オールライダー対大ショッカー
大ショッカー本部。
「…来たか…」
ジャーク将軍が倒され、ディロード達がこちらへむかっていることに勘付いた地獄大使と死神博士。ことがことだけに、酒を飲むのを中断する。
「大ショッカー大幹部・地獄大使。してその実体は!」
地獄大使はコップの酒を口に含むと、
「が〜らがらがらがらがらがらがら、そーれ!ガラガランダー!」
うがいをしてガラガラ蛇の怪人、ガラガランダーとなる。
「怪人造りの名人死神博士。その最高傑作は、この私自身…!」
死神博士はある物を持つ。
「イカで、ビール!」
死神博士の眼が赤く光ると、イカの怪人・イカデビルとなる。
『イカデビール!』
どっちもギャグセンスの欠けた変身の仕方である。
*****
一方、ディロード達は大ショッカー本部を目指して歩いていた。
本部の塔が見える所にまで来ると、そこには随分と濃い霧がある。
霧が晴れると、そこにはガラガランダーとイカデビルが率いる怪人&戦闘員、合計三百体以上。
「夏海……退いてろ」
ディケイドに促され、夏海は戦闘域外に避難。
『ここから先は通さん』
『ゲソー!』
「よし、いくか?」
「…行くぞ!」
「「「応!」」」
五人のライダーは三百を越える怪人軍団に突撃する。
『やれ!』
ガラガランダーの命令で、怪人達も前進する。
5対300という、一見無謀の典型ともいえる戦い。
幾らスペックの高い五人のライダーといえど、これら全てを倒すのはかなり草臥(くたび)れる話。
一体ずつ相手にすれば、別の敵が後ろや横からせめてくる。
複数の敵を相手にすれば必ず隙が生じて、反撃を許す。
どちらにしてもジレンマな戦い。
さらにはそこでイカデビルとガラガランダーが味方すらも巻き添えにして、鞭を伸ばしてディロード達を攻撃する。
「このままではディケイド達が…!」
夏海はこの状況に危機感を覚える。
しかしそこで、ディロード達の後方に巨大な次元の壁が出現する。
――ブウゥゥゥゥゥーーーーーン!!――
そこから聞こえるバイクのエンジン音。
その発音源は1号・2号の乗った新サイクロン号と、V3の載乗るハリケーン。
そして、アルティメットクウガの跨るビートゴウラム。
4人が壁から抜け出た直後、続いて次元の壁がら現れるのは、これまで廻と士が出逢った主役級の仮面ライダー達。
昭和の仮面ライダー
1号、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ZX、BLACK、BLACK RX、シン、ZO。
平成の仮面ライダー
アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ。
最強形態の仮面ライダー
アルティメットクウガ、シャイニングアギト、龍騎サバイブ、ブラスターファイズ、キングブレイド、装甲響鬼、ハイパーカブト、ライナー電王、エンペラーキバ。
オリジナルの仮面ライダー
テンガ、クレスト、サタン、輝鬼、グライズ、リュ−ド、龍焔、刻王、シャイン。
ディロード、ディケイド、ディエンド、ディガイド、ディルードを含めれば、総勢45人もの仮面ライダーが揃ったのだ。
現れたライダー達は5人と肩を並べて揃い立つ。
『貴様等は死んだのではなかったのか!?』
「ライダーの力が必要とされる限り、俺達は不死身だ!」
「そしてライダーがいる限り、大ショッカーの野望は遂げさせん!」
ガラガランダーに対して、1号・2号のゴールデンコンビたるダブルライダーが堂々と答える。
300の敵を眼前にしても全く持って動じることのない仮面ライダー。
今まで潜りぬけてきた場数による経験値故か、あるいは仲間を信じているのか。
どちらであろうとも、両方であろうとも、今この場において仮面ライダー達の考えることは一つ。
大ショッカーを打ち滅ぼすこと!
