百鬼丸さんからの要請により、ゲストキャラ達の変身するライダーを変更しました。

Mの怪談/剣【ブレイド】


風都警察署。
多目的ルーム。

「あれは、今日みたいに季節を先取りした日差しの暑い日のことだったね。…俺、友達とイッショに花火やってたら、何時の間にか周りが真っ暗な時間でさ…。”いっけね!母さんに怒鳴られる!”…そう思い、帰ることになったわけ」

真夜中、夜勤の当番である者達の殆どがこの部屋で、語り役の声に神経を集中する。

「…そんで散かった花火片づけてたら、ふっと近くのボロイ神社を見たんだ。もうこんな時間だよ?しかもボロイ神社の窓から、赤い着物の女がこっち見てんの…!」

「「「「「………」」」」」

じっと黙る警官達。

「俺もぎょっとしちゃって、それで恐る恐るきになって、訊ねたんだ。”こんな時間のこんな場所で、なにやってんの?”って…。そしたらそいつ、ニヤっと笑ってさぁ「マヨネーズと小豆が足りないぞッ!」

「「「「「ギャアァァァーーー!!!!」」」」」

警官達の絶叫。
そして、部屋の電気点灯。

「照井課長!折角盛り上がってたのに、大切なオチを…」
「俺の知ったことか。それより、マヨネーズと小豆がきれた。誰か持ってないか?」

照井の手には多量のマヨ&小豆で満たされた銀シャリの器。

「うぅっぷ……なんですかそれは!?」

警官は顔色を悪くして聞いた。

「こういうのを食べている奴がいると聴いて、真似てみた」
「なぜに何所ぞの万事屋オーナーと真撰組鬼副長の特徴コラボってんですか!?」

「あれ、刃野さん?」
「あぁー!刃野さん!」
「大変だ!刃野さんがマヨと小豆で気絶したぞ。最悪だァー!」

喚く警官共をよそに、照井は廊下に出る。

「下らん。六月に怪談をしてなにが面白い?」





*****

超常犯罪捜査課。

「…幽霊が本当にいるなら、俺は腐る程修行して、家族の顔を拝む」

なんて言ってると、蚊の飛ぶ羽音。

――パン!――

「…最近虫が多いな。地球温暖化のせいで、今を夏と思ったか?」

その時だった。

――カーン!――

釘を金鎚で叩く音。

『死ねェ、死ねェ、死ねよ照井…!頼むから死んでくれよ〜』
「ま、まさか…?」

外から聞こえる嫌な声。

――バッ!――

照井は意を決して窓を開けて外を見た。

「ハ…」
「死……」

そこには死装束を着て、胸に五寸釘の刺さったワラ人形と金鎚を持つゼロ。

「なにをしている?こんな深夜にそんな格好で」
「……ウォーキング」
「そんなわけ有るか!そんな服装でウォーキングするのは浮遊霊くらいだ!儀式だな?俺に対するイヤガラセの儀式をしていたんだな!?」

いつもとは違い、ツッコミとボケを両立させる照井。

「自意識過剰な奴め。そんなことでは精神病になるぞ」
「なんだと!?……?」

その時、照井は垣間見る。



赤い着物を着た人物がこっちをみているのを…。



「どうかしたか?」
「無限。今なにか見えなかったか?」
「なんのことだ?」

(…なんだったんだ、今のは?)

「「「「「アァァァぁぁぁーーーーー!!!!」」」」」

「「ッ!?」」





*****

一方、風都タワー前。
そこでは世界と世界との間にある境界、次元の壁から三人の男女が現れていた。

「なんだここ?」
「さあ?」
「というか、今凄い悲鳴聞こえなかった?」

一人は眼鏡をかけてタバコを吸う青年、一人は顔に火傷の痕がある青年、一人はホワイトロングヘアーの女性。





*****

数日後。
風都署の仮眠室のベッドは、悲鳴をあげた警官達で殆ど埋めつくされていた。

「酷いな、これで何人だ?」
「18人だな。刑事の半分がやられたな。流石にここまで来ると、何が原因かを探りたくなる」

仮眠室の前で話し合う照井とゼロ。

「冗談ではない。仮にも一般人の平和を護る刑事が”幽霊紛い”にやられるなど…。とてもじゃないが、応援を要請することもできんぞ」

照井は溜息混じりにそう言った。

「照井課長、私は違いますよ。マヨと小豆にやられました」
「余計に口外できんな」

刃野に冷たい対応をする照井。

んでもって、超常犯罪捜査課。

「皆うわ言のように”赤い着物の女”といってるが、怪談のアレか?」
「バカを言え。幽霊など存在せん」
「…霊を甘く見ない方がいいですよ。きっとこの署は呪われているんだ。きっと、トンでもない霊にね…!」
「なにをバカなことを……」

