仮面ライダーの生き様


『逃すな!追え!』
『大首領に狼藉を働いた不届き者だッ!』

Dスカイライダーとなり、ディロードを抱えたまま空中飛行能力(セイリングジャンプ)によって逃げ回るディファウド。

すると、休むのに丁度良さそうな場所を見つけて着地する。

『とうとう観念したか』

ノーマルディファウドに戻ったところで怪人達が周囲360°をグルリと囲んでいる。

「図に乗るな」

≪KAMEN RIDE…V3・X・SUPER-1・ZX・BLACK≫

ディファウドはライドシューターで5人の昭和ライダーを召喚。

「変身」

≪KAMEN RIDE…AMAZON≫

召喚した本人はDアマゾンとなり、野獣の動きで敵を翻弄する。

「ジャガーショック!」

――ガリガリガリガリ…!!――

Dアマゾンは敵の首筋に噛み付き、肉を食い千切って吐き捨てると、次はカードを二枚装填。

≪ATTACK RIDE…GAGA NO UDEWA≫

右腕にガがの腕輪が装着される。

≪FINAL ATTACKRIDE…A・A・A・AMAZON≫

「スーパァーーー…!大切断ッ!!」

両腕のヒレカッターを大きく伸長させて勢い良く横に振り切るアマゾン最強技の力で、前面にいる大半の怪人は上半身と下半身が泣き別れする結果となった。

≪ATTCK RIDE…CROSS ATTACK≫

「V3!!きりもみ反転キック!!」
「真空地獄車!!」
「スーパーライダァーーー!月面キーック!!」
「ZXキィーック!!」
「ライダーキック!!」

クロスアタックによって召喚ライダー達は一斉に必殺キックで総攻撃し、怪人共を残すところ僅かにして消え去った。

「仕上げだ」

≪KAMEN RIDE…STRONGER≫

さらにはDストロンガーとなる。

≪ATTACK RIDE…ELECTRO FIRE≫

――バチッ!――

両手を擦り合わせて強烈な電気を起こ、伝導体を通して敵に攻撃するエレクトロファイヤーが炸裂。
それも電流の強さを調整したことで怪人達の神経をマヒさせるという絶妙なテクニックで。

≪FORM RIDE…STRONGER CHARGE UP≫

最後の一撃を決めるべく、チャージアップして超電子の力を得る。

≪FINAL ATTACKRIDE…S・S・S・STRONGER≫

「超電稲妻キック!!」

空中で大の字になって回転し、そこから空中前転して右足を突き出しながら落雷ごと蹴りを行うストロンガー最強の必殺技が発動した。

――ボガアアアァァァァァン!!!!――

大爆発が起こり、追っ手の怪人は残り一体。
その名はヒルカメレオン。

≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DEFOUDE≫

「ディメンションブレイク」

Dストロンガー・チャージアップからディファウドへ戻ってジャンプすると、出現したホログラムカードを右足を突き出しながら潜り抜けていき、渾身の力を込めた一撃を叩き込んだ。