「「「「「「「「「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ハアアアアアァァァァァァァ!!!!」」」」」」」」」
「「「「「「「「「オラアアアァァァァァ!!!!」」」」」」」」」
緊迫した空気をブチ破り、ライダー達は駆ける。
戦闘員達がミサイルとなって特攻し、すぐそばで爆発しようとも、知ったことかと言わん勢いだ。
ミサイルとなって特攻してくる戦闘員が一ヶ所に集中し、濃い爆炎ができると、そこから高く高く跳躍する1号、2号、V3、スカイライダー、キバ、テンガ、グライズ、シャイニングアギト。
「「ライダァーキーック!!」」
「V3キーック!」
「スカーイキーック!」
「ハァッ!」
「「オリャアァ!」」
「ハアァーーッ!!」
8人の出だしに置ける攻撃で十数体の怪人が撃破される。
すると、戦いは敵味方入り乱れての激しいものになる。
1号と2号は長年に渡ってきた修羅場で培った戦いの感。
そしてゴールデンコンビとしての見事なコンビネーションで敵軍に立ち向かう。
カブトはライダーフォーム特有の俊敏さで敵を翻弄しつつ小刻みに戦う。
グライズはアンカージャッキの装備された左脚と右腕で敵を蹴撃と拳撃で攻撃する。
BLACK RXはリボルケインで敵を斬り倒し、突き技を冴え渡らせる。
シャイニングアギトは光輝の双剣・シャイニングカリバーで次々と怪人を切り捨てる。
「俺、参……邪魔すんなこの野郎!」
電王は周りの戦闘員を斬り、名乗りポーズをとろうとするも、自分の真正面にいる戦闘員を蹴り飛ばして再びポーズをとる。
「俺、参上!…カッコいいな俺!」
なんだか少し自分に酔い痴れる電王。
「行くぜ行くぜ行くぜェーーー!!」
デンガッシャー・ソードモードを不良が振り回す鉄パイプのように扱い、敵に突っ込んでいく。
「お、なら俺もだ。”只今、推参!”…決まったなオイ」
刻王は電王の勢いに便乗しての決め台詞。
コクガッシャー・ハンマーモードの重たい一撃を一体一体にあてていく。
「トオォーー!」
「ハアァーー!」
スーパー1は赤心少林拳。
装甲響鬼は鍛え上げた肉体と装甲声刃を武器に戦う。
「梅花の型!」
「鬼神覚声…!」
≪SWORD VENT≫
≪STRIKE VENT≫
龍騎と龍焔はドラグセイバーとフレイムクローを召喚。
龍騎がドラグセイバーの龍舞斬で一ヶ所に集めた敵を、龍焔のフレイムクローファイヤーで焼き払う。
「「ッシャ!!」」
ディケイドはライドブッカー・ソードモードを振るい、ディロードはライドセイバーとコールドライバーで、他のライダー達にも劣らぬ動きを見せる。
――ザシュ!ズギュン!――
「ッリャァー!」
「ウラァァ!」
丘の上にいるキバはスピーディな動きで敵を下に落としていき、シャインはザンバットブレードで斬り付けたり魔皇力を飛ばして攻撃する。
「ハァーッ!」
「セイヤーー!!」
ファイズは癖の無いマルチな性能を活かし、身軽な動きで敵を翻弄。
そしてパワーに秀でたサタンがそれらを捻り潰す。
「ヤァーー!」
「オラァッ!」
「ウェェーーイ!!」
「タアァァァ!!」
ブレイドとサタンは武器の鋭い切れ味を活かして怪人達を斬り倒していく。
≪SLASH≫
≪THUNDER≫
≪MACH≫
≪LIGHTNING FLASH≫
ブレイドのオリジナル技、神速のスピードで全てを切り裂くライトニングフラッシュ。
≪EXTREME SHOT≫
クレストもエクストリームショットを発動。
「「ワァーーオ!!」」
アマゾンとリュ−ドは野獣の動きで敵軍のなかを蹂躙する。
「ケケーーー!!」
「ウオォァァァ!!」
「トォーーーッ!」
≪FAIZ BLASTER・TAKE OFF≫
スカイライダーとブラスターファイズは空を飛び、地上にいる敵を攻撃。
地上におりると、スカイライダーはイナゴを模して改造された身体能力を活かした格闘戦。
≪FAIZ BLASTER・DISCHARGE≫
ブラスターファイズは飛行の際にも使っていた背中のマルチユニットを肩に背負うブラッディ・キャノンに変形させて砲撃する。
別の丘にいるZXとアギト。
格闘戦に有利なパワーとフォームをしている彼等は大抵の敵には卒なく対応できた。
その後方ではテンガとエンペラーキバが強烈な脚力で怪人群に蹴り技を喰らわせる。
≪SHOOT VENT≫
「行っくぜェーー!!」
龍騎サバイブはドラグバイザーツバイを構え、怪人共の密集している場所にメテオバレットでの集中砲火。
近くにいるV3も”力と技”を自在に駆使しての肉弾戦を繰り広げる。
――ボガッ!ボガッ!ボガンッ!!――
「ハアァーーーァ!ハッ!!」
「オォーーー!!」
響鬼は音撃棒・烈火による烈火弾。
輝鬼は音撃弦・爆雷と音撃管・爆風による雷属性の斬撃と風属性の弾丸を放つ。
BLACKは迷いも戸惑いもない、真っ直ぐな拳で怪人達を殴り倒す。
シンは乱雑ながらも隙のない動きで戦う。
ライダーマンは他のライダーに比べ、スペックは劣るためか、戦闘員をおもな相手として戦う。
「エレクトロファイヤー!!」
「ハイパークロックアップ」
≪HYPER CLOCKUP≫
ストロンガーとハイパーカブトは、スロトンガーの電気攻撃によってダメージを負った者やギリギリで避けた者をハイパーカブトが超々高速移動で倒す。
ZOは高い身体能力、Xはライドルスティックによる棒術、キンブブレイドは重醒剣キングラウザーによる剣術、ライナー電王はデンカメンソードをターンさせてダンスの動き。
「ライドル!脳天割りィー!!」
「ライダー返し!」
≪STRAIGHT FLUSH≫
≪RYU GUN≫
*****
ライダー達の活躍で怪人達も三分の一くらいにまで減った。
ディガイド、ディルード、シャイニングアギト、龍騎サバイブ、ブラスターファイズ、キングブレイド、装甲響鬼、ハイパーカブト、ライナー電王、エンペラーキバは目の前にいる約五十体の敵に対してある秘策を慣行する。
≪≪FINAL FORMRIDE≫≫
ディロードから借り受けたカード。
「少しチクッとするわよ」
「失礼するよ」
≪FA・FA・FA・FAIZ≫
≪B・B・B・BLADE≫
≪HI・HI・HI・HIBIKI≫
≪KA・KA・KA・KABUTO≫
≪KI・KI・KI・KIVA≫
ブラスターファイズ⇒ブラスター・ブラスターとなり、ディガイドへ。
キングブレイド⇒キングブレードとなりディルードへ。
装甲響鬼⇒セイバーアームドとなり、シャイニングアギトへ。
ハイパーカブト⇒ハイパーパーフェクトゼクターとなり、龍騎サバイブへ。
エンペラーキバ⇒エンペラーボウガンとなり、ライナー電王へ。
「それじゃあ、いっくわよォ!」
ディガイドの号令に五人同時は武器を構える。
「「「「「クインテットファイナルアタック!!!!!」」」」」
12人の力で奏でられた五重奏は、見事五十体の怪人を跡形もなく消滅させた。
*****
ガラガランダーと戦う1号、2号、BLACK RX、カブト、アルティメットクウガ。
ガラガランダーは鞭を伸ばして攻撃するも、リボルケインでそれを切りながら進むBLACK RXと横から攻撃を掻い潜ったカブトはクナイガンを持ち、切先をガラガランダーに突き刺すと、直ぐに離れる。
「行くぞ!」
「応!」
1号の呼び掛けに2号は答え、アルティメットクウガが頷いてファイティングポーズをとる。
「「「トオーッ!!」」」
ライダージャンプ、そして!