しかし、そう言った照井も妙な者をみている。

「…無いな…」

自分に言い聞かせる照井。

「刃野さん、連れてきました」
「おー、真倉、御苦労さん」

そこへ、真倉がとある三人をつれてくる。

「街で捜してきた、拝み屋です」
「…どうも…」

最も、服装がかなり胡散臭い物になっているが。

「なんだこいつ等?」
「いやー、御祓いしてもらおうと思いまして」
「大丈夫なのか?こんな得体のしれん連中に」

照井が渋っていると、拝み屋の女は…。

「あ、そこの赤ジャケットの人…背中に」
「なんだ、背中になにか?」

すると女は隣にいる、笠を被っている男に耳打ちする。

「−−−−−−−−−−」
「あぁ、ありゃもうダメだな」
「舐めているのか?」

いきなり失礼なことをいう彼等に、照井は軽く怒る。

「あの〜先生方、なんとか成りませんかね?このままじゃ業務に支障をきたします」
「任せて頂戴、肩凝りの人」
「あ〜、ずっとこの建物のことは見させてもらいましたけど、これは相当ヤバい化物がいますよ肩凝りさん」

「あの、別に肩凝りさんって、変な渾名付けられても…」
「取り合えず、我々に任せて下さい。ついでに、報酬金なんですけど…」
「おい、事を済ませた後のことをもう語るのか?」

椅子にすわって会話する一同。

「それで、どんな化物なんだ?」
「えーと…多分アンデ――バギッ!――」

笠被った男が女を殴る。

「えー…恐らく、動植物か昆虫に酷似した化物かと」
「あの、皆は人間の姿してたといってますけど」
「間違えました。動植物や昆虫に似てるとしてイジメられた結果、自殺した女の霊ってことで」
「長いぞ!しかも”ってことで”とはなんだ!?」

顔全体を包帯で覆った男の訂正…っつーか付け足しに照井がツッコム。

「取り合えずお前、真倉(ナマクラ)とか言ったか?」
「おい!今真倉と書いてナマクラと読んだろ!?」

真倉のツッコミを無視して三人は立ち上がる。

「お前の肉体に霊を降ろして祓うから」
「お、おい待ってくれ。どういう風に祓う気なんだ?」
「お前ごとシバク」
「なんだそれ!?誰でもできるじゃん!」

――ボガッ!――

隙をつき、女は真倉の腹を力一杯殴る。

「はーい、今これ入りました。霊はいりました」
「霊ではなく、ボディーブローが入ったぞ」
「違います。今入ってます”えー皆さん、彼女を散々イジメてすんません”」
「おーい!それって霊を生前イジメた人の霊魂!?」

刃野は明らかに降霊すべき魂の人選ミスにツッコム。

「あれぇ?なんだっけ?」
「ば、バカ!イジメられて自殺した女の霊だろ」
「というか、今時イジメで自殺した霊なんて、ちょっとありきたりなんじゃ…?」

三人はヒソヒソ話を始める。

「もういいから、適当にやれ」
「無理よ。適当って言われると余計に演じるキャラのチョイスが難しくなるの!」
「誰もそんな本格派求めてないっつの!」
「うるさいニコチン中毒!お前は2本の肉棒銜えてなさい」
「女の子がそんなエッチなこと喋っちゃダメ!」
「テメー!俺をホモ扱いするきか!」
「言われたくなきゃタバコ卒業してみろ!」

なんか色々と漏れてるというか、バレバレというか…。

「おい!折角拝み屋のフリしてアンデッド捜してんのに!」
「「うるせぇー!こんなことで仮面ライダー務まるか!!」」

「「「ライダー?」」」

「「「……あ」」」




*****

「悪気はなかったんです。ただたんに、化物退治するのが俺達の役割なんで…」
「そうそう。正義のライダーとしてさ」
「うんうん。別にお金が欲しかったわけじゃないわよ」

縄で亀甲縛りされ、逆さ吊りにされる三人。
事情を無理矢理聞いたところ、この三人は異世界から迷いこんだらしく、ドーパントによる被害を不死生物(アンデッド)の仕業と思い込み、超怪しい身分をなのっていたらしい。