そして、地面に寝かされているディロードを抱えると、次元の壁を呼び出して立ち去ってしまった。





*****

光写真館。

真夜中に振る土砂降りの雨。
たった二人では妙な広さを覚える写真館のなかで、夏海と流姫は二人揃って座りこんでいた。

そこへ、ガシャガシャという音が玄関から聞こえる。

「おい!…俺だ…」

扉の外から聞こえる男の声。

「士君…!」
「行っちゃダメ」

夏海は立ち上がり、流姫は制止する。

「開けろ二人とも。おい、開けてくれ」
「……何しに来たですか?」
「あんなことしておいて、よく此処に来る気になったものね…」

士に対する二人の言葉は極寒の冷たさだった。
流姫にいたっては、半ば殺意の混じった怒気が感じられる。

「いいから、早く開けろ」
「これ以上貴方には騙されません。帰ってください!」
「そんなこと言うなら、廻を返してよ!」

士に対して徹底的に拒絶する二人。

「……俺の帰る場所は、もう、此処しかないんだ……」

いつになく、弱く虚しい声をだす士。

「…私の世界に逃げ込まないでください。…此処が、この世界だけが、貴方の探し求めていた自分の世界じゃないですか」
「もう、私達と旅をする必要もないでしょ…?」

やはり、二人は扉を開けない。

「…お前等…」

士の小さな声。

暫しの沈黙がながれると、最初に口を開いたのは夏海。

「ずっと…貴方を信じてました。でも…裏切られました。……貴方は酷い人です」
「………」
「…小夜ちゃんもきっと同じ思いです…」
「あんたに、愛して止む無い人を傷付けられた……怒りと悲しみが解るわけない」

「……………」

士は写真館から離れた。
そして悟った”もう俺の居場所は無い”……と。





*****

大ショッカー本部。

玉座に座った滅路ツカサ。
その傍らにはシャドームーンとビシュム。

そして階段の下には三大幹部と、大勢の怪人。

「時は満ちた。ディケイドの創った橋を渡り、我が大ショッカーが、全ての世界を…征服するのだ!」

地獄大使の呼び掛けに戦闘員達は『イーッ!!』と、右手を掲げて返事する。

「フッフッフ…♪」

滅路ツカサはその光景を見て笑った。

そして…!





――ビュー−−−−ッ!!!!――





大ショッカー本部の塔の各所より、上空へと発射されたのはショッカー戦闘員。
戦闘員達は限界のところまで上昇すると、両足を赤熱させて周囲の街をみわたせるように身体の向きをかえると、ミサイルのように街へと飛んでいき、爆発した。