「「「ライダァーー!トリプルキィーーーック!!!!」」」
――ドガアアアァァァァァン!!――
ライダートリプルキックにより、ガラガランダーはかなり遠くへ吹っ飛ばされた。
フラフラと立ち上がったガラガランダーは地獄大使の幻影と重なり、叫ぶ。
『偉大なる大ショッカー…!大バンザーーーーーイ!!』
――ボガアアアァァァァァン!!!!――
*****
『おのれ仮面ライダー…!』
イカデビルを囲むディロード、ディケイド、ディエンド、ファイズ、ブレイド、電王、キバ、クレスト、サタン、輝鬼、リュード、刻王。
『イカ爆弾!』
イカデビルは周囲に爆発物質に混じったイカ墨を吐く。
しかしディエンドとディロードの銃撃を喰らってしまい、その隙にブレイド・電王・クレスト・輝鬼・ディケイドが立て続けに斬撃を浴びせる。
だがここでイカデビルを護るように多くの怪人がでばってくる。
ディケイドライダーズ以外の仮面ライダーは怪人達と戦いを開始する。
しかしそこで、
「ちょっと、くすぐったいぞ」
「堪えろよ」
≪FINAL FORMRIDE…DE・DE・DE・DEN-O≫
≪FINAL FORMRIDE…SA・SA・SA・SATAN≫
≪FINAL FORMRIDE…RYU・RYU・RYU・RYUDO≫
電王はモモタロスに、サタンはロードオルフェノクに、リュ−ドはリュ−ドアギトになる。
「痛ってー!テメー等、何気にやってるけど結構痛ェんだぞこれ!」
「マジ勘弁してくれよ!」
「お前等もFFRしてみろ、きっと俺達の心境が痛い程解るぞ」
三人の文句に耳を貸すことなく、カードを取り出す。
「「「…無視かよ…」」」
「痛みは一瞬だ」
≪≪≪FINAL FORMRIDE≫≫≫
≪FA・FA・FA・FAIZ≫
≪B・B・B・BLADE≫
≪KI・KI・KI・KIVA≫
≪C・C・C・CREST≫
≪KA・KA・KA・KAGAYAKI≫
≪KO・KO・KO・KOKU-O≫
六人はFFR形態となる。
ファイズブラスターはディケイド、ブレイドブレードはディエンド、キバアローはモモタロス、クレストデスサイズはロードオルフェノク、カガヤキオンサはディロード、コクオウセイバーはリュードアギトの手中に収まる。
「必殺!俺達の必殺技…!」
モモタロスがキバアローの弓を引くと、他のメンバーも構えをとる。
「超ファイナルバージョン!!」
一斉に放たれたFARは取り巻きの怪人は勿論のこと、イカデビルにも大ダメージである。
イカデビルはズタボロで身体中からはスパークが走りながらも、死神博士の幻影が重なりこう述べる。
『…また会おう…』
スルメをもった手をふりながらそういった。
『イカーーーッ!!』
――ドガアァァァァァーーーーーン!!!!――
イカデビルが大爆発を起こすと、六人は武器を放し、其々本来の姿に戻る。
そして、彼等があらわれると、皆は視線を注目させる。
そこにはライジングアルティメットクウガ・ダークアイと創世王がいた。
両拳とサタンブレイダーに禍々しい邪気を纏わせ、暗黒掌波動とグーロブアースドギルティーが放たれる。
「「「「「「「「「「「「うわあああぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」」」」」」」」
吹っ飛ばされたライダー達。
ディケイドとディロードにいたっては変身が解除される始末。
クウガと創世王は廻と士に歩みよる。
『お兄ちゃん、なんで戻って来た?小夜は、月影さん達と楽しく暮らしてるのに…』
クウガを通して小夜が語る。
「そうやって何時までも、餌を運んできてもらうつもりか?」
『それが本当の、優しさというものだ』
シャドームーンが話に割ってはいる。
「違う!お前が小夜を巣に閉じ込めていただけだ。…かつての俺と同じだ」
十年前から始まる過ちを、士は認めた。
「俺は本当はこういうべきだったんだ。……小夜、お前は飛べる。自分の翼で巣から飛び立つことができるんだ」
『…無理だよ。小夜は飛べない…』
「俺と一緒なら、飛べる…!」
『いいえ、飛べません。だから邪魔な世界など全て消し去ってしまえばいいのです!…その、地の石を使って』
クウガは士に殴りかかる。
「…大丈夫だ。今度は俺が傍にいる」
『………』
『さあ、世界を消し去るのです』
一方、廻と創世王は…。
「信彦、好い加減…眼を醒ましたらどうだ?」
『無駄だ。今のコイツに届く言葉は皆無』
創世王を通してツカサが話す。
「お前は俺達と共に旅路を歩み、故郷を光太郎と十人ライダーに任せた時、こう誓った。
”犯した罪が消えないのなら、一生背負いながら…戦って生きていく”そう誓っただろ…!」
『喧しい奴め……ヤレッ!』
ツカサの命令で創世王は廻の首を締める。
「信彦……お前の信念は、こんなことで、揺らぐような…安物か?」
その時、創世王がサタンブレイダーで廻の胸を貫こうとしたとき、廻は思わず目を閉じた。
だが、何秒経っても刃が己を貫く感じがこない。それどころか、締められていた首も楽になっている。