因みに、笠被ってた男の名は長倉剣心=仮面ライダーグレイブ。
帽子をグラサンしていた女は村雲雪美=仮面ライダーランス。
顔のを包帯で覆い隠していた男の名は熊崎進=仮面ライダーラルク。

ついでに、亀甲縛りによって時折胸や局部が締めつけられるのか、雪美が色っぽい喘ぎ声をだしていたりするが、まあスルーの方向で。

「なあ、そろそろ解放してくんない?」
「……鼻からジュース飲んだら」

するとゼロはオレンジ・リンゴ・葡萄を混ぜたミックスジュースを二つのストローを使い剣心の鼻穴に。

「あぁー!なにこれなんか懐かしいよ、プールで溺れたかのような!そして痛いし苦しい!」

ジュースの中身が切れて、剣心は楽になる。

「さて、次は貴様だ女。これを”下の口”から飲んで貰おう」

ゼロは栄養ドリンクの飲み口に入ったストローを雪美の秘所(アソコ)に…。

――プス――

「あぁん!///そこはだめなの〜!///や、やめ…動かさないで〜///」
「//////」

雪美の快楽を感じて満ちた表情と艶っ気のある声に進は思わず顔を赤くする。

「ほう、いい声で啼くな。まあ最も、私の女に比べると感度も濡れ具合も大したことないな」
(ガッガーン!!)

雪美の女としてのプライドが傷付いた。
というかゼロ、リインフォースとはそこまでイッタのか?

「バッチリ♪」
「おーい、ナレーさんと会話すんな」

ツッコんだ進。
しかし、ゼロの視線は進の股間にある。

「ツッコミの最中すまないが、仲間の乱れた声と顔に元気になったようだな?」

そして、ゼロは服の上からでもわかる位に大きくなった進のソレをガッチリ掴むと、

「まさか…?ちょっと待――ボキ…ッ!――ゥアアアァァァァァあああああ!!!!」

泡を吹く進。

(なんだコイツ!?トビっきりの大魔人じゃねーか!!)

剣心は超ビビる。

(ああ、俺達は殺されるんだ)

進はゼロの恐ろしさを知り、色々な明日を諦める。

「誰か助けてぇーー!!」

剣心は必死に叫ぶ。

「あの、課長。そろそろ下してあげましょうよ。好い加減にしないと、無限さんトンデモないことしますよ」
「なにをいっている?奴はサディスティック星の王子みたいなものだ。どうせ今に始まったことじゃない」



んでもって。

「あ〜、スカート濡れちゃった///」
「あ、なんか光が見える。”金色の光玉”が…」
「………」

三人はようやくおろしてもらった。

「本来なら偽証罪で逮捕するところだが、あいにくお前達に関われるほど暇ではない。早く失せろ」

すると、剣心と雪美は調子づいたような顔をする。

「あー、幽霊怖くて仕事に手がつかないってか?」
「かわいそうね。トイレ一緒についていってあげようか?」
「警察なめんなーー!!トイレの前まで、御願いしまーす!!」
「お願いするのか!?」

刃野の思い切りすぎな行動に照井がツッコム。

「いや、さっきから我慢してたんですけど…どうも怖くて「ほら行くわよ」…あ、はい」
「おい!お前の人生はそんなのでいいのか!?」

照井は叫び、兎にも角にも、剣心のほうを向く。

「お前等、頼むからこのことは他言無用にな。頭なら下げる」
「なんか、相当大変みたい、だな。大丈夫か?」

進は股間を押さえながらそういう。
つーか、お前のほうが大丈夫か?

「情けない話だ。まさか季節外れの幽霊騒ぎでこんなことになるとはな。相手に実体があるなら斬るなり蹴るなりするが、正体すらあやふやな存在じゃあ対処法すら皆目見当がつかん」

「おい、なに?お前幽霊を信じてんの?アイタタタタタ!痛いよォ!お母さん!ここに頭怪我した人がいるよー!」

片腕を抑えながら照井をバカにする剣心。

「貴様後で覚えてろ…!」
「まさか照井も見たのか?赤い着物の女」
「…わからん。だが妙な者の気配は感じた。あれは普通の人間じゃない、恐らくドーパント。もしくは……」

