あれやこれや…
戦いに、復讐に、人命救助、ボソンジャンプとか…
火星に行った私たちには、色々な事がありました。
でも、始まりがあれば終わりもあります。
地球への帰還…当面の目的を果たした私達に色々と事情が出来るのは仕方ないことです。
以前と比べるには既に世界が変わりすぎてしまいましたが、
ボソンジャンプの時間が3ヶ月であった事もあり、まだコスモスは完成していません。
それどころか、月はまだ木星トカゲの勢力下…
それに、火星からの脱出者が40万人以上もいて、かなりの人が軍に流れていたり。
なにより、火星北極冠遺跡<イワト>には演算装置がありませんでした。
もうこの先どう考えていけばいいんだか…
機動戦艦ナデシコ
〜光と闇に祝福を〜
第十五話「笑って言える『さようなら』」
あの後、前線の活躍により救われたナデシコは、ネルガルのドックがあるサツキミドリ二号コロニーへと向けて航行中である。
ネルガル社の持つ宇宙コロニーは幾つかあるが、ボソンアウトした場所がたまたま近かった、というだけなのだが。
理由はともあれ、艦内チェックなどが一段落着いた後、大部分のクルーは思い思いに休憩をとっていた。
が…そんな中、自身に宛われた執務室で缶詰状態になっている者が一人だけ居た。
通称プロス事、プロスペクターである。
あまり知られていないが、プロスはナデシコ艦内に執務室を持っている。
普段から業務日誌や報告、予算書の提出に命令の受け取りなど事務仕事をすることの多いプロスは
どうしても執務室と呼べる個室が必要だった。そこで彼用の部屋が用意され、
現在はその執務室で報告書を書くために缶詰、という事らしい。
いつもの如く彼を悩ませるのは如何に“経費を出来るだけ高く見積もるか”という一点だが、
ペンを片手に頭をひねっているプロスの前で、不意にコミュニケウィンドウが開いた。
コミュニケにはぼさぼさ頭の童顔な青年の顔が現れ、ソレに気付いたプロスがはっとして顔を上げる。
「何ですかテンカワさん、心臓に悪い登場の仕方しないでください」
『…ああ、すまない、緊急の要件があったからな』
「緊急のご用件ですか…いったいどんなご用件です?」
『先ずはボソンジャンプの件からだが、アレでデータはほぼ取れたと思うがどうだ?』
「ふ〜む、確かに基本的なデータは頂けましたが、まだ曖昧な部分も多い。出来ればもう少しご協力頂きたいものですなぁ」
『十分とはいえないかも知れないが、火星行きへの協力もしたはずだが?』
「確かに、テンカワさんは給料以上の働きをしてくれましたが、
それでも、最初の契約は<ボソンジャンプ解明への協力>だったと思いますが」
『パイロットは余禄というわけか…だが、俺も出向社員である以上報告の義務もあるしな』
「…はぁ、分かりました。会長に掛け合ってみましょう。
しかし契約は契約ですから、違約金を払ってもらう事になるかも知れませんよ?」
『わかっている、明日香にその旨回しておいてくれ。もう一つは、もう言わなくても分かると思うが…』
「はい、では派遣出向は本日までということですか…」
『そうなる、明日香の仕事も溜まっているのでな』
「寂しくなりますね…」
『お互いに…な…』
少し何かを惜しむような表情をした後、アキトはコミュニケを閉じた。
「意味深ですね…打算や損得で動いていない、という所が彼の魅力であり、また扱い難いところでもある…という事でしょうか…」
プロスはため息をついた、実際ネルガルにとっても、アキトの存在はかなり重要だった。
アイという少女とアキトはボソンジャンプというものを理解している。
ネルガルはおおよその予測とデータから推測される結論までは至っていたが、ボソンジャンプを理解しているとは言いがたい。
特に演算装置にイメージを伝達するシステムについてはまだ分からないことが多すぎる。
とても安定して使える自信は無かった。
むしろチューリップの方が理解しやすいといえる。
この状況でアキトを手放すということはかなりの痛手になるだろう。
上司への報告も頭の痛いところだった。
だが、まさか報告しないわけにも行かない。
プロスは鼻の頭にかかった眼鏡のつるをなおしつつ通信を開く。
因みにプロスには上司が二系統存在する。
通常報告をする重役達と特殊な報告をする会長である。
今回の報告はどちらにもあげねばならない。二重に疲れる事になりそうだと、プロスは汗をかきつつ思う。
そうしている間に通信画面にロンゲの男が映る。
彼は椅子に座って足を組み、窓の外を見つめていた。
「どうもお久しぶりです。会長…窓の外に何か見えますかな?」
「いや、別に…なんとなく偉そうな人間がよくやる格好をしてみただけなんだけど?」
「はぁ…どうにも私には分かりかねますな」
「…まあいい、プロス君、先ほどまでの資料は読ませてもらったよ」
「はい、ボソンジャンプに関してナデシコに記録されているデータは大体添付しておきましたので、
ボソンジャンプに関してはかなりの部分解明されたと思われます」
「うん、実際結構役に立つデータだと思うよ。特にアイちゃんだっけ? この子のデータ、面白いことになりそうだ」