疑問に感じて恐る恐る眼を開けると、
「………ッ!!」
なんと創世王はサタンブレイダーの刃を握り、廻への一撃を自分から止めた。
「廻……俺、は…」
『ば、バカな!喋るだけの自我など、コイツには…!?』
ツカサがパニクっている間に、創世王の身体から波動(オーラ)が立ち込め、全てが祓われると信彦の姿に戻る。
向こうにいるクウガもユウスケにもどっていた。
「地の石が、破壊されたのか…(まさか、士の妹が…?)」
*****
大ショッカー本部の玉座では、小夜によって床に叩きつけられて粉々になった地の石を恨めしそうにみるシャドームーンとツカサ。
『お〜の〜れ〜…!!』
≪DARK KAMENRIDE…DECADE≫
*****
「信彦、大丈夫か?」
「あ、あぁ。だけど、僕達は一体?」
――ガシャン、ガシャン、ガシャン――
そこへ丘の上にシャドームーンとダークディケイドが現れる。
シャドームーンはベルトのシャドーチャージャーに埋まるキングストーン・月の石を鈍く光らせ、ダークディケイドはカードをとり出す。
「「危ないッ!」」
『ハッ!』
≪ATTACK RIDE…BLAST≫
ユウスケと信彦が駆け寄った瞬間、シャドームーンは掌よりシャドービーム。
ダークディケイドはダークライドブッカー・ガンモードよりダークディケイドブラストを乱発。
しかし、間一髪のところで避けた四人は丘の上からおりたシャドームーンとダークディケイドを真っ直ぐ見据え、変身ベルトを装着。
そして、構えた。
「「「「変身ッ!!」」」」
≪KAMEN RIDE…DEROAD≫
≪KAMEN RIDE…DECADE≫
ディロードとディケイド。
ライジングアルティメットクウガ・レッドアイ、SHADOW RXへと変身する。
『この役立たずが…!』
「…滅べ…」
ダークディケイドとシャドームーンは呪詛のように呟いた。
ディケイドとクウガはシャドームーンと対峙し、ディロードとSHADOW RXはダークディケイドと対峙する。
≪KAMEN RIDE…MUGA≫
ダークディケイドは虚無を司る自我無きダークライダー、ムガとなる。
≪ATTACK RIDE…EXTRA BLAST≫
ディロードは速攻を仕掛けるも、Dムガはクウガ・アメイジングマイティに及ぶ戦闘能力で銃撃を避け、避けきれなかった分はチョップで弾く。
「シャインブレイズ!」
SHADOW RXは双剣で斬りかかる。
≪FORM RIDE…MUGA WRATH≫
白色の生体装甲は真紅へと染まった。憤怒を司るラースフォームになったのだ。
ラースフォームになったDムガはその辺にあった棒切れを拾い、大剣・ラースセイバーに変形させてシャインブレイズに対抗。
「脇が甘いぜ」
≪ATTACK RIDE…EXTRA SLASH≫
ディロードは斬撃をDムガに喰らわせる。
しかし、腕力と耐久力に優れたラースフォームの身体に大した傷は負わせられない。
≪FORM RIDE…MUGA HATE≫
今度は真紅から金色に変化。憎悪を司るヘイトフォーム。
ラースセイバーを薙刀・ヘイトジャベリンに変化させる。
リーチの長さを活かし、二人のライダー相手に圧倒するDムガ。
≪FORM RIDE…MUGA GREED≫
そして、体色は青となる。強欲を司るグリードフォーム。
ヘイトジャベリンをレーザー銃・グリードシューターに変形させる。
――バンバンバンバンッ!!――
「「うおぉぉぉ!!」」
至近距離からの連射によって、ディロードとSHADOW RXは仰け反らされる。
向こうではシャドームーンに苦戦するディケイド達もこちらに投げ飛ばされてきた。
ダークディケイドはノーマルフォームに戻り、サタンサーベルを持ったシャドームーンと並び立つ。
「………ん?」
『どうかなさいましたか、大首領?』
ダークディケイドが向こうの地平線よりバイクを走らせる者らに気付くと、他の者も一斉に視線を動かす。
地平線からは、車体の前半分が黒で後ろ半分が緑といった奇抜な配色のバイクと、色はダークブロンズでカウル部分にEの文字を連想させるように三本の角がついたバイクを走らせる二人のライダーがいる。
二人のライダーは六人の眼前に悠然と登場する。
「アイツは…!?」
最も、ディロードはその内の一人をしっている。
「緑のライダー」
「白銀のライダー」
ディケイドとSHADOW RXから見たライダーの色は緑と白銀。
『黒の、ライダー…』
「紫のライダーだと?」
しかし、シャドームーンとダークディケイドから見たライダーの色は黒と紫。
「黒…?緑だろ」
「紫だと?白銀じゃないか」
ディケイドとSHADOW RXは自分の言い分を述べる。
「『「『どっちもだ』」』」
だが当の謎のライダー達は、両サイドの言葉が正しいと言う。
「俺の名は、仮面ライダーW」
「そして私の名は、仮面ライダーイーヴィル」
二人の左右非対称のライダーは自分の名前をつげると、バイクから降りて決め台詞を言った。