照井が言葉を詰まらせると、

「「アイタタタタタタ!痛い、痛いよォお父さん!」」
「絆創膏持って来て!できるだけ大きな、人一人包み込めるくらいの!」
「お前等打ち合わせでもしたのか?(怒)」

息ピッタリに照井をバカにするゼロと剣心。
照井の首に青筋が立つ。

「赤い着物の女か…。確かにそんな怪談あったな」

ここで進が完全回復。

「俺がガキの頃、一時そんな噂が流行っててな。えっとなんだったっけ……夕暮れ時にな、授業終わった生徒が学校で遊んでると……」

進は少々間を置く。

「もう、誰もいない筈の校舎に……」

一言一言が、重く感じられる。

「赤い着物を着た女がいるんだって。…それで”何してんだ?”って聞くと「ギャアァァァァァ!!!!」

進の説明を遮り、刃野の絶叫が響き渡る。

皆は急いでトイレに向かった。

「どうしたんですか!?」

そこでは雪美がドアを叩いて刃野によびかけていた。

「雪美、どうした?」
「私にもわかんない…」
「退け退けェー!!」

照井はドアを蹴破った。
そして目の前に広がったのは、犬神家の如く、便器に頭をつっこんでいる刃野。

「……」
「なんでこうなるの?」





*****

「あ…あ、赤い着物の女が…来る。こっちに、来る…!」
「おいおい、みっともないぞダメ中年。そんな寝言、私が止めよう」

「これはアレか?昔泣かせた女の逆襲?」
「刃野にそんな浮いた話があったとは思えん。もし仮に万が一あったとしても、俺が全力で否定する」
「じゃあお前が昔泣かせた女が復讐しようと…」
「そんな性悪女と関わった覚えはない」
「じゃあなんだよコレ?」
「俺に質問するな…!」

不毛な議論。
というかゼロが刃野の首をしめている。

「しかし…この建物に得体のしれないモノがいるのは確かだ」
「やっぱり、幽霊か?」
「俺は幽霊なんて非科学的なもんは信じねー。化物と異世界は信じるがな」

すると三人は立ち上がる。

「アホくせ。付き合いきれねーや。元の世界に帰る方法探そうぜ」
「なあ、剣心。なんだこれは?」

剣心は進と雪美の手を握っていた。

「なんだよ?お前等が怖いとおもって気を遣ってやってんだろうが」
「剣心の手、汗がベトついてて気持ち悪い」
「雪美、何いって……」
「お、赤い着物の女」

――バッ!!――

ゼロの言葉に反応して、剣心はグレイブバックルとラウズカードを構える。

「…なにしてんだ?」
「……いや、悪の気配が…」

見えすいた言い訳。

「貴様、まさかとは思うが……」
「な、なんだよ?」
「照井、こいつは……ん?」

周囲をみると、照井はドライバーとメモリをスタンバイしている。

「……なにをやっている?」
「…いや、犯罪のニオイが…」

見苦しい言い訳。

「「「………」」」

三人は照井と剣心を置いて部屋から出ようとする。

「待て待て待て!違う!こいつはそうかもしれんが俺が断じて違うぞ!」
「怯えているのはお前だ。嘘八百もいい加減にしろ」
「はいはい、わかったわかった。悪の気配でも犯罪のニオイでも好きなだけ嗅いでなさいバカ男共」

「「なんだその蔑んだ目は!?」」

声がピッタリそろった反論。

「「「……ッ」」」

「なんだおい?」
「フン。驚かそうったって無駄だ。二度目はないぜ」

しかし、三人は沈黙。

「おい、しつけーぞ」
「「アァァァアァァァァァ!!!!」」

ゼロは無言のまま走り去ったが、進と雪美は悲鳴あげながら逃げた。

「…ったく、手の込んだ嫌がらせしやがって」
「これだからアホは…」
「「引っ掛かるかってんだよ」」



背後には、トンデモなく怖ーい、赤い着物を身につけた怪物がいました。



「「……こ、こんばんわ」」





*****

「おいィーー!いたぞ!マジでいた幽霊っつーか化物!!」
「二人ともぉーーー!!」
「奴らのことは忘れろ。もう手遅れだ」

――バァーン!!――

さっきの部屋から煙。
そこから見える二つの人影。

「おー!切りぬけて来た!……いや、待て。…背負ってる!ヤバいの背負ってる!こっち来るんじゃねェーー!!」

三人はスピードアップ。



「おい!何故にげるんだお前等!」
「ん……おいちょっと、後ろ重くないか?」
「知らん、俺は知らんぞ!」
「いや乗ってるぞ。重量からして絶対に…!」
「だったら自分で確認しろ!」
「お前もちょっとくらい見てくれてもいいだろ!?」
「だったら、”せーの!”で二人同時に振り向く」
「お前絶対見ろよ!裏切るなよ!絶対見ろよ!」