「? 会長…そっちの趣味がおありで?(汗)」
「その冗談は笑えないよ。君だって言いたいことは分かるだろう?」
「はい。このアイという少女と契約すれば、テンカワさんとの契約を破棄しても問題なく研究を続けられるという事でしょう?」
「ん〜、それは確かに魅力的な提案だが、テンカワ君がそれを見過ごすとは思えないね〜」
「私もそう思います。実質的に、ナデシコ内で彼と正面切って戦おうという意思を持った人間はいませんでしょうしね」
「それはそれで困り者だね…しかし、彼女とテンカワ君やジョー君の共通点というものがあるだろう?」
「…! まさか、しかし、約束が…」
「確かにね、しかし、それが一番確率が高い」
「…わかりました、今更でしたな…ですが会長、できればこういった事は…」
「分かってるよ、プロス君は優しいからねぇ、でもそれだけじゃ世の中渡っていけないよ?」
「…申し訳ありませんでした」
「そんな事より、明日香インダストリーの動き、どうやらアレができたみたいだねぇ…
うちの工作員もずいぶん追い出されたり、中にはやられたのみいるみたいだよ?」
「そうですか…では、テンカワさんが帰りたがるのも当然といった所でしょうか」
「まあね、大体明日香の社長代理が直接テンカワ君達の引き取りを言いにきたよ。救助した人員の引渡しと同じにね」
「それは、どういう事ですかな?」
「ん〜…救助した人間に関する権利は明日香も五分で有する、っていう形をとっているからねぇ」
「それは…また、随分譲歩なされたものですな」
「エリナ君の提案なんだが、問題があるほどじゃないよ。何せ既にこっちも1万人以上確保していることになるんだしね」
「…」
「まあ兎に角、この事については他言無用だよ?」
「…わかりました」
プロスはアカツキを見て思う。出来れば前会長のようにはなって欲しくないと…
しかし、兄が死んで帝王学すらきちんと学ばずに会長職に抜擢されて以来、
確かにアカツキは良くやっていた。だが…それでも会長の権威は微妙な位置にあるといっていい。
未だ前会長派とも言うべき派閥が社内で幅を利かせているのがその証拠。
現社長は前会長派の筆頭だった。
正直に言って、アカツキは前会長派の顔色を伺わなければ社内でやっていけない立場にあった。
それでもかなりうまく立ち回り、自分の立場を段々と強めているものの、
非情でなければ乗り切れない場所にいるのは確かであった。
通信を切ったプロスは重役達への通信を開くため、再びキーボードに手を走らせるが…ふと指を止めて呟く。
「それでも、出来ればあまり表ざたになって困るような事をなされない方がよろしいかと。
私は何か触れてはいけない場所に踏み込んでいるような気がしてならないのです」
その呟きは誰にも聞かれること無く、部屋の中に空しくこだました。
この部屋はオモイカネの記録を禁止してあるのでこの呟きが残ることはない。
プロスはその事を意識してはいなかったが、それでも、思い悩むことは山ほどあった。
プロスは首を振って落ち着きを取り戻すと、重役達への報告を始めるのだった。
「はぁ…今日は一日大変でした…」
最後の出前を配達したコーラルは、帰途のさなかに大きく息を吐いた。
アキトが車椅子生活を始めてから、ナデシコ食堂はホウメイ一人しかコックが居ない。
しかも、1000人の避難民を引き受けているため、食堂は常時一杯というのが現状だ。
当然メニューも何もかもと言う訳にもいかない。
まあ、自販機でかなりの部分応対しているが、ナデシコ食堂も1250人の三食の内一食くらいは何とかしなければいけない。
普通食堂などで処理できる人数は400人程度つまりは3倍の客が来る訳で…
「はぁ、流石に無茶苦茶ですぅ…でもホウメイさんは一人で作っているわけですし、普通に六倍大変な筈です…
私達と違って交代もありませんし…一体何時寝てるんでしょう?」
ほえ〜っとした顔ではあるが、心配を顔に滲ませてコーラルは考える。
しかし飽和状態のナデシコなので、空気や水すら長くは持たないのだ。
食堂の状態などパンクして当然と見るべきだろう。
「ふぅ…ご主人様も居ませんし…仕方ないですぅ。こ、ここは私がっ!」
ふ、と頭に浮かぶのは元メイドの仲間たち。
かつては呆れた顔で「腕は悪くないけど、そのドジがねぇ」などと言われたものだが…
いや、と頭を振って影を追い払う。
いつまでもドジなままの私ではないのだ。その証拠に、最近では料理中にドジを踏まないではないか。
大丈夫、ちゃんと成長してる。大丈夫、大丈夫……
そんな自己暗示を繰り返し、コミュニケで艦内図を表示させて現在地と食堂を選択すると、
オモイカネによってルートが塗り潰された“迷子仕様”のマップになる。
「ご主人様、見てないけど見てて下さい…ご主人様のお留守は不肖コーラルが、
しっかりばっちり守ってみせるですぅ〜!」
ぐ、と両拳を握って気合を入れたコーラルが岡持を揺らせて走り出し…
「…はぅっ!?」
何かに躓いて転ぶのは果たして、ドジメイドの運命か、宿命か……
「あ、ああっ、食器が!?