「『さあ、お前の罪を数えろ!』」
「『さあ、貴様の欲望を差し出せ…!』」
ダークディケイドとシャドームーンを指さすWとイーヴィル。
Wはシャドームーンを相手に選んで近づくと、シャドームーンはサタンサーベルで突きを行おうとするも、Wは手刀でそれを弾くと同時に回し蹴りを御見舞いする。
シャドームーンが怯んだ隙にWは変身ベルト・ダブルドライバーのライトスロットにあるメモリを取り外して別のメモリを取り出す。シャドームーンがサタンサーベルで攻撃する直後に立ち上がり、刃を掴む。
≪HEAT≫
熱き記憶のヒートメモリが叫び、ライトスロットに挿入。
≪HEAT/JOKER≫
閉じられたスロットをW字型に開くと、熱き切り札を表すボイスが轟き、Wの右半身は高熱を帯びた赤となる。
メモリの換装が完了すると、Wはシャドームーンに二度のパンチを喰らわせる。
≪METAL≫
シャドームーンが仰け反ると、Wは素早くメモリを換装。レフトスロットに挿入するのは、銀色で鋼鉄の記憶が刻まれたメタルメモリ。
≪HEAT/METAL≫
熱き闘士の記憶が叫び、Wの左半身が銀色になると、左サイドの背中に一本の棍棒・メタルシャフトが出現。Wがそれを手にとると、棍棒の先端部分が伸長する。
「ハアァーーー、ン!」
メタルシャフトを構えるWにサタンサーベルで襲い掛かるシャドームーン。
しかし、攻撃を見事防がれただけでなく、サタンサーベルを弾き飛ばされ、メタルシャフトの突きをまともに喰らい、宙にうかされると…。
「ハアァ!!」
――バシイィィィン!!!!――
『アァァァァァーーーーーーー!!!!グアッ!!』
Wはシャドームーンを攻撃力(パワー)の最も秀でたヒートメタルの状態でメタルシャフト使い、シャドームーンを全力で殴ることで大ショッカー本部の外壁に刻まれたエンブレムに打ッ飛ばした。
Wはそれを見て喜々とした雰囲気だ。
そのタイミングで、
『もういいだろ翔太郎?早く帰ろうよ…』
「んだよフィリップ!これからがイイとこなのによぉ…。お前、冷たいねー」
Wの右半身から別の人物の声が聞こえた。
Wはその人物の意見に不満を零すものの、
≪CYCLONE/JOKER≫
基本形態たる風の切り札、サイクロンジョーカーに戻ると、自慢のバイク・ハードボイルダーに跨って走っていった。
「仮面ライダー…W」
ディケイドは自分達を助けたライダーの名を呟く。
「ほほお、こいつか」
イーヴィルは品定めをするようにダークディケイドを見る。
(何者だ?このライダーは?)
ダークディケイドが大ショッカーの大首領といえども、全ての世界の細々とした詳細までしっているわけじゃない。体色が左右非対称のライダーなんて尚更だ。
「少し調教相手になってやる。貴様の尊厳が無くなるまで」
「黙れ…!」
≪ATTACK RIDE…ILLUSION≫
ドSな発言をしたイーヴィル。
それに憤慨してダークディケイドイリュージョンが発動される。
それに合わせてイーヴィルはライトスロットのメモリをチェンジする。
≪TRICK≫
≪TRICK/LEADER≫
イーヴィルはメモリチェンジを行い、右半身は灰色となった奇術の支配者・トリックリーダーにハーフチェンジ。
本体含めて三人に分身したダークディケイドに対抗して、三人の分身した。
すると分身二体がある能力(どうぐ)を使う。
「魔界777ッ能力…伐採前歯」
「魔界777ッ能力…花と悪夢」
分身二人の左手はそれぞれチェーンソーと花弁に変化すると、伐採前歯を発動した分身はチェーンソーで遠慮なく切り裂き、花と悪夢の分身は左手を相手に突き刺して巨大なラベンダーの花を開花させる。
≪BLASTER≫
ダークディケイドの分身を瞬殺すると、イーヴィルは自身の分身を消してレフトスロットに緑色のメモリを挿入。
≪TRICK/BLASTER≫
左半身が緑に染まり、奇術の砲撃手・トリックブラスターにハーフチェンジ。
「ハッ!」
イーヴィルはエネルギー銃。ブラスターキャノンを片手にダークディケイドを狙い撃つ。
無論、ダークディケイドもガンモードで対応するも、トリックバーストの弾丸が追尾性と分裂性を併せ持つので、幾ら撃ってもイーヴィルが引き金を引く限り区切りがつかないのだ。
「チクショー!こうなれば…!!」
≪ATTACK RIDE…INVISIBLE≫
インビジブルの力で姿を暗ました。
イーヴィルはそこら辺をみわたすも、もうこの辺りには居ないようだ。
「……まあいい。我が魂を飢えと渇きを癒す『欲望』を探し求めるとしよう、リインフォースよ」
『えぇ、ゼロ。管理局からの依頼も待たせていますしね』
Wの時と同様、右半身から声が聞こえる。
ただし、Wの場合は男の声。イーヴィルの場合は女の声だが。
≪MAGIAL/LEADER≫
魔法の統率者・マジカルリーダーに戻ると、イーヴィルは自作のバイク、イビルホイーラーに乗って走り去る。
「廻、あの仮面ライダーイーヴィルのことを知ってたの?」