人間魚雷ならぬ、人間ミサイルといったところだろうか。

しかし、事態は深刻極まる。
戦闘員達がミサイルとなって街の建物に激突する度に被害がドンドン大きくなっていき、住人達は混乱におとしいられて逃げるのみ。

しかし逃げたとしても地上に放たれた戦闘員達は勿論のこと、怪人達に追い回されたり襲われたりで、人々の恐怖と絶望は最大値を振り切る。

≪KAMEN RIDE…DI-GUIDE≫

「夏海ちゃん!逃げ遅れた人を!」
「はいッ!」

そんな荒廃しきった街で流姫はディガイドに変身。

≪KAMEN RIDE…RIOTROOPER≫
≪KAMEN RIDE…RIOTROOPER Ver.2≫

「兵隊には兵隊よ!」

ライトトルーパー三人とライオトルーパーVer.2を呼び出して戦闘員達と対抗させる。

≪KAMEN RIDE…GILLS・KNIGHT・KAIXA・CHALICE・IBUKI・TODOROKI・GATACK・ZERONOS・IXA≫

さらには九人のサブライダーを召喚。

「これで少しはもつでしょう……、夏海ちゃん」

その場を召喚ライダー達にまかせると、ディガイドは夏海の元へ。

「世界はもう、お終いだよ…」
「そんなことないわ。しっかりして!」
「そうだ、まだあきらめるな」

2人の会話にいきなり割ってはいる中年男性。

「警告した筈だ。ディケイドは世界の破壊者だと」
「鳴滝さん」
「大ショッカーの世界正副は次々と進行している。来なさい!夏海君の世界へ!」

鳴滝は夏海の手を引いて次元の壁に飛び込み、ディガイドも後を追って夏海の故郷たる世界へと赴く。

しかし、その世界も何者に攻撃されていた。

「これは……!?」

驚く鳴滝。

背後からはショッカー戦闘員共。

「しまった!この世界にも既に、大ショッカーの魔の手が…!!」

――バギュン!バギュン!――

「撃っても撃っても、減らない…!」

苛立つディガイド。
その時、二人の戦闘員がいきなり、味方である筈の他の戦闘員達に対して攻撃し始めたのだ。

「もしかして…?」

ディガイドが声を濁らせていると、二人の戦闘員は銃と刀を取り出す。

≪KAMEN RIDE≫

「「変身…!!」」

≪DI-END≫
≪DI-RUDO≫

「ディエンド…!」
「ディルード…!」

≪ATTACK RIDE…BLAST≫
≪ATTACK RIDE…EXTRA SLASH≫
≪ATTACK RIDE…EXTRA BLAST≫

取り合えず、其の場にいる戦闘員を全滅させると、3人のライダーは変身を解く。

「士は世界を奪おうとしてたってのに……こんなにショボイの、要らねえや」
「持ってるだけ無駄だな」

そういって大樹と了は戦闘員の覆面を捨てる。

「大樹さんと了さんは、士君の正体知ってたんですか?」
「まあね。ディエンドライバーとディルードライバーだって、大ショッカーから盗んだお宝だし」
「盗み出すの苦労したよな。警備(ガード)が堅くてよ」

ドライバーを掲げながら二人はそういった。

「…そうか。ディエンド、ディルード、ディガイドの世界を渡る力があれば、大ショッカーの野望を阻止できるかもしれない」

鳴滝が提案する。

「え、本当ですか!?」
「生き残ったライダーを集めて、力を合わせるんだ!」






*****

一方、大ショッカーの侵略で荒廃し、瓦礫だらけとなった街中で、士はたった独りでポツンとしていた。

その姿には何時もの自信家なそれが嘘のようで、気力や活力といった言葉の正反対をいく状態だ。

「……妹、仲間……全て失った。……俺はどうすれば良い?」

最早生きる希望さえも失くした士に、一人の男が近寄って来る。
一見細見にみえるが、良くみるとガッシリとした体格であることがわかる。

「…探したぞ」
「お前は…?」

男は士の質問に答えず、至近距離にまで近づくと、左腕を振り被り…。

――バンッ!!――

士を力一杯殴った。

「………」
「忘れたのか?」

男はサングラスを外して素顔を見せる。

「嘗てお前は……俺の右腕を奪った。……組織を裏切ったという理由でな」
「…結城丈二…」

士は目の前にいる男のことを思い出す。

「今度は俺が…」

結城は突如、士の胸倉を掴んで無理矢理立ち上がらせる。

「…奪う番だ」

喪失した右腕の代用としている万能義手・カセットアームからは、結城が指を動かす度に駆動音が聞こえる。

恐らく、このカセットアームによる手刀で士の命脈を断ち切るつもりなのだろう。

「丁度良い…消してくれ。もうそれ以外、俺にはなにも残ってはいない」
「…何だと?」

死ぬことを受け入れる士。

「俺はライダー達を潰した挙句、大切な者を傷つけた。…せめてもの償いだ」
「死ねば罪が消せると思っているのか?…今のお前にはな、殺す価値も無い!」

結城は完全に自暴自棄となっている士に失望する。

「俺の知ってる門矢士はな……そんな男じゃない」

真っ直ぐ士を見据え、結城がそう言うと、向こうから何体もの怪人共が現れる。

それを見た結城は右腕を胸の前にもっていき、左手は右腕を全力で掴み…!