…入ってないんでした。せ、セーフですぅ」
「…キッチンに廻して欲しい?」
ナデシコ食堂の主、ホウメイがやや驚いた声を挙げたのは、客がはけて火も落とそうという頃合いの事だった。
何事かとホウメイガールズが集まってくる中、意気込んだ様子のコーラルがコクコクと頷いている。
「…コーラル。アンタ、免許は持ってるかい?」
「いえ。でも、ご主人様の代わりくらいには…!」
ふむ、とホウメイはコーラルを眺めながら考えてみた。
正直、今は猫の手でも借りたい程に忙しい。アキトが抜けた、という事もある。
一応人事担当に人を回せないか聞いてみたものの、
どうもうまくないらしい。
この状況でもし彼女が調理補助として使えるなら、僅かにでも余裕ができるかも知れない。
…そうなると、彼女が今ここに居るのは天佑というものだろうか。
以前テンカワが「せめて“今”の英国式なら…」と、胃をさすりながらボヤいていたのを考えれば、何を作ったかは想像が付く。
見上げてくる真剣な顔を見るに、やる気もあるようだ。あとはどの程度使えるか、だが……
「そうだねぇ…じゃあ、ひとつテストしようか」
「てすと、ですか?」
「ほら、アレで賄いにしようと思ったんだけど、
アタシの代わりにコーラルが賄いを作る。それで決めようじゃないか」
そう言ってホウメイが示したのは、キッチンに残った数種の食材。
皮を剥いてある芋や、解凍した魚などであった。
「は、はいっ! 頑張りますぅ〜!
え〜っと、えっと…これで、あれと、それが……」
早速調理の検討に入るコーラル。ちょこちょこと動き回るその小さな背中を見守りながらも、
実際の所、料理ができなくても良い…というのがホウメイの本音だった。
コックやコック見習いのレベルではなくても、慣れや手際の良さがあれば調理補助として使える……
ホウメイが軽い打算を巡らせていると、不意に背後からドアの開閉音が聞こえた。
どうやら着替えを終えた五人が更衣室から出て来た所らしい。
その彼女達もやはり興味があるのか、カウンターに座ってコーラルをじっと見ているようだが…
「あの、ホウメイさん」
「ん?」
「大丈夫なんでしょうか? その、コーラルさん…」
「あっ!?」
「!?」
「せ、セーフですぅ…」
「……ちょっと、ドジなところが…」
落としそうになった芋をキャッチするコーラルを見て、六者六様にため息を吐く。
…興味ではなく、心配しているだけなのかも知れない。
それからの十数分は吊り橋効果が現れそうな待ち時間であったが、
結果だけを見ればコーラルが出した物は“普通”であった。
白身魚のフライとフライドポテト、焼きトマトにスクランブルエッグ、
茹でたバンガースにベーコン、キュウリとレタスのサラダもある。
「へぇ…手際は悪くないし、見た目もそこそこ。さて、味の方は…」
そう言って、ホウメイが一品ずつ箸を付けていく。
フィッシュ&チップスを口に含んだ際にホウメイの眉が動き、
コーラルの肩が震えるという一幕もあったが、両者無言のまま。
見物達も口を挟めずに食堂が静まり返る中、コーラルが喉を鳴らし……やがて、ホウメイがゆっくりと箸を置いた。
その翌日、アキトはIFS操作の車椅子をキコキコと鳴らしながら――病室を脱走していた。
術後の経過を見るためとか、容態の安定のためとか、そういった理由で覚醒後病室へ移動される事は決まっていたのだが、
もう峠は越えたのだから、避難民の治療を優先して欲しい…と、呆れた物言いで医師に“反抗”したのだ。
両手足骨折、内臓にもダメージがあり、更には失血死寸前…という状態で運び込まれた患者を
手術は終わったから、などと放り出す医者でもなく、当然病室に叩き込まれたりするのだが。
……その小一時間後の現在がコレである。アキトの超人振りは最早、某メスナー氏を越えているのかも知れない。
(連絡は付いてるんだろうが…一応、食堂に顔を出しておくか…?)
