふった女性らしいです。


 

補足

コンテンツが少ない為、こちらでも読めるようにしたというだけです。

今まで通りリバホにも掲載されますのでご安心を。


押していただけると嬉しいです♪

目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.