――ミシミシ…!!――

イヤな音が右上腕部から聞こえる。

「んー…!!」

――バリィッ!!――

「うおぉぁぁぁ!!!!」

接合されていた義手を引き千切った。
士はそれを見て眼を見開く。

結城は義手を地面に置き、右上腕を…痛みを押さえながらこう言う。

「罪は消せない。…背負って生きていくしかないんだ。…例え孤独でも…!」

結城の行動と魂には、それを語る資格があると証明するに相応しいモノがあった。

「命ある限り戦う…!」

結城は立ち上がり、右腕の接合部に攻撃用のビーム砲アタッチメント・ブラスターアームをくっ付ける。

「うあぁ!」

装着にかなりの痛みを伴うのか。
表情を苦痛に歪めながらも、ブラスターアームを装着する。

「うぅ…!」
「……!」

士はただただ、結城のとる行動に驚かされてばかりだ。
結城は士の姿を視界にしっかり収める。

「それが………仮面ライダーだろ?」
「……ッ!!」
「戦うとは……こういうことさ…!!」

そして結城丈二は敵群の眼前に、敢然と立ち向った。






*****

「………」
「廻…!」

ディロードを救出したディファウドは、彼の腹に突き刺さる剛剣の柄を握ると、ゆっくりと引き抜いた。

≪ATTACK RIDE…REVIVAL≫

自身、あるいは他人を超回復させる”ディファウドリバイバル”を発動し、ディロードの腹に開いた風穴を見事塞ぐ。

――スッ――

ディファウドはライドシューターから取り出した一枚のカードと、イエローと黒で彩られたタッチパネル式携帯電話型ツールをディロードの傍に置いた。

すると、次元の壁が現れる。
そこからは、仮面ライダーキバの始まり、紅渡。
さらには仮面ライダーブレイドの始まり、剣崎一真。

「もう用は済みましたか?ワール……いえ、(じゅん)さん」
「その名で呼ぶな」

紅渡に、本名と思われる名前で呼ばれるとディファウドは不快そうにする。

「…用が済んだのなら、早く世界の管理に戻ってくれ」
「わかっている」

剣崎にそう言われると、ディファウドはこう言い残して去っていく。

「精々頑張れよ、バカ息子」

今度こそ、ディファウドは本当に立ち去っていった。
だがしかし、

「…クソ親父…」

ディロードは全てを聴いていた。

「言われなくても、わかっている」

ディロードはゆっくりと起き上がり、傍にあるカードとツールに手を掛けた。





*****

とある廃屋。

「要するに、大ショッカーを倒す為に、君ら雑魚ライダーも協力しろってことさ」
「お前等みたいな問題児(ライダー)にとって、美味し過ぎる話だと思うが?」

そこで椅子に座るキックホッパーと机に寝転がる王蛇に協力を持ち掛ける。
最も、語り口は挑発して喧嘩を売ってるようにもきこえるが。

「ハッ!丁度イライラしていたところだ。その大ショッカーに入れば毎日祭りだな!」
「俺も…その大ショッカーの地獄って奴を味わってみたい…」

しかし、仮面ライダーの歴史において、最もネガティブ思考なキックホッパーと、イライラしたからという動機で殺人を犯した王蛇からすれば、大ショッカーが全世界征服の過程に行う破壊活動は魅力的なものである。

「ちょっと二人とも、大ショッカーに勧誘してどうするんですか!?」
「そもそも人選をモロに間違ってるし!」

夏海と流姫がツッコんでいると、大樹と了はなにかに勘付き、外の様子を見た。

『イーッ!』

そこには多数の戦闘員や怪人群。

「もう来たのか、思ったより早かったな」
「行くぞ、彩条君に夏メロン」
「夏ミカン…っていうか夏海です!」
「んなことはどうでもいいから」

四人が避難しようとすると、王蛇とキックホッパーが邪魔する。

「さあ、祭りを始めようか!」
「大ショッカーの地獄祭りだ…!」

「鬱陶しいと、女の子に嫌われるわよ」

流姫がそういうと、三人は変身ツールをスタンバイ。

≪KAMEN RIDE≫

「「「変身!」」」

≪DI-END≫
≪DI-RUDO≫
≪DI-GUIDE≫

ディエンド、ディルード、ディガイドとなり、KRやKZRを装填。

≪KAMEN RIDE…PUNCH HOPPER・GAI・RAIA≫
≪KAIZIN RIDE…COBRA IMAGIN≫
≪KAMEN RIDE…THEBEE≫

三人は王蛇とキックホッパーに縁のある者ばかり召喚。

コブライマジン、ガイ、ライアは王蛇に。
パンチホッパーとザビーはキックホッパーに。

召喚ライダーと召喚怪人が足止めをしている間、四人は逃げようとするも、既に廃屋は大ショッカーの怪人にかこまれていた。

「夏海ちゃん逃げて!」

ディガイド達は応戦しながら夏海に促し、自身らも怪人の相手をしながら逃げる。

≪KAMEN RIDE…SAGA≫

ディガイドはトランスドライバーでDサガにカメンライド。

≪ATTACK RIDE…JACORDER≫

リコーダー型のロッド剣、ジャコーダーロッドが出現。

≪FINAL ATTACKRIDE…SA・SA・SA・SAGA≫

周囲が三日月浮かぶ闇夜の結界に包まれると、Dサガのジャコーダーは鮮血のように真紅の光を漏らす。
上空に皇帝(キバ)の紋章が描かれると、Dサガは其の場にいる全戦闘員をロッドから鞭状になったジャコーダービュートで刺し貫き、ジャンプして皇帝(キバ)の紋章を通ることで空中に吊るし、ジャコーダーを指でなぞることで増幅した魔皇力を送り込んで完全粉砕する”スネーキングデスブレイク”を発動し、戦闘員全てを爆発四散させた。