流石に手の使えない今は仕事も出来ないが、報告と様子見と食事…あとはお別れをかねて
食堂に行くのも良いかも知れない。どのみち、部屋に戻ったとしても休んでいるしかないのだ。
ブリッジは…今顔を出すのは、不味いかも知れない。体力的にも、精神的にも。
自室に戻った後でコミュニケを開く方が良いだろう。
そう考えて食堂へと車椅子を向かわせていると、通路の端に座って食事を摂る者達を見かけるようになってきた。
クルーに加え、約千人もの人数を乗せているため食堂に入りきらず、あぶれた者達であろう。
彼等に注意しながらゆっくりと車椅子を進め、やがて辿り着いた食堂は――戦場だった。
「ホウメイさーん! 腕が、腕がちぎれそうです〜」
「艦長の放送だと明日にはサツキミドリに着くらしいから、それまでの辛抱さね。
乗組員を降ろすまで食事はアタシ達の仕事なんだ、しっかり働きな」
「うぅ…せんさんびゃくにん…通常の五倍……」
「パイロットスーツに赤いエプロンでも足りないよぅ」
「ほらほら、手が止まってるよ!」
「「「「「「ひ〜〜ん!!」」」」」」
流石にこの状況では、出ていっても邪魔になる。
そう思って引き返そうとしたアキトだったが、
「…あ! ご主人様!」
…三ケタの人混みの中でもメイド・レーダー(?)はしっかり働いているらしい。
百を越える好奇の視線に晒されて腰が退けるアキトだったが、
リアクションを選ぶ間もなく、後ろから来た人の好意に押されてアキトは食堂に入る事となった。
「なるほど…それでコーラルが」
「まあ、意外と言ったら悪いけど、臨時のコック見習いとして使ってるよ。
それで、テンカワはどうするんだい?」
「どう、というのは…?」
「食事だよ。仕事が出来ないって報告だけなら、コミュニケでもできるだろ?
配給食と賄い食、どっちを食べてくんだい? まあ、配給食とは言っても、クルーからは取るもん取るけどね」
食堂の片隅で人が捌けるのを待つこと一時間弱。
どうにか昼のラッシュを乗り切った食堂の面々は、アキトを交えて雑談に興じていた。
張り切って賄いを作るコーラルを除けば、疲労を感じさせない普段通りのホウメイと
其処此処で弛緩しているホウメイガールズが何とも対称的な光景であった。
因みに余談であるが、配給食とは避難生活で財産を失い、その現在までの生活で
胃腸の機能も弱っているであろう避難民達に供される、無料の病人食の通称である。
経費と契約に厳しいプロスペクターも、流石に彼等からは取り立てなかったらしい。
「何故その二つに?」
「ああ、いや、今はとにかく数を作らなきゃならないだろ?
だから悔しいけど、注文を取ってる余裕がないんだ。
そんな中でテンカワだけ注文を取ったら、他のクルーに不公平じゃないか。
賄いはまあ、食堂スタッフの特権……かねえ?」
「なるほど…それじゃあ、賄いを「はぅぁ!?」……あ〜、その、配きゅ」
「賄いだね。コーラル! テンカワの分も作ってやんな」
「は、はーいぃ〜」
なぁに、死にはしないさ……ボソリと、そう嘯くホウメイ。
彼女のテストに合格したことを知りながらも戦々恐々とするアキトであったが、
数分後、コーラルの運んできた物を見てからかわれたと気付く。
そして料理人の性か、真剣な目をして検分しようと…検分しようとするが……
(しまった。腕の事を忘れてた…)
「さて、聞く所によるとテンカワは両手と両足も骨折してるらしいねぇ?」
唐突に、食堂を説明口調の声が通り抜けた。言うまでもなくホウメイである。
同時に、アキトの背を冷や汗が伝い始めた。言うまでもなく避難勧告である。
「誰が食べさせれば良いのかねぇ」
一瞬の静寂、そして
「は〜い、あたしやってみたいでーす」
「「わたしも〜」」
「えっと、どうしよ」
「どうする?」
「病床に伏した御主人様の介護…口元にそっと食事を差し出すメイド…
さぁご主人様、あ〜んして下さい。とか♪
きゃぁ! 胸元にこぼしてしまいました。ごめんなさい直ぐにお拭きしますとか♪
これこそ、メイドの本懐極まれリですぅ〜♪♪」
興味本位でニヤニヤしている三名、食事介護に悩む二名、妄想中の一名
特に、そんな本懐遂げるんじゃない! あるいは、むしろそんなモノを本懐にするな! と、
約一名に突っ込みたかったアキトだが、
今突っ込むと逃げられなくなると思い直し、恐る恐るホウメイに声を掛ける。
振り向いたホウメイの、その表情と返答は無論……?