「あぁ、四年前にちょっとな…」
SHADOW RXに聞かれると、ディロードは”A'sの世界”での出来事を思い出す。
*****
Wとイーヴィルが去ると、怪人を全て蹴散らしたライダー達が四人の元にはしってくる。
「皆……行くぞっ!」
ディケイドの号令に、全仮面ライダーが助走つけてジャンプする。
「「「「ハアァーーーーー!!」」」」
「「「「「「「「「「「「「トオォォォーーー!!」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ダアァーーーーー!!」」」」」」」」」
「「「「「「「「「タアァァァーーーーー!!」」」」」」」」」
「「「「「「「「「オリャアァーーーーー!!」」」」」」」」」
ディエンド・ディガイド・ディルードが抜けて、代わりにクウガとSHADOW RXが参入したことにより、総勢44人の仮面ライダー達が同時にキックをキメるべき足を突き出す。
オールライダーキック!
空高く跳躍し、一気に下降にある大ショッカー本部目掛けてキックをするに当たって、空気との摩擦熱で赤熱したオールライダーの足。
それら全てはシャドームーンの身体が埋まるエンブレムへと降り注ぐ。
『何時か、影が…光を、支配する…!』
シャドームーンはそれを最期に言い遺し、崩壊する大ショッカー本部と運命を共にした。
しかし、それでもなおライダーの仕事はまだのこっている。
――ゴゴゴゴゴ…!!――
突如として発生する地響き。
大ショッカー跡地から現れるのは、暗闇の王たる鋼の巨人。
そして悪意を赤き眼光にやつした巨竜。
「あいつは、キングダーク!」
「ネオショッカーの大首領!」
Xとスカイライダーは自分の宿敵たる組織の大幹部と大首領の登場にいろめきたつ。
「あんなのと、どうやって戦えばいいんだ?」
「廻、なにか手はないのか?」
「ないこともないが、俺はその手段をもってない」
そうこういってる間にも、キングダークとネオショッカー大首領はエネルギー攻撃や火炎を吐いたりする。
大きさが大きさなら、攻撃の威力まで桁違いである。
最早これまでかと誰もが思った。
しかし、天は彼等を見捨てなかった。
――ドシン!…ドシン!…ドシン!…ドシン!――
聞こえてくる巨大な足音。
山の陰から現れたのは体長40メートルを誇る緑色の巨人。
「僕のとっておきのお宝さ」
その巨人の肩から地上に降り立つディエンド、ディガイド、ディルード。
「行け!仮面ライダーJ!」
ディエンドに命じられ、Jは二つの巨悪に立ち向かうも、二対一ということもあってあっさりと殴り倒される。
それをみかね、ディエンドは勝利に繋がる切り札をディエンドライバーに装填。
≪FINAL FORMRIDE≫
目の前のディケイドを立ち上がらせる。
「痛みは一瞬だ」
≪DE・DE・DE・DECADE≫
ディケイドはFFRによって超絶変形し、ジャンボディケイドライバーとなる。
そしてクウガからキバまでにおける九枚のKRを放出してJに装着し、ディケイド・コンプリートフォーム・ジャンボフォーメーションに変身させる。
「俺の出番は無いかな?」
ディロードが呟いた直後に、
≪KAMEN RIDE…J≫
なんと、もう一人のジャンボライダーJが召喚された。
すると、次元の壁からディファウドが現れる。
「親父ッ!」
「……ディロード、些か苦しいぞ」
≪FINAL FORMRIDE…DE・DE・DE・DEROAD≫
ディファウドはディロードを半強制的にFFRさせ、超絶変形によるジャンボディロードライバーとする。
そしてジャンボディロードライバーはSHADOW RXからシャインまでのKRを出しながらもう一人のJに装着。ディロード・コンプリートフォーム・ジャンボフォーメーションに変身する。
そこからはディロードとディケイドの圧倒的な強さが炸裂。
パンチやキック一発で敵を吹っ飛ばす。
そして二人はこの戦いで全仮面ライダーの力を集結させるカードを発動。
≪≪FINAL KAMEN ATTACK FORMRIDE≫≫
FKAFRの装填と同時にディロードとディケイドは一万キロメートルもの上空へ跳躍し、他のライダー達もファイティングポーズをとった直後にジャンプして巨大なライダーカードとなる。
≪DE・DE・DE・DECADE≫
≪DE・DE・DE・DEROAD≫
ディケイドの前方には、1号からディケイドまでの25枚のジャンボライダーカード。
ディロードの前方には、アルティメットクウガからディロードまでの20枚のジャンボライダーカード。
「「ハアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!」」
次々とジャンボライダーカードをキックの姿勢で潜り抜けるディケイドとディロード。
そして最後の一枚、DECADEとDEROADを突き破った瞬間、二つの巨悪に破壊と終焉を与える最大の必殺技が決まる……その名も”ファイナルダブルディメンションキック”!!