「フゥ…!」

ノーマルフォームに戻るディガイド。
少し疲れたのか、息をあらげている。

しかし、敵は待ってくれない。

ジャーク将軍が目の前にいた。
ジャーク将軍はディエンドとディルードを睨む。

「えぇーい!二つのドライバーを奪った盗人共め!」

前門に虎、後門に狼とは正にこのこと。
後方から来る怪人に攻撃してる間にジャーク将軍がディエンドとディルードに剣撃を浴びせる。

「二人とも!」

夏海は心配して二人に駆け寄る。
ディガイドも彼女なりに戦ってはいるが、多勢に無勢な状況故に、余り効率良く敵を倒せていない。

そんな時、

「……ん?」

ジャーク将軍が眼にしたのは、こちらへむかってくる一人の男。

「………士君」

門矢士。

「貴様、まだ生きていたのか」
「俺は全ての世界から拒絶された。どの世界も俺の世界ではない。言い換えれば、どの世界も、俺の世界に出来る…!」

ジャーク将軍に悪態に耳を貸すことなく、士は語り始める。

「ほおう!大ショッカーの世界征服を、手伝いたくなったか」
「違う。取り合えず俺の世界は、俺がカタをつける。だから、大ショッカーは、俺が潰す!」

それは士の胸の内に灯った新たな決意。

「……士君!」
「なに?」

夏海には希望、ジャーク将軍には憤怒。

「変身…!」

≪KAMEN RIDE…DECADE≫

士は通りすがりの仮面ライダー、ディケイドに変身。

ライドブッカー・ソードモードを片手にジャーク将軍に跳びかかり、刃と刃をぶつける。

幸いにも戦闘員はディガイドが全滅させ、残った怪人もディエンドとディルードが相手をしていることもあり、ディケイドとジャーク将軍の完全な一騎打ちとなっている。

一度鍔迫り合いになると、一旦は距離をとり、ジャーク将軍が斬りつけると御返しにディケイドも斬り付ける。二度目、三度目の鍔迫り合いが続くと、ジャーク将軍がディケイドを無理矢理振り払って攻撃しようとするも、ディケイドは素早く持ち直して攻撃を受け止めてジャーク将軍の腹に蹴りを入れる。

そして一気に二回も斬撃を行い、ジャーク将軍の剣を受け止めた直後に手足を上手く動かし、ジャーク将軍から剣を手放させる。剣が地面に突き刺さり、ディケイドは追撃にもう二回程攻撃する。