隕石コロニーサツキミドリ2号…
資源採掘用コロニーとしては、規模の大きいものである。
二十万人を超えるその人口の殆どが造船と採掘業者である。
もちろん家族を含めた数であるから、全てがそうであるわけではない。
しかし、全員がネルガル社員である事は間違いのない事であった。
そう、ネルガルにとっても、このサツキミドリ二号コロニーはそれなりに重要な拠点なのである。
月面のそれと比べれられれば流石に及ぶべくもないが、それでも一企業の拠点としてかなりの規模を誇っている。
そのサツキミドリ二号コロニーにぼろぼろのナデシコが入港したのは、ナデシコのボソンアウトから2日後であった。
「ナデシコ、サツキミドリ二号コロニー第三ポートにドッキング。車庫入れ完了♪」
「ミナトさんありがとうございます。では、久々の休暇を楽しみましょう!」
そういうや否や、ユリカは一目散にブリッジから飛び出していく。
[アキト〜〜]というリフレインまで残して…
「ちょっと待ってください艦長! まだ報告が!?」
「やれやれ、元気なのはいい事ですが…ではジュンさん。艦長代理、よろしくお願いしますよ」
「ええ〜!? あっ、いや分かりました」
ジュンも長旅の疲労があったので艦長の責務と副長の責務の兼任は勘弁願いたかったが、
やはりほれた弱みというか、最後は引き受けてしまうのであった。
「バカバッカ」
オペレーター席でルリもこぼしていた。
しかし、彼女にとってもここからが考えどころである。
アキト達が明日香に行く事を告げたとき、ルリはナデシコに残ると決めた。
ルリは当然反対されると思っていたが、アキトの対応は違った。
少し寂しそうな顔をして、部屋を見回すと一息つき。
[ナデシコの事、よろしくな]と笑顔で送り出してくれた。
その時、他の娘達がアキトをもてはやす気持ちが少しだけ分かったと、そう思ったのは彼女だけの秘密である。
『ア〜キ〜ト〜♪』
ユリカの声が聞こえる、多分扉の前から話しかけているのだろう。
俺としては、現在非常に取り込み中なので遠慮願いたい。
さてどうしたものか…
俺は情けない事に、軽度の記憶喪失かつ、車椅子生活である。
記憶喪失の方は、昨日の昼から夜までの時間が何故か失われているのだ。
確か、食事と挨拶の為に食堂へ向かったハズ、なのだが……
何となく、思い出さない方が良いというか、思い出したくない様な気もする。
体の方は他の手を考えつかなかったとは言え、火星での無茶が両手足の骨折という結果を出した、という訳だが。
しかし、車椅子だろうと何だろうと関係なく下の処理をしなければいけないし、体を洗わなければならない。
2・3日体を洗わないでも問題はないと思うのだが、それでも
ルリやラピスと一緒に生活している俺が汚いままという訳にもいかない。
体を拭くぐらいはやっておかなければ…
しかし、この状態の俺が自分で体を拭くというのは、もはや曲芸の領域に達している。
22世紀の医学を持ってすれば治るとはいえ、2・3日でどうにかなるわけもない。
トイレにしろ木連式の体術を使ってどうにかトイレに座るまで2〜3分を要する。
服を脱ぐにも同様の努力が必要であった。
清拭もまた手足を使わずに行わねばならないため、
オモイカネに指示を出してマニュピレーターを動かすことでどうにか体を拭いているのが現状だ。
ルリやラピスは自分達を頼るようにと言っていたが、老人でもあるまいに、恥ずかし過ぎる…
俺は断固として拒否していた。
それはまあいいのだが…今ユリカの”恥ずかしいから一撃を持って排除する攻撃”を食らえば死にかねない(汗)
だから、何とかしなければならなかった…
ルリは明日香への報告に出てもらっているが、幸い今日はラピスが部屋にいる。ちょっと頼んでみるか?
「ラピス、すまんが出てくれないか?」
「え?」
俺の真横から声がする、普段なら気配を察知すればいいだが、今はどうにも上手くいかない。
そんな事はいいのだが、なぜ配置完了といった感じで佇んでいるのか…(汗)
「ラピス…?」
「えっと…補助が必要かなって…」
「心配してくれるのはありがたいが、オモイカネだけで十分だ、それに女性が男の裸をまじまじ見てはだめだぞ?」
「ちぇ…」
「…いいから、ユリカへの応対をしてくれ、マスターキーで入って来られてはたまらん」
ラピスはすごすご引き下がっていく…好奇心旺盛なのはいいんだが…
乙女の恥じらいとか、そういったものはまだあまり持っていないらしい…
…そういえば、恥らうような線の細い女性って…この船にいたっけ?(汗)
いや、そもそも俺の知り合いに俺の裸を見て恥らって部屋を飛び出すとか、そういった“古典的な乙女”は居なかった気が…
…俺、意外に恵まれてない…?(汗)
かつて在った未来、アクアに騙されて一服盛られたのもその辺に起因しているんだろうが…まあそれもいいか。
『終わりました』
「ん、ありがとうオモイカネ」
『いえ、乗員の健康管理も私の仕事です』
「そう言ってもらうと助かるよ」
『私も地球圏まで戻してもらった事は感謝しています。
私に死という概念はありませんが、それでも、消滅に対する恐怖だけは存在しますので』
「あれは、アイちゃんのおかげさ…」
『はい、アイさんには既に伝えました。その時は、感謝は貴方にするようにと言われたのです』
「…そうか」
『それでは、失礼します』
「ああ、ではな」
アイちゃんが…良く分からないが、何故そんな事を?