――ドゥガアァァァーーーーーン!!!!――
「うわあああああァァァァァァァ!!!」
(ん?あいつは……)
キングダークがネオショッカー大首領共々盛大に爆発すると、爆炎からダークディケイドがでてきたのだ。大方、キングダークの操縦をしていたのだろう。
ジャンボディロードはFFRを解いて地上に降り立つ。ディケイドも同じ。
「クソォ…!ディロード、ディケイド…!」
憎悪に満ちあふれた殺気とオーラ。
ディロードは全ライダーがダークディケイドに必殺技を放とうとするのを制止する。
「俺にやらせてくれ」
一言だけ、ディロードはそういった。
皆は返事を渋るも、ディケイドが「勝てよ」と述べて頷いたのをきっかけに、他のライダー達もディロードに任せることにした。
「ダークディケイド。いや、滅路ツカサ」
「気安く呼ぶな!よくも我が野望を…!貴様らだけは、許さん!!」
「許せないのはこっちだ。人は誰しも安心して帰れる居場所を欲する。人は独りじゃ生きていけないからな。だがそれは逆に居場所があることでそこを護りたいと願う、どんな理由でもな。その想いこそが人間の心にある光……正義だ!それを奪おうとしたお前を許すつもりは毛頭無い!」
「ディロードォーーー!お前は…、お前は何なんだぁー!?」
「最強最悪の仮面ライダーだ!くたばっても憶えとけ!!」
決め台詞を口にした瞬間、ライドセイバーから一枚のカードが跳び出す。
それはディファウドから貰い受けたカード。
初めは完全に黒く塗り潰されており、なんのカードかさえわからなかったが、今ではハッキリと浮かんでいる。
そして、カードと同じくディファウドから授かったツール・ケータッチにカードを装填。
タッチパネルに浮かんだライダークレストに触れる。
≪TENGA・CREST・SATAN・KAGAYAKI・GRAIZ・RYUDO・RYUEN・KOKU-O・SHINE・SHADOW RX≫
≪FINAL KAMENRIDE…DEROAD≫
タッチ完了と同時に、デスエンドフォームとは別物のFKRカードがディロードの頭部に冠せられたのを始まりとして、アーマーの色は銀と黒に変色、胸に六枚・両肩に二枚のKRが収まるヒストリーオーナメントが装備、イエローに染まるディメンションヴィジョン。
そして、ディロードライバーをベルト左サイドに移した直後、ケータッチをバックルとして収めた。
世界の救済者、仮面ライダーディロード・コンプリートフォーム!
≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DECADE≫
ダークディケイドはFARを装填、眼前には十枚のホログラムカード。
≪TENGA・KAMEN RIDE・HEAVEN≫
≪CREST・KAMEN RIDE・WILD≫
≪SATAN・KAMEN RIDE・BLIGHT≫
≪KAGAYAKI・KAMEN RIDE・ARMED≫
≪GRAIZ・KAMEN RIDE・HYPER≫
≪RYUDO・KAMEN RIDE・GOD≫
≪RYUEN・KAMEN RIDE・SURVIVE≫
≪KOKU-O・KAMEN RIDE・GUARDIAN≫
≪SHINE・KAMEN RIDE・ROYAL≫
≪SHADOW RX・KAMEN RIDE・LUNA RIDER≫
押された十個の紋章。
ディロードと並行になるように召喚されたのは、SHADOW RXからシャインの最強形態。
白を基調とし、所々に銀のラインと装飾が施してある”テンガ・ヘブンフォーム”
全アンデッド53体と同時融合し、身の丈の程の大鎌を持ち、緑と銀の体色をした”ワイルドクレスト”
黒金の鎧を駆け巡る金色のフォトンストリーム、悪魔から魔神へと進化したような禍々しさと神々しさを兼ね備えた”サタン・ブライトフォーム”
装甲声刃の力で蒼と銀の鎧を纏った猛々しき戦鬼を越えた鬼神、”装甲輝鬼”
ハイパーゼクターによって強化され、神の領域とも言える速さを己がモノとした黒と銀のイナゴ”グライズ・ハイパーフォーム
心の光を昇華させることで神格化し、黄金の肉体を誇る”リュ−ド・ゴッドフォーム”
サバイブ烈火を越えたカード、劫火により…完全なる究極を手にした”龍焔サバイブ”
イマジン・ゴイルを憑依させ、メイドとルフを二振りの剣とした時刻の守護者”刻王・ガーディアンフォーム”
全てのファンガイア王家の誇りと魂を背負う漆黒の王者”シャイン・ロイヤルフォーム”
そして、月の力とキングストーンを己が身に宿し、その心の如き蒼銀の雄姿”RX・ルナライダー”
≪FINAL ATTACKRIDE…ALL RIDER≫
「ヘブンパラダイスキック!!」
「ワイルドタイフーン!」
「フォトンブライトレイバスター!」
「鬼神覚声…!!」
「ハイパーライダーキック!!」
「ゴットライダーキック!!」
「メテオリボルバー…!!」
「ディフェンスラッシャー!」
「オメガザンバット光斬!」
「ムーンディアナキーック!!」
十人のライダー達の必殺技。
そして…!