そして、

「「せーの!!」」
『………!!』
「「…こ、こんばんわ」」



「「アアアァァァァァーーーーー!!!!」」





*****

倉庫内。

「やられた、今度こそやられたぞ」
「シメたぜ、これで私の活躍がふえる」
「言ってる場合かよ!」

こんな時でもツッコム進。

「あ、そういえば誰か灯り持ってないか?……お、蚊取り線香発見」

ゼロはライターで着火する。

「なんだよあれ?アンデッド以外にあんなのがこの世界にはうじゃうじゃしてんのか…!?」
「剣心達大丈夫かな?死んじゃったりしてないよね?」

「…そういえば、この街に引っ越して来たばっかりの頃な。目星のついた奴を脅す為、我が故郷・魔界の肉食昆虫や猛獣を召喚してみたんだが……もしかしたら、それか?」

「お前はドンだけ腹黒なんだよ!?」
「元凶はあんたかい!おのれ剣心の仇ッ!」

――バタバタ!!――

「あぁもう、狭いんだから止めろ!……全くこんなことしてる場合じゃ――――」
『………』

怪人襲来。

「雪美!!変身だ!!」
「う、うん!!」

二人はラルクバックルとランスバックルを装着。

「「変身ッ!」」

【OPEN UP】
【OPEN UP】

進は赤いオリハルコンエレメントのゲートを潜り、赤のAを模した仮面と黒色のスーツに赤いAの意匠が施されたアーマーをみにつけた射撃手・仮面ライダーラルク。
雪美は緑色のオリハルコンエレメントのゲートを潜り、緑のAを模した仮面と黒色スーツにAの意匠が施された緑色の鎧をみにまとう仮面ライダーランスとなる。

【MIGHTY】

ランスはカードを醒杖ランスラウザーに通して地面をを叩き付ける。
インパクトスタップによって怪人との間に土煙の膜ができた。

【MIGHTY】

今度はラルクが醒銃ラルクラウザーにカードをラウズして銃口からレイバレットを発射。

「……やった?」
「貴様、生存フラグを知らんのか?」

ゼロの言葉通り、怪人は逃げていた。

ゼロはイーヴィルドライバーを装着。





*****

無限家の寝室(ゼロとリインフォース専用)。

「……………ん…ゼロ?」

布団の中で起きたリインフォース。
気付けば、イーヴィルドライバーが装着されている。

(リインフォース、起きるの遅い)
(ッ!…ゼ、ゼロが寝かせてくれなかったから!!//////)

そう、ハッキリ述べてしまうと、今のリインフォースは衣服どころか一糸纏わぬ状態。
要するに素っ裸だ。多少は男女(エロ)の仕組みに理解があって、ある程度察しが良ければ一発で理解できるであろう。

(検索項目は、ガイアメモリの種類(タイプ)とドーパントの能力について)
(……承知)

どの道断っても無駄と悟ったのか、、リインフォースは次元書庫にアクセスする。





*****

片や、風都公園の噴水場。

――プーン、プーン、プーン――

「「うるせーんだよ!!」」

蚊の羽音に苛立ち、茂みに隠れていた剣心と水中に隠れていた照井がでてきた。

「お前生きてたのか?」
「お前こそ、悪運の強い…」

軽口を叩き合う。

「おい、アイツはどこへ行った?」
「わからん。多分他の連中のところにいったんだろう」
「逃げやがったのか。…実は俺、さっき逃げてた時、ずっとアイツにメンチきってたんだ。あれかな?」
「フン、バカを言え。俺は逃げてる間奴の身体をずっとツネッていた」
「小さいな。俺なんか――ガサッ――」

――バシャーーーン!!――

茂みからなにか聞こえた瞬間、二人は同時に水中へ。

そして、ゆっくり顔をあげると、そこにはカエルがいた。

「…さて、水を浴びてヒンヤリサッパリしたことだ。そろそろ反撃しようぜ?」
「無理をするな、声がふるえているぞ。奴は俺が仕留める。ヘタレは家でビクついてろ」

その言葉が引き金となる。

「ビビッてんのはテメーだろ!わざわざ水に隠れたのは、股間ビッショリなの隠すためじゃないか?」
「なんだと?幽霊の前にお前を潰すぞ!」

二人は勢いでアクセルドライバーとグレイブバックルを装着。

【ACCEL】

「「変身…ッ!」」

【OPEN UP】
【ACCEL】

黄色いAを模した仮面とブラックスーツに、黄色いAの意匠が組まれた装甲を纏った仮面ライダーグレイブ。
赤き加速の記憶をフルに引き出し、復讐の炎で身を焦がし、青き眼を発光ダイオードのように明るく光らせるとして見える仮面ライダーアクセル。