まあ、それよりも今は…ドアの向こうの難局をどう切り抜けるか、だ。
防音のハズのドア越しに、なぜかラピスとユリカの言い争いが聞こえてくる…
ユリカもラピスと同レベルで張り合っているというのは、大人としてどうかとは思うが、
ユリカも基本的に一芸天才型なのだろう。その一芸以外に欠点を持つのも仕方がない。むしろ、
どこかに欠点があってこそ人間なんだろう。
それは解っている、分かってはいるが…常識ってなんだろう…(汗)
…いや、俺もあんまり人のことは言えないか。
さて、そろそろ俺が行かないと不味いな。
俺は服をどうにか直すと、体術を駆使して芋虫のように車椅子に乗り込んだ。
「最近はこの技も板についてきたなぁ…(汗)」
ともがら
<輩>木連式の体術の系統でも特殊な方面に属する体術で縄抜けの一種なのだが、
何というか、端から見ればただの芋虫移動というのが正解だろう…
歯でバランスをとったりとかバカらしい訓練だったが、やっといてよかった…(泣)
まあ、格好悪くも車椅子に乗り扉の前に行く…
そこでは、本当にどうしようもなさそうな会話が繰り広げられていた…
『アキトは私を好きだから、看病は私の仕事です!』
『違う、それは私の仕事。私はアキトと一心同体だから』
『一心同体って…ラピスちゃん…』
『つながっていない人には分からない。アキトと私には絆があるの』
『一心同体…つながる…』
車椅子で移動しながら俺は滝のように汗が噴出すのを感じた…
間に合うか…いや、もう駄目かな…
悲壮な決意で扉を開ける。
「ユリカ待たせたな、一体どんな用だ?」
「アキト!」
「何かな…」
「そりゃあアキトだって若いんだもん、結婚前に冒険したい気持ちは分かります。でも、そんなに若い娘は駄目!」
「…(汗)」
いや、若くなければいいんかい! ってまあ、その辺は兎も角。(どうせ勢いで言ってるんだろうし…)
この状況で話を聞いて貰えるようになるには、ちょっと時間がかかりそうだ…(汗)
「ユリカ…あのな…」
「それに、遊びは相手の人にも失礼に当たるんですよ! ぷんぷん!」
「アキトは遊びなんかしない、私はアキトと一緒にいる存在だから分かる」
「ラピス、頼むから話をややこしくしないでくれ」
「私はうそは言ってない、全部本当の事」
「いや、本当とかうそとかじゃなくてだな…」
「えっ…本当にラピスちゃんと…その…」
「違う! 違う!!」
ああ…話の収集がつかなくなる…
一体どうすればいいんだ!?
そうこうしているうちに、ユリカは目を潤ませ始めている。
俺は思い切って話を進める事にした。
「ラピス、すまないが部屋に戻って支度を始めておいてくれるか?」
「え?」
「出港まで時間もないだろう、早めにやっておくに越した事はない」
「あっ、うん」
「頼んだぞ?」
「わかった」
ラピスは部屋に戻っていく、本来は俺も手伝わなければいけないのだが、
俺自身が手足もまともに動かせない状況にあるため、ラピスやルリに任せるしかないわけである。
さすがにアイちゃんに手伝わせるのは気が引けた(汗)
もっとも、イネスさんの記憶を持っているらしいので、色々その年齢の少女とは違うのだろうが…
ルリは自分の荷造りと俺の荷物の整理を既に済ませてくれている。
ラピスに頼むのはラピス本人の支度と、俺の荷物の移動だ。まあ重い荷物は持ってきていないから大丈夫だろう。
そして、ラピスが部屋に戻った事を確認してから、まだ目を潤ませているユリカに向き直る。
「ユリカ、一つ言わなければいけない事がある」
「え?」
「俺達はサツキミドリ二号コロニーでナデシコを降りる」
「なんで? 私のためにずっとついてくれるんじゃないの?」
「ユリカ、お前のそういうストレートな所は気に入っている。だが、よく考えてみて欲しい…」
「…」
「俺は元々ナデシコの火星行きに便乗しただけの、明日香インダストリー社員だ。
目的が果たされればここにいる必要はないだろう?」
「でっ、でも…」
「ユリカ、お前と話しているとつい忘れがちだが、お前は本当は連合大学でも戦術は無敗だったそうだな?」
「うっ、うん」
「なら人の心理の動きを読むのはお手の物のはずじゃないのか?」
「うん、でも…そういう事をするのって気が引けるんだよ。だって、心を覗いてるようなものだもん」
「確かに、そういった部分はあるかもな。しかし、これだけは分かってくれ。俺は俺自身の考えに従って動いている。
戦争を終わらせるために、そして再度また戦争を勃こさせないようにするために…」
「どうして、そんな確信がもてるの? 誰も木星トカゲの目的も分からないんだよ?」
「俺は知っている。なぜとは聞かないでくれ、状況によっては知っているだけでも命を狙われかねない」
ユリカは俺の言葉を聞いて一度うつむく、そして顔を上げた時には何か決意したような表情になっていた。
そして、俺に向かって挑戦的に言い放つ。
「なら、私も明日香インダストリーに行きます!」
「…駄目だ」
「どうして?」
「お前が居なくなったらナデシコはどうなる?」
「艦長なんてお飾りだもん、他の人に任せても大丈夫だよ」
「確かに、火星に行くまでならそうだったろう。しかし、今でもそう思うか?」
「…ずるい。それを言うんだったらこの船はアキトに頼りっぱなしなんだよ? アキトが居なくなったらやっていけないよ!」
「それを含めてだ、俺が居たら彼らの成長の妨げになってしまう」
「…」
「ユリカなら分るんじゃないか? 彼らだって一流なんだ。俺が居なければそれだけ努力して実力をつけるはず」
「分ってるよ、みんな強くなれる。でも、みんな民間人なんだよ。アキトも含めて…なんでそんなに強くならなきゃいけないの?」
「戦争を終わらせる為だ」
「戦争、戦争って…アキトはナデシコに乗ってからそればっかり!