「ディロードアブソリュート……!!!!」
「ダークディメンションキック…!!」
ディロード達の最強の必殺技がダークディケイドの必殺キックとぶつかり合った。
*****
太陽が地平線に腰を下し、辺りが夕焼けとなる頃。
廻達八人は変身を解き、素顔で40人以上の同志達の姿を網膜に焼き付ける。
そして、1号と2号がガッツポーズすると、他のライダー達共々次元の壁にむかっていく。
「……忘れ物だよ」
「それとも、俺達が持っていて良いのか?」
大樹と了が取り出したのはギギの腕輪とガガの腕輪。
アマゾンが気付いてこちらを振り向くと同時に腕輪をなげわたす。
「ディエンド、ディルード…トモダチ」
大樹と了を親友として認め、腕輪を装着して帰っていくアマゾン。
他のライダー達も次元の壁を越えて故郷へと戻っていくが、数人程は少しの間変身を解き、士と廻に言葉を投げ掛ける。
「……士、ここからが君の、本当の旅だ」
仮面ライダーアギト=津上翔一。
「お前には、俺達がついてる」
仮面ライダーBLACK RX=南光太郎。
「もう呼ぶんじゃねーぞ。俺は超忙しいんだ!」
仮面ライダー電王=モモタロス。
「まあ、頑張れよ。俺からはそれだけだ」
ブラスターファイズ=乾巧。
「人生はまだまだ長い。これからだぞ、青年!」
装甲響鬼=日高仁志。
「大丈夫。自分の信じた道を突き進めばいい」
アルティメットクウガ=五代雄介。
その言葉に士は微笑み、廻は頷くと、仮面ライダー達は自分の世界に帰っていった。
*****
門矢邸。
「約束だ。…一緒に、旅に出よう」
「…いいの。お兄ちゃんは、一人でいって」
小夜はそういって、カメラを差し出す。
「……」
中々反応を示さない士に、小夜は兄の首にカメラをかけてやる。
「小夜もね、旅に出るよ。…自分の翼で」
「本当か?」
「うん…多分、きっと。だからお兄ちゃんも、今度は自分の為の旅してね」
すると士は父親の遺品である年季の入ったカメラを小夜に渡す。
「小夜……自分の世界を」
「……うん」
*****
光写真館。
「あー、怖ろしい…。酷い目に遭った。もうイカとビールは懲り懲りだ」
栄次郎は死神博士の写真を見て震え上る。
というか、よく生きてたなこの人…。
『でもー、ちょっとニヒルで素敵かも〜?』
「この写真、お前にあげるよ」
『ホントにー!?』
そんでもって。
「士はまだ旅を続けるのか?」
「あぁ。旅が教えてくれたんだ。人と人の出逢い、一緒に生きることの素晴らしさを…!」
士は混じりっ気の全くない、純粋な笑顔である。
「良い笑顔です♪」
それを見て夏海は喜ぶ。
そして、マゼンタのトイカメラで写真を撮った。
「小夜ちゃん、どんな旅路を行くのかな?」
信彦がそういうと、流姫と廻はこう答える。
「それは小夜ちゃん……いいえ、誰にもわからないわ」
「ただ、ハッキリしていることは一つ。士の妹は、もう只の子供じゃない。己の決断と足で道を歩む、一人の旅人だ」
廻が綺麗な笑顔でそれを言うと、夏海は士の笑顔同様にシャッターを切る。
「つ〜かさ」
「かーい」
そこへ大樹と了が来る。
「次は、何処へ行くんだい?」
「刺激的な世界だといいんだが」
「さあな。…世界は無限に広がっている」
「それら全てを巡り回るのも、悪くないな」
そして、小夜もまた一人の旅人となる。
もう誰も彼女を束縛しない。何しろ小夜は、自由に跳び回る立派な鳥なのだから。
そして、ディロードとディケイドの旅は、これからも続いていく。
世界の破壊者・ディケイド。幾つもの世界を巡り、その瞳は何を見る?
世界の救済者・ディロード。幾つもの世界を巡り、その心は何を映す?
オールライダー対大ショッカー 〜仮面ライダーの生き様〜
ディロードの強化形態
デスエンドフォーム
ディロードのFKR形態の一つ。ディロードが”終焉者”と呼ばれる所以であり、ディケイド・激情態に匹敵するフォーム。この形態を表すFKRカードをディロードライバーに装填することで変身する。外観はX字型のラインのあるダークバイオレットのアーマーに白いディメンションヴィジョン。ディケイド・激情態と同様にKRやFKRで変身せずとも他のライダーの武器や能力をARだけで発動できる。さらには一度使用したカードを複数回扱える。
身体能力
身長:195cm
体重:90kg
キック力:25トン
パンチ力:15トン
ジャンプ力:50メートル
走力:100mを3秒
デスエンドクラッシュ:50トン
コンプリートフォーム
ディロードのFKR形態の一つ。コンプリートカードとケータッチを用いて強化変身する。ディロードの”救済者”としての力を体現した形態で、ディケイド・コンプリートフォームに匹敵する。テンガからシャインに加え、SHADOW RXのKRがヒストリーオーナメントに、額のディロードクラウンにはこのフォームを表すFKRカードが収められている。ディメンションヴィジョンの色はイエローで、アーマーの基本色は銀と黒。
身体能力
身長:200cm
体重:90kg
キック力:30トン
パンチ力:20トン
ジャンプ力:60メートル
走力:100mを2秒
ディロードアブソリュート:60トン
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