そこへディエンドがタイミング良くこちらに加勢しに来る。

≪FINAL ATTACKRIDE≫

無数のホログラムカードがターゲットサイトとして現れる。

するとジャーク将軍を庇うように三体の怪人がディエンドに突っ込むも、

≪DI・DI・DI・DI-END≫

ディメンションシュートは三体の怪人を事も無げに打ち破り、そのエネルギー銃撃をジャーク将軍に直撃する。

「この程度で、敗れるものかぁーーー!!」

天地を鳴動させる叫び。
ジャーク将軍の姿はディメンションシュートを受けながらも、異形へと変化していく。

「フンッ!!」

腕を思い切り振り、ディメンションシュートを振り払った。

「あれは一体?」

ディケイドが驚いていると、ディルードが呟く。

「ジャークミドラ」

そう、ジャーク将軍は怪人態・ジャークミドラとなったのだ。

『仮面ライダー、今日この場所が貴様等の死に場所となる!』

ジャークミドラは地面に突き刺さった剣を拾い、形状を剛剣へと変えた。

「言った筈だ。大ショッカーは俺が潰すとな!」

しかし、そんなことで怯むディケイドではない。

≪ATTACK RIDE…ILLUSION≫

分身二体と自身の三人でジャークミドラに突撃する。

分身の一人はソードモードで、もう一人の分身はガンモードで、そして本体は格闘。

≪ATTACK RIDE…SLASH≫
≪ATTACK RIDE…BLAST≫

分身二人がディケイドスラッシュとディケイドブラストを同時にジャークミドラに打ち込むと、

≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DECADE≫

本体はディメンションキックを決めようと右足を突き出しながらジャークミドラに迫る。

『小賢しい!』

だがジャークミドラは剛剣を振るい、ディケイドを吹っ飛ばした。

「うわあああぁぁぁ!!」
「士君ッ!」
「士ッ!!」

吹っ飛ばされたディケイドを案ずる夏海とディエンド。

「「ディケイド………ッ!」」

するとディガイドとディルードは、その眼でしかと見た。

スーツを着崩した一人の男が、ゆっくりと確かな足でここへ来るのを。

「廻ッ!生きてたのね!」
「相変わらずしぶといねぇ」

ディガイドとディルードの言の葉が聞こえたのか、皆は一斉に砕谷廻を視界に収めた。

「…俺は数多くの世界を巡り廻ってきた。だがそれでも、たった一人の仲間の心すらも理解できない愚か者なのかもしれない。だけどな、そんな俺でも…出来ることがある」

『何だそれは?』

「信じることだ。旅路の最中で出逢った者達と、同じ旅路を歩む仲間達とで繋がる絆をな。そして、絆を信じる俺自身を…!」

解き放たれた廻の信念。

「変身…ッ!」

≪KAMEN RIDE…DEROAD≫

最強最悪の仮面ライダー、ディロード。

「ハアァーー!!」

ディロードはライドセイバーを手に構え、ジャークミドラにつっこんでいく。

「オラオラァー!!」

乱雑に振り回される刃。
その予測不能な太刀筋にジャークミドラも翻弄され、反撃できたのはほんの2・3回程度。
それに対してディロードは全ての斬撃を命中させる。

さらにはコールドライバーのグリップを握る。

――バギュンバギュンバギュンバギュン!!――

近接連続射撃はジャークミドラを仰け反らせる。

「今だ二人とも!」
「オッケー!」
「承知したぜ」

≪FINAL ATTACKRIDE≫

ディガイドとディルードのFARによって、
ディガイドライバーの刃とディルードライバーの刀身には次元エネルギーが集まり、ディガイドとディルードの目の前には巨大な十枚のホログラムカードが出現する。

≪DI・DI・DI・DI-RUDO≫
≪DI・DI・DI・DI-GUIDE≫

「「ダアァァァ!!」」

――ザシュッッ!!!!――

両サイドより炸裂するディガイドのディメンションスライスと、ディルードのディメンションフラッシュの交差点。
そこにいるジャークミドラは前面と背面を斬られた。

『ぐわああああああぁぁぁぁぁ!!!!』

――ドガアァーーーーッ!!――

「やった!」

夏海はジャークミドラが倒されたことに喜ぶ。
しかし、それとは裏腹に…。

「………」
「………」

歩み合うディケイドとディロード。
なにやら重苦しい雰囲気である。

「…廻、俺は――バギッ!――グフッ!」

ディロードは無遠慮にディケイドは殴った。
倒れるディケイドを暫し眺め、ディロードは無言のまま手を差し出した。

「廻、お前…」

ディロードの真意がわかったのか、ディケイドは差し伸べられた手を握って立ち上がる。
ディロードは立ち上がったディケイドに向かって無言のまま頷き、ディケイドも無言で頷く。
交わす言葉など要らない。二人にはそれだけで十分に仲間への意思を告げられる。

「…行くぞ、皆」

歩き出すディロードの声、ディケイド達は彼についていく。
大いなる巨悪・大ショッカーを滅ぼす為に…!


次回はとうとう最終回!

オールライダー対大ショッカー

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