何でそんなに頑張ろうとするの?
私達軍人じゃないんだよ?
アキトだって、本当はコックがやりたいんでしょ?
だったらッ!
だったらここにいれば…ナデシコに居ればそれも叶うんだよ?
どうして出て行こうとするの?」
「すまない、それは言えない…
言えば、俺自身、この世界に居場所が無くなる…
俺はそれだけの事を過去にした、その償いをしたいんだ。
いや、させて欲しいと思っている…
その為なら何でもやるつもりだ、それはきれい事ばかりでは行かないだろう。
正義とか悪とか、そんなもので割り切れるほど世の中は簡単じゃないからな…
だが、それが俺自身の我侭だとしても、戦争は終わらせて見せる。
それが、俺の選んだ道だ…」
俺とユリカの間に重い沈黙が落ちた。
俺が秘密を持っていることはユリカも知っているだろう。それでも一緒にいてくれたのは嬉しい。だが、しかしだ。
そもそも、天然のハイテンションでボケまくるのも、恋愛沙汰が殆ど。本来のユリカは、優秀な指揮官だ。
それを考えると、むしろ俺がいない方が全力で戦えるだろう。
ユリカ以外にも、ナデシコの戦力と今後の成長性を含めてみれば…ナデシコは俺が抜けたほうが強くなる可能性すらある。
だが、目の前で潤むユリカの目を見ていると考えが揺らぎそうになる…
しかし、俺は戦争を終わらせるための次の手を打たなければ…
決意を固め、ユリカの目を見返す。
すると…
「うん、わかった。アキトが考える事だもん、最終的には私達のためになる事だよね?」
「ああ、そのつもりだ」
「じゃあ…艦長として、テンカワ・アキト以下5名の退艦を許可します」
「5名か…よく分ったな?」
「ルリちゃんは今も勤務中だし。そういう様子無かったし、ね?」
「気を遣わせてすまない」
「うんうん、でもまた会えるよね?」
「ああ、必ず」
「じゃあ、ユリカまだ仕事残ってるんだ! ジュン君に叱られないうちに戻っておくね」
そういってユリカは不器用なウインクをする。
まだ涙目なのは仕方ないのかも知れない。
むしろ、それだけ想ってもらえている事は嬉しい。
ユリカは、とぼとぼとでも表現するしかない足取りで俺から離れていく…
俺は思わず声をかけそうになったが、頭を振って思い止まる。
俺はここに、ナデシコに居続ける事はできないのだ…
なぜなら、月面奪還作戦がまだ終わっていない以上、可能性として木星兵器の強化が早まっている可能性がある。
それだけではない、フウジンとリュウジン――アレがもし量産される事になれば戦況は一変す
る。
コスト的にジンシリーズは40m級ロボットとしてのコストが必要だが、
アレなら12m級…つまりは、質量的に見れば30分の一以下のコストで作る事が出来るわけだ。
それも、戦闘力的には引けを取らないのだから、生産スピードを度外視すれば30倍の戦力を得られる可能性があると言う事。
恐らくそこまでの生産スピードは無い筈だが、以前ほどエステバリス有利で進めることはできないだろう。
そして、遺跡演算ユニットの行方も気になるところだ。
クリムゾンにある可能性が高いとは言ったが、実際の所どこにあるかは全く不明。
それも、未来の知識を持つ人間に渡っている可能性が高い。
ボソンジャンプによる拠点制圧などと言う事がおこらねばいいのだが…
これらの事象に対抗するためには、地球勢力がバラバラに動いていたのでは間に合わない。
現状では連合宇宙軍すら連携が取れているとは言い難い。
山積する問題に頭が痛くなりそうだった。
「ふう、情報が錯綜しすぎているのが問題だな…ハッキングで全ての敵を止めるというのも、現状ではもう無理だろうな…」
ナデシコCの設計図はまだある。しかしルリとナデシコCが揃っていても、恐らく対策が採られていると考えるべきだろう。
それでも、ナデシコCは役に立つだろうが…
いくら頑張っても、あのシステムがまともに動くようになるまでには、あと一年かかるはず…
他にも気になることはある。
ネオス…それに例のロストナンバー達。
アレは――嫌な言い方ではあるが――共
通の思想に基づいて作製されている可能性が高い。
今のところIFS強化体質者の粗いコピー品という感じしか受けないが、
ロストナンバーが居るのなら“ロットナンバー”も居る筈…
最終目的は何なのか? それに、アメジストとの関係は? 分からない事だらけだ。