――プーーーン――

「この際だ。どっちが上かはっきり決めようじゃないか」
「望むところだ」

――プーーーン――

【ENGINE・MAXIMUM DRIVE】
【MIGHTY】

アクセルはエンジンブレードにエンジンメモリを挿入。
グレイブもカードをラウズ。

――プーーーーーン――

「「さっきからうるせぇーぞ!!」」

上空を怒りのままみあげると。

『シャァー……!!』
「「………」」

羽音を立てながら上空を飛ぶ、怪人の姿。





*****

仮眠室。

「やはり、どいつもこいつも…幽霊にやられた奴は皆、蚊に刺された跡がある。あれは……幽霊ではない」

そして、ゼロがでてくる。

「その通り、奴は幽霊ではない…ドーパントだ」





*****

「……おい、折角だ。あいつを仕留めた方が勝ちってことで」
「面白い、うけてたつ」

グレイブの誘いにアクセルが乗った。
そして二人は雷撃と鼓動を全開した刃を構える。

「ハアァァァ!」
「ウェーーイ!」

【TORNADO】

「「ッ!?」」

――バシュッ!――

突如彼方よりはなたれし一条の矢。
それは一直線に飛んで、ドーパントに見事命中する。

『うあ……』

短い悲鳴の末、ドーパントはあっさりと地に堕ちた。
グレイブとアクセルは咄嗟に風の矢がとんできた方向に視線を集中する。

そこには、カマキリとハートを意匠とした仮面・スーツ・生体装甲で全身の覆い尽くした黒色の戦士……仮面ライダーカリス!

「…つまらん…」

それだけ言うと、カリスは愛用バイク・シャドーチェイサーに乗って次元の壁へと去っていった。



「「………え…、えぇぇーーー!!」」





*****

翌日。

『あのー、どうもすいませんでした。私実は見ての通り”蚊の記憶”を宿した”モスキート・ドーパント”なんです』

逆さ吊りにされたモスキート。

『最近会社の上司との間に子供ができちゃって……あの人には家庭があるから、私一人でこの児育てようと…。それでお金稼ぐためにガイアメモリで血を少しずつ吸い取って血液銀行に売ってたんです。ホントにスイマセンでした。でも私、強くなりたかったの!この児育てる為に、強くなりたかったんです…!でも、メモリが排出できなくなって困ってたんです』

「あのー、すいません。顔の影を変に強くするのやめてくれませんか?キモ……怖いんで」

「はいはいはーい、貴様ら退けー」

そこへイーヴィル・マジカルブラスター登場。

【VANITY】

「ハチ」

【BEE】

バニティーボックス・ビーモードはバーストキャノンと合体。

【EVIL/BLASTER・MAXIMUM DRIVE】

「『ブラスタービースナイパー』」

ガイアメモリの位置を正確に特定し、ブラスターキャノンの銃口から一本の細長いエネルギーが精密狙撃され、モスキートの体内にあるモスキートメモリを破壊して、彼女の人間の姿に戻す。



それを遠くでみていた剣心達。
気付けば、次元の壁が現出している。

「あばよ、性悪刑事」
「うるさい、二度と来るな」

いがみ合う照井と剣心。

「アハハ…(汗)それじゃあ、さようなら」
「元気でね…!」

それを何とか取り繕うと、進と雪美が苦笑いなのか作り笑いなのか、今一わからない笑顔である。

そして、三人が次元の壁を越えて帰っていくと、照井も椅子に座ってコーヒーを飲む。

――ガチャン――

「ッ!!」
「おい、照井!ドーパントだって!?」

そこへ、かーなーり遅れて、仮面ライダーW・左翔太郎の登場。

「あれ?」

翔太郎が目にしたのは、デスクに零れた大量のコーヒーを拭く照井。

「なにやってんだお前?」
「俺に……俺に質問するなァーーー!!」

こうして、照井竜の波乱万丈な事件は終わった。










「おい待て、ハードボイルドな俺の出番は?」

勿論、無い。

「そんなァーーー!!」


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