そして、オメガの言っていた事…恐らくは何か仕掛けが残っている筈…
どこからでも危機に陥る要素はある。
フウジン、リュウジンの出来次第ではホクシン達が早々に動き出す可能性すらある。
それらを一つ一つ潰していたのでは間に合わないかも知れない…
俺は…一体どうすればいいのか、手詰まりの感は否めないところだった。
「アキト荷造り終わったよ?」
「そうか、ありがとうラピスじゃあそろそろ行くとしよう」
ラピスが荷物を車椅子の後ろに結びつけたのを確認してから車椅子を自動で動かす。
ナデシコを降りる、自分からこの選択をする日が来るとは…
いや、むしろもう二度と乗る事は無いと考えていたナデシコに乗れただけでも良かったと思うべきか。
この先の不安はある、だが俺にできる事はまだある筈だ。
自分をそう励ましながら、俺はナデシコを降りた。
次回予告
ナデシコ地球圏到達により、ナデシコを降りる事になったアキト一行。
明日香インダストリーに帰り着いたアキトは、熱烈な歓迎と共に現状を知る。
更に過酷な地へと向かわんとするアキトに告げられる任務とは?
最近、次回予告に力が入っていないと評判の黒い鳩がお届けするびみょ〜なお話!
次回 機動戦艦ナデシコ〜光と闇に祝福を〜
「いつもの『自分』に休息を」をみんなで見よう!
あとがき
最近また書くの御遅れ気味な黒い鳩です!(爆)
今回も前回に引き続き場面転換の準備期間でした(汗)
次回もちょっとそんな感じかな…
でも、次回からはある意味新シリーズです!(笑)
規模的には「『メイドさん』はいかが?」とほぼ同規模になる予定。
盛り上がるかは、気分次第!(爆)
私のSSは中だるみを起こしやすいので人気が今一なのは知っていますが、
基本的に嫌いな物があるんです。
それは、話数に縛られて話をこじんまりとした物にしてしまう事です。
小説やマンガ、ゲーム等がアニメ化した時、良くなる事も多いです。
コナンとか昔のドラゴンボール等の様に元の話より大きくなる場合もあります。
しかし、予算がなければ、話数が13話とかになったりします。
元の話の規模が小さければそれでも良いのですが、元の話が長編であった場合。
アニメ化してつまらなくなる事も多いです。
個人的にアニメ化した際に規模縮小された話は見ていて情け無いです。
火魅○伝とか、リアルバ○トハイスクー○とかは、特にそう感じました。
元が好きだっただけに規模の縮小でつまらなくなるという現象が悲しいです。
この作品はそういった物への反発も兼ねている為特別長い事はお許しください。
いや、熱く語ってしまって申し訳ありませんでした(汗)
はぁ…気の抜ける人ですね、それだけの気合があるなら、もっと連続で出せば
いいでしょうに。
一体何話必要だと思うんです? この話…!!
そうだね〜少なく見積もっても、二つ大きな山場があるから、そこに行くまでの話や小山なんかを合わせると…
150〜200話?
完結
させる気あるんですか!!? 今のペースだと10年かかりますよ!
うっ…分ってはいるんだけどね…十年か…長いね…(汗)
その頃にはナデシコを覚えている人なんて居ないかも(滝汗)
Riverside
Hole管理人グラニットさんがアレだけのペースで書いてまだ終わらないんです!
貴方に同じ事が出来ますか!?
無理です(汗)
でも、10年後でも完結できればいいかな…
やる気ゼロですね…脇役好きさんも今回は凄く頑張ってくれたのに…
そうだね、今回は色々してくれたんで助かっちゃったよ。
特にホウメイさんのお話は差し込んでくださったからね〜
殆ど脇役好きさんオリジナルだよ!
駄作家と比べて100倍面白いですから
誰でも気付きますよ。
ぐぁ!?
言い返せない…(汗)
WEB拍手ありがとう御座います。
作品に対する拍手はとても嬉しく思っております。
本当に申し訳ありません10月8日正午から本日11月15日正午までのWEB拍手を保存し忘れていました(汗)
多数感想や励ましのお言葉等頂きましたことありがたく思っております。
次回こそきっちり保存しておかねばと思っております。
申し訳ありません。
押していただけると嬉しいです